登録日:2021/04/01 Thu 11:20:00
更新日:2023/03/13 Mon 06:45:16
所要時間:約 16 分で読めます
画像出典:ウマ娘 プリティーダービー メインストーリー第6章・前編「夢の原石」
モチーフ元である競走馬『
キングヘイロー号』は当該項目を参照。
※以下本項目で実馬のほうを指す場合「キングヘイロー『号』」と呼んで区別する。
◆プロフィール
キャッチコピー:高飛車お嬢様。そのプライドは空より高く!
誕生日:4月28日
身長:159cm
体重:完璧
スリーサイズ:B85・W60・H85
靴のサイズ:左右ともに23.0cm
学年:中等部
所属寮:栗東寮
得意なこと:デザインやファッション関係
苦手なこと:人ごみや暑さ等キングに相応しくないこと
耳のこと:一流にふさわしい話題以外耳に入れたくない
尻尾のこと:尻尾の振り方も常に一流を意識している
家族のこと:母は家事が壊滅的にできず、使用人がいる
ヒミツ:①当たるまでくじを引き続け、お財布を空っぽにしたことがある / ②ドラマを見る時はつい独り言でツッコミを入れてしまう
自己紹介:
おーっほっほ!私の名前はキングヘイロー。一流のウマ娘として最高の結果を残すわ!…この私の才能を世界中に示すためにもね!
キャラクターソング:Exercise the Right
2000年 高松宮記念
そのウマ娘は、10度の敗北を超えて一流を証明した。
敗れても、敗れても、敗れても、絶対に下を向かなかった。
緑のリボン、不屈の塊。
そのウマ娘の名は…
2012年 URA高松宮記念CM「The WINNER」より
◆概要
画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「Heroes」第2弾「70秒の最速物語」篇
【ウマ娘 プリティーダービー】CM
「Heroes」第2弾「70秒の最速物語」篇より
1200mから3000mまで様々な距離を彷徨い歩き、10度の敗北を経て栄光を手にした不屈の競走馬「
キングヘイロー号」がモチーフの
ウマ娘。
世界的超良血馬で、首を下げない硬い走りがフィーチャーされたか高飛車お嬢様キャラ。
一人称は「私」もしくは「キング」。
概ね、友人知人にする私的な会話・素の自分を指す時には『私』、公的な場・他人に『一流』を印象付けたい時の発言では『キング』という使い分けをしている。
例:「キングはイベントだって全力で取り組むの! もちろん、私のトレーナーであるあなたもよ!」(イベント開催中ホームボイス)
「一流」という言葉に強い拘りがあるらしく、いつも自信満々に見えるが、実際はとても繊細な性格で、案外へっぽこ。
自己顕示欲とプライドが高いが、周囲を見下しているわけではなく、友人や後輩に対しては非常に面倒見が良い。
元・競走ウマ娘にして現役デザイナーの母親は、どちらの世界でもその名を知らぬ者はいないというほど優秀とのことだが、
その母は娘がレースに出ること自体を快く思っていないらしく、折に触れては「もう辞めたら?」等の冷ややかな言葉を向ける。
キングはそんな母親の、半ば束縛にも近い過干渉に苛立ちを露わにしており、現在の親子関係はあまり良好とはいえない。
「血筋ではなく、私個人を認めて欲しい」という意識の下に努力を重ねているが、実力は伸び悩んでおり、そんな自分を悔しく思っている。
普段は機嫌が良いと高笑いを響かせたり、自分の取り巻きに「キング」コールをさせてご満悦だったりとコミカルな印象を受けるが、
レースに向ける情熱は本物で、どこまでも自分を追い込むような激しいトレーニングを積み重ねている他、
学問にも手を抜かず、
トレセン学園の座学の授業も真面目に受講するなど、文武両道で文句なしの優等生。
また、社交界の事情にも通じているらしく、名実ともにハイクラス育ちのお嬢様だが、負けず嫌いでお人好しという親しみのある性格をしており、
とある所の調査によると、負けず嫌いな性格が災いして、当たるまでクジを引き続けて財布をすっからかんにしたことがあるらしい。何事も程々に。
お人好しの部分についても、色々と危なっかしいルームメイトを、口では時に厳しめのことを言いつつも、まるで母親のようにフォローしている他、
マイペース過ぎる友人に注意するも、人の話をよく聞く性格が災いして相手のペースに丸め込まれるなど、生来の人の好さが垣間見える。
◆アニメ版での活躍
Season1
その後も弥生賞では3着、皐月賞では2着と惜しいレースが続き、ダービーでは上位3番人気からも押し出され、
形振り構わぬスパイで上位陣を偵察し、特に
セイウンスカイ対策に
半ば暴走気味に逃げるもバテて失速し14着でゴール。
以降は上位戦線からも遠のき、8話の宝塚記念では同期のスペシャルウィークと
グラスワンダーの壮絶なレースの後ろに置いていかれ、
続く10話の天皇賞(秋)でもスペに大きく差を開けられる。
それでもキングヘイローの心は折れず、表情に曇りはない。
"王"は頭を垂れずにそう言い切って見せた。ちなみにこの10話、サブタイトルは「何度負けても」。
この回のモデル、1999年秋天はJRAのCMで「スペシャルウィーク逆襲のラン」と称されたレースなので本義はそちらなのだが、キングヘイローの在り様にもかかっているのかもしれない。
ジャパンカップの直前には同期組でスペの控室に激励に訪れ、ウィンタードリームトロフィーではスカイ、ウララと共に観戦し
ウイニングライブを応援していた。
アニメでレースシーンがあった分の通算戦績は6戦0勝(0-1-1-4)、実はアニメ1期において5戦以上走ったシーンがあるキャラで唯一勝ち星がない。
また、
サイレンススズカ以外のチームスピカメンバーですら一度は言わされた「むりー」という追い抜かれる時の声を、キングは一度も上げていない。
うまよん
アニメ版では同期の皆と共に7月分主題歌を担当。本編では第6話「お嬢様たちの優雅なランチ」にて登場。
アイネスフウジンの先導のもと、
ファインモーション、
メジロマックイーンといったThe・お嬢様ウマ娘たちと共に初の牛丼屋さんに向かった。
アイネスフウジンに牛丼屋さんというブラックジョークはさておき、店員さんにメニューを貰おうとしたり、裏メニューの「王者盛り」に
メニュー名の語感だけで挑み、
同期の日本総大将さながらのボテ腹になったりとネタキャラ寄りポジションにいる。
ちなみにこの回、実は元ネタがある。
◆アプリ版での活躍
性能
バ場 |
芝:A |
ダート:G |
距離 |
短距離:A |
マイル:B |
中距離:B |
長距離:C |
脚質 |
逃げ:G |
先行:B |
差し:A |
追込:D |
☆1『キング・オブ・エメラルド』として初期から実装済みの他、2022年4月28日には☆3新衣装として『白く気高き激励の装』が実装されている。
元ネタの迷走した競走馬生からか、距離適性は「A」こそ短距離だけだが、一番低い長距離でも「C」と全般的に高め。
距離適性の組み合わせが因子4つでオールAにできる"ABBC"なのはキングヘイローの他には
マルゼンスキー(BABC)、
ミホノブルボン(CBAB)しかおらず、
しかるべき継承因子持ちがいれば、短距離以外にも連れて行きやすい仕様となっている。
継承で適性をさらに上げてやればダート以外走れる文句なしのオールラウンダーとなる。
一方で目標レースの大半が中距離なのに、その中距離適性がデフォルトでは「B」止まり。オールラウンダーを目指さない場合も中距離適性だけは上げておきたい。
バ場に関しては、ダート適性は「G」とてんでダメだが、史実出走レースのフェブラリーSに出なくていいので問題はない。
この特徴から、ダート継承の準備さえできれば「全冠」称号に手をかけやすい存在とも言える。
脚質適性は差しに「A」、先行に「B」を持つ。追い込みも比較的高い「D」である一方で、逃げは最低の「G」。
色々と察してしまう。
短距離適性の高さは貴重で、初期実装されたウマ娘の中で最初から短距離「A」持ちは他には
サクラバクシンオー、ハルウララ、
タイキシャトルしかおらず、
後に
カレンチャン、
ヒシアケボノ、
ニシノフラワー、
バンブーメモリー、シーキングザパール、
アストンマーチャンも追加されたが、サービスイン1年半以上が経過しても未だ豊富とは言い難い。
一段階下の適性「B」持ちを含めるなら他に
マルゼンスキー、
フジキセキ、
ヤマニンゼファーがいるものの、バクシンオーとハルウララ以外は初期レアリティが☆3で入手難度が高く、
入手しやすいウマ娘たちの中で短距離高適性持ちはキングヘイロー、サクラバクシンオー、ハルウララの三人だけで、差し適性を条件に入れるとキングヘイローとハルウララの二人のみ。
条件を広げて高レアを入れてもニシノフラワー、バンブーメモリー、シーキングザパールで五人にしかならない。
そしてハルウララは芝適性がGなので事実上ダート専用で、芝の短距離を走れる高い差し適性持ちは四人しかいないのである。
チームレースでは最終的に各距離に3人ウマ娘が必要となり、かつ脚質をばらけさせた方がスコアを稼げるため、高レアを複数引いていてもキングヘイローを育てることの意義は大きい。
☆3スプリンター不在の場合、チーム戦で短距離3枠埋めるためには適性が中程度まで広げる必要があり、概ね短距離Cのエアグルーヴに白羽の矢が立つ。
それくらい短距離要員は貴重で、短距離差しとなると輪をかけて貴重。諦めずに何度も育成に挑むことに意義とメリットがあるウマ娘と言える。
『キング・オブ・エメラルド』
おーっほっほっほっ! 勝負服は気持ちを高ぶらせてくれるわ!
画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[キング・オブ・エメラルド]キングヘイロー」勝負服
馬主である浅川吉男氏の勝負服「
緑、
青袖、
白玉霰」がモチーフ。
CMでも印象的な
緑をベースに、
白玉霰の模様は飾りボタンやスカートの縁を一周ぐるりと囲むように配置されている。
青い耳覆いや首元のシャドーロールは実馬の馬具をイメージしたデザインも取り入れられている。
スカートの飾りベルトには「K」「H」のイニシャルがあしらわれている。
成長率はパワー20%、根性10%。
成長率のおかげで上がりづらいスピードを伸ばす過程でパワーも相応に伸びてくれ、根性育成をしてもパワーが遅れてこないという利点がある。
覚醒スキルでは短距離専用の「電撃の煌めき(「詰め寄り」上位スキル)」と差し専用の「大局観(「読解力」上位スキル)」のレアスキルを習得可能。
それ以外にもマイル専用の「負けん気」や中距離専用の「軽やかステップ」が習得可能と、覚えられるスキルが幅広い。
逆に言えば距離特化型を作ろうとすると覚醒スキルに頼れないので、サポートからスキルを貰えるようにしておきたい。
進化スキルは電撃の煌めき上位に「GI5勝or短距離スキル2個」が条件の「電撃の撫で斬り」、大局観上位に「GI5勝or速度スキル3個」が条件の「王の大局観」が用意されている。
画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[キング・オブ・エメラルド]キングヘイロー 固有スキル発動」
固有スキル「Call me KING」(☆1~2時)→「Pride of KING」(☆3以上)の効果は、
「レースを冷静に運ぶことができると残り200mで実力発揮、速度が上がる」→「レースを冷静に運ぶことができると残り200mで実力発揮、速度がすごく上がる」。
スキルが発動する条件が「残り200mまで掛かり状態にならず、残り200m通過時に『順位が4着以下かつ上位70%まで』」と、
発動レンジが狭いうえに、100%防ぐことはできない掛かりが絡む分運に左右されやすい。
加えて発動するタイミングも残り200mと遅いため、バ群が伸びていると捉えきれないこともある。
しかし発動した際のスキル効果量に「すごく上がる」が指定されているスキルは数が少なく、
展開が向いた際の爆発力はゲーム内でも屈指のもので、自身が育て上げたキングが豪快に差し切って1着をもぎ取った時の爽快感はひとしお。
スキルの元ネタは言うまでもなく2000年高松宮記念に見せた「恐ろしい」とまで言われた末脚だろう。
ちなみに2022/2/24にバランス調整を受け発動レンジが拡大している。拡大前は「5着以下かつ上位60%」という狭さであった。
『白く気高き激励の装』
ストーリーイベント『轟け、エール! トレセン学園応援団』に合わせた応援団長風の新衣装。これをもって実装済み黄金世代全員が☆3かつ別衣装持ちとなった。ツルちゃんはまず本実装から……
成長率はスピード、パワー、根性に10%ずつ振られており、根性育成で全てが万遍なく補正がかかることから根性育成向きの補正と言える。
覚醒スキルでは「昇り龍(「外差し準備」上位スキル)」と「春一番(「春ウマ娘◎」上位スキル。スピードとパワーに補正がかかる)」のレアスキルを習得可能。
つまり全体的に春の短距離・マイルレースである高松宮記念・安田記念にあからさまに照準を合わせた構成になっている。
進化スキルは昇り龍上位に「お出かけ1回or育成イベント『応援行脚』を好調以上で発生+差しスキル2個」条件の「竜の雲を得る如し」、春一番上位に「お出かけ1回or育成イベント『応援行脚』を好調以上で発生+緑スキル2個」条件の「春風吹きて、桜舞う」が用意されている。
画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[白く気高き激励の装]キングヘイロー 固有スキル発動」
固有スキルは「轟!トレセン応援団!」。発動条件と効果は「レース前半、掛からず最後方付近に控え続けていると、最終直線で気合を爆発させて加速力が上がる」というもの。
具体的な発動条件は「掛からず、レース前半50%まで上位70%以下を維持」となる。
効果が速度上昇だった『キング・オブ・エメラルド』と違い、加速度上昇に変わっているのがキモ。
ゲームシステムの詳しい説明は省くが、大雑把に言うと「加速スキルは基本ラストスパートの加速中に出ないと実質効果が無い」というシステムである。
つまり、このスキルが発動する「終盤最終直線の最中に最終加速が出る」コースでないと有効に働いてくれず、コースを選ぶスキルになった。
そしてこの条件にフィットするコースは中京芝1200mや東京芝1600mなど、大体が短距離~マイル帯に存在するので、よりスプリンター寄りの性能になっている。そして実は有効加速の大井ダート1200m
そして初期ステータスの分配も代わっているが、特に注意が要るのはスタミナが同☆の『キング・オブ・エメラルド』より更に下がっていること。
目標達成は勿論だが、短距離レースに必要な最低限のスタミナ確保も忘れないようにする必要がある。
育成の難易度
どちらのバージョンも固有スキルの発動条件が厳しく、適性やスキル面を継承因子やサポートで補う必要があるが、因子継承の相性が良いウマ娘が少なくなりやすい。
結果継承の際に因子を貰う難易度が少々高く、相性が低い場合下手をすると基礎ステータスの青因子すら飛ばされる。このため継承から難易度が高くなっている。
目標レースに全ての距離が含まれ、出走スケジュールも正直無茶振りとしか表現のしようのないものを要求される。
というのもクラシック三冠を駆け抜けたかと思えば、いきなり短距離G1の高松宮記念で1着を要求され、
それからしばらく短距離〜マイルでのレースが続いた後最後にまた中距離G1の天皇賞(秋)で黄金世代のライバル達を相手に1着をもぎ取らなければならない。
ついでに「一番走った距離帯が選択される」ゲームの仕様上、機会を見て目標外の短距離レースに最低2回出走しておかないと、URAファイナルズで中距離に出走させられてしまう。
この場合中距離以外の距離限定スキルを習得していると、それらが効力を発揮しなくなってしまう。
そのせいで育成方針が非常に定めにくく、慣れるまでの育成難度がかなり高いウマ娘の一人。
ライバルウマ娘も強力であるため、ある程度手持ちの殿堂入りウマ娘やサポートが整ってきてから育成する方が無難だろう。
最大の鬼門となるのは菊花賞の次に来る高松宮記念。長距離3000mからいきなりの短距離1200mである。
というのもウマ娘のレースは「スピードが高いほど消費スタミナ量も多い」という燃費特性と「ゴール地点で体力を使い切るようにラストスパート開始地点を調整する」仕様がある。
結果、中長距離戦ではどうしてもスタミナを疎かにしづらいため、そちらで勝ちを狙おうとすると短距離で要求されるスピードとパワーの育成に手が回らなくなりがち。
逆に短距離戦に特化して先にスピードを伸ばしていると、必要スタミナ量が増えて中長距離戦が不安定になる。
短距離だと差しは非常にバ群にひっかかりやすいという問題があり、安定して勝ちづらいという点も難易度に拍車をかける。
高松宮記念等であまりに詰まりまくる場合、適性を上げていなくても一時的に逃げや先行で走らせた方がむしろ勝ちやすくなる場合もある。
ただ、固有スキルの発動条件の厳しさから差しより前にすると発動しないのが確定すると言っていい。代わりになる通常スキルをしっかりと積んでいこう。
どうしても高松宮記念で詰む場合は最初から菊花賞を捨てて、日本ダービー終了の時点から高松宮記念に向けてスピード中心に育成、高松宮記念後から秋天に向けてスタミナを補強していくといいだろう。
この場合菊花賞で大敗を喫することが多いので、運悪く変なマイナススキルやバッドコンディションをもらわないように祈ろう。
菊花賞以外は「根幹距離〇」スキルが適用されるので、持たせておくとスタミナ管理が少々楽になる。
クラシックである程度の結果を出せる育成をしている場合、普通にURA中距離程度は勝てる仕上がりであることも多いので、そのまま中距離を主戦場とする選択肢もある。
この場合も固有スキルは強みを生かしづらいため、他の加速手段を考えておこう。
該当シナリオ:「
Make a newtrack!!~クライマックス開幕~」
ウマ娘固有目標で悩まされた目標レースの軛から外れることで自由度が一気に拡大。
最初から短距離に専念できる他、短距離レースがなくてもマイル・中距離に出やすい距離適性のおかげで様々なレースに通うことができる。
特に普段なら出られないトリプルティアラがマイル中距離レースで構成されており、距離補正が因子1個づつで済むことから短距離育成のついでで稼ぎに出やすくなる。
他にも補正しやすい距離適性なので短距離「以外」に専念させるステータスも作りやすく、作りたい距離外に出場しなくて済むこのタイプのシナリオとの相性は良い。
反面、適性が素で満遍なく高いのが災いし、一切適性を弄らずともライバルが芝の全距離に散らばってしまう(適性Cから出現判定があるため)という欠点もある。
そのため、ローテーション管理がライバルの湧き具合でアドリブを求められ、他シナリオとは別ベクトルで上級者向けとなっている。
育成に慣れていれば最適距離と違う最終戦に連れて行かれても素ステータスで押しきれるが、育成に自信がそこまでないうちは距離帯管理をしっかりやっておく必要がある。
固有二つ名
固有二つ名は共通して「世代のキング」。
取得条件は、
「『合計でGIを11勝しているウマ娘二人』から想いを継承し、スペシャルウィーク、セイウンスカイ、グラスワンダー、エルコンドルパサーにそれぞれ3回以上勝利する」
というもの。
前半部分は史実における両親の戦績(後述)に由来すると思われ、合計なので二人で11勝していればよいのでこちらの達成は容易。
後半は「黄金世代の頂点に立つ」というif路線となるが、これが一筋縄ではいかず、かつシナリオのシステムによって難しいポイントが変わる。
前提としてレースにおけるネームドキャラの出現ルーチンとして「史実馬の優先出走」が存在し、史実でそのレースに出たウマ娘が優先出走してくるように設定されている。
つまり「対象同期それぞれの史実出走・勝ち鞍レース」に出ればよい、ということになる。
そしてこの史実出走レースの中には「史実枠で出走するが、ゲームバランス上適性が低い」ケースがいくつかある。
例としてはきさらぎ賞のマイルCスペシャルウィーク、京王杯ジュニアSの短距離Gグラスワンダーなどがある。
結果として適性外で弱っている所を勝ちに行けるレースもあるため、探してみるといいだろう。
勝利数カウントで重要な点として「同期に勝っていればいいので
レース自体は落としてもいい」仕様がある。
例えばあるレースで「1着
ゴルシ、2着スペ、3着キング、4着スカイ」となった場合の勝利数カウントは「スカイ+1、スペ+0」が正解となる。
また、URAファイナルズ・クライマックス決勝での勝ちも計算されるので、2回しか勝てずに最終レースが始まったら対象の同期が出ることを祈ろう。
クライマックスに至っては同じメンバーで3回走るので、極論「98年組全員に出現判定がある」中距離クライマックスに行けば労せず手に入る可能性が(理屈上は)ある。
シナリオ目標上で4回当たるスぺとスカイはともかく、残る黄金世代のグラスやエルは朝日杯FS(グラス)やNHKマイルカップ(エル)、クラシック級毎日王冠(両方)などの目標外レースに出走枠がある。
そのため、彼女らが出走するレースを把握し、それらを考慮したスケジュールを組む必要がある。
特にエルのせいでクラシックは忙しくなる上に、必然的に短距離以外への出走がかさむのも悩ましいところ。
二人の主軸がマイルなのも地味なトラップで、マイルを走りすぎURAファイナルズでマイルに連れて行かれる事故も発生しがち。
長距離適性を上げるならシニア級有馬記念は後述の特殊イベントで必ず全員揃うので、育成に自信がある場合ここが大チャンス。
ただしライバル補正がかかっているので並のステータスでは負ける可能性がある。
史実レース優先出走のルーチンはこちらでも存在するのでやること自体は変わらないのだが、
クラシック三冠以外のルートに行ける分、今度は中・長距離の王道路線に出走するスペ・スカイの二人が倒しづらくなっている。
この場合は逆に意図してスペ・スカイが出るレースに挑戦状を叩き付けにいかなければならない。難関はスカイ。
スカイはこの4人の中では実馬が古馬入りしてからパッとしない上に長期負傷で離脱した結果、エルに次いで出走数そのものが少ない。その上、出走位置もやや都合が悪い。
同じ王道路線のスペはクラシック前哨戦のきさらぎ賞・弥生賞や、年始始動戦のAJCCなど暇なうちに狩りやすいのだが、
スカイはエルグラ毎日王冠の真裏・クラシック京都大賞典や夏合宿中シニア札幌記念など出現位置が悪いのも相俟って狩りづらい。
もしライバル枠に表示されたらぜひ稼いでおきたい。
また、全員集合の有馬イベントもなくなるので、きっちり他のレースで3回倒さねばならない。
隠し要素
同期の黄金世代があまりにも強いため、クラシック三冠は半ば負けイベントじみた設定をされているが、勝利時はきちんと別のイベントが用意されているため、三冠ウマ娘を狙ってみるのも一興。
特に菊花賞はシナリオ内容が大きく分岐する。
特筆すべき隠しイベントに、シニア級の有馬記念出走で黄金世代揃い踏み+1年後輩の最強格
テイエムオペラオーとの最強決定戦を行えるなど演出には恵まれている。
長距離G1の有馬記念でライバル補正込み黄金世代(と同補正の世紀末覇王)
が相手であることからも難易度は高いが、それらを乗り越えての
うまぴょい勝利は格別。
ここで固有二つ名の条件も達成し、名実ともに世代最強の座を手にできれば最高だろう。
なお、史実で惨敗だったフェブラリーステークスは特にイベントはないし目標でもないので、本人の希望通り芝に専念させてあげよう。
アグネスデジタルじゃあるまいし。
また、もう一つの隠しイベントが2022年2月24日のアップデートで追加され、こちらの発生条件はイベント名「王様のSMILE」にも一部明示されている通り「全距離帯の芝GIで一着を取り、ファン人数24万人以上」。
イベント名のどこに明示されているかというと"SMILE"がそれ。
これは国際競馬統括機関連盟の使用する距離区分の頭文字である。
そしてキングの目標レースには、
S=高松宮記念・スプリンターズS、M=安田記念、I=ホープフルS・皐月賞・天皇賞秋、L=東京優駿、E=菊花賞
と、最初から全部入っているので、目標レースで全部一着を勝ち取ることで達成できる。
ただしゲーム的に実際に取らなければならないのは「ゲーム内の『全距離帯』」なのでI,L,Eは実際と一致しない。例えば中距離は「東京優駿とジャパンカップ(中距離・L)は落としたが秋天(中距離・I)で取った」でOKとなる。
なので実際の残りは下線部の通り短・中は一着目標があるのでマ・長の二つ、難関は当然ながらチャンスが4回しか存在しない長距離。
菊で勝てなかった場合、ローテーション的に一番無理なくできるのは、上記黄金世代の頂上決戦たるシニア有馬記念を制することだろう。
イベント効果は難易度の高さに見合った旨味があり、上昇値は「(全ステータス+10・スキルポイント+20)×レースボーナス」。
ステータスの上昇量はURAファイナルズと同等の数字であり、可能なら狙いたいところ。上級者なら短距離目的の育成をした長距離Cキングでも勝ちを狙いに行けるようになる。
特殊実況は高松宮記念に用意されており、その条件は「ここまでG1レース未勝利、かつG1を5戦以上出走で、高松宮記念の作戦が差しで一着」。
高松宮記念までにG1を目標レースのみ出走した場合ホープフルステークス・クラシック三冠の4回なので、さらに最低1回G1に出走していなければならない。
これは「キングヘイロー号の出走した現3歳までの現G1」の数に拠るもの。
この実況を聞こうとした場合の鬼門は目標にあるG1のホープフルステークス・皐月賞。真面目に育成すると
意外と勝ってしまうという問題がある。
逆に狙って負けようとすると負けすぎて目標圏外に出てしまったり、肝心の高松宮記念で負ける。
結果苦労して目標通過ギリギリを通る初心者のほうが聞きやすく、育成に慣れてくると逆に聞けないという点で
ナイスネイチャと同様に難度の高い実況である。
シナリオ固有目標型なら自分で出走ローテーションを組めるため、聞くだけなら因子補正をせずに高松宮記念以前のダートG1八つのうち五つを踏むことで出走・未勝利条件は容易になった。
しかしながらこれをやると多量のボーナスを逃すことになるため、やはりある程度の自力は必要になる。
キングヘイローがまとめて撫で切った! 恐ろしい末脚! ついにG1に手が届きました!
元ネタ:第30回高松宮記念・植木圭一(東海テレビ放送アナウンサー)
サポートカードとして
サポートカードは初期にR【トレセン学園】とSR【一流プランニング】が実装されているほか、2021年6月29日にSSR【今宵、円舞曲にのせて】が追加された。
全レアリティ共通の特徴として、スキルに汎用性の高い「コーナー回復〇」の他、条件が一致すれば基礎ステータスを盛れるスキル「良バ場〇」「曇りの日〇」「外枠得意○」、
所持者が数少ない短距離・後方向けスキル「様子見」「詰め寄り」を持つ。
その上でスキルヒントが無凸でもレベル3、完凸するとレベル4という高レベルで貰えるのも嬉しいところ。1回もらえばそれだけで取得してよい割引率になる。
レースボーナスとファン数ボーナスがないのが数少ない弱点だが、練習性能自体はかなり高いため、優秀なサポートカードの1枚である。
また、全レアリティ共通イベントの片方は選択肢次第で「末脚」のヒントが貰えるが、もう片方のイベントではステータスアップの代償にがやる気ダウンか体力-20の選択を迫られるイベントもあるので注意。
アオハル杯シナリオで登場する際の適性は、育成キャラ時そのままなので前項の育成キャラとしての欄を参照。
シナリオリンクキャラに専門家がいない短距離の専門家としてゲスト登場の機会も多い。
SR【一流プランニング】
得意練習はスピード。
特徴として「スピードボーナスとパワーボーナスの二重持ち」があり、スタミナ練習以外の練習4種類どこに現れても上昇値を底上げしてくれることから、仮に得意練習を外しても汎用性が高い。
また、スピード練習を起動するだけでもパワーが十分に上がっていくため、スピードパワーの両立がしやすくなるという特性がある。
このためSRとしては優秀なサポートであり、十分な起用点が見込めるカードである。ただしSRスピードサポートは激戦区であり、これでも編成によって外れる時は外れる。
SSR【今宵、円舞曲にのせて】
得意練習はパワー。
連続イベントを完走すると、確率で短距離用レアスキル「電撃の煌めき(「詰め寄り」上位スキル))」のヒントをレベル3で入手可能。いわゆる「
あげません族」の一人。
スキル自体は最高速度UPと加速度UPを併せ持つ複合スキルで強いのだが、スキルを活かせるウマ娘がかなり少ないのが現状。
だが同時に「パワーカード内でも最高峰の練習出力」を併せ持っているため、最初から電撃の煌めきを取らないという前提でも十分に使い道があるカードである。
短距離育成以外で使う理由の少数例として、
スキルの条件全部無視して発動させる固有持ちのシロイアレか、それを継承したキャラの場合、発動に期待して仕込んでおく金特候補ではある。
育成シナリオ
キングヘイローが主役となる育成シナリオでは、偉大な母親へのコンプレックスと確執を乗り越え、
「偉大な母親の娘」ではなく、「キングヘイロー」として進むべき道を、トレーナーと共に見出していく姿が描かれる。
とある日、選抜レースに向けて練習するウマ娘たちを見に行こうとしていた新人トレーナー。
そんな折に、校舎裏で何やらまるで喧嘩するように電話をしているウマ娘を見かける。
その姿を見ていると、電話を切った彼女に気付かれた途端不審者扱いされ、自分の身分を説明するハメに。
不審者という誤解はすぐに解けるものの、今度は「新人だから彼女のことを知らない」ということに気付かれ、無理やり中央広場へ引っ張って連れて行かれる。
そこで彼女の友人たちも呼びだされ、始まったのは……
私の名前は?
キング!!
(略)
……壮大な自己紹介だった。
完全にキングの世界で展開される自己紹介にあっけにとられていると「このへっぽこ!」とへっぽこ認定を頂いてしまう。
もう一度自己紹介が繰り返されそうになったところで、キングがこの後級友とトレーニングの予定がある事を思い出して無事解放。
他のトレーナー達と共にキングを含めたウマ娘たちの練習の見物ができたのであった。
後日、選抜レースの日。
選抜レースでのキングの走りは、結果こそ2着ながら「まだ粗削りではあるが、もし彼女の走りが大舞台でも見ることができたなら」とトレーナーに夢を抱かせるには十分な出来であった。
レースを終えた後、キングにトレーナーは声をかける。そこでキングからは「あなたはどういうトレーナーになるつもり?」と問われ、「君を大舞台で勝たせたいと思っている」と答える。
それに対するキングの返答は「私は一流のトレーナーしか求めてないの」と冷たい反応。
「今はまだ新人だが、いつか一流になる」と食い下がるが、
『いつか』って、いつ?
……あなたたちトレーナーは、ダメだったら次の子を担当すれば、一流のトレーナーと評価されるかもしれない。
でもウマ娘にとって、チャンスは1度きりなの。
と痛烈なカウンターを受けてしまう。
キングと別れてからも、トレーナーの脳裏には「一流のトレーナー」という言葉が巡り続けるのだった。
それからというもの、トレーナーはキングヘイローの走りが忘れられず、どうすれば他のスカウトもずっと断り続けているキングをスカウトできるのか悩み続ける。
その間に他のトレーナーからは「実力に比して気位が高すぎる気性難、勝ってもG2がせいぜい」などと悪評も聞こえてくるようになっていた。
そんな折に、カフェテリアでセイウンスカイが自分がサボりたかったので模擬レースの枠をキングに譲り、代わりにキングが出走することを知る。
何故そこまで一流トレーナーを求めるのか、何がそこまで彼女を必死に駆り立てるのか。それを知るためにもう一度キングの元へ出向いた。
そして、キングに会って声をかけたそのタイミングで、彼女の携帯電話が鳴る。
それをきっかけにキングの抱えるもの――自分を認めてくれない、レースに向いてないと言い続ける母親の存在、そして並々ならぬ覚悟を知る。
「どう言われようと、どう思われようと、私は一流のウマ娘だと叫び続けるし……"勝利"という名の証明を必ず得てみせるわ。」
堂々と一流を名乗り、高い目標を掲げ続ける覚悟。「同じ覚悟を持つ一流のトレーナーでなければ、私は決して認めない。」
迎えた模擬レース本番。レースの主役はこの日の注目株であるグラスワンダーに完全に持っていかれ、レースの結果もグラスの勝利に終わる。
再びの敗北に、周りのトレーナー陣からは「そろそろ現実的な視点を持てるようになったんじゃないか」などと酷評まで飛んでくる始末。
それでもなお、キングは一流を名乗るのを止めない。悔しさを噛み殺した声で胸を張るキングに対して、トレーナーは声を上げる。
そして俺こそが、一流トレーナーだ! だから一流ウマ娘をスカウトする!
周りの全員が、キングすらもあっけにとられる中「一流トレーナー」は堂々とキングヘイローのスカウトを宣言する。
これ以上無い形で同じ覚悟を示したトレーナーにキングは応える。
この場にいる全員、お聞きなさい! 今、"一流のキングヘイロー"は、この"一流のトレーナー"と組むと決めたわ!
「一流を名乗ったからには、本当に一流になるしかない」という覚悟を胸に、一流の証明を目指す日々が始まる。
覚悟を胸に抱いて乗り込んだ道のりはまさに茨の道であった。
自分に中長距離の適性が無いことを内心理解していながら、『一流』のウマ娘になるためクラシック三冠に挑むも、悉く敗退。
菊花賞後に遂に心が折れ、「挑戦したことが間違いだった?」「母の言う通りにしていれば良かった?」と、考えないようにしていた心情をトレーナーに吐露するが……
──たとえこの負けがあったとしても。
どんなに悔しいことがあっても、人々から呆れられたとしても。たとえ母親を納得させられるような結果が出せなくても──
キングヘイローは何度心が折れそうなことが起こっても、何回でも立ち上がって、頑張り続けて、人々を魅了するウマ娘だ。
母親とは違う、彼女だけの魅力に溢れた、『一流』のウマ娘だ。
本当に……全然、かっこつかないんだから……っ。
……なんで、こんなにへっぽこなのかしら……っ!私たちはぁ……っ!
長距離レースから完全に身を引かされることも覚悟していたキングだが、トレーナーからかけられたのは「母親を振り向かせることはやめよう」という言葉。
誰のためでもなく、誰の背中を追うのでもなく、母親にも誰にも影響されない自分だけの道を行く。
新しい目標を得たキングヘイローは、改めてトレーナーとともに自分らしい「一流」を目指して走り始めるのだった。
適性が無いと言われ続けた中長距離戦を、死力を尽くし冠を掴んだ先に彼女がファンから向けられた言葉は、
「ウマ娘・キングヘイロー」への賛辞ではなく、「あのG1ウマ娘の御令嬢」への賛辞。
そして、大舞台を制してなお、母がレースに打ち込む娘に向ける冷たい態度と言葉は変わらなかった。
クラシック戦線での勝利を経てすら「一人のウマ娘」として認めてもらえない現実を前にキングヘイローの心は限界を迎える。
……おばかさんね、私。認められたいだなんて。本当に浅はか。こんなの……。
それから一晩、キングヘイローは考え続けた。そして一つの結論に至る。
下から認められたいと望むのではなく、ただ一人のウマ娘として頂点に立つ。そのために。
さあ――……。 ――すべてを捨てる覚悟はあるかしら?
築き上げたクラシックの栄冠を捨て「私だけの道」を進む。前例無きクラシック路線からスプリント王への道を。
全体としてはキングヘイロー号が活きる道を探し続けた陣営の苦悩や、「天才二世」と将来を嘱望されたクラシック時代の主戦騎手・福永祐一の影響がとても強いシナリオ。
偉大すぎる母を持つ彼女が「ウマ娘・キングヘイロー」として生きようとする姿が描かれる。
◆関連キャラクター
モチーフ馬が現在実装済みの98世代のウマ娘の中では後の方に引退した、走った路線が幅広かった、直接の産駒も実装済み…と後の世代のウマ娘との接点も多く、
接点ある別のウマ娘のシナリオでも面倒見の良さや気高さを見せて彼女達を奮い立たせたりする出番が多い。
それ故に
テイエムオペラオーと同様「
他人のシナリオに出る度株を上げる女」などと呼ばれることも。
そしてトレーナーの財布が死ぬ。
同期クラシック路線のライバルで友人。弥生賞以降一緒に行動することが多くなった。
アプリ版でもサポートカードのイベントでよく一緒に登場していたほか、2021年6月10日に実装されたセイウンスカイの育成シナリオでも関係性がクローズアップ。株爆上げ1回目。
クラシック戦線で結果を出せず悩んでいたところにアドバイスを貰い「自分だけの道」を往く覚悟を決めたり、
シニア級に入ってからは逆に思ったようなレースができず悩むセイウンスカイに発破をかけにいったりと、互いに切磋琢磨する良きライバルとしての姿が描かれている。
特にキングのトレーナー描写が無い分、キングの路線転向にはスカイが(スカイ本人の意識以上に)大きく関わっている。
だって私は……私はっ! あなたを見て、今のキングになったのよっ!
モチーフ馬は98年クラシック三冠や99年天皇賞(秋)でスペシャルウィーク・キングヘイローと競り合った『クラシック三強』の一頭。
かたや「クラシックの敗戦と長い迷走の末にG1勝利をもぎ取り、種牡馬として成功した超良血馬」、
かたや「見劣りする血統ながらクラシック二冠を獲るも、古馬になってからはやや精彩を欠き、種牡馬成績はお世辞にも良くない馬」と、色々対照的な要素が多い。
ウマ娘としての2人の関係性もそこから来たものだろうか。
スカイと同じくクラシック路線のライバルで友人。
アプリではスカイ共々中長距離戦の難敵として前を走り、特にダービーの走りはキングの母も一押しの激走だった。わざわざ娘にそれ言う?
キング視点からはどうして同じ年にデビューしてしまったのかと恨むこともあったが、この同期がいなければ自分の道を往く覚悟はできなかったと礼を言う大事な友人である。
それと同時にレース外ではおっちょこちょいなスペシャルウィークもハルウララ同様(別の意味で)目が離せない相手のようである。
メインシナリオ第6章前編でも、授業の質問を聞きのがしたスペに助け舟を出していた。そしてスペが助け舟ごと沈み宿題追加。
モチーフ馬とは現役時代は当然ながら種牡馬時代も同時代のサイアーランクを争う大きなライバル。
さらにどちらも種牡馬として一定以上の成功をしているので、二頭の血筋が交わっている馬も複数いる。
そして同期4頭のうち唯一キングヘイロー号が先着した経験がある馬でもあり、皐月賞で一度先着している。
同期のライバルで友人。スペ・スカイと併せて仲良し5人組である。
アプリではスペ・スカイと比較するとクラシックに参加しないレースローテーションの関係でちょっと影が薄い。
しかしながら二つ名の条件にもなっているため、こちらから挑戦状を叩きつけることが多い同期でもある。
うまよんでは5人組ネタも多く、アニメうまよんでは5人揃ってEDも担当した。
史実の現役時代では関わりが薄かったが、やはり現役引退後に種牡馬として同時代のサイアーランクを争った。
そしてスペ同様に互いの血筋を併せ持った産駒が複数存在している。
実は寮のルームメイト。
あんな子なので朝起こしたり髪を整えたりと何くれとなく世話を焼いているが、キングも流石に世話を焼きすぎと思っているのか「明日こそは自分で起きてもらう」と毎日言っている。
よく寝ぼけてベッドに入ってくるらしい。またデジタル殿が尊死しておられるぞ!
ウララの方も優しくしてくれる「キングちゃん」のことを慕っており、とあるイベントでは日頃の感謝の言葉と自分へのエールをウララから笑顔で贈られ、
いつもの調子で受け止めようとしつつも、ついほろりと来てしまうキングの姿も見られるなど、仲は非常に良い。
なお、ハルウララは全体的に継承相性が特に悪く設定されているが、キングヘイローはルームメイト補正・短距離バ補正があるためか(相対的に)相性がいい。
ハルウララで有馬記念勝利を目指すなら、因子厳選がてら長距離⇔短距離スイッチの練習のためにキングヘイローの育成を繰り返しておきたい。
一見史実では繋がりがないように見えるが、実はこの二人「血統繋がり」と「高知繋がり」を持つ。
血統面では同じ父系の「リファール系」に属し、キングヘイロー号の祖父とハルウララ号の曽祖父が同じリファール号。
ただしリファール系ウマ娘は他にもツインターボ・シリウスシンボリ・メジロラモーヌがいる他、父系を意識した場合縁者が増えすぎるので、このゲームでは父系繋がりを意識しない場合もそこそこあるため、本命はおそらく高知。
高知に関してはウララは言うまでもなく高知競馬出身馬。
ではキングはというと「高知競馬の重賞『福永洋一記念』」「高知県観光特使・福永祐一」という騎手に由来する縁がある。
2021年9月20日実装のデジタルシナリオで登場。株爆上げ3か月ぶり2回目。
デジタル視点からは先にデビュー済でレースの先輩。シニア級の高松宮記念を勝った後、調子を崩している時期にクラシック級のデジタルと出会う。
デジタルから見ると最推しウマ娘の一人がキングヘイローで、キングテーマの同人誌作成までしようとしているほどに入れ込んでいる。
夏合宿では本人にナマモノ同人誌の構想がバレるというオタクにとって最悪のトラブルが起きるも、当の本人に許されて事なきを得る。
そして、バレた本の代わりに不調のキングを元気づける「オリジナル応援コール本or応援イラスト合同誌」を製作して渡してきた強火のオタク。
また、「傍観者=ウマ娘のオタク」でありながら「当事者=アスリート」になるという迷いを抱えるデジタルと共に練習し、
レースを走った上で「たくさんのウマ娘と競い真のオールラウンダーになりなさい」と教えを残し、デジタルの変態アスリートとしての覚醒を促した。
デジタルはその後キングの訓示をよく受け止め、あらゆるレースを転戦し、真のオールラウンダーとして成長していくことになる。
そして、このシナリオの中でキングの言う「一流」の意味の一端が明かされるシーンがあり、キャラクターソング"Exercise the Right"の歌詞はここの影響がとても強い。
屈服させられた数が違う。笑われた数が違う。バカにされてきた数が違う。
一流であると謳ったがゆえに、誰よりも地を舐め、その度に自分を変えて、立ち上がってきた。
『どんなどん底でも、希望を疑わない!』 それこそが、このキングが永遠の一流である理由よ!
一方でローディング中の秘密ネタが本編で拾われ、自分の食玩フィギュアを自引きするためにチョコたまごを3箱(30個)も買って、取り巻き共々チョコを食べきるも肝心の中身は爆死。
見かねたデジタル(
20箱200個購入)の申し出でトレードの約束をするという一幕も。
史実ではただ一度だけ同じレース(2000年マイルCS)を走った後輩馬。
その着差(アグネスデジタル号1着、キングヘイロー号7着)からあまり注目されていなかったが、デジタルのシナリオでこの繋がりが大きく取り上げられた。
キングヘイロー号は次走の有馬記念を最後に引退しているため、上述のストーリーを「後輩に後を託す」構図、
あるいは史実でのあだ名から「覇王討伐に向かう勇者を送り出す王」という構図と見るとなかなか感慨深い。
そしてアグネスデジタル号も種牡馬入りしており、同じ血統に二頭の名前が並ぶ馬も複数いる。
お嬢様仲間(?)の友人。リアルお嬢様としてお嬢様に必要な心得を伝授している。
カワカミからは強い尊敬と憧れを受けており、一見すると先輩後輩の関係のようだが、同じ中等部でキング曰く「後輩ではない」らしいのでおそらく同学年である。
また、カワカミの憧れはあくまで『キングヘイロー』個人に向けられたものであるが、
自分の評判に優秀過ぎる母の影響が付き纏いやすいキングにとっては「自分自身をまっすぐ見てくれる」貴重な子である。
高松宮記念後での会話では、憧れのあまり自分の背中にそのまま付いてきて、高松宮記念に出たがるカワカミ(短距離適性D)に対し、
「あなたは私の背を追う必要はない」と評し、自分の道を往く大事さを教え込んだ。
また、サポートカード【一流プランニング】ではトレーニングでガチムチ体型になる自分に悩むカワカミに自分らしさの大事さを教え、
その結果迷いの吹っ切れたカワカミは女子力(物理)路線を邁進することになる。
2021年10月11日に実装されたカワカミの育成シナリオにも当然登場。株爆上げ約3週間ぶりの3回目。
デジタルから1か月も経ってないんですけど!?と株を買うキングトレーナーの財布から悲鳴が上がった。
なおカワカミの名称は「プリンセス・オブ・ピンク」。運命的な何かを感じずにはいられない。
こちらではカワカミデビュー前の時点で、既にシニア級で活躍しているというレースの大先輩。
作中の台詞からしてカワカミがクラシック級にいる間に春秋スプリント(高松宮記念・スプリンターズステークス)を制覇している模様。
つまり現役4-6年目のウマ娘という、他キャラシナリオを見ても珍しい大ベテラン。
作中でも実際珍しいらしく、高松宮記念では「いつまで現役にしがみつくつもり」とか「今のうちに引退したら」という野次が飛んできたりする。
エリ女でのやらかしとそれに対する世間からの評価のせいで、完全に「自分らしさ」を見失ってどん底にいたカワカミに、
高松宮記念に挑む自身の姿によって「自分らしさ」とは何かを教え、立ち直るきっかけを与えている。
この高松宮記念にカワカミが出走することで隠しイベントが発生、戦績での分岐(しかも3パターン)もあるので挑んでみるのも一興。
このカワカミへの教えもまた"Exercise the Right"の歌詞にふんだんに取り入れられている。
その後見事に立ち直って見せ、宝塚記念で挑んできたカワカミの姿を見たキングは一言。
ふふっ、なんだ―― ――子どもってすぐに大人になるのね。
と、完全に親の立場で発言。
カワカミ実装前から「カワカミがあんな性格になったのは、キングが自分の経験の反動でのびのび育てたから」などと言われていたのがある種実現。
当然「君も子どもじゃ……」とカワカミトレーナーに突っ込まれた。
史実では実の娘にあたり、キングヘイロー号産駒の牝馬稼ぎ頭。
種牡馬としての活躍期間を長くした立役者でもある。
2022年4月末開催のイベント「轟け、エール!トレセン学園応援団」で新規衣装お披露目&実装となった仲間で、春のファン感謝祭で組織された応援団の団長キングと応援団員(チアリーダー)ネイチャ。
このネイチャさんは選ばなさそうな新衣装自体を用意したのも団長であるキングである。
当該シナリオ内ではどうしても空回りしがちで視野が狭くなりやすいキングに対して、暴走のブレーキをかけたり視点を広げてあげたりという役割に当たっていた。
特に応援団のまとめ方について迷走していた時期には、不慣れな自分語りをしてまで商店街の皆と引き合わせて「応援」のことを教えてくれた。
その後、ファン感謝祭が終わって応援団が解団した後も二人の友情は続いている。
(……アタシとキングは、まだ少しだけ、あの頃の団結を続けている)
史実的には年代や距離帯こそ違うが「長年の善戦の末に『高松宮』を冠するレースで栄光を得た」という共通点はある。
2人登場しているが固有のアイコンはなく、名前は「ボブヘアのウマ娘」「ネコ目のウマ娘」と書かれる。学年は後輩。
彼女らが風邪を引いてダウンすると、キングまで心配し過ぎて調子を崩すほどに気にかけている大事な後輩たちである。
残念ながらモブ扱いなので、アプリではイベント等で出番があってもビジュアルは登場しないが、
SSRサポート【今宵、円舞曲にのせて】の一枚絵でキングの左右に浮かぶ使い魔っぽい生き物の髪型が、アニメ1期でキングと話していた2人のモブウマ娘と一致している。
このことから十中八九キングと話していた2人こそ取り巻きであると思われ、ちゃっかりアニメに出演済みだったりする。
おそらく左耳リボンの白カチューシャつきボブヘアの子が「ボブヘア」、右耳リボンの縦ロールの子が「ネコ目」だろう。
アニメではキング共々詳しい設定が固まっておらず、サイドストーリー5Rにて会話した際には「キング様」と明確な上下関係がありそうな呼び方をしていた。
アプリでは2人とも実家との折り合いが悪く、正月も帰省できず寮でふさぎ込んでいた所にキングが登場。
キングのおかげで明るい正月を共に過ごせたことで精神的に救われたという過去を持ち、呼び方も「キング」と近しい呼び方に変わっている。
2年目の正月には今まで嬉しかったことをもらった分、今年はキングのお手伝いをがんばると決意していた。つまり利益ではなくキングの人格でできた仲間である。
なのでキングが無理をしている時には彼女たちが止めていたりと、互いに支え合う良き仲である。その止めてる中身が前述のチョコたまご爆買いなのはともかく。
そしてアグネスデジタルのサポートカード【そこに"いる"幸せ】で彼女たち3人のルーティンとして毎朝モーニングキングコールをやっていることも明らかになった。
その他にファン感謝祭の競技選択の際にはボブヘアは頭脳戦が得意、ネコ目はマラソンに自信が無い(=逆説で短距離適性持ちとわかる)といった話をしていた。
端から見て悪役令嬢とその取り巻きに見えるのは気のせい。一緒になって田舎出身のスペちゃんをいじめたりもしない。
元ネタは明言されていないが、カワカミプリンセスと同じく史実におけるキングヘイロー号産駒がモデルではないかと推測されている。
取り巻きーズの特徴を馬に戻すと「キングヘイロー号(鹿毛)と毛の色味が違う短距離牡馬」「毛が同じ色味の牝馬」となり、
ちょうど牡馬はローレルゲレイロ号(黒鹿毛の短距離馬、2009年春秋スプリント制覇)、
牝馬はメーデイア号(鹿毛、2013年JBCレディスクラシック制覇)と、ウマ娘未実装のキングヘイロー号代表産駒に一致する候補がいる。
また、キングヘイロー号産駒のGI級勝利馬はカワカミプリンセス号と上記二頭合わせた三頭だけなので、その点も収まりが良い。
キングのトゥインクル・シリーズデビューに反対し、デビューしてからも再三「向いてないから辞めて帰ってきなさい」とレースの前後に必ず電話してくるお母さん。
元はレースに参戦していたウマ娘で、競技者としてはG1レースも複数勝ったことがある有名な実力者。ファンからは「伝説のウマ娘」という単語まで聞こえるほど。
選手としての特性はキングと比較する形で「力の要るコースが得意」「素晴らしい末脚」などが聞こえてきている。
また現役期間が長かったらしく、キングヘイローの「現役中も、引退して仕事を始めてからも、私のことは~」という言葉からすると子を産んだ後も現役だった模様。
引退した現在はウマ娘の勝負服を作るデザイナーをしており、こちらの腕も超一流。そのドレスは大人気ファッションショーでトリを務められるほどに評価が高い。
しかしながらキングヘイロー自身の勝負服は彼女のデザインではなく他人のもの。
また、親としては裁縫や料理の家事の類は苦手。
たとえばキングが子供のころにクリスマスケーキを手作りしようとして失敗し、その失敗作をキングに見せないよう一人で食べて処理しているところを見られている。
ちなみにキングも母親のその欠点を知っており、ホーム画面で「私は(母と違って)卵焼きが作れる」と対抗心を見せている。本当に?
シナリオでも、レースに挑戦して自身の実力を認めさせようと奮闘する娘に徹頭徹尾冷ややかな言動を崩さず、
彼女が史実通り思うように勝てず迷走しようが、黄金世代と呼ばれる実力者揃いの環境でクラシック三冠を取ろうが、暖かい言葉を掛けることはなく、
「もう諦めたら?」「気は済んだ?」と追い討ち、あるいは冷や水を浴びせかけるような言葉を容赦なく浴びせかけてくる。
しかし、厳しい態度を貫く一方でレースの度に毎度電話をしてくるなど、見ようによっては娘を心配しているようにも見える。
そして、彼女の娘であるキングヘイローをまさに「世代のキング」に導いた時、彼女の真意を垣間見ることができる。
ネタバレは用意してあるが、是非キングと共に「王道」を歩んだ後に自分の目で確かめてほしい。
でもさすがに勝ったときくらいもうちょっと褒めてあげてほしい。
言葉だけを見ると娘に冷淡な母親にしか見えないが、行動に目を向けるとキングが楽屋に戻り電話に出られるぴったりのタイミングで電話が掛かってきていることに気付ける。
それは「突如インタビューを打ち切ったダービー」や「ウィナーズサークルで10分間粘り続けて進行を遅らせた有馬記念」など、タイミングが変わるアクシデントがあっても変わらない。
さらに言えば、公式でもない学園の模擬レース後すら電話が掛かってくるのだ。
つまりは、仕事で忙しい身にも関わらず娘のレースをしっかりリアルタイムで見ているということで、
電話口での娘に対する厳しい態度とは裏腹に、常に娘のことを見守っていることが明白に描かれている。
まずこの時点で、娘に悪感情を持っているわけでも、無関心なわけでもないことがわかる。
そしてそこまで娘を気に掛けながら、意図して娘に厳しい言葉を掛けていることもわかる。
では、彼女は一体何を思って娘にこのような態度をとっていたのだろうか?
その本音は、端的に言えば「キングが走ることそのものを嫌ってしまう」ことを恐れていた、というもの。
そして、そうならないよう自分が憎まれ役を買って出てでも、娘が走ることを嫌ってしまう前にレースから離れるように仕向けるべく行動していたのだ。
ではどうしてそこまで危惧していたのか、というのはキングの性格に起因する部分が大きい。
キングは普段一流のウマ娘として強気に振舞ってはいるが、ウララや取り巻きたちへの態度でわかる通り、
本質は非常に優しく、
時に自分が損をしてでも周囲を気遣ってしまうようなウマ娘である。
特にそれが出ているのが日本ダービーに勝利した時のこと。
ウィナーズサークルにいたキングは記者からの取材と撮影を「ライブの準備があるから」と突然勝手に打ち切る。
この結果記者たちから「自分勝手」「わがままお嬢様か」などと不評を買ったばかりか、
きっちり最後まで娘の姿を見ていた母親からも、電話口で「勝者らしくない振舞い」だの、「メッキがはがれる前に帰ってこい」だの、
挙句の果てには「(キングが下した)スペシャルウィークさんの方が見所がある」等と言われてしまった。
だが、その勝手な打ち切りの前にキングはあるものを見ていた。
それは自分に敗北したスペシャルウィークが夢破れ、
日本ダービーを取れず泣きじゃくる姿であった。
このキングの「傲慢な」振る舞いは、傷心のスペを晒し者にしたくないがためにカメラを止めさせ、自分に悪い意味で注目させたというのが真相である。
唯一キングの視線と真意に気付いていたトレーナーは、母の酷評に反論しようとするも、当のキングが無言でトレーナーを止めた。
外野どころか肉親に批判されようとも、他人のために汚名を被ることを厭わない。それがキングヘイローというウマ娘なのである。
しかしこの優しさは裏を返せば「他人を蹴落としてでも栄光を掴もうとする闘争心に欠ける」ということであり、
同時に「自分が作り出す敗者の姿に、自分の良心が耐えられない」ということでもある。
つまり「根本的に性格がレース向きじゃない」という意味になる。
キングが勝とうが負けようが、母が成績に言及しなかったのは「性格に起因する問題で成績の問題じゃない」という点を見ていたのである。
これを裏付けるように、グランドライブ復活の際には「……私もどこかで望んでいたのかもね。あの子たち全員と肩を並べて歌えるライブを。」と争わないものを望んでいたかのような言葉が出てきたりする。
そんな娘が優しさのあまり競争に耐え切れず走ること自体を嫌になってしまう事態(それこそアニメ2期7話のライスシャワーのような)は避けたい。
そう思うが故に母は勝負の世界から遠ざけようとしていた。
だが現実のキングは紆余曲折はあれど、大事な3年間を友とトレーナーと共に駆け抜けた。
そして、3年間の集大成たるシニアの有馬記念で勝利した娘に掛けた電話では、スピーカー越しにスぺと楽しそうにステージに向かう様子を聞くことになる。
その電話を通話状態のまま電話を渡されたトレーナーが対応に困っていると、彼女はようやく
「本当に楽しそうな声しちゃって。今も走ることが大好きなままみたいで」
「……私のしてきたことは、なにもかも余計だったみたい」
と、娘が聞いてないところで本音を吐露すると共に、常に娘に寄り添い続け、見事彼女を「一流のウマ娘」へと導いたトレーナーに、母親として改めて娘の今後を託すのであった。
さらに追加隠しイベント「王様のSMILE」では娘の近況(しかも「好みが昔と変わってないか」という過去との比較質問)を本人に聞かず、
わざわざ娘のトレーナーに電話をかけて聞いてくるという場面まで追加された。何故娘と最近知り合ったトレーナーが彼女の幼少期を知っていると思ったのだろうか
結局、子が不器用なら親も不器用であった結果があの異常に厳しい台詞なのである。
無関心や悪意で出た台詞ではなく、母の優しさゆえに出てきたのが、あの言葉だったのだ。
最後にキング視点の母親評を掲示しておくと、「輪をかけて負けず嫌いで見栄っ張り」。
どれほど不器用な母であるかよくわかるというものである。鏡写しの娘が目の前にいるのだから……。
史実におけるキングヘイロー号の母馬、グッバイヘイローはダート天国アメリカの競走馬で1988年ケンタッキーオークスなどG1を
7勝している掛け値なしのレジェンドホース。
一方で父馬
ダンシングブレーヴの方はというと、実馬の項目に詳しいが1986年エクリプスステークス・凱旋門賞などG1を
4勝し、
現代欧州競馬史上最強馬の呼び声も高い。
二つ名「世代のキング」が継承元で11勝を要求してくるのはこの二頭の勝ち数(4+7)が元。
アメリカダートの良血+欧州芝競馬の良血というキングヘイロー号の血統は、日本競馬史上でも中々類を見ない超良血であり、
デビュー当時は「なんで日本で走ってるんだよ」との声が聞かれたほどであった。
こうした血統背景をキャラ設定に落とし込み、感動的なストーリーに仕上げたスタッフの手腕はまさしく『一流』と言えるのではないだろうか。
一方で、グッバイヘイローは現役の3歳シーズンは同期に牡馬を蹴散らして混合G1を2勝+牝馬G1を1勝してきたウイニングカラーズが存在し、
エクリプス賞最優秀3歳牝馬(JRAで言う年度代表馬)をウイニングカラーズに獲得されて栄冠を逃している。
その上3歳シーズンの締めには、1歳上のここまで12戦12勝無敗で引退レースを迎えたパーソナルエンスン相手にウイニングカラーズ諸共斬り捨てられ、
パーソナルエンスンに80年ぶり2頭目の生涯無敗・13戦13勝(うちG1が8勝)で引退という有終の美を飾らせてしまう。
そして4歳シーズンには1歳上でアルゼンチン出身の名牝、最終成績が牝馬G1勝利数レコード(当時)の12勝馬バヤコアが全盛期を迎え、
グッバイヘイロー対バヤコアの成績が7戦1勝6敗(1-4-1-1)という苦境を味わい引退を迎える。
つまり、上世代と同期に自分以上の化け物がいて、評価してもらえない・勝てない苦しみを嫌というほどよく知っていた馬であった。
変わって、ダンシングブレーヴは引退後に不治の病と言われる奇病・マリー病に侵され、死線を彷徨った挙句後遺症が残ってしまい、受胎率も大きく低下。
この後遺症(と初年度産駒のハズレ具合)によってイギリスでは種牡馬としての未来を見切られ、売却・処分(安楽死)を検討。
最終的に「病気持ちであってもこんな種牡馬を導入する機会は二度とない」とJRAが購入に至り日本へ。
その日本では空調付きの専用馬房と専属スタッフの常時見守り、種付け数の大きな制限という尽力の元なんとか種牡馬生活を継続するが、最期までマリー病の後遺症に悩まされ16歳という若さで早逝。
つまり、自分の身体が思うように動かない、動けない苦しみを誰よりもよく知っていた馬であったと言えるだろう。
キング母がどちらをモデルにしたとしても、レースに伴う苦しみや故障、病気で走れなくなる苦しみも知っているウマ娘となり、心配性になるのも納得がいくというものではないだろうか。
そして、どちらの経歴を辿っても「G1勝利複数回のレジェンドウマ娘」化するのは確定的に明らかであり、
この実績と比べたら娘はおろか、だいたいのウマ娘が霞んでしまうということになってしまうのだった。
ダンシングブレーヴと同じGI4勝だったとしてもウマ娘に実名で登場済みの達成者は19+3人、
グッバイヘイローと同じ7勝になるとわずか6(4+2)人まで減る。
ともあれ万が一足して「G1を11勝」なんて言われた日にはウマ娘内どころか日本競馬史上に比類する馬が存在しなくなってしまう。
新馬戦から4歳秋までキングヘイロー号の手綱を取った福永祐一騎手は、母親に競馬学校への入学を反対されていたことで知られている。
これは実父の福永洋一騎手が1979年(祐一3歳の年)の落馬事故によって、脳挫傷により生死の境を彷徨い、回復しても植物状態になることが危惧されたほどの大怪我で騎手生命を絶たれている。
そして意識を取り戻したものの、年単位のリハビリ生活を送ったうえで、事故から数十年過ぎた今もなお後遺症が残り続けているという過去が影響している。
ウマ娘においても怪我は常に付きまとう大問題であり、たとえば
シンデレラグレイで六平銀次郎が
オグリに「接触による大怪我の危険性」をきつく注意していた。
アニメ2期は何度も怪我が問題になって話が進んでいったし、アプリでも育成シナリオで怪我を負っているウマ娘はネームド・モブ問わず何人も登場している。
一方で騎手も洋一のような競技中の事故で重症どころか「(JRA主催の)競技中の事故で殉職」が歴史上19人おり、地方競馬の競技中や調教中の事故も含めればさらに数が増えるという危険と隣り合わせの世界である。
このような危険な世界に我が子を送り込みたくはない、同じ辛さを味わわせたくないという親心を考えると、どちらも反対するのは無理からぬところであろう。
そして、祐一のほうは「母の杞憂」では済ませてもらえず、落馬事故で左腎臓を摘出(1999)、複数の骨折+靭帯損傷(2015)、頭蓋骨折(2018)、鎖骨骨折(2021)など複数の大怪我を経験した。
◆余談
実は当初登場予定はなかった(許可は取得済だった)が、アニメ1期製作中に、
「えっ!? スペ主人公でエルグラにウンスまでいるのにキングヘイローなしとか正気ですか!?(超意訳)」
という伊藤隼之介Pの要望で、後からデザインが描き起こされた。
この時点でキングヘイロー号産駒であるカワカミプリンセスの登場が既に確定していたため、『娘』に遅れを取る形となったのは御愛嬌。
公式のキャラリストで娘より後に並んでいるのはこのせいである。
「1回目」の誕生日である2021年4月28日だが、この日の0時からサービスイン後初の長時間(0-12時)サーバーメンテナンスが入れられてしまっていた。
ある仕様に気付いていた少数のトレーナー以外は誕生日ボイスのお預けを食らってしまった。
誕生日にキングとの対面をなかなか果たせないでいたトレーナーたち。もうすぐ12時というところで、まさかのメンテナンス延長。
伸びたのは3時間ほどだったが、実に15時間も待ちぼうけを食らわされる事態となってしまったのである。
そして、15時過ぎ。無事にメンテナンスが終わって真っ先にキングに会いに行ったトレーナー達が聴いたボイスがこれ。
今日のキングの予定、ほぼフリーにしてあげたから。私の特別な日、一緒に祝えることを喜ぶのね!
「丸一日空けておいたにも関わらず15時間トレーナーに祝ってもらえなかった」という実にかわいそうなキングが発見されたのであった。
救いは「あの同期組なら午前中誕生日に触れずに午後サプライズお祝いとかしそう」などと言われる友人達が周囲にいたことだろうか。ライスとかメンタル弱い子だと洒落にならない
「2回目」の誕生日は特に何事もなく過ごせたものの、
その代わりか誕生日がそこそこ近かった
スマートファルコンの通称「3兆人事件」のメンテナンスでキングと同じ事態に遭遇してしまっている。
しゃい…
そして『白く気高き激励の装』が翌22年誕生日当日の実装だったので「詫び衣装」なんて言われていたり。
これだけ不屈が強調されるキングヘイローの性格であるが、実馬キングヘイロー号の気性は真逆。不屈なのは主に陣営からキャラ付けされている。
実際のキングヘイロー号の気性は「悪い意味でお坊ちゃん」で、
「馬込み嫌い」「砂や雨被るの嫌い」「暑いの嫌い」と嫌いなことがはっきりしている上に、「嫌なことがあると勝負への集中力を欠く」悪癖があった。
そのひどさは、1998年神戸新聞杯で一度騎乗した岡部幸雄が「調教済みとは思えないほど気性が幼い」という旨の酷評を口にするほどであった。
レースでその気性がわかりやすいのは10度目のG1挑戦、2000年フェブラリーステークスだろうか。
1枠2番で馬込みに包まれた挙句砂被りでやる気を失い、ホームストレートで全く伸びないキングヘイロー号の姿が見える。
GIでも好走するだけの実力はあるのだが、前述の馬込み嫌いもあって内枠になれば外に出すだけで一苦労。
不器用でエンジンがかかるまでに時間がかかる上に後ろから並ばれればやる気をなくすので、他より早く動きだして先んじて抜け出せる理想的なポジション取りを要求される非常に難しい馬であった。
上述のとおり、ウマ娘・キングヘイローのキャラ造形には実馬・キングヘイロー号のクラシック期までの主戦騎手を務めた福永祐一が大きく関わっている。
不運な事故によって騎手生命を絶たれた実父・福永洋一騎手の意思を継ぎ、競馬界に飛び込んだ祐一騎手。
「天才」として名を馳せた父親の威光は競馬界の隅々にまで行き届いており、
「福永さんの息子なら」という多数の関係者によるバックアップのもとで順調に勝ち星を積み上げていった。
そして2年目の秋、福永祐一騎手のもとにキングヘイローの手綱が回ってくる。
「天才騎手の息子が超のつく良血馬に乗ってクラシックに挑む」というストーリーは注目を集め、メディアにも大きく取り上げられた。
どれだけメディアで騒がれていたかと言うと、騎手3年目にも関わらずなんとダービー前に密着取材までついていたという。
―――しかし、福永祐一騎手は父親のような天才ではなかった。
皐月賞では逃げるセイウンスカイを捉えられず2着。
レース直後に引退したての元騎手・田原成貴調教師から「今のレースは勝ててたぞ(=お前の騎乗で負けた)」と酷評される。
ダービーでは馬を抑えきれずオーバーペースでぶっ飛ばしてしまい、直線沈没の14着惨敗。
今でこそ半分笑い話になっているが、レース当時は本人も「頭が真っ白になった」と漏らした失敗騎乗は散々に批判され、騎手としての評価を大きく下げてしまう。
この件はアニメ1期でもメインシナリオ第6章でも派手に蒸し返された。
最終的にキングヘイローはベテランの
柴田善臣騎手に乗り替わりとなり、苦難の末にG1高松宮記念を制覇。
このレースで2着に敗退したディヴァインライトには
他ならぬ福永祐一が騎乗していたという嬉しくないおまけつきであった。
ここから祐一による脳破壊が始まった
この時彼は
「一番いてほしくない馬が前にいた」、後年には
「なんで自分は勝たせてやれなかったという思いとやっとタイトル取れてよかったなという気持ちで複雑だった」とも語っている。
相性は良かったのか古馬になってからも三度祐一騎手が騎乗する機会があり、二着が一度三着が二度と好走はしている。そのうちマイルCSではレコードタイという大好走であったのだが、レコードを叩きだしたエアジハードに敗北した。
この頃にはもう
「父親ほどの才能はない」との評価が大勢を占めており、有力馬を多数任されながらも結果がついてこないと見られる時期が長らく続いた。
2010年以降牡馬での活躍が増えてはきたものの、日本ダービーは18回騎乗してなお勝てず、その間武豊には
5回もの勝利を許し、
池添謙一(2011年のオルフェーヴル)や川田将雅(2016年のマカヒキ)といった後輩だけでなく、
内田博幸(2010年のエイシンフラッシュ)や岩田康誠(2012年のディープブリランテ)といった地方競馬出身の騎手にも先を越される。
さらに
ミルコ・デムーロとクリストフ・ルメールが通年免許を取得したことで馬質も落ちてしまい、「福永にダービーを勝つのは無理」と断じる競馬ファンも少なくなかった。
そして2018年、アニメでキングヘイローがピックアップされたまさにその週。
福永祐一騎手の駆るワグネリアンが日本ダービーに出走し、栄光のゴール板を先頭で駆け抜けた。
自ら「福永家の悲願」と語ったダービー制覇は多くのファンの涙を誘い、SNSのトレンドにもキングヘイローの名前が躍った。
「親ほどの才能はなくとも、愚直に走り続け栄光を手にする」というストーリーは、まさしくウマ娘・キングヘイローの育成シナリオそのものである。
翌年にキングヘイローは他界してしまうが、その5日後の第49回高松宮記念でも福永祐一騎手がミスターメロディで勝利を収めている。
本人も心に期するものがあったようで、レース後のインタビューでは「キングヘイローが背中を押してくれた」と語った。
当時は分不相応と言われたコンビであったが、今となってみればやはりキングヘイローは運命の相手だったということなのだろう。
前述のように、福永祐一騎手は父親ほどの天才ではなかった。
だが、父親の威光に縋るだけの凡庸でもなかった。
若き日の福永祐一騎手の騎乗スタイルは、良くも悪くも「堅実」「無難」といった言葉がぴったりくるものであった。
馬質の良さもあって平場での成績は上々だったのだが、
重賞戦線では他の騎手の策略に屈するシーンがしばしば見られ、結果的に「勝負弱い」「平場でしか買えない」というイメージが定着。
落馬事故の影響もあって、2000年代は馬質に見合った結果を残せないと見られる日々が続いた。
活躍した2006年に所属していた北橋厩舎、続けて2007年に第二の所属とも言われた瀬戸口厩舎が解散したこともあって成績を落としたのも一因と思われる。
しかし、この時期に心身ともに転換期を迎える。2010年に憧れでもあった武豊が骨折した際、武豊が不在の時に自分が一番になるくらいの気概がなくてどうすると友人から叱咤を受けて意識が変わったとインタビューで語っている。
この精神面での変化は、障害馬術日本代表アドバイザーの小野雄次氏を専属コーチとして、三十台半ばにしてフォームの改造を行うといった行動にも繋がっている。
地道な努力が実を結んだか、2010年には二度目の年間100勝を上げ、徐々に大舞台で活躍するシーンが増え始める。
2011年にはJRA史上初となる親子でのリーディング獲得を成し遂げ、以降は毎年のように大レースを制覇。
2000勝達成までのスピードはあの武豊に次ぐ2番手であり、史上11人目のクラシック競走完全制覇、史上5人目のJRA通算2400勝を成し遂げる等、一流と呼ぶに相応しい実績を残している。
そして、ワグネリアンと共にダービーを制してからはさらなる飛躍を遂げる。
2020年にはコントレイルを無敗のクラシック三冠に導き、年間でもキャリアハイとなる134勝を挙げた。
そして2021年の日本ダービーではシャフリヤールに騎乗。
戦後最年少制覇が懸かった若手・横山武史が騎乗する大本命の皐月賞馬エフフォーリアをハナ差で差し切り、武豊・四位洋文に次ぐ史上3人目のダービー連覇、武豊に次ぐダービー三勝ジョッキーとなった。
そして同年のスプリンターズステークスではキングヘイローの孫のピクシーナイト(父父父にはグラスワンダー、母母父にはサクラバクシンオー)に騎乗。
最終直線で一気に伸びるとそのままゴールまで一直線に走りきり、17戦目にして初の勝利を飾った。
かつての相棒の孫に騎乗して達成できなかったG1を勝利しただけでも十分凄いのだがそれだけではなく、2007年のアストンマーチャン以来14年ぶりとなる3歳馬によるスプリンターズS制覇、
更には日本調教馬としては史上初となる父子直系4代によるG1勝利も同時に達成している。
キングヘイローと繋いだ絆がここまでの結果を呼び寄せたことには素晴らしいとしか言い表せないだろう。
新人の頃に厳しい評価を下していた田原成貴氏も、「馬の重心と支店を瞬時に合わせることができ、そこからほとんど動かない」「もともと頭がいいところに、一番大事な馬乗りが追いついた」「自分の理想とする騎手像(福永洋一)に最も近い」と評する騎手へと成長を遂げた。
彼もまたキングヘイロー同様、遅咲きの名騎手だったのだ。
そんな福永祐一騎手も、2022年12月8日、JRAから調教師試験を合格したことが発表された。
騎手と調教師の兼務は規則によって禁じられているので、騎手免許が切れる2023年2月末をもって福永騎手は騎手としては現役を退くこととなった。
「騎手・福永祐一」から「調教師・福永祐一」へ。彼の第二の人生に期待したい。
これまでにキングヘイローと福永祐一について語ったが、ファンの間で長らく議論されている話題がある。
それは福永祐一の相棒と呼べる馬は誰かである。
一方福永祐一の場合は主戦騎手を務め、今でもキングの名前を出していることから相棒と言えなくもないが、
実績や彼から高評価だった競走馬には、
- 1戦を除き主戦騎手を務め、共に日米オークスを制し後年「僕が乗った中で群を抜いて最強牝馬」と称したシーザリオ
- 所属していた北橋厩舎の管理馬であり若き福永が32戦全戦騎乗しGⅠ4勝、シャティン大好き「香港魔王」エイシンプレストン
- 素質を高く評価され(コントレイルが無敗の三冠取った後でもなお「エンジンは別格だった」と述べている)実績を積むも故障で無念の引退となったシルバーステート
- 共に三冠を獲得して苦楽を共にし、「僕にとってはスーパーヒーロー」とまで語ったコントレイル
など候補をかなり絞っただけでもこれだけおり、更には
- 前述のようにキングの孫にして快挙を成し遂げたピクシーナイト
- 天皇賞の覚醒から共にドバイターフをレコードで制覇し世界1位となったジャスタウェイ
- シーザリオと同期の牝馬で桜花賞・NHKマイルを制するも病気で急死したラインクラフト
- 主戦騎手を務め福永家悲願の日本ダービーの栄冠を共に手にするも、以後喉鳴りに苦しんで連敗を重ね、最後は奇病で現役のまま夭逝したワグネリアン
なども実績でみれば候補になることもあり、まさに群雄割拠状態である。
しかし、当の福永祐一は上記の馬で勝利しても真っ先にキングの名前を出してしまう程度には今でもご執心である。
更には他の騎手たちがあるとき乗りたい競走馬を尋ねられた時に軒並みテイエムオペラオーを挙げた中、ただ一人キングヘイローを挙げていた。
そのためファンからは「キングは初恋の相手」と相棒とは違う運命の相手と例えられることがある。
この辺りは競馬ファン的にも外せない話題のようで、週刊Gallop(2022年9月16日発売号)の企画で「相性バッチリな福永騎手のお手馬と言えばベスト10」という趣旨の企画に対し、
「企画趣旨とちょっと外れるけど福永と言えばキングヘイロー」という投書が送られて採用された挙句、ランキング3位にキングヘイローが食い込んだほど。
結局相棒は誰かは決められないままである
声を当てている佐伯伊織氏は
pop'n music 20 fantasiaにて開催されたボーカリスト公募で「NU-KO」という名義を用いて受賞。
pop'nをはじめBEMANIシリーズに積極的に参加し、同人音楽サークル「Eurobeat Union」のオリジナル曲や東方アレンジ曲のボーカルにも参加していることから、
音ゲーマー、同人ユーロファンの間では非常に有名なボーカリストの1人であった。
しかし元々抱いていた夢は
声優になることであり、歌手として認められたのちもその想いを断ち切れず、
声優養成所に通ってとうとう夢をかなえたという熱い女性である。
そんな彼女が声優デビューして間もない頃に演じたキングヘイローは、彼女の知名度を音ゲー外へと伸ばした功労者ともいえる。
そして氏は「昔(キング役決定の前)からお嬢様キャラの高笑いが好きで、いつかお嬢様キャラの高笑いがやりたくてずっと練習してたことがある(要旨)」とも語っており、
キングは彼女が憧れていた言動をするキャラでもあった。
「諦めなかった先に待つ栄光」という意味でも「昔から憧れてたタイプのキャラ」という意味でも実にお似合いの役ではないだろうか。
いかにもな高笑いを上げたり取り巻きを引き連れていたりと一見テンプレ「悪役令嬢」っぽい要素の目立つ彼女だが、
公式サイトのキャラクター説明文では当初「嫉妬深くプライドが高い」「勝つためならなんでもするという策略家」「周囲を力でねじ伏せることも…?」といった記述があった。
また、雑誌の記事でも「学園のクイーン・ビー」と書かれるなど、本来はもっとそちら寄りの性格付けがされる予定だったと察せられる。
実際にイベント「幻想世界ウマネスト」では「キングレイジョー」という敵役としてまさにそのような役柄をゴルシがエミュレート演じ、
2022年NHKマイルカップ時の公式G1イラストでも「アメコミ風ヒーローエルコンドルパサーVS悪役キング」(そしてその様子を恐れるグラス、逃げ惑うスぺちゃん&ツルマルツヨシ、居眠りセイウンスカイ)なんて様子が描かれた。
また、前述のアニメ版サイドストーリーの取り巻きーズとの会話にもこの上下関係ありきの設定が垣間見える。
現在は説明文のほうがアプリ劇中の描写に近いものに修正されており、嫌味な設定は消えている。修正前の方が史実の気性に近そうとか言わない
セイウンスカイの育成シナリオでは、闘争心を見せない彼女に対して「高飛車で自信過剰な悪役令嬢風」宣戦布告をスペシャルウィークとともに行ったりもしているが、
当人の素とまるっきり違うキャラのためか、あまりの人参大根役者っぷりに逆にツッコまれていたりする。
2022年5月に発表されたサントリーのコーヒーブランド「BOSS」のコラボでは、なんと「担当者が個人的に好きすぎて」ウマ娘がコラボ先として決定しており、
僕の場合、一番初めに泣かされたのはキングヘイローのストーリー。菊花賞を勝てな
かった際に「……諦めが悪すぎる、私のトレーナーだわ……っ!」とキングが言うシーン
と、高松宮記念を狙う「一流の覚悟」イベントで、キングが勝負服を着て「私は私だけの
強さを手に入れる。それだけで十分でしょう?」と言うシーンで2回、いや3回泣いた。
(公式サイト掲載のバナー・改行位置も原文ママ)
という文章が広告の枠に4行に渡ってビッシリと書かれており、それがほぼそのまま(改行位置だけ調整して)リアルでも看板として設置され圧を放っていた。
そしてさらに、「突然ですが、僕はウマ娘が大好きだ」から始まるコラボ担当者の思いが綴られた文章がサントリーのホームページから閲覧できるのだが、その字数なんと約1万文字。
あまりの熱量が込められた文章だけに「怪文書」として話題になっている。
追記・修正をする権利をあげるわ!
- デジタル然りカワカミ然り他のウマ娘の育成シナリオに出るたびに株が上がり続ける一流ウマ娘 -- 名無しさん (2021-10-12 18:09:34)
- ↑そういうとこでも他者ばかり気にかけてこの娘は! -- 名無しさん (2021-10-12 18:50:30)
- BMSキングヘイローの血がここに来て覚醒してるな。ディープボンド、ピクシーナイト、アサマノイタズラ……中央競馬の種牡馬事情はシーザリオからのエピファネイアという超特大ホームラン打ったスペとスクリーンヒーロー→モーリスと確かな打線繋いだグラスがかなり前を走ってたけど、そこに粘りこんで追いつこうとしてるキングマジキング -- 名無しさん (2021-10-14 17:52:32)
- アストンマーチャンって2007年のスプリンターズステークスを勝ったんじゃなかったっけ -- 名無しさん (2021-10-21 00:07:15)
- 98世代はなんか孫や曾孫の代になって血が覚醒する馬多いよな。デアリングタクトもスペの血が入ってるし。 -- 名無しさん (2021-10-21 12:35:03)
- 福永祐一さんの項目は別にしてもいいかも -- 名無しさん (2022-01-13 09:36:11)
- お嬢様でありながらド根性タイプってのがまた素晴らしい -- 名無しさん (2022-01-16 12:17:22)
- 上記の株上がりにも関係してるけど、相方っぽいポジションのキャラが多い印象。取り巻き、カワカミ、ウララ、スカイ、ちょっと微妙だけどデジタルとか。 -- 名無しさん (2022-02-10 00:57:36)
- キャラソンの歌詞にぐっときた。タイトルの意味も「権利を行使する」でエモい。 -- 名無しさん (2022-02-18 00:51:05)
- という事で今回は手作りにんじんハンバーグで優勝していくことにするわ! -- 名無しさん (2022-03-07 09:17:42)
- ↑もちょもちょ -- 名無しさん (2022-03-07 09:28:32)
- 距離適性の広さもあって全冠称号はかなり取りやすい方に入る、赤因子1でマイル中距離も距離適性Aが保証されるからダート因子山積みでCスタートで問題無いし。ただどうしても固有発動が厳しいから事故りやすいけど。 -- 名無しさん (2022-03-10 23:21:47)
- キングという名前だけでよく元キングと絡まされる傾向 -- 名無しさん (2022-03-27 17:47:08)
- ここしばらくは口調と産駒(あとクッキングヘイロー)から(自分を)大蛇丸(と信じて止まない一般男性)に絡めることもちょくちょく -- 名無しさん (2022-03-29 12:24:09)
- コメントのログ化を提案します。 -- 名無しさん (2022-04-10 22:20:32)
- ネイチャと一緒に新衣装か... -- 名無しさん (2022-04-27 00:14:52)
- キング団長は固有スキルの発動しなささが異常。 下手したら白マックイーンより発動しない。 -- 名無しさん (2022-04-30 21:55:02)
- 4/10の提案者がやってないのでコメントログ化しました -- (名無しさん) 2022-04-30 22:34:45
- ログ化提案者です。代理のログ化ありがとうございます。 -- (名無しさん) 2022-05-02 19:02:57
- 公 式 怪 文 書 -- (名無しさん) 2022-05-21 09:23:21
- キングの見た目があんまり好みでなくてずっと手付かずだったんだけど、アニヲタwiki読んで泣いてしまった。概要読んだだけでこれだけ泣けるんだから、BOSSの担当はメチャメチャ好きになるの分かる気がする -- (名無しさん) 2022-05-21 12:52:27
- ↑2 それはもう、公文書なんだ -- (名無しさん) 2022-06-08 11:42:21
- 「Q つくづく完璧なキャラだなこの娘。なにか一つでも悪いところないのかよ」→「A 諦め」という流れめっちゃ好き -- (名無しさん) 2022-08-02 10:25:31
- 団長キング固有も置いとく。あとは任せた! -- (名無しさん) 2022-11-09 22:26:58
- 画像アップありがとうございます。出典追記とサイズ調整を行いました。違和感ありましたら、再度修正お願いします。 -- (名無しさん) 2022-11-11 17:47:49
- やばい、出典抜かしてたのはうかつだった、ありがとう。出来ればチアネイチャも一緒にやってくれると助かる。そっちは画像調整で終わるはず。画像サイズはバッチシだから、今回とおんなじでいいはず。 -- (名無しさん) 2022-11-11 18:21:20
- あ、編集履歴でわかった。チアネイチャは私が直すよ。 -- (名無しさん) 2022-11-11 19:46:32
- 将来的にキタちゃんと絡んでまた株を上げるのかな? -- (名無しさん) 2023-01-09 22:03:02
- BOSSコラボ2巡目ーー また公式怪文書が出て来るんだろうか -- (名無しさん) 2023-01-16 08:26:46
- 2号ライダーみたいな人 -- (名無しさん) 2023-03-13 20:55:02
最終更新:2023年03月13日 06:45