「今日もダメだったか……
タコで すみません。」
スクウェア・エニックスのRPG『ファイナルファンタジーVI(FF6)』などに登場するボスモンスター。
全身紫色のタコそっくりなモンスターで、
関西弁とも
広島弁ともとれる口調と、いやらしくニヤついた目付きが特徴。
一人称は「わい(ワイ)」だが、初出の『VI』では「われ」「おれ様」と一定していない。
タコなだけあって「たこあし」や暗闇状態を付加する「
すみ(タコじるしのすみ)」を得意としているが、足は
7本しかない。
基本ギャグキャラだが、毎度戦法を変えてくる上にいずれも厄介で中々手強いボスとして立ちはだかる。
オルトロスといえばギリシャ神話の
ヘラクレス十二の試練の一つにおいて、
ゲーリュオーンの
牛を守っていたところを
棍棒で撲殺された双頭の犬の化け物だが、
『FF』では何故か牙の生えた
タコ
。
2文字目と4文字目だけ違うオクトパスとでも間違えたのだろうか
この事に関して公式でツッコミが入ったこともある。尤も、
原典と性別が逆だったり全く違う姿をしたりしているキャラは『VI』に始まった事ではないが。
なお、『XI』に登場するオルトロスはタコではなく原典に近い姿であり、こちらのモンスターとは全く別物である。
何度も主人公達を邪魔してくるが、ストーリー序盤の敵側勢力である
ガストラ帝国との関係は劇中では一切言及がなく、
多くのプレイヤーからは無関係と見られている。
但しラストダンジョンにおいて、帝国でも使われたガーディアンというロボットが彼のデータをインプットしていたので関連性を推測するファンもいる。
作中では4回戦う事になり、最終決戦時には用心棒的存在のモンスター「テュポーン」とタッグで襲いかかってくる。
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初戦 |
「うひょひょ ここは とおせんぼ! とおさないよー イジワル? イジワル?」
最初はレテ川下りの最中にいきなり現れて襲いかかってくる。
「ファイア」で炙ってやると 「ゆでだこ!?」などとのたまったかと思えば
ティナに対して 「わいのこのみや……ポッ。」と一目惚れしたりと、早速そのコミカルさを見せ付けてくれる。
どうやらティナのようなタイプが好みらしい。その一方でマッシュのような 筋肉モリモリ男は嫌いと公言している。 *1
おちゃらけてはいるが、特技「たこあし」がとても痛い上に回避不可能と厄介で、
主にバナンというこわい顔のおっさんの所為で低レベルクリア時の難所として有名。
撃退されるもティナにセクハラ行為を働き、更には追撃しようと先走ったマッシュを吹っ飛ばして去っていく。
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2戦目 |
「ひさしぶり…… また出たよ。 待った? 待った?」
2戦目はオペラ劇場にて 自分の挑戦状をスルーされた腹いせに劇を邪魔すべく、セリスに大きな重り (4t)を上からぶつけようと企む。
だが 想定よりも重すぎて中々重りが動かせないという間抜けっぷりを晒す。 そもそもどうやって天井裏まで運んだんだ
この戦いでは味方を 河童に変化させる「カッパソング」といった嫌らしい特技を使ってくるが、
結局はボコボコにされ、 「タコで すみません。」とページ冒頭の捨て台詞を吐いて逃走する。
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3戦目 |
「また出ちゃった しつこい? だって、タコだもん。」
3戦目は大三角島の西の山で、幻獣の洞窟に安置されていた三闘神の像(曰く「キンピカの像」)を狙って現れる
どうやら兄貴分(?)である「ジークフリード」 *2なる人物への手土産にしようと目論んでいたらしい。
自ら「三度目の正直」と言うだけあって最も高いHPを誇り、体質を変化させて炎・冷気・雷属性に対しカウンターで魔法を放ったり、
一定ダメージを受けると「プロテス」に「ヘイスト」でドーピングしてから 「ごめんね ごめんね」と 煽ってきたりと、中々芸達者かつウザい行動を見せる。
でもBGMはザコ戦と同じだった
そんな中乱入してきたリルムに 「オルちゃん」呼ばわりされ、色々あって似顔絵を描いてもらう事になるが…。
「そんな…それじゃまるで…… まるっきり タコじゃん!」
描き上がった絵を見るやそのリアルさに恐れをなし、そのまま退散。 お前散々自分をタコだと言ってたじゃないか
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最終決戦とその後 |
「これが最後のバトル ほんと! ほんと!」
魔大陸突入前、帝国軍との攻防戦の最中に大先生ことテュポーンを引き連れて突如乱入。三度目の正直とはなんだったのか
最初はオルトロスのみと戦うが、一定ダメージでテュポーンを助っ人に呼び寄せる。
…が、当のテュポーン大先生の必殺技である「はないき」により、結局勝負は有耶無耶に…。
その後はストーリーに絡む事は無いが、ちゃっかり世界崩壊を生き延びたらしく、
竜の首コロシアムで借金を返済すべく受付のバイトをしている姿が見られる。ちなみに完済には100年かかるとか。
何をやらかしてそんな負債を抱える羽目になったのかは謎である。
テュポーン先生も健在で、コロシアムで「しょうもないアイテム」を賭ける挑戦者達を鼻息で吹っ飛ばす仕事に勤しんでいる模様。
「このオルトロス様が
コロシアムの受付をしているなんて…
トホホ。」
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このように
「何度も出てきてはやられるアホな敵」というキャラ付けがプレイヤーの印象に強く残ったためか、
後作でもこのタコとしてのオルトロスがよく登場する。
『XIII-2』ではDLCのコロシアムエピソード「招かざる軟体動物」にて登場。
『VI』のデザインをしっかり再現した結果、絶妙に
キモいリアルな質感に仕上がった。
行動も『VI』に準じており、ある程度戦っていると
やはりリアルでよりキモくなったテュポーン先生を呼び寄せる。
CVは
小野坂昌也
氏で、関西出身のためか関西弁がとてもマッチする。
まんまですよ、小野坂さん
なお、コロシアムを取り仕切っている「時の審判」からは非常にウザがられている事が窺える。
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時の審判からのお言葉 |
オルトロスを退治するだと?
これはありがたい。
奴は闇の淵から現れし、異形の妖魔。
いったい誰が呼んだのか……
我もあずかり知らぬ、招かざる客。
斬るなり、焼くなり、ゆでるなり
好きにさばいてゆくがよい。
だが、くれぐれも心せよ!
オルトロスは手段を選ばぬ卑劣な輩
腹の底が決して読めぬ。
油断すれば、揚げ足を取られ
奴の蛸足の餌食となるぞ!
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『FF』シリーズ以外では、PSゲーム『チョコボの不思議なダンジョン2』でも海底ダンジョンのボス敵として登場。
こちらではオルトロス本体とは別に触手が別個の敵キャラクターとして独立している。
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テュポーンについて |
「テュポーン大先生は無口だけどものすごくつおいのだ!」
オルトロスが最終決戦時に連れて来た巨大なモンスター。「はないき」で相手を吹き飛ばすのが得意技。
彼曰く「無口」との事だが、作中では初登場時の 「フンガーーー!!」しか台詞がなく、そもそも言葉を話せるのかは不明。
ゲーム中の ドット絵では分かり辛いが、 前後に顔があるのが特徴。設定資料によると魚の一種らしい。
オルトロスからは 「大先生(or先生)」と慕われており、絶大な信頼を寄せられている。…時々寝ぼけた先生に頭を齧られたりしてるらしいけど。
世界崩壊後もコロシアムでオルトロスと一緒にバイト(?)をしている辺り、両者の関係は良好なようだ。
ファンからも「 先生」または「大先生」と呼ばれ慕われている。
なおコロシアムではHPが高い上に、全モンスター中最速の素早さを持ち、高い確率で「はないき」により吹き飛ばされるため、勝つのが非常に困難。
『FF6』で最も倒しづらい敵の一体である。
ただ鼻息で吹き飛ばされ場合は掛けたアイテムは戻ってくるため、負けにもならない。
余談だが、原典の ギリシャ神話におけるテュポーンとは、エキドナとの間にオルトロスを始めとする多くの怪物の父となった存在で、
他にも ケルベロス、 キマイラ、 ゴルゴン三姉妹等を授かった。
空と大地と星々を炎に包み、我らが 種馬神全知全能の ゼウスをして一度は敗北を喫するほどの神々の天敵、怪物の中の怪物である。
オルトロスの犬→タコのギャップが突っ込まれがちだが、テュポーン先生もまた原典とは姿形がまるで異なっており、
原典では男性の上半身に蛇の下半身で、更に肩からはおびただしい数の蛇の首が生えた姿をしている。
だが、現在すっかり板に付いているオルトロスの相方という役回りは、ある意味原典に沿っていると言えなくもない…かも知れない。
次回作の『VII』や『チョコボの不思議なダンジョン1』で相方を差し置いてしれっと召喚獣デビューしたけどな!
アニメ『FF:U』でも召喚獣として登場。
以前までとは全く異なるメカニカルな姿となっており、しかも手のひらサイズと、デカくてキモいそれまでの先生とは正反対であったが、
周囲の空間を切り取って消滅させるという、「はないき」を拡大解釈したかのような能力で猛威を振るった。
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「きんにくモリモリ……きらいだー!」
MUGENにおけるオルトロス
原作における3度目の戦いでのオルトロスをベースにしているが、原作では使えない筈の魔法や特技もしれっと使ってくる。
原作では通常戦闘の曲だったが、戦いの際には原作のボス戦
BGM「決戦」が流れる。ただし、
この人のように
ステージBGMを乗っ取る仕様ではないため注意。
体力は原作同様に
22000もあるが防御力は
紙なので、並キャラの攻撃力でも削り切る事は十分可能。
幾ら殴っても
体力ゲージが微動だにしないが、これはダミーであり体力自体はしっかり減っているので御安心を。
MUGEN入りしている『FF』シリーズのボス達の中では珍しく、テレポート(というか、
地面に潜ってるというか)で俊敏に動き回る。
ガードしても痛い「たこあし」と「いしつぶて」、
ゲージを減少させる「すみ」、
ガード不能かつ体力をゴッソリ奪う「へールストーン」や「グラビガ」といった強力な技を使う為、一筋縄ではいかない相手である。
おまけに一定ダメージで「プロテス」と「ヘイスト」を唱えて自身を強化する。
しかもこれまた原作同様に
「ごめんね ごめんね」と煽ってくる始末。この間完全無敵なのがなんともウザい。
更に体力を削ると体質が変化し、攻撃パターンに「サンダガ」、「ブリザガ」、「ファイガ」、
そして
全画面攻撃「フレアスター」が加わる(当然これらもガード不能)。
一応
ブロッキングなどで対処可能だが、やはりプレイヤー操作で挑むのが無難だろう。
なお
こいつと同じく2ラウンド目も出現する。しつこい?だって、タコだもん。
また、
カラーを変える事で性能や敗北時の演出が変化する。
ちなみに7P~10P、12Pに限りBGMがオペラ劇場戦での「大団円」になる
が、通常戦闘のBGMは無い。
2P以降は防御力が上がり、7~10Pは敗北するとリルムが登場し似顔絵イベントが始まる。
原作の展開を踏まえつつアレンジされており、原作ファンならニヤリとさせてくれる演出になっているので必見。
11Pは原作での第三回戦仕様で、体力に関係なく体質変化を発動する。
12Pはsudara13氏曰く
「はっちゃけたオルちゃん」モード。
体力が大幅に増えている他、通常時の技に加えて「メテオ」や全画面攻撃の「メルトン」、「サザンクロス」などを使用し、
「ホワイトウィンド」で体力回復までしてくる為、倒すのは非常に困難である。
「今、むかつくタコ野郎と思わなかった? ごめんね ごめんね」
出場大会
*1
ゲーム的にこれらが影響するわけではなく、どのキャラにも平等に攻撃してくる。
そもそも上記の「わいのこのみ~」という台詞は「たこあし」で単独指定攻撃してくる前の台詞である。
二度目にティナと戦う時も、その事には一切触れず敵として対峙する。
*2
世界一の剣士を自称する謎の男。
間違えやすいが名前表記は「
ジークフリート」ではなく「ジークフリー
ド」である。
デューク・フリードと混ざったような
作中では2回ほど主人公達の前に現れるが、
口先だけでその腕前はからっきし。
実の所、旅の途中で出会うのはその名を騙っているだけの偽者であるらしく、竜の首コロシアムにいる本物は世界一の名に恥じない強さを見せる。
3戦目にオルトロスが言っていた「兄貴」がどちらを指していたのかは不明。
最終更新:2024年07月01日 01:00