必殺技コマンド(格闘ゲーム)

登録日:2011/04/10 Sun 14:25:48
更新日:2025/07/06 Sun 19:47:29
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必殺技コマンドとは、格闘ゲーム、主に2D対戦型格闘ゲームにおいて、それぞれの必殺技を出すために予め決められた特定の入力操作のこと。
この項目では、主に2D格闘ゲームの主な必殺技コマンドの説明をする。

○表記について


格闘ゲームのコマンドは、インターネット上においては、ネット発展期の00年代以降、「623+P」のような、いわゆる「テンキー表記」と呼ばれる形式で表記するのが通例となっている。
これはネット上のみの風習であり、ゲーム筐体などにおいて公式側は「↓↘→P」などと普通に矢印を使って表記しているのだが、ネット上ではこれに倣っていない。

理由としては、
  • 斜め矢印の「↖」「↙」「↘」「↗」が機種依存文字であるため、現在ならともかくブラウザ側・サイト側ともにUTF-8対応が不十分であった00年代~10年代前半においては敬遠されていた
  • 「←↙↓↘→P」のように矢印で書くと、右矢印(→)が繋ぎの文字として使っているのか、右入力を指しているのか分かりづらいことがある
  • 特に斜め矢印について、変換が面倒である
などが挙げられ、特に上の機種依存文字の問題が大きい。
そのため、機種依存文字の問題が概ね解決された現代ではテンキー表記する必要性は薄れて来てはいるのだが、テンキー表記の文化がほぼ根付いてしまったため、現在まで廃れずに続いている。

テンキー表記の見方

キーボードの「テンキー」のように、3×3の9マスの左下を1、右上を9として下段から右に大きくしていく並びを考える。
つまり、


7 8 9
4 5 6
1 2 3

のような形。

この時、ニュートラル(レバーがどこにも入っていない状態)を5(N)として、キーを入力する方向(8方向いずれか)を「5」の位置から見たそれぞれの方向にある数字で表すのがテンキー表記である。
例えば左(←)入力は4、右下(↘)入力は3となる。

レバー表記後の「P」とか「K」とか「A」とか「S」とかは押すボタンのことで、作品によって表記が変わる。
例えば『ストリートファイター』シリーズなら、「P」はパンチボタン、「K」はキックボタンとなる。
よって、「下→右下→右、パンチボタン」というコマンドの場合、「236+P」となる。

間に挟まっている+は、ボタン同士であれば普通に同時押しでいいが、
レバー操作+ボタンの場合、 最後の方向を入れた直後 にボタンを押すことを示している。

なお、コマンド表記はキャラクターが右側を向いている時に入力するコマンドである。
左を向いている場合、左右が逆になるので注意(これは公式に記載されているコマンドでも同じである)。

NEOGEO格ゲーユーザーにとってのテンキーコマンド表示の際のボタン表記はハード設計の名称に伴って「ABCD(「236A」や「623C」など)」がスタンダードであるが、現時点で業務用NEOGEO最後のタイトルがリリースされた2004年以降の近年においては、若手プレイヤーに対してこのABCDでの名称が通じない事例も増えてきている。
この辺りは業務用/家庭用NEOGEOを展開していた当のSNK自身もNEOGEO以外の家庭用ハードに当該タイトルを移植する際に気を使っており、PS2のネオジオオンラインコレクションの内の1つ『龍虎の拳 ~天・地・人~』の取説に収録された当時の販促漫画のセリフを改変したネタでは「(How To Playのボタン表記に対して)あれじゃボタン表記がアーケードのままじゃねぇかよ」「バカモン!これこそ『完全移植』だ!」と逆に開き直っていた。
家庭用コンソールやPCでアケアカが展開していなかった時代故のネタである。
勿論逆の例もあり、『風雲スーパーコンボ』では取説及びポーズメニューから確認できるコマンド表の内「武器攻撃(大本のNEOGEO版ではCボタン)」がW(ウェポン)表記されており、ABCD表記に慣れ親しんだユーザーには逆に分かり辛かったりする。


○代表的な必殺技コマンド


コマンドはゲームごとに全く異なるということはなく、ある程度典型例があり、他の格闘ゲームと同じようなものを採用することが多い。
そういったよく使われるコマンドは、有名な技や初めてそのコマンドを採用した技などの名前で通称されるのが一般的である。
また、そういった有名どころのコマンドはキャラや作品、果てはメーカーが違っても、対空や投げなど似たような性質の技が出せることが多い。

●必殺技

■236+ボタン (下前)

通称「波動」
代表格→リュウ波動拳」、テリー・ボガード「パワーウェーブ」、フェイロン「烈火拳」など

最も有名でかつ簡単なコマンド。
ストリートファイターシリーズ(以下SFシリーズ)のリュウの「波動拳」が代表格であり、飛び道具であることが多い。
しかし、突進技、数回入力する連続必殺技であることもある。
いずれにせよそのキャラの代名詞になるスタンダードな技が割り振られている事が多い。

このコマンドに限らず、作品によっては必殺技コマンドを出す際にボタンを複数押すなどによって強化必殺技、または超必殺技のコマンドとしている作品も多い。


■623+ボタン (前下斜)

通称「昇竜」「昇龍」
代表格→リュウ「昇龍拳」、草薙京「百式・鬼焼き」など

無敵技、対空技、切り返し技等はこのコマンドであることが多い。
初心者にはうまく出せないことも多く、「歩いて波動拳を出す」というコツは有名。
『Z』を描くようにレバーを動かせ、と考えるとイメージしやすいかも。
3Dだけど鉄拳の「風神ステップ」は6ニュートラル23と、微妙に難しくなっている。

逆向きにした421+ボタンのコマンドは「逆昇竜」「逆昇龍」と呼ばれる。採用は意外と稀。
初出となったフェイロンの「熾炎脚」のように対空技もあるが、それ以外にも設置技、ワープ、自己強化など、あれば多彩な用途で使われる。
623と421のコマンドを両方付けられてる技で有名なのはおそらくナギッことAC北斗トキの「北斗無想流舞」(地上版)であろうか。

KOF14以降のシリーズでは、後述の632146コマンドが同時対応する形となっている。
これはスーパーキャンセルの難度緩和を視野に入れており、例を挙げると麻宮アテナの対空必殺技「サイコソード」から超必殺技「シャイニングクリスタルビット」へと繋ぐ際、通常コマンドの通りに入力すると「623Pの後に63214×2+P」という非常に難しい入力を求められるが、これを632146版で入力すると「632146Pの後に3214P」で済むという、実戦導入難度の点で比べ物にならない程の利点を生むことになる。

■214+ボタン (下後)

通称「竜巻」「逆波動」
代表格→リュウ「竜巻旋風脚」、テリー・ボガード「バーンナックル」「クラックシュート」など

波動コマンドを前後逆にしただけなので「逆波動コマンド」「後ろ波動」と呼ばれることもある。
上記の二つのコマンドと一緒で、2D格闘ゲームの基本的なコマンドの一つ。
突進技や飛び上がり系の技が多い。


■41236+ボタン (後下前)

通称「半回転」「ヨガ」
代表格→ダルシム「ヨガフレイム」、大門五郎「雲つかみ投げ」など

レバーを半回転して出すコマンド。
このコマンドと、波動拳コマンドで出す必殺技を両方同じボタンで持っちゃってるキャラは入力に工夫が必要になる。
逆の63214+ボタン(前下後)の場合「逆半回転」「逆ヨガ」等と呼ばれ、コマンド投げも多く見られる。
本家のヨガフレイムが、ヨガファイヤーとのコマンド被りを解消するために63214+Pに変わったけど、未だにこのコマンドは逆ヨガと呼ばれる。


■4溜め6+ボタン (後溜め前)

通称「ソニック」「横溜め」等
代表格→ガイルソニックブーム」、ロバート・ガルシア「龍撃拳*1」、アレックス「スラッシュエルボー」など

後ろに一定時間レバーを倒し、前に倒すと同時~直後にボタンで出る、いわゆる溜めコマンド。
先にボタンを押してしまうと出ないので順番が重要。
この「一定時間特定方向にレバーを倒し続ける」の部分が溜めと呼ばれる。
必要な溜め時間の長さは概ね0.8秒以内の範囲である事が多いが ゲームによって違う
格闘ゲームの性質上、後ろレバーは後退とガードを兼ねているためガードから切り返したり他の技の硬直中に溜める等の使われ方をする事が多い。

飛び道具や突進技が多く、ディージェイやアッシュ・クリムゾンなど両方を持つキャラも少なくはない。


■2溜め8+ボタン (下溜め上)

通称「サマー」「下溜め」
代表格→ガイル「サマーソルトキック」、廿楽冴姫「クラウ・ソラス」など

溜めキャラの無敵技、対空技であることが多い。
事前に溜めが完了していないと出せず、下溜めという性質上歩けない。そのため昇竜コマンドほど咄嗟にだせない欠点があるが、表裏に揺さぶられても関係なく出せる利点がある。
ただし不慣れだとジャンプ攻撃に化けてしまう事が多い。

大抵の作品は、斜めに入れると下と横に同時に溜める事が可能。
この状態は後退せず溜め中しゃがみガードになるので、防御から2種の技でカウンターを挟める攻防一体のスタイルになる。
この究極系がかの有名な「待ちガイル」なのだが、あまりにも手堅く試合展開も長く地味になりがちなため、多くの格闘ゲームではなんらかの対策がされていることが多い。


■22+ボタン

通称「下下」等
代表格→サスカッチ「ビッグタワーズ」、エディ「インヴァイトヘル」、豪鬼「金剛国裂斬」など

下に二回倒すことで出る、かなり簡単なコマンド。
無敵技や自身の強化、モード変化、一部技の強化などである場合が多い。
ヴァンパイアセイヴァーのアナカリス、KOF98のラッキー・グローバー、ザ・ランブルフィッシュ2のバズウなど、「入力時のボタンによって画面内の任意の位置に発生させる、定点攻撃タイプの飛び道具」というものもそこそこ見受けられる。

サマーコマンド同様無敵技の場合、表裏の影響を受けず溜めもないので咄嗟に出せる利点がある…と思いきや、
スト6など作品によってはニュートラルからコマンドを入れないといけない≒しゃがみからスムーズに出せない仕様で逆に咄嗟に出せないという事態に見舞われがち。
元がPCのMelty Bloodやアカツキ電光戦記は623の代わりに22を使うことが多い。
これはキーボードで623が結構正確に入力しにくかったのに加え、十字キーをWASD、ABCDをUIOPに設定した時「S+D+U」みたいなボタン3個押しを認識しないキーボードが当時は無茶苦茶多かったため。


■一回転+ボタン

通称「一回転」「スクリュー」
代表格→ザンギエフ「スクリューパイルドライバー」、アレックス「ハイパーボム」、大道寺きら「きら様ドライバー」など

コマンド投げがほとんどで、CAPCOMの作品に多く見られる。
また、回転方向や回転の始点も決まっていなかったりする。
レバーを一回転させる、と聞くと途中にジャンプが入ってしまうためジャンプ後や技の硬直中に入力しないと出せないと思われがちだが、大抵のゲームが4268や6248+ボタンで認識(上下左右に1回ずつ。3/4回転でOK)なので、立ちスクリューといったテクニックや簡易コマンドによって立ったまま出すことができる。
物によっては4268を順不同で各1回の場合もあり、この場合6428でも出る。
まずは9(斜めジャンプ→着地寸前に)8741236(着地)ボタン、で練習しよう。
ただし(上方向を除き)斜めは対象外という仕様のせいで、昇竜コマンド以上にキーボード泣かせのため、
22コマンドを採用するようなPCゲームではまず出て来ない。最近ではレバーレスやキーボードでガンガン出してる投げキャラ使いもいるけど。

ストIIIのアレックス「ハイパーボム」はカプコンの投げ超必にしては珍しく一回転コマンド。


■ボタン押しつづけ離す

通称「押しっぱ」「ボタン溜め」
代表格→マイク・バイソン「ターンパンチ」、コーディー「ゾンクナックル」など

攻撃ボタンを一定時間押しつづけ、離す事により出る。
ボタンを押している間はそのボタンを使う技が出せないので、使い方に工夫が必要。
立ち回りが制限される分、溜めた時間により性能が上がるなどの能力を持ち、大抵強力。
カプコンの格闘ゲームにおけるコマンド入力の大半は「ボタンを入力した時/ボタンを離した時」と2回判定が行われるのだが、この入力に関しては必然的に後者のみの判定となるため自動択に取り入れられない点を考慮する必要がある。

■ボタン連打

通称「連打」「百烈」等
代表格→春麗「百烈脚」、ビリー・カーン「旋風棍」など

同じボタンまたは同系列(パンチorキック)を連打する事で出せる必殺技。
一定秒数内にボタンを数回連打すれば成立する。
出すだけなら簡単だが、上級者は歩きやキャンセルから一瞬で出せる、実は使い方に奥が深い入力。
殆どのゲームが「同じ強さの連打でなくともOK」「出るのは最後に押した強さ」なので、百烈脚ならば「強K中K弱K強K」で強を素早く出せる。
ただ、慣れないとコンボに組み込み辛い等の理由からレバー入力系コマンドに変更される事例も増えており、採用例は減りつつある*2


■ボタン同時押し

通称「同時押し」
代表格→ザンギエフ「ダブルラリアット」、サンダーホーク「コンドルダイブ」、アナカリス「棺の舞」など

複数のボタンを同時に押す事で出せる必殺技。
同系列(パンチorキック)を全て同時に押すタイプや、同じ強さのパンチとキックを同時に押すタイプ等がある。*3
ボタンがレバーの横に全て並んでいるアーケード版では特に問題は無いが、家庭用ゲーム機のパッドで操作する場合、ボタンが小さい上に、一部のボタンが角に配置されている事が多いため、出し辛くなる事が多い。
それもあってかパッド用に「特定のボタン同時押し」ボタンをコンフィグ設定できる作品もある。
前述のターンパンチは、パンチボタンの同時押しと押しっぱなしの複合技である。

本項目のニュアンスであれば格闘ゲームではないが、『ガンダムEXVSシリーズ』覚醒技もこれの一種と言える。ある意味これが技としては一番有名かもしれない。

■623or421+ボタン同時押し (前下斜or後下斜)

通称「テレポ」「阿修羅」など
代表格→ダルシム「ヨガテレポート」、豪鬼「阿修羅閃空」、ベガ「ベガワープ」など

623とボタン同時押しの複合。
ストリートファイターシリーズの瞬間移動系必殺技によく見られていた。
基本的にはPかKの3つ同時押しだが、豪鬼の阿修羅閃空はEX必殺技の無い「ストⅢ3rd」や「カプエス2」ではボタン2つ同時押しで出せる。
スト6では入力難度の高さを懸念してか、キー入力が前か後ろの1方向のみとなった。それは逆に簡単過ぎるのでは…?

●超必殺技

■236236+ボタン (下前下前)

通称「真空」「真空波動」等
代表格→リュウ「真空波動拳」を筆頭に、ストⅢ・ストⅣ・餓狼MOWのほとんどの超必殺系

波動拳のレバー部分を2回連続で入力する。
飛び道具や乱舞など様々だが、特にCAPCOMでは基本的な超必殺技コマンドの一つ。
アーク系列でも飛び道具の超必殺技はこれである事が多い。
逆の214214+ボタンの場合は「逆真空」「真空竜巻」とも呼ばれる。

23623で途切れているものもあるが、この入力で出せる事も珍しくない。
ただX-MENの豪鬼のように236236と23623を同時に持ってると暴発しやすく困ることも。*4

カプコンの格ゲータイトルの多くは236236コマンドの最後の6入力が省略できる仕様があるのだが、これがいいことかと言えば実はそうとも限らない。
この仕様を取り入れた結果、屈み通常技から623入力の必殺技を続けて出そうとした場合に23623入力のゲージ消費技が暴発しまくるというデメリットも生まれることとなった。
さらにここから、23623入力の暴発を解消するために取り入れられたと思われる簡易入力、俗に言う「323昇龍」が後のスト4シリーズで猛威を振るい厨戦法と言われたのは記憶に新しい。
1つのコマンド入力に対する利便性を導入した結果、芋づる式に問題点が発覚していくのだから匙加減というのは難しいものである。

大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは上(789)系入力でジャンプしない設定にすることで、268426でスティックをぐるっと1回転+1/4回して成立させるという荒業が存在する。


■4溜め646+ボタン (後溜め前後前)

代表格→ガイル「ソニックハリケーン」、春麗「千裂脚」、ブランカ「グランドシェイブローリング」など

同じくCAPCOMでメジャーな、溜めによって出る超必殺技コマンド。
4溜め6+ボタン技の強化版であることが多い。
1溜めでも可な作品も多い。
『スーパーストリートファイターⅡX』では、4溜め646→6入れっぱなしでちょっと歩く→任意でボタン→技発動という事が可能だったが、これはバグの模様。『ハイパーストリートファイターII』では修正されているが、キャラ選択時に隠しコマンドを入力すればこの入力が可能になる。


■1溜め319+ボタン (斜溜め斜斜斜)

通称「ダブルサマー」「三角溜め」等
代表格→ガイル「ダブルサマーソルト」、バルログ「ローリングイズナドロップ」など。

上と同様、2溜め8+ボタン技の強化版であることが多い。
「三角溜め」は溜めの後に三角形を描くような動きから。
こちらの1溜めは4等で代用出来ずちゃんと1で溜める事が必要。
しかし最後の9は実は上方向に入っていれば良く、7や8で代用可能。特に1溜め317だと半回転の感覚となり若干出しやすい。

余談だが、お蔵入りとなったカプコンのタイトル「カプコンファイティングオールスターズ」の新規キャラとして作られていたルークの超必殺技のコマンドは「2タメ63214」というものであり、おそらく1タメ319入力の簡易版(最後を7入力として)として敷居を下げたものと思われる。

■二回転+ボタン

通称「二回転」「祖国」等
代表格→ザンギエフ「ファイナルアトミックバスター」など。

CAPCOM系の投げ系超必殺技。
通常ではまず無理ゲーなコマンドだが、上級者は実に手馴れて出す。
やはり4268→4268の1+3/4回転で出る事が多い…が、斜めがNGなのがまたキーボード/レバーレス泣かせ。
別の技やジャンプなどの硬直中に入れるのがポイント。
人間ではほぼ無理だが理論上ニュートラル状態からジャンプせずに間に合うキャラ(スパIIXザンギ、3rdヒューゴー)もいる。理論上でも間に合わないのはグリフォンマスク(餓狼MOW)やサンダー・ホーク(スパIIX)など。
ヒューゴーの「ギガスブリーカー」は4268(各1回)→4268(各1回)なので、4628(ハイジャンプ、ヒューゴーのみ動作が長い)→4268と入力することによりちょっとだけ猶予が伸びる。
しかし62486248で普通に出してしまうツワモノも。


■21416+ボタン (下後斜前)

通称「ゲイザー」「鳳凰脚」
代表格→テリー・ボガード「パワーゲイザー」、キム・カッファン「鳳凰脚」など
「竜巻」(214)+「残影拳」(16)

ここからSNKのターン。
簡易コマンド246+ボタンで出せる作品もある。


■2363214+ボタン (下前下後)

通称「八稚女」「龍虎乱舞」等
代表格→八神庵「禁千弐百拾壱式・八稚女」、リョウ・サカザキ「龍虎乱舞」など

「波動」+「逆ヨガ」
KOFシリーズの乱舞技に多く見られる。


■2141236+ボタン (下後下前)

代表格→草薙京「裏百八式・大蛇薙」、不知火舞「超必殺忍蜂」など

「竜巻」+「ヨガ」
上記のコマンドを裏返したもの。こちらもKOFシリーズによく見られ、突進技が多い。
前述のゲイザーコマンドとは重複する要素があり、実際KOF14からはこちらに置き換わっている。

そのKOF14では「斜め入力を省ける」という仕様に伴い「2426」入力で出せる仕様があるのだが、「下入力の後に41236で出せる」という点も踏まえると暴発も非常に多い。
何なら「2142146」という、41236を伴わないどころか回転方向が逆という根本から違うコマンドでも発動できる(最初の1入力と、次の14入力は認識されていない)。
同作のチン・ゲンサイなど、必殺技からのスーパーキャンセルを含めたコンボではそちらの入力の方が圧倒的に安定するキャラもいる。

■6321463214+ボタン (前下後前下後)

代表格→大門五郎「地獄極楽落とし」、豪鬼「滅殺豪波動」、クラーク・スティル「ウルトラアルゼンチンバックブリーカー」、マイク・バイソン「ダーティブル」など

半回転(逆ヨガ)を二回。
SNK格ゲーに投げ系超必殺技としてよく使われる。難しいが二回転に比べたら遥かにマシ。


■641236+ボタン (前後下前)

通称「覇王」「前ヨガ」
代表格→リョウ・サカザキ「覇王翔吼拳」、ヴォルフガング・クラウザー「カイザーウェイブ」など

■632146+ボタン (前下後前)

通称「ポチョバス」「逆ヨガ前」等
代表格→ポチョムキン「ポチョムキンバスター」、ソル=バッドガイ「タイランレイブ」、カイ=キスク「ライド・ザ・ライトニング」など

スティックの下半分で半円を描くコマンド。
直径部分を先に描くパターンと最後に描くパターンがある。

前者はKOFシリーズで主に飛び道具系の超必殺技に当てられている。
超必殺技の元祖である覇王翔吼拳から続く由緒あるコマンド。
後者はGUILTY GEARなどアークシステムワークス系列の大半のキャラで覚醒必殺技などの超必殺技コマンドとして使用されている。真空波動コマンドが飛び道具、こちらが近接系、となっている事が多い。
超必殺技ではないが、KOFシリーズでは必殺投げコマンドとしてよく採用される。多分一回転コマンドの代わり。

また、サムライスピリッツシリーズでは、『真』『斬紅郎無双剣』で武器破壊/武器飛ばし必殺技のコマンドとして両者共に使われていた。


■弱P 弱P 6 弱K 強P

通称「瞬獄」
代表格→豪鬼瞬獄殺」、モリガン・アーンスランド「ダークネスイリュージョン」

格ゲーの中でも特に奇妙な順押しコマンド。亜種が多いが、5手の入力完了で成立。性質上ニュートラルから出す場合は必ず弱Pが出る。
初出はモリガンのダークネスイリュージョンなのだが豪鬼の瞬獄殺があまりにも有名になったため、「瞬獄殺コマンド」として定着した。
その豪鬼のスパコンとして初出となったストZEROでは、アーケード版に限り初期出荷版以降の修正版では最後の強Pを省けたりした*5
瞬獄殺の影響、というかパロで暗転から特殊演出に入り勝利時にも特殊演出となる技が多い。
よく出る作品のヴァンパイアシリーズではレイレイの「天雷破」など亜種も存在し、正確な入力が求められる。
同じくKOF2002で亜種が多く、MAX2などロマン技であることが多い。


○特殊なコマンド

その他のあまり多くないが、有名なコマンドなど

■2626+ボタン (下前下前)

代表格→ハンゾウ「大武流烈光斬」、フウマ「大武流烈風斬」など。
「真空波動」コマンドより先に存在する。先駆けといったところか。
ただし、こちらは普通の必殺技である。

■1632143+ボタン (後斜 前下後 前斜)

通称「レイジング」等
しゃがみガード→逆ヨガ→斜め前
代表格→ギース・ハワード「レイジングストーム」、ネームレス「閃光型抜刀奥技・灼鳳」など。
SNKの超必殺技に時々見られる。
絶妙に複雑で特徴的であり、簡略化されるとギース使いから寂しがられることもあったほど。


■6428+ボタン (前後下上)

通称「烙印」「緑一色」等
妖怪腐れ外道「外道の烙印押し」、ライチ=フェイ=リン「緑一色」、エルザ・ラ・コンティ「レクイエム」など。
十字を描くようにして上下左右に1回ずつ入力するコマンド。
烙印は642→ニュートラル→8でないと出ないので更に難易度が高い。
上にも書いたがストファイはIII以降(アレックス「ハイパーボム」、ヒューゴー「ムーンサルトプレス」など)、1回転がこれでも出る仕様に。


■指定のコマンド後指定のボタンを数回

非常に解りづらいが指定の必殺技、超必殺技コマンドのあとタイミングよくボタンを押し手動で乱舞を叩き込み、フィニッシュのコマンドを入力するもの
KOFシリーズのギースの「デッドリーレイブ」が有名だが、SNK、ギルティギアにもちらほら見られる。
例えばCVS2のデッドリーレイブだと、632146+弱K・弱P・弱P・弱K・弱K・中P・中K・強P・強K・214+強P
月華二幕の「乱舞奥義」は全部これ。

最初がコマンド技ではないが、3D格ゲー『鉄拳』シリーズの10連コンボもその一種と言えるかもしれない。


■279138+ボタン

通称「究極拳」
六芒星を描くようなコマンドが特徴
出典はASTG「ニンジャコマンドー」のリュウ・イーグルが使う必殺技で、ぶっ壊れた攻撃力と範囲を持っていながら、

「心配無用、みねうちでござる」

で済ませる。
そんなみねうちある訳ねぇ!

これに似たコマンドでアルカナハート頼子「古のタリズマン」(819738)、サイキックフォースの玄真「呪縛殺」(816438)もあり、こちらは五芒星型。
熟練者ともなれば5~6Fあれば確実に決められるとか…


■236+A・236+B・236+Cをタイミングを合わせて順に入力

通称「六道」
風間火月および炎邪の「六道烈火」など。
代表的キャラのエンジャーが濃すぎるのでほぼ「六道」と呼ばれ、そこから同様の技を「○○道」*6と呼んだりもする。
「決めれば超火力、タイミングを外せばカスダメのコンボ技」の事が大半。
一応初出は真サムズィーガーのティーガー・コップ→ファルケ・ナーゲル→エレファント・グリートのコップ3段なはず。ただし超必ではなく通常必殺技。

3D格ゲーではあるが『バーチャファイター』シリーズにもこの手のコンビネーション技がちょくちょく存在する。


■263+ボタン (下前斜)

ブロッケン「ハリケーンアーム」、デミトリ・マキシモフミッドナイトブリス」など。
昇龍コマンドを90度反転させたようなコマンド。
「逆N字」「しゃがんでから逆ヨガの前半」など若干イメージし辛く、昇龍拳は出せるがこれは苦手というプレイヤーも。
採用例は後ろ昇竜以上に稀で、有名なのはデミトリのEX必殺技くらいか。



■更にヘンなコマンド達

NEOGEO系や『アルカナハート』に多い。作品とボタンは初出のものを記載。どういう技なのかはドラッグして見てみよう!

  • 2タメ36+BD 『餓狼2』アンディ・ボガードの「超裂破弾」。真下タメでしか受け付けない。
  • 4123692+BC 『餓狼SP』ダック・キングの「ブレイクスパイラル」。上げて落とす独特のコマンド。
  • 341236421+BC 『真サム』覇王丸の「天覇封神斬」。アニメの放映中にほんの一瞬出る光がこのコマンドの初出である。なお大半のプレイヤー曰く「観たけどわかるかそんなん!」
  • 69874(47896)+P 『FHD』マーストリウスの「ドリルパワースラム」と嘉納亮子の「肩車」。上半回転と言うデコらしいコマンド。
  • 地上で8タメ2+攻撃 『アルカナハート』廿楽冴姫の「オルナ」。『3』では6タメ4+攻撃の「ゴームグラス」も追加。格ゲーにタメコマンドキャラはつきものだが、4方向すべてのタメコマンドに地上必殺技が割り当てられているのは彼女くらいであろう。ちなみに8タメ2+攻撃は空中だとまた他の技になる
  • 6タメ214+K 『FHD』ジャン・ピエールの「ロンダート」。前タメからさらに動かす。
  • 投げ間合いで632146321463214+P 『KOF'98UM』ヴォルフガング・クラウザーの「ギガティックサイクロン」。要は逆ヨガ×3。回転系を除けば最高の入力数。
  • 空中で64646464 『KOF2002』K9999の「これは、まるで…!!」。ボタン入力なしだしコマンドもカオス。
  • レバー3回転+AB(D) 『アルカナハート2』大道寺きらの「ラストアルマゲドンドロップ」、『BLAZBLUE CS』テイガーの「キングオブテイガー」(別コマンドの作品もあるが)、同じく『BLAZBLUE CP』バレットの「ブラックアウト」(厳密には派生前を含めてなんと合計7回転)。当然コマンド投げ判定、熟練者はやっぱり立ち状態からでも入れてくる。
  • 632146+AB・424242424・A+B 『すっごい!アルカナハート2』犬若なずなの「封呪・鳴神」。コマンドは珍妙だが発動→ヒット後九字切りモーションに合わせて4・2を繰り返す→フィニッシュという流れで構造としてはデッドリーレイブ系。しかし42繰り返し以降はミスったら割と痛いペナルティあり
  • 632146+A後、A・A・B+C、C・C・A+B+C、A・B・C・B・A+B+D 『サムライスピリッツ天下一剣客伝』機功おちゃ麻呂の「傀儡回し 壱の幕」から続く一連の追加入力。「A・A・B+C」で二撃目、「C・C・A+B+C」で三撃目、「A・B・C・B・A+B+D」で最終段。最終段まで繋げられなければ安いダメージだが、逆に最終段までしっかり繋げられれば4割弱のダメージが確定する安定したダメージソースとなるのでお茶麻呂使いには習得必須。文字にするとややこしく見えるが、その実は各区分を覚えさえすれば3・3・5拍子を刻む要領で繋げられるので思ったより難しい入力ではない(少なくとも前述の「六道」系のタイミングよりは遥かに簡単)。まぁ家庭用でプレイする際のパッド操作での入力を全く考慮していないのは確かだが…
  • BC・BC・ABC 『WHP』ブロッケンの「ジャーマンエクスプロージョン」。超必なのにレバー入力なしで発動できるという珍しいコマンド。
  • 弱+中・弱+中・中+強 『タツノコ vs. CAPCOM』のポリマーのハイパーコンボ「転身ポリマードリル」。コマンドも独特だが、「一旦バク転>ドリルカーに変形して前方の画面外まで驀進>往復する形で元の位置まで驀進して戻ってくる」という「クセしかない」性能も素敵。当たればデカいが、このゲームはアドバンシングガードで削りを無効化できるのでガードさせて削りを狙う利点は「一切ない」。基本的に後発ディレイドハイパーコンボとしての発動が前提の技。
  • 632147496462379126+PPPKKK 『MSH』アニタの「最終闇技・超裂砕雷滅拳 竜獄殺」…と言いたいところだが、彼女の勝利メッセージにのみ登場する実在しない技。隠しキャラだからってふざけ過ぎである。もっとも、実在したとしてもこんな難解なコマンドは入力不可能であろう。


など、最早使用を想定していないレベルの高難易度からネタまで多く存在する。
その多くはロマン技だが、キャラによっては鬼畜入力でも習得必須と言うのも珍しくない。

○余談


超必殺技コマンドは昔は隠し要素であり、前述の通り高難易度な入力を求められた。
特にSNKでは『龍虎の拳』でボーナスステージをクリアすると初めて「覇王翔吼拳」が解禁されたり、『サムライスピリッツ』ではアニメ版にコマンドをこっそり仕込んでいたなど、裏ワザに近い扱いを受けていた。
いかに複雑なコマンドを入力できるかが一種のステータスとなっていたことも。

必殺技コマンドの複雑さは『餓狼伝説SPECIAL』辺りで難易度が最高峰となり、結果的に新参の入りにくさを出してしまっていた。
他にもゲームスピードのアップとコンボゲー型タイトルの増加、単純な飽きられ、あるいは初心者と上級者の差の広がり(これは対戦ゲームである以上やむを得ない話ではあるが…)など様々な要因が合わさり、結果的に格ゲーブームの衰退を招いてしまった。
厳密に言えば格ゲーではないが、大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズはこのような格ゲー特有の要素のアンチテーゼ作品として生まれた経緯がある。なので必殺技はボタン一つもしくは追加で一方向へのレバー操作のみで出せるので、コマンド入力は全くと言っていいほど採用されなかった…リュウの参戦までは。

2025年現在では高難易度なコマンドはあまり見られず、比較的簡単なコマンドで間口を広げたゲームも多い。著名タイトルで言えば『鉄拳』、『ペルソナ4U』、『グランブルーファンタジー ヴァーサス』などがそうだし、
既存シリーズでも過去から続投した技も高難易度・扱いづらいコマンドを基本的なコマンドに置き換える動きがメーカーを問わず広がっている。
タイトルによっては、「シンプルモード」等の名前で複雑なレバー操作無しで必殺技を出せるモードが搭載されていることもある。このせいで3DS版ストⅣでは待ちガイルが極限進化してしまったわけだが、それはまた別の話
しかし、既存入力とのバランス調整が難しいのか「入門用」程度の位置づけであることが多く、実戦投入可能なバランスに仕上がったのは2018年の『ファイティングEXレイヤー』の「プログレッシブ」や2023年の『ストリートファイター6』の「モダンタイプ」ぐらい。

前述のスマブラもforでリュウが参戦した際に原作再現の一環でコマンド入力が採用されたが、スマブラ式のボタン一つ(+一方向へのスティック操作)で技が構成されており、Bボタンだけでも普通に出せるようになっているので、敷居を上げ過ぎないようにしている*7
これは後発の格ゲー出身のキャラクターであるケン、テリー、カズヤにも受け継がれている。



追記・修正は「最終闇技・超裂砕雷滅拳 竜獄殺」で相手をハメ殺してからお願いします。

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最終更新:2025年07月06日 19:47

*1 波動コマンドの場合も多い。

*2 遡るとKOF2001のラルフのバルカンパンチやチャンの鉄球大回転などの一部の連打技が試験的に623入力に変更されたが当時は不評だった。後にストVで春麗の百裂脚が236入力に変更され、KOF15では大半の連打技が623入力へと変更されている。スト6でもブランカのエレクトリックサンダーやE・ホンダの百裂張り手などの連打技が214コマンドに差し替えとなった。

*3 上記の棺の舞は初代ヴァンパイアでは前者、ヴァンパイアハンターでは後者。なおヴァンパイアセイヴァー以降は22+ボタンになった。

*4 前者は波動コマンド(236)の、後者は昇龍コマンド(623)の強化版と考えれば理解はできるのだが。このようなケースを避けるため、236236ではなく214214にしたり、パンチボタンとキックボタンとに振り分ける等あえてセオリーから外したコマンドにされることも。

*5 「省けた」と言うか、強Pを入力していないのに勝手に暴発する仕様になったとも取れるが。

*6 『KOF』オズワルドの「ワル道」、『アルカナハート』フィオナの「メイ道」など

*7 ちゃんとコマンドで出せば威力が上がる仕様があるのでガチで使いこなす場合は習得が必要になるが、気軽に遊ぶ分ならできなくてもあまり支障はない。コマンド自体も原作の簡易入力仕様も採用してて成功させやすくなっているし。