シャンクス





(ピストル)を抜いたからには命を懸けろよ」

「そいつは脅しの道具じゃねェって言ったんだ…」

尾田栄一郎氏の漫画『ONE PIECE』の登場人物。
アニメの担当声優は 池田秀一 氏。

通称「赤髪のシャンクス」
赤髪海賊団の大頭にして、モンキー・D・ルフィが海賊を目指すきっかけになった人物。
ルフィが(意図せずとはいえ)悪魔の実「ゴムゴムの実」を食べる事になった原因でもあり、
彼のトレードマークである麦わら帽子の元の持ち主で、ルフィに帽子を預けた人物である。

普段はマイペースかつ温和な性格であり、自分自身に対して酒・食べ物をぶっ掛けられようとも、
ツバを吐きかけられ侮辱されようとも笑って見過ごすほどの大らかさを持っている。
船員達からは「お頭」と慕われ、フーシャ村の住人達からも「船長さん」と親しまれていた。
一方で、仲間や友人に手を出し侮辱する輩には一切の容赦はせず、
ピストルを自身に向けた相手についても、たとえ相手が脅し程度のつもりであれ、
「殺し合い」と見なして躊躇なく殲滅する、文字通り海賊らしい側面も持つ
(冒頭の台詞はその時のもので、その後シャンクスの仲間が山賊の一人を食事しながら一瞥もせずに射殺している)。

連載前に増刊号に掲載された読み切り『ROMANCE DAWN』から登場している。
この時は子供時代のルフィが一人で航海の練習をしていてサメに襲われた所を救われた回想だけの登場だったが、
連載版ではこのエピソードに後述の山賊など新要素を加えて第一話を飾った。
尾田氏にとっても何度もの駄目出しの末に生まれた会心のエピソードであり、もう一度連載前にWJ本誌に載せた読み切りでは温存している。


原作中の活躍

ルフィとの出会いは、本編(超新星編)より10年前において東の海のフーシャ村を1年程拠点としていた頃に遡る。
シャンクスに憧れる当時7歳のルフィに頻繁に「航海に連れて行ってくれ」と頼まれていたが、
シャンクスは一顧だにせず適当にあしらいつつ、からかっていた。
これはシャンクスが海の過酷さを知るが故であったが、当時のルフィは自分をバカにして遊んでいるだけだと解釈していた。

そんなある日、村の近隣の山をシメる悪名高い山賊ヒグマ一味が、シャンクス達が宴をしているマキノの店に押しかけ、
店の酒を全て海賊達が飲み尽くしてしまった事を知ると、最後の酒瓶をシャンクスに浴びせる蛮行を働く。
まぁ酒を大量に買いに来た相手に、最後の一本だけ「まだ空けてないからやるよ」というシャンクスの態度も問題がある気もするが
しかし、シャンクス達はそれに怒る事もなくスルーし、ヒグマは彼らを「腰抜け」と嘲笑いながら帰っていった。
一部始終を見ていたルフィは、やり返そうとしないシャンクスに幻滅し、怒ってその場を去ろうとしたが、
そこでシャンクス達の戦利品である「ゴムゴムの実」をルフィがデザートだと思って食べていた事が発覚。
半ば事故ではあったが、ルフィを能力者にしてしまった。

後日、シャンクス達が海に出ている最中、
ヒグマは手下達と共に再び酒場を訪れシャンクス達を声を上げて侮辱し、
我慢できず突っかかってきたルフィを痛め付けた挙句、大人げなくも殺そうとしたが、
戻った直後その現場に遭遇したシャンクスは、これを友人への攻撃とみなして山賊達と戦闘を開始。
ヒグマには当初こそ粋がられていたものの、以前の挑発は「買う価値もない喧嘩」という理由で見逃していただけであり、
赤髪海賊団の隔絶した実力差で追い詰めたが、悪足掻きの煙幕で撹乱されルフィを連れて逃亡されてしまう。

ヒグマは自身が「山賊」である事から虚を突いて小舟で「海上」に逃亡し、
大敗した腹いせにカナヅチのルフィを海に放り捨てるが、
そこにフーシャ村の近海に棲む海王類「近海の主」が出現しヒグマを捕食。
直後にルフィをも食おうとした所、間一髪でシャンクスが駆け付けて庇う。
近海の主は、シャンクスのそれまで見せていた楽観的な態度からは想像もつかない殺意に満ちた威圧に怯えて逃亡する。
+ だが…

「安いもんだ 腕の一本くらい… 無事でよかった」

だが、シャンクスは主からルフィを庇った代償に、利き腕である左腕を食い千切られていた。
ルフィはショックを受けて泣きじゃくるが、シャンクスは腕の事は一切惜しむ事なく、
ただルフィの無事を安堵していた。

この出来事により、当時のルフィは己の非力さと無力さを嫌というほど思い知らされ、彼らの船に乗る事を諦めた。
しかし、同時にシャンクスという男の本質とその偉大さを知り、「こんな男になりたい」と心の底から願うようになった。*1

やがて、シャンクスはフーシャ村の滞在期間を終え、ルフィとの別れの機会を迎える。
シャンクスは別れ際までいつものように憎まれ口でルフィをからかうが、
なおも海賊になる事を目指すルフィは「いつか自力でシャンクス達を越えて海賊王になる」と宣言する。
普段ルフィを茶化していたシャンクスも、この言葉には優しく頷き、
これまで愛着していた麦わら帽子をルフィに預け、「いつか立派な海賊になって返しに来い」という約束を交わした。

それから10年後、ルフィが約束通り海賊となり村から旅立った所から、『ONE PIECE』の物語は始まったのである。
原作コミックスではプロローグだったが、アニメ版では第4話(斧手のモーガン撃破後)で麦わら帽子が風に飛ばされ、
ルフィがシャンクスの名を呟く所から回想の形で掘り下げられた。

以上の経緯からルフィはシャンクスから預かった麦わら帽子を大切にしており、
仲間以外の誰かに触れられたり傷付けられたり馬鹿にされたりすると怒りを露わにする他、強敵との戦いでは仲間に一時的に預ける場合もある。
作中では道化のバギーに(映画『デッドエンドの冒険』ではガスパーデからも)帽子を傷付けられてしまい、戦闘後はナミに修復を頼んでいた。

+ ネタバレ注意
実は海賊王ゴールド・ロジャーの元クルーであり、王下七武海や海軍本部と勢力を三分割する大海賊「四皇」の内の1人。懸賞金40億4890万ベリー。
ただし、四皇に数えられるようになったのは本編より6年前で、ルフィと出会った後らしい。したがってヒグマの56皇殺しネタは時系列上成立しない
つまり隻腕でありながら、今でもなお世界最強クラスに数えられているのである。
本格的な戦闘描写はほとんど無いが、「グリフォン」という名の刀を使い、
同じく四皇である白ひげと鍔迫り合いを演じ、海軍大将の攻撃を軽く止めるなど、その実力の片鱗を見せる事はある。
故人であるロジャーですら回想で技を見せた現在でも、未だに技名がある技を使ったシーンが存在しない。
腕前も凄まじく、利き腕が健在だった頃には王下七武海にして世界最強の剣士ジュラキュール・ミホークと剣術で互角に渡り合ったほど。
彼の率いる赤髪海賊団も同様に戦闘描写は少ないが、海軍によれば「高い懸賞金アベレージを誇り最もバランスがいい鉄壁の海賊団」との事。
そしてシャンクス達の描写が増えるほど、彼らから煙幕だけで逃げおおせたヒグマと、
ルフィを庇うため自由が利かなかったとはいえ利き腕を奪った近海の主の評価が上がっていく

「覇王色の覇気」の使い手であり、白ひげ海賊団交渉しに赴いた際、
白ひげやマルコ等一部の強者以外はシャンクスが近くを通っただけで、泡を吹いて気絶してしまう程の力を持っている。

ロジャー海賊団時代は同じく見習いだったバギーとよく行動を共にしていた。
見習い時代からいずれ自分で海賊団を結成する事を夢見ていたらしく、
回想ではロジャー亡き後、バギーを船員にスカウトするも断られる場面がある。
しかしバギーがバラバラの実を口にするきっかけを作ってしまったため、(ほとんど逆恨みで)現在まで恨まれている
(バギーは「カナヅチになると海底の宝を探せない」という理由で実を食べるつもりはなく、食べたフリをして売り捌こうと企んでいたのだが、
 シャンクスが急に話しかけた事に驚いて本当に食べてしまった…というより自身の顔ほどの大きさの悪魔の実を飲み込んだ)。
なお、ラフテル到達前に病気で高熱を出してダウンしていたバギーをある町で介抱していたため、
バギー共々ラフテルには足を踏み入れていない。

本編への登場機会は少ないものの、長編シナリオの合間に度々顔を出す事もあって存在感は十分強い。*2
ただ、今でこそ経歴の大部分は明かされているものの、
その出自には意外と謎が多く、新世界編で描写された回想においては、
バギー共々9歳の頃からロジャー海賊団に身を置いているなど、きな臭い部分が見られる。
ペドロとの会話からも分かるが、ロジャーは子供好きであり、
基本的にクルーが子持ち等の場合を除いて年端も行かない子供を危険な航海に連れて行く人物ではない、にもかかわらずである。
ロジャーはシャンクス達が生まれた時期に当時覇権に君臨していた海賊を打ち倒したらしいが…。
一応、本人によれば西の海の出身らしい。
また、世界会議篇では聖地マリージョアにてフードを被った姿で登場し、
世界政府のトップである五老星との極秘の面会が許されている描写があり、
海賊とは敵対関係にあるはずの世界政府と繋がりがある事が明かされている。

そして、ワノ国編佳境において元CP9の男から、
ゴムゴムの実は世界政府が極秘に護送していたものを襲撃して強奪した事が明かされ、読者の間で大混乱が起こった
(もっとも当時ミホークと互角であった程の大海賊であるシャンクスが、
 何故あの時期に最弱の海である東の海で活動していたのかを疑問に思っていた読者も少なからずおり、
 この事実が明かされてむしろ「ゴムゴムの実狙いで東の海に来ていたのか」と納得したという声もあった)。
悪魔の実は確かにいずれも強力なので貴重品として扱われて然るべきだが、
究極の悪魔の実とされるオペオペの実ですら護送していたのは海軍でありそこまでの厳戒態勢ではなく、
加えてその元CP9の発言や状況を見る限り、何らかの形で情報を入手したシャンクスがわざわざ東の海に足を運んで作為的に強奪したとしか考えられず、
何より自分から騒ぎを起こすタイプではないシャンクスが世界政府のエージェントを襲撃したのはあまりに彼らしからぬ行為であり、
それまで強力だが面白系と思われていたゴムゴムの実を一転して得体の知れない代物にさせた*3

映画での出番は長らくなかったが、2022年公開の『FILM RED』に満を持して登場。
自身の娘とされるゲストヒロインのウタともども、同作のキーパーソンを務めている。
同映画では、原作でも長らく謎であったシャンクスが四皇に数えられる遠縁となったと思われる出来事が明かされている。

「顔に傷を持つ赤い髪の偉大な先達」という点から、作者の師匠の代表作の主役の影響を指摘する声もあるとか。


ゲーム作品中の活躍

ゲーム作品では一貫して最強クラスの隠しキャラとして登場する事が多く、
『グランドバトル』シリーズでも秘密のコマンドを使用しない限りは最後に解禁するになる事だろう。
本編での出番が少ないため、技はオリジナルのものが多い。
中には「乾杯のポーズをしてる時に攻撃すると反撃…と思ったら刀と間違えてフォーク等を掴んでいたために失敗する」という謎のカウンター技もあり、
ダメージは与えられないが一定時間相手を硬直させる効果がある。
特に『グラバト2』では設定通りに性能も最強クラスであり、2014年に開かれた大規模な大会での使用率がおよそ70%に達したという(通称「新世界」)。

『ランドランド』では最後の隠しステージボスとして登場。
一部の遠距離攻撃をバックステップで無効化し、近付けば目にも止まらぬ速さで間合いを詰めて連撃を仕掛けてくる。


「この戦争を…終わらせに来た!!」 


MUGENにおけるシャンクス

Planeptune氏により製作されたキャラが公開中。MUGEN1.0以降専用。
コンボ性能が高く、攻撃範囲も優秀で高性能。
2ゲージ技「覇気モード」では、赤いエフェクトを纏って性能が強化される。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

上記の他に、Intoxicados氏 & Wenchu氏のキャラも公開されている。


「ほぅ…!!おれ達を超えるのか ……じゃあ… 
 この帽子を お前に預ける
 おれの大切な帽子だ 大事にしろよ
 いつかきっと返しに来い 立派な海賊になってな」

出場大会



*1
言わずと知れた名場面だが、袖が!」「頭も!」「俺も!」など、
ネットで出回っているコラ画像のせいで同場面で笑ってしまうという人も多い。
+ 名場面崩壊注意

*2
そのあまりの存在感と底知れなさ、そして少年漫画特有の能力or実力インフレが相互作用し、
彼の実力や正体については長らくファンから考察されていた
(あまりの神出鬼没ぶりに疑問を呈される描写や五老星との会談の際の普段とかけ離れた態度、
 あと時々顔の傷が無くなっていたり劇場版監督インタビューでの誤植(現在は修正済み)から、
 「シャンクという複数の人物の総称説」とか)。
中でもYoutubeのサムネイルでデカデカと、
「~説濃厚に」「~で確定」「俺によく馴染むぜ」「よくやった!それは俺の~じゃない!」
などの(考察なのに)断定文や捏造セリフを並べている動画群が一部で人気を博し、
通称「シャンクス構文」としてネットミーム化しつつある。
そんなに怖いか?“風評被害”が!!!

*3
要人の暗殺以外でCP9が動いた古代兵器プルトンの設計図入手、オハラの一件を踏まえると、
世界政府がゴムゴムの実を古代兵器級の代物として扱い輸送していた可能性が高いと読者の間では考察されていたが、
この真相はカイドウ戦の最中に明かされることになる。


最終更新:2022年09月23日 01:58