「アイン」として以外の身元が一切不明。恐らくは モンゴル出身と思われる。
ソ連崩壊の騒動で孤児になり、娼館に売られた所をサイス・マスターに引き取られた模様。
「ファントム」に仕上げられるべく洗脳、催眠、様々な薬品投与を受け、過去の記憶も一切奪われている。
その為、玲二に会うまで死ぬ自由すら与えられていなかった。
暗殺兵器としての一作目であるため、肉体強化の実験として必要以上に体を弄られているらしい。
その為、薬品投与の副作用で時間が経っても外見年齢があまり変わらない。 ロリババアという程ではないが。
サイス・マスターが自らの作品に永遠性を持たせるため、自分の技量を後継に受け継がせる目的で玲二の教育に当たる。
感情を押し殺しているため冷たく見えるが、その仮面を一度崩されると脆い。
作品中盤から時折見せる素顔から、元来は優しい性格のようである。
ちなみに暗殺のための演技としてなら、何処にでもいるティーンエイジャーの少女として振舞えたりする。
インフェルノから玲二とともに隠れていたころの潜伏先の学校がキリスト教系であったため、
そこで神学に触れて哲学、学問としてキリスト教の教えに興味を持ったらしい。
礼拝堂で一人で祈っている姿が作中でも描写されている。
ドライとの対決前には特に熱心に祈っていたようである。その後その礼拝堂で銃撃戦をすることになるが。
暗殺者の顔をしているときは非常にリアリストのような言動をとるくせに、
戦いが終わると「主よお許しください」と呟く彼女はそこに人間としての素顔を見せているのかもしれない。
戦闘人形としてのスペックは極めて高く、芸術品とまで称され、サイス・マスターから歪んだ愛情を受けていたが、
感情を爆発させて殺人者となった際のツヴァイには遥かに劣る(実際、それ故に彼はファントムとなったのだが)と評価されていた。
その為、彼はツヴァイの発展型としてドライを作ったのだが、彼女はとにかく 情緒不安定で扱いにくく、
結果的にサイス・マスターは原点へと立ち戻り、アインの発展量産型とも言える少女たちを作る事になった。
しかしツヴァイと共に成長した彼女にとってそんな存在は敵ですらなく、あっさりと倒されてしまう。まさに かませ犬である。
アイン曰く、かつての自分とまったく同じなので戦闘能力自体は拮抗していても動きが簡単にわかるという。
ワンパターンな育て方しかしていないサイスに対しては心の中で嘲笑したようである。
まあ、それもアインと直接対決したシーンの話で追い込まれてた時は結構脅威だったりしたんだけどね。
また全てに復讐する為、玲二がインフェルノの幹部となる道を選んだルートもあるのだが、
「アインとまったく同じ」だった為、簡単に全員篭絡され、玲二に忠誠を誓うハーレム状態になっていた。
そして油断していた幹部達ごとサイスを抹殺し、自分を利用していたインフェルノを乗っ取ってしまう。
以前の失敗を まるで修正できてない辺り、天才なんだか間抜けなんだか良くわからないぞ、サイス・マスター。
ちなみにこの男、ラストでは「アインは戦闘能力を持たず、自分と対抗をしない人間を殺さない」と思い込んで
(事実過去のアインはそうであった)銃を捨てて意気揚々と逃げようとしたが、玲二との生活で変わったアイン…
もといエレンは暗殺人形としての命令の遂行ではなく、自らの意思で復讐「殺人」を行う。
自分で人を殺すことを決めてしまった以上、もはや何の言い訳もできない罪として背負わなければならないが、
エレンにはその覚悟ができていた。
サイスマスターの敗因は人は成長するものであるということを忘れていたことと、アインが人であると認識していなかったことだろう。
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