でんじほう/ばくれつパンチ/れんごく

登録日:2022/12/08 Thu 21:43:28
更新日:2024/10/28 Mon 18:16:46
所要時間:約 3 分で読めます




「でんじほう」「ぱくれつパンチ」「れんごく」は、ポケットモンスターシリーズに登場する技。
いずれも共通して「ある特徴」を持つ。

【技データ】

◇でんじほう

初登場 第二世代
威力 100(第二・三世代)→120(第四世代〜)
英名 Zap Cannon
タイプ でんき
分類 特殊
攻撃範囲 単体
直接攻撃 ×
命中 50
PP 5
追加効果 100%の確率で相手をまひ状態にする
備考 弾の技(特性「」に無効化される)

◇ばくれつパンチ

初登場 第二世代
威力 100
英名 Dynamic Punch
タイプ かくとう
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
命中 50
PP 5
追加効果 100%の確率で相手をこんらん状態にする
備考 特性「てつのこぶし」のポケモンが使うと威力が1.2倍になる
道具「パンチグローブ」を持つポケモンが使うと威力が1.1倍になり、直接攻撃でなくなる

◇れんごく

初登場 第五世代
威力 100
英名 Inferno
タイプ ほのお
分類 特殊
攻撃範囲 単体
直接攻撃 ×
命中 50
PP 5
追加効果 100%の確率で相手をやけど状態にする

【ゲーム内において】

でんじほうとばくれつパンチは第二世代、れんごくは第五世代で初登場した技。
でんじほうは大砲のような電撃を発射し、ばくれつパンチは渾身の力で爆発的な威力のパンチを叩き込み、れんごくは地獄の炎で相手を包み込み*1、大ダメージを与える。

自力で習得するポケモンはいずれも限られる。
でんじほうとばくれつパンチは第二世代限定で技マシンが存在し、VCを経由させれば第七世代以降に持ち込み可能。
ばくれつパンチはエメラルドの教え技というルートでも覚えられる。
でんじほうはヤドンブースターなど、「10まんボルト」や「かみなり」を覚えない意外なポケモンがなぜか習得できる。
その点を買われてかアニメでは第三世代ですでに習得手段が失われていたにもかかわらずリラエーフィが使ったことも。
この技を元に威力の高いデンキZやダイサンダーを撃つことも可能だが、レギュレーションフリーの環境でしか使用できない。

れんごくはレベルアップで覚えるポケモンしかおらず、全員がほのおタイプ。
なので上記2つのような意表を突いた使い方が難しく、マイナー気味。
唯一の例外として、ポケモンドリームワールドでれんごくを覚えたムウマが入手できたが、現在では新規の入手が不可能で、やはりレギュレーションフリーの環境限定。

その低すぎる命中・覚える条件の厳しさからストーリーでも脅威になることは少ない。
しかしもたもたしていると数打ちゃ当たるで痛い目を見ることもある。
れんごくに関しては第八世代では「オーバーヒート」と「いたみわけ」を同時に覚えたランプラーが野生で出現することがあるため、低HPを維持することが難しく捕獲に手こずる場合もある。

でんじほうは「ロックオン」、ばくれつパンチは「こころのめ」とセットで覚えるポケモンが多く、多くの攻略本で併用を推奨されている。
とはいえ1ターン目は攻撃できず相手の攻撃を受けることになる上、回復アイテムを使うとロックオン状態が解除されるため、相手の攻撃を最大2発受けて耐えられるポケモンでなければコンボを決めることは難しい。
耐久力を鍛えるか、回復系のきのみを持たせるなどの工夫が必要。
不思議のダンジョンのような外伝作品であれば、このコンボを1ターンで即座に決めれるような「れんけつ」システムがあるので、有効に活用しやすい。

◇対人戦において

100(120)という高威力に加え、100%の確率*2状態異常を付与する破格の性能を持つ。
しかし、そんな技がお手軽に使用できるほどポケモンは甘くない。それ相応のデメリットとして命中は50%と非常に低く、コイントスと同じ確率でしか命中しない。

そのあまりに極端な信頼性のなさから、火力さえ高ければ命中率の低さには目を瞑る役割論理からも採用を見送られるレベル。*3
さらに第九世代では技の追加効果を無効化する「おんみつマント」を追加される始末。
特性「ノーガード」持ちでもなければ不安定すぎるこれらの技を積極的に採用することは現在では少なく、「きあいだま」と同様その多大なデメリットが功を奏したのか、特殊技の威力が軒並み下げられた第六世代でも威力は据え置きのままだった。

上記で説明したこころのめ→ばくれつパンチ、ロックオン→でんじほうのコンボは普通に2回撃つのと期待値が変わらず交代にも弱いため、ガチ対戦で使われることは少ない。
一応2回とも外す下振れは防げるが、だからどうした。
おまけにれんごくに至っては他2つのような実質専用のサポート技がない

れんごくを覚えるポケモンは同じくロマン技の「オーバーヒート」「だいもんじ」「ブラストバーン」、そして安定性で勝る「かえんほうしゃ」を覚える*4
シビルドンなら「とぐろをまく」とのコンボで一応でんじほうの命中率を上げられるが、そんなことしなくても通常環境ででんじほうを覚えるポケモンは全て「10まんボルト」を覚えられるし、攻撃と麻痺撒きを同時にやるなら同じく100%麻痺の「ほっぺすりすり」がある。
というか、そもそも状態異常を狙うなら「おにび」「でんじは」でいい。
どうしても…という場合のサブウェポンとして活用されることも皆無で、フーディンブースターが貴重な電気技としてVC版経由ででんじほうを使うことがなくもなかった程度。

他方、ばくれつパンチは第四世代でノーガードを獲得したカイリキーの主力技として地位を確立。
後の世代でも猛威を振るい、対抗手段としてのヤドランの需要を高めた。
タイプこそ不一致だがゴルーグもノーガードとばくれつパンチの両立が可能。

しかし、こちらも世代が進むと安定した命中率と100オーバーの威力を両立した「ばかぢから」「インファイト」が多くのポケモンに流通し、ノーガード持ち以外での採用率は低迷した。
また第七世代にてORASで猛威を奮った「いばる」のせいで混乱状態での自傷率が50%から30%に低下したため、ばくれつパンチもこの煽りを受けて弱体化することに……。
現在も、基本的にはノーガードやじゅうりょくと組み合わせて使うのが一般的。
ノーガードばくれつパンチは高威力・必ず混乱・必中の壊れ技になり、重力下でも命中約83%で状態異常+大ダメージと思えばなかなかリターンが大きい。
そのため重力使いからは強力な技とみなされることが多い。

現在と書いたが、研究が進んだVC環境下の第二世代ではでんじほう・ばくれつパンチは普通に単独で採用されている
でんじほうは主にムウマがガチ対戦で麻痺を撒くためのサブウェポンとして、ばくれつパンチはトップメタであるカビゴン対策として、多くのポケモンが覚えられるなら採用を考慮される技である。

第八世代では相性のよい「からぶりほけん」が登場。
この道具は技の命中率によって技が外れた時素早さが2段階上がるというもので、低命中のれんごくやでんじほうはこの技の発動にうってつけである。
特にでんじほうは仮に当たったとしても確定で麻痺させるため当たっても外れても実質同じ効果を得ることができる。
ジバコイルなどが素早さを調整して採用するといった型を見かけるようになった。

余談

  • ばくれつパンチは本編でもポケモンスタジアムシリーズでもジムリーダーのシジマが好んで使う技。*5
    後者では自分の手持ち全員に覚えさせているだけでなく、当たるまで繰り返すというポンコツAIを発揮してしまうほど。

  • でんじほうは某作品影響から英名を「Railgun」と思っている人がいるかもしれないが、この技は物質ではなく「大砲のような電気」を飛ばす技であるため実際には「Zap Cannon」である。ちなみにあちらは日本語だと本来「電磁投射砲」か「電磁加速砲」になるため、「電磁砲」とだけ書くなら語意的にはこちらが正しかったり。


追記・修正は命中率50%に賭ける勇気のある方にお願いします。

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最終更新:2024年10月28日 18:16

*1 なお、キリスト教においては「煉獄」と「地獄」は明確に別のものとされる。

*2 ただし、第二世代では厳密には99.6%の確率だった。当時の計算式上必ずこうなる。初代及び第二世代で命中100の技が『何故か』外れることがあるのと同じ原理。

*3 役割論理においては命中70以上の技のみ採用する。これは「30%で起こる事象を『起きるもの』とするなら一撃必殺技を当てられるので、あらゆる論理が無に帰す」という思想によるもの。

*4 特に第三世代から登場したオーバーヒートには、命中と威力の両面で完敗している。

*5 リメイク版では「きあいパンチ」に変更。