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伍行壊(鉄鍋のジャン!)

登録日:2017/09/13 Wed 19:58:00
更新日:2026/07/24 Fri 23:10:25
所要時間約 24 分で読めるぜ! ギシャシャシャ!






…そりゃ無理だ! だってキミは負けるんだもの

料理は“気”だよ!

陰の気 陽の気 五行によって操作する!

それがオレの「五行膳」なんだ


() 行壊(ぎょうかい)」とは『鉄鍋のジャン!』の登場人物である。


【概要】

ジャンと五番町飯店を潰すために大谷日堂が香港に直接足を運んで呼び寄せた五行道士(ごぎょうどうし)異名を持つ料理人
ビジュアルはアフロみたいな重力に逆らってんじゃないかと思えるようなモジャモジャ髪をした丸眼鏡の青年。
薬膳料理のエキスパートであり、勝手にジャンを引き入れようとした蟇目檀を追放した大谷の意向により「蜃気楼」料理長の座に就任。
そのままジャンと対決に臨んだ。

性格は非常に温厚で冷静沈着。
乱暴な客が来ようが料理を振舞って歓待し、ジャンに挑発されようが笑顔を絶やさない。
薬膳料理に精通しているため非常に博識であり、大谷に呼ばれる前は香港の片隅で中華料理店を開き薬膳料理を振舞っていた。


「料理は気」(公の場では「料理は愛」と言っていたが)をポリシーに掲げるその力量はジャン本編を見渡してもトップクラス。
薬膳料理人らしく食べる人を第一に考えるその姿勢はある種、キリコが掲げる『心の料理』に似通った面がある。



















フフン
「ただの料理人じゃないだろ」──か もちろんだよ!


だって──そもそも私は料理人ではないのだから!


フフッ フハハハハハハハ!


【素顔】

……というのはあくまで表の顔の話。
その本性は邪道士(じゃどうし)五行」「裏五行」という裏の異名を持つ残忍な外道料理人。笑い方は「ギシャシャシャ!」
聖人じみた普段の顔は仮面に過ぎず、本来の性格は非常に傲慢で冷酷な激情家。
本性を剥き出しにした際は、目が血走ったかような不気味な形相と化す。
本名はタイトルの通り「伍 行壊」*1だが作中では「五行」呼びが基本なので、この項目でもそれで通す。

そもそも五行の正体は代々中国で要人暗殺を請け負ってきた殺人料理人「裏食医」の末裔。すなわち料理を用いた暗殺者である。
掲げるポリシーも実際は『料理は成仏』という非常に物騒な物。
薬膳料理に長けているのもジャンの殺人未遂参鶏湯も顔負けな、食べた者を確実にあの世へと誘う毒膳料理のエキスパートであることの裏返しに他ならない。これ、毒です。


初登場時には常連客達に信頼される愛すべき名物料理人としての姿を見せたが、直後に自身の店を地上げしようとするマフィアに胃袋が限界に達しても強制的に食べ続けさせる毒膳料理を振舞い、ダメ押しとばかりに生ゴミを笑顔で提供して食わせるという残忍な拷問を白昼堂々、それも自分を信頼し愛してくれている周囲の人たちの眼前で行うなど、自身に敵意を向ける者には一切の容赦をしない。
そして勝つためならどんな卑劣な手段も使う傾向にあり、ジャンの料理を妨害するため、
  • 控室で出会っていきなり有毒なマンドレイクの香を撒いてジャンの味覚を失わせようする
  • 勝負本番でもわざと食べ合わせると体に危険な症状を発生させる物を食べさせ、審査員を殺害しその罪をジャンに着させようする*2
など、手段は選ばないがあくまでも相手を料理で叩き潰すジャンとは違い「料理で競う」ことすら拘らないその性格は危険人物以外の何者でもない。
出てくる漫画を明らかに間違えている


しかしそんな卑劣な謀略抜きにしても、並の料理人では太刀打ちできない極めて高レベルな調理技術と豊富な食材・薬膳への知識を兼ね備えた劇中トップレベルの実力者であることも事実であるため非常に厄介。
首筋に数秒指を触れただけで食べる相手の体調を完璧に把握することもできる。
一方で善良な表の顔を貫いているとストレスが溜まるのか、強い料理人との料理勝負を好む好戦的な一面も持つ。
それでいて負けず嫌いな面もあるため、極めて扱い辛い人物であることは疑いようがない。


【物語での活躍】

劇中では互いに挑発・妨害合戦を繰り広げて遂にジャンと公衆の面前で料理対決五番勝負で対決。
勝負前から互いに盤外戦を繰り広げたことで泥仕合スタートとなった料理勝負だが、当初は観客*3や中継するテレビ局、ホテル側すら味方に付け最初は優位に進めるも3番戦からはジャンに裏を掻かれるなど後れを取り始め、おまけに人を人と思わない裏の顔をモロに出してしまったこともあり二戦連続で敗退。
最終戦では遂にイライラが頂点に達してとある暴挙を犯して大会をぶち壊しにする結末を招き、ジャンとの泥仕合は有耶無耶に終わった。

『R』ではスグルの配下の料理人として久々に登場。
前回負けた屈辱を晴らす機会を探っていたがジャンは中国に行ったので戻ってくるまでの3年間ずっと待っていたという趣旨の発言をしたのだが、 お前と蟇目はジャンより先に中国で修行してたんだから現地で戦う機会はいくらでもあっただろ としか言えない珍妙な言いがかりである。
それを言われたジャンも「いつでも挑んでくればよかっただろ」的な返答をした上に実際に蟇目とジャンは中国で何度も勝負していた。
この前後の話で五行がちゃんと中国にいたという描写があったので、作者がリュウジあたりの台詞と取り違えたと思われる
新たに「薬膳の帝王」という異名を得てパワーアップする姿を見せるも敗北。以後五番町飯店に引き抜かれ働かされる羽目になった。
なお、中国でジャンの祖母である明輝に根性を叩き直されたのか、勝負の最中に自身の料理の為に「オーブンに手を突っ込む」という危険行為を行ったジャンを見て「おい、誰か氷水を用意しろ!」と言い放つという、実にツンデレ意外な姿を見せた場面がある。
最終的に勝負では結局ジャンに負けた上に蟇目やリュウジと揃って五番町飯店にて月給12万でこき使われる羽目になってしまった。

『2nd』では業界トップに君臨した五番町飯店の香港支店で店長を務めており、「伍 行姫」という娘がいる。
香港支店店長の座に収まったことやジャン相手に度重なる敗北を経験してか気性と思想は大分マイルドになったことが伺え、邪道士や裏食医からは足を洗った様子。
娘には「あれは正しい料理人になりたいならば使ってはいけない技なんだ」「お前は料理人になりたいのか?それとも毒使いの食医になりたいのか?」などと言って聞かせ、五行膳の使用を禁じるよう忠告する親心まで見せていた。自分の昔の所業は若気の至りということなんだろうか。



なお、若かりし頃の彼を描いたスピンオフの主人公も担当。後ろ姿とはいえ、冒頭からいきなりモザイクなしの裸エプロンを決めてくるので、読むときは深呼吸をお勧めする。
現在住んでいる家の大家兼幼馴染の女性がおり、「依頼」の報酬を来月分までの家賃としてぶん取られるくらい頭が上がらない。ヘンテコヘアーの癖に恋愛勝ち組じゃねぇか、コラ。
ちなみに、裏食医としての顔も知っており、有事の際は協力する。何なら彼が悪党を殺しても気にする素振りゼロ。
また、相手の言いなりになってしまうベラドンナベースの裏薬膳を食べてくれる辺り、五行のことをかなり信頼している様子。あとが怖いだけかもしれないが。
おそらく彼女が後の妻なのだろう*4。無印時点から2ndまで、健在なのかさえ不明。


【制作料理】

薬膳料理に熟達した料理人らしく様々な薬効を持った食材を多用するが、それ以上に料理が放つ“香り”を重視する傾向にある。
匂いや香りによって食べる人の意識や食欲を支配し、五味を利用して人体を操るのが五行の常套手段となっている。
また本来の料理スタイルは派手で奇抜なパフォーマンスと食材の選択で客を驚かせ目を引くなどジャンに非常に似たスタイルだが、五行の場合ジャン以上に食べる者の肉体に危険や害を及ぼすことに何の躊躇もないため、実際はジャン以上に悪辣でタチが悪い。

五行膳

彼が手掛ける薬膳料理の総称。
五味を的確に五臓・五腑へ作用させて、人体の陰陽バランスをコントロールして体調を整えるという料理体系。勿論味は一級品。
なおここで言う『五行』とは「五味*5が五臓五腑にどう作用するか」を指す薬膳料理の思想の1つ。
酸味は肝臓と胆嚢、苦味は心臓と小腸、甘味は脾臓と胃、辛味は肺と大腸、鹹味は腎臓と膀胱に作用するという。*6
『陰陽』も薬膳料理の思想であり、身体が陰に傾き過ぎると下痢や食欲不振の元となり、逆に陽に傾き過ぎると血の気が多くなって怒りやすくなるとされている。

食べた者の体調を万全に回復させることもできるため、五行が潜伏していた香港の町の住民からは「おいしく食べてる内に健康になる」と高い評判を得ていた程。*7
だが本気になれば、食べる者の胃袋が破裂しようともお構いなしに強制的に死ぬまで食事を続けさせることも可能と、文字通り人体を意のままに弄り操れるオカルトじみたもの。
キリコ曰く「人体実験の薬みたいに体を操ってる」「食べる人をモルモット扱いしている」


◆無印

  • 子豚の頭のロースト
五番町飯店にパーティの招待状と合わせて送った料理。
中国では祝い事や祭りなどでよく出されるものとされ、よくローストされているので味もいい。
だがその実態は豚の口に挟まれた招待状を抜き取ると頭の中に仕込まれた笑い袋や玩具が作動して、死んだ豚の頭がゲラゲラ笑って飛び跳ね回るように演出される、悪趣味極まりない料理である。


  • 鶏レバーを使った強肝食
  • 潤滑力のある黒ゴマ、松の実、クルミと、スタミナ強化の漢方生薬肉蓯蓉(にくじゅよう)を使った便秘改善食
特番を作るにあたって「腕前を見せてくれ!」と言ったテレビ局のプロデューサーとディレクターにそれぞれふるまった料理。
これらを食したことで大酒飲みの梅沢富美男みたいな顔のプロデューサーは一瞬にしてむくみが取れ十代の活力が漲るようになり、三十年来の便秘持ちだったディレクターは腸がすさまじい蠕動運動を始めだし、トイレに駆けだした。
大谷曰く「どれも五行膳の片鱗に過ぎまへんけどなあ」とのことで、五行が如何に人体を自在に操れるかを示した料理。


  • 仏跳牆(フォテャオチャン)(山海珍味の壺詰め蒸し煮)
第一戦「胃に効く料理」というお題で作った料理。実際に存在する料理の1つ。
フカヒレ、アワビ、ナマコ、貝柱などの高級乾物類と滋養強壮効果のある漢方の生薬を壺の中で長時間蒸し続けて完成する超高級スープ
「余りの美味しい香りに修行僧ですら寺の塀を飛び越えて来る」という名前の由来の通り、とても美味しい香りを放つのが特徴。

作中では8時間煮込んで披露。
五行が独自に選別した多数多量の乾物と食材、胃の働きを活発化させる多漢方生薬を蒸した仏跳牆の強烈な香りは会場のみならず会場外の街の住民すら魅了して会場に数多く引き寄せた挙句、名の由来の通りお坊さんですら会場の壁をよじ登って様子を見に来る程。
ジャンの舌を以ってしてでも壺で煮込んだ全ての食材・生薬を解明し切ることが叶わなかった品である。

一見まともそうだがこの料理は、上記の通り元から強かった香りを必要以上にもっと強力に仕立てた代物*8であり、ある意味勝つためだけに作った料理と言える。
というか料理大会で予め完成させておいたものを温め直して提供していいのか……。


  • 荷葉粥(ホーイェヅォ)(蓮の葉のお粥)
第二戦「涼を呼ぶ料理」というお題で作った料理。
米以外の材料が蓮の葉と氷砂糖だけという極めてシンプルな一品で、黄緑がかった薄いクリーム色の甘い粥。
蓮の葉の成分が体内の体液を調節しつつ血液循環と消化機能を活性化させ、氷砂糖が身体を自然に冷やしつつエネルギーに変換させる。
これにより食べた者の肉体を健康的に冷やし、食べた者が低体温症になっていても適度に温めてから改め冷やすことができる。
ジャンが作った過剰に発汗・冷却させて肉体を冷やす料理で肉体が過剰に冷やされた審査員を癒すため作った料理で味に加えて心象も高評価を受けてジャンに勝利するも、五行本人は元々審査員をビックリさせてウケを取るつもりでジャンが作ったモノと同じ仕組みの料理*9を作ろうとしており、先手を打たれたので土壇場で変更した。
つまりジャンが審査員を昏倒させることを把握しておきながら黙認し、審査員が倒れるのを見越した料理を出すという裏食医らしい一品。
五行はこれで2連勝の王手となったが、自分の手の内を読まれたことで逆に苛立ちを覚えるようになった。


  • 棗泥桂魚(ザオニークエイユイ)鱖魚(ケツギョ)*10のナツメ巻き揚げ)
第三戦「スタミナ料理」というお題*11で作った料理。
砂糖とラードを混ぜ甘い餡子状のペーストにしたナツメを鱖魚の切り身で巻いて揚げ、更にその上から大量の砂糖を掛けて仕上げたとんでもなく甘い魚の揚げ物。
そして隠し味*12玫瑰花(メイクイタン)*13をまぶした砂糖の中に混ぜ込んでトッピング代わりにしており、上品な香水を思わせる花の高貴な香りも楽しめる。
ゲテモノ料理のようだが料理の味の組み立てとしてはドーナツに近く、上品な鱖魚の身と甘さと香りのハーモニーを味わえる皿。

「(オレの必勝の料理)」「(おまえら日本人が考えもつかない血液を強化する最高の夏の料理)」を内心自負する自信作で、食べた者の血液機能を強化・活性化させることに重点を置いた薬膳。
ナツメ、ハマナスの花、鱖魚は全て消化機能と血液機能を強化する効果があり、ふんだんに掛けた砂糖には食べた者の体内で素早く吸収され大きなエネルギーを付与する効果がある。
更に裏の効能として、強烈な甘味で食べた者に強い満腹感を与え、後の食事(=ジャンの料理)を受け付けなくさせる副次的効果も兼ね備えていた。
特にスッポンのような濃厚な食材だとスッポンの濃厚さが強烈なくどさに変じるようになっており、妨害においても高い効果を発揮する目算であった。
なお似たような原理の料理をジャンは大会で一度作っている。

しかし調理終了後にこっそり自分の料理にをガッツリ入れる反則行為*14で作った『秋山式補髄湯』の影響で目論見が破算。
塩による料理の味の引き締めが起こってしまい、秋山の料理を潰すはずが甘さと香りが逆に過剰すぎて二口目以降が食べられなくなるという自滅を促す結果となり、「酷く甘ったるく化粧品臭い料理」「天才の発想過ぎて口に合わない」と手の平返しで酷評されて敗北した。
「紙一重でバーカ!」
この段階で五行の忍耐力は限界を迎え、完全に裏モードに入った。


  • 如意端鳳(にょいずいほう)(マナヅル、赤ウミガメ、朝鮮人参の炒め煮)
(小手調べはやめだ 全力でやってやる)
(五行道士の薬膳の真髄を見て驚け! 秋山め───)

第四戦「不老長寿料理」というお題で作った料理。これだけ何故か日本語読み。
ぶつ切りにしてから丁寧に下処理し下味を付けたマナヅルと赤海亀の新鮮な肉、朝鮮人参を大量のスープで炒め煮して作った皿。皿には鶴と亀の見事な彫り物もあり、見かけは非常に上品。
嗅いだだけで強い食欲を湧き立たせる豊かな香りに加え、軟らかく煮こまれて臭みもない赤海亀の肉、噛めば噛むほど味の出る真鶴の肉、上等な上湯スープで戻された太く立派な20年物の朝鮮人参の歯ごたえがマッチした伝統を感じさせる一皿。
とりわけ目を惹くのが未知の食材「鶴」の下処理。
五行は五番町飯店でも扱ったことの無いこの食材を残虐に、かつ合理的・効率的に捌いており、パフォーマンス性においても強烈な一品となっている。
+ 「裏五行」流・鶴の下ごしらえ
  1. 生きた鶴の首と脚の血管を切断する。五行の正確な切断技により、逆さ吊りにすると脚から空気が入って首から身体中の血が一気に流れ落ちるようになる
  2. 空のドラム缶の中で鶴を逆さ吊りにして血抜きする。ドラム缶は血の飛び散りを防ぎ、中でもがく鶴がぶつかった痛みで余計に暴れることで更なる出血を促す
  3. 鶴が絶命したら鶴をコールタールが入ったドラム缶の中にぶち込み、コールタールで固まった羽根を素手で一気にむしり取る*15
  4. 肉は包丁ではなくで骨ごとぶった切る

コンセプトとしては「どんな人間でも不足している沢山の栄養・ミネラルを補う料理」であり、方向性としては令和で言う完全栄養食の類。
しかしこの料理の最大の特徴は、「誰がどう食っても長生きしてしまう(・・・・・)料理」「実際に食べた人間の寿命が伸びればいい」という不老長寿への回答の元、一度食べると匂いと味覚を介して食欲及び脳が支配され、体に不足している栄養・ミネラルを完全に補給できるまで本人の意思を無視して肉体が勝手に動き、身体の栄養バランスが完璧になるまで強制的にこの料理を食べさせられてしまうとんでもない料理。
上記の『食欲を異常活性させる仏跳牆』の発展系らしく、加えて食べる前に香りを嗅いだだけでこれまで7品も試食を重ねてきた審査員の胃が鳴って食欲が湧いていたため、口に入れずとも効果が発生している。
なお洗脳の類ではなく単純に肉体が制御不能となるものなので、この料理で補充可能な栄養・ミネラルが十分補充されれば自動的に箸は止まる。
本人曰く「完全なる不老長寿料理」「死にたい人間すら生かし続ける事ができる100%の五行膳」とのことだが、大谷の見立てでは200%の五行膳らしい。

後攻なのに自分の皿の効力が発揮した点を踏まえて「足りないものだらけのものがオレの「如意端鳳」に勝てるわけないだろう」と勝ちを確信しており、「食べると実際に寿命が伸びる」という明確な分かりやすさ故にクソ観客の中にも好意的な反応を見せる者が多かった。
料理の味と質、テーマに対する解釈自体も素晴らしかったが、ストレスが限界に達していたこと+ジャンへの怒りのあまりお題のみを追求し過ぎてあまりにも人のプライドや尊厳を無視した料理に仕上げてしまった点から、料理を食べた審査員全員から「無理に料理を食べさせられて生き永らえるなんてまっぴら」「強制的に食わせられて延命させられる位なら好きなものを食べてさっさと死にたい」と嫌悪と共に拒絶され*16再びジャンの料理に敗北。
キリコも「食べる人間をモルモット扱いするヤツが勝てるはずないよ!」と五行の料理を嫌悪混じりで酷評していた。
テレビ越しに見ていた睦十や李も「秋山の方が生きる欲望がわいてくる(珍品をふんだんに使ったからこそもっと長生きしたいと思える)」「当然の結果」と見ていた。

トドメにジャンには意趣返しと言わんばかりに「いい料理だったな!やっと仮面がはげて本性が出てきやがった」と煽られ、これまでサクラとして自身を絶賛していた観客も敵に回り始め、五行もこれで完全にブチ切れることになる。


  • パンの木の実の酒
ジャンとの5番勝負最終戦にて、先行だったジャンの料理試食後に食前酒として振舞った酒。
その実態はジャンの作った料理に使われた食材に、命の危険を伴うほどにアルコールとの相性が悪いドリアンが含まれているのを利用して審査員を殺害、ないし危害を加えてジャンにヘイトを向けさせて陥れるべく使用した毒物である。
当然ながらこの酒自体も食べ合わせによる被害を強力にするため独自に蒸留した、アルコール度数80度以上の特別製*17
ドリアンを食べてない人間にはただの度数の強い酒でしかないのが肝であり、五行は自らも飲むことで酒やグラスに毒は無いことを示し*18、ジャンの料理に罪をなすりつけようとした。
実際に酒を飲んだ審査員1名*19身体が麻痺し命の危機にまで陥ったが、ジャンの機転により一命を取り留めることになり、ジャンとの対立はついに決定的となった。
ジャンが審査員の命を救ったために人殺しの罪を負わせることはできなかったが、脱落した審査員の代打として五行サイドのホテル・ミラージュの女社長が審査に参加。
番組スポンサーでもある彼女には他の審査員も逆らえない。当初の予定とは違うが、非常に有利な展開で最終審査を迎える事には成功した。


  • 火災樹(ホゥツアィスー)(ハクビシンの地獄鍋)
火災樹(ホゥツアィスー)」!すなわち「地獄鍋」!!
そうさ!天国の味を知るには一度地獄を見ておかなくてはならない!そうしなければ天国の素晴らしさは解らない!!!

むごたらしくさばいたハクビシンの地獄絵図をたっぷり見せ───
そしてその地獄をオレの力で天国の味にしてやる!!!

ギシシシシシシシシーーーッ

ジャンとの5番勝負最終戦「天国に一番近い料理」というお題で作った無印における最終料理。
野菜に加えて八珍*20にも記されている食材・ハクビシンをそれぞれ煮込んだ赤と白のスープを、見た目が太極図を描いているかのように2つに分割された特製の鍋に入れて煮込んでいる。
いわゆる「火鍋」。鍋を二つに仕切り二種類のスープで食べる形式は特に台湾で鴛鴦火鍋*21と呼ばれ、太極図に見立てたスタイルが有名。
調理時にはわざと観客に見せつけるように、ハクビシンを猟奇的に惨殺するかの如く捌き、その後巧みな技量で極上の香り漂う料理に仕上げた。
ジャンは「天国と地獄の鍋」「天国と地獄はまさに紙一重の所にある。それがこの鍋だ!」と評していた。

赤側は鶏ガラスープと沙茶醤(サーチャージャン)*22で味付けられた、ハクビシンの肉がメインのピリ辛鍋。
非常に柔らかく煮込まれたハクビシンの肉とハクビシン特有の香り高い肉の風味が沙茶醤と合わさり、食べる者を楽しませる。

白側は鶏ガラとハクビシンの骨から取ったスープに羊のヨーグルトと乳を混ぜた酸味のある「白汁(パチャップ)」で味付けられた、雪菜・高菜・複数種類の茸*23を中心とした、野菜メインの鍋。
ミルクシチューっぽいまろやかかつ濃厚な味で、白汁と野菜の相性の良さが未知の味わいと風味を演出する。

具材の旨みが存分に溶け出した極上スープに加えて、付けタレに芝麻醤(チーマージャン)*24、焼いた唐辛子醤油に漬けた唐辛子風味の醤油ダレ、腐乳(フウルウ)*25ダレ、イカのワタで作ったしょっつるに似た味のタレの4種類を用意したことで多彩な味の変化を生み出し、審査員から「未知なる素晴らしい味」「食べて良し飲んで良しの大満足」「これぞまさに“幸福の極み”!!!」と大絶賛された極上料理。
ついでに

この幸せの味は犠牲があってこその味───
ゆえに料理は“成仏”!!全てを食べつくしてこそ浮かばれるのです!!!

と尤もらしい言動で【料理は成仏】というスタンスも理解させ、審査員達からの好感度稼ぎも狙っていた。
ついでに後述の策のためといえつまみ食いしたジャンも味を絶賛した


使用薬物

  • マンドレイクの香
「血の気を鎮める」という名目で、選手控え室にて焚いた香に仕込んだ物。
独自調合の結果吸った人間の味覚を麻痺させる毒ガスと化しており、試合前にジャンの味覚を破壊して楽に勝利することを目論んで焚いたが、異常に気づいたジャンが即座に窓を開け換気したことで失敗に終わった。
なお本人はガスマスクできっちり防護済み。


  • ビンロウ子
数種のアルカロイド系物質を含有した木の実。
東南アジアでは公認の覚醒剤として親しまれているとされるが、本作のは五行によって独自の改良が施されているブツ。
血のように赤い果汁が特徴で、品種改良の結果死にはしないが通常のビンロウ子を凌駕するケタ違いの効き目により、摂取した途端一瞬で昏倒して身体が麻痺してしまう即効性が特徴。
ストレスが限界に来ていた上に大谷に罵倒され完全にタガが外れた結果、大谷を切り捨てる形で無理矢理果汁を服用させた。


◆R頂上決戦

  • 天下第一回鍋肉(チィエンチャァディイホイグォロウ)(世の中で一番美味しい回鍋肉―仔豚の干し肉とドクダミの回鍋肉―)
『R』で再登場した際最初に披露した料理。
ここでも自作した秘薬を試そうとするが、蟇目に「正々堂々勝負しろ」と止められている。ケシ入り麻婆豆腐を作ったこともある蟇目からすら言われる辺り本当に懲りない奴……。

貴重な仔豚丸ごと一匹の干し肉とドクダミをメインにした塩味の薬膳回鍋肉で、薬膳の「一物全体」*28の理念に則った解釈で作られている。
炒める際に白酒でフランベされ香り付けられた干し肉は一度茹でて炒めたことで旨味が凝縮しており、通常の茹で肉とは異なるしっかりとした食感。豆鼓と四川唐辛子の辛みに加え、清熱解毒作用と利尿効果のあるドクダミのえぐみがマッチした、蒸し暑い夏に適した一皿。ジャンからは「裏食医のお前が体に良い回鍋肉だって?笑わせるぜ」と煽られたが「甘い!『過ぎたるは及ばざるがごとし』(中略)オレの意志一つでどうにでもなるってことさ」と返しており、どうやらこの料理も調整次第で毒膳になるらしい。体内から熱を取りおしっこが出まくる…血尿にでもなるんだろうか。
因みに、ドクダミは店の裏(犬の通り道)から摘んできたモノらしい。

犬の小便たっぷりかかったやつさ キシャシャシャシャ!!


  • 片片行雲著蝉鬓(ピィエンピィエンシンユンヂュチアンファ)(極薄のフカヒレ蝉の羽見立てレンコン団子添え~1レンゲ盛り~)
『一皿1000円のフカヒレ料理』という課題で作った料理。
1000円以内という課題をクリアするため一皿一レンゲで提供している。
スープで味を含ませた極薄のフカヒレの姿の下にすりおろして蒸したレンコン団子を仕込み、更に餡をかけた非常に上品な見た目の一品。
レンコン団子の中には山査子で味付けした林檎の角切りが仕込まれており、フカヒレに含ませたスープは酸辣味にした金華ハムベースであり、食欲促進効果のある生薬を複数混ぜている。
おまけにこの生薬スープを煮詰めて餡にし、更にその上から鳥魚蛋*29を盛りつけた上ですだちを数滴絞って風味付けと味付けをしている。
味付けは上品かつ控えめなあっさり味ながら、レンコン団子のモチモチ食感と極薄のフカヒレの姿が存在感を見せ、餡のお陰で喉越しも抜群な、食べやすく胃もたれもしない絶品の出来栄え。

なおこの料理に仕込んだ食材は全て食欲増進・消化促進効果のあるものばかりであり、これらを複合的に組み合わせて食欲増進効果と消化促進効果を過剰なまでに増幅。食べれば食べるほど食欲が増し胃がスッキリしていくような錯覚に陥る。
結果、食べた者は満腹になるどころか、逆に腹が減って飢餓状態に陥っていくという、邪道士らしさ全開の代物。本人によると原理としては健康サンダルのようなものらしい。
強い自制心のある人間であれば胃がスッキリして食欲が増す程度だが、欲深く食い意地の張っている者ほど効果が強烈に作用し、周りの人間を押しのけてでも皿を独り占めし貪り食おうとする醜態を晒す羽目となる。

実態としては自分達を舐め腐っていた審査員の経同盟の面々への意趣返しを込めて、経同盟の面々に赤っ恥をかかせるついでに正当な料理評価まで不可能にさせるために仕組んだ料理であり、3番手だった蟇目に「やり過ぎ」「作為的な飢餓状態に陥ったからおかわりして皿を全て完食しただけで、真に料理が美味くておかわりしたわけでは決してない(要約)」と苦言を呈されている。
ついでにリュウジや蟇目共々1000円以内のフカヒレ料理という課題の解釈を誤った事が敗因*30となり、ジャンに敗北。以降しばらくは安月給生活を送る憂き目となった。

料理名の元ネタは唐の詩人・盧照鄰が書いた漢詩「長安古意」の中から引用したもの。
日本語に訳すと「ひとひらずつ流れ行く雲が蝉の羽のように薄く結った耳ぎわの髪へと連なる」との意味合いだと語っている。


親族

  • ()行姫(ギョウキ)
お姉様とお呼び!ガキども

『2nd』に登場した実娘。
見た目はゴスロリ風ファッションの小中学生くらいの片メカクレ美少女だが、実年齢21歳の合法ロリ
父親譲りのボリューム抜群の癖毛を複数の束に分けたような奇怪な髪型を持つ。
母親は恐らく『五行クンの楽しい香港生活』に登場した相永燁(あいえいか)だと思われる。(外見がそっくり)
実は逆算すると無印時点で既に誕生している。

姉御系の口調でジャンJr.からは「五行姐さん」と呼ばれている。ジャンJr.曰く「気に入らない人間にはすぐを盛る」との事だが本人は否定している。
世界中の薬物・毒物を研究し、父親の文献を読み漁った結果人体を操る五行膳の力に傾倒。
「人を幸せにする五行膳で世界を変える」という夢を掲げて父親を超えることを目標としており、表舞台を嫌う父親には内緒で大谷主催の料理大会「全日本中華料理王決定戦」に出場。
同じく薬膳料理使いだった大谷水蓮にはライバル心を燃やしていた。

五行膳を習得した父親同様の薬膳料理人だが、彼女の場合満腹中枢をコントロールして満腹感を与えて他の料理を食べられなくさせる料理を多用するのが特徴。
しかし再三の父親の忠告を理解しきれておらず、「五行膳で人体をコントロールすること」に執着し過ぎていたことや、五行膳の力に溺れる慢心から純粋な料理の味を追求して戦うことを疎かにしてしまった点から、ロペス・アギーレの前に三回戦で敗北を喫した。
五行としても娘には毒使いの食医ではなく正しい料理人になってもらいたかったようだが、何か中途半端になってしまったようだ。五行の妻が健在で別の意見を言ってたのかもしれないが。



ふざけるなWiki篭りィィッッッ!

わかってるだろ!? あの程度の追記・修正じゃオレのストレスはたまる一方だぜ!
いつ爆発するかなぁ………

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最終更新:2026年07月24日 23:10

*1 ピンイン読みするなら「ウー・シンファイ」とかだろうか?

*2 ただしこの策謀はジャンが寸前で気が付いたことで未遂に終わった。

*3 ちなみにこの観客は前回大会でジャンに敗れた料理人やその関係者。ぶっちゃけ言えばサクラである。

*4 娘の容姿が彼女にメチャクチャ似ていると言う傍証がある

*5 酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(塩辛い味)のこと

*6 それぞれ取り過ぎるとその味が司る臓器に悪影響が出るとされ、それらは「五禁」と呼ばれる。

*7 作中で改善させたものは腰痛、肩凝り、不眠症、肝機能低下、三十年来の便秘

*8 味見したジャンをして「なんでこの材料であの匂いが出る!?当たり前の使い方ではとても出ないはず…」と戦慄したほど。

*9 「オレなら審査員がブッ倒れるようなヘマはしない」程度に加減するつもりではあった。

*10 スズキ目ケツギョ科、中国産の淡水魚。柔らかく上品な味わいで小骨も無いという最高級クラスの白身魚だが、日本では漁獲も輸入もできないのでスズキあたりで代用される

*11 ちなみにこのお題に対して五行は「夏になる前に夏に負けない体を作っておくのが医食同源の考えだ。バカげた課題だぜ」と内心毒づいていた。それでもしっかりお題に沿った料理を作ってるのは流石である。

*12 こちらの工程を次々と読んでくるジャンの裏をかくためにジャンの隙を突いて仕込んだ

*13 ハマナスの花の蕾を乾燥させて砂糖漬けにした実在する中国の伝統的な薬膳食材。美容効果やリラックス効果、冷え性対策、血の巡りを良くする等の効能がある。

*14 バレなかったが

*15 コールタールはそんなにすぐ固まらないが、そこは漫画的な表現というかお約束ということで。

*16 試食の時点で無理やり食べさせられることに対しては全員が嫌悪しており、大谷も200%の五行膳を作ったことでこの結果を予想していたのか大いに焦っていた

*17 ウイスキーなんかよりもよっぽど高い度数なのでドリアン云々関係無しに飲みにくそうではあるが。

*18 この頃には五行の本性も露わになっていたので審査員たちは怖がって飲もうとしなかったが、自ら毒見した五行に気押される形で口をつけることになった

*19 ちなみに、横綱である玉海山が犠牲になった。日頃から体を鍛えてる横綱だったからまだ良かったが、他の審査員ではガチで殺されていたかもしれない。

*20 古くから中国の宮廷料理などで珍重されてきた8種類の貴重な高級食材の総称。

*21 鴛鴦とはオシドリのこと

*22 干しエビ、干しヒラメ等の魚介をベースにした台湾の辛味調味料。程よい辛さと海鮮の旨味が特徴で、スープや炒め物、バーベキューの下味、火鍋のタレ等、使い方は多彩。日本でも業務スーパーやカルディ、ネット通販あたりであれば購入可能

*23 描写されたのはサクラシメジ、ナラ茸、ハツ茸、クリ茸の4種

*24 炒りごまで作ったゴマだれのこと

*25 豆腐に麹をつけて発酵させたもの。豆腐チーズとも言われる

*26 スタッフたちは首筋に太めの針をぶっ刺して麻痺させてる。どうなってんの。

*27 仮に犬肉がバレなかった場合、票数ではジャンが敗れていた可能性が高いが、純粋な味勝負でも互角レベルだった。

*28 食材を食べるのなら、魚ならば切り身などの1部分だけを食べるのではなく、頭から尻尾の先に至るまで全部食った方が食材が持つ効能が100%発揮されるので身体に良い…という薬膳の思想

*29 イカの卵巣の塩漬け。カラスミの事。

*30 彼らはレンゲ1杯の中にフカヒレ料理を作り、これがおかわりされる事を前提で提供したが、結局おかわりをしてしまうのであれば食べ手の出費は1000円では留まらない(普通に数千円する料理をただ分割しただけに過ぎない)。ジャンは同じくレンゲ1杯で提供しつつ、その1杯で完成、満足できるよう工夫を凝らしていた