レッドバロン

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レッドバロン - (2021/07/02 (金) 02:45:52) の編集履歴(バックアップ)


1973年に放送された特撮作品、『スーパーロボット レッドバロン』に登場する巨大ロボットヒーロー。
1994年にアニメ作品『レッドバロン』として、そして2017年に実写映画『BRAVE STORM ブレイブストーム』としてリメイクされ、
いずれも主役ロボットとして登場している。

2回リメイクされているが、続編ではなく各作品が独立した世界観、設定の作品である。
3作でキャラクターや必殺技名「エレクトリッガー」等に同じ名前を使っているが、
同じ名前でも設定などは作品ごとに大きく異なっており、
過去作を知らなくてもどの作品からでも見始めやすいのが特徴。

1973年版は巨大ロボットアニメが人気になり始めたマジンガーZと同時期の特撮巨大ロボットであり、
ミサイルやビームを使えるロボットで、必殺技「エレクトリッガー」は電撃光線だった。
1994年のアニメ版は格ゲーブームの影響を受けた『機動武闘伝Gガンダム』と同時期の巨大ロボットアニメで、
格闘戦に特化した、ミサイルやビームを使わないロボットで、派手なジャンプや浴びせ蹴りなど力強い動きでかなり動けるのが特徴。
エレクトリッガーは電撃を纏った必殺パンチに変更されている。
そして17年版はCGの巨大ロボットの実写映画表現がハリウッドで盛り上がる時期の実写映画で、
重量感と巨大感の表現に力を入れ、都市部での巨大ロボットの殴り合いをCGによって実写映像化していた。
格闘戦だけでなくミサイルやビームも使えるロボットで、エレクトリッガーも1973年版同様の電撃光線となっている。

後述するMUGENキャラは2017年版の外見をベースに、
技の設定と操縦者のボイスは1994年版を使用しており、面白いアレンジに仕上がっている。

+ 1973年の『スーパーロボット レッドバロン』でのレッドバロン

スーパーロボット レッドバロン

身長:40メートル
体重:150トン
主な武装はバロンパンチエレクトリッガー、バロンビーム等

巨大ロボットによる世界征服を企てる悪の組織「鉄面党」は、世界各国の最高技術により製作された数多のロボットを奪取し
それらを作り上げた多くの科学者を拉致し、更に日本随一のロボット工学者であり科学秘密特捜隊SSIの技術者である紅健一郎博士をも拉致してしまう。

しかし紅博士は鉄面党の暴挙を予見しており、万一の為に鉄面党に対抗するためのスーパーロボット、『レッドバロン』を密かに開発していたのだ。
紅博士の弟である紅健は兄の残したレッドバロンを駆り、鉄面党の繰り出す多くの戦闘ロボットを迎え撃ち、その野望に敢然と立ち向かって行く。
しかしその先には、想像を絶する多くの苦難が待ち受けていた…。

余談だが、バロンシリーズ(本作及び、マッハバロン、ガンバロン)は視聴率自体は高かったものの、
スポンサーの都合番組改編の煽りで3作共に打ち切りを食らった不遇の作品群である
(それでも『レッドバロン』は首領を撃破して敵組織を壊滅させた上、さらわれていた紅博士との再会などもあって話としては完結しており、
 敵首領が逃亡する第1部完的な『マッハバロン』や、いつも通りの話で「来週もまた」と言ってたのにも拘らず、
 次週には消えていた『ガンバロン』よりは遥かにマシな終わり方なのだが)。
和月伸宏の漫画でも「アーマーバロン」というキャラを出したら打ち切られた。
格ゲー的な余談としては、バスターコレダーキャプテンコレダー紅丸コレダーデストラップ・コレダー等に使われる「コレダー」は、
マッハバロンの必殺兵器「マッハコレダー」が初出であると言われている。
マッハコレダーは目から発射する1億万ルトの中性子ビームであることから、英語で「コライダー」と発音される粒子加速器が由来と推測される
(紅丸コレダーも後に紅丸コライダーに名前を変えている)。
「コレダー」になったのはドイツ語読みの「コリダー」が訛ったのだと言う説がある。
ただしキャプテンコレダーも紅丸コレダーも中性子の無い単なる放電技扱いである。

あと、プラモは放送終了後にも度々別名義へリデコして売られ、有名所ではガンプラブームの折にマルイの出していた小型プラモはガンガルズク
大型プラモは「ウォーカースーツ」にパチモン怪獣大熱戦されていたりも。

+ 1994年のアニメ『レッドバロン』でのレッドバロン

レッドバロン(アニメ)


「レッドバロオォーーーン!ファイヤーーーー!!!」


デザインは1973年とほぼ同じだが、よりスレンダーかつマッシブにアレンジされ、目の色も黄色からグリーンに変わるなどの若干な違いがある。
3作の中で最も体を動かしての格闘戦ができ、格闘ゲームのようなジャンプやサマーソルトキックを使った力強くもスピード感のある格闘戦で戦う。
また、必殺武器のエレクトリッガーは放電ビームから拳に電撃を纏ったパンチ攻撃に変更されており、
これを応用した新たな必殺技の電撃踵落とし「ローリングサンダー」も使用可能
(踵落としと言ってもネリチャギではなく浴びせ蹴り(と言うかクラックシュート)の方である。故に「ローリング~」)。
一方で光線やミサイルなどの飛び道具は一切搭載されていないのも大きな特徴である。

主人公巨大ロボットによる格闘技大会「メタルファイト」の選手(メタルドライバー)だが駆け出しのため、
自身の搭乗するメタルファイターを提供してくれるスポンサーを探し歩いていた。
彼はとあるきっかけで謎の組織「鉄面党」から狙われるロボット技術者の少女、冴場翔子を助け
追手から逃れるために彼女が災害救助を目的に開発した高性能ロボット、レッドバロンに乗り込み見事敵を粉砕する。
拳は翔子の反対を押し切りレッドバロンを使用しメタルファイトのチャンピオンに上り詰め、
鉄面党の刺客となったライバル・シャドーが駆る「ゴールドバロン」を始めとする、多くのメタルファイターの挑戦を受けていく。

アニメ後半では次の4つのアタッチメントが登場、状況に応じて装着することでパワーアップして戦う。
「ショルダーアーマー」は肩アーマー、
「アームブレード」は腕に装着する肘ブレード
「ニーキックパイル」は膝に装着するパイルバンカーで、
「サマーソルトブースター」は足に装着しロケットでキック力を高める。サマーソルトキックとローリングサンダーじゃ回転方向が逆だけど。
一方で一部のファンによる「レッドバロンが破壊されてマッハバロンに乗り換えるのでは?」という期待は裏切られた。

OPテーマもテンションが上がる名曲で、戦闘で優勢になって勝利するまでに流れることが多く、処刑用BGMとして印象に残りやすい。
上述の「レッドバロオォーーーン!ファイヤーーーー!!!」の台詞は主題歌前のタイトルコールみたいな物であり、
ファイヤーは本編中では使われていない。
それ以前に「もっと熱くなれよ」と言う意味でしかないので、武装とは関係ない。
要は「♪FIRE!FIRE! サイコソルジャー」「かすかべ防衛隊、ファイヤー!!!」や「野原一家、ファイヤー!!!」と同様。
そういや歌手はアクション仮面と同じ石原慎一氏だったり

実は本作の放送開始は『機動武闘伝Gガンダム』より17日早い。
スポンサーは両方共バンダイで、主人公の担当声優は『Gガン』のサイ・サイシーと同じ 山口勝平 氏。
内容の被ったアニメが同時期に作られたのは、双方共に格ゲーブームにあやかろうとしたからである。
Gガン』とは違って、レッドバロンの格ゲーは出なかったけど。
なお、ラスボスのAIが「レッドバロンこそ自分のボディに相応しい」と認めた結果、
終盤では前述のゴールドバロン以外にもレッドバロンもどきの軍団や、それらを生み出す「マザーバロン」の存在など、
バロンがゲシュタルト崩壊を起こしそうな展開が待ち受けていた。…あれ?なんかGガンっぽくね?

バロンシリーズは初代レッドバロン、マッハバロン、ガンバロンと常にスポンサーや制作費に悩まされ続け、円満に終わった事はないのだが、
このアニメ版レッドバロンはGガンダムを向こうに回して大健闘、視聴率は然程でも玩具の売上が大好評であったことから、
放送期間も4クールに延長され、唯一打ち切られずに最終回を迎える事ができた、バロンシリーズ初の快挙を達成している。
現在はdアニメストアニコニコ支店でも絶賛配信中である。

+ 2017年の実写映画『BRAVE STORM ブレイブストーム』でのレッドバロン

BRAVE STORM

身長:40メートル
体重:150トン
主な武装は放電光線エレクトリッガー、両肩に装備されたミサイル等、
体の各部にあるジェットエンジンで飛行することもできる。
天才ボクサーの主人公が操縦するため、パンチなどの格闘戦も十分にこなすことができる。
これまでのデザインを大幅にリメイクし、全体的に重量感があり機械的なデザインとなっている。
そもそも1973年版は当時の技術故に、もろに着ぐるみなデザインである。
東京の都市部のビル街で昼間に巨大ロボット同士が地上で殴り合うという映像を、
CGを駆使して巨大感、重量感たっぷりに描いた戦闘シーンは評価が高い。

西暦2050年、人類はキルギス星人による侵略によって壊滅状態となり、
更にキルギス星人の駆る侵略ロボット「ブラックバロン」の惑星改造装置により大気は汚染されつくしていた。
キルギスに対抗するレジスタンスである春日兄弟は戦闘特殊強化スーツ、「シルバー」を使いブラックバロンの開発データを奪取。
キルギス星人の侵略が開始され始めた2018年にタイムスリップし、ロボット技術者紅健一郎博士にブラックバロンに対抗するためのロボット開発を依頼する。

そしてブラックバロンを上回る性能のスーパーロボット、レッドバロンが完成。
紅博士は弟である紅健に幼い頃に交わしたある”約束”を果たすためにレッドバロンの操縦を託すのであった。

本作は『レッドバロン』に、別の特撮番組『シルバー仮面』を加えて一つの作品として再構成しているため、
春日兄弟(兄妹)、シルバー(シルバー仮面)、キルギス星人(+チグリス星人)など『シルバー仮面』からのキャラクターも多数登場している。
鉄面党は宇宙人に滅ぼされてしまったのだろうか?
なお企画段階では『アイアンキング』も加わる予定だったらしい。静弦太郎が参戦したら負ける方が難しいんじゃ?

作品の特徴としては他の平成特撮作品を見ていると馴染みのあるスタッフや役者が関わっているのも特徴。
プロデューサー、監督、脚本はウルトラマンゼロのデビュー作『ウルトラ銀河伝説』を脚本、プロデュースした岡部淳也氏、
主人公『紅健』役は『仮面ライダーオーズ/OOO』の主人公『火野映司』役の渡部秀氏、
ヒロインは『ウルトラマンジード』の鳥羽ライハ役の山本千尋氏など、豪華なメンバーが腕を振るっている。

ちなみに山本氏はアクションもできる女優としてお馴染みだが、本作では終盤ギリギリまでアクションが一切無いという珍しい役所を演じている。
これにはかなり複雑な経緯があり、公開順こそ『ジード』や『平ジェネ』が先だが、実は撮影順では本作こそ彼女の特撮初出演であった。
そのため終盤になって初めてキレッキレのアクションシーンが挿入されたのは特撮ファンが彼女を知らない事を前提としたサプライズ演出だったのだが、
前述の2作の方が先に公開され山本氏がアクションで有名になったためにその演出が成立せず、単に終盤までアクションが無いだけになってしまったのだとか。

企画・著作はアルバトロスジャパン。
映画でアルバトロスというと『シャークネード』などB級~Z級映画の配給を行なっているアルバトロスフィルムが有名だが、
同社は特撮作品を専門に扱うフィギュアメーカーであり、全くの別会社である。

+ レッドバロンの名前の元ネタ
名前の元ネタは恐らく第一次世界大戦でのドイツ帝国のエース、マンフレート・フォン・リヒトホーフェン男爵。
卓越した技量による戦時中最多の撃墜数を誇るだけでなく、紳士的で騎士道精神に溢れた振る舞いをする人物だったと言われており、
エースとしての名声が知れ渡ってからは攻撃を引き付けるために自機を真っ赤に塗装、敵国からは「レッドバロン(赤い男爵)」と呼ばれた。
最終的には終戦を迎えること無く戦死しているが、その死は敵味方の双方から悼まれたという。

創作物においては『機動戦士ガンダム』に登場した赤い彗星のシャアに代表される、
「パーソナルカラーと、それにちなんだ異名を持つ戦士」の元祖とも言える人物であり、
シャアと同じく彼に類似する異名を持つ人物や、オマージュした設定を与えられたキャラクターは枚挙に暇がない。
現実でも、日本最大手のバイク販売業者の社名が彼にちなんだ物である。


MUGENにおけるレッドバロン

zektard氏による手描きのレッドバロンが作成、2018年6月27日に公開されている。
スプライトは、2017年公開のBRAVE STORM版が再現されている。
ただしボイスは1994年のアニメ版(山口勝平氏)の物であり、技もアニメ版準拠の格闘技メイン。

氏の他のキャラ同様攻撃中は完全に無敵の技が多い。
必殺技では雷撃パンチ版のエレクトリッガー三連撃を繰り出す。
超必殺技ではアニメ版の項に書かれた強化アーマーを装着し、ローリングサンダーを繰り出す。
この時のアーマーは実写映画風にアレンジされており、技も踵落としから回し蹴りに変更されている。
デフォルトではAIは搭載されていないが、ドットのクオリティは高く、
プレイヤー操作での活躍に期待したい。

出場大会

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