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ザ・ロイヤルファミリー

登録日:2026/01/02 Fri 09:56:52
更新日:2026/07/05 Sun 18:49:32
所要時間:約 26 分で読めます





ザ・ロイヤルファミリー』は、早見和真による競馬小説。
2017年から2018年にかけて小説新潮にて連載され、2019年に新潮社から単行本が発売され、2022年に文庫版も発売された。

本項ではこれを原作としたテレビドラマについても解説する。


+ 目次

概要

競馬とは無縁だった税理士の栗須栄治が、社長で馬主の山王耕造と出会い競馬の世界を知ったことで始まる、耕造と彼を取り巻く人々の軌跡を描く大河物語。
数百ページの単巻ながら20年という非常に長い期間を描いているのが競馬ものとしては最大の特徴と言え、
代替わりを重ねていく馬と共に人もまた変わっていき、壮大な物語を描いている。
2019年度のJRA賞馬事文化賞を受賞。また、新潮社の賞である第33回(2020年)山本周五郎賞も受賞した。

作中の競馬史に関しては、競走馬の名前は原則架空のものが用いられており*1
「名前だけ置き換えた」といった形での登場も基本的になく、大まかに現実の史観をなぞっている感じになっている。
ドラマ版では血統表にノーザンテーストの名が確認できたり、劇中のターフビジョンにトウカイテイオーオルフェーヴルの映像が出てきたり、
ロケ地や観客のシーンの一部に現実での映像を使用している等の都合で、柱に馬の実名やドラマより時代が未来のヒーロー列伝のポスターがうっかり映ってたりはするが、
物語には関わらない形となっており、作中の登場人物達が上記の面々も含めて現実にもいる競走馬の存在について直接的に触れるシーンはない。

テレビドラマ

JRA全面協力の看板を掲げ、2025年10月から12月にかけてTBS「日曜劇場」の枠で全10話が放映された。
脚本は喜安が担当。
ドラマ企画は出版当初から動いていたが「コロナ禍のため企画が一度止まっていた」とのことで、企画から放送まで長い時間を要することになった。

JRAの大々的な協力の下、競馬場や牧場などのシーンは「本物」の場所でのロケが行われた他、
セリのシーンなど北海道での撮影では、北海道の生産牧場のスタッフ達が揃ってエキストラとして参加していたことが参加した当事者によって話題になっていた。
また、競馬場での撮影の際には数百人単位の大規模なエキストラ撮影*2が数カ月の撮影期間の間に十何回以上も応募を行っていたことが話題となっていた。
さらに、ゲストとして有名騎手などの競馬関係者がおおよそ現実に準じた役柄の本人役で出演しており、毎話の見所として公式にピックアップされていた。
その他、出演者だけでなく上述の映像などで出演した馬まで全頭にクレジットが用意されている。
これは元々は予定していなかったが、競馬ファンの放送前の反響を見て追加したとのこと。

レースシーンは過去の轍を踏まない*3ためか既存(実際)のレース映像をシナリオに合わせてそれらしく流し、アップになるシーン等で適宜「主演馬」を合成するなどして対応している。
一応コース条件は同じようなレース映像を使っているものの、よく見ると結構派手にツッコミ所がある場合もあるのは御愛嬌。
また、G1レースについては実際の同条件のG1レース映像が採用されることも多いため、競馬好きなら知ってて当たり前レベルのレース映像が使われていることも。

ドラマ版は登場人物の基本設定や大筋はほとんど変わらないが、細かい設定やエピソードはかなり細かく変更されている。
また、原作の時代設定は1997年から2017年だが、ドラマでは現実に近づけた2011年から2030年*4となっている。
ストーリーの大枠にはほぼ影響はないが、話に関わる出来事として現実の法改正を踏まえた「人材派遣会社としての違法行為スキャンダル」があり、
原作では運良く軽い処分で済んだ*5という展開となっているが、ドラマの時代設定ではニュアンスが変わってしまい、軽い処分で済むのも明らかに無理*6なためか、
「金で報道を揉み消して表沙汰になるのを一旦回避し、その間に違法行為に関わる人員の整理を行った」という内容に変わり、会社の違法行為については深入りを避けたような描写になっている。

主題歌

ドラマの主題歌は玉置浩二「ファンファーレ」。

競馬のモチーフをほんのり入れつつも、代表曲「田園」に通じる*7“人生の応援歌”的な楽曲となっている。
ドラマ内では定番の使われ方ではあるがクライマックスで毎度流れて盛り上げるし掛け声の主張が強すぎることからひときわ印象深いのもあって広く話題を呼び、
同年の『NHK紅白歌合戦』でも特別枠の一つとして玉置が参加し、本楽曲を歌唱した。
また、JRAも2025年のG1総括ムービーで同曲をBGMとして採用したりしている。

コラボ企画

TBSではドラマと同時期に『ウマ娘 シンデレラグレイ』第2クールが放映されており、放送時間はドラマより少し前の日曜夕方というお誂え向きの条件なのもあって、シングレとのコラボが実施された。

なんと言っても印象的なのは本作の主役馬と言えるロイヤルホープとロイヤルファミリーの公式ウマ娘化イラスト
……どちらもドラマでは彼らが影も形もないタイミングで公開されたため、ドラマ勢にとってはネタバレ*8になってたりもしたが。
今のところイラストだけで、どこかに登場するでもなくキャラクターとしての設定・描写はない。
また、ドラマの第1話にて栗栖の姉としてオグリキャップ役の高柳知葉が電話の声としてゲスト出演している。

なお、シングレ2クール目はクライマックスが有馬で、同時にシングレ原作も年内で完結を迎えラストは当然有馬。
そしてロイヤルファミリーもラストは有馬……と、2025年の競馬アニヲタ達は短期間に4度*9の有馬記念を味わうこととなった。

  • netkeibaコラボ
競馬ファンにはおなじみの情報サイト「netkeiba」では、本作に登場する主要な登場馬のデータを本物のような体裁で記載した偽ページや、山王一族の馬主データのページが作られている。
また、放送後には出演馬と使用されたレースシーンのデータベースへのリンクが整備されており、元ネタをすぐに探せるようになっている。
もちろん普段のデータベースとは異なる領域に置いてあるため、馬名検索で「ロイヤルダンス」「ロイヤルホープ」、馬主名義検索で「山王耕造」と入力してもヒットしない。

放映が終了した現在は記載されていないが*10、本来「放牧中」と記載される部分が「放中」になっていたり、次走想定に「毎週日曜よる9時」と記載されていた。
また、ロイヤルの勝負服変更も放送後ページ上で反映されるなど、リアルタイムにドラマと連動して動いていた。

  • JRAコラボ
ドラマ撮影自体がJRAコラボの趣もあるが、放送中のコラボレーションとして「10月26日の新潟競馬開催に『ロイヤルファイト』登場」という演出が行われた。
これは「ロイヤルファイト」として出演した馬が新潟競馬場所属の誘導馬「オースミムーン」号であった縁、つまりは「演者本人の登場」である。
この日限定でオースミムーンのゼッケンがロイヤルファイト名義に代わり、誘導を勤め上げた。

ロケ地として使用された東京競馬場、中山競馬場では『ザ・ロイヤルファミリー特別展』を開催し、話数に合わせてドラマで使用された小道具や衣装、台本などの展示が次々入れ替わる形で行われていた。

そして、スプリンターズステークスでは佐藤浩市、松本若菜。ジャパンカップでは高杉真宙と本ドラマの出演者が表彰式プレゼンターとして起用され、優勝馬関係者への賞の授与を担当した。
ドラマ最終回の2週間後に開催された有馬記念では原作者の早見和真、ドラマ出演者の妻夫木聡、松本若菜の三人が来賓として中山競馬場を訪れ、レースを観戦している。

ドラマ放送終了後も、2026年の騎手課程生徒募集のポスターに野崎翔平役として騎手を演じた市原匠悟がイメージキャラクターとして採用され*11、第93回日本ダービーでは平良恒明役の津田健次郎が発走直前のPVのナレーションとして起用されている。


登場人物

「役名 演:ドラマの演者」の形で記載。
役名前の◯はドラマには登場しない人物。◎はドラマオリジナルキャラクター。

※以下、物語の核心と言える一部を除き、終盤まで含めてネタバレがあるため注意。


  • 栗須栄治 演:妻夫木聡
主人公。無私・無欲気味でワーカホリック気味な税理士。
私生活では人並みに砕けた言動をするが、公の場では社会人としての顔を貫く典型的なサラリーマン。
原作は基本的に栗須の丁寧口調での一人称視点で描かれる。モノローグで山王家の面々に対して「さま」付けするくらい礼儀正しい。
一方でドラマでは語り部要素はなく、主人公らしく奔走する場面も増え、ナレーションも他のキャラに譲っている。
耕造からはその姓から「クリス」と外国人名のように呼ばれ、周囲の関係者からも専らそう呼ばれるようになる。

耕造に心服して彼の秘書となり、その気難しい性格に耐えつつも尽くし、耕造亡き後は息子の耕一をサポートする。
耕造に出会う一年前には、栗須が進学で上京してまで税理士を志した理由でもあった、同じく税理士の父が過労が祟って急死しており、
その父に前々から長野の実家に戻って一緒に仕事をやらないかと誘われていたのに、なんとなくまだ東京にいたいという理由で深く考えずに断っていたことで、
父の急死そのものは偶発的で予見が難しかったとはいえ父の過労の原因の一端を担う形となってしまい、父を裏切るも同然となったことが心の傷として残り続けており、
原作ではそんな時にロイヤルヒューマンとコネのある友人の誘いで買った馬券を当てたのがきっかけで耕造から興味を持たれ、
新たな人生を歩むためにロイヤルヒューマンへ就職するという流れになっている。
そのため、無意識に耕造を父親に重ね、できなかった親孝行の代償行為にしている節があることが描かれている。
一方、ドラマ版では所属していた税理士事務所に持ち掛けられた、耕造の長男・優太郎からの「競馬事業部」の税務調査依頼の担当を任され、
調査のために耕造と共に行動しているうちに競馬への愛着を抱いた栗須は、徹底調査の末に秘書・金城の横領事件の証拠を見つけ出し、競馬事業部を擁護。
大口の案件を台無しにした責任を取る名目で税理士事務所を依願退職し、競馬事業部の専属秘書へと転職する。
父親周りの設定自体はドラマでも残っており、この時に生前言われた「誰かに感謝される仕事をしなさい」という言葉を思い出し、それに従って行動を起こした。

競馬への向き合い方は、競馬に携わる人々と馬へのリスペクト+自分たちの馬への思い入れが中心で、「ギャンブル、競技としての競馬」への関心は薄め。
ドラマでは傍観者としての位置付けがないのもあってか、時間経過と共にのめり込み度が高まる部分も見られ、
時には馬主である耕造よりも熱が入り、興奮のあまり彼を揺さぶってしまうことも。「隆二郎外に出せぇ!!」

後に元恋人である野崎加奈子と結婚し、ドラマでは物語終了後の2030年においては耕一の下を離れ、養老牧場として開かれたノザキファーム分場で働いていることが描かれる。

  • 山王(さんのう)耕造 演:佐藤浩市
人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の創業者であり社長。
社名および名字の「王」に由来する「ロイヤル」の冠名を使うベテラン馬主。
力強い言葉で人の心を掴むカリスマ性がある反面、すぐに癇癪を起こし、憎まれ口も多い偏屈親父でもあり、
人情派の割に、自分が他者に報いる時は「物を与える」一辺倒と極めて不器用であるなど、慕われるか嫌われるか真っ二つに分かれるタイプ。
細かいことは気にしていないように見えて、その性格から近しい人間もすぐに離れていってしまうことを少なからず気に病んでいる繊細な部分もある。
有馬記念で勝つ」という夢を持っており、相当な額を投じて20年以上馬主をしているが、
未だに数度の重賞勝ちがある程度*12で目標には程遠く、周囲からは「持ってない」馬主として揶揄されている。
相馬眼は皆無で、本人もそれは認めるところであるため、「馬ではなくそれに関わる人を見る」ポリシーを持つ。

原作者の早見曰く、直接「この人」というモデルは存在せず、複数の馬主に取材した印象を混ぜ合わせて作った人物。
取材先として名前が挙がったことがある人物には、里見治*13や松本好雄*14の名があり、ドラマを視聴した競馬民からは「金遣いは関口房朗*15、気性の荒さは了徳寺健二*16」と評される事も。
ただし、その中でも「 ある一点において強烈に松本オーナーが反映されています 」という点は明言している。

+ 大きなネタバレあり
突如、ロイヤルホープの引退と共に馬主を引退することを表明するが、それは自身がガンを患い、長くはない身となったためだった。

耕造はロイヤルヒューマン社などについては長男の優太郎を正式に後継者に指名して譲渡する一方で、
所有馬については「相続馬限定馬主」の制度を利用し、今まで報いる術のなかった隠し子の耕一に「遺す」ことを選ぶが、
当の耕一には「ロイヤル軍団に僕が欲しいと思う馬はいない」と拒否されてしまう。
自分が選んだ配合で生まれたロイヤルホープ産駒なら欲しい」とも言われるが、
相続馬限定馬主が相続できるのは「競走馬登録された馬」のみであり、仮に速やかに種付けが完了したとしても、
種付けされた「その馬」が生まれるまで約1年、競走馬登録まで2年弱、すなわち3年近く必要だった。
余命幾許もないとみられる耕造にとってはあまりにも厳しい長生きの要求であったが、それを成し遂げるのだった。

原作では制度の改訂で数ヶ月期間が縮んだのにも助けられつつ何とか登録だけ間に合わせてから亡くなっており、時間経過と共に葬式から始まるという描写となっている。
ドラマ版では少し長生きしてロイヤルファミリーの新馬戦まで生き長らえ、新馬戦当日に危篤状態となるも、家族の呼びかけもあってかファミリーの勝利を辛うじて見届けた直後に亡くなる。
また、その間に百合子の結婚などをきっかけに妻子との冷えた関係に改善が見えたり、栗須との最期の語らいや見舞いに来た椎名と親しげなやり取りをするなど、
耕造の最期と、耕一にロイヤルファミリーが正式に「継承」されるまでの流れが丁寧に描かれる形となっている。

一方、原作ではホープの裏で長く走っていたロイヤルワンダーによってジャパンカップダート(現:チャンピオンズカップ)を制しており、
有馬記念制覇こそ叶わないとはいえ念願のG1オーナーの称号を手にしているが、ドラマではワンダーの描写は全くない。
しかし、この時の耕造は2つのスキャンダルで財力も地位も家族も少なからず失ってしまっており
スキャンダルの影響も少なかったドラマとは馬主としての栄誉とそれ以外のトレードオフのような構図になっている。


  • 山王京子 演:黒木瞳
耕造の妻。気品のある貴婦人だが、大の競馬嫌い。

原作では隠し子の件から離婚して山王家を去る。
この際マスコミや自身の兄を利用して耕造から奪えるものを全て奪おうとしておきながらどこか悲しそうな息をこぼし、
対する耕造も自らの意思を出さずに京子の言い分を全て受け入れてしまっており、山王家が呆気なく崩壊する様が書かれている。
ただしロイヤルファミリーの有馬記念の際には招待に応じ、その際に耕一も交えて山王家で会食の場を設けたことが語られ、
耕造のことも皮肉る形ながら自ら話題に出すなど、時間が解決した部分もあった様子だった。

ドラマでは優太郎から「典型的な仮面夫婦」と呼ばれてはいるが、京子の競馬嫌いは彼女の父(耕造の舅)の影響から*17と設定されたことで、
関係はかなり冷え込んでこそいるものの、耕造個人を嫌ってはいないという形になった。
また、「観戦したレースでロイヤル軍団を応援しても一度も勝ったことがない」という設定も加えられている。
加えて、耕造の隠し子スキャンダルが表に出た時点で、原作では既に故人だった愛人の美紀子がドラマでは存命だったため、
彼女の入院先を調べて美紀子の病室を訪れ、直接やり取りしたことを通じて美紀子とその人柄を「面白い人」と評し、
視聴者目線では完全にド修羅場だったがこの出会いもあってか耕造と離婚までには至らない……と、原作よりかなりポジティブに変更されている。
その後ドラマでのみ描かれた耕造の最期にも立ち合い、危篤に陥った耕造を叱咤し、臨終の直前に「面白かったわ」と声を掛け最期を看取った他、
有馬記念を見届けた後、控室に戻ってきた耕一に好物を聞き、正月には山王家を訪れるよう促すなど、優太郎と同じく耕一を「家族」として受け入れる振る舞いを見せた。

  • 山王優太郎 演:小泉孝太郎*18
耕造の息子。ロイヤルヒューマン東京支社長(ドラマでは人事統括部長)。競馬自体は嫌っていないが、「馬主なんて(割に合わないんだから)馬鹿のやること」と思っている。

原作では耕造が競馬にのめり込んでいること自体は「父の数少ない趣味」として一応許容している。
一方ドラマでは『ギャンブルなんて、正直バカがすることですよ』と視聴している競馬民の耳が痛くなる言葉を口にし、
当初は理由を探しては競馬事業部を潰そうとするなど敵対的に描かれている。
もっとも、原作ではあくまで「趣味」の名目で(おそらく個人馬主として)競馬に入れ込んでいた設定で、
対してドラマでは「競馬事業部(=会社の事業として法人馬主をしている)」という設定が追加されたことで、
原作と違って耕造の競馬趣味が会社から赤字を垂れ流している状況に変わっているため、
優太郎の競馬やそれにのめり込む父への心証が原作より悪くなっているのは当然ではある。
耕造に突きつけた競馬事業部継続の条件も「何でもいいから年内に中央で1勝」という「勝負になる程度」の要求*19であったりと
良くも悪くも自分が不利にならないギリギリのラインで立ち回る現実主義者な面が強い。

栗須に対しても、その職場はともかくとして彼個人に悪感情を持っている様子はなく、
生前の耕造から「自身の死後に別の部署で雇ってやってほしい」と言われると、きちんと別のポジションを用意した上で栗須の意思を訊く、
耕一と栗須から母共々ロイヤルファミリーの有馬記念招待の打診を受けた際には彼らと百合子の面会の機会を作る等、結構好意的である。
耕造の死後は正式に父からロイヤルヒューマン社を受け継ぎ、新社長として働いている他、
突然現れた腹違いの弟である耕一に対しても(あちらが遺産に関心を示さず対立の必要が無かったのもあるが)「兄弟」として受け入れて友好的に接する。

  • 山王百合子 演:関水渚
耕造の娘。社長令嬢という肩書きがあまり似つかわしくないギャル系。
競馬に対しては山王家の中では唯一やや好意的だが、家庭の問題として父を擁護するほどではない。
ドラマでは、以前から家族の中で唯一競馬中継でロイヤルのレースを観ていたり、
偶然耕造達と共に「ノザキファーム」を訪れた縁からロイヤルホープ関係者が集う食事会にも積極的に参加するなど、
耕造に影響され、競馬やその関係者たちへの好感が増していくところが描かれている。
後に佐木隆二郎とまさかの結婚をし、花菜と父からとって名付けられた耕太郎の二子を儲ける。

なお、タイトルの「ロイヤルファミリー」というのは元々山王家が競馬場に集った時に、
各々の関係や性格からまるでバラバラな雰囲気を纏うために浮いている印象を皮肉って誰かが言った言葉として描かれる。

  • 野崎加奈子 演:松本若菜
栗須の学生時代の恋人で、日高にある牧場「ノザキファーム」の娘。
元々実家であるノザキファームの経営を手伝うために、上京して大学で税理士の勉強をしていたという経緯もあり、
大学卒業を機に栗須と別れて日高に戻り、その後別の男性と結婚して翔平を設けるも離婚している。
耕造の下で働き始めた栗栖と思わぬ再会を果たし、旧交を温めると共にお互い男女としても意識し合うようになるが、
一度別れたことや、翔平のこともあって関係はなかなか進展せず、物語終盤にてようやく再婚する。
業界はすっかり北陵ファームの寡占状態である*20ため、中小牧場にすぎないノザキファームの経営は常にかなり危うい状態にある。

  • 野崎剛史 演:木場勝己
加奈子の父でノザキファームの牧場主。
ノザキファームの経営がかなり危うい状況にも関わらず、かなりの額をかけて外国で種付けさせたり、
その生産馬(後のロイヤルホープ)の買取価格を庭先取引で1億という常識外れの額*21を提示し、
それも自身が納得できる馬主にしか売らず、売れなければノザキファームをそのまま閉鎖する腹積もりを独断で決めていたりと、耕造に負けず劣らず偏屈。
原作では出番こそあるが名無しで、ドラマでは「日高の牧場」の物語が強められるに伴って扱いが大きくなっている。

  • 野崎翔平 演:三浦綺羅(子供時代)→市原匠悟(成長後)
加奈子の息子(元夫の子)。登場時点で小学生。
ロイヤルホープなどの活躍もあって騎手になる夢を抱き、狭き門である競馬学校にすんなりと卒業してそれを叶える。
ロイヤルファミリーがデビューする頃には若手として一定の評価を受けているが、その矢先に落馬で怪我を負ってしまう。
原作ではシンザン記念で、物語の外での出来事だったが、ドラマではファミリーに騎乗した天皇賞(秋)での出来事となっており、
人馬共に無事ではあったものの、ファミリーは感染症を患って一時レースから離脱せざるを得なくなり、
翔平も落馬事故の経験で復帰後はフォームが崩れ、勝ちから遠のくなど、両者共に低迷してしまうことになる。
ドラマではホープの主戦であった佐木に憧れ、デビュー以後はライバル視する様子が目立って描かれている。
なお、幼少期は母の加奈子と親密になっていく栗須を露骨に警戒するなど、彼との関係はあまり良くなく、
彼と母が実際に再婚した際にはひと悶着起こりそうだったが、そのことは特に掘り下げられない。
原作でも栗須が「翔平が父と認めてくれた時のこと」を出来事として言及している程度で、ドラマではノータッチ。

人材派遣会社最大手「株式会社ユアーズ(ドラマ版では「株式会社ソリュー」に社名変更)」の創業経営者(ドラマ版ではCEO)。
まだ若い(原作では栗須より少し年上とのこと)ながらに日本ダービー制覇など馬主としての数々の栄誉を勝ち取っている、馬主界のエリート中のエリート。相馬眼も抜群。
外向けには優等生的に振る舞っているが、喜怒哀楽を顔に出さず、考えの読めない人物。
しかし実際のところ、馬主を本腰入れてやっている時点で明らかだが、本性は耕造に負けず劣らず立派な負けず嫌いの競馬バカであり、
自身の競走馬がどれだけ幸せになれるかを常に考える馬主の鑑でもある。
椎名から見れば取るに足らない存在であろう耕造のことをなぜか強く意識しており、その実一人の人間として気に入っている。
耕造の死後も当然ながら馬主活動は続けているが、『山王社長がいなくなってから寂しくなった』という心情を吐露することも。
また、耕造の退場後はレインボーキャンプを始めとするG1馬を所有してこそいるが、息子の展之などの新興勢力に押されつつもある。

ドラマ版では佐木の過去を知るために奔走する栗須に協力してくれたり、「そう遠くない未来にロイヤル冠馬がGⅠを取る(意訳)」と励ましたりと、
明らかに黒幕・ラスボスっぽい雰囲気を醸し出しつつも「実は良い人なのでは?」と思わせる場面が増えている他、
癌で入院した耕造の下に見舞いに現れ、互いの息子や競馬の話題で和やかに語り合うシーンが追加されている。
原作では特に描写はないが、ドラマでは途中から黄色ベースに青の勝負服というほぼ社台レースホースの勝負服色に変更している。
キャラ付けの補強ともとれるが、単にレースシーンの際に置き換えの都合を良くするためかもしれない。

  • 相磯(あいそ)正臣 演:吉沢悠
椎名の秘書。展之登場後は展之付きの秘書になっている。原作では姓のみで、ドラマでフルネームが設定された。

原作では無口な初老とされているが、ドラマでは40代で男前な吉沢が演じているため大分若くなっており、言動もそれ相応になっている。
ドラマでは設定変更によって栗須とは当初やや険悪な雰囲気だったが、展之付きとなってからは破天荒な彼に振り回される苦労人となり、
耕造・耕一父子に振り回されている栗須にシンパシーを覚えたのか、世間話をするくらいには仲良くなっていた。

  • 佐木隆二郎 演:高杉真宙
若手騎手。金髪のチャラい風貌と見た目通りのあっけらかんとした態度*22もあって周囲からの評判は良くないが、その実力は抜群。
「近しい人には名前で呼んでもらう」という独自のジンクスがあり、栗須や広中たちからも「隆二郎」と呼ばれている*23

原作では登場時点で新進気鋭のトップジョッキーで、椎名など若い馬主から重用されて名を上げていた。
ドラマでは境遇が大きく変更され、当初は競馬学校に通い、将来を嘱望されていたが、問題を起こしたことが原因で競馬学校を中退することとなり、
その後、父・隆文が調教師をしている岩手競馬に所属し「地方競馬で」若きリーディングジョッキーとして活躍していた。
そんな中、広中からの推薦もあって癖馬のロイヤルホープのジョッキーになってほしいと依頼しにきた栗須と出会い、
最初はにべもなく断るも、諦めずに説得を続けた栗須の熱意に絆され、父からも背中を押される形で猛勉強の末に中央の騎手免許試験を一発合格してロイヤルホープ陣営に合流する。

物語途中で山王百合子と結ばれ、耕造の義理の息子として山王家の一員となり、耕太郎という息子も儲けることとなり、
ドラマでは耕太郎の誕生で、耕造やスキャンダルや病気で距離感がバラバラになっていた山王家が集うきっかけも作っている。
中央デビューが遅れたドラマでも終盤ではトップジョッキーとしての評価を確かなものとし、ロイヤルファミリーの主戦騎手を務めていたが、
「晩成のファミリーに付き合える騎手が必要であり、多忙な佐木より未熟だが調教時から担当していて相性も良い翔平の方が良い」と考えた耕一によって主戦を下ろされてしまう。
原作では当初から、ドラマではファミリーを下ろされてからソーパーフェクトの主戦を務めるが、展之が外国人騎手の起用を選択してこちらも下ろされることとなる。
こうして耕造の夢を継承したロイヤルファミリー陣営から、他ならぬその夢の実現のために降りることになった佐木だが、
ドラマではファミリーの落馬事故から調子が戻らない翔平から相談され、一見すると突き放すような言葉でアドバイスを贈って彼の復活を手助けしたり、
ファミリー陣営の有馬記念直前の壮行会には妻子共々招待され、「スパイがいるぞ」等とイジられつつも仲良く言葉を交わすなどの描写でフォローされている。

  • 広中博 演:安藤政信
調教師。原作では栗東、ドラマでは美浦所属。
「先生」と呼ばれるのを嫌う気さくな人物。イザーニャ、ホープ、ファミリーなどの馬を引き受け、ロイヤル軍団とは長い付き合いとなる。
当初はさほど有名ではない若手調教師だったが、その才能と人柄の良さからめきめきと評価を上げ、後の時代にはリーディングを争うほどになった。

ドラマではいつも帽子を被った風貌が特徴的である他、2010年には朝日杯フューチュリティステークスを管理馬で制した若手のホープ的存在とされている。
ファイトとイザーニャのエピソードから活躍することとなり、血統や優先出走権、二頭の性格などを考慮し、
ファイトとイザーニャの出走レースをそのまま入れ替えるという耕造じゃなくてもブチギレ必至の作戦を実行。
見事にイザーニャを初勝利に導き、競馬事業部存続の立役者となった。
後にファミリーの時代では栗須達と縁がある翔平にファミリーの調教を担当させている。*24
佐木の件で耕一と一時関係が決裂しかかるも、なんとか和解した。
ドラマ版では美浦で進行していた厩舎改築工事*25に合わせてか、厩舎が移転するような描写も*26

スポーツ紙「東日スポーツ」所属の競馬記者(トラックマン)。トラックマンとはトレセンで取材を行う専門記者のこと。
大物調教師と揉めて競馬界から干されかけた時に耕造に助けられたことから耕造とは懇意にしており、ロイヤル軍団のことを積極的に追う。
原作では一定の出番はあるもののそれほど目立たないが、ドラマでは栗須や耕造・耕一に絡む描写がかなり増えており、
ロイヤル軍団の壮行会にも普通に顔を出して酒を酌み交わすなど、メインキャラの一人と言える立ち位置に。
ドラマ版で描かれたその後では本編で耕造・耕一について書いた連載「継承」が単行本として出版されるまでに至っており、
さらには正式に馬主資格を手に入れた耕一に密着取材を行うなど、彼との関係も続いているようだ。

ドラマ版においては、物語のタイトルにもなっている『ロイヤルファミリー』という単語を、
自身の連載の原稿の中で耕造を中心としたロイヤル陣営の関係を家族のような物として最初に用いた人物としても描かれている。
演じるのが我らがツダケンということで終盤はナレーションも務める*27
なお、津田は当作の前時間帯で放映中だったNHK大河ドラマ『べらぼう』でも物書き(戯作者)の滝沢瑣吉(後の滝沢馬琴)役を演じていた。
また、脚本担当の喜安浩平とはアニメ『テニスの王子様』で共演していた為*28、そちらにも注目が集まった。

  • 中条美紀子 演:中嶋朋子
耕造の愛人。穏やかな女性で、競馬素人ながらに直観的な優れた相馬眼を持ち合わせていた。
原作では存在が明かされた時点で病没しており、栗須は彼女の代わりに耕造と親しかった母の雅子と関わることになる。
一方ドラマでは病床ながらまだ存命の状態で登場し、亡くなるまでの間に栗須、そして京子とも直接やり取りをすることに。

  • 中条耕一 演:目黒蓮(Snow Man)
耕造の隠し子。物語終盤の主人公と言える人物。
耕造のことは母が死の間際に打ち明けるまで知らなかったが、奇しくも大学で競馬研究会に籍を置くほど競馬にのめり込んでおり、
まさか馬主が実の父親とは思わず、ロイヤルホープのことも応援していた。
原作では高校時代にPOG*29にのめり込んだりしており、ドラマでは母が耕造の影を追って見ていた競馬中継を通じて*30競馬に興味を持った。
控えめで落ち着いた言動から一見理知的に見えるが、その実頑固で自分の考えを曲げず、感情的に思ったことを一方的に喋り散らすこともある。
更に他人への信頼、愛情表現が下手なうえ、他人を試す癖があり、親友と呼べる人物は皆無。
端的に言えばオタク気質とも言えるが、皮肉にも耕造とはある種そっくりな気性の持ち主である。

原作では耕造が密かにしていた援助を知らずに受けていたが、ドラマでは耕造が最近まで耕一のことを全く知らずに過ごしており、
母の葬儀に参列した耕造から面と向かって援助を申し出られるも、今更しゃしゃり出てきた「父親」への軽蔑と共に拒否した。
原作では山王家の合議の末に、耕一に耕造の所有馬の中から3頭だけ馬を相続させることになり、
そのためロイヤルファミリーの他にも候補を見繕ってロイヤルリブランとロイヤルレインという2頭のロイヤルホープ産駒を継承した。
この3頭の繋養費は山王家の援助によって出されている。

一方ドラマではファミリー1頭だけを相続し、リブランとレインのエピソードは形を変えてファミリーに集約されている。
繋養費は耕一持ちになっており、ファミリーを養うために大卒で就職し塾講師として働いている設定になった。
JRAの 馬主志望者向けのページ で「預託料は厩舎によって異なります(1頭1か月70万円程度)」と相場が示されており、
月3頭は一般人には無理だが1頭なら相当頑張ればいける、という差異が設定変更の理由だろうか。

自力で馬を養って命に責任を持つことが許されない立場のため、自身の夢を叶えることとは別に、
耕造から継承した所有馬に余生を無事に送れるだけの賞金を稼げるようにしてやることを重視している。
一方で社会人経験すらほぼ無い普通の若者にして相続馬主という立場で競馬界に飛び込んできたのもあり、
その焦りからか、自分より遥かに年上の競馬関係者達とぶつかり合う場面も多い。

ドラマ版で描かれたエピローグでは、ファミリー引退後に塾講師経験を活かして教育関連のベンチャー企業を起業したらしく、
2030年時点で正式な馬主資格*31を手に入れるほどに成功したことが語られている。
自身の下を離れて養老牧場に務めるようになった栗須やその妻となった加奈子とも未だに繋がりはあるらしく、
取材に現れた平良にそれとなく「もう一度栗須に(馬主活動の)秘書をしてほしい」とも取れる言葉を口にしている。

  • 椎名展之(のぶゆき) 演:中川大志
椎名善弘の息子。耕一の1つ上。
いかにもボンボンという雰囲気の若者で、旧態依然とした競馬界などに対して挑発的だが、その相馬眼は父に匹敵し、胸の内には勝利への貪欲さと計画性を持ち合わせている。
「ネオループ株式会社」のCEOであり、そのコミュ力の高さから成功を収めているようで自力で馬主条件をクリアしている。
しかし競馬にのめり込んで周囲を顧みない父のことは嫌っており、鼻を明かしてやろうと常に目論んでいる。
耕一には同世代ということから気安く近づいてくると共に、積極的に飲みや自身が設立した「若手馬主の会」にも誘っており、持論を持ち出しては悪い囁きをしてくる。

ドラマ版では耕一が佐木を下ろしてスケジュールが空いたと見るや彼にソーパーフェクトへの騎乗依頼を出し、
その後耕一に「隆二郎を切ってくれたおかげ」と言ってのける(そしてそこまでしておいて下ろす)というえげつない一面も。
また耕一とは「育ってきた環境や現在の立場」「競馬に対する好感度」など対照的な部分もあり、お互いに評価しつつも複雑な想いを抱き合う関係性となっている。
ドラマでは勝負服が「黒、赤十字襷、袖黄縦一本縞」とほぼサンデーレーシングカラーになっている。

  • 金城史朗 演:渡辺憲吉
ロイヤルヒューマン秘書課社員で物語開始時の耕造のマネージャー。
栗須にもよくしてくれた人物だったが、横領で解雇され、以降は栗須がその後釜に収まる。
原作では時間経過の合間に起こった出来事として言及されるだけだったが、
ドラマでは栗須が横領の証拠を突き止め、それがロイヤルヒューマン競馬事業部存続の一因となるという形で本筋に組み込まれた。

  • ◯大竹善夫
ロイヤルヒューマンの税理士で京子の兄、つまり耕造の義兄。
義兄という立場のうえに「自分は会社の財布を握っている」という税理士特有の増長を起こしてしまい、
取り巻きの分際で馬主席で横柄な態度を繰り返していたところを耕造に激怒され、そこで関係が決裂。後のスキャンダルの遠因となる。

  • ◯大竹雄一郎
善夫の息子という立場から栗須の出会いのきっかけを作った、栗須の大学時代の数少ない友人*32
良くも悪くも軽薄な印象で、父の言動を栗須に指摘された時にも軽く見ていたり、
「自分が加奈子とのキューピッドになったようなもの」と言われた栗須は(決して間違ってはいないのだが)何かを穢されたような苛立ちを覚えている。

  • ◯栗須の兄
弟と同じく父を追って税理士を志し、同じく東京で大手事務所に務めていた上、
彼の場合は家庭まで持っていたが、父の誘いを受けて悩んだ末に帰郷を決断した栗須の実兄。
弟には「俺は長男だからな。お前は好きな時に戻ってくればいい」と言い、
父が過労のために亡くなっても弟に対して「お前が戻ってこなかったから」等という恨みがましさは一切見せず、
父の事務所を継ぎながら変わらず弟を気にかけているという、地味にかなりの人格者。以降もロイヤルホープの馬券を買うようになったなどといった話が出てくる。

ドラマでは登場せず、父の話題に関連して言及もされないので居ないと考えるのが自然か。
一方で単純に父の一周忌のため帰郷を促すという役回りで、前述の通りシングレコラボ枠として姉(CV:高柳知葉)が登場しているので、設定上置き換えられているかもしれない。

  • ◯池田薫子
耕一の大学の同級生で彼と同じく競馬研究会のメンバー。
競馬ファンだった父の影響で、耕一にも競馬を教え、彼が競馬にのめりこむきっかけを作ったが、自身はそのことをとても後悔していた。
耕一とは中学時代の頃から付き合っていたが、後に別れ、別の男性と結婚している。

  • ◯安野克也
風車鞭を得意とするベテラン騎手。ヴァルシャーレやレインボーキャンプに騎乗している。
レースシーンで出てくるだけだが、響きがあからさまにアンカツ*33なことが妙に印象を残す。
残念ながらドラマでも御本人は出演しなかった。

  • ◎安川すみれ 演:長内映里香
  • ◎遠山大地 演:秋山寛貴(ハナコ)
広中厩舎の調教助手と厩務員。
厩舎のシーンにおける賑やかし要員であり、時には提言をしたりもするそこそこ印象的な存在。

  • ◎松井亮介 演:大西利空
中央競馬で活躍する二世騎手。
競馬学校時代に佐木を侮辱して揉め事を起こして中退に追い込んだ張本人だが、自身はお咎めなしで済んでいた。
新馬戦では椎名の指名でヴァルシャーレに騎乗し、ロイヤルホープのデビューに合わせて中央競馬の騎手となった佐木をレース前に挑発するが、
実際のレースでは佐木が騎乗したロイヤルホープの凄まじい末脚に差される形で敗北を喫する。あまりにも露骨なフラグ立て
その影響か日本ダービーまでにはヴァルシャーレの主戦を一度降ろされたようだが、
後の2018年の有馬記念でターフビジョンなどの表記でヴァルシャーレに再び乗っていることが示されている。

  • ◎沢渡有希 演:市川実日子
馬の角膜移植ができる貴重な獣医師だが、現在はフランスに在住しており、
耕一は彼女を訪ねてはるばるフランスまで向かい、帰国と施術の交渉をすることとなる。
気難しい印象の女性で、しかも耕造には日本にいた頃に「治せばいいと思ってんのか」などとメチャクチャなことを言われたことから、
耕造のことを「時代錯誤の昭和親父」呼ばわりして嫌っており、その息子である耕一にもけんもほろろな空気を纏っていた。
ただしその言葉が良くも悪くも心に引っかかっていたところもあり、最終的には耕一の思いに応えた。

ドラマ版における本人役出演

ご存知、競馬界の妖怪馬主にならないかおじさんレジェンドジョッキー。
ロイヤルファイトの未勝利戦で1着となったウイングドイルに騎乗。
この回は他にも複数人出演しており、特にファイトに騎乗した菅原隆一は元子役*34といううってつけの存在だったり。

なお、レース前のウイングドイル役を務めたのはマイネルファンロンであり、またしても何も知らないマイネルファンロンネタがまた増えた。
一方、作中で使われたレース映像におけるウイングドイルにあたる馬はウインガナドルという「ウイン軍団」のオープン馬で、
ユタカはこのウインガナドルにも1戦だけだが騎乗、かつ勝利した経験がある。

  • 戸崎圭太
関東圏きってのベテランベリベリジョッキー。
ロイヤルイザーニャの未勝利戦の鞍上を務める。
「未勝利戦でこんな人気薄に戸崎乗らんやろ」とか「乗ったとしたらその時点で111倍じゃなくなる」とツッコまれたり、
それに対して「でも2011年だからまだ大井所属のはずだしそんなもんでは」といった時代考証*35が行われるなど、妙な話題を呼んだ。
ちなみに戸崎は本馬場入場のシーンでイザーニャを演じたサトノレギオンの騎乗歴があり、演技として同じ馬に乗ることになった。

  • 吉田哲哉
北陵ファームの施設を椎名が訪れる場面で迎え入れている社台レースホース代表および社台ファーム副代表
しかも事前告知無しの出演だったため界隈がざわめくことに。

  • 北村友一
机。
日本ダービーでヴァルシャーレに騎乗。また、終盤にて「怪我を乗り越えて復帰した騎手」のナレーションの一例として登場している。
なお、このレースの映像は21年ダービーで、ヴァルシャーレ=シャフリヤールであるため、ユーイチはユーイチでも福永の方になっていた。
なお2025年ではリアルにクロワデュノールでダービーを制しているため、同一年にダービーを2度制したジョッキーという珍事に。

  • クリストフ・ルメール
フランス出身・JRA所属のベテランジョッキー。ルメールも楽しメール!
佐木から乗り代わったソーパーフェクトの鞍上。
原作では凱旋門賞からフランス人若手有力騎手のガブリエル・トゥーサンに乗り代わっており、帰国後も短期免許を取得したトゥーサンが継続騎乗。
ドラマでのルメールは皐月賞前からの乗り代わりとタイミングが早くなっているが、「佐木より優秀な外国人騎手」という役割を引き継ぐ形で登場した。
満を持してのゲスト出演であり、現実での活躍ぶりからソーパーフェクトのラスボス感に一役買っている。
ミルコが認めた演技力がウマ娘のCMで更に磨かれ、短い出番ながらかなりこなれた様子を見せた。

  • 矢作芳人
競馬界お馴染み、世界のハットマン。事前情報無しのサプライズゲストとして登場した。
レインボーキャンプの管理調教師。坂井瑠星がレインボーキャンプの主戦騎手である理由がこれ以上ないぐらい分かりやすい。
2025年、調教師としてアニメ化とドラマ出演の二冠を達成することとなった。
なお、ドラマでは広中が「2010年の朝日杯FS勝ち馬(=グランプリボス)の管理調教師」に「帽子」とえらく矢作師要素を盛られている。

  • 坂井瑠星
矢作厩舎お抱えの若手エースジョッキー。
ロイヤルファミリーの新馬戦で椎名の馬であるディップバビロンに、
レインボーキャンプの主戦騎手として天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念でそれぞれ騎乗。矢作師の方がネタにされるがこっちも二冠である。
現実ではまだ達成していない天皇賞(秋)*36の勝ち星を手に入れている。
ドラマで使用してるレース映像の都合で、大出遅れから向こう正面大捲りという矢作師に怒られそうな騎乗をかましたので心配である。

  • 武士沢友治
元騎手・現JRA競馬学校教官。
競馬場内で馬が登場するシーンで騎手として鞍上から参加しており、特にこれといったセリフは用意されていないものの、数話に渡って登場している。
視聴者の間ではウォーリーをさがせ!の如く武士沢教官を探す通称・武士沢チャレンジ*37が行われていた。

  • 勝浦正樹
元騎手・現競馬評論家。
競馬指導の監修として起用されており、ドラマ内でも騎手や馬主関係者役など複数のシーンで撮影に参加している。


登場馬

  • ロイヤルダンス
原作において栗須と耕造の出会いのきっかけとなった馬。
1997年の中山金杯を勝利してロイヤル軍団久しぶりの重賞馬となるが、以降は二桁着順を連発し鳴かず飛ばずだった。
原作ではこのエピソードから下記のファイトやイザーニャの登場まで4年の間があるが、
ドラマではダンスは登場せず、2人が出会ってすぐファイトやイザーニャが登場するので、その分の期間がドラマでは縮んでいる。

  • ロイヤルファイト
原作では「ロイヤルイザーニャと共に買われた馬だったが未勝利に終わった」という程度の扱いだったが、ドラマでは序盤の主役の1頭に格上げされた。牡馬。
第1話で物語上最初に走るロイヤル軍団となるが、結局惜しくも敗れ、未勝利で終わったこと自体は同様。
広中曰く「ずぶとい性格で、自分がどこを走っているかなんて気にしていない」らしい。
また、原作では白毛馬という設定だが、ドラマでは鹿毛になっている。
……まあ撮影上何頭も使う*38のに白毛馬を用意するのは困難すぎるし、ぶっちゃけ原作でも特に重要な設定ではないため妥当な措置だろう。
ちなみにドラマで彼を演じた一頭であるオースミムーン*39は新潟競馬場で誘導馬をしており、前述の通り一日だけロイヤルファイトとして誘導に参加した。

  • ロイヤルイザーニャ
ドラマ序盤における主役
日高の林田牧場から庭先取引で買い上げられた牝馬。生まれつき左前足が曲がっている脚部不安がある。
広中曰く「お転婆で、周囲から期待をかけられることで注目を浴びたい性格」らしい。
「母馬の『イザーニャ』の名は牧場主の死んだ息子が名付けた」というエピソードを聞かされた耕造が、その場でファイトと共に買い取り名前を付けるという粋な選択をした。
原作では前評判に反して1600万下クラス*40まで勝ち上がった功労馬となったことが触れられただけであったが、ドラマではファイト共々序盤の主役を担う。
競馬事業部継続の条件として「年内に中央競馬で1勝」という条件を突きつけられる中、本馬は脚部不安を理由にダートの短距離に当てられて未勝利だったが、
転厩先の広中厩舎から両馬の血統を分析して提案された、
「イザーニャに勝たせるためにファイトとイザーニャの次走を入れ替え、芝の中距離に出し大逃げで走らせる」
という耕造ブチギレの奇策の結果、単勝111倍を覆して勝利。
その後ファイト共々すぐに故障して引退を余儀なくされてしまったが、ロイヤル陣営を生き延びさせた殊勲馬となった。
さらにドラマではエピローグの養老牧場にてファイトと共に登場する。

  • ロイヤルホープ
ドラマ中盤、および原作第一部における主役。
原作では07年クラシック世代*41、ドラマでは15年クラシック世代*42

野崎剛史が自分の牧場の起死回生を図り、独特なクロスを狙ってわざわざ米国の種牡馬を使って配合した肝煎りの馬で、
懇意にしていた馬主・西平克也*43への不信感もあって耕造にこの馬を売ろうと話が持ちかけられ、一時はお互いの性格から揉めたが結局買い上げられる。
原作では顔に稲妻のような流星がある設定だが、ドラマでは再現の都合*44かさほど触れられず、
耕造に名付けを任された栗須が、その見た目から「ロイヤルサンダー」と名付けようとする(が却下された)描写が残っている程度。
抜群の末脚があるが、幼駒の頃から気性難の暴れ馬で、佐木くらいにしか乗りこなせない。
新馬戦で大注目の良血馬ヴァルシャーレを下し、クラシック戦線で注目されるも悉く敗れ、
有馬記念には出走し続けることこそできていたもののG1での勝利は遠く、成績は低迷していた。
6歳時に芝3200mのG2ドバイゴールドカップ*45を勝ち、その後は勝ち切れないものの当代屈指の人気馬*46へと成り上がり、
新馬戦以外では後塵を拝し続けた因縁のヴァルシャーレと共に、引退レースとして4回目の有馬記念へ臨むこととなる。
「長い善戦の果てに異国のG2を勝利するノーザンテースト系善戦ステイヤー」という要素はかなり某黄金を思わせる。ドラマ視聴者からはプボ味を感じる*47という声も多い。

原作では、引退後は日高で種牡馬入りしてそれなりの産駒数になっている様子が端々で描かれているが、
ドラマではロイヤルファミリーとビッグホープ以外の産駒の描写が一切なくなっており、「これプライベート種牡馬なのでは?」と思えるような状態になっている。

ロイヤルホープ役を演じた複数の馬の中から、東京競馬場周りのシーンを担当したのが2013年にNHKマイルCを勝利したマイネルホウオウ。
引退後は日高育成牧場で乗馬となった後、2018年からは東京競馬場で誘導馬となっており、今も乗馬、誘導馬として現役であり、東京競馬場で定期的に開催される体験乗馬イベントの担当馬として乗ることが出来る日もある。

ウマ娘コラボではウマ娘化の対象として選ばれた2頭のうち1頭。
山王の旧勝負服カラーを勝負服デザインに利用しており、もう一人との大きな差異になっている。
シュッとした美人で、冠名の「ロイヤル」のイメージからかリッチな雰囲気の勝負服を纏っている他、
首には自身の名前のイニシャルとも、「ロイヤルヒューマン」の略とも取れる「RH」を象ったネックレスをしている。
また、ドラマコラボながら「稲妻のような流星」設定を明確に拾っており、原作とドラマのハイブリッドでデザインされている。
二次創作ではよく耕造の気性難因子が継承されがち。

  • ヴァルシャーレ
椎名の所有馬。ホープの同期であり、皐月賞と日本ダービーを勝利した二冠馬。
古馬時代はやや精彩を欠き、重賞勝ちこそ積み上げたものの新たにG1を獲るには至らなかった。
戦績で言えばホープを大きく上回っているものの、新馬戦では上述の通りホープに差し切られている他、
ダービーでは勝ったとはいえ互角の戦いを繰り広げたことからホープとはライバル関係という見方が強く、
それは双方の馬主である椎名と耕造、そして各陣営にとってもそれは同様である。

  • イマジンドラゴン
椎名の所有馬。ロイヤルホープやヴァルシャーレの1つ上の世代で、原作では3歳時にクラシック三冠+有馬記念を制した怪物
翌年は全休したが、ホープの引退年では自身も引退を掲げながら秋古馬戦線で大暴れし、ホープの前に立ちはだかる。
……なのでなぜか7歳まで走っている三冠馬という、冷静に考えると本作で一番非現実的な存在である。

ドラマでは椎名の馬でホープとは1つ上の世代でヴァルシャーレと共に現役最強馬と謳われている以外の部分はほぼ描かれておらず、
原作同様に最終年のジャパンカップ~有馬記念においていきなり強敵として現れる。
後に「椎名はクラシック三冠はまだ達成したことがない」と触れられているため、
原作とは設定が変更され「7歳でも古馬の最前線で活躍している現役馬」に留められていると考えられる。

  • ロイヤルハピネス
愛人である美紀子の見立てを信じて耕造が購入し、彼女に名付けも任せた牝馬。
中山牝馬ステークスを制し、耕造に初めての重賞勝利をプレゼントした。
引退後はノザキファームに預託された後、耕一の鶴の一声によってロイヤルホープの子供を受胎しロイヤルファミリーを出産した。
なお、ドラマでは1991年生まれと明言されている*48ため、実は28歳という日本史上最高齢出産*49だった*50ということに……。
原作では明確ではないものの、「冠名をつけた初めての馬」といった設定のため、少なくとも高齢だとは思われる。

  • ロイヤルファミリー
ドラマ終盤、および原作第二部における主役。
原作では15年世代、ドラマでは23年世代*51の牡馬。
耕一の提案した配合を基に種付けされ、亡父である耕造から受け継いだロイヤルホープ産駒であると共に、
彼が意図したわけではないが、耕造の愛馬であるロイヤルホープと、美紀子が見初めた馬であるロイヤルハピネスの間に生まれた、言わば耕一の全弟生き写しとも言える馬。
特にドラマでは、相続馬限定馬主である耕一にとって正真正銘唯一の所有馬であるため、「僕にはファミリーしかない」と強い強迫観念を持つこととなる。
原作では尾花栗毛とされているが、ドラマではファイトほどではないにせよ再現が難しいので普通の栗毛になっている。

性格はかなりの甘えん坊らしく、かつメンタルがそのまま馬体に現れる性質。
劇中では放牧中に加奈子など日高の人々が徹底的に甘やかしたことで状態が改善し、馬体が急激に成長した。
この甘え癖が発覚して以降、パドックで褒め殺しのような勢いで褒めて甘やかすロイヤル陣営の姿が名物と化した。
また、自身の最高の走りを発揮する時には、馬体が「沈む」という特徴がある。

父譲りの気性難だがポテンシャルは非常に高く、新馬戦は快勝したが、早々に故障してクラシック戦線への挑戦権すらなく3歳シーズンを終える。
原作では4歳時には新潟大賞典を獲るに留まり、続くオールカマーや天皇賞(秋)では見せ場なく敗れる。
ドラマでは4歳時に条件戦止まりで着順が伸び悩んでいたが、耕一の提案によって鞍上を佐木から翔平に変更されたことをきっかけに、
条件戦2勝クラスから4連勝と軌道に乗っていくが、G1初挑戦の天皇賞(秋)にて落馬事故が発生。
軽度の骨折で済んだと思いきや目の重病を患ったことが発覚し、治療は困難で引退も視野*52という事態になったが、
耕一の奮闘もあって目の治療に成功して失明(からの引退)危機は回避され、術後の回復を待って復帰を目指すことに。

5歳時は年内引退の覚悟を決めたうえで夏から再起を図り、札幌記念2着、天皇賞(秋)は敗れる*53が、
有馬記念出走のためには事実上の背水の陣の状態で挑んだジャパンカップを勝利。
念願のG1勝利であり、一般的に言えば有馬で勝つのと同程度の栄誉だが、陣営にとっては前哨戦も同然の扱いであり、人気投票にも食い込んで有馬記念へと挑む。

+ ラストの大きなネタバレあり
最終直線でソーパーフェクトを超えて抜け出し、栗須は勝利を確信する。
――だが、その影でもう1頭のロイヤルホープ産駒、ビッグホープが猛追。
追い比べの末、皮肉にも父と同じように写真判定で敗れ、夢破れるという衝撃の結末を迎える。

「走らせ続けるのは人間のエゴ」と考えていた耕一は予定通り引退させようとするが、夢破れた悔しさを拭いきれず、
また、自身が惜敗したことを理解しているかのように、レース後ずっと嘶き続けるファミリーの姿に「走りたい」という意思を見る。
そして、「ここで走るのをやめさせるのもまた、自分(人間)のエゴなのかもしれない」と考え直した耕一は、
栗須との相談の末に「ファミリーに聞いてみる(ファミリーの顔を見て判断する)」ことを決める。
劇中ではここで話は一旦幕を閉じるが、この後ファミリーの引退を撤回し、栗須と共に翌年の有馬記念を目指すことにしたようだ。



……そうしてもう1年の現役続行を決定した6歳のファミリーは、

G1 大阪杯 1着
G1 天皇賞(春) 1着
G2 フォワ賞 2着
G1 凱旋門賞 1着
G1 ジャパンカップ 1着
G1 有馬記念 1着

1年でG1を5連勝、史上初*54の凱旋門賞制覇を成し遂げ、JCを連覇し、有馬記念という忘れ物も拾って有終の美を飾るUMAと化していた。
フォワ賞で申し訳程度の馬アピール。とはいえ原作出版以後にそんな馬アピールすらなく1年少々で海外込み6連勝したUMAとかもいるのが現実。
原作では本文で「次の年の活躍」を匂わせて締めくくった後に戦績表でしれっと記述されている、という競馬題材ならではのオチをつけており、
ドラマでは2030年のエピローグでの回想としてダイジェストが描かれ、原作に比べればちゃんと描かれたもののいずれにしてもあっさりしている。
余談だが、このダイジェストの有馬記念では「あおったあ!ロイヤルファミリーが大きく出遅れました!」「これだ、目に焼き付けろ、これがロイヤルファミリーだ」*55と、
現実の有馬記念*56のオマージュのような実況があり、特に後者は父善戦マンの栗毛で凱旋門賞と縁のある馬という共通項がある上に同じような大楽勝で締めくくっている。GⅠ6勝会はバケモン揃いかよ

ロイヤルファミリー役を演じた複数の馬の中で、野崎ファーム内での若駒時代のシーンを担当したのは
当時デビュー前であった競走馬、ブレイヴソルジャー。
2026年1月5日にデビューし、3戦目となる3歳未勝利戦で初勝利をあげている。
ロイヤルファミリーとは真逆のダート短距離だったりするが

ウマ娘コラボではウマ娘化の対象に選ばれた2頭のうちもう1頭。
勝負服カラーは変更後の山王カラーが基調になっており、ホープとの大きな差異となっている。
デザインも大きく異なり、同じロイヤルでもお嬢様感が強まっている。
「栗毛の甘えん坊」という点からか、どことなくマヤノトップガン似というのがトレーナー間の多数見解。

  • ソーパーフェクト
展之の所有馬。ファミリーの2つ下の世代の牡馬。ドラマでは展之が「ソーパ」と略している。
セレクタリアセール(現実で言うところのセレクトセール)で1900万(原作)/3900万(ドラマ)と結構な安値*57で落札された。
ドラマでは栗栖からの誘いでセレクタリアセールに見学(当然参加はできないが)に来ていた耕一も「良い馬」と評しており、
実際に落札した展之から話しかけられた時には、初対面ながらも双方この馬の良さを見抜いていたことを知り、互いに相手を高く評価することになる。
名前負けしない完璧な強さで、原作では二冠達成後、三冠を捨てて凱旋門賞に挑戦するが惜しくもグレイトエスケープの2着に敗れて帰国、有馬記念に照準を定める。
ドラマでは凱旋門賞は目指さず、父も成し遂げていないという無敗三冠からの有馬記念制覇*58を狙うというルートを辿り、当年の三冠馬として有馬記念に乗り込んでくる。

+ ネタバレ
原作では父ロイヤルホープという設定だが、ドラマではライムカットという、耕造が所有していたロイヤル冠名の馬達とは全く無関係の父馬に変更されている
ラストでは「ロイヤルホープ産駒」が特に重要な意味を持つわけだが、その割に本馬もホープ産駒である点は話に関わらないため、話をテーマに向けて絞り込むための変更と受け取れる。

原作ではファミリーの戦績表から、4歳シーズンにて少なくとも大阪杯、凱旋門賞、ジャパンカップ、有馬記念で悉くファミリーの2着になっていることが明らかになっている。
無敗三冠馬から1年にして界隈からシルコレの誹りを受けているであろう境遇に涙が止まらない……ファミリーのいないレースでは勝ってる可能性はあるが)
ドラマではダイジェストでファミリー以外の出走馬の情報はないため、原作と同じ軌跡を辿ったのかは不明。

  • レインボーキャンプ
椎名の所有馬。ファミリーと同世代で、この時点の最前線で活躍している有力馬。イマジンドラゴン産駒。
物語最終年(2017年/2025年)の天皇賞(秋)を勝利して、ジャパンカップ、有馬記念にも引き続き出走している。

  • グレイトエスケープ
物語最終年(2017年/2025年)の凱旋門賞馬。直後に来日してジャパンカップに臨むがファミリーに敗れる
原作ではソーパーフェクトを破った印象の強さのために遠征や適性の不利を加味してもなお人気を集める注目馬として描かれ、そのうえでファミリーが完勝したという形だが、
ドラマでは前述の因縁が無く、レース映像との兼ね合いもあってほとんど名前だけの扱い。

  • ビッグホープ
椎名の所有馬。彼が何の気まぐれか保有している唯一のロイヤルホープ産駒。ドラマ版では芦毛。
ソーパ(ドラマではファミリーも)から下ろされた佐木を鞍上に据えて有馬記念に出走するものの、G1勝ちはまだない人気薄の逃げ馬。

+ ネタバレ
事前の展開予想ではビッグホープが大逃げでペースを引っ張ると予想されていたがまさかの出遅れ。
しかし、最終直線で大外からの凄まじい追い上げでファミリーに詰め寄り、写真判定の末に勝利する。
G1未勝利、末脚、人気薄、そして鞍上にはホープの主戦であった佐木。その姿は、非の打ち所のない「ロイヤルホープの後継者」だった
言ってみれば「主人公陣営」である、ロイヤルファミリー陣営の夢を阻むことになったビッグホープだが、
その一方で、「日高の馬/ホープの息子で有馬を勝つ」という耕造や日高の人々の宿願は、「ホープ産駒のワンツー」という最高の形で果たされたのだった。
佐木もまた、耕造と共に陣営の一員として無念を味わった同胞であり、耕一と同様に「亡き父の願い」ともなっているそれを背負っていたのだ。

原作では椎名の真意は漠然と示されただけだったが、ドラマでは最終回にてその誕生経緯がしっかりと描かれ、
生前の耕造の見舞いに現れた椎名が、彼に「耕造の夢である『ホープの産駒で有馬を勝つ』ための馬」であると共に、
「(自分たちの息子も含めた)若い世代の前に立ちはだかる壁」とするべく密かに計画を持ち掛け、耕造がそれを承諾したこと、
鞍上に関しても(ロイヤルファミリー/ソーパーフェクトの両方から降ろされた後の)佐木に椎名が直接接触して、
耕造の想いを「継承」する為の話し合いと騎乗依頼をしていたことなどが明かされた。
また、馬名も耕造が名付けたものとされている。椎名との隠し子。

なおドラマ版では椎名が栗栖達にビッグホープについての話をしていた2025年の上半期時点ではまだ条件戦で走っていたことが明らかになっており、
日本海ステークス(8月末開催の3歳以上3勝クラス・2200m)→ステイヤーズステークス(12月上旬開催のG2・3600m)→有馬記念(中2週の12月末開催のG1・2500m)と、
下半期のローテをギリギリまで詰めて、有馬記念出走になんとか漕ぎ着けたことが示唆されている。

「父が(ファミリーと同じ)善戦マン、有馬で大出遅れから大外捲り勝ちする日高のドステイヤー巨漢」とモチーフには白いアレの顔が強く見え隠れする。
原作では毛色について明言されていないため、ドラマで芦毛設定が足されたのがそれを意識してのネタなのかもしれない。



余談

わりかしマイナーな制度である相続馬限定馬主だが、ドラマでこれが話タイトルになった8話の放映週、
ジャパンカップで20年ぶりの外国産馬にして同様に馬主死亡により相続された馬*59であるカランダガンが勝利。本作最大のサイン馬券として話題になった。
また、実例として有名どころで「アドマイヤ」冠がこの制度で近藤利一から後妻の近藤旬子へ継承されている(後に正式な資格を得て馬主を続けている)。
実はこのジャパンカップには旬子氏の馬である芦毛のアドマイヤテラも参戦しており、しかも先頭でゴール板を駆け抜けた…(空馬で)

早見和真は小説を書くにあたって自身も馬主になる必要があると感じ、ロードカナロアで有名なロードホースクラブの一口馬主に出資している。
出資馬のレースは極力現地に行くことを心がけているようで、ドラマ原作者としてオールスター感謝祭出演オファーを受けた時は
出資馬の出走と競馬チャンネルの取材と丸被りしてしまったが、オールスター感謝祭出演を蹴っている。

2026年には出資馬『ロードフォンス』がJRA重賞『根岸ステークス』制覇で感無量な投稿を残していた。前年に地方交流重賞で勝利していたが、JRAの重賞勝利はこれが初めて。
そして同年には地方交流G1『さきたま杯』*60で念願のG1タイトルを獲得し、SNSで喜びを爆発させていた。
この勝利はクラブとしてもロードカナロア以来約13年ぶりのG1制覇でダートレースでは初のG1制覇にもなった。
ロードフォンスは『左回り・1400m』がベストとされており、日本国内でこの条件が一致するダートG1レースはさきたま杯だけだったが*61
前年までは賞金的にそもそも門前払い状態*62、カナロア産駒で顕著な暑さに強くないため前年まで休養期間だったが2026年は気温上昇が穏やかで調子を崩すことなく、出走順位も当初補欠1番手で回避が出なければ出走すら叶わなかったのが回避が出たため無事出走。
更に枠も過去10年で見ても勝率・馬券率が高い内枠など数々の幸運に恵まれ、得意な舞台で見事1番人気の馬を抑えてタイトルを獲得した。


追記・修正は日高の馬で有馬を勝ってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\有馬記念に勝ちたい/

最終更新:2026年07月05日 18:49

*1 一応、原作だと詩の引用という形でタイテエムの名前が出てくる場面もある。

*2 役柄としては観客や馬主、JRA職員や警備員、厩務員や騎手など多岐に渡る

*3 1988年の映画「優駿 ORACION」で『作中の東京優駿シーンのために、撮影年(1987)のダービー1番人気馬(マティリアル号)に決め打ちして撮影』という暴挙に出た結果マティリアル号が18着の大負け、1着はメリーナイス号。毛色から派手に違う馬に勝たれて撮影用馬を新しく探すハメになった。また、他レースシーンの撮影では実際に馬を走らせたもののシナリオ通りの着順にならず何度も撮り直し、酷使の末故障馬まで出したと伝えられている。

*4 正確に言うと、プロローグ的な期間が減っていることで原作にあたる部分は2011~2025年と短くなっており、エピローグとして2030年が描かれていることで帳尻が合っている。

*5 ただし、事の露見で評判がダダ下がりとなり会社に少なくないダメージはあった。

*6 2008年、当時人材派遣業において最大手クラスだった株式会社グッドウィルによる職業安定法違反事件が発覚し、同社は廃業にまで追い込まれた。原作設定の時点でこの時期にあたる。

*7 MVではバックに一部「田園」の映像を使っていたり、2025年のNHK紅白歌合戦でも「田園」のアカペラから繋ぐという構成だったりと、公式にも実際意識されている。

*8 特にファミリーは明らかにホープと勝負服のカラーリングが違うという点も、ウマ娘or競馬知識があるとよりネタバレ感が漂う。もっとも、実際には耕造が勝負服を新調するという展開のため実は直接関係はない。

*9 11月に放映されたホープの有馬なども含めればもっと増えうる。

*10 インターネットアーカイブで当時の状態を確認することは可能。

*11 キャッチコピーも「待ってろ、ファンファーレ」とドラマを意識した物となっている。

*12 ドラマ版だと重賞馬はロイヤルハピネスしか確認できず、「ロイヤルの馬は勝てない」と若手社員達からも陰口で言われるなど、原作より割引されていると思われる。

*13 サトノ冠でお馴染みの馬主。代表馬は2016年に菊花賞や有馬記念を制したサトノダイヤモンドや2025年に高松宮記念を制したサトノレーヴなど。

*14 メイショウ冠でお馴染みの馬主。代表馬は2001年に宝塚記念を制したメイショウドトウや2025年に宝塚記念を制したメイショウタバルなど。

*15 フサイチ冠でお馴染みの馬主。代表馬は1996年に日本ダービーを制したフサイチコンコルドや2006年にエリザベス女王杯を制し、アーモンドアイの母として知られているフサイチパンドラなど。

*16 テソーロ冠でお馴染みの馬主。代表馬は2023年にドバイワールドカップを制したウシュバテソーロや2024年にJBCクラシックを制したウィルソンテソーロなど

*17 耕造と同じく馬主だったのだが、京子曰く「自分の所有馬が負けたのを妻のせいにするような人だった」と評されるようにかなり横暴だったらしく、お世辞にも人間的に出来たとは言い難い人だったようである。

*18 余談だが、弟の小泉進次郎はドラマ放送開始時、JRAを監督する農林水産大臣を務めていた(直後に異動)。

*19 ただし、この提案が8月中旬のことで、しかも3歳未勝利戦は原則として9月~10月初旬で終わってしまうため(それ以降も中央を走るなら格上挑戦するしかない)、実質「残り1ヶ月程の間に勝て」と言われているような物で、見た目よりかなり厳しい。

*20 モチーフは明らかにノーザンファームとそれにまつわる事情である。

*21 日高の取引額としては異常値。日高の牧場が多数参加し、日高軽種馬農業協同組合が主催するセレクションセールで1億を超えた馬は開催全期間(2001-2025)で3頭のみ。平均値は2025年実績で1863万円というのが日高1歳馬の相場。

*22 原作では一部「無表情・鉄面皮」とも表現されているが、ドラマでは終始見た目通りのチャラさで描かれている。

*23 基本的に相手を敬称付きで呼ぶ栗須は当初「名前+敬称」で呼ぼうとしたが、隆二郎本人に押し切られる形で名前だけで呼ぶことになった。

*24 他にも自身の厩舎の馬のレースでの騎乗も積極的に依頼しているようなので、翔平を厩舎の所属騎手として迎い入れていると思われる

*25 2015年から始まった改修事業で、第三期工事が2022-2025年。ちょうどロイヤルファミリーの時代に該当する。

*26 厩舎の撮影の際には、移転前の厩舎の外装はJRA競馬学校で、内部の撮影はセットを組んで行っている。移転後はJRA馬事公苑の厩舎を使用

*27 中盤までは目黒蓮=耕一が担当しており、耕一が本格的に主役を張ると共に入れ替わる形。

*28 喜安が海堂薫役、津田が乾貞治役で出演。

*29 ペーパーオーナーゲーム。「デビュー前の若駒から規定の頭数(よくあるのは10頭)を選んで、規定日(よくあるのは東京優駿開催日)までの獲得賞金額を争う」という形で相馬眼を競う紙上ゲーム。

*30 原作では逆に、少なくとも耕一の前で競馬に触れる様子はなかったとされている。

*31 2025年時点の個人馬主要件は「継続的に得られる(競馬に関する収入抜きで)所得金額2000万円以上」「継続的に保有する資産額1億円以上」で、これをクリアしたことを意味する。

*32 友人になったのも、親が税理士という共通点があったことから。

*33 笠松およびJRAの元騎手である安藤勝己

*34 『釣りバカ日誌』の鯉太郎役など。

*35 同じく2011年設定の第1話の地点で、現実ではまだ騎手ではない今村聖奈が登場している世界ではあるのだが

*36 なお現実ではフォーエバーヤングのBCクラシックへの騎乗のためにアメリカに遠征していたため、2025年の天皇賞(秋)に坂井瑠星は騎乗していない

*37 元々の意味は「超人気薄の武士沢騎乗馬の馬券を買って当たるか挑戦する」という意味の2ch/5ch競馬板ワード。前年に武士沢が騎手引退したことで行えなくなったばかりだったのもあってかワードが転用される形に。

*38 ファイトは幼駒時代のシーンもあったため5頭も使っている。

*39 父アドマイヤムーンの牡馬で2012年クラシック世代の一頭。平地で1勝もできなかった後に障害競走に転向し、引退までに障害重賞6勝を挙げる活躍をしている。

*40 準オープン、2025年時点での3勝クラス。

*41 現実ではダービー馬ウオッカ、その他にダイワスカーレットやドリームジャーニーなどが該当。

*42 現実ではダービー馬ドゥラメンテ、その他にキタサンブラックやサトノクラウンなどが該当。

*43 静岡の自動車部品メーカー会長で「カツノ」を用いる剛腕馬主であり、北陵ファーム一強になりつつある業界を批判して日高地方の牧場の馬を購入して走らせているが、一方で「立場の弱い相手から買い叩いているだけ」という声もある。ドラマでは端役として大分あっさり描かれている。

*44 少なくとも日常シーンでは流星(星)のある馬を使っており、できるだけ再現しようとはしている。

*45 原作では名前は異なる。なお、現実で日本馬が初勝利したのは2022年のステイフーリッシュのため、ドラマ準拠の時間軸でも日本馬初勝利にあたる

*46 G1馬であるヴァルシャーレやイマジンドラゴンの人気を超えて有馬記念のファン投票1位にまでなっている

*47 原作当時はまだ幼駒なので、少なくともこちらは偶然の一致。

*48 ドラマでの設定上、美紀子が見初めるのが耕一誕生前でなければならないため、このくらいに設定せざるを得なかったと思われる。

*49 実際の日本史上で繁殖牝馬の最高齢出産記録はアルーリングアクト号。2024年に27歳で第16仔(父ステルヴィオ)を出産した。

*50 ドラマ内の資料でも20歳を機に交配を止めていることが書かれており、この為だけに繁殖牝馬に戻したことになる。

*51 現実ではダービー馬タスティエーラ、その他にソールオリエンスやドゥレッツァなどが該当。

*52 中央競馬においては「登録後に片目失明なら平地のみ出走可能」という規定なので隻眼の競走馬自体はリスクがあるだけでルール上可能。一例としてウインジェネラーレ号は2004年に右眼失明、2006年には有馬記念出走を達成。

*53 原作では2着なので、収得賞金を確保しているため賞金順での有馬記念への出走は十分可能な範囲だが、ドラマでは3着で収得賞金が得られず有馬記念に賞金順で出走するのはこのままでは厳しい範囲となっており、ジャパンカップ出走への必要性が増している

*54 原作ではソーパーフェクトの件で触れられるため間違いないが、ドラマでは一応不明。

*55 ただし元ネタと違って道中での発言で、言い方も真逆と言っていいくらい落ち着いている。

*56 前者は2012年、後者は2013年

*57 2025年セレクトセールの平均落札価格は6909万3333円、牡馬のみなら8302万2059円なので3900万でもかなりの安値。1900万に至っては落札額下位10%ぐらいにいる超安値。

*58 現実でも達成されていない。これまではシンボリルドルフ・ディープインパクト・コントレイルの3頭に達成チャンスがあったが、それぞれ「前走で敗北(シンボリルドルフ)」「出走するも敗北(ディープインパクト)」「そもそも出走しなかった(コントレイル)」ということで達成できなかった。また無敗ではないが三冠からその年の有馬記念も制覇した馬はナリタブライアンとオルフェーヴルがいる。

*59 海外の馬なので、正しくはこの制度自体を使ったわけではない。

*60 厳密には国際レーティングがないため日本独自のレーティングJpn1に分類される、また2023年まではJpn2で実質G2レースだった

*61 JBCスプリントも場合によっては条件が合う時もあるが毎年開催地が変更され、2026年は右回りの金沢競馬場で距離も1000mで完全に適性外だった。

*62 さきたま杯はJRA所属馬の出走枠は5頭までしかないうえ、賞金だけでなくレーティングでも厳しかった