三大ヘタレ主人公

登録日:2009/06/10 Wed 18:19:00
更新日:2025/07/14 Mon 14:45:30NEW!
所要時間:約 16 分で読めます




●目次

概要

エロゲ、アニメ、漫画、ライトノベル……それぞれ様々な主人公が居るが、
なかでも「死ねよ」「出てくんな」「誠死ね」「貴様のような奴はクズだ!生きていてはいけない奴なんだ!!」「いとうまことしね」
と叫ぶのに些かの躊躇も無いようなクズ主人公に捧げられる言葉。称号。

原作の時点でアレな主人公が多数を占めるが、中には原作ではマトモでも他メディアに進出した結果ヘタれてしまった可哀想な人達もいる。

なお、この言葉が作られた時代は上の登録日を見てもらえればわかるように非常に古い。
ヘタレなんて無限にいそうなものだが「三大」に限定してしまっているところなども、昔は「○大××」などの言葉がブームだったからである。*1
また「ヘタレ」という言葉の定義についても
  • 単純に気弱で煮え切らない言動を取る者
  • なかなか信念が定まらずに迷走する者
  • 恋愛関係で優柔不断な態度を取り、恋人に不義理を働く者
  • バトル要素のある作品で、戦績が芳しくなかったり情けない負け方をしたりする者
等々当時のオタク界隈ではかなり意味の広がりがあり、こういった要素を持つキャラが全て雑に「ヘタレ」という箱に入れられて笑い物にされる、ということも少なからずあった。
以下の文章においては現代の価値観においての「ヘタレ」にそぐわない主人公や行為が多数あると思うが、当時の人々の価値観を知る資料として読んでいただきたい。


元祖(?)三大ヘタレ主人公

初代ヘタレエロゲ主人公
彼女がいるのに彼女以外のルートで浮気する。下の二人に比べるとまだマシだが、彼もれっきとしたヘタレ。

ヒロインだけでなくプレーヤーをも苦しめたヘタレ。ただし、彼自身に非もなく異常事態に放り込まれてしまった点で、他2人と比べ擁護する声も多い。
『君のぞ』はストーリー自体が非常に重いため、ルート、選択肢、プレイヤーの価値観によって非常に大きく評価が分かれる(例として、当項目Wiki参照のこと)。
ただしヘタレという批判を抑えてすら、彼の自己愛に溢れたうざ過ぎる独白はフォローしきれない。
主人公では珍しくキャラソンがある。中の人がきーやんな為か、概ね好評。

論外。ただしこれまたルートバグの有無次第である。
元々名前はあがっていてヘタレという評価も間違いではないのだが、それ以上に最低と言う称号が相応しいアニメ版に引きずられているところが強い。
そもそも、アニメ版は誠の長所や心理描写を意図的かつ徹底的に削りまくっていることを念頭に置く必要がある(スタッフがどういった目的でそうしたのかは不明だが)。
故にアニメ版のみを唯一絶対視すると、それはそれで原作ファンから批判されたり、とんだ赤っ恥をかいたりする。
原作を冷静に見渡すとダメなのは確かだが案外ヘタレとは言えず、それどころかな部分も結構見受けられたりする。


三人の一般からのヘタレ度は誠>孝之>>冬弥
ただしこれはこの三人に限った話であり、絶対的なものではない。
新しいゲームやもっとマイナーなものに目を向ければまだまだ居ることを忘れてはいけない。
当たり前だが知名度やインパクトばかりに囚われて、ヘタレ死ねと騒いでばかりいるのもそれはそれで褒められる行いではない


有名なヘタレ主人公共

後半からは恋人に八つ当たりして骨折させたり幼児退行するほとぶっ壊れた。
原作は変なところは多いがこんな奴ではない。そして大学生であるFDでは東大生のうえイケメン
その上で彼女をじらしてハートをキャッチするという完璧超人

詳しくは個別項目へ。

ヤンデレ*2にさせてしまった。
ただし、背景事情や彼が亜沙に惹かれた理由を知ると、ヘタレとは言えなくなる……というか、楓の被害者としての側面もある。*3
お互いに負い目があるとはいえども、「ヒロインにとって都合の悪いことから目を背けさせて、なあなあで誤魔化す(かつ誤魔化すのを善しとする)のは流石に不味い」と教えてくれる主人公と言えるかも知れない。

別項参照。
もはやヘタレとは言えない存在。

物語中盤までまともな青年だったが、終盤に……(詳しくは項目参照)。

原作ではルート次第で男らしい姿を見せたりヘタレたり様々だが、アニメ1期に至っては付き合った月島小恋を総スルーすると純一を凌駕する程のヘタレ化した。
修学旅行にて
「月島さんは?」
「……えっ!?」
という音姉とのやり取りはもはやギャグである。
ただし1期は美夏ルートが主要なストーリーラインになった関係で、美夏を退学の危機から救う為に奔走していたのは考慮してあげたい。
あの状況で自分に構ってくれないことを嘆くばかりの小恋も小恋である。

初っ端から引き籠もり、ウジウジと事件から目を反らそうとする。
最後の最後は頑張ったが、それまでが余りにもヘタレ。実は妄想を現実にする能力を持つ凄い人だったりする。


通常の意味でのヘタレ(ないしそのイメージを持たれる)主人公

国民的ロングセラーヘタレ副主人公。※主人公ではない
常日頃からヘタレており、主人公であるドラえもんがいないと、あやとりと射撃とピーナッツの投げ食いと漫画評論と素早く寝ること*4しか出来ない。ついでに運も悪い(ギャグ漫画だけあってか、こればかりは仕方ないかも知れないが)。
たびたびしずかの入浴中にどこでもドアで突入する漢である(最近は世論的にまずいのか、見かけなくなった)*5
劇場版では仲間の為に奮闘する漢となり、ニュータイプも真っ青の活躍をする。

別に主人公ではないのだが、ヘタレを語る上で(?)彼は外せない。
主に映画「ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」にて、そのヘタレっぷりが発揮される。
他のZ戦士が敵わないながらも覚醒したブロリーに立ち向かう中、一人だけ
「殺される……みんな殺される……!」
「ニャメロン!! 勝てるわけない! あいつは伝説の超サイヤ人なんだぞ」
「もうだめだぁ、おしまいだぁ」
などと、見事なヘタレっぷりを発揮。しかもこのヘタレ王子、ちょっと前まで
「臆病者はついてこなくても良い!」
「伝説の超サイヤ人は俺が見つけ次第ぶっ殺してやる」
とか息巻いていたのである。
ちなみにこの後戦意を取り戻すのだが、そのわずか一分後で岩盤送りにされた。

一応彼の名誉のために言っておくと、この時のベジータは純粋なサイヤ人*6であるが故にブロリーとの力量差を悟ってしまったせいでこうなったらしく、普段から強敵相手にこんな醜態を晒しているわけではない
本編でも他のZ戦士達に比べてメンタル面の脆さを感じさせるシーンはちょくちょくあるが、流石にここまでビビり散らかしていたのはこの映画くらいのものである。
特にネット上ではMAD素材として余すところなく擦り倒されたせいもあってヘタレのイメージが染み付いてしまっているが、これだけを見て彼を単なるヘタレとか臆病者と断じるのは止めた方が良いだろう。

誰でも知ってるヘタレ主人公。
親父にもぶたれた事無いのに!
はあまりにも有名。
物語半ばを見捨て一人主力兵器を持ち逃げするとんでもない奴だったが、多くの人物との出会いや別れを通じて成長し、後に地球を救う英雄になる。

『Z』以降にはヘタレの印象がなくなり、逞しくなったのだが、Z以降のガンダムシリーズ共々、世間ではあまりよく知られていない。

旧世紀版ではTV第壱話から『まごころを、君に』の最後までヘタレる主人公。ファザコン。
14歳にして何でもわかったような事を発言したりする、歳相応な中二病患者。
しかし新劇場版:破で今までの碇シンジ像を破壊する見事なまでの漢っぷりを見せつけ観にきた客を虜にした。
……と思いきや、Qではその漢っぷりの行動を周囲から全否定・あるいは結果が悉く裏目に出て絶望し腑抜けのヘタレとなった。
今後のシンジは一体どうなるのか……。


ただしアムロとシンジは異常事態に放り込まれた10代の少年に過ぎず、その中でもがき苦しみながらも成長したりボッコボコにされるのがキャラクター性なので、ただ「ヘタレ」と一方的に言うのも問題である。
「成長物語」の「成長していない部分」だけを切り取って「ヘタレ主人公」というのは、明らかに暴言である。

というかアムロに関しては「それまでのロボットアニメの熱血主人公達に比べると歳相応に繊細」というくらいで、人並み以上の勇気や胆力を見せる場面は一般的な印象よりもずっと多い。
序盤の未熟だった時期ですら、少なくとも現代の基準で「ヘタレ」と呼べるかどうかはかなり怪しいところがある
先に触れた「親父にも〜」というセリフにしても、口にしたその後は周囲に発破をかけられて「悔しいけど、僕は男なんだな……」と覚悟を決めて戦いに向かっており、セリフの字面はともかくとしてそこまで情けない振る舞いをしていたわけではない。
そもそも、ぶった側であるブライトもそんなに真っ当なことを言っているわけではない……というか反射的に手が出てしまったことへの言い訳をしているだけとも言えるところがあるし、アムロもかなり複雑な家庭環境を抱えているうえに軍の都合で戦場に駆り出されている身であって、彼が言うほどの「甘ったれ」かというと微妙でもある。

シンジについても本人はなんだかんだで前向きに頑張っているのに周囲の大人がダメ過ぎるせいで成長を台無しにされているという節があり、正直とても彼1人を責められたものではない。
そのため一部のファンからは「エヴァは前半がシンジの成長物語、後半はシンジの成長阻害物語」とも評されている。


白鳥哲が演じるヘタレ主人公。
容姿、非力さがシンジを彷彿とさせる。
非力なのにまともな事を言うため、よくボコられる。
ロボットアニメなのに主役機を操縦しない(出来ない)。
後半はどん底まで落とされるも、這い上がって成長し、ラストではニードルガンを構える仲間を前に必死の説得。
肩にぶっぱなされるも、文字通り体を張った行動で仲間の暴走を食い止めた漢。

仮面ライダー剣のほぼ全てのイベントはこの人のヘタレ+騙され+早とちりで起こされたモノで、ある意味劇場版含め剣の世界が危機に陥ったのは大体この人が原因。
本人は自覚が無くクールで頼れる先輩ライダーのつもりだからなおタチが悪い。
が、一度覚醒すればその全てを帳消しにしてしまう格好良さを見せる。……生け贄が必要だけど。






余りにも酷いので、追記・修正をお願いします。

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最終更新:2025年07月14日 14:45

*1 ドラクエFFとあと一つで「3大RPG」とする議論など。

*2 そこに至るまでの過程や背景事情を押さえたファンからは、アニメ版の楓もヤンデレではないという指摘がされたりする。

*3 稟が原作ゲームのコンセプトに則る形で無難あるいはベターな言動を実践し続けていたら、むしろ原作ゲームファンから顰蹙を買っていた可能性が高い。

*4 その射撃がチート級の腕前なのだが、普段の日常ではあまり活かされない。

*5 のび太の名誉の為に補足しておくと、しずかは1日に3回入る程の風呂好きであり、のび太が入浴中のしずかに出くわすのは偶然である。劇中でも「人が訪ねてくる度になぜいつもお風呂に入っているのか?」とのび太からメタ的なツッコミをされている。

*6 血縁という意味では悟空もそうだが、おそらく「サイヤ人らしい性格や生育環境」も含めてのことと思われる