第2次連合・プラント大戦

登録日:2024/11/08 Fri 22:07:56
更新日:2025/04/01 Tue 16:52:20
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C.E.72。1年半に渡った地球、プラント間の戦いは、ヤキン・ドゥーエ宙域戦を以てようやくの終結をみた。
やがて双方の合意の下、かつての悲劇の地、ユニウスセブンにおいて締結された条約は、今後の相互理解努力と平和とを誓い、世界は再び安定を取り戻そうと歩み始めていた

だが、後にブレイク・ザ・ワールドと呼ばれるユニウス7落下テロ事件によって、世界は再び混迷の戦争状態へと陥る……。




第2次連合・プラント大戦(2nd UNION & P.L.A.N.T. War)とは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』及び『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』をはじめとした各種外伝で描かれた地球連合とプラントの戦争。
前作の2年後であるC.E.73年11月に勃発した。


【概要】

21世紀のファーストガンダムとして作られた前作『機動戦士ガンダムSEED』の直接の続編という事で、本作はファーストの続編である『機動戦士Ζガンダム』の21世紀リメイク……かと思えば、
実際には開戦の経緯や経過の一部にこそ近しい部分やオマージュはあるものの、実際の戦争の内容も背景もかなり独自色が強く『SEED』の様に過去作をなぞったものではない。

前大戦が劇中では一貫して「先の大戦」としか語られなかったのと同様、こちらも公式媒体では名前が全く説明されず、「デスティニー」という作品名自体が戦争の仮称となっていた。
またあちらが「ヤキン・ドゥーエ戦役」と通称されていたのと同様、こちらも「ユニウス戦役」との通称で呼ばれていた時期があるが、
やはりこれもファン間で誰ともなく言い出したのがそのまま定着してしまったか、双葉社の『ガンダムの常識』で使用された呼称が元になっていると思われる。
現在の公式呼称はSEEDシリーズのHDリマスター化に際してようやく「第2次連合・プラント大戦」で安定している。
この呼称は2013年3月発売*1スーパーロボット大戦UXが初出という説もあるが、実際にはSEEDリマスターに際して2012年刊行の資料集に「第2次連合・プラント大戦」という用語が登場している事から、
スパロボから逆輸入したのではなく、少なくとも公式製作スタッフ間にはSEEDのリマスター版製作時点から「第2次連合・プラント大戦」という名称の構想・設定は存在していたと思われる。


先の大戦では互いを「宇宙の化物」「間抜けなナチュラル」と見下すナチュラルとコーディネイターの対立が人類そのものを滅ぼしかねない終末的絶滅戦争という最悪の事態に陥り、
その僅か2年後に再戦という点から「本当にどうしようもない世界」「すぐに絶滅戦争したがる危険な世界」「もう滅ぶしかない詰んだ世界」と視聴者間ではコズミック・イラ世界の未来を絶望視される事が多いが実は本作の戦争はかなり小規模である。
戦争自体も長めに見積もって約半年程度で終了しており*2、約1年半に渡って続いた前の大戦より遥かに短期間で終結している。
というのも、
  • 先の大戦で起こった数々の悲劇や今次大戦の引き金となった大規模テロ事件が正に世界的な被害を齎したため、連合もザフトもその復興支援に大幅に力を割いている
  • 先の大戦と今次大戦での大西洋連邦のやりたい放題振りにいい加減嫌気が差し、地球連合の主要国の一つであるユーラシア連邦は戦争そっちのけで各地が独立に向かっている(そのせいで大西洋連邦はその鎮圧にも力を割かれている)
    • なので大西洋連邦の黒幕であるロゴス(とジブリール)やブルーコスモス派の影響が強い大西洋連邦軍の一部を除くと地球連合(軍)&地球連合の市民全体としては厭戦気分が強め
    • というかジブリールが新盟主となりブレイク・ザ・ワールドが起こるまで好戦派であるブルーコスモス派自体がかなり弱体化していた。そもそも新盟主誕生後も以前の様な影響力はない。
    • そのジブリールやロゴスの手駒的存在のコープランド大西洋連邦大統領、他のロゴスメンバーですら緒戦で作戦失敗してなお無駄にヤル気マンマンのジブリールに完全に呆れており、戦争にうんざりし始めている
  • ザフトも穏健派の新議長デュランダルの方針で大規模作戦にはかなり消極的
  • 最初の攻撃と最終決戦を除くと、宇宙では基本的に小競り合いがたまに起きる程度
と、両陣営共に「あれだけの事があったのにまたしても全面戦争なんかしている場合ではない」という意識が強めなので前作程過激なヘイト思想で戦っている者は少なく、また今次大戦では先の大戦と異なり世界各地で大規模な戦いが発生している訳でもなく、主人公チームのルート上以外では目立った戦闘は起きていない。
というより「目立った戦い」に主人公チームが随時送り込まれるか、主人公チームが敵の大軍とたまたま衝突した(そして破った)ので結果としてそれが「目立った戦い」になったという形になっているため、本作では「主人公の辿った道程がイコール今次大戦の主戦場」の様になっている。
逆に考えれば、(前大戦と比べてだが)規模の小ささとは裏腹に局所的には前大戦をも上回る被害も出ているあたり、戦争技術の進歩のイカれ具合を表しているともいえる。
何よりあれだけの戦禍をだしておきながら(抑止力もあるだろうが)戦略兵器のオンパレード*3なところもあり、結局、人々の意識が思ったより変わっていないことを表しているのかもしれない。

因みに、後述の年表を見ても分かる通り『SEED DESTINY』は本編第1話の時点でまだ開戦前という珍しい作品でもある。


【年表】

先述の通り、『SEED』とは異なり『SEED DESTINY』は公式年表が細かく整備されておらず、一部を除いて正確な事件名や明確な時期が発表されていない
なので以下の年表に登場する事件名はほとんどが仮称である事に留意


C.E.72年3月10日 ユニウス条約締結

第1次連合・プラント大戦の停戦条約がデブリ帯のユニウスセブンの残骸上(に停泊したアガメムノン級マッカーサー艦内)にて締結される。
これによって約1年半に渡った戦争は正式に終結すると共に、兵器の保有数制限や、ミラージュコロイド・NJCの軍事利用禁止等々が定められた。
……が、この条約は僅か2年足らずで有名無実化してしまう事になる。


C.E.73年10月2日 アーモリー・ワンガンダム強奪事件


何でこんな事を……
また戦争がしたいのか! あんたたちは!

第1話。
L4のプラントの新造軍事コロニー「アーモリー・ワン」では翌日に控えた新造艦ミネルバの進水式の準備が進められていた。
そこに地球連合軍非正規特殊部隊「ファントムペイン」が潜入、ミネルバに搭載予定だった最新鋭機「セカンドステージシリーズ」の5機中、インパルスガンダムセイバーガンダムを除く3機が強奪される。
因みに、この2機が難を逃れられたのは、インパルスは既に配備されていたため、セイバーは開発の遅れでその場に無かったため。

勿論、強奪という自体にジン、シグー、ゲイツRや地球に輸送前のディン等多くの防衛隊が緊急出撃するが、根本的な性能差は覆せず、壊滅してしまう。

極秘会談のために偶然現場に居合わせていたプラント議長ギルバート・デュランダルオーブ代表カガリ・ユラ・アスハもこの攻撃に巻き込まれるが両名ともにミネルバに一時避難する形で無事に脱出する。
ファントムペイン追撃の為にミネルバは進水前ながら急遽出撃し、以降長い長い闘いが幕を開ける事になる。

なお、余談だが
  • ザフト兵(あるいはそれに扮した連合兵?)が格納庫までエスコートし、武器を渡している
  • ファントムペインが強奪対象のガンダムの起動方法を把握してるどころかセッティングまで行い、難なく乗りこなしている
  • メンバーの一人であるアウル・ニーダが「情報通り」と零している
  • 外では2機のダークダガーが港と停泊している戦艦に破壊工作を行っている

等の事からこの地点で内通者の存在が示唆されている。
更に、出撃したインパルスを指して、スティング・オークレーが「あんなもの情報になかった」と発言。インパルスの存在を内通者が意図的に伏せていた事がわかる。

C.E.73年10月3日 ブレイク・ザ・ワールド


我らのこの思い! 今度こそナチュラル共にィィィイイ!

第5~7話。
ザフトを脱走した旧ザラ派残党兵士サトーらテログループは、融和に向かおうとする現在のプラントと世界情勢を欺瞞と見做しパトリック・ザラ前議長が果たせなかった「ナチュラルの殲滅」を今度こそ果たそうとしていた。
そこで密かにユニウスセブンの残骸にフレアモーターと呼ばれる装置を設置し、ユニウスセブンの残骸の地球落下テロを画策する。
ユニウスセブンが安定軌道を離れ地球に落ちつつある事は各国の観測チームも察知、ファントムペインの追撃中だったミネルバも一時中断、駆け付けたジュール隊と共にユニウスセブン地球落着を防ぐべく残骸の破砕作業に向かった。
しかしサトーらの妨害により、懸命な作業も空しく破砕は不完全なまま終わってしまい、多数の破片が大きさを保ったまま地球に落下してしまう。
破片が直撃したローマのコロッセオ、アテネのパルテノン神殿、上海の東方明珠電視塔といった歴史的建造物は完全に崩壊、ゴビ砂漠、ケベック、フィラデルフィア、大西洋北部も壊滅、また太平洋沿岸地域を中心に大津波が発生するなど「世界の崩壊」の名に違わない世界的大被害が発生した。

また大津波で壊滅的状況に陥った南米フォルタレザ市では、親がコーディネイターだという理由だけで殺されたことに憤慨した端のゆかぬ3人の子供が操縦するジンタイプインサージェントによる無差別攻撃を受け、エドモンド・デュクロの指揮するリニアガン・タンク部隊と交戦。子供、エド共に戦死した。
それとほぼ同時にフォルタレザ地区郊外のD.S.S.D施設からセレーネ・マクグリフとソル・リューネ・ランジュが「スターゲイザー」と共にトロヤステーションに上がっている。
他にも同時期にも大洋州連合領のオーストラリア南部で地球連合軍とザフト軍と小規模な戦闘が発生し、ユーラシア連邦領内のキルギスプラントでザフト系武装勢力が襲撃し多数の被害を出している。
世界中で反ナチュラル主義のコーディネイターによる無差別テロが発生したため、更に混乱が加速している*4

その一方、被害に遭ったのは赤道一帯が中心とされながらも、丁度その赤道、南太平洋の島国という立地ながらオーブは津波にこそ見舞われたものの大きな被害はなかったようである。
ミネルバ(と乗船したまま作業を見届ける事を決意したカガリ*5)は限界まで破砕作業を続行したため、そのまま大気圏突入を敢行し太平洋に着水、一旦近くのオーブに寄港する。

なお、ユニウスセブンが動いているのはザフトの仕業と誤解したファントムペインも破砕作業中に現地に乱入、テログループも同じザフト部隊と誤認しミネルバやジュール隊とテログループの両方に攻撃を仕掛けるが*6、ミネルバから送られたユニウスセブン落下阻止を行っている旨のメッセージを受け取ったのと、それ以上に帰還限界高度に近付いたのとで撤退した。
そして「テログループはジンハイマニューバ2型に乗り、彼らが仕掛けたフレアモーターでユニウスセブンは落ちた」事実がロゴス経由で大西洋連邦により公開された事、プラントもそれ自体は大筋認めた事などから、
「コーディネイター=ザフトまたはその関与が疑われる者が地球を滅ぼしかねない未曾有のテロを起こした」ことが既成事実化、ロゴスのアジテーションにより地球では俄かに反コーディネイター感情が再燃してしまう。

さながらコズミック・イラ版デラーズ紛争だが、少し違うのは星の屑作戦のように行為を正当化する気がまるで無い純然たるヘイトクライムである*7この事件がそのまま次の戦争の直接の引き金になった事、そして「裏で糸を引いていた黒幕」の存在が示唆されている事である。


C.E.73年11月 フォックストロット・ノベンバー


……が、未だ納得できる回答すら得られず、この未曾有のテロ行為を行った犯人グループを匿い続ける現プラント政権は、我々にとっては明かな脅威であります。
よって先の警告通り、地球連合各国は本日午前0時を以て、武力によるこれの排除を行うことをプラント現政権に対し通告しました。


この青き清浄なる世界にコーディネイターの居場所など無いということを、今度こそ思い知らせてやるのだ!!

そぉら行け!今度こそ!青き清浄なる世界の為に!

第9話。
フォックスノット・ノベンバーになっている資料もあるが、劇中でフォックストロットと明言されているため聞き間違いまたは誤植と思われる。フォックストロット(FOXTROT)およびその略のFOXはミサイル発射(Fire)のFを示すフォネティックコードとして我々の現実世界でも使用されている単語であり、もしフォックスノットがFOX NOTだとすると作戦内容としては変な名前になってしまう。
地球連合はプラントによる「ブレイク・ザ・ワールドを起こしたテログループは全員死亡した」という調査報告を一度は受け入れたにも関わらず、
テロ犯の引き渡し、賠償金、武装解除、現政権解体、連合理事国の最高評議会監視員派遣といった無理難題を要求する。事実上の強制併合の通達である。
プラント評議会メンバーもこれが地球連合とその背後にいる「コーディネイターを殲滅したくて仕方ない連中」による適当な宣戦布告の口実なのは明々白々と理解していたが、
これを受けてプラントも一気に臨戦態勢に突入しては地球連合と市民を必要以上に刺激するだけとのデュランダルの判断からザフトは厳戒態勢を敷くに留める。
尚、デュランダルが穏健派のシンボルとして用意した「偽のラクス・クライン」ことミーア・キャンベルが登場したのもこの時期。

程なくして例の「コーディネイターを殲滅したくて仕方ない連中」こと軍産複合体ロゴス兼反コーディネイター組織ブルーコスモスの盟主ロード・ジブリールに突き上げを食らう形で、
大西洋連邦大統領ジョゼフ・コープランドはプラントに対し宣戦布告、同時に攻撃作戦「フォックストロット・ノベンバー」を発動する。
これにより二度目の大戦「第2次連合・プラント大戦」が勃発した。

先の大戦で壊滅したプトレマイオス基地に代わる新たな月面大規模拠点アルザッヘル基地から発進した地球連合軍艦隊はプラントに出撃。ただ本当に開戦&プラントを壊滅させる気満々だったのはジブリールや、一部のブルーコスモス将校及び後述のクルセイダーズだけで捨て駒の前衛艦隊に所属するダガーLパイロットや艦隊指揮官はやる気なさげな状態で戦闘に望んでいる。
というか地球連合上層部も殆どが同じような感じで、コープランドも宣戦布告こそしたが、ぶっちゃけ「プラントと戦争なんかしたくもないし、そもそも戦争してる余裕なんて全くないのだが、ジブリールに逆らえないから嫌嫌宣戦布告した」という感じだったらしく、その後の態度からもそれは伺える。
ザフトも巨大空母ゴンドワナを含む艦隊を出撃させ迎撃に当たるが、後にこの艦隊は陽動と事が判明、戦闘開始から1時間を待って極軌道から奇襲を仕掛ける核攻撃部隊クルセイダーズによるプラント直接攻撃が本命であった。
核弾頭を2発ずつ搭載したクルセイダーズのウィンダムは大した妨害もなく発射ポイントに到達、核攻撃を開始する。このとき最早完全にイカれた顔で上の台詞を叫ぶブルーコスモス兵*8のカットインは悪い意味でこの戦闘一番の目玉。
完全にユニウス条約違反だが、視聴者間では「ユニウス条約は停戦条約故に、開戦した時点で最早無意味化したのでこうなってしまっては違反も何もない」とする解釈も見られる。

ザフト主力部隊は完全に正面の艦隊に気を取られていたため迎撃は間に合わないかと思われたが、ギリギリで到着したザフトの新兵器「ニュートロンスタンピーダー」で核ミサイル群が巻き込まれ連鎖爆発、更にスタンピーダーはまだ核弾頭を搭載していたクルセイダーズ艦隊にも直撃、内部から誘爆。皮肉にもコーディネイター絶滅の切り札となるはずだった核によってクルセイダーズ艦隊とMS部隊は全滅した。
奇襲失敗に加えて陽動部隊も損害が大きくなってきたため、地球軍艦隊は一旦アルザッヘルへと撤収する。
思い切り出鼻を挫かれた地球軍は、当初のプラントを壊滅した勢いで地上のザフト基地にも一斉攻撃を仕掛ける予定を一時中止、月艦隊及びジブラルタル基地とカーペンタリア基地を包囲し攻撃態勢に入っていた地上艦隊にも以降しばらく待機が命じられた。

一方スタンピーダーは一発限りの発射で量子フレネルが焼き切れ2発目の発射は不可能となっていたためザフトも紙一重の勝利といえよう。*9もし核弾頭が1発でもスタンピーダーから外れていたら、もしスタンピーダーがクルセイダー艦隊に届かず第2波が発射されていたら歴史は大きく変わっていたかもしれない......

今次大戦が先の大戦ほど大規模な戦いではないというのもあるが、これ以降の地球軍の大規模な攻撃作戦と言えば黒海に向けて進撃したのとレクイエムくらいで、後は地球連合から独立しようとする都市の武力制圧やザフトの攻撃作戦を迎撃した程度である。
後述の通り、スエズ基地は動きたくても動けないまま最後まで動けず、カーペンタリア包囲部隊はミネルバにズタズタにされ、ジブラルタル包囲部隊も状況的におそらくは攻撃を行えないまま撤退するなど、各地の戦力や拠点は失ったり消耗したりそうこうしている内にザフトに同調して地球軍から離反したり……と、
結果的には乾坤一擲の最初で最後の大作戦を盛大に空振り、それが後々まで尾を引き以降ズルズル負け続けてリベンジの機会をほぼ最後まで逸し続けた事になる。
フォックストロット・ノベンバーの失敗は、ある意味ジャブローへのコロニー落とし失敗の逆版と言えるかもしれない。
実際ジブリールはこの核攻撃失敗を他のロゴスメンバーに「君の書いた筋書きはコメディなのかね?」などと揶揄されて「以前のプランに戻す、いやより強化する」と言っているが、逆を言えば宣戦布告同時攻撃のタイミングで早くも計画大幅修正を余儀なくされるという非常に雲行きの悪い状況になっている。
結果論にはなるが、ロゴスはこのタイミングでブルーコスモスごとジブリールを切り捨てるべきだったのだが、それをしなかったことが後々に自分たちの首を締める……どころかもっと酷い事態を招くことになる。

なお、この作戦で初めて登場したウィンダムも、ウィンダムで「悪のプラントを壊滅させ、地球連合の威光を見せつけた」と箔を付ける予定だったようだが、スタンピーダーで見事に全滅したことで、箔を付けるどころかケチが付くという、ストライクダガーの二の舞いになってしまっている。


オペレーション・スピア・オブ・トワイライト


では、プラント最高評議会は議員全員の賛同により、国防委員会より提出の案件を了承する。

しかし……これはあくまで積極的自衛権の行使だということを決して忘れないで頂きたい。

第11話。
地球連合による宣戦布告だけならまだしも2度目の本土核攻撃(未遂)までされてはプラント評議会も流石に黙ってはいられなくなり、
評議会は国防委員会からの提案を承認、「積極的自衛権の行使」と題して地球降下作戦「オペレーション・スピア・オブ・トワイライト」を発動する。

デュランダルの方針により「あくまで領土的な野心による降下ではない」という姿勢を徹底させた事やユニウスセブン落下被害への積極的支援に広告戦略を打ち出し、
対して地球連合は反発する市民を武力で無理矢理抑え付けていた事で、ザフトとデュランダルは地球市民からの信頼を短時間で獲得、ロゴスの期待とは裏腹に市民の反コーディネイター感情は一過性のもので終わり、この後に瞬く間に失速して行く
ジブリールは「弱い人は困っている時に手を差し伸べられたら、それが本当は敵であれ嬉しくなってしまうもの」「所詮あんなものは欺瞞だとすぐに気付く」と(議長の行いが酷い欺瞞なのは事実だったが)市民感情やその人心掌握というものを終始かなり軽視しており、
悪意をアジテーションする事と反発する市民やザフトを武力で排除する事ばかり考えていたが、当然ながらそのような無茶な戦略が機能し長続きするはずもなく、後々苦労させられ、延いては自らの首を絞める羽目になる。
というかジブリールがそういう方針を続けてくれたお陰でデュランダル(ザフト)は世論を味方に付け戦争を優位に進められたと言っても過言ではなく、ジブリールはこの頃からせっせと自分の墓穴を掘るのに精を出していたも同然だった。
小説版に至っては終盤に「ある意味ジブリールはデュランダルの最大の協力者だった」などと痛烈に皮肉られている。

カガリを送り届けるついでにその礼としてオーブで整備と補給を受けていたミネルバは、今の情勢ではオーブも中立を維持し切れないと判断、友軍とは連絡が取れないながらも自身の判断で翌朝にはカーペンタリアに向けて出港する事を決断する。


ファントムペイン分隊による中央アジアでの活動

フォルタレザ市テロの翌日、ブレイク・ザ・ワールドの混乱が未だ収まらぬ中、ユーラシア連邦東部キルギスにある、新型駆動コンピュータを開発中である地球軍研究施設がジン一機、バクゥ四機、ガズウート一機の2個小隊規模からなる、ザフト製モビルスーツ及び制式自動小銃、冬季オーバーコート軍服装備の武装集団によって襲撃された。
一報を受けた地球軍本部は直ちに第81独立機動群ファントムペインの一つであるホアキン分隊所属ストライクノワール、ブルデュエル、ヴェルデバスターの3機で構成された1個小隊を出撃させ、これを殲滅した。
ゲリラ部隊でありながら当時最新鋭機であるガズウートを所有していたことからザフト正規軍にも協力者が存在したと思われ、作中ではホアキンの口頭から既に開発中のデストロイの情報を入手していた事が示唆されている。
その後ホアキンはスウェン・カル・バヤンに対し(勝手に)テロリストの訓練キャンプと決めつけた難民キャンプに対し無差別攻撃を行うよう命令、「標的はテロリストに限定しますか?」という質問も「お前はテロリストと民間人の区別が付くのか?」と黙らせ結果的に難民キャンプは105スローターダガー機銃掃射で壊滅した。*10


オーブ、世界安全保障条約締結を決定


大西洋連邦は何も今オーブをどうこうしようとは言ってはおりません。

しかしこのまま進めばどうなります? 同盟で済めばまだその方が良いと、何故お考えになれませぬ!

意地を張り無闇と敵を作り、あの大国を敵に回す方がどれだけ危険か、お解りにならぬはずはないでしょう。

世界安全保障条約(作中では単に「同盟」とも)とは、大西洋連邦からの呼びかけ(・・・・)で始まった地球各国の団結を促す条約である。
オーブ首脳陣の話によると「(オーブだけではなく)あくまで地球のあらゆる国家に対するもの」「ブレイク・ザ・ワールドの被害に遭った地域への救助を効率的に行えるようにする事を含む」との事だが、実態は対プラント軍事同盟であり、反コーディネイターキャンペーンである事は明白だった。
カガリはユニウスセブン破砕作業に尽力してくれたミネルバに乗り、ザフトも地球存亡の危機を防ぐために奮闘してくれた事を間近で見て来た事、中立であるオーブにまで地球連合に加わるように圧力をかけているのも同然である上、
そもそもプラントに一方的な宣戦布告の末に再度の核攻撃をするような大西洋連邦が呼びかける「平和と安全のための条約」など信用できないと猛反発する。
だが、
  • 当時のオーブ首脳陣は大西洋連邦寄りの五大氏族、セイラン家(の当主ウナト・エマ及び跡取りのユウナ・ロマ)の発言力が強く、カガリは人気こそあれかつてのウズミ程の強固な政治的基盤が無かった
  • 「復興支援を円滑にする条約」を蹴るという事は、対外的にはユニウスセブン落下の被害に遭った地球市民の怒りと悲しみの声を無視するかのように見られかねない
  • 被災した市民と「平気で核を撃つような」大西洋連邦を無視した上で「テロ犯を庇う」プラントに良い顔をするのはこの時点では悪手なのは間違いない*11
    • 先述したプラントの広告戦略が成功し世界的反コーディネイター感情が一気に沈静化に向かうのはもう少し先の話で、この時はまだ反プラント感情が燃え上がっている最中だった
  • 大西洋連邦と同盟を結んだところで今すぐオーブの国土が焼かれ市民が犠牲になる訳でもないし、南アメリカのように一方的に併合されるわけでもない
  • プラントもオペレーション・スピア・オブ・トワイライトを発動し、「積極的自衛権の行使」というお題目を掲げつつも降下を開始し本格的な武力衝突に突入した
といった他の首長らの説得や、当時のカガリがシンの身の上話を聞き「ウズミが中立を貫いたせいで犠牲になった市民もいた」事に深く動揺していた直後といった事情もあって結局押し切られる形でカガリも折れ、オーブも世界安全保障条約を受け入る。
なお、先述のような判断を下したタリアは元より、カガリの味方に近い立場のバルトフェルドや関連書籍でも「この時点ではカガリが折れるのも仕方ない」という見方でほぼ一致している。

これによりオーブは事実上中立の方針を破棄すると共に地球連合に加わる事を決定した(※この時点では正式な同盟調印はまだ行われていない)。


オーブ沖海戦(仮称)


こんなことで……こんなことで俺はっ……!!

第12話。
世界安全保障条約締結決定の翌日、ザフトは地球降下作戦を開始、ミネルバもカーペンタリア基地に向けてオーブを出港する。
しかしカーペンタリアを包囲していた地球軍艦隊はミネルバを待ち伏せしており、オーブ軍も領海線上に展開、ミネルバはオーブの領海を抜けた直後の海域で挟み撃ちにされてしまう。
地球軍艦隊の陣容は空母スペングラー級4隻を含む大艦隊であり、対してミネルバは自身のみ、背後にはオーブ艦隊(=一歩でも退けばオーブまで敵に回す)という文字通りの意味での前門の虎後門の狼という状況で海戦となった。
陽電子砲をも跳ね返す巨大MAザムザザーがインパルスをあと一歩まで追い詰めるが、SEEDを覚醒させたシンの猛反撃により地球軍艦隊はザムザザーと空母2隻を含む艦艇6隻を失う大打撃を受け撤退、ミネルバは突破に成功する。

因みに、地球軍艦隊が待ち伏せに成功したのはセイラン家が大西洋連邦とジブリールに同盟参加の「手土産」としてミネルバの情報を漏らしたため。
しかしこの時点のオーブと大西洋連邦の関係は、タリアやユウナが語っている通りあくまで「もうすぐ盟友となる国」であり、条約調印前のオーブは公式的にはまだ中立のままである。
大西洋連邦に擦り寄りたいがためにミネルバを売るというのは、ミネルバに対する不義理を通り越してプラントに対する最悪な挑発行為にして敵対宣言同然の行為と言う他ない。
タリアからも出航前に直接謝罪に来たカガリの誠意すら疑われる始末であり、ミネルバとプラント側の対オーブ感情を必要以上に逆撫でするあまりに危険で迂闊な行為だった。
ユウナは「これから仲間になる国と敵対する国に対して取るべき態度というものがある。国政の場で感情でものを言うな」といった風に尤もらしくカガリに説教したが、
当時のオーブの状況を鑑みればこれは現実的な指摘とは到底言えず、むしろユウナの方こそこの行為が後々どういう結果を齎すかを全く考えていないあまりに浅はかな行為である*12
後々明らかになるユウナ(というよりセイラン親子)が何を考えていたのかを鑑みるに、「どうせプラントは連合の物量を前に負けるに決まっているのだから、将来の敗戦国相手に気を使う暇があったら今後の同盟相手に恩を売っておいた方がお得」くらいにしか考えていなかったのだろう。
そして不味いことに、オーブ軍司令部にも後々の災いを予見しユウナとカガリに提言出来る軍人は居なかった。
劇中この決定の不味さを明確に理解していたのは現場のトダカ一佐だけであった。


C.E.73年12月 ラクス・クライン暗殺未遂事件(仮称)


良いな、彼女の死の痕跡は決して現場に残すな。だが確実に仕留めるんだ。

第13話。
全てが秘密裏に進められ、その証拠も全て消滅したため事件といってもおそらくコズミック・イラの歴史書には乗らず、そもそも大戦とは直接的には関係ない出来事だが、後々に非常に大きな影響を及ぼすことになるため便宜的に記載。
恋人のキラ・ヤマトや盟友マリュー・ラミアスアンドリュー・バルトフェルド、マルキオ導師らと共にオーブで孤児院を営みながら隠遁生活を送っていた本物のラクス・クラインだったが、そこにラクス抹殺を狙う謎の特殊部隊が襲撃した。
マリューらにより特殊部隊兵士は撃退されたため、次は水陸両用MSアッシュまで持ち出し爆撃するという形振り構わない様を見せるが、密かに修復された上で封印されていたキラのかつての愛機フリーダムによりアッシュは全機行動不能にされた。
特殊部隊はその後全員が自決したため襲撃犯の詳細もその黒幕も分からず終いだったが、「襲撃犯は明らかによく訓練されたコーディネイターだった」「アッシュはザフト正規部隊に配備直後の最新鋭機」
そして何より「『ラクスを暗殺しなければならない事情』と『ザフトの最新鋭機を用いて作戦失敗時には全員が即自決する程の忠誠心を持った特殊部隊をオーブに差し向けられる力』を併せ持つ者など何人もいない」という点から、
ラクスらは暗殺犯の黒幕は、偽ラクスの黒幕である事も間違いないデュランダルではないかと疑い始め、バルトフェルドが予定していた一同のプラントへの引っ越しも取り止めとなる。

+ 続編のネタバレ
当初は単にラクスの危険性や、後々の政敵となる可能性から始末しようとしたのだろうと推測されており、結果としてそれが原因でラクス陣営を敵に回した事で全ての計画が破綻する結果となったため、
「デュランダルは事を急ぎ過ぎた」「ラクスを味方にした方が良かったのではないか」と言われる事が多かったが、『SEED FREEDOM』の影響でこのタイミングで暗殺という行動に出たことに他の理由も生まれてしまった
デスティニープランが実行されればその世界で頂点に立つのはラクス(とオルフェ)になってしまうため、事が本格的に動く前に排除しておきたかったのだと思われる。
ただし、ラクスの味方化は性格上困難と予想される(仮に騙せても突如敵になったら危険)・偽ラクスという形でデュランダルもその権威をフル活用しているため、単一の理由ではないと思われる。

後藤リウ著の『SEED FREEDOM』小説版のアウラの独白によれば、アウラとデュランダルは協力関係にあったが、ラクス・クラインの扱いに対しては意見の差異があり、アウラは何としても赤ん坊の時に手放すことになった最高傑作のアコードであるラクス・クラインを取り戻したかったが、デュランダルはラクスの能力の高さを恐れ切り捨てるべきと主張していた。
デュランダルを父のように慕っていたオルフェだがこの件に着いては何ら知らされておらず、彼はラクス・クラインを自分の伴侶にと求めていたがデュランダルからはハナから梯子を外されていたのでは?と推察される。



世界安全保障条約締結/カガリ・ユラ・アスハ誘拐事件(仮称)


(頼むぞアークエンジェル。カガリ様とこの世界の末を)

第14話。時系列は、劇中の台詞通りであればオーブ沖戦の翌週中辺りになる。
ラクス暗殺未遂の少し前、オーブの世界安全保障条約締結予定に日を合わせる形で、カガリとユウナの結婚式が開かれることが突然決まる。
当然これは市民からの人気の高いカガリを取り込む事でセイラン家の影響力拡大を狙った政略結婚であり、ユウナは乗り気だったがカガリは国のために仕方なく受け入れている……というより国のためにこうするしかないと思い詰めてしまっている状態だった。
カガリはキラに宛てた個人的な手紙で結婚を告白するも、キラ達はこの結婚は本意ではない(政略結婚とはいえ実の弟であるキラも呼ばれてないどころか知らされてすらいない)事を察し全力を挙げて式を潰すと決意、
オーブ市民として暮らしていたノイマンらかつてのクルーを呼び集め、地下ドックに秘匿されていたアークエンジェルで出発する。

結婚式は途中までは順調に進むも、フリーダムが結婚式場に乱入しカガリを拉致、急行したオーブ軍も突破してアークエンジェルに合流した。
護衛艦隊は「対応は慎重を要する」「カガリの救出を第一とせよ」との命令を受けるが、元よりセイラン家を良く思わないトダカ一佐はカガリがいずれ「真のオーブ」を取り戻すと信じて「対応は慎重を要する」という命令を盾にアークエンジェルに敬礼しつつ部下に何の命令も出さず、
他の護衛艦群の艦長らも同じ気持ちだったのか彼らも敬礼したまま動かずフリーダムとアークエンジェルを見逃すという対応を取る。
「対応は慎重を要する」のも事実とはいえ明らかなサボタージュ行為だが、これによってトダカらが何らかの処罰を受けたというような話はない。
命令通り、慎重に対応したらこうなった」という言い訳が通ったのだろう。
小説版では、他の敬礼していた艦長達もかつて地球軍の侵攻に対してアークエンジェルと共にオーブ防衛戦を戦った者たちだったとされている。やはりトダカと同じ気持ちだったのだろう。

言うまでもないが「国家元首の結婚式に乱入してその元首を誘拐する」など本来なら超ド級の大犯罪であり、カガリも勝手かつ無茶な行為をしたアークエンジェルクルーに猛抗議したが、
オーブが大西洋連邦に加入する事の危うさを説かれると共にその本心を見抜かれた事で、カガリはアークエンジェルに同行する事を決める。
この後アークエンジェルはしばらく文字通り潜伏、ルートは不明だがオーブと友好的な中立国スカンジナビア王国に匿われた。

世界安全保障条約自体はこの後に遂に締結されオーブは中立を破棄・プラントと正式に敵対関係となり、代表首長であるカガリが行方不明となった事でオーブの実権は実質的にセイラン家が掌握する。


インド洋海戦(仮称)


あっははははァ!! ごめんねぇ、強くてさぁ!!

第16話。
第15話ごろにカーペンタリア基地に到着したミネルバは、特務隊FAITHとしてザフトに復帰したアスラン・ザラと合流し、更にタリアまでFAITHに任命される。
そこでミネルバに下されたのは、「ジブラルタル基地に向かい、現地で準備中の地球軍スエズ基地攻略作戦を支援せよ」という、偶然地球に降りてしまっただけでミネルバは本来宇宙艦な事を考えれば一見して奇妙なものだった。

ともあれミネルバはボズゴロフ級ニーラゴンゴを僚艦としてカーペンタリア基地を出発するが、その道中のインド洋にて地球軍部隊に襲撃され海戦となった。
地球軍部隊を指揮するのは地球に降下していたファントムペイン(ロアノーク隊)であり、更に現地の建設中の前線基地駐留部隊の戦力も強引に徴発、カオス、アビス、そしてネオと基地の30機ものウィンダムでミネルバを襲撃した。
アビスによりニーラゴンゴは沈められそちらの艦載MSも全滅するが、前線基地から徴発したウィンダム部隊も主にシンの活躍により全滅、更にその前線基地も偶然シンに発見された事で壊滅*13しミネルバは突破に成功した。


ユーラシア連邦の政情不安化


毎日毎日、気の滅入るようなニュースばかりだねぇ。なんかこう、気分の明るくなるようなニュースはないもんかねぇ?

水族館で白イルカが赤ちゃんを生んだとか、そういう話?

この頃からユーラシア連邦西部(中東から東欧辺り)では大西洋連邦の横暴に遂に耐え兼ねて地球連合からの独立の機運が急速に高まり、それを地球連合が武力で鎮圧しようとした事で現地の状況は混沌とし始める。
先の大戦でもサイクロプスでユーラシアの部隊を生け贄にされるなどした事で大西洋連邦には不満が溜まりつつあり、それに加えて先の同盟も強引に進めた事でいよいよ我慢が限界に達したのだろう。
ミネルバがジブラルタルへ向かうよう命じられたのはこのためでもあり、後のガルナハンでの戦闘や地球軍の黒海に向けての進撃、更にはデストロイによる殲滅などといった今次大戦の大きな事件・戦闘の発端と言えるムーブメントである。


ガルナハン・ローエングリンゲート突破作戦


そこで今回の作戦だが……

そのモビルアーマーをぶっ飛ばして、砲台をぶっ壊し、ガルナハンに入ればいいんでしょ?

それはそうだが、俺達は今どうしたらそうできるかを話してるんだぞ? シン

第18話。
地球軍の大規模拠点スエズ基地にほど近いザフトのマハムール基地(クウェート沿岸辺り)は、スエズを叩いておきたいものの迂闊には手出しできず、しかしながら「積極的自衛権の行使」という建前上いつものような大規模な降下作戦もできずという状況柄、手をこまねいたままでいることを余儀なくされていた。
一方の地球連合もスエズを拠点にマハムールとジブラルタルを落とし、すぐにでもザフト勢力圏であるインド洋と西欧を奪回したい所だったが、中東が不安定な今の情勢でそれを無理に行えばスエズは陸路が分断され孤立、作戦を果たす前にスエズが干上がってしまうことから地球軍もまた今すぐ大規模作戦とは行かない状況だった。
そこで地球軍は火力プラントを中心としたガルナハンの町(カスピ海の南西辺りの山間い)を強引に占領して要塞化、一大橋頭保を築きユーラシア西側へのルートとすると共に中東・西ユーラシアの市民や現地レジスタンス軍に睨みを利かせていた。
しかもマハムール基地からガルナハン基地への地上からの侵攻ルートは峡谷一本に限られ、そこにはローエングリン砲台と陽電子リフレクターを装備したMAゲルズゲーが陣取る「ローエングリンゲート」が設置されているお陰で難攻不落を誇っていた。

マハムール基地に到着しこの状況を聞かされたミネルバは、「ガルナハンを落とせばユーラシア西側が一気にザフト有利に傾く」「というかガルナハンを落とさない事には目的地ジブラルタルまで行けない」という事で現地のラドル隊やレジスタンス部隊との共同作戦によるガルナハン基地攻略作戦を実施する。
インパルスの活躍でミネルバはローエングリン砲台の破壊に成功、ガルナハン基地は陥落すると共に近隣住民も解放された。
元々ガルナハン基地が現地の民間人を厳しく弾圧していた反動で基地陥落後は現地市民の怒りと報復心が爆発、その勢いで市民は地球連合の旗を焼き捨てる……くらいならまだしも逃げ遅れた地球軍兵士をリンチする、一列に並べて処刑するといった問題行動に出ている*14

ちなみにいかにもミネルバが自然な流れで現地部隊の作戦に協力するようお膳立てされたかのような状況をタリアは「どこの狸がこんな事を考えたのやら」と皮肉っているが、丁度その場面でデュランダルが映っている
おそらくそういう事なのだろう。


この時期の宇宙での戦況について


ユーラシアの政情が不安定化して行く中、ミネルバもロアノーク隊も地球に降りた後の宇宙はどういう状況だったかというと、デュランダル曰く「両軍共に特に大きな動きが無く散発的な小競り合いがずっと続いている状態」とのこと。
そもそも、
  • ジブリールやブルコス派以外あまり戦争に乗り気でない、というか本当はユニウスセブン落下テロ被害の復興を優先したい大西洋連邦
  • あくまで最低限の自衛戦争をお題目とする以上、積極的な攻勢には出られないデュランダル体制下プラント
この両者がぶつかればさもありなんというものだろう。


地球連合軍の黒海派兵


黒海には彼等に行ってもらえばいいんですよ。同盟国の責務としてザフトを追っ払いに。

最早あの国にノーは言えますまい。この間も面白いものが飛び出して、またこちらを驚かせてくれたりもしましたけどね。

本編第22話。
ユニウスセブン落下からこっち散々地球の反コーディネイター感情を煽って来たロゴスだったが、ガルナハンやその陥落の煽りを受けて連合から解放されザフトの基地が設置されたディオキア(黒海西部沿岸)の市民の反応は真逆であった。
反発する市民を武力で弾圧する地球軍と比べ、多少怖くとも危害を加えたりしないどころか真っ当に支援してくれるコーディネイターの方が余程紳士的との声もあり、ディオキアでは軍服姿のザフト兵が町をうろついても普通に受け入れられているばかりか市民にモテている様子さえある始末。
上記の通り地球連合に反発したりプラント(ザフト)を受け入れ始める市民も少なくなく、ファントムペインもミネルバには黒星続きと、件の条約とジブリールの目論見は早くも綻び始め、ロゴスの傀儡なはずのコープランドにすら負け続きな割にジブリールのやけに強気な姿勢をあからさまに呆れられる有様だった。

「大西洋連邦は復興支援でもう手一杯」(SPエディションでは更に「ジブリールご自慢のファントムペインも負け続きではないか」とかなり強い語調で付け加えている)とコープランドにド正論を言われた上に増援を断られたジブリールは現状に苛立ちながらも、黒海のザフトを撃滅し実力でユーラシア西部での影響力を取り戻すべく、未だ豊富な戦力を持つオーブを動員させる事を決定した。
条約に基づき(というかジブリールに良い所を見せたい)ユウナはこれを快諾、地球軍スエズ基地のファントムペインと合流すべく空母タケミカヅチを旗艦とする全7隻からなるオーブ軍艦隊を出撃させ、ユウナも総司令官として同行する。
この時オーブ艦隊は喜望峰回りという超遠回りを強いられている事が語られている。
「喜望峰ルート」と言えば通常ヨーロッパとアジアを結ぶ航路の事だが、オーブ(南太平洋)を出発してスエズ(アフリカ大陸北西)を目指すために「喜望峰回り」を行うのは少々奇妙である。
東へ向かいパナマかアルゼンチンを経由して喜望峰を通り、アフリカ大陸西側を沿うようにしてスエズ入りしたのだろうか? だとすれば本当にかなりの遠回りである(実際ネオの副官もオーブ艦隊がかなりの長旅をしたらしい事に言及している)。
トダカの副官アマギも同様の疑問を口にしていたが、トダカ曰く「ステージは黒海だ、インド洋には観客が居ないんだろう」とのことだがこれが遠回りをするためのどういった根拠かは不明。

地球軍の動きを察知した地上のザフト全軍もこれの迎撃を命じられ、ディオキア基地に居たミネルバも出撃する。


ダーダネルス海峡海戦(仮称)


私は、オーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ!
オーブ軍、直ちに戦闘を停止せよ! 軍を退け!

本編第22~23話。
オーブ軍側(というよりユウナの個人的な?*15)呼称は「ダルダノスの暁作戦」。
黒海周辺のザフトを撃滅すべくスエズ基地から出撃した地球連合・オーブ艦隊に対し、ディオキア基地で新たなFAITH隊員ハイネ・ヴェステンフルスが加入したミネルバもダーダネルス海峡(エーゲ海と黒海を繋ぐ内海「マルマラ海」のエーゲ海側の海峡)で迎え撃つべく出撃する。
インパルス・セイバーが随伴するミネルバがダーダネルス海峡を出た所でオーブ軍もMS隊を発進させた事で戦端が開かれた。

この戦闘を察知したカガリは、全くオーブの為にならない戦いを始めようとするオーブ軍を止めるべく戦闘に介入する事を決意、カガリはフリーダムと共に自身の紋章入りの愛機ストライクルージュで戦場に乱入する。
カガリはオーブ軍兵士に戦闘停止を呼びかけるが、オーブ側の指揮官であるユウナはネオからの恫喝に近い状況説明要求を受けてカガリを偽物と判断、カガリとアークエンジェルに半ばヤケクソで攻撃を命じる。
結局戦闘は停止させられず、またフリーダムの乱入が直接的にミネルバクルー数人と*16、間接的にハイネの戦死を招いてしまったことで*17、ミネルバはアークエンジェルに不信感を持つようになる。
この後地球軍艦隊は一旦撤退し、ミネルバも破壊されたタンホイザーの修理の為にマルマラ海の港に寄港する。

+ この戦闘のユウナの置かれた状況についての考察
この戦闘でのユウナの言動は人によっては「ユウナは精一杯、むしろ必要十分やっていた」との見方もあったが、時期の経過に連れて異なる意見も増え始めている。

オーブ軍はミネルバが海峡を出た所を矢面に立ってガンガン攻める(ネオの部隊はそれに続いて側面から攻める)というネオの副官も半ば呆れ気味に感心するほど積極的かつ攻撃的な戦術を取っているが、これは事前のネオとの打ち合わせでユウナが提案したもの。
「敵を待ち伏せして豊富な戦力で一気に叩き、待機する味方が側面から加勢」……作戦自体は手堅く、大間違いという訳ではないためユウナがこの作戦の形を立案した事自体は無能ではない。
しかしネオにおだてられていい気になり、オーブが自ら進んでオーブ軍を鉄砲玉として擦り潰される作戦を提案させられている事にユウナは全く気付いていないため、オーブ軍を指揮する立場としては決して有能ではない。

そもそもユーラシア西側のいざこざには全く関係ないオーブが黒海くんだりまで来させられているのはジブリールの思い付きのようなもので、「同盟を組んだ以上は地球軍の仲間として戦う意義はある」のは確かだがオーブ軍だけが頑張らねばならない訳ではないしそう圧力を掛けられた訳でもない。
ましてやこの時既にセイラン派が同盟締結の理由として持ち出していた「地球各地の被災者の嘆きの声」「プラントに対する反発」は先述の通りかなり沈静化しており、既に「オーブも地球国家の一つとして頑張らなければ地球全体を敵に回しかねない」ような状況ではなくなっている
つまりオーブ軍が単独でこんなところで張り切っている事自体がユウナ(セイラン家)の政治力の低さを物語っていると言える。
また小説版ではトダカは程々に戦いつつ徐々に後退し、控えている大西洋連邦軍を戦場に引きずり込む事で自軍の損耗を抑える作戦を立てていたのだが、ユウナがやたら戦力を投入しまくりオーブ軍だけでミネルバを落とさんばかりの激しい攻撃に出ていたのは、
どうも戦いのセオリー以上に「オーブの力だけでミネルバをブチ落としてオーブの威光と勇敢さをネオとジブリールに知らしめるため」……早い話が「大西洋連邦やジブリールにいい所を見せたい」という見栄らしい事が言動の端々に見え隠れしている。
政治の世界に於いて見栄というものは非常に大事であり、それ自体は一概に軽視されるべきものではない。
しかし、借りられる味方の力を借りず、自軍兵士の損耗を何も気にせず力押しに徹し、セオリー通りにやっているのに敵エース機がなかなか落ちない事にイライラするそれも自分の見栄のために、しかも勝ったところで大した利にならない可能性が高く、口約束な上に自分から行動しているので負けてもジブリールに責任を押し付けることすらできないという辺り、司令官として褒められた姿勢ではない。

ネオに迫られて乱入して来たカガリを偽物と断じ攻撃を命じた事についても、自分の保身を第一として(何せ彼がルージュを偽物と見做した理由の一つが本物のカガリなら自分に恥をかかせる訳ないからである)やけっぱちな攻撃命令を出すなど、ヘタレな小物としての性根が丸分かり……だがこればかりはユウナに同情できる面もある。
ユウナも言う通り、この状況で戦場に突如乱入し戦闘停止を呼び掛けるカガリと名乗るアンノウンを迂闊に本物と認めるのはかなり危うい。
オーブの元々の姿勢はどうであれセイラン家と現オーブの方針は親大西洋連邦路線である以上、この場では大西洋連邦と事を荒立てるだけのカガリの声を鵜呑みにすれば、最悪オーブ艦隊はロアノーク隊に背中から撃たれミネルバとの挟み撃ちにされかねない。
既にプラントには喧嘩を売ってしまっている以上、ここで下手な事をすれば大西洋連邦(ジブリール)まで敵に回しかねず、慌てふためくユウナの態度が情けなかったのは事実だがユウナからすればこの場を切り抜けるためにはカガリを敵と見做す他に選択の余地は無かっただろう。

一方、流石にIF過ぎるので深く掘り下げないが、この時代では伝説的存在となっているアークエンジェルとフリーダムがカガリと共に現れた状況を利用し上手い具合に口八丁を展開すればオーブは「伝説」が味方に付いていると連合とザフトに示し、
程々に戦闘を行いつつもオーブ軍ばかり消耗するような現状を回避し、更には連合・ザフト双方からオーブに迂闊に手出しできなくさせる事もできた可能性がある。
勿論この方法で事を丸く収めるにはユウナが相当上手く立ち回らねばならないし、その上でもオーブに都合よく事が転がる保障は無い。
よしんばこの場を切り抜けられてもそんな大ボラを吹いて後でどうなってしまうか分かったもんじゃない(本編より悪化する可能性も十分ある)ので、これは色々な事が理想に近い形で動いてくれればもしかしたら……くらいの可能性の話となる。
ともあれ、「勝ち馬に乗り切った後のためにボスにゴマを擦りまくりたい」くらいのことしか考えていないユウナにそんな一世一代のペテンを仕掛けられるような度胸も弁舌もましてや矜持も無いのは確かであり、その辺りにユウナの限界が見えるというものである(勿論上記の通りユウナの判断は「安全策」ではあり、アドリブでこのような危険な博打に出ないのはある意味「理性的」でもある)。
結局ユウナが固執した「オーブの勇敢さを知らしめる」ことは、しばらく後におそらくは本人が望んでいたのとは大きく異なるだろう皮肉な形で果たされる事になる。



クレタ島沖海戦(仮称)


分かるけど……君の言うこともわかるけど……
でもカガリは、今泣いているんだ!

第27話。
マルマラ海で寄港中にシンとレイに下された強化人間研究所の調査任務で偶然捕虜とした強化人間兵士ステラ・ルーシェを乗せたミネルバは、エーゲ海を通りジブラルタル基地を目指していた所、またもや待ち伏せしていた地球軍艦隊と交戦した。
一方カガリも、またしてもオーブ軍が矢面に立たされ戦わされる状況となってしまった上、この戦闘の少し前にアスランとの秘密会談で「このような事はもうよせ」と忠告を受けていたが、オーブ軍の説得を諦め切れず再度の乱入と説得を決意、アークエンジェルと共にクレタに向かう。

またしても戦場に乱入し停戦を呼び掛けるカガリだったが、地球軍(オーブ軍)は構わず戦闘を続行、ミネルバもダーダネルスで艦を損傷させられ仲間を失った事からアークエンジェルを敵と認定、ダーダネルスの時と同様双方の敵として攻撃を受けてしまう。
それでも粘り強く説得を続けるもオーブ軍も折れず、またしても説得は失敗に終わる。なお今回はフリーダムとアークエンジェルは前回ほどの直接的な武力介入は行っていない。
この戦闘でミネルバはオーブ軍の馬場一尉とその部下たちの特攻で船体と武装に大ダメージを受け、ルナマリアのザクは大破しルナマリア自身も重傷、レイのザクも中破、更にアスランのセイバーもバラバラにされるという深手を負うが、
シンの獅子奮迅の戦いによりアビスを撃墜、オーブ軍艦隊も多くを殲滅、旗艦タケミカヅチをも撃沈する大戦果を挙げ突破に成功した。

この戦闘の終盤、トダカの指示でタケミカヅチは空母でありながら突撃、ミネルバの格好の的となりインパルスに撃沈されるという、進んで負けに行くかのような行動を取っている*18
一見すると空母一隻を無為に犠牲にする異様な判断だが、これは「タケミカヅチ奮戦空シク玉砕ス。指揮官トダカ一佐、敗戦ノ責任ヲ取リ自決ス。ソノ奮闘ニ餞ヲ贈ラレタシ」という体裁を作るためのものである。
トダカも本心ではカガリの意思に従いオーブ軍を下がらせたい、しかしながら体面というものもあるので素直に帰る訳にも尻尾巻いて逃げる訳にも行かない……というのはダーダネルスの時と同様だが、では帰るしかなくなればどうか?
「オーブ軍は最後まで勇敢に戦った」ことを既成事実化させて地球軍(とユウナ)に義理を果たし、自分が一人居残ることで「しかし負けた」責任を全て自分の命に押し付ければ、オーブ軍は同盟を放り出してスタコラ逃げた訳ではなくなる。
タケミカヅチの突撃は、自分の命と引き換えながらオーブの理念と最低限の体裁を守りつつ、オーブ軍の戦闘を終了させ残った兵士をカガリの元に届けさせることで「いずれオーブを取り戻すカガリの力にさせる」というトダカが打てた唯一にして最後の一手だったのである。

カガリの意思を受け取ったトダカの指示によりアマギ一尉やエース三人組を始めとしたタケミカヅチクルーの一部は実際にアークエンジェルに向かい合流、半孤立状態だったカガリの貴重な仲間となる。
これに伴いアークエンジェルは「国を離れて単独行動中のカガリと数名の仲間たち」から「セイラン派に対抗するアスハ派クーデター軍」「カガリ直属の非公式直属部隊」に近い性質となり、後のカガリ復権に向けての重要な力となって行く。
なお、アークエンジェルは何度も何度も戦場に介入しいたずらに状況を混乱させたというイメージがよく付き纏うが、実はアークエンジェルの戦闘介入はダーダネルスとこの時のみで*19、他に「乱入」と言えそうな戦闘も、ベルリンの時は人道支援的な側面が強く、そもそもこの時はアークエンジェルが現着した時点で現地ザフト部隊は既に全滅していた。オペレーション・フューリーの時はそもそもオーブ防衛戦である。

+ この時のカガリが置かれた状況についての考察
この前のダーダネルスの戦いもそうだが、アークエンジェルとカガリ・フリーダムの戦場介入は視聴者からは非常に意見の分かれている。
かつてはカガリ(アークエンジェル)やトダカへの非難一色も同然だったが、放送から時間が経った今では異なる見方も増えて来ている。

上記の通りオーブ艦隊としてはいかにカガリの言葉と言えども素直に「はい分かりました帰ります」とは言えずああするしかない状況だったのは確かで、一度は正式に締結した同盟を簡単に翻意するのは一歩間違えれば最悪オーブそのものの国際的な立場を危ぶめかねない。
馬場一尉も言うように「今はセイラン家が指導者である以上、一軍人としては辛かろうが悲しかろうがセイランに従うしかない」というのも至極尤も。
実際問題キラもカガリも、「戦場に介入し説得するという行為が本当に正しいかは分からないが、何もしない訳にも行かない」と思っての行動なので、自分達の行動を絶対に正義とは信じていない。

とはいえアスランの言う通りあの後すぐオーブに戻って普通の方法で現状をどうこうするのも難しい状況だった事、故にカガリも理想の為には多少無茶な手に出るしかない面もあったのもまた確かではある。
同盟締結時がそうであったように、当時のオーブ内閣府はセイラン家の根回しでカガリは半ば孤立しており、それを正攻法で突破できるほどの地盤もカリスマも、搦め手でどうにかできるほどの腹芸も身に付いてはいないのは上記の通り。
一度は勢いで同盟締結を押し切られたカガリがこの時点で巻き返せるとは考えにくく、というかそんな事ができるならそもそも同盟締結自体を防げただろう。
「アスハ代表として、この派兵に反対である」という姿勢を示すだけなら戦場に割り込む必要は無く、オーブに帰れないにしてもテレビ放送などの少なくとも戦場に介入するよりは安全な形で声明を出すといった手もあったかもしれないが、おそらくカガリの性格的に直接兵士に声を届け、何が何でも兵士達を止めたいという思いとそれを伝える事を優先したと思われる。
そしてカガリが戦場に直接出て来たのは勇み足だった感があることも否めないが、カガリがアークエンジェルと共に戦場に現れ体を張ってオーブ軍を止めようとしたからこそ、オーブ軍内のアスハ派軍人の信頼を確たるものにできたのも事実である。

また、キラ達からしても偽ラクスや暗殺からの数少ないながら確固たる情報からの懸念は的中していたことが後に判明しており、行動するのが不安だからといって何もしなければただただ状況悪化するのみだった。


ユーラシア連邦西部無差別攻撃(仮称)


フハハハハハハハハ!! どうです? 圧倒的じゃないですか、デストロイは

「確かにのう……全て焦土と化して何も残らんわ」「どこまで焼き払うつもりなんだ、これで」

そこにザフトがいる限り、どこまでもですよ。
変に馴れ合う連中にもう一度はっきりと教えてやりませんとね。我等ナチュラルとコーディネイターは違うのだということを
それを裏切るような真似をすれば地獄に堕ちるのだということをね……

第31~32話。
ダーダネルス、クレタと続け様に敗北し地球連合が劣勢となりつつある中、かねてからの大西洋連邦の横暴に不満を募らせていた上、自分たちの支援にも積極的で更には連合軍の横暴から何度も救われたユーラシア連邦は徐々に親プラント化して行き、西ユーラシアの各地でプラントを受け入れてはザフトの駐留を許すようになる。
反コーディネイターで団結するどころか次々プラント側に寝返られる現状に焦ったジブリールはファントムペインに巨大MSデストロイで親プラント地域を一掃することを命令、ベルリンを含む四つの都市を瞬時かつ徹底的に破壊する。*20
成す術なく全滅した現地のザフト部隊に代わり駆け付けたアークエンジェルとミネルバによりデストロイ、カオス、ネオのウィンダムは撃墜され、デストロイに乗っていたステラは戦死、ネオもアークエンジェルの捕虜となったことでロアノーク隊は実質壊滅した。
ただしカオスのパイロット、スティングは撃墜されながらも生存し友軍に回収されている。


デュランダルによる全世界へのロゴス告発放送(仮称)


私が心から願うのは、もう二度と戦争など起きない平和な世界です。

よってそれを阻害せんとするもの…世界の真の敵!ロゴスこそを滅ぼさんと戦うことを私はここに宣言します!

巨大MSで東欧4都市を壊滅させ大勢の一般市民を粛清するという暴虐を過日*21テレビ放送で糾弾したデュランダルは、その背後に秘密結社ロゴスが居る事とその構成員の氏名・顔写真を公開、「最低最悪の無法を働いたMS部隊の背景には、それを使って金稼ぎをしている黒幕が存在する」と発表しそれを知った市民の反ロゴス感情は急速に増大して行った。
ただ、「デストロイの背後にロゴスがいる」のは事実だが、ロゴス自体は複数の世界的企業のトップの結社であり、カガリですら「彼等のグローバルカンパニーと関わりのない国などあるものか」と言及したように、ロゴスと何の関わりもない国家や企業というものはほぼ存在せず、ロゴスと関りがある=悪ではない
つまり「ロゴスこそ戦争を煽り続ける世界の敵」かのようなデュランダルの喧伝は悪意的な誘導が非常に強いのだが、ロゴスによって罪の無い一般市民が多数犠牲になった上での今まで信用を積み重ねたデュランダルの明瞭で過激な発言によって世界中の市民が狂信の徒と化した。(作中カガリやイザーク・ジュールらは状況を冷静に分析していたが彼らは家柄もコネクションもある「持てる者」であり、エースパイロットとはいえ難民上がりの一兵卒であるシン・アスカ含め民衆の多くは「持たざる者」であるので、「自分達を苦しめる戦争で儲けているロゴス」に対しての憎悪はもっともなのであるが…。)

……デュランダルは事前にデストロイの存在を把握していながら、それを阻止することをせず敢えて侵攻させて(しかも送るべき援軍を送らず)上記の流れに持っていくことで自身が有利になるようにしていたフシすらあり、徐々に視聴者目線だけではなく劇中の登場人物からも怪しまれる行動が明確に増えていくこととなる。

なお、ベルリンでの戦闘の様子も公開されていたが、インパルスと共にデストロイ撃破に尽力したフリーダムとアークエンジェルの姿は全て画像処理で消されており、全てはザフトが対応した事になった。
「曲りなりにもデストロイ停止に尽力したアークエンジェルとフリーダムの活躍は無かった事にした」訳であり、元々キラ達から(自身にとっては半信半疑の)話を聞いていたこともあってこの頃からアスランもデュランダルに不信感を持つようになる。


エンジェルダウン作戦


あんたがステラを殺した! 止めようとしたのにぃぃっ!!

あんたは俺が討つんだ! 今日! ここで!

第34話。
これのみザフトの作戦名の命名則に反しており、何故か「オペレーション・エンジェルダウン」ではなく「エンジェルダウン作戦」である。

プラント・ザフト司令部は「不意に戦場に現れては戦況を混乱させる所属不明の武装集団」であるアークエンジェルを正式に敵と認定、討伐作戦を実施する。
北海に逃げようとするアークエンジェルをミネルバとウィラード隊が追い詰め、遂にアークエンジェルとフリーダムの撃破に成功した。

しかしアークエンジェルは分離させたエンジンを囮にして逃げ延びており、フリーダムも大破したもののキラは生存していた。
アークエンジェル程の巨艦を撃沈したにしては残骸が少なった事から生き延びているのではないかという疑いはあったものの、ひとまず作戦は成功として扱われる。

この頃には先のロゴス公表を受けて怒りを爆発させた民衆が世界各地で蜂起、居場所を突き止められたロゴス構成員が市民に襲撃され始める。
ジブリールら一部メンバーは身の危険を感じ地球軍地球本部ヘブンズベースに避難するが、逃げ損ねたメンバーは市民にリンチにされる末路を迎えた。
上記の通り「戦争で儲けている死の商人」というのはロゴスの一側面に過ぎず、実際にはあらゆる国家とあらゆる産業に関わるロゴスの急速な瓦解は世界各地の経済に大きな混乱を招いて行く。


対ロゴス同盟軍集結


しかし凄いものですねえ。こんなに連合側の軍が参集してくるとは。

ええ。でもなんかこう……落ち着かないわね。

ほんと、これで一斉に裏切られたらジブラルタルはお終いですね! はっはっはっ! ……あ、あれ?

もう馬鹿なこと言わないのアーサー! そうでなくとも作戦前でみんなピリピリしてるのに!

すすすみません!

第35~37話。
地上のザフト部隊は対ロゴス戦に向けてジブラルタル基地に集結を命じられミネルバもジブラルタルに移動、デュランダルも陣頭指揮を執るべくジブラルタルに降り、更には地球連合軍を離反したユーラシア連邦・東アジア共和国の部隊を筆頭に一部の地球軍艦隊までもが参集する。
またシンとアスランには新たな専用機として最新鋭機デスティニーレジェンドが支給されるが、デュランダルへの不信感が限界に達した&濡れ衣で拘束されるところだったアスランはメイリン・ホークの手助けを受けつつ作戦前にザフトを脱走、グフを強奪してアークエンジェルとの合流を目指すもシンに撃墜された。
この時レイは咄嗟にレジェンドに乗り込み、そのまま彼の愛機となる。

なおミネルバ副長アーサー・トラインは上述の懸念を述べ艦長タリア・グラディスに叱責されたが、連合軍反ロゴス派の裏切りこそ無かったものの、アークエンジェル側から情報収集のためにレドニル・キサカがスパイとして潜入しており、あながち的外れなことを言っていたわけでもない。アスランとメイリンは彼に救出されアークエンジェルと合流する。

オペレーション・ラグナロク


準備が出来次第始めます。議長殿が調子に乗っていられるのも、もうここまでだ。
格好を付けてノコノコと前線にまで出てきたことを奴にたっぷりと後悔させてやりましょう。あの世でね。

第37~38話。ラグナロック作戦ではない
ルクス・コーラー、エルウィン・リッター、ブルーノ・アズラエル*22、そしてジブリールを始めとしたロゴスメンバーが立て籠もるアイスランドの地球軍本部ヘブンズベースを対ロゴス同盟軍は包囲、ロゴスメンバーの引き渡し、武装解除、基地施設放棄を要求する。
しかし地球軍側は回答期限前に何の返答もないまま攻撃を開始、デストロイを5機も投入し対ロゴス同盟軍に大きな打撃を与え、更には宇宙からの降下部隊を対空掃射砲ニーベルングで全滅させるなど戦いを優位に進める。
ジブリールとセイラン親子は勝利を確信し余裕綽々で戦況を見守るもミネルバチームの猛反撃によりデストロイは全滅、対ロゴス同盟軍も徐々に盛り返し遂にヘブンズベースは白旗を上げ戦闘は対ロゴス同盟軍の勝利で終結した。
この時の戦功からシンは後に2つ目となるネビュラ勲章を受け、更にFAITHに任命される。

ヘブンズベース陥落でロゴスメンバーの多くは逮捕され後に国際裁判にかけられたものの、ジブリールだけは密かに脱出し繋がりの深いオーブへと身を寄せている。


オペレーション・フューリー


最早どうにもならんようだな。この期に及んでこんな茶番に付き合えるわけもない。
我等の想いにこのような虚偽を以て応ずるというのなら、私は正義と切なる平和への願いを以て断固これに立ち向かう!

ロード・ジブリールをオーブから引きずり出せ!

第40~43話。
カーペンタリア情報部の働きでジブリールはオーブで匿われていると察知したザフトはカーペンタリアの艦隊とミネルバを差し向け、ジブリールの即刻身柄引き渡しを要求する。
ジブリールを匿っていたのは当然ながらというべきか、オーブの意思ではなくジブリールと個人的に繋がりのあるウナトの独断である。その証拠にジブリールの引き渡し要求を受けて他のオーブ首脳陣も困惑している様子がある。
またユウナは続々と迫るザフト艦隊に対し「ロード・ジブリールなる者は我が国には存在しない」と自信満々・意気揚々と宣言する。
当然ながらそのような戯言が通じる筈もなく、今やテロ支援国家と成り果てたオーブに対しザフトらロゴス同盟軍は「オペレーション・フューリー」を発動、ザフトによるオーブ侵攻作戦が開始される。

ユウナは以前アークエンジェルが入港している疑いに対しウズミが同じ方法でシラを切り通した時と同様これでザフトを追い返せるとタカを括っていたようで、オーブ軍にも一般市民にも何の指示も出されていなかった
防衛線の構築も一般市民の避難も全く行われていないばかりかそもそも現在の状況自体が全く知らされてすらおらず、ザフトが接近どころか攻撃が実際に行われた段になって尚まだ何も指示が無い有様であった。結果的にザフトがオーブ軍事施設を中心に戦闘を行ったのは不幸中の幸いだが2年前のオーブでの戦いで出されていた避難の呼びかけすらないまま戦闘を開始してしまったといえよう。下手をすれば第2のシンが生まれていたかもしれない
それもその筈、ユウナはジブリールは居ないと発表したにも関わらずザフトが攻めて来る理由が本気で分からない間抜けっぷりで、慌てていて命令どころではなくなっていた
ここまで来てようやく半ばヤケクソで迎撃を命じるが、当然ながら何の準備も無ままいきなり「出撃しろ」とだけ命令されて満足に迎撃できるはずもなく、徐々に防衛線を突破されて行く。
これに対して困惑を隠さないオーブ司令部だが、ユウナはソガに対して「負けたらお前のせいだからな!」と部下の軍人に責任を擦り付けようとし、憎悪・軽蔑の目で見たり、舌打ちまでする者まで出始める。
しかしタケミカヅチのパイロットらと共にウズミが密かに用意していたMSアカツキでカガリが帰還、オーブ軍司令官へのコンタクトを求める。
正に藁にも縋りたい思いだったユウナはアカツキに乗るカガリを本物と認めると、直後に司令部の兵士にユウナの国家反逆罪での逮捕を命じた事で捕縛され、そのままカガリがオーブ全軍を掌握、急速に体勢を立て直す。
同時にジブリールの捜索も行われるが、戦闘のどさくさに紛れてジブリールはシャトルでオーブを脱出、ルナマリアのインパルスとオーブのムラサメが撃墜に向かうが結局取り逃がしてしまった。
艦隊戦の方は、ザフトの旗艦がアークエンジェルに沈められてしまい、代わりにミネルバ艦長タリア・グラディスが戦闘停止命令を出し、カーペンタリア基地まで撤退した。

「カガリがオーブ軍を盛り返したせいでジブリールは逃げ延びた」「カガリらは実質ジブリールを庇ったも同然」「アークエンジェル組は後のプラントの大被害を間接的に支援した」とも非難されるが、劇中描写を見るにカガリの帰還・オーブ軍の反撃はジブリールの脱出にほとんど寄与しておらず、カガリも反撃と並行してジブリールの捜索も行わせている。
「ジブリールを匿っていたオーブを守り、隙を見てジブリールが脱出に成功した」のは事実なので結果だけ見ればそう見えるのは確かだが、「カガリやキラ達がザフトの邪魔をしなければジブリールは逮捕できていた(延いてはレクイエムは撃たれなかった)」というのはアークエンジェル組へ批判ありきの見方である。

またオペレーション・ラグナロクよりも規模は少ないとはいえかなり大規模な部隊を投入していることから「この時点でデュランダルは後の計画遂行に邪魔なオーブという後顧の憂いをジブリールと共に断とうとしていたのでは?」とも予想される*23

結果だけ見れば「ザフトは作戦失敗につきオーブから撤退した」のであり、デュランダルはタリア・グラディス艦長を「ジブリールを捕らえられなかった上にオーブに敗退したのか」と詰問する。

グラディス艦長は素直に戦況不利によって撤退した旨を認め、「あのまま戦っても、ただの消耗戦になるだけでした」と報告した。
名を捨て実を取った彼女の冷静な戦況報告に、デュランダルもこの場は「判断は適切だったように思う」と引き下がったのだった。

…だが、もしグラディス艦長が面子や戦果を得ることを優先していたらどうなっていたか?
その時は、オーブは自ら裏切り罠に掛けたミネルバによって国を焼かれていただろう。


カガリとラクスの声明発表


その方の姿に、惑わされないでください。
私はラクス・クラインです。

第43~44話。オペレーション・フューリーの数日後と推測される。
オペレーション・フューリーによる混乱とその最中にユウナとウナトが死亡した事でセイラン派は急速に失脚、カガリが代表首長に復帰し政権を掌握する。
カガリは暗にデュランダルを支持していない事を示唆する声明をテレビで発表するが、その最中ミーアが電波ジャックしてカガリの放送を乗っ取りジブリールを匿ったオーブを批判して妨害する。
しかしその放送にラクスが更に介入し返し、「カガリと共に居る自分こそがラクス・クラインである」と発表、更に「ラクス・クラインはデュランダル議長を支持していない」と明言、ロゴスという「分かりやすい敵」を作り出し世論を誘導しようとするデュランダルを批判した。

「今までデュランダルと共にあり、平和を望む彼を支持していたラクス」と、「カガリと共に突然現れ、デュランダルには何か別の目的があると発表したラクス」、2人のラクスを前に市民は一気に混乱し始める。
ガルナハン市民の様に自分達を直接助けてくれた側の「デュランダルのラクス」を信じる者も居た一方でどちらが本物なのか迷う声も少なからず生じていた。

因みに、オーブを脱出し月面のダイダロス基地でこの放送を見ていたジブリールは、「デュランダルを支持していないと発表したラクスは自分の味方に付いた」と早合点しすぐさま彼女とコンタクトを取ろうとするが、直後に「当然ジブリールを庇う訳でもない」とも断言した事でジブリールは浮かれ調子から一気にショックを受けるという無様を晒している。
よしんば味方だとしてもラクスはコーディネイターなのだがそこは良いのだろうか?*24

この時、ジブリールがいつも連れていた猫も地上に置いて行かれていた(正確にはシャトルに乗り込む直前に逃げた)がオーブ国内にて生存が確認された


レクイエム発射


さぁ奏でてやろうデュランダル。お前達のレクイエムを!

第44話。
ジブリールはダイダロス基地に設置された軌道間全方位戦略砲レクイエムに逆転の望みを託し、プラント首都アプリリウス市への直接攻撃に出る。
ザフトもレクイエムの中継地点である廃棄コロニーが動いている事を察知しジュール隊他ザフト部隊が駆け付け、迎撃にかかった地球軍部隊と戦闘になるが、中継ステーションを破壊し切る前にレクイエムが発射されてしまった。
戦闘の影響で照準が僅かにずれが生じ、首都直撃こそ回避したもののヤヌアリウスワンからフォーにかけて直撃、更にヤヌアリアスフォーの残骸が直撃したディセンベルセブンとエイト、合わせて6基のプラントが崩壊する大惨事となった*25
直後、ジュール隊が改めて攻撃を再開、程なくして中継ステーションの一基は完全に破壊された。

ミネルバには宇宙への移動を命じられ、ジブラルタル基地から出発し宇宙に上がる。

実は中継ステーション破壊の際、後々使用する予定だったステーションが破壊されたことに内心怒っていたのかデュランダルが舌打ちをするシーンが存在する。


ダイダロス攻防戦(仮称)


戦闘の情報は随時市内へ流してくれ。ありのままを全て。コロニーで戦う彼等のことも

え? しかしそれでは……

大丈夫だ。混乱など起きやしないよ。皆知りたいはずだ。自分の運命、その行く末を。そしてその権利もあるはずだ

第45話。
宇宙に上がってからのミネルバの当初の予定はレクイエム中継コロニー攻撃中のゴンドワナへの合流だったが、急遽レクイエム本体への直接攻撃を命じられる。
ミネルバチームがレクイエム本体に到着する少し前に第一中継コロニー「フォーレ」攻撃部隊の活躍でアプリリウスへの攻撃は不可能となるが、ジブリールはならばせめてフォーレ周辺のザフト部隊だけでも撃破するよう命じて自身はまたもや一人で脱出を図る。
しかしレクイエムは発射直前にルナマリアの活躍で破壊され、ジブリールも待ち伏せしていたレイに倒され今度こそ脱出に失敗し死亡した。
こうしてレクイエムは完全に破壊されロゴスも完全に壊滅した事でプラントへの脅威は取り除かれたかと思われたが、デュランダルは密かに基地を制圧、修復していた。

一方オーブではこの直後、今まで根無し草の武装集団同然だったアークエンジェルは正式にオーブ軍第二宇宙艦隊に編入され、情報収集の為に月面都市コペルニクスに向けて出発した。


D.S.S.Dトロヤステーション襲撃

ジブリールの逃亡後、窮地に追いやられたロゴス、ブルーコスモス派は戦況の巻き返しを図るべくファントムペイン・ホアキン分隊指揮の元D.S.S.Dを襲撃し、スターゲイザーに搭載された無人操縦用AIの奪取に乗り出した。
基地所属のシビリアンアストレイD.S.S.Dカスタムによって応戦するD.S.S.Dだが、あくまで民間人が駆るシビリアンアストレイではストライクノワールやヴェルデバスター、スローターダガーには歯が立たず防戦一方となりAIユニットも奪取されてしまう。
当初の目的を果たしたことでホアキンは任務を「コーディネイターを要するD.S.S.Dの殲滅」へと切り替えるがそんな中、セレーネ・マクグリフとソル・リューネ・ランジュが複座式有人仕様コックピットに換装したスターゲイザーで出撃、スローターダガー数機を撃墜したことで状況は一変。敵戦力を一瞬のうちに擦減したことで形勢はD.S.S.D有利に傾く。
更にヴェルデバスターもオペレーターのバッテリー切れ間近の警告を無視したまま砲撃を続けバッテリー切れによって機能停止、そのままシビリアンアストレイの集中砲火を浴びて撃墜。
その後スターゲイザーはストライクノワールと交戦。ヴォワチュール・リュミエールの機能も駆使し圧倒する。

だがストライクノワールとスウェンの性能に押され始めたセレーネはソルをコックピットから降ろしストライクノワールを捕縛、D.S.S.Dトロヤステーション基地の人工衛星「アポロンA」の推進ビームによってヴォワチュール・リュミエールに大出力のレーザー推進を行い、そのまま敵機もろとも金星圏まで吹き飛び、残りのエネルギーで敵母艦の破壊を指示する。
辛うじてステーションまでたどり着いたソルは残りのエネルギーでアポロンAの推進ビームをファントムペインの母艦ナナバルクに発射し、これを撃沈した。
加速によって意識を失っていたスウェンとセレーネは金星圏で目覚め、2人共に半コールドスリープ状態となりスターゲイザーに同乗、その669時間後地球圏に帰還した。*26


デスティニープラン発表


これこそが繰り返される悲劇を止める唯一の方法です。
私は人類存亡を賭けた最後の防衛策として、デスティニープランの導入実行を、今ここに宣言致します!

第47~48話。
デュランダルは「人類存亡を賭けた最後の防衛策」と題してデスティニープランの実施を宣言する。

デュランダルが今まで地球市民の信頼獲得に尽力し、ロゴスを急速に壊滅させ、その結果として地球各地の政治と経済の大きな混乱を招いたのは、延いてはその引き金となるユニウスセブン落下を招かせたのはそもそも、全ての発端であるセカンドステージを釣餌にしてまで開戦に進めたのは、全てはこの時の為だった。
二度目の戦争と世界的規模のテロリズム、「ロゴス狩り」による世界的政情不安定と「市民から信頼の厚い平和主義のプラント議長」、全てのピースが集まりデスティニープランを諸々のどさくさに紛れて実行できる千載一遇にして唯一無二のタイミングが遂に巡って来たのである。
とはいえ「遺伝子で全てを決める世界にする」という突然の発表は流石に困惑が大きく、オーブとスカンジナビア王国は明確に受け入れ拒否を表明するも、世界の多くはすぐには決めあぐねていた。
……が、アークエンジェルクルー等は信頼のあるデュランダルが「完全に平和な世界にできるシステム」と銘打って発表した政策が受け入れられるのも時間の問題とも見ていた。

アルザッヘル基地に移動して来たコープランドもデュランダルへの会談を申し入れるが、同時にアルザッヘル基地の艦隊を動かした事で「動きが見られた」という理由で*27デュランダルは秘密裏に修理していたレクイエムでアルザッヘル基地をコープランドごと消滅させた
この攻撃で地球軍の宇宙部隊の残存戦力も実質的に壊滅、残党化した一部の戦力はオーブ軍に合流する。


C.E.74年 メサイア攻防戦


あんたって人はーっ!!

お前が欲しかったのは本当にそんな世界か! 力か!

覚悟はある。僕は、戦う!

第49~51話。
今次大戦の最終決戦。ただし本来の破壊目標はレクイエムであるため厳密に言うなら「第2次レクイエム攻防戦及びメサイア攻防戦」といったところか。
「反抗の兆しを見せた」だけでアルザッヘルが粛清された今、次の標的が明確にプランに反対するオーブとなるのは明白で、事実デュランダルはそのつもりだった。
ラクスに味方する一部ザフト艦隊やレクイエムから命からがら生き残った地球軍の残存艦艇を吸収した*28オーブ艦隊は自国防衛のためにレクイエムを破壊すべく二手に分かれ、アークエンジェルとエターナルが中継コロニーを、オーブ艦隊がレクイエム本体を破壊に向かう。

ザフトの移動要塞メサイアに召喚されたシンとレイを除いたミネルバとゴンドワナは中継コロニー攻撃部隊の迎撃に向かい、メサイア自体もレクイエム攻撃艦隊の迎撃に出撃する。
メサイアはネオ・ジェネシスを使用し地球軍残存艦隊を殲滅、クサナギを始めとしたオーブ軍の数隻を除いてレクイエムに向かった艦隊は壊滅する。
一方この時点で、破壊した筈の大量破壊兵器レクイエムの再利用という暴挙を前に遂にデュランダルに付いていけないと判断したジュール隊のように、ザフト軍内からも離反者が出始めている。

月面付近での戦闘の末にシン・レイ・ルナマリアは撃墜されミネルバも月面に不時着、更にデュランダルは味方艦ごとオーブ艦隊をネオ・ジェネシスで焼き払おうとするという形振り構わない様を見せるが、
∞ジャスティスとアカツキによりレクイエムが破壊され、ストライクフリーダムによりメサイアが崩壊。デュランダルもレイに討たれ死亡する。そしてミネルバをアーサーに任せて単身メサイアに向かったタリア・グラディスは、実の子を置いてデュランダルとレイと共に心中した…。

元々戦争している余裕など無かった上にレクイエムに続いてネオ・ジェネシスまで撃たれた事で宇宙の戦力はほぼ壊滅し、戦争を煽っていたロゴスも壊滅した今となっては地球連合は戦争を続ける理由以前に体力を完全に使い果たしており、
プラントもまた圧倒的な数的不利を覆し得る切り札も指導者も失った上、元は地球連合の侵攻に対する積極的な防衛戦争のつもりで、しかも指導者が勝手に暴走してこんな惨状になった以上この期に及んでオーブまで敵に回す意味も無く、
そのオーブも自国と自国民を脅かすレクイエムの破壊(と、それを妨害するメサイア(ネオ・ジェネシス)の破壊)という作戦目標を既に完遂していた。
三者共にこれ以上の戦闘継続が無意味となった事でザフトはラクスからの戦闘停止の要請を受諾。
この後に正式にオーブとプラントの間で終戦条約が結ばれ、第2次大戦は終結した。

作中の描写ではシン・レイ・ルナマリアはキラ・アスランに一蹴されたように見え、メサイアは瞬く間に崩壊し、レクイエムも破壊された一方、
キラを始めとするオーブや旧三隻同盟組には目立ったダメージが無いまま勝利を収めたため(TV放送時に至っては大破し月面に擱座するデスティニーとインパルス、滂沱の涙を流すシンに対して無傷で決めポーズを取るストフリ、ジャスティス、アカツキという対比が描かれていたのもある)、
一見オーブ艦隊が何の苦も無く、正に鎧袖一触の如くあっさりと快勝したかのようにも見えるが、実はオーブとしてもかなり危うい薄氷の勝利だった。
実際レクイエム第一中継点は早期に破壊できたものの他の中継コロニーが移動して来たら再び発射可能となり、レクイエム自体もいつ次発可能になるか不明、更に前方からは多少威力は落ちたとはいえ前より遥かに連射が効くようになったジェネシスが迫る(実際すぐに第2射を発射して見せた)と、
オーブ艦隊は誰かが仕損じるか何かが少しでも遅れれば即全滅→オーブ壊滅エンドになりかねない状況で戦っていたのである。
シンやレイもキラやアスランの実力とフリーダム・ジャスティスのマシンスペックをもってしても決して容易い相手ではなく、決着自体は呆気ないように見えるが実際には余裕綽々の勝利ではない。
何より危なかったのはアークエンジェルが回避したらエターナルにミネルバの主砲タンホイザーが直撃する状況を作られてしまった時だろう。いかにアーノルド・ノイマンの天才的操舵があっても文字通り身動き出来ない状況に追い込まれてしまっており、アカツキが割り込まなければアークエンジェルは沈められていた。

追加シーンを収録・再編集した『選ばれた未来』やスペシャルエディション版(とそれを基にしたHDリマスター版)ではヒルダやオーブ艦隊に寝返った後のディアッカが被弾したり、シンがアスランに反撃し一時は押されかかる場面が追加される、小説版ではタケミカヅチ三人組の一人も被弾するなど、オーブ艦隊も何も被害ゼロのまま左うちわで楽々勝ったのではない事が補完されている。



戦後の世界

長らく本編最終作だった事もあってか『SEED DESTINY』終了後の出来事は公式の説明が非常に少なく、個人レベルの出来事を除くと分かっているのは「74年時点でプラントとオーブが講和した」「デスティニープランは中止された」「要請を受けラクス・クラインがプラント評議会に参加した」程度だった。
およそ18年弱という時間を空けて続編が公開された事で以降のC.E.史も色々な事が判明している。


二度の大戦を経て、カガリはテロからの市民防衛を目的とした即応部隊の設立を提案、大西洋連邦・プラントの合意を得て世界平和維持機構「コンパス」を設立*29、その初代総裁にラクスが就任する。
コンパスの主要メンバーはかつてのアークエンジェルとミネルバが主体となっている。

時系列的に結局ラクスがプラント評議会に在籍していた期間は相当長めに見積もっても数ヵ月から半年程度だが、プラント評議会もデュランダル死後を継いだワルター・ド・ラメント議長は中立穏健派寄りで、(デュランダル時代からそうではあったが)過激派の勢力は弱まっている模様。
とはいえ一掃された訳でもなく、よりによってザフト軍の総司令官に当たる国防委員長は超タカ派(ただし表向きは許される程度に装っている)なハリ・ジャガンナートが就任。
更にザフト軍内部にて戦後世界でオーブが主導権を握り、地球連合軍の戦力が回復していく中で、ナチュラル有利に世界が回帰していると危惧する一派が現れている。
なお、ザフトはコンパス設立に際して組織を改編、「階級の無い義勇軍」を改め階級制が導入されている。
また地上に「特別自治区」が設置されるなど、プラントという国家自体の体制にも変化が見られる。

地球連合軍は国力と戦力を大きく消耗。そのため、軍組織の再建に注力している模様。レクイエムで失ったアルザッヘル月基地の代わりにエンデュミオン月基地を建設*30、宇宙戦力もある程度の再建を果たしたようで、月艦隊はそれなり規模を有している。
また、既存の宇宙艦艇の新規生産や改修も行われているため、ロゴスとグローバルカンパニー崩壊後も地球連合の軍需産業系企業は存続している模様。

大西洋連邦は以前より態度が大きく軟化しており、ブルーコスモス弱体化とその母体であったロゴス壊滅の影響でかプラントやオーブと共同の国際組織を作れる程度の協調性・柔軟性を身に着けている。
第2次大戦すらブルーコスモス派以外は乗り気でなかったので、ブルーコスモスも相当に弱体化、そのブルーコスモスを牛耳るジブリールも亡き今では過剰に強硬姿勢のままでいる意味も必要も無く、妥当な変化と言える。
一方、ブルーコスモス派の地球連合軍一派は大西洋連邦ら地球連合からも見限られたことで、制御を離れてテログループと化し、ミケール大佐率いる部隊とそれに呼応した残党軍が戦後もプラントに対するスーサイドアタック同然のテロ・ゲリラ攻撃を繰り返す、それによってザフトにも不満を蓄積させるなど火種は未だ各地で燻っている。

ユーラシア連邦での第2次大戦中に高まって行った独立の機運は留まる事を知らず、沈静化どころか活発になっている。
コンパスにも批准しておらず、大西洋連邦との関係改善も上手くは行っていない模様。
戦後の独立運動の中で誕生した新興国ファウンデーション王国は独立後目覚ましい発展を遂げており、それを皮切りに独立運動が更に激化する「ファウンデーション・ショック」が発生するなど、国自体が火種の温床、というか巨大な火薬庫というべき不安定な情勢となってしまっている。

そうして第2次大戦終結から1年が経過したC.E.75年、平和への努力が重ねられつつも未だ光明の見えない世界で、件のファウンデーション王国がコンパスに持ち掛けた「提案」を切っ掛けに世界は新たな局面を迎える事になる……。


公式外伝において

公式外伝『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』では、この戦争の裏側で世界を影から操り続けてきた秘密結社「一族」の暗躍が描かれていた。
「一族」の長であるマティスは「人類の存続と幸福」のためロード・ジブリールともギルバート・デュランダルとも接触している。

「一族」は平和が続くと戦いや事故を起こしてマッチポンプ的に人々を救済して「幸せ」を人類に与えてきた。
「一族」は究極の存在は他の全てを否定するとして消し去ってきた。(作中では、約三百年前に生まれた『完全な紅茶』を「人々の幸せに反する」と消し去ってしまったらしい。)

「一族」が存在する限り人間は永遠に「戦争の無い理想郷」にはたどり着けず、「究極の存在」を作ることも叶わない。

だが、マティスはかつて後継者争いで追い落とした兄マティアスによって葬られ、「一族」は離散する。

マティアスは人類の希望をある平凡な人物に託すが、果たして「一族」無き後のコズミック・イラの未来はどうなるのか…。




……駄目かな?

あ……あの……俺……

いくら全消しされても、僕等はまた記事を追記するよ。きっと

……!

それが……俺達の編集だな

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最終更新:2025年04月01日 16:52

*1 種運命リマスター版放送開始の1ヵ月前

*2 後述の通り第2次大戦には詳しい年表が整理されていないため正確な期間は分かっていないのだが、C.E.75年春頃の物語である『SEED FREEDOM』の「1年前」の時点でラクスがプラント招聘を受け入れる様子があり、「半年前」にフリーダム強奪事件(とファウンデーション王国による鎮圧)が起きているので、C.E.73年11月の開戦からどれだけ遅くとも翌年の夏か秋ごろまでには停戦していると考えるのが自然。

*3 連合側が目立ちすぎるが、ザフト側もネオ・ジェネシスを開発している。メサイアの主砲とメインは防衛兵器だろうが、地球に何回もぶっぱしたらどうなるか…

*4 親プラント国家でありプラント政府との友好国家である大洋州連合でテロを起こしているため、プラント政府の立場を無視した原理主義者のテロである事を示している。大洋州連合領で敵対勢力の地球連合軍が展開している事は不自然に思えるが、国際緊急事態管理機構が地球全体への非常事態宣言し、地球連合軍と各国軍の全軍に出動命令を要請していたため、この要請により連合の救援部隊がオーストラリアで展開していたためと思われる。

*5 デュランダルはこの時点で下船している。

*6 ユニウスセブンを破砕するためのメテオブレイカーにまで攻撃しているが、ザフト部隊が何をしているか知らない身からすればユニウスセブンを落とすための装置と誤認するのも無理はないと思われる。

*7 星の屑作戦は「連邦の南極条約違反をお題目としながら自分達も違反行為をするのはいかがなものか」と批判されがちだが、あれは「そっちがその気なら我々にも考えがある」という宣言と見れば南極条約を持ち出した行為正当化との大きな矛盾は無い。

*8 因みに担当声優は今一頼りない三枚目キャラでお馴染みアーサー・トライン副長と同じ。

*9 なお量子フレネルの生産にはNJCにも使用される貴重なレアメタルが必要であり、試作機の核稼働ザクを解体してでもかき集めたレアメタルで、ようやく一発分が準備出来ていた。

*10 ただしスウェンは「撃て」と命令しただけであり描写内では何もしていない

*11 結果論だが、後に散々大西洋連邦に反発した末に各地がザフトに無血開城していたユーラシア連邦がデストロイで壊滅させられていることを考えると、四都市が瞬時に消滅する虐殺劇がオーブで起きていた可能性があり、それを思えば大西洋連邦への擦り寄りは最善手ではなくとも(この時点では)最悪な判断とも言い難かった。

*12 後述のオペレーション・フューリーの実施がすんなり決まり、そこでザフト軍がオーブに対して容赦なく攻撃を行ったのはジブリールの存在が大きいが、この時のミネルバ、ひいてはザフトに対する敵対行動も影響している可能性はある。

*13 これに関しては後にアスランから叱責された。

*14 それを眺めているだけで止めなかったアスランの是非について視聴者からは指摘が相次いでいるが、後に「市民感情を考慮し下手な手出しができなかった」と説明されている。

*15 トダカとアマギに朗々と作戦名の由来を説明し、完全に呆れ果てられている辺り本当に突然言い出したのだと思われる。

*16 ただしミネルバの攻撃阻止をしなければ数名をはるかに上回る死者が出ていたところだったので、事実は変わらないがむやみに攻撃したわけではない

*17 媒体によってフリーダムの介入がどれほどハイネの死の要因になったかは違っているが、フリーダムが直接殺した訳ではない事と、とはいえフリーダムの乱入が死の遠因になっている事自体は共通している。詳しくはハイネの個別項目を参照。

*18 ミサイルなどの兵装による攻撃もしているため、本当に何の意味もない突撃ではない

*19 そもそも戦闘介入の目的が明確に無駄で愚かな行為だと分かっている「地球軍の手先にされているオーブ軍の戦闘停止」なので、この時期では判断の難しかったオーブ軍が絡まない戦闘まで乱暴に停止させに行く意義は少なかった。

*20 『STARGAZER』ではデストロイを輸送中襲撃してきたザフト部隊を迎撃するホアキン分隊が描かれているがバクゥの襲撃によりブルデュエルが撃破されている

*21 劇中でのデュランダルのセリフより。「過日」とはだいたい2、3日前から1か月前を指して使われる為、少なくともこの放送は前述の戦闘からその期間以内と推測される

*22 『SEED』のムルタ・アズラエルとの関連性は不明

*23 小説版では明確に、この時オーブを討てなかったことを「取りこぼした駒」と表現している。

*24 ブルーコスモスは「反コーディネイター思想のコーディネイター」も受け入れる許容性があるため、ラクスもそうなったと考えたとすればブルーコスモスの設定とは矛盾しない。

*25 SEED FREEDOMの時代でもトラウマになっているレベル。

*26 OVAでは2人の生死は曖昧のまま幕を閉じるが漫画版では2人共生存した状態で戦後を迎えており近年の一部媒体でも「生還した」と書かれていることからOVA版のその後も生存している可能性が高い。

*27 小説版では「アルザッヘルの艦隊はコープランドの指示ではなく艦隊側が勝手に動いたものだが、どの道それを止められない程度の小物に用は無い」と見做したのが理由となっている。

*28 TVアニメでは描写は無いが、設定上は地球軍艦隊や数機のザムザザーなどが味方に着いたとのこと。

*29 設立が叶ったのは、地球連合軍はボロボロ、ザフト軍はもはや戦力がなく、両陣営とも単独で行動を起こす余力が無かったという理由がある

*30 第1次大戦時の資源採掘施設ではなく、大規模な軍事拠点として再建