登録日:2022/09/18 (日曜日) 06:05:00
更新日:2024/08/26 Mon 10:50:12
所要時間:約 40 分で読めます
【概要】
TVシリーズ2期終盤の時点で「次をどうするか」という話になった時に、KADOKAWA側から映画の話が持ち込まれた。当初はまだ映画になるかが決まっていなかったので、2期最終話では「続編制作決定」と、どちらにも取れる形のテロップとした。
のちに、TVシリーズでキャラ同士に関係性がある程度構築されていることを踏まえて、がっつりとした映画用シナリオにチャレンジすることとなった。
なお、芦名監督によると『いせかる』には「各作品の陣営キャラは必ず全員登場させる」、その上で「各作品のアニメ本編の進行具合やキャラクターの関係値をその都度反映させる」というルールが存在しているそうで、今作とTVシリーズ2期の間に放映された「リゼロ」のアニメ2ndシーズンが放映された事を受けて、リゼロキャラの関係性が変化している。
【あらすじ】
教室に突如現れたワームホールによって、異世界転移をさせられた2くみの面々。
彼らがたどり着いた地は暴走したゴーレムが支配する荒れ果てた世界であった。
そこで出会ったのは、
めぐみんと似た雰囲気を持つ少女型ゴーレム、
スバルを知る(?)杖をついた男性、
そしてターニャと同じ軍服を着た女性。
様々な運命が複雑に絡み合いつつも
元の世界に戻ろうとするアインズ、カズマ、スバル、ターニャ、尚文達は、
無事にアッセンブルすることができるのか!?
【登場人物】
登場人物紹介にあたって、レギュラー陣については作品冒頭で分断された時のチームごとに紹介させていただく。
そしてチーム名については、それぞれのチームごとにいる各作品の主人公の名前を取らせていただくものとする。
◆尚文チーム
バラバラになった後はいち早く高台へ向かうことを選択、今後の拠点となる集落を発見する。
お馴染み「盾」の勇者。
主要メンバーとは別のクラスだが、たまたまプリントを配る用事があったために立ち寄ったところでワームホールに巻き込まれた。
今作では目立った活躍は控えめだが要所で活躍。さりげなく料理の腕も披露している。
また、原作ではあまり使われなかった『シールドプリズン』が今作では意外な使われ方で大活躍している。
お馴染み水を司る駄女神。
今作でもメンバー内で一番騒がしい人物だが、
ケロケロしてしまったりアルベドにぶん投げられたりと、ぞんざいな扱いに遭うことも多い。
一方、パンタグリュエルが悩みを抱えている事を見抜き許しを与える、女神らしい一面も見せている。
ちなみに気配が独特らしく、アルベドやコキュートスは目視できない場所から彼女が近づくのを察知している。
お馴染みナザリックの女装男子ダークエルフ。
発言は控えめだが、杖を用いた高い物理攻撃力や補助魔法など、戦闘面での実力をいかんなく発揮している。
彼に限らずいせかるメンバー最強戦力であるオバロ陣営は、戦闘が解禁されているとあって活躍の機会は多い。
お馴染み強烈な毒舌を持つ赤髪鬼っ娘
メイド。
リゼロアニメ第2期の影響から、今作ではレムにべったりしている。
また、後半ではスバルの動きを心配するコキュートスに、スバルを信じる言葉をかけている。
お馴染みスバル君大好きな青髪鬼っ娘
メイド。
今作では護身用のモーニングスターや得意の氷魔法などで活躍。
また、今作では原作最初期に見せていた、
ラムとのW毒舌も見せている。
お馴染み二〇三大隊の顔の細い人。
いせかるで生まれた、アクアとの「顔の細い人!」「ケーニッヒです」の掛け合いも健在。
なお、今作の「幼女戦記」陣営は異世界転移の前に飛行用の魔道具を全員で整備していたため、全員が飛行能力を有している。
お馴染み二〇三大隊の「だな」の人。
今作では単独だとあまり目立っておらず、ケーニッヒらと協力して行動している。
ドッジボールで一緒となった尚文ともすっかり打ち解けたようで、名前で呼び合い、戦闘中に軽口を叩ける仲となっている。
◆スバルチーム
無事だったメンバーで状況把握をしていたところ、ゲストキャラであるパンダグリュエルと邂逅。
彼女の迎えによって高台にある集落に迎え入れられ、先に集落に到着していた尚文達と合流を果たす。
お馴染み「天下不滅の無一文」。
会話パートでは持ち前の物怖じしない性格から、ゲストキャラのアレクやパンタグリュエルと積極的に話しかけている。
今作ではリゼロアニメ2期の影響を受けてベアトリスといつも手をつないでおり、彼女の協力によって戦闘面でも頼れる存在となった。
お馴染み
ドリル金髪の幼女精霊。
リゼロアニメ2期の影響から、今までツンツンしていたスバルと常に手を繋いでいるなど
べったりしており、マーレに不思議がられている。
今作では戦闘面でもスバルとの協力で活躍しているが、他者に対する確かな観察眼も要所で見せている。
お馴染みエミリア第一主義の猫精霊。
今作ではリゼロアニメ2期の影響を受けて、エミリアから少し距離を置いている。
代わりと言うべきかシャルティアとの絡みが多く、冒頭をはじめとして会話シーンが多い。
お馴染みナザリックの貧乳
吸血鬼。
アインズ一筋ゆえの猪突猛進ぶりや、作戦行動を忘れてしまったりとおとぼけなシーンが多い。
その分、戦闘面においては自身の魔法や能力を駆使して活躍。
お馴染みナザリックの男装女子ダークエルフ。
今作では
接触してきたパンタグリュエルを初手で拘束するなど、オバロ陣営らしい荒っぽさを垣間見せている。
戦闘シーンでは鞭で敵を蹴散らすほか、
フィーロと息の合った連携を見せている。
お馴染みナザリック最高の頭脳を持つ悪魔。
今作ではアインズ不在の中、情報を精査して活動方針を決める、実質的ないせかるメンバーのまとめ役を務める。
戦闘シーンで実力は見せる機会はないが、いせかるでは初となる半魔形態も見せている。
まっすぐな愛情表現を向けるレムとそれを受け止めるスバルに対して、「羨ましい」と意外な本心を見せるシーンも。
お馴染みドMクルセイダー。
今作では仲間の問題行動に謝罪したり、問題発言をフォローしたり、戦闘で仲間の壁になったりと真面目な活躍が多い。
一方でドMな言動も健在で、今まで絡みの少なかった『盾勇』メンバーが反応を見せている。
お馴染みターニャの部下である大食いムーミン。
今作でも美食に舌鼓を打っているが、TVシリーズの『いせかる』では見せなかった冷徹な顔を見せる場面も。
戦闘力が高いほうではないが、強敵にも臆さず立ち向かう気概を見せている。
お馴染み無邪気なフィロリアルクイーン。
今作では本来の姿である鳥形態での戦闘で活躍。
前述したアウラとの掛け合いは必見。
◆ターニャチーム
派手に暴れて仲間達に発見される目的で、襲ってくるゴーレムたちに対して徹底抗戦を選択。
のちに戦闘中の状況を仲間たちが見つけてくれたことで、先に紹介した他チームとの合流を果たした。
お馴染み幼女の皮を被った悪魔。
今作のシリアス面を担当しており、ゲストキャラのヴェラとは緊迫したシーンが多い。
お馴染みナザリックの守護者統括。
本作ではヴィーシャや
ラフタリアを叱咤するなど、他作品のキャラとの絡みも多い。
TV版でも見せた彼女のパワーは今作でもいかんなく発揮されているが、
意外な技能を披露する場面もある。
お馴染みナザリック随一の武人。
主に戦闘シーンで活躍しており、『不動明王撃』というスキルも披露している。
今作ではリゼロ勢との絡みが多い。
お馴染み
厨二病のアークウィザード。
今作では初手で爆裂魔法をぶちかましたため、しばらくの間ダウン。
しかもスティール発動直後のカズマに割り込んだため、パンツを奪われてしまった。
今作のゲストキャラであるパンタグリュエルとの
一目で通じ合い、分かり合う邂逅シーンは必見。
お馴染み二〇三大隊次席指揮官。
堅実なので目立つことがないかと思いきや、終盤思わぬ形で活躍することになる。
お馴染み二〇三大隊の不憫枠。
今作ではTVシリーズで絡みの多かっためぐみんのダウンに伴い、不在のカズマに代わって彼女をしばらくの間背負うことに。
なんだかんだで付き合いが長いため、パンタグリュエルに出会ってから、めぐみんがすぐに元気になった事を不思議に見ていた。
お馴染みマジ天使なエミリアたん。
今作ではスバルと共にゲストキャラであるアレクとの絡みが多い。
戦闘面での活躍もあるが、リゼロアニメ2期の未見者ならば誰もが驚く実力を見せることになる。
お馴染み尚文の「剣」を務める狸少女。
襲ってくる
ゴーレムに心を痛めるなど、戦いだからと割り切れない面を見せており、ターニャから「まとも」と評されている。
1期時点の戦闘力なので実力はまだまだ頼りないが、ヴィーシャ同様に強敵にも果敢に立ち向かっている。
◆アインズ・カズマサイド
諸事情から仲間たちとすぐに合流できず、少数で行動を取ることになったメンバー達。
お馴染み偉大なる至高の御方。
教室でちょむすけを撫でていたところ。突如出現したワームホールに真っ先に飲み込まれた。
辿り着いた謎の遺跡で遭遇したヴェラ、そして合流したカズマと共に、元の世界へ帰るための手段を探る事となる。
原作の「威厳ある態度」を早々にカズマに崩されたこともあって、ヴェラとは対等な関係として誠実に接しており、好感を持たれている。
そういう事情から、カズマやヴェラに対してある程度「素」を思わせる表情を見せている。
諸事情から、精神抑制でも抑えきれないほどの羞恥心に襲われながら中二病を演じることになる。
お馴染みめぐみんの使い魔兼ペット。
アインズに撫でられていた所でワームホールに真っ先に巻き込まれ、アインズと行動を共にすることに。
冒頭でアインズは「猫っぽい何か」と感じていたが、(このすば続編アニメに配慮してか)正体について詳しく触れられることはなかった。
お馴染みクズマさん。
転移当初は他のメンバーと行動していたが、冒頭の
ゴーレム戦で真っ先に吹き飛ばされたことで他のメンバーとはぐれてしまう事に。
道中で見かけたヴェラを追いかけ、辿り着いた遺跡でアインズと合流。ヴェラの目的に協力することに。
シリアスな空気をぶち壊すトリックスターとして存在感は抜群。
今作では原作キャラ以外の下着も奪うぞ!
◆ゲストキャラクター
左目に眼帯をつけた明るく活発な性格の少女型
ゴーレム。
名乗りの際にドヤ顔でポーズを決めたりするなど、見た目も相まって
誰かさんを彷彿とさせる出で立ちをしている。
直接的な戦闘力は持たないが、小型
ゴーレムを従える機能や他者にエネルギーを分け与える機能など、様々な機能を有している。
ゴーレムだらけの世界で暮らす赤毛の中年男性。
足が悪いようで、歩くときは片足を引きずるようにしており、常に杖を用いている。
常に飄々として穏やかな人物で、突然集落に現れたいせかるメンバーも温かく迎え入れている。
Twitterの人物紹介によると
「人や物の価値を見極めることができる『目利きの加護』を持っている」とのこと。
また、スバルとの邂逅ではどこか違った反応を見せているようだが…?
ターニャと同じ帝国の軍服に身を包む女性。Twitterの事前情報によると年齢は20歳。
かつてはパンタグリュエルやアレクと暮らしていたが、現在は異世界にある遺跡で
ゴーレムたちを従えている。
カズマのちゃかしたアインズの名前紹介を真に受けるほど生真面目な性格だが、
なぜか「嘘」に対して非常に敏感。
自分しかいないはずの遺跡に突如現れたアインズ(とちょむすけ)、さらに遅れて現れたカズマに警戒するも、やり取りをするうちに打ち解け、元の世界へ帰るために協力することになる。
ただ、誠実な対応をするアインズはともかく、
出会って早々に自分の下着を奪ったカズマに対しては当たりが厳しめ。
帰る目的について聞かれたときに、
「私の戦争を終わらせるため」だと語っているが…?
【本作の舞台について】
今作の舞台で、いせかるの舞台となっている学校のある異世界とはまた別の異世界。
森や川に囲まれた自然豊かな地域のようだが、砂地に覆われたエリアなど、多種多様な地形が存在しており、石で出来た橋や建物跡など、文明のあった名残もちらほらと残っている。「
ブレワイ」の
ハイラルをイメージすると想像しやすいかもしれない。
冒頭でパンタグリュエルが卵を取っていることから生物はいるようだが、その彼女によると
「異世界で生きている人間は2人だけ」との事。
パンタグリュエルとアレクが生活している場所で、高台の上に存在している。
小型
ゴーレムたちが農作業に勤しんでおり、木で出来た家屋など、中世レベルながら生活基盤は整っている様子。
また、集落の奥には古びた大聖堂がある。ステンドグラスが張られているなど造りは本格的。
現在ヴェラが根城としている、周辺が荒野となっている丘の上にそびえ立つ謎の建物。
建物内部にはいくつかの部屋があるが、最深部には小型ゴーレムのほか、『オーバーロード』に登場する戦略級攻城ゴーレムも何故か複数体鎮座している。また、最深部には「元の世界へ戻る装置」という、巨大な円形のオブジェがある。
【今作の敵】
『オーバーロード』に登場するゴーレムで、
ナザリック第四階層守護者『ガルガンチュア』と全くの同型。
素のステータスだけで守護者の地位を与えられているとあって、デミウルゴスをしてターニャから勝ち目を問われたときは
「(勝ち目は)0かと」と回答。アインズもカズマに対して
「めっぽう相性が悪い」と語っている。
デミウルゴスが
「ナザリックにおいて物理攻撃力は最強」と語っていたが、実際に
尚文のスキル『エアストシールド』で呼び出せる盾も一撃で破壊している。
オバロ世界ではないにも関わらず、アインズが飛ばされた遺跡には、
なぜか複数体が鎮座している。
今作の舞台に飛ばされたメンバーは突然この
ゴーレムに襲われ、結果としていせかるメンバーが分断されてしまった。
本作オリジナルの
ゴーレム。灰色の石のような素材で作られている。
パンタグリュエルのように意思を持っておらず、ヴェラやパンタグリュエルの命令に従っている。
農作業など細かい作業もこなすことが可能で、2体で合体して乗り物になるなど、攻撃面以外では多機能。
戦闘力は高くなく、いせかるメンバーの多くが破壊可能だが、とにかく数が多い。
以下ネタバレ注意
実は300年以上前から稼働しており、元の世界へ帰る方法を知っていた。
しかし、孤独に暮らしていた頃に戻ることを恐れていたため、周囲には「元の世界へ帰るための方法はない」と嘘をついていた。
だが、その嘘がヴェラと別れる原因となったことから、嘘をつくことが正しいことなのか思い悩んでおり、悩んでいたことをアクアに見抜かれたことを機に真実を打ち明けることを決意。
彼女の身に着ける眼帯が元の世界へ戻る装置を起動させる鍵となっているが、彼女自身もまたある目的を持つ「鍵」である。
「幼女戦記」世界からの転移者であるが、実は帝国軍人ではなく、帝国の敵対国である「合州国」の諜報員。
帝国出身の両親と共に合州国で平和に暮らしていたが、帝国が戦争を始めたことで周囲の目が一変。昨日まで親しかった人々から非難の目と共に迫害され、肩身の狭い思いをして生きてきた。
その後、合州国の諜報員に志願して帝国に潜り込み、周囲を騙し続けながら生きてきた自分を非常に嫌悪しており、それゆえに「嘘」を異常なまでに嫌うようになった。
合州国で諜報員としての訓練を受けたのち、帝国へ「帰国」するための交換船で帝国に渡り、首尾よく帝国軍に入り込んだ。
本人は前線勤務を希望していたが気質だけでなく魔力も一切持っていなかったため前線への適性はなく、逆に後方勤務では生真面目さゆえに優秀と判断されたことから後方に回された。
だが、そこで待っていたのは、自分を温かく気遣ってくれる上司、人間味溢れる職場の友人といった、世界から見た「邪悪な敵」というイメージからはかけ離れた、人を思いやりながら懸命に日々を生きる帝国の人々の姿であった。
良心の呵責に苛まれながらも帝国で仕事をしつつ諜報員としての任務をこなすが、戦況の悪化で後方勤務の人間も前線に回されるようになる。職場の友人たちが前線に送られる中、自身は事務能力の高さから後方勤務を続けることになるが、後にその友人たちが前線で戦死したことを知らされ、最期の手紙を家族の元へ届ける役割を与えられることとなった。
その後もひたすら働き続け、時には勲章を貰うこともあったが、その裏では嘘と良心の板挟みで心が限界を迎えており、誰もいない自分の部屋では泣きながら酒を飲み続ける日々を送っていた。そんな時、『いせかる』が始まるきっかけとなった赤いボタンが突如部屋の中に出現。深酒で朦朧とした意識の中でヴェラは思い切りボタンを拳で叩いていた。
小冊子の最後は「音は鳴ったが何も変わらなかった」と締めくくられているが、おそらくは時間差で今作の舞台となる異世界へ飛ばされたと考えられる。
飛ばされた異世界でパンタグリュエルとアレクに出会い、「元の世界へ帰る手段はない」と伝えられたこともあって、彼らの集落で生活していた。だが、パンタグリュエルの部屋で元の世界へ帰る方法が記された日記、そしてゴーレムたちを操ることのできる指輪を見つけたことで、嘘をついていた二人と袂を分かち、元の世界へ帰る方法を探す傍らで、ゴーレムたちの性能を試していた。
そして元の世界へ帰る理由である「私の戦争を終わらせる」が意味するのは、この異世界にあるゴーレムを元の世界へ持ち込み、帝国を滅ぼすため。
日記にあった『中二病の証』が何を意味するのか見当がつかずに調査が滞っていたが、アインズとカズマの情報提供からパンタグリュエルの持つ眼帯こそが元の世界へ帰るための鍵であることに気づき、集落に戻ってアレクと対立。そして何も知らずに現れたパンタグリュエルを連れ去ろうとする。
パンタグリュエルを助けようとしためぐみんが同じ中二病である事に絶句する中、現れたターニャとヴィーシャに対して自分の素性を語る。見解の相違からすれ違う中、思いつめた表情でパンダグリュエルの拉致を強行。当然阻止しようとするターニャ達だったが、アインズがよこしてくれた護衛の協力もあってパンタグリュエルの拉致に成功。
そしていざ施設を動かそうとする中、駆け付けたアインズとカズマがターニャの仲間であることから敵対を宣言。パンタグリュエルやアインズの静止も効かず、遂に装置を起動させてしまうが…?
『いせかる』で登場した『オーバーロード』のキャラクターであるが、今作でも登場。
今作では『中二病の証』を回収に向かうヴェラの護衛として、アインズに召喚される形で登場。
ターニャとヴィーシャは予想外の乱入者に、めぐみんはデスナイトに同行していたちょむすけと、カズマに物語冒頭で奪われたはずの自身の下着が腕に付けられているのに気づいて絶句。その間にヴェラとパンタグリュエルを連れてその場を離れ、遺跡までの帰り道ではヴェラを遺跡まで送り届けた。
ちなみに、同行していたちょむすけはデスナイトから降りた後、めぐみんの元へ駆け寄っている。
この邂逅によりアインズ(とカズマ)がヴェラのいる遺跡にいることが確定したため、合流したメンバー全員で遺跡に乗り込むこととなる。
実は元の世界に帰る方法があることを知っており、パンタグリュエルの嘘にも気付いていた。
だが、自分を助けてくれたパンタグリュエルの笑顔が曇ることは望まなかったため、パンタグリュエルの傍にいることを選んでいた。
スバルとエミリアから元の世界が辛かったのかと聞かれた際には、「(元の世界では)一人じゃなかった」となんだかんだで楽しかったことを伝えている。
また、話の中でエミリアについても、「知っているよ、ずっと前から。君がすごーくいい子だってこと」と発言していた。
メンバーが遺跡に乗り込むための決戦にも同行していたが、エミリアの一言からパンタグリュエルとヴェラの二人ともう一度話をするためにスバル達に協力を依頼。尚文、ターニャと共に遺跡へ向かう。
事前情報にはなかった「このすば」の登場人物。作中では回想のみで登場。
『このすば』本編や『いせかる』TVシリーズで暴れた機動要塞デストロイヤーの制作者で、魔法に長けた「紅魔族」誕生にもかかわっている天才科学者。そして、手当たり次第に作ったものが何かしらの形で後世に迷惑をかける、要注意人物でもある。
突如出現したワームホールによって300年前の異世界に飛ばされ、元の世界に帰るための研究の過程で『世界を焼き尽くし、封印を余儀なくされるほどの危険なゴーレム』を作り出してしまった。
異世界の日々を日記にまとめて遺跡内に残しており、カズマとアインズが整理されていないためにヴェラが調べなかった博士の部屋から見つけることとなる。なお、日記の書き手が博士であることに気づいたカズマは「お前か―――――!!!」と絶叫していた。
日記には元の世界へ帰るための情報だけでなく、ゴーレムを操るもう一つの指輪がついており、カズマの手で有効活用されることとなった。
遺跡に乗り込もうとしたメンバーに対して、ヴェラの指示によりいせかるメンバーの前に立ち塞がる。
先に触れたデミウルゴスの言葉は伊達ではなく、最強戦力であるオバロ陣営を以ってしても、ぶっ飛ばすくらいで破壊は出来なかった。
そんな強敵を一網打尽にするため、ある作戦が行われた。
ゴーレムたちをあらかじめ作っておいた巨大な穴に放り込んで一ヶ所にまとめた上で、めぐみんの爆裂魔法で一気に破壊すると言うもの。
以下、大きな役割を果たした面々をまとめる。
作戦に必要な巨大なドアの作成を担当。当初はアクアだけに頼まれていたが、彼女だけでは不安だとアルベドもドア制作に参加。
どこからともなく工具を取り出し、二人がかりで巨大なドアと手のひらサイズのドアを作成。短時間ながら精巧な装飾が施された出来に依頼したスバルも驚いていた。
巨大なドアの材料となる資材の運搬、並びに完成した巨大ドアを落とし穴の上で浮かべる係を担当。
ゴーレムを魔法で落とし穴に落とす係を担当。
手のひらサイズのドアを扉魔法で巨大なドアとつなげた即席の扉魔法『ノンストップ・アビス』で次々と落としていく。
仲間のサポートもあって、何とか全てのゴーレムを落としたと思われた矢先、遅れて最初に襲ってきたゴーレムが現れ、マーレに襲い掛かるが…
ヴェラが装置を起動させた後、「仲間に状況を知らせてほしい」というアインズの指示で、『潜伏』を使い遺跡から脱出していたが、色違いの戦略級攻城ゴーレムを引き連れてマーレの危機を救い、最後のゴーレムを穴に放り込んだ。
カズマが連れてきた謎のゴーレムだが、メンバーからはぐれていたカズマが「岩」と思って登ったものと色が同じであることから、遺跡から脱出した後で「岩」がゴーレムであることに気づき、持ってきたもう一つの指輪で操作したと考えられる。
穴に落としたゴーレムを破壊する役割を担当。
冒頭で爆裂魔法を使ったためにダウンしていたが、パンタグリュエルに魔力を貰ったことで回復しており、決戦が始まってからずっと詠唱を唱え続け、準備が整ったところで最大まで高まった爆裂魔法をもって、オバロ陣営でも倒し切れなかった戦略級攻城ゴーレムを完全粉砕して見せた。
『一発撃つだけで魔力と体力も持っていかれてダウンしてしまう』『広範囲への高威力ゆえに撃てる場所が限定される』『雑魚ならもっと効率のいい魔法がある』とネタ要素が指摘される爆裂魔法だが、実は『このすば』原作16巻で『当たれば神だろうが魔王だろうが確実にダメージを与えられる』と明記されており、今回の作戦ではその特性が見事に活かされた形となった。
その一撃を見たカズマは「どうでしたか?」と聞いてきためぐみんに対し、「百点満点だ!」と返していた。
遺跡に封印されていた「元の世界へ帰るための鍵」の正体であり、今作のラスボス。
それまでの人型だったゴーレムたちと違い手足が長いモンスター風の見た目で、地上では四足歩行。割れた胸部からは巨大な宝玉が埋め込まれている。
それまでのゴーレムがしてこなかったビーム攻撃を口から放つほか、魔法を無効化させる蒸気を発生させながら空を飛ぶことも可能で、アインズの放った第十位階魔法『隕石落下』ですら無傷で凌ぎきった。
ゴーレムを操る指輪の命令は一切受け付けず、ただひたすらに目の前のものを破壊するように暴れ回る。
その暴走を止める方法はただ一つ、ゴーレム封印の鍵であるパンタグリュエルをゴーレムの左目に取り込ませる方法のみ。だが、取り込まれたパンタグリュエルはゴーレムの中で意識を失ってしまうため、実質的にパンタグリュエルを犠牲とすることに他ならなかった。
パンタグリュエルは全てを覚悟の上で、アインズと遺跡へ駆け付けたターニャ達に、ゴーレムの元へ届けてほしいと依頼。アインズと尚文が黙って見つめる中、彼女の自由意志から生まれた覚悟を汲み取ったターニャは願いを聞き入れる決断を下す。
そこまで想定していなかったヴェラは呆然としながら「死」に向かおうとするパンタグリュエルを止めようとするが、ターニャの一喝とアレクから諭されたこともあって、最後はアレクと共にパンタグリュエルを見届けることとなる。
そして最後の作戦として、パンタグリュエルを暴走ゴーレムへ届けるための投擲リレーが始まるのであった。
魔法を無効化する蒸気の除去、及び目的の伝達を担当。
ありったけの強化を自身に行ったのちに『大顎の竜巻』という魔法をもって、蒸気を一時的に吹き飛ばした。
併せて目的の伝達にも魔法を使うも、「パンタグリュエルをどうするか」を伝えきる前にゴーレムのビームで伝達媒体を消されてしまうが…。
作戦立案を担当。
ゴーレムに阻まれて不完全となってしまったアインズからの伝言を「なるほど」と言うや完璧な形で解釈して、即座に作戦を立案、メンバーを選抜した。
その手際の良さは、散々「なるほど」にツッコミを入れていたスバルも感嘆させるものだった。
合流時に連れてきていた色違いの戦略級攻城ゴーレムを用いて、今の場所から動かさないよう足止め役に選ばれる。
幸いパワーだけなら暴走ゴーレムに負けておらず、最後まで目的を果たしている。
投擲の一番手を務め、詠唱で魔力を高めてからのジャイアントスイングで投げ飛ばした。
なお、直前で「神は嫌い」と言っておきながら神を賛美する詠唱を唱えていることに対して、尚文とパンタグリュエルに視線でツッコミを受けていることに気づいていた。ぶん投げた後は尚文に釈明しており、尚文から「…難儀だな」と同情されることとなった。
投擲の二番手を担当。まさかの抜擢枠その1。
シャルティアやコキュートスといった強者も近くにいる中の抜擢に、本人も驚愕していた。
ならば自分がやりたいとダクネスが言ってきたが、「ダクネスだと不安だから」と断っており、受け取った衝撃に悶絶しながらも次の相手へ投げ飛ばした。
投擲の三番手を担当。
「ここが見せ場です」と発言しているが、ラムから「発言がバルスに似ている」とツッコまれている。
投擲の四番手を担当。
アウラの指示でビームを避けながら、飛んできたパンタグリュエルに、鳥モードに変身してからの頭突きで次の相手へ送り届けた。
投擲の五番手を担当。
パンタグリュエルを頭上で受け取るや否や、担ぎ上げた状態から一気にぶん投げた。
投擲の六番手を担当。彼女だけはデミウルゴスが選ぶ前に自ら志願している。
受け取ったパンタグリュエルをジャイアントスイングで勢いよくぶん回し、アンカーのスバルに託した。
投擲のアンカーを担当。まさかの抜擢枠その2。
ヴァイス同様強力な面々がいる中の抜擢に反論するが、デミウルゴスから強く推され、ベアトリスからも「(デミウルゴスは)出来ないことは頼まない」と勧められたので、やけ気味に引き受けることに。
エミリアから受け取ったパンタグリュエルをベンチプレス90kg+『見えざる手』45kgの力も合わせた、ベンチプレス135㎏の力を込めたジャイアントスイングで投げ飛ばし、見事役割を果たした。
パンタグリュエルを左目に取り込んだことで沈静化した
ゴーレムは、胸部の宝玉を取り出し、握りしめる。その手の中にはやってきた時と同じワームホールが出現。
いせかるメンバーは
「戻る場所は自分たちの世界ではなく学校になるだろう」と半ば確信しながら思い思いに帰る中、先に異世界を訪れていた二人にも選択の時が訪れていた。
いせかるメンバーがワームホールへ入る中、パンタグリュエルを見守るためにこの世界へ残る事を選択。
別れの挨拶に来たスバルとエミリアに、「スバルくん、エミリアくん。君たちの物語が幸せな結末になることを望む」と語るや、唐突に名乗りを上げる。
+
|
以下ネタバレにつき格納、特にリゼロファンは注意! |
我が名はアレク・ホーシン!
ホーシン!?
パンタグリュエルの友人にして、この荒れ地を開拓せしものやぁ! …なんてね。
彼の本名はアレク・ホーシン。
リゼロ本編から400年前の過去で活躍した人物で、カララギ都市国家の建国に大きく貢献したとされる『荒れ地のホーシン』その人である。
この記事で初登場となるキャラクター紹介の見出しを「◆ゲストキャラクター」としたのは、彼が本作のみのオリジナルキャラクターではなく、今作で初めてビジュアルを含めて人物像が明かされた原作キャラである事が理由。
小冊子によると年齢は40歳以上。エミリアに瓜二つのハーフエルフの少女にして「嫉妬の魔女」であるサテラに救われたことをきっかけに、「強欲の魔女」エキドナ、「初代剣聖」レイド、ルグニカ王国最後の「獅子王」ファルセイル、「大賢人」フリューゲルと一緒に旅をしていたが、気付いたら今作の舞台である異世界に飛ばされた模様。
3ヶ月間荒野を放浪していて誰にも会えないことに絶望し、ゴーレムに襲われる直前でパンタグリュエルと出会ったという。
アレクの杖にある『ホ』のマークはホーシン商会のマークである事や、集落でスバル達に振る舞った食事がお好み焼きだった事など、細かいながら伏線がいくらか存在していた。
リゼロ原作者である長月先生が今作でアレクを登場させた理由についてだが、元々長月先生は外向けに作ったキャラでも逆輸入してしまう悪癖持ちで、「『いせかる』なら誰が転移していても不自然ではないので、最初からリゼロに登場しているキャラを入れちゃえば、逆輸入する手間が省けると考えた。まだビジュアルがなく、名前もハッキリとはしておらず、原作ファンが驚いてくれるキャラは誰だろうと絞り込んだら、唯一該当したのがアレクだった」とパンフレットで答えている。
『昼灯行=ぼんやりした人、おじさんのイメージ』というイメージや、何となくの設定は頭にあったのでそれを元に設定を作ったが、原作でアレクをしっかり書くのはかなり先の予定だったので、細かい設定は(少なくともインタビューの時点では)完全に固まっていない模様。
名乗りを受けたスバルとエミリアは彼の名乗りから何かを感じ取ったようだが、深く追及することはしなかった。
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別れの挨拶でターニャから不器用な励ましを受け、思わぬターニャの人情から笑顔になった後、帝国の敬礼を交わし、それまで呼んでいなかったターニャの名前を呼んで別れを告げた。
そして一番世話になったアインズとも握手を交わしたのちに、最後に残ったメンバーと共にワームホールへ向かうが、最終的にはアレク同様パンタグリュエルを見守るため、異世界へ残る事を選択。
アレクと共にワームホールで元の世界へ帰るメンバーたちを見送ったのであった。
…これで良かったのかい?
ああ。…だって、独りは寂しいからな。
そうですよー!独りは寂しいんです!
暴走ゴーレムの右目に取り込まれていたはずの彼女が、ラストでまさかの復活。
実はワームホールが消える直前、カズマがワームホールから手を伸ばしてスティールを実行。
彼女がゴーレムであったためにスティールが適用されて、右目の中から引き抜かれていた。
直後にワームホールが消えた事で、パンタグリュエルはカズマの手元ではなく、ワームホールが消えるのを見送っていた二人の後ろにあった瓦礫の中に落下していたのであった。
まさかの再会に泣きながらこれまでの謝罪と「おかえりなさい」を伝えるヴェラ、そして再会を喜ぶアレクに対し、パンタグリュエルは「ただいま」と返すのであった。
なお、アインズはカズマがスティールを使った事を見抜いていたが、カズマが何も語らない事もあってスティールが失敗したと思っていた。
しかし、めぐみんだけはカズマの目論見が成功したことを確信しており、アインズと話を聞いていたターニャに「失敗はしていませんよ」と返していた。
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EDで明かされるお話 |
事前情報では明かされていなかった4人目のゲストキャラクター。
今作のために提供されたオリジナルキャラクターであるが、尺の都合で丸々出番が削られてしまい、EDのエンドロール内に彼の経緯が描かれるのみになった。
白を基調とした全身鎧を身に纏っている、青髪の人間の青年。
パンフレットによると、アインズと同じく『オーバーロード』の世界へと転移した、VRMMOゲーム《ユグドラシル》のプレイヤー。職業はタンク職の聖騎士。
『始原の竜王』というモンスターと戦う直前に、1体の戦略級攻城ゴーレムと共に300年前の異世界に転移してしまう。
その後は同じく転移してきた博士と出会い、ねこにゃんが持っていたアイテム『ごろにゃん大王』を使い、共同で戦略級攻城ゴーレムの複製や小型ゴーレムの建造に携わるも、研究中であった強力なゴーレムが暴走。
ゴーレムの暴走を止めるため、残っていた『ごろにゃん大王』のエネルギーを使い、博士と共に創ったパンタグリュエルと共にゴーレムに立ち向かい、封印に成功。
その後、『ごろにゃん大王』の最後のエネルギーで元の世界へ帰るためのワームホールを作成。博士が帰還を選択する中、彼は「多分俺は戻れないから」と言ってこの世界に残ることを選び、この世界で生涯を全うした模様。
丸山先生曰く、「『オーバーロード』の世界に転移した後は、ハーレムを作り子供もいた」との事。
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余談
元々『異世界かるてっと』の始まりが
「異世界作品でアベンジャーズやろうぜ!」というものだったが、本作のシナリオ作成に当たって芦名監督が長月先生へ助力を依頼したところ、
「カズマが『アッセンブル』と言うならいいですよ」と語っており、実際にカズマが『アッセンブル』を口にするシーンが存在している。
今作におけるリスペクトの最たるものが
本作最後の投擲リレーで、
『エンドゲーム』終盤で行われた『バトンリレー』をオマージュしたものである。
なお、当初は
『異世界かるてっと~えんどげーむ~』というド直球な表題だったらしいが、
発表前にKADOKAWAからストップがかかった…というのは、パンフレットの芦名監督の弁。
ストーリーのほとんどをメイン集団から外されている二人だが、芦名監督によると
「扱いが難しいから隔離した」とのこと。
アインズは純粋に
その能力から様々な局面に対応できるため。アインズ役の日野氏もパンフレットのインタビューで「ただでさえ強力なオバロ陣営が、アインズの下で徹底した連携が出来てしまう」と語っている。
カズマは戦闘力こそ低いものの、
どんな物語も『カズマの物語』にしてしまう『主人公力』の高さゆえに隔離されたとのこと。ちなみに、長月先生がカズマを『アッセンブル』役としたのは、
「カズマが一番キャプテン感があるから」とのこと。
普通原作付きのシナリオだと5~6稿で決定稿になるところ、今作では各原作者との擦り合わせなどもあって、最終的に30稿に及んだ。
上映時間は110分とかなり長めだが、これでも削りに削ったそうで、当初は3時間以上になっていたとの事。
それに伴い、パンフレットの各原作者のインタビューでは様々なエピソードが登場しているので、いくつか紹介させていただく。
今作登場する『戦略級攻城ゴーレム』がナザリックでは『ガルガンチュア』と呼ばれているのは前述のとおりだが、芦名監督はあの形のゴーレム全ての『正式名称』がガルガンチュアだと思っていた。
丸山先生は「ガルガンチュアの方がしっくり来ていいかなー」と思って企画書やシナリオのチェックは通したそうだが、製作に入った段階で名前について指摘、最終的には今の形に書き直されている。
今作でレムとラムのW毒舌が尚文に対して披露されるのだが、当初芦名監督が考えられていたのをリゼロ原作者の長月先生が一度手直ししている。
だが、相手が尚文なので若干マイルドにしていた芦名監督の初稿と比べて長月先生が手直しした罵倒内容があまりにきつく、それを見た尚文役の石川氏が「これ尚文絶対キレますよ…」と苦言を呈すレベルのものだったため、改めてマイルドに書き直している。
今作で登場した見えざる手だが、(
以前の使用者の印象があまりに強すぎたのか)
芦名監督やスバル役の小林氏はもっと強力な技だと思っていた。
脚本の段階ではその齟齬に長月先生も気付かなかったが、絵コンテの段階で長月氏が「見えざる手」が強すぎる描写になっているのに気付いたことで指摘し、セリフとその部分の絵を修正している。
今作では『シールドプリズン』が移動手段として用いられているが、最初は芦名監督が思いつき、『盾勇』原作者のアネコユサギ先生から「尚文だけでは1㎜も動かせないけど、運ぶ人がいれば動かせる」と回答したことで採用された。
なお、当初は『エアストシールド』の上に乗って動く案もあったそうだが、こちらは空間に固定して盾を作り出すスキルなので不採用となっている。
名前の由来は、フランス・ルネサンス期の作家、フランソワ・ラブレーが著した、巨人族のガルガンチュアとその息子パンタグリュエルの活躍する『ガルガンチュアとパンタグリュエル』という物語が元ネタ。
その名前から想像できる通り、『オバロ』本編で登場している『ガルガンチュア』の名前も同じネタから採用されていることがパンフレットで明かされている。
パンタグリュエルの目に込められているエネルギーは輝煌戦士ねこにゃんが持ってきた『ごろにゃん大王』というアイテムだが、博士が『コロナタイト』と聞き間違えたというエピソードもあった事が明かされている。
芦名監督の「翻弄された者」という構想の下、カルロ先生と相談しながら生み出されたキャラクターだが、まず「ヴェラに魔力があるかないか」で芦名監督と原作のカルロ先生との間で紛糾したとの事。
芦名監督はゲストキャラの二人は戦えない事が確定しているので、どうしても戦えるキャラが欲しいからと交渉もしたが、カルロ先生の意見を曲げるには至らず、ナイフを持った女軍人としてキャラが詰められていった。
そのナイフについても、カルロ氏が考えていたのは銃とナイフが合体した武器だった事で意見が分かれたが、デフォルメされたキャラだとその武器を持たせるのが難しく、また武器としての殺傷力も高すぎたことから、映像ではナイフのままとなった。
なお、特典の小冊子ではナイフピストルを取り扱っている。元々郵便配達人だった曽祖父が、護身用として扱っていたものと言う設定。
あと、「ロシアによるウクライナ侵攻」という今の時勢までは予測していないと、芦名監督はパンフレット等でこぼしている。
映画鑑賞前の注意事項の説明役として、2くみ担任の
ロズワール(CV:
子安武人)と、副担任の
レルゲン(CV:
三木眞一郎)が担当。
また、『オバロ』の
パンドラズ・アクター、『このすば』の
バニルと
ウィズ、『幼女戦記』の
ルーデルドルフと
ゼートゥーアがセリフなしで登場している。
【音楽】
歌:鈴木このみ feat.伊東歌詞太郎 作詞・作編曲:ヒゲドライバー
2022年5月に発売された鈴木このみの5thアルバム『ULTRA FLASH』で視聴が可能。
リゼロアニメ1期から登場し、2期でエミリア陣営に加わった行商人で、2くみのメンバーが再び教室で授業を受ける際にしれっと席に座っていた。
担任のロズワール曰く「新しい転校生」で、気付いたらこの異世界に来ていたとのこと。
リゼロアニメ2期から登場した、「クレマルディの聖域」の顔役の青年。
状況がわからない中、出会ったスバルを大将と呼びながら肩組みしていた。
追記修正は、異世界行きのワームホールに飲み込まれてからお願いします。
- アレクの正体が良くも悪くも意外すぎて驚いた 原作の読者の仮説の一つが、こんな形で崩れるとは…… -- 名無しさん (2022-09-18 19:30:39)
- 上映時間みて15分アニメがこんな長くなるか、て驚いたもんだ -- (2022-09-18 19:30:54)
- デレたベア子と記憶のあるレムの初の共演作品 -- 名無しさん (2022-09-18 19:33:27)
- 180分以上を110分に縮めたことで、意外と「間」を読む必要があるので、そういった意味でも見応えある作品でした -- 初期投稿者 (2022-09-18 21:35:13)
- 映画にまでなるとはこの番組も出世したな -- 名無しさん (2022-09-18 23:38:01)
- 完全にテレビのあのノリを想定していたのでシリアスパートも多くてめちゃめちゃ面食らった。あと主題歌がいせかるとそれぞれの出身作品の総括っぽくて凄く良い -- 名無しさん (2022-09-19 09:43:05)
- 唯一該当するのがアレクのみ……つまりフリューゲルの容姿はもう読者にバレている…? -- 名無しさん (2022-09-19 11:52:42)
- 各原作者との調整で監督が文字通りハゲてそう -- 名無しさん (2022-09-20 19:01:11)
- あと、パンフレットによると各キャラの活躍で偏りが出ないようにも配慮されているとの事…本当にハゲてそう -- 名無しさん (2022-10-10 22:49:47)
- ペテルギウスとラナー姫はほかの映画に出てて忙しかったのかな -- 名無しさん (2023-05-28 15:40:12)
最終更新:2024年08月26日 10:50