ブラックアダム


+ 日本語吹替声優
高瀬右光
バットマン:ブレイブ&ボールド』『インジャスティス:神々の激突』
楠大典
『DC がんばれ!スーパーペット』『DCエクステンデッドユニバース』

楠氏はDCエクステンデッドユニバースにおける演者ドウェイン・ジョンソン氏の吹替をメインで手掛ける声優の一人である。

DCコミックに登場するヴィラン。初出は1945年の『MARVEL FAMILY #1』。
MARVELと言ってもマーベルコミックの事では無い。
そればかりか初登場時はDCコミックスですら無かったというのが実にややこしい出自のキャラクター(DCにはよくあることだが)。

本名はテス・アダム。身長182.9cm。体重89.8kg。後述する『NEW52』以降は身長191cm。体重113kg。
シャザムの宿敵である。
大昔に魔術師達の評議会が、当時戦士だったアダムに莫大な魔術と力を授け、エジプト最強の戦士マイティ・アダムとなった。
しかし仕えていたクフ王子は殺害されてしまい、自分の妻子も喪ってしまった彼は絶望し、その力を私欲の為に振るう様になる。
アダムの横暴を止める為に、評議会はアダムと戦いスカラベ型の護符に幽閉し、国王ラムセス2世と共に埋葬された。
5000年後となる20世紀、考古学者のバットソン夫婦によって護符が発掘された後、
アダムの生まれ変わりであるテオ・アダムが2人を殺害して護符を奪い復活した。
復活後は、世界征服の為にあらゆる魔法を手に入れようとしている。
一大クロスオーバーイベント「インフィニット・クライシス」では、黒幕のアレクサンダー・ルーサー・ジュニアに利用されていた事を知って反乱。
ルーサーの部下であるサイコ・パイレートを殺害した。
故郷カーンダックに戻った後、奴隷として差し出されたアイシスと恋に落ち結婚。
彼女の弟オシリスと喋るワニのソベクも加えて「ブラックマーベル・ファミリー」を結成して、カーンダックを統治した。
順調にヴィランから脱却するかに思えたが、アイシスとオシリスが惑星アポコリプスの刺客フォー・ホースメンに殺害されてしまう。
実はソベクはファミリー崩壊の任務を受けたスパイだったのだ。
家族を喪ったアダムは激昂し、隣国ビアリアにあるフォー・ホースメンの基地を国ごと破壊。
やがて世界に向けて戦火を振りまき、後に第3次世界大戦と呼ばれる戦いを引き起こす事となる。
シャザムによってブラックアダムの力は失われたが、今なおアイシスの蘇生方法を探している。

2011年のリランチ『NEW52』では、再び力を得てヴィランとしてシャザム達と戦うが、
Earth-3のヴィランチーム「クライム・シンジケート」の侵略時はシネストロと共闘して、
ウルトラマン(光の国の巨人では無い。善悪が逆転した世界Earth-3における悪のスーパーマン)を弱体化させ、
ジャスティス・リーグを援護した。

その力はシャザムと同じく「SHAZAM」の文字で表され、以下の通りエジプト神話の神々から採られている。
  • シュ(Shu)の持久力
  • ホルスHorus)の敏捷性
  • アモンAmon)の精神力
  • ジェフティ(Zehuti)の知恵
  • アトン(Aten)の腕力
  • メヘン(Mehen)の勇気
きちんと統一性があるぶん本家より良くできている
主人公と同じ力を振るう悪人」と言う世界初のキャラクターである。
支配欲がとても強く、あらゆる魔法を手に入れる為には多くの犠牲も厭わない。
恐らくDCユニバースで最も強欲な人物であろう。

(参考資料:『DCキャラクター大事典』『DCコミックス アルティメット・キャラクターガイド』)

アメコミ全体を見渡しても非常に人気が高く、ゲーム情報サイト「IGN」が開催した「The Top 100 Comic Book Villains」では、
ブレイニアックブルズアイを抑えて16位となった。

+ 映画『ブラックアダム』における活躍

"Heroes don't kill people."(ヒーローは誰も殺さない。)

"Well, I do."(俺はやる。)

2022年12月に、彼を主役とした映画『ブラックアダム』が公開されている。
本作も『DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)』の構成作品の一つであり、『DCEU』11作目の作品となっている。
演じるのは”ロック様”ことドウェイン・ジョンソン氏。

原典ではヴィランだったブラックアダムだが、本作においては「故郷カーンダックを守るダークヒーロー」という形に再構成されている。
古代において、カーンダックに圧政を強いていた暴君・アクトン王から国を解放することを望んだ奴隷の少年に、
原典通り6人の魔術師が力を授けたことでブラックアダムが誕生。
彼はその力でアクトン王を打ち倒すものの復讐心に囚われ、心のままに破壊の限りを尽くしてしまう。
このためにブラックアダムは6人の魔術師の手で封印されるが、5000年の時を経て、現代のカーンダックに復活。
現代のカーンダックが武装組織「インターギャング」によって支配されていることを知ったブラックアダムは、
かつてと同じようにカーンダックを解放すべく、インターギャング、そしてブラックアダムの力を危険視したヒーロー組織
「ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(JSA)」との戦いに身を投じ、戦いの中でダークヒーロー「ブラックアダム」として生まれ変わっていく…。
というのが大まかなストーリーとなっている。

性格は非常に寡黙で無感情。
一方で寡黙さの裏にはヒーローらしい優しさも秘めており、
ブラックアダムを目覚めさせた一般人・アドリアナが戦いに巻き込まれた際には無意識に助けている他、
アドリアナの息子・アモンがインターギャングに誘拐された際には静かにブチ切れ、アモンを救うために戦っている。
その優しさの一方で敵対者には全く容赦なく、道を阻んだ相手は躊躇いなく全力で排除しており、
このため不殺の姿勢で戦うJSAの面々とは全く相容れず、邪魔者とみなして敵対している。

+ 5000年前の真実(ネタバレ注意)
5000年前に戦っていたブラックアダムの正体は、現代のブラックアダム「テス・アダム」の息子・フルート。
フルートに追い詰められたアクトン王は、フルートの家族を狙うという卑劣な策を取り、その結果母親は死亡。テスも重傷を負ってしまう。
フルートは魔術師シャザムに与えられた力をテスに譲渡して彼を救ったものの、
その瞬間、フルートはアクトン王配下の兵が射掛けた矢を受け、テスの目前で死んでしまった。

これに激怒したテスは怒りと復讐心に囚われ、シャザムの力でブラックアダムに変身。
アクトン王を殺しても怒りが収まらず感情のままにカーンダックを破壊し、魔術師に力を奪われ眠りに就いた。
……というのが5000年前に起きた真実の物語である。

ちなみに劇中では「5000年前の真実とブラックアダムの正体」は重要な伏線として扱われていたのだが、
ブラックアダムが息子から力を授かったことは、日米双方において予告で雑にバラされていた。いいのかそれで。

能力は原典通りスーパーマンに匹敵する圧倒的な身体能力と飛行能力、および体中から発する電撃
一般人の攻撃はおろか、JSAの4人のヒーロー達の攻撃も全く通じておらず、
JSAの一人・Dr.フェイトも「我々の力では倒せん(要約)」と冷静に戦力差を分析している。

+ ポストクレジットのネタバレ注意
全ての戦いを終えたブラックアダムの前に現れたのは、『スーサイド・スクワッド』に登場したA.R.G.U.S.の指揮官、アマンダ・ウォラー。
政府の制御下に無いブラックアダムの強すぎる力を危険視したアマンダは、ある人物をブラックアダムのもとに送り込む。
その人物は原典における不倶戴天の敵、シャザム───ではなく、鋼鉄の男・スーパーマンであった。

この後、ライバルであるシャザムも3年ぶりに映画『シャザム!神々の怒り』で銀幕に復活。
シャザムとブラックアダムの戦いには期待がかけられていたのだが、22年末に続編制作中止の報が流れ、二人の対決は幻になってしまった。
また彼らが属する作品群「DCエクステンデッド・ユニバース」は23年に「DCユニバース」に再編されたのだが、
その際に「ブラックアダムはDCユニバースに組み込まれない」と明言され、ロック様演じるブラックアダムの活躍はこの一作限りとなってしまった。


MUGENにおけるブラックアダム

Trexell氏とDoom氏が共同製作したキャラが存在。
現在はDoom氏のサイトで公開されている他、海外サイト「The Mugen Multiverse」でも代理公開中。

操作方法は『MVC』風の6ボタン配置で、チェーンコンボやエリアルレイヴが使用可能。
突進技が豊富な肉弾戦向きのキャラだが、連発可能な地を這う飛び道具の強版「Ground Pound」などを用いた遠距離戦も得意。
特に電撃を放射する1ゲージ技「Lighting Strike」は発生保証付きで4割以上という高威力の上、ガードさせればなんと6割以上削るというトンデモ性能。
発生がやたらと遅いのが難点だが、相手の起き上がりに重ねたり、強版「Ground Pound」と併用する事で真価を発揮する。
ただし、必殺技超必殺技共にコンボに組み込めないという欠点があるので、そこは優秀な通常技でカバーしよう。

AIは簡易的なものがデフォルトで搭載されている他、ホルン氏による外部AIが公開されている。
後者は恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルを設定可能で、想定ランクは強との事。
参考動画。お相手はCrenderesuan氏のアレス
プレイヤー操作(9:51~)

出場大会

プレイヤー操作



最終更新:2025年05月07日 13:58