食べ合わせ

登録日:2011/12/24 Sat 21:44:15
更新日:2024/03/27 Wed 22:50:17
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「食べ合わせ」とは、食材を組み合わせる場合の相性を表す時に使う言葉。

ここではそれらの効能を中心に扱う。
味の組み合わせについては「○○+△△=□□の味」へどうぞ。

概要

人類が料理をし始めてからというもの、いくつもの食材を同時に食する機会は多いわけだが、特定の組み合わせで有害となったり、相乗効果が期待される場合がある。
良い組み合わせも悪い組み合わせもあるが、その両方に対して「○○と××は食べ合わせが良い/悪い」といった具合で使われる。

古くは「合食禁(食合禁)」とも呼ばれるが、その場合は相性の悪い組み合わせだけを指す。



現実での例

日本にも古くから様々なものが伝わるが、現代医学では否定されているものも少なくない。
逆に昔からお馴染みの組み合わせでも、最近になって良くないと判明したものもある。

○よい例

  • +梅干し
鰻の脂と梅干しの酸味が合わさると消化不良を起こすと言われていたが、実際には消化を助ける良い組み合わせ。
ボタンハモの如く湯通しした鰻に梅肉タレをつけて食べるのは最高。
梅干しは食欲増進効果があるので、高級な鰻を食べ過ぎないようにと言う説もあるが、実際は「銀杏と鰻」が悪い食べ合わせで、緑の梅と勘違いされて伝わった物らしい。

山盛りのキャベツは飾りではない。
キャベツに含まれる「S-メチルメチオニン」*1が胃粘膜を保護し、胃もたれを防いでくれる。
キャベツを合間に食べることで揚げ物をより多く食べられるようになると言っても過言ではなく、サンシャインもオススメの組み合わせである。
ただしS-メチルメチオニンは熱に弱いので、加熱しない方が良い。

大根には魚の油を分解する酵素があり、やはり消化を助けてくれる*2

  • +大根おろし
所謂オロシモチ。
大根にはデンプンを分解する酵素が(以下略
また、デンプンを分解された餅は柔らかくなるため食べやすく、喉に詰まらせにくくもなる。

  • 枝豆+酒
おそらく最も有名な食べ合せ。
晩酌や居酒屋の鉄板。
枝豆がアルコールの分解を助けてくれるため、悪酔いしにくくなる。

ちくわは量あたりの塩分が多めだが、きゅうりに含まれるカリウムが塩分の排出を促進する。
ただし、塩分(ナトリウム)もカリウムも過量摂取は腎臓に負担が掛かるので程々に。


△良くはないが、明確な害はない例

胃の中のチーズフォンデュがビールで固まり、胃閉塞を起こす可能性があるとされるが、ビールの効果で固まったチーズでも胃の中でちゃんと消化されるので、よほど大量かつ短時間で食べるような真似をしない限りは問題ない。

卵白の成分が納豆に含まれる栄養素「ビオチン」の吸収を妨げるとのこと。
美味しい組み合わせなのに残念……。
とは言え害があるわけではなく、ビオチンは他の食材からも十分に摂ることが可能なので好きなら気にするほどでもない。
むしろ黄身+納豆+米は栄養面の相性がよく、特に朝食に最適。
白身も加熱すれば大丈夫なので、どうしても気になるなら半熟の目玉焼きや温泉卵にするとよい。

水と油で消化に悪いとされ、実際、胃腸に負担らしい。
しかし、天ぷらで油っこくなった口をかき氷やスイカでさっぱりさせるのは最高。
気にするレベルでも無いらしいから安心して良い。
ただし胃腸の弱い人は避けた方が無難ではある。

  • しらす+大根
しらす大根は定番だが、大根の成分がしらすのリジン*3の吸収を阻害する。
酸を混ぜると緩和できるので、気になるならポン酢などでいただこう。

  • +ゴボウ
旬が真反対のものの例として、日本料理会で教えられる。
まあ中毒などは起こさないので好きなら止めるほどでもないが。

上記と同じ。

チョコの油が、他の食品に含まれる油脂分を溶かしてしまう。
ガムベース(樹脂)も例外ではない。
そのまま飲み込んでも危険というほどではないが、決して美味いものではない。
「ガムかんでる時にチョコレートなんか食わねーよ」



×悪い・危険な例

  • 蟹+氷水
体を冷やす蟹の後の氷水は凍えるレベル。
冷え症の場合は避けたほうがいい。
夏場であれば高温による夏バテ解消になるかもしれないが、日本で食べられる代表的な蟹の旬は大抵冬場なのでなおさらである。
蕎麦、夏野菜も体を冷やすため、これらを組み合わせるときは注意が必要。

どうしてもこれ等の冷える組み合わせで食べたいなら、鍋や温麺など暖かい調理や他の温める食材を加えたり他の一皿などで一緒に食べて中和しよう。
漫画『将太の寿司』で主人公の将太は、シャリに温まる食材であるガリを仕込む事で冷えを回避し、格上の相手に勝利した。

  • タコ+ワラビ
そうそう組み合わせないだろうが、中毒した実例もあるらしい。

  • くるみ+酒
血圧の上がるくるみと酒はのぼせる原因になる。
バターくるみはビールに合うが大量に食べるのはよそう。

  • ホテイシメジ+酒
ホテイシメジ自体は美味しい可食茸なのだが、ホテイシメジやヒトヨタケなどに含まれるコプリンはアセトアルデヒド分解酵素の働きを阻害するため一緒に口にすると凄まじい吐き気と頭痛、要するに悪酔いをもたらす。
この作用はアルコール中毒治療用の抗酒剤に使われる程強烈。
最悪の場合急性アルコール中毒のような症状が出る可能性もあるため絶対に一緒に食べてはいけない。
上記の内容はゲーム中にヒトヨタケが登場するMGS3でも言われている。

  • スイカ+ビール
  • カフェイン飲料+ビール
どれも利尿作用があり、効果が重なると脱水状態になりやすい。
結果としてアルコール濃度が高まり、急性アルコール中毒となる危険がある。

ラーメンライスは美味しいのだが、ただでさえ炭水化物+炭水化物の組合せ。
さらに炭水化物の脂肪化を防ぐビタミンB1を摂取出来ないので、一食でも加速度的にピザる。
チャーシューメンの方が太りにくいと言われるのは豚肉でビタミンB1を補給できるためだが、カロリーオーバーしたら同じことなので運動するべし。

  • ドリアン+アルコール
東南アジアで昔から危険とされている食べ合わせ。
実際に合わせて食すると体調が悪くなるらしいのだが、その原因はよく分かっていない。*4

コーラがメントスの作用で吹き上がるメントスガイザーと言う現象が起こる。
中国の女子学生が、ふざけてコーラを一気飲みしてからメントスを食べたところ、口と鼻からコーラを吹き出し救急車で運ばれた。
間隔を空ければこうなる確率は低くなるが、体調によっては炭酸飲料を飲むだけでも泡が逆流してくるなんてことはザラにあるのだからさもありなん。
窒息死する可能性のある非常に危険な行為なので真似しないように。
余談だがメントスガイザーを利用した遊び(コーラ入りペットボトルにメントスを投入して蓋をして蓋を飛ばす)があるが、これも真似しないように。下手すれば目に当たって失明します。

  • 梅干し+牛乳
まず無いと思うが消化に悪いので注意しておこう。

  • コーヒー・お茶他カフェイン飲料+薬、サプリメント
コーヒーや緑茶などカフェイン飲料好きの方は要注意。
カフェインが薬の効果を阻害したり、逆に効かせ過ぎてしまう事があり、下手すると身体に影響を及ぼします。
絶対にしないでください。
というか薬は水かぬるま湯で飲みましょう。

グレープフルーツに含まれる酵素が一部の薬の代謝を阻害してしまうため、薬剤の血中濃度が異常に上昇してオーバードーズ状態になり、最悪の場合死に至る危険性がある。
繰り返しになるが、本当に危ないので薬は水で飲むようにしよう。




創作作品での一例

  • トリコ』のポイズンポテト+甲殻類、酒、エレキバナナ
ポイズンポテトにはソラニンの4万倍の毒素を持つネオソラニンが含まれており、食べれば100%命を落とす。
ポテト全体にを含むため、完全な毒抜きは不可能だが、極限まで毒素を薄める調理法で命を落とさないレベルにすることができる。
しかし甲殻類の抗原、強いアルコール、エレキバナナの毒素は弱めたポイズンポテトの毒素にのみ反応し、死に直結する強烈なアレルギーを引き起こす。
蟹鍋で一杯やったあとエレキバナナでトリップしながら度胸試しでポイズンポテトを食べるような真似をすれば、たとえどんな調理法を施そうと確実に死ぬので、上記のような組み合わせには十分注意すべし。

甘くて生臭かった……
体力-40、スタミナ-25
モンスターハンター中最悪の食事効果をもたらす。
まあ、特に世界一臭い果物として名高いドリアン(エメラルドリアン)と得体の知れない何か(龍頭)なんて、想像しただけでもはや目に見えた地雷であることは確定的に明らかなので、あえてゲテモノクッキングをしようという奇特な人でない限り引っかかった人はいないだろう。

上記のウナギと梅干しの食べ合わせの真偽を巡って論争になる「うなぎ大実験の巻」というエピソードがある。
城ヶ崎さんは腹痛を起こす説を信じ、逆に永沢くんはそのようなものは迷信として取り合わなかった。
結果としてウナギと梅干しの食べ合わせを実践した永沢くんは軽い腹痛を起こすが、「ウナギと梅干し以外のものも食べた以上、必ずしも件の食べ合わせが原因とは限らない」として持論を曲げる事は無かった。
上記の通り現代では問題ないとされているため、恐らくは偶然ないし不幸な巡り合わせが原因であろう。
なお、まる子もこの食べ合わせを実践しようとしていたが、「食べ合わせが原因でまる子が死んでしまっては一大事!」と、いらん心配をしたおじいちゃんがまる子の分のウナギの蒲焼きを食べてしまい、結果家族で一人だけウナギを食べ損ねたまる子は、仕方なく乾き切った表情で「ウナギの蒲焼きの たれ だけご飯」を食べるというオチだった。
…うん。普通に虐待レベルでひっでぇ。そんなのやめなさいとお説教するぐらいにしろよ。

詳しい内容はリンク先を参照だが、簡単に言えば普通なら身体に毒になるため吐き出してしまうほど不味い食べ合わせを、効能はそのままに美味に変えてしまうカイユの技術というか特殊能力を用いた4種類の毒膳料理の総称。
劇中で登場したのはナマズ+牛肝、フナ+豚肉、馬肉+古米、羊の胃+小豆の4種。
4種全て食べきれば数分で白髪になった後、20日後に死が待っている上、カイユに洗脳されるという追加効果付き。
これを食べさせられたジュチはしばらくして特に描写もなく回復できたが、その方法は不明。*5
ちなみにこれを食べた西太后は目に見える速度で髪が白く染まっていき、直後マオが作った料理の効果で髪がまた黒く染まるという割とシュールな事が起こっている。

SCP-104-JPとして分類され収容されている異常な食べ合わせ。
[編集済]の料理に関しては機密のため担当研究者のみに伝えられている。
異常物として分類されている以上、この食べ合わせで発生するのは栄養とか味とかそのレベルの問題ではない。

この2つを40分以内に摂食した場合、杏仁豆腐に含まれる未分類のセルロースと[編集済]が温かい状態で獲得した未知の金属物質が消化されることにより急激に反応。
2つの料理が一瞬で燃え尽きる熱エネルギーが発生し、最終的に胃の中で核融合反応が発生する。

体内で発生した核融合反応は未知の原因で通常よりはるかに低温で維持され、反応による爆縮の余波もこれまた未知の理由で硬化した胃の粘膜によって防がれるため、食べた人間には微々たる影響しか及ぼさない。
しかし体内で核融合を起こした人間を放置はできないため、財団は被害者を発見した場合体内の核反応物質の取り出しと治療、それが不可能な場合は被害者の終了という対策を取っている。

[編集済]に関しては、杏仁豆腐と同程度に歴史が古い事、温かい料理である事、主にトルコ、ハンガリーで食されている事が仄めかされている。
一般的に杏仁豆腐と同時に食べるのは趣味が悪いと言われる料理であるため、滅多に起きる事ではないらしい。

様々な料理人たちが料理勝負を繰り広げる作品だが、 頭のネジがとんだ料理人も多く、 ちょっと気に入らない相手には平然とヤバい料理を食わせる。
ここで言う「体温を下げる」「酒で悪酔いしやすくなる」「メントスコーラ」といった組み合わせがガンガン登場し、しかも敵側のみならず 主人公がやることも珍しくない
たちの悪いことに食材や料理の知識を持った一流の料理人が標的を陥れようと手を尽くすため、いずれも悪い効果を最大限に発揮させつつ違和感なく大量に食べてしまうよう食味は良好に仕上がっており、「立てなくなって昏倒するほど体温が下がる」「マジックマッシュルームで酩酊」「腹の中からコーラが噴水の如く噴き上がる」といった地獄絵図が繰り広げられている。




追記、修正は、ここにある組み合わせを全て試してからお願いします。

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最終更新:2024年03月27日 22:50

*1 「メチルメチオニンスルホニウムクロリド」「キャベジン」「ビタミンU」等とも呼ばれる

*2 この組合せで発ガン性物質ができる…という噂もあるが、正直噂の域を出ない

*3 体内で作れない必須アミノ酸のひとつ

*4 胃の中で発酵してガスを生じる、ホテイシメジなどと同様にアルコールの分解を妨げるなどの説があるがいずれも科学的な検証がなされておらず、「かもしれない」程度のものとなっている。

*5 ジュチが食べたのは不完全版だった為蘇生出来たとの事。ジュチを殺さなかったのはカイユに残された最後の良心なのだろうか?