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スパルタの戦士として戦い、数千の軍勢を率いるほどの人望と戦闘力を得たクレイトスであったが、
 
ある時、東の蛮族との戦いで絶体絶命の危機に陥ってしまう。
 
クレイトスは軍神アレスへ力を求め、ブレイズ・オブ・カオスを授かった事で戦いに勝利するも、
 
しかしその代償として理性を失い、アレスが命じるままに動く兵士となってしまう。
 
そしてある日、アレスに歯向かう村を軍勢を率いて襲撃し、村人を虐殺し、神殿を破壊。
 
だがその村にはクレイトスの妻子もおり、それと気づかずに自らの手で殺害した事で悪夢に苛まれる事になる。
 
この時炎上した神殿と共に妻子の死体が焼かれ、その灰が全身にこびり付いた 事で肌が白く染まった。
 
これをきっかけにクレイトスはアレスと決別、罪悪感からの解放を神々に願った所、
 
「罪を許されたいならば造反したアレスを討て」との使命を授かり、壮絶な戦いの末にアレスへの復讐を果たす。
 
しかし妻子を殺した悪夢からは解放されず、神々からの「罪は許された(お前の罪悪感と悪夢は知らない(笑))」という無慈悲な言葉に、
 
とうとうクレイトスはオリンポス山からの投身自殺を図る*1 。
 
しかし神々はそれを許さず、アレスの死亡によって枠が空いた新たな戦神へと祭り上げられてしまう。
 『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』(2007年・PS2)
 
不本意ながら戦神となったクレイトスだが、その経緯からアレス以上に無慈悲で冷徹な軍神と成り果て、
 
戦火を拡大するクレイトスをオリュンポスの神々は認めず、クレイトス本人もその評価を意に介する事無く、
 
過去の悪夢からも逃れられず、スパルタの軍勢を率いて戦争によって鬱憤を紛らわす日々が続いていた。
 
この横暴ぶりが女神アテナの逆鱗に触れ、アテナはロードス島へと攻め込むクレイトスを襲撃。
 
アテナの操る石像「コロッサス」との決戦において、クレイトスはゼウスから「オリュンポスの剣」を授かり勝利する。
 
しかし、それはゼウスの罠だった。
 
「オリュンポスの剣」を使った代償でクレイトスは神性を失い、満身創痍になった所をゼウスに処刑されてしまう。
 
冥界へ引き摺り込まれるが、タイタン族の一人である大地の女神ガイアの声に導かれ、冥界から舞い戻る。
 
ガイアは同じくゼウスを倒す者として協力し、クレイトスに力を与えるため、同胞であるプロメテウスが閉じ込められている島へ向かわせる。
 
そして、プロメテウスを苦しみから解放した事により、クレイトスはタイタンの力である「レイジ・オブ・タイタン」を得る。
 
クレイトスはゼウスに殺された瞬間からやり直すべく、数々の強敵を倒しつつ、ガイアの導きにより運命の三女神の島へと赴く。
 
運命の三女神は此処までの筋書きも、そして時を越えたクレイトスがゼウスに敗北するのも運命だと語るが、
 
クレイトスは三女神をも打倒すると時を超え、ゼウスに殺される瞬間に戻って反撃し、ついにゼウスをも打ち倒す。
 
しかし突如として現れたアテナがゼウスを庇ったため、ゼウス殺害に失敗してしまう。
 
アテナからゼウスと自分の信じがたい因縁 を聞かされたクレイトスは、再び時を越えてティタノマキア*2 の時代へ戻ると、
 
全盛期のタイタン達を引き連れ、ガイアと共に現代へ帰還を果たし、オリュンポスの神々との最終決戦に挑む。
 『ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲』(2008年・PSP)
 
一作目より過去の活躍が描かれる。
妻子を殺した罪を許されるべく、オリンポスの神々の使徒として戦うクレイトス。
 彼はギリシアに攻め込んだペルシア軍との戦いの最中、太陽の消失という異常事態に直面する。
 これはタイタンの一柱アトラスが冥府タルタロスより脱獄し、太陽神ヘリオスを誘拐した為だという。
 アトラスを討つべく冥府に潜ったクレイトスだが、全ての黒幕は冥府の女王神ペルセポネであった。
 ペルセポネは自身を無理やり妻としたハデス、それを認めたオリンポスの神々への憎悪から、アトラスと結託し、
 冥府に存在する世界を支える柱をヘリオスの力で破壊する事で、世界全てを巻き添えに心中する事を画策していた。
 ペルセポネはクレイトスの罪悪感を利用し、彼から力を奪い去る代償として善良なる死者の楽園エリュシオンに招き入れる。
 そこにはクレイトスの亡き娘カリオペの姿があった。
 悲願でもあった娘との再会、そして穏やかな暮らしに心揺れるクレイトスであったが、
 ペルセポネの企みが成功すれば冥府も滅び去り、当然カリオペの魂も失われてしまう。
 クレイトスは穏やかな終わりを拒絶し、カリオペの魂を守るため、ペルセポネを討つという苦渋の決断をするのであった。
 
 『ゴッド・オブ・ウォーIII』(2010年・PS3)
 
『II』の後、タイタン族と共にオリンポスへと攻め込むクレイトス。
しかし最終決戦でゼウスの雷に撃たれて敗北、さらには同盟相手だったガイアに見限られ、冥府へと転落してしまう。
 タイタン族とゼウスへの復讐に燃えるクレイトスを導いたのは、彼によって殺されたはずの女神アテナの亡霊であった。
 アテナに何らかの思惑がある事を察しつつ、妻の仇を討たんと襲いかかるハデスを返り討ちにして冥府を脱出したクレイトスは、
 タイタンと世界の法則を司る神々を殺害=世界を滅ぼしながらオリンポスを再び駆け上がり、ついにはヘラクレスをも殺害。
 やがて神々を滅ぼす力を持つ少女パンドラと出会い、その力が彼女の命と引き換えにもたらされると知って葛藤するも、
 クレイトスを止めんとするゼウスからの「妻子を失った時と同じようにその娘を失っても良いのか?」という
 煽り説得に激昂し、パンドラの力を用いてゼウスを殺害、ついには世界を滅ぼしてしまい、クレイトスは一人闇の中に取り残されてしまう。
 全てはゼウスを滅ぼして新たな世界の創造神とならんとするアテナの企みであった。
 知ってたアテナはクレイトスに宿った、パンドラが呼び覚ました最後の力「希望」を奪い取らんとするも、
 逆にアテナを殴り倒したクレイトスは「これで復讐が終わる」と言い放ち、自らを剣で貫いて自害する。
 希望の力は世界中に解き放たれ、呆然としたアテナは何処へとも知れず立ち去った。
 そしてEDロールが終わった後、倒れたはずのクレイトスもまた、その姿を消していた……。
 
 『ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印』(2010年・PSP)
 
『I』と『II』の間で行われた戦いが描かれる。
 
神々にもたらされた滅びの予言は、タイタン族ではなく「印のある人の戦士 」によるものであった。
 
これを生まれつき痣のあるクレイトスの弟デイモスだと判断した神々は、死の女神タナトスを送り込み、
 
幼いクレイトスの目の前でデイモスを誘拐し、タナトスの領域である冥府へと監禁してしまう。
 
クレイトスは弟の事を忘れぬよう、彼の痣と同じ入れ墨を自らの体に刻む事を決意する。
 
それから長い歳月が流れ、軍神となったクレイトスは未だに弟の事を忘れられずにいたのだが、
 
再会した実母カリストから、冥府に囚われたデイモスが未だ生きている事を明かされる。
 
しかし、カリストはクレイトスの父が誰であるかを伝えようとした途端に怪物に変貌。
 
母を殺したクレイトスは、タナトスへの復讐、そしてデイモスを救うため、またしても戦いへと身を投じる事になる。
 
やがて冥府から弟デイモスを救ったクレイトスは、何故自分を助けてくれなかったのかという怒りを爆発させるデイモスと対立。
 
しかし戦いの中で崖から転落しそうになったデイモスを再び救った事で、ついにデイモスも怒りを捨て、兄弟は和解する。
 
だがその直後、冒険の中でクレイトスに妹を殺された事で恨みを抱いていたタナトスが、デイモスを殺害。
 
激怒したクレイトスはタナトスを滅ぼし、タナトスは死の間際、神々が間違えた事を理解する。
 
神々を滅ぼす「印のある人の戦士」とは、デイモスではなく、入れ墨と灰にまみれた戦士クレイトスであった。
 
全てが終わった後、オリンポスに無言のまま帰還するクレイトスの姿を見守り、アテナは小さく呟く。
 
「許して下さい……兄弟よ」
 
 
──クレイトスの父親は、ゼウスだったのだ。
 
 『ゴッド・オブ・ウォー アセンション』(2013年・PS3)
 
時系列としては最も過去が描かれている。
アレスとの契約を破棄したクレイトスは、それによって罪人を裁く女神エリニュエス達の標的となり、狂乱の淵に立たされていた。
 復讐の女神から逃れ、真にアレスとの契約を破棄するために戦い始めるクレイトスは、
 かつてアレスの戦士であった前任者のオルコスから、アレスがゼウスを討つための戦士として自身を操り、そうなるように仕立て上げた事を知らされる。
 オルコスの協力を得ながら復讐の女神達に報復を果たしたクレイトスであったが、
 女神達は死の間際、オルコスをクレイトスが立てたアレスへの誓いの守護者に任命していた。
 オルコスは自身を討たぬ限り真にアレスから解放される事はないとクレイトスに訴え、神々に翻弄されない名誉ある死を与えて欲しいと懇願する。
 葛藤の末にオルコスを殺害する事を選んだクレイトスであったが、それはアレスによって抑え込まれていた罪悪感の復活を意味しており、
 クレイトスは妻子を殺害した悪夢に苛まれるようになってしまう。
 オルコスを手厚く葬ったクレイトスは、自身の贖罪とアレスへの復讐を求め、神々の勇者となる道を選ぶのであった。
 
 
『III』の後、クレイトスは北欧神話の世界に流れ着いていた。
 
そこで新たな妻フェイと出会い、息子アトレウスを儲け、穏やかに暮らしていたクレイトスであったが、
 
フェイの突然の死という悲劇に見舞われ、妻の「遺灰を九界で一番高い山から撒いてほしい」という遺言を叶えるべく、息子と共に旅に出る。
 
幾度となく光の神バルドルの襲撃を受け、わけもわからずこれを撃退しながら過酷な旅を続けるクレイトスは、
 
道中、寡黙な戦士である父に反発するアトレウスと交流を重ね、息子を導くと共に、自身も父親として成長していく。
 
しかし旅の果て、バルドルを滅ぼし巨人の国の最高峰ヨトゥンヘイムに辿り着いたクレイトスは、そこで予言された自身の死と、
 
妻フェイが巨人の血を引く者であり、半神半巨人の息子アトレウスに「ロキ」 という真名を与えていた事を知らされる。
 
クレイトス親子は、来たるべきラグナロクの中心となる運命を背負っていたのだ。
 『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』(2022年・PS4)
 
ついにクレイトス親子がラグナロクに挑む物語が描かれる。
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