オリジナル(ウルトラマンZ)

登録日:2021/09/10 Fri 23:59:59
更新日:2025/01/03 Fri 07:59:41
所要時間:約 10 分で読めるでございます






押忍!!

ご唱和ください、我の名を!

ウルトラマンゼーット!!


ウルトラマンゼーット!!

画像出典:ウルトラマントリガー(2021年7月10日~)第7話「インター・ユニバース」より
©円谷プロ、「ウルトラマントリガー」製作委員会・テレビ東京


ULTRAMAN Z !



オリジナルとは特撮テレビドラマ『ウルトラマンZ』に登場するウルトラマンゼットの形態の名称である。
DCDゲーム『ウルトラマンフュージョンファイト!』における属性は『光』


【スペック】

身長:52m
体重:3万3000t
腕力:9万t
握力:6万2千t
最高飛行速度:マッハ7
最高走行速度:マッハ2
最大ジャンプ力:900m
地中潜行速度:マッハ3
水中潜行速度:マッハ2



【概要】

主人公・ナツカワ ハルキが、ウルトラアクセスカードをウルトラゼットライザーにセットして、ウルトラメダルをスキャンせずに変身する形態。
ウルトラマンゼット本来の姿であり、ウルトラフュージョンを行うための起点となる基本形態である。
インナースペースで姿を見せた時もこの姿になる。

等身大宇宙人との戦闘時に変身して戦う場合もこの姿になるが、ゼット本人にとって人間サイズでの活動はキツいらしく、50秒程度しか維持できない。
と言ってもゼットにとって維持が大変だというだけであり、カラータイマーが赤になる事はないし、ここから巨大戦に切り替えた事もある。

ぐんぐんカットはウルトラフュージョンのぐんぐんカットからフュージョン要素を抜いたもの。
ウルトラフュージョンの時はキラキラした光が飛び出してくる背景に3人のウルトラマンが飛び交い、その力が中心に集まって背景が変化した後にゼットが飛び出すが、
オリジナルに変身する際はキラキラした光が集まっていく背景から直接ゼットが飛び出してくる。
背景は円や渦、集中線といった中心を示す「線」の要素が極端に少なく、代わりにキラキラした光が中心に集まっていく「動き」で中心を示すという特徴がある。
『Z』本編では直接オリジナルに変身して戦う事がなかったため登場せず、『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』客演時に初お披露目となった。
そのため、本来の変身アイテムであるゼットライザーを掲げてからのオリジナルへの変身バンクへの移行シーンは、玩具の音声でプロセスこそ判明しているが、2023年1月時点で一度も披露されていない。



【特徴】

シルバーを基調としたボディに青と黒の模様が入っており、差し色として赤が少し入っている。
宇宙警備隊の隊員としては珍しく、青が基本形態のウルトラマンである。
ファイティングポーズは腰を落として軽く腕を引くスタイルで、初代ウルトラマンに似ている。

ウルトラマンゼロが「空っぽ」「ニュートラル」「三分の一人前」などと評する事もあり、ウルトラフュージョン形態と比較すると尖った要素がなにもない。
と言ってもウルトラマンとしては十分に標準的な部類であり、同年代のウルトラマンタイガよりも腕力は上である。

尖ったものがなく、パワー寄りでもスピード寄りでもないため、パンチキック技などの肉弾戦でがむしゃらに戦うオーソドックスな戦闘スタイルを取る。

ゼットはウルトラフュージョンで自身の実力不足を補っており、特にアルファエッジがほぼ上位互換に近いスペックであるため、
本来であればオリジナルが基本形態であるにもかかわらず、オリジナルで戦う事は基本的にない。
戦闘中にウルトラフュージョンを維持出来なくなった時や、等身大で変身を行う時にこの形態が登場している。

また、宇宙へ旅立つときなど、ウルトラフュージョンの特殊な能力を行使する必要がないときはオリジナルを能動的に選択している。


【必殺技】

確認されている技レパートリーはあまり多くない。
とはいえ登場したものだけでも最低限の技は揃っており、この形態でもそれなりに戦う事は出来る。

ゼスティウム光線
腕を十字に組んで発射するゼットの主力必殺技
スペシウム光線系の技だが、右腕全体から先端が鏃のように尖った光線を放ち、相手を貫く際には「Z」のマークが浮かび上がる。
発射の前に拳を突き合わせたポーズから腕をクロスしその後斜めに開くという溜め動作で「Z」のマークを描くのが特徴。
オリジナルでも十分強敵に通用するだけの威力は出せる。

この手の光線技としては珍しくウルトラフュージョンで形態が変わっても使用可能となっており、武器などを使わずに単独で出せる光線技として用いられている。
溜めの際には全身が発光するようになっており、ウルトラフュージョンで形態が変わると発光する部分も変化する。
必殺技としてはこの技が基本と言える部分もあり、「ゼスティウム」の名を冠する派生技が各形態毎に用意されている。

ゼットスラッガー
スラッガー部から一度に2発放てるアイスラッガー状のカッター光線。
威力は低いものの速射性が高く、軌道を途中で変えやすいのが特徴。
ゲネガーグ追走中に放っていた他、等身大でバリスレイダー2体と戦ったときはそれぞれに1発ずつ当てることで2体まとめて破壊していた。

ゼットバリア
「Z」と描かれた魔方陣型のバリア
ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』で使用。
撤退するウルトラマンベリアルウルトラマントレギアの光線を防ぐために咄嗟に展開したが、あっさり破られてしまった。

ゼットパンチ
ゼットが得意とするパンチ。連続で叩き込んで相手を押すような使い方が目立つが、
エネルギーを込めて強く叩き込む事も出来る。

ゼットキック
ゼットが得意とするキック。こちらもエネルギーを込めて強い一発を食らわせるような使い方が出来る。

デスシウムクロー
幻界魔剣ベリアロクのスイッチを1回押して発動。
ベリアロクから赤く蠢く爪のようなエネルギー刃を発射して相手を斬り刻む。
本来はデルタライズクローの技だが、ゼットライザーの破損でオリジナル以外に変身不可能な状況だったため、オリジナルの姿で使用した。


【活躍】

基本形態ではあるが、等身大戦以外は殆ど選択されないため、巨大戦でオリジナルが登場する場合は不利な状況に陥っている事が多い。
これは不遇というよりも、本編で敢えて扱いを悪くする事が最終話の布石となっているためである。


第1話「ご唱和ください、我の名を!」

ゼロと共に光の国からウルトラメダルを強奪したゲネガーグを追撃していた。
ゼロがブルトンの四次元空間に飲み込まれ、ゲネガーグは地球に突入したためゼットはそれを追って1人で地球へと降り立つ。
そこでナツカワ ハルキの操縦するセブンガーと出会い、共闘してゲネガーグに立ち向かうも力及ばず窮地に陥る。
ハルキは致命傷を負い、ゼットもエネルギーが足りず力尽きそうになってしまった。
ゼットはハルキと一体化し、更にゼロから託されたゼットライザーとウルトラメダルを使い、ウルトラフュージョンでアルファエッジへと姿を変えてゲネガーグと戦った。
なお、一体化するときに初めてハルキとゼットは言葉を交わすのだが、ゼットの言葉遣いが怪しい上、ハルキもそそっかしいところがあるため、凄まじくグダグダな流れになっている。




第7話「陛下のメダル」

誘拐された朝倉リクを救うべくハルキとヨウコ寄生生物セレブロのアジトに乗り込んだ際、
バリスレイダー4体を前に苦戦するハルキの状況を察知し、オリジナルの姿に等身大で変身。
ゼットスラッガーでバリスレイダーを全員蹴散らすという活躍を見せた。


第10話「宇宙海賊登場!」

ストレイジ基地に侵入したバロッサ星人の存在をゼットが察知して等身大オリジナルに変身。
一進一退の攻防を繰り広げるが、バロッサ星人に不意を突かれてしまい、変身が解除された。


第12話「叫ぶ命」

アルファエッジでゼスティウム光線を放ってグルジオライデンに止めを刺そうとした時、
グルジオライデンが泣いているように見えたことからハルキのトラウマが蘇って戦意を喪失したため、
光線を放てなくなった上にウルトラフュージョンが解除されてオリジナルの姿に戻ってしまう。
ハルキが戦おうとしないためマトモに行動出来なくなり、カラータイマーも点滅して絶体絶命の危機に陥るが、
ヨウコの駆るキングジョー ストレイジカスタムグルジオライデンにトドメを刺したため、事なきを得る。
グルジオライデンが撃破するのを見届けると、その場で変身自体が解除されてしまった。


第19話「最後の勇者」

当初はデルタライズクローになって戦っていたが、バラバにより立て続けに痛撃を喰らい、オリジナルの姿へと戻ってしまう。
第12話の時とは異なり、ハルキのメンタルは安定していたため動けなかったわけではないのだが、立て続けに攻撃を受けていたせいで即座に立ち上がれず絶体絶命の危機に陥る。
動けなくなったゼットを見て、バラバはゼットのカラータイマー目掛けて剣を飛ばす。
最早万事休すかと思われたが、突如ウルトラマンエースが救援に現れた事で窮地を脱する。
エースがバラバと戦っている間にどうにか立ち上がり、ここから改めてベータスマッシュへとウルトラフュージョンを行い、戦闘を継続した。


第22話「それぞれの明日」

バロッサ星人三代目が現れたため、ハルキは等身大オリジナルへ変身して戦闘を行う。
「50秒もいらない!ウルトラ速攻、お前を倒す!」とゼットが宣言した通り終始優勢であったが、このまま倒されると不都合だったジャグラス ジャグラーが乱入したため、止めを刺し損ねた。
バロッサ星人がこの隙に巨大化したため、アルファエッジにチェンジしつつ巨大化を行った。
なお、この第22話はオリジナルを含めた全形態で戦闘を行った唯一のエピソードである。


第24話「滅亡への遊戯」

オリジナルで直接活動したわけではないが、倒れたハルキにオリジナルの姿のゼットが話しかける場面がある。
デストルドスとの戦いに破れ、大ダメージを受けて変身が解除されたとき、ゼットはハルキに言葉をかけるが、シリアスな場面でもとことんポンコツっぷりを発揮した。




…。ハルキ……。


ゼットさん……。

俺達2人のコンビも、どうやらここまでみたいだ。

どういうことっすか?

さっきの攻撃で、俺達の体はかなりのダメージを受けた。
これ以上変身しようとしたら多分、地球人のお前の体は持たないだろう。

色々と、巻き込んじまって済まなかったな……。


あっ……こういう時、地球ではなんて言うんだ……?

えぇと、ウルトラ寂しい気持ちで……


ちょっと、どこ行くんすか!?
待って下さいよゼットさん!!ゼットさーん!!



ちなみにこの一連の会話シーン、

仰向けで目を瞑り、思念だけで会話するハルキ
その足元に立つゼット」「怪しく輝く赤い背景

と、シリーズファンには馴染み深い、初代『ウルトラマン』の出会い・別れのシーンのオマージュとなっている。


第25話「遥かに輝く戦士たち」




【客演での活躍】

ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀

『Z』本編の前日談として、ゼットライザーを手にする前の様子が描かれる。
ウルトラコロセウムにおけるウルトラマンメビウスとの組手では軽くあしらわれ、
惑星エビルの戦いではゼットン軍団に単独で突っ込んでは袋叩きに合い、ゼロが以前から三分の一人前と評した実力の低さを見せつける。

しかし遅れて駆けつけたゼロに叱咤され、力を合わせて戦う立ち回りに移行してからは一気に改善を見せ、
ゼットスラッガーやゼスティウム光線という数少ない技を駆使しつつ、ゼットン軍団を率いた宇宙恐魔人ゼットの撃破に貢献した。
ゼスティウム光線は宇宙恐魔人ゼットにも大ダメージを与えていたので、ポテンシャル自体は決して低くなかったところも描かれている。
その後は光の国をゲネガーグが襲撃したという知らせを受け、単身ゲネガーグの追跡に向かい、ゼロがその後を追うことで本編第1話へと繋がっていく。
ゼロはそんな勢いだけは良いゼットの事を「ゼットライザーがなければ三分の一人前」と評しており、
本編第1話ではそんなゼットにやむを得ず強敵であるゲネガーグの対処を任せる事になったため、ゼットにライザーとメダルを託す事になる。


ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第7話「インター・ユニバース」にて登場。
バロッサ星人四代目が繰り出したブルトンによって別次元に送り込まれた際、どさくさ紛れにゼットライザーを壊された上、ハルキが持っていたウルトラメダルもホルダーごと奪われ、
なんとか生きたまま『トリガー』の世界に次元移動は出来たものの、ウルトラフュージョンはもちろん、ウルトラマンゼットへの変身そのものが不可能になってしまった。
そこでハルキに状況の打破を頼まれた「GUTS-SELECT」の隊員兼研究員であり、ウルトラマントリガー用の変身アイテム「GUTSスパークレンス」の開発者でもあるヒジリ アキトが、
ハルキが所持していた破損したゼットライザーを解析し、ゼット オリジナルの力が宿ったGUTSハイパーキーを開発。
これをマナカ ケンゴもトリガーへの変身に使用している特別製GUTSスパークレンス*1と組み合わせることで、ゼット オリジナルへの変身が可能となった。
ただ、ウルトラメダルが奪われたままだったのでメダルの力を宿したGUTSハイパーキーの作成が出来ず、ウルトラフュージョンが行えなかったため、第7話では終始オリジナルの姿で戦った。
ちなみに上記の通り、この時初めてオリジナルのぐんぐんカットを披露している。

……しかし、ハルキが使い方を最後まで聞かず*2、アキトがスパークレンス挿入後の使い方を説明している途中でインナースペースへ飛び込んだため、
記念すべきオリジナルへの初変身が、『Z』第1話の初変身を彷彿とさせるいつものコントなんとも締まらない変身となってしまった。


バロッサ星人にトリガーと協力して立ち向かったが、最初はどんな手を使ってでも相手のペースを崩そうとする三下のような戦法に翻弄されていた。
しかし途中で次元を超えて追いかけてきたベリアロクが合流した事や、トリガーもサークルアームズを手にして剣戟に移行してからは徐々に形成が逆転。
バロッサ星人は不利と見て逃げようとしたが、ゼットオリジナルのデスシウムクローとトリガーマルチタイプのゼペリオンクローインパクトという連続攻撃で無事に撃破するのであった。
ちなみにデルタライズクローにウルトラフュージョンしていない状態でベリアロクを使ったのは(TVシリーズでは)今回が初である。
あまり変わっていないように見えて、ゼットもハルキも着実に成長しているという事なのだろう。

戦いが終わった後はいつものように「Z」の軌跡を描いて飛び去ったが、この際隣りにいたトリガーに危うくぶつかりそうになり、トリガー(ケンゴ)が「あぶねー…」と呟く場面があった。

ちなみに、続く第8話では客演回恒例の、新旧主人公揃っての同時変身シーンがお披露目されたが、初変身時のコントトラブルの影響か、
ハルキはこっそり隣のケンゴのやり方を見て、それを真似する形で変身シークエンスを行っていた。

【余談】

オリジナルのデザインは先にデザインされたアルファエッジから引き算方式でゼロの要素を抜いたもの。
『Z』製作発表時のキービジュアルでは全面に押し出されていた形態だが、
基本的に使われない形態であるため、ウルトラフュージョンによるタイプチェンジ形態が発表されて以降、本放送中はアルファエッジが基本形態として扱われていた。
敢えて殆どスポットを当てない位置付けにする事で、最終話における活躍が強く印象に残るようになっている。
本放送終了後はゼット本来の姿という事もあり、オリジナルが基本形態という扱いを受けている。

ウルトラマンゼットのことを「ゼット様」と呼び憧れているナカシマ ヨウコのロッカーにはオリジナルの姿の写真が貼られている。人間サイドもオリジナルが本来の姿だと認識してくれているらしい。

オリジナルの変身BGMウルトラマンゼット オリジナル(M-1)」*3はギターサウンドが特徴的なもので、ちゃんと『Z』制作時点で作られている。
『Z』本編では第1話でゼロ&ゼットがゲネガーグを追跡する際に初めて流れているほか、
本編終了後のボイスドラマ『ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ』開始時のゼット自己紹介時にも流れているため、そちらのイメージが強い人もいるであろう。
そのため、『トリガー』第7話がニコニコ動画で配信された時、オリジナルのぐんぐんカットお披露目場面で「よぉ!地球のみんな!」(ボイスドラマ開始時の挨拶)だけでなく「経歴詐称のBGM」「ウルトラレアな裏話が聴けちゃうかもしれないBGM」だの弾幕が飛び交っているとか……。




なんかこの項目だけ作成が1年も遅れて、すみません!

ん!?なんだ、その気遣い……ウルトラ気持ち悪い……
や……やめて……やめて……


そういう訳にはいかないっすよ、ゼットさん!
追記・修正お願いしゃす!!

えっ、えっ、ちょっ……頭が……頭が低……

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最終更新:2025年01月03日 07:59
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*1 GUTSスパークレンスはGUTS-SELECTの携行武器でもあるが、変身アイテムとして使う際の「スパークレンスモード」へのモードチェンジ機能はオミットされており、ケンゴの持つ特別製以外のGUTSスパークレンスは光線銃として使う際の「ハイパーガンモード」でしか使用出来ない。

*2 GUTSスパークレンスで変身する場合は砲身部分を展開して「スパークレンスモード」にモード変更した上でトリガーを引く必要があり、砲身部分を展開しない「ハイパーガンモード」のままトリガーを引いても挿入したGUTSハイパーキーの力が上乗せされた光線が発射されるだけで変身は出来ない。アキトはゼットのGUTSハイパーキーでヒーローズゲートが出現した後に説明しようとしていたが……

*3 名称は日本コロムビア「勝利確定!~ウルトラヒーロー バトル・ミュージック・コレクション ニュー・ジェネレーション編~」ディスク2より。