初音ミク

登録日:2009/06/25 Thu 02:42:38
更新日:2025/08/13 Wed 21:29:18
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あなたがプロデュースできる、バーチャルシンガー。


初音(はつね)ミクとは、クリプトン・フューチャー・メディア(以下、「クリプトン社」と表記)から発売された音声合成DTMソフトウェアである。

と同時に、「電子の歌姫」の二つ名を引っ提げて音楽界に現れ、2010年代の流行をかっ攫い、VOCALOIDという一大ジャンルを築き上げた伝説的アイドルでもある。
具体的にどのくらい「伝説」なのかというと、音楽を飛び越えて日本史の教科書にガチで名前が載っているレベル。





◇概要   


メロディーと歌詞を入力することで簡単にボーカルパートを作ることができるソフトウェア。初音ミクとはこのソフトウェアの名称であると同時に、その外箱に描かれたイメージイラストの女の子の名前である。

だいたい税込2万円ほどの価格で売られており、Amazon等で注文することでお迎えすることができる。
なお、「ソフトウェア」ではあるが、家電量販店やPCショップでは売られてないことが多いので注意。
初音ミクはカテゴリ的には楽器なので、購入したいなら楽器店(ギターとかピアノとかを売ってる店)を当たる必要がある。

開発は基幹となる音源エンジンの開発がヤマハ
声のデータやパッケージイラスト等の音源エンジン以外の部分がクリプトン・メディア・フューチャー社。

◇キャラクターとしての初音ミク   




画像出典: piapro.net「ピアプロキャラクターズ」
©Crypton Future Media, INC. www.piapro.net

足元まで伸びている長いツインテール青緑髪が特徴的な女の子。
とある動画の影響をうけてネギを持っていることも多い。
その可愛らしい外見から音楽関係のみならず、絵師等からも人気を集めている。
フィギュアでも出来のいいものが多く人気が高い。

また、プロフィールも存在するが、

  • 年齢: 16歳
  • 身長: 158cm
  • 体重: 42kg

公式設定はこれが全て
その他の性格・好物などは“意図的に”設定されておらず、ユーザーが自由に想像できるようにしてある。
元絵を描いたKEI氏の設定すら公式では無いというレベルで徹底されている。
ただし、初音ミクの初版発売日である「8月31日」と、初音ミクの開発会社であるクリプトン社の所在地である「北海道札幌市」はパーソナルデータに含められることが多い。
なので、「北海道出身、8月31日生まれの16歳のアイドル、初音ミク」といった扱いがユーザーからは多め。

パーソナルデータの多くが意図的に設定されていない分、描き方や立場は各投稿者*1によって自由すぎるくらい自由に分かれる。

気が強くて恋をする年頃の女の子*2だったり、
滅びた世界を旅して回るアンドロイド*3だったり、
パソコンの中からプロデューサーに無償の愛を捧げる正統派「電子の歌姫」*4だったり、
旦那の気を引きたいがために毎日死んだふりをするちょっと変な新妻だったり、
深い森の奥にある怪しい館に迷い込んだ村の娘*5だったり、

……と、よりどりみどりである。


DTMソフトウェアとしての「初音ミク」について


キャラクターデザインはKEI。
声の収録元は藤田咲

キャラクター・ボーカル(CV)シリーズ第一弾として発売。
ヤマハは先述の「メロディーと歌詞を入力することで簡単にボーカルパートを作ることができるシステム」をVOCALOIDとしてかねてより確立しており、初音ミクはそれの第2世代(VOCALOID2)にて初登場した。

MEIKOやKAITO販売の経験を生かし、ソフトにキャラクター性を肉付けするという改良により、ブームを引き起こした。

なお、クリプトン社は以前からVOCALOID対応ライブラリを販売しており、前世代(VOCALOID1)であるMEIKOだけは業界でヒットと言われていた。
しかしミクの発売(年間1000本売れれば大ヒットと言われる業界で、発売1年で4万2000本売った)がきっかけとなり、KAITO等、それ以外も注目を浴びるようになった。
現在もクリプトン、あるいは他社から同様の音源・キャラクターが開発・発売され続けており、現在では約数十は存在する。それらについてはVOCALOID一覧(国内)を参照。

その活躍はまさに「電子の歌姫」であり、コラボ、キャラグッズはもちろん、レディーガガなどの他アーティストのライブに共演したり、彼女のライブが毎年開催されるなど、仮想の存在とは思えないほどの活躍である。

余りに有名すぎるため《ボーカロイド=初音ミク》という認識の一般人も多く、ニコニコ動画での彼女の検索案件が他のボカロキャラよりも1桁多いという結果も出てしまっている。
またそのせいで「ボーカロイド」というキャラクターに対する扱いや態度を訴える曲に使われる事も。
近年では後発が多く出てきた分、「ボーカロイドの名代」「ボカロキャラの大御所」としての登場も多い。
一番有名ではあるものの、前述の通りソフトウェアとしては第2世代(VOCALOID2)で、第1世代(VOCALOID1)はMEIKOとKAITO。
そのMEIKOとKAITOも少なくとも10万台は売れており、業界内では十分ヒットしたと言える売り上げを出している。

ちなみに、ミクから見て先輩にあたるMEIKOとKAITOや、後輩にあたる鏡音巡音といった、クリプトン社のキャラは「ピアプロキャラクターズ」という公式名がつけられている。


各バージョンの初音ミク

  • V2 (VOCALOID2)
2007年8月31日発売。初音ミクとしては最初のバージョン。

  • Append(アペンド)
2010年4月30日発売の、V2用追加音声パック。6種類の声の表情が使えるようになる。

  • V3 (VOCALOID3)
このバージョンでは英語音源が登場した。
2013年8月31日に英語版が、同年9月26日に日本語版単体と日英両方入りセットが発売された。

  • V4/V4X (VOCALOID4)
2016年8月31日発売。
日本語版は「V4X」というバージョン名であり、「X」はクリプトンによる独自機能「E.V.E.C.」に対応していることを表す。
また、E.V.E.C.はついていないが英語版や中国語版(これのみ2017年9月)も発売された。

  • NT/ニュータイプ (Piapro Studio NT)
2020年11月27日発売。
当時のVOCALOIDプラットフォームは第5世代(VOCALOID5)に突入していたが、なぜかミクはVOCALOID5に参入せず、代わりにクリプトン社独自のソフトウェアである「Piapro Studio NT」のライブラリとして発売された。
そのため、ミクなのにVOCALOIDじゃないという異例の世代となった。

  • V6 AI (VOCALOID6)
2024年中に発売予定。
VOCALOIDに復帰すると同時に、ミク史上初となるAI(人工知能)による歌声合成が可能になる。

  • NT Ver.2 (Piapro Studio NT)
2025年前半に発売予定。
NTもVOCALOIDも並行して開発されており、こちらも同じくAIによる歌声合成が可能になる。


「DTMソフトウェア」とはそもそもなんなの?


初音ミクとは切っても切り離せない「DTM」についても軽く触れておこう。
DTMとは「デスクトップ・ミュージック(DeskTop Music)」の略称であり、パソコンの作曲アプリで制作した音楽、およびパソコンで楽曲を作編曲する行為そのものを指して呼ばれる。
(音楽に詳しくない人に向けて補足すると、DTM普及前の作曲とは、楽譜を書いてその通りに演奏し、その演奏を録音してCDにすることだったわけだ。)
で、このDTMを使えば、楽器を用意したり弾き方を覚えたりしなくてもギターやドラムやピアノ等を使った作曲ができ、さらに作った楽譜をその場で演奏してもらったりできる。

DTMとして使える楽器にはピアノ、ギター、ドラム、エレクトーンなどさまざまなものが存在するが、
初音ミクはいうなれば「DTMソフト上で使用できる人間の歌声」とでも呼ぶべきモノ。
歌詞と音階を入力すると、その内容通りに歌ってくれる*6

最大の意義は「ボーカル付きの楽曲を作るハードルを下げたこと」で*7
ほろりと泣いてしまう曲から人前では歌えないような過激な内容の曲、「ただ叫ぶだけ」の曲、あるいは物理的に人間では歌唱不可能な曲など、常識にとらわれない幅広い曲を作成可能な文化圏を作り上げるにつながった。
また、「初音ミク」というキャラクター性も検索性の向上にもつながっており、「初音ミク」の曲は誰が作者であってもすべてが「初音ミクの曲」として纏まっているため、新進気鋭のアーティストやこれまで無名だったアーティストが注目されやすくなった。


◇初音ミクを取り巻く文化   


基本的に、作成された楽曲はPIAPRO、あるいはニコニコ動画をはじめとする動画サイトに投稿され、無償で視聴できるようにされているのが習わし。
既存曲のカバーもあるが、割合的には投稿者によって考案された完全オリジナル曲の割合が多い。
また、元々が「便所の落書き」とも称されたインターネット出身の文化である関係上、様々な形での「闇」を抱えた後ろ向きな楽曲や怪奇趣味的な楽曲、奇曲が多く存在することも特徴。

  • いじめをどストレートに描いた「細菌汚染」
  • 堕胎をはじめ複数の考察が存在し、今なお正解が出ない「僕をそんな目でみないで」
  • 思春期特有の繊細な悩みを克明に描いた「命に嫌われている。」
  • 知る人ぞ知る初音ミクの奇曲「ハイセンスナンセンス」
  • 人間を拘束して無理やり楽曲を制作させているミクというぶっ飛んだ解釈を描いた「Sadistic.Music∞Factory」
  • オトナの世界とそこに身を置く満たされない人間を彷彿とさせる「ラビットホール」
  • ただただ下ネタフルスロットルの超問題作「くるみ☆ぽんちお」
……などなど。

音楽のみならず、それに関連した二次創作作品(ダンス動画やイラスト等)の投稿もかなりの数が存在する。
特にメジャーなのが、有志が独自開発した物理演算ソフトウェア「MikuMikuDance」を利用して作られたダンス動画「MMD動画」で、3Dモデルで描画されたミクが歌って踊る姿を拝むこともできる。

ちなみに、初音ミクを使って楽曲を投稿する作曲者の事は「プロデューサー」と呼ばれるのが界隈の慣例。
「現実逃避P」のように後ろにPがついている投稿者がいたら、それはP(プロデューサー)の略であり、「ボカロP」と言えば「ボカロの曲を制作している人」を指す。


コンテンツ全てを紹介しようとするとキリがないので、次項では特に有名な初音ミクの楽曲について軽く解説する。


◇「VOCALOID神話入り」した初音ミクの楽曲   


ニコニコ動画には、動画の総再生回数が増えるごとに特定のタグがつけられる風習がある。
  • VOCALOID殿堂入り
10万回再生に到達すると冠される称号。
ここに到達すると「ヒットした楽曲」とみなされ、その多くがカラオケに収録される。

  • VOCALOID伝説入り
100万回再生に到達すると冠される称号。
ここに到達すると大ヒットした楽曲の基準とされる。カラオケで歌う曲の定番はだいたいここ。

  • VOCALOID神話入り
1000万回再生に到達すると冠される称号。
ここまで来ると「ボカロを知る人なら誰もが聞いた事のある不朽の名曲」扱い。
ボカロ界隈を超える社会現象を巻き起こしたり、作曲したPの名前が売れて大物アーティストになったり……と、社会的な影響も大きい。


以下ではこのうち、「VOCALOID神話入り」の一部について解説する。
いずれも社会現象を巻き起こしたレベルの名曲だが、どの曲もyoutube等の動画サイトで検索すれば無料で視聴可能。
このVOCALOIDならではの特性も、人気に貢献したのかもしれない。

千本桜


2011年(原宿時代)投稿。ノリノリのメロディと漢のロマンをくすぐるかっこいい歌詞が輝く熱血系和ロック
ボーカロイドの楽曲で一番有名なのは何か?」という話題になれば真っ先に名前が挙がる伝説的名曲。
投稿当初から圧倒的な再生数を叩き出し、社会現象を巻き起こした。
初音ミクを「大ヒットした音声合成ソフト」から「インターネット史・音楽史双方に爪痕を残した一大ネットカルチャー」に押し上げた立役者でもあり、ミクを語る際には欠かせない曲の一つである。
初音ミクの代名詞とされる曲のひとつであり、ニュース等でボカロの紹介が入る際は「みくみくにしてあげる♪」かこの曲のどちらか、あるいは両方が流されることが多い。


マトリョシカ


2010年(9時代)投稿。ボカロP「ハチ」によって投稿されたロックミュージック。
後発のVOCALOID「GUMI」とのデュエット曲である。
不協和音を取り入れた予測不能な主旋律からなる「汚れた音色」が唯一無二の魅力を放つ名曲。
「ああ、この人達の生活圏は治安が悪いんだな」と一発でわかるアングラ感溢れる音使いは一聴の価値ありである。

千本桜と並んでボカロ全盛期(というかニコニコ動画全盛期)を彩った楽曲の一つであり、これも独特の画風のミュージックビデオを含めた多くのオマージュや「歌ってみた」動画が世に出ることとなった。

ペイントアートを模した不気味なミュージックビデオも特徴だが、このミュージックビデオもハチ氏自身がマウスで一から描いたもの。
このハチという投稿者は後に「米津玄師」と名前を変え、日本人なら誰もが知る国民的シンガーソングライターへと大出世を遂げることになるのだが、それはまた別のお話。


初音ミクの消失(LONG VERSION)


2008年(SP1時代)投稿。VOCALOIDのミクと、彼女のマスター(持ち主)との別れを描いた泣きうた。
またの名を「最高速の別れの歌」。
消失寸前のミクによる悲痛な歌唱と、BPM240という超高速のテンポに乗せて圧縮された歌唱が交互に畳み掛けてくる。

作者によれば「歌えるもんなら歌ってみろよ」という意図で制作したものだそうだが、そのとんでもなく高い歌唱難易度を乗り越えて本当に歌い上げてしまったファンも後に現れた。

音ゲーにおける「ラスボス(最難関の曲)」としてしょっちゅうお呼びがかかることでも有名で、音ゲーマーにとっては別の意味で特別な楽曲だったりする。

みくみくにしてあげる♪

2007年(RC時代)投稿。「ボコボコにしてやんよ」というスラングをもじった造語「みっくみくにしてあげる」(=ミクの可愛さでメロメロにしてやる)という宣告と共に、聴き手を真正面から悩殺しに来る正統派アイドルソング。

初音ミク黎明期には多かった「初音ミクを主人公としたアイドルソング」のひとつで、その中でも抜きん出た人気と知名度を誇った伝説的名曲。
先述の千本桜が「ボカロを一時のブームから『音楽史に残る伝説』にした一種のピリオド曲」とするなら、この曲は「無名のアイドルだった初音ミクを人気アイドルに押し上げた始まりの曲」と言える立ち位置にあり、後の作曲家……否「マスター」を増やすきっかけともなった。
メディアに取り上げられる際も大抵千本桜とこの曲が使われる。



メルト

2007年(RC2時代)投稿。ちょっと恥ずかしがり屋な恋する女の子の視点で歌われるポップソング。
解像度の高い歌詞とミク特有のロボっぽさを極力排除した歌声が合わさり、人間のそれをも超える甘酸っぱい恋の歌に仕上がっている。

恋歌としての圧倒的な完成度により、「みくみくにしてあげる」以降続いていた「アンドロイドの初音ミクを主人公にした曲」ブームを終わらせ、「ミクが歌う、ミクでない誰かの歌」ブーム、通称「メルトショック」を巻き起こした立役者。
この曲の登場により、「初音ミク」は爆発的に幅広いジャンルの曲を歌うようになった。
当然、変な曲を歌わせるマスターもまた爆発的に増えた為、以降の初音ミクは事あるごとにヘンテコな曲を歌わされては「仕事を選ばないミクさん」とイジられることに……。
第一線で活躍するボカロPには、「メルトに惚れてボカロPになりました」と公言する者も多く、そういった意味でもボカロの歴史から外せない名曲。



ラバーズ


2009年(ββ時代)投稿。早逝したボカロP「wowaka」による、高速のテクノポップ。
生々しいエロスにまみれたえげつない歌詞と、それをまったく感じさせないスタイリッシュなメロディ&MVがアンバランスに釣り合う名曲。

「意味が通るかより音に沿うかを重視した難解で複雑な歌詞」「速いテンポと印象的(キャッチー)な音使いを両立したテクノ系メロディ」「歌いにくさ」、などなど、
近代のボカロヒット曲に通底する「ボカロらしさ」を樹立した大ヒット曲。
ちなみに、ボカロPには、似たような傾向の曲のみを製作する「宗派」持ちのクリエイターも数多くおり、この曲の作者であるwowakaもその一人。


砂の惑星

2017年(GINZA時代)投稿。先述の「マトリョシカ」と同じ作曲家「ハチ」によって投稿されたロックミュージック。
ハチの十八番である「汚れた音色」はこの曲でも健在で、主旋律の裏でガチャガチャ鳴りまくる雑音がポストアポカリプスめいた世界感を想起させる名曲。

また、ボカロの歴史を彩ったさまざまな名曲のニュアンスが散りばめられた歌詞も特徴。*8
そうしたリスペクトを感じさせつつも曲の内容自体は「荒廃したボカロ界隈なんか出ていこうぜ」というゴリッゴリの風刺だったため、発表時はちょっぴり炎上した。
「ハチ」はこの曲を最後にボカロPとしての活動が途絶え、シンガーソングライター「米津玄師」としての活動に方向転換したのだが、
彼の後に残されたボカロPの中にはこの曲に対して「まだまだいける」「これからさ」といった内容のアンサーソングを投稿するPもおり、
ボカロの歴史のひとつのピリオド、あるいは転換点と言える。

また、この曲は「マジカルミライ」のテーマソングのひとつでもある。


なんらかの形で初音ミクの知名度向上に貢献したエピソードがある楽曲


初音ミクが来ないのでスネています(と、その派生作品)

ワンカップPによる楽曲群。この曲自体はMEIKOだが、エンドソングになる「初音ミクがやってこない迷宮組曲」でようやく初音ミクが登場。
というのも「ミクさんをamazonで予約したけどkonozamaされた」というのがこの曲の作成理由だったから。
下のlevan Polkkaを制作したOtomania氏に「前日に予約したけど普通に届いた」と喧嘩売られたりと、この騒動は一大ミームと化した。
元々わPがアイマス界隈で活動していたこともあり、この騒動の中でコメントにより「ワンカップP」と命名され、以降ボカロの製作者が「〇〇P」と命名されることに。
ちなみにわPのせいで「MEIKOはお酒好き」の非公式設定が一般化したというネタもある。

Ievan Polkka

フィンランドの民謡「Ievan Polkka」をミクにカバーさせた楽曲。
1000万再生を達成したわけではないが、現在のミクのキャラクター付けに強い影響をもたらした楽曲の為記載。
どういうわけか、この曲のリズムに合わせてミクがネギを振り回す動画がネットで大流行。
結果「ミク=ネギ」のイメージが定着したらしく、以降初音ミクは楽曲のPVなどで何かと首領パッチソード長ネギを持たされるようになった。ミクが長ネギを剣のように構えていたり、楽曲にネギというワードが混じっていたらこの曲のせいである。
更には巡り巡って、後述のポケモンコラボでついにカモネギとの公式ツーショットが実現

余談だが、ネギを振り回すモーションは漫画「BLEACH」のアニメ版における井上織姫が元ネタである。
ある海外のファンが、このシーンをループさせて原曲を当てはめた動画を投稿したのが全ての発端。

Tell your World

ミク特有の無機質な歌声を前面に出した、ロボット風味強めのテクノポップ。
初音ミクの曲でありながら初音ミクはミュージックビデオにほとんど姿を出さず、「ミクの動画サムネ」「ミクに歌声を付ける作曲家」「ミクのイラストを作成する絵師」といったクリエイターの作業風景ばかりを流す捻った演出のビデオが製作され、それがGoogleのテレビCMとして使われたことで話題となった。

初音ミクの方向性を明確に変えた楽曲であり、それまでバーチャルといいつつも「一人のアイドル」として扱われる向きの多かったミクが、この曲の登場以降「多くのクリエイター達の夢と思念から形成された高次元の存在(≒神様)」という文脈で語られることとなった。
モロにこの影響を受けたのがテレビ等の公共色の強いメディアで、近年ではミクが人格を持った存在としてメディアに出演することは少なくなっている。

ブラック★ロックシューター

毎秒20発の岩石を発射できる大砲を携えた謎の少女「ブラック★ロックシューター」を題材にしたJ-POP。
このアニヲタwikiにも2009年から項目がある御長寿コンテンツでもある。

もともとは、ある一人のイラストレーターが「女の子に武器持たせたらかっこいいよね!」という思いつきを絵にしただけのものだった。
が、その絵は大きな反響を呼び、その少女を題材にした同名の楽曲「ブラック★ロックシューター」が作られることに。その歌のボーカルとして声がかかったのが我らが初音ミクである。
(……という経緯なので、ブラック★ロックシューターと初音ミクのデザインはよく似ているものの二人は無関係の赤の他人である)
すると今度はその曲がヒットし、ブラック★ロックシューターを題材にした物語が作られ、複数回アニメ化され、ゲームも展開され、
現在もソシャゲとして生き続けている……という数奇な運命を辿っている。

お互いがお互いのファンを呼び込む形で成長してきた歴史から、
ある意味では初音ミクと共に育ち、共に歩んできたコンテンツと言えるかもしれない。

カゲロウプロジェクト

通称「カゲプロ」。
単体の曲ではなく、じん(自然の敵P)が手掛けたVOCALOID楽曲群の総称。小説・漫画・アニメのメディアミックス化もされている。
「複数展開される楽曲を繋げていくと、一本の連続したストーリーが浮かび上がる」という、VOCALOID界隈ではあまり見かけない提供形態が特徴。*9
爽やかなボーイ・ミーツ・ガール成分と謎に包まれた複雑な事件が少しずつ解き明かされていく緊迫感の入り混じったミステリアスな作風は当時*10の少年少女の心を鷲掴みにしたとされ、「カゲプロを知っている」と不用意に言ってしまうだけでおおよその年齢がバレるほどの凄まじい人気を誇った。
後発のVOCALOID「IA」が多用されていた関係でミクが歌唱を務めた作品数こそ多くはないが、
カゲプロという名の巨大コンテンツの存在は、ミクを始めとするVOCALOIDの世界への入口としても作用した。

B Who I Want 2 B

日本J-POP界に爪痕を残した伝説の歌姫"安室ちゃん"こと「安室奈美恵」と、正体不明のアーティスト「U hum sneak it(こっそり口ずさむ)」のデュエット曲。
「ネオ東京」を題材に、電子音を多用した未来感あふれる音色と、電子空間を飛び回るような不思議なメロディラインが特徴。
……まあ、この項目に書いてあることから察しはつくだろうが、「U hum sneak it」とは「HATSUNE MIKU」のアナグラム。
つまるところは初音ミクと安室奈美恵のコラボ曲であり、正体判明時には双方のファンに大きな衝撃を与えた。
調声に参加したボカロP「Michie M」氏*11の腕も遺憾なく発揮されており、ここでのミクの歌声は最早人間のそれと区別がつかないクオリティを誇る。
配信サイトでの公開が制限されておりフルで聞くには有料での購入が必要。

キメラ

ゆらめくように不安定なギターリフと、本音を隠して演技をするアイドルを題材にした荒れ気味の歌詞が特徴のメタルな曲。
MVには、作者であるDECO*27がこれまでに作ってきた楽曲*12に登場したミクがまぜこぜにされた「キメラ」が描かれている。
日本テレビ「ズームイン!!サタデー」2022年4月2日~2022年9月26日(7代目)のテーマ曲として書き下ろされた楽曲で、
朝の報道番組とは真逆のダークな曲が選出されたことで話題となった。
「お、いいねいいね」で始まる歌いだしが特徴で、テーマ曲としての利用が終わった現在でもこの歌いだし部分がアイキャッチとして使われている。


ボルテッカー

ポケットモンスター誕生25周年を記念したコラボイベント「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE 18 Types/Songs」のテーマ曲として作られた楽曲。
曲名の由来はもちろん、「世界一有名なポケモン」こと"サトシのピカチュウ"の代表技「ボルテッカー」。
MVにピカチュウと初音ミクの両名が登場するほか、旋律から歌詞から効果音からMVにいたるまで「ポケットモンスター」で使われた様々な小ネタがこれでもかと組み込まれているのが特徴。その数なんと30以上にも及び、それらを違和感のないひとつのロックにまとめ上げた氏の職人芸が光る。
余談だが本イベントは多数のボカロPが参加した大規模コラボであり、楽曲はこれ以外にも多数存在する。

◇ライブイベント   


バーチャルの存在とはいえ、初音ミクも一人のアイドル。歌って踊れるのはもちろん、ライブイベントも存在する。
2024年現在で特に著名なのは、毎年夏に東京・大阪・福岡で興行されているマジカルミライ
個別記事があるので、そちらを参照のこと。

また、近年では2016年から続いている『超歌舞伎』もじわじわと知名度を上げつつある。
初音ミクはとうとう歌舞伎の舞台にまで上がったのだ。


◇外部展開   


「仕事を選ばないミクさん」の二つ名の通り、2024年現在のミクさんはかなりいろいろなところに外部出演を果たしている。
本人ではなく「髪型と服だけ」といった登場の仕方も含めると軽く数十はある。

ゲーム


初音ミク -Project DIVA-シリーズ

アーケードゲーム、およびプレステで複数機にわたって展開されているリズムゲームシリーズ。
初音ミクの登場から長きに渡ってVOCALOIDというコンテンツを支え続けたミクの第二の主戦場で、
ライブイベントに登場するミクもここのデザインに準拠している。
ヒットしたVOCALOID楽曲は実質的にすべて網羅していると言っても過言ではない。
詳細は個別項目を参照。

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク

通称「プロセカ」。SEGAおよびカラフルパレットから提供されているリズムゲーム。
いわゆるソシャゲのひとつであり、2024年現在もサービス継続中。
ジャンル自体は「リズムゲーム」としつつもストーリー性に力が入っているのが特徴。
さまざまな悩みや夢を抱えた若者に、初音ミクをはじめとするピアプロキャラクターズ達が寄り添いながら解決を目指す、という泣きゲー寄りのストーリーラインが好評を呼び、2020年代の若年層を中心に大きな人気を集めた。
3Dモデルは新規に書き起こされており、DIVAの曲線を多用したデザインから一変、Tda式MMD等に似た自然派のデザインが用いられている。
詳細は項目にて。

ブルーアーカイブ

期間限定の生徒として「初音ミク」が実装。
例にもれず頭にヘイローが出現しているが、ツインテールの結び目部分にリボンのように出現する形となっている。
この世界のキャラは何かしらの専用武器を持たされるのだが、彼女の場合は武器ではなく、ライブ用に観客に向けてグッズをばらまくのに使われる「ライブ用Tシャツキャノン」がそれに設定されている。

フェイ・イェンHD

ロボットゲーム「電脳戦機バーチャロンシリーズ」と初音ミクのコラボレーションにより登場した機体。
後に『スーパーロボット大戦UX』に登場。ミク本人は登場しない……と思いきや、ストーリーにがっつり絡んでくる。ぶっちゃけナイアさん最大の誤算。
また初音ミクの二次創作作品を商品として扱う場合の公式ルールの一つに「ミクに戦闘及び暴力行為をさせてはならない」というものがあるが、戦闘を行うのはあくまでフェイ・イェンHD(≠初音ミク)なので問題はない。

Fit Boxing feat. 初音ミク -ミクといっしょにエクササイズ

「フィットボクシング」の初音ミクver。

MuseDash

VOCALOIDコラボの第一弾としてプレイアブル実装された。現在は新規入手不可能なので注意。
本作オリジナルアレンジの衣装と数曲の楽曲をひっさげて登場、同時押しでないノーツを上下のレーンに関係なく打てるという初心者に優しい(かも知れない)スキルを持っている。ネギも完備。
ちなみに本作はVOCALOID使用楽曲が多く収録されており、VOCALOIDコラボ前からミクを使用した楽曲が複数収録されている。

『頭文字D THE ARCADE』×『初音ミク -Project DIVA-』

ゲーセンによく置いてあるアーケードゲーム「頭文字D THE ARCADE」にも登場。リン&レンおよびルカも同伴。
レースゲームなので直接は登場しないが、イベントを進めることでミク、リンレン、ルカの痛車が入手できる。
また、同作には「頭文字D」の要素であった「カップの水をこぼさないように走り切る」機能があるのだが、ここのカップもVOCALOID仕様に換装可能。
本来カップがあるべき位置に、初音ミクらのアクリルスタンドが立つような形で配置される。

#コンパス戦闘摂理解析システム

コラボヒーロー、すなわちプレイアブルキャラとして登場。
ミクのお膝元であるニコニコ由来のコンテンツ、かつコラボをやりまくるお祭りゲーという側面はあれど、3Dで描画されたミクがバトルに参加するという後にも先にも例を見ない提供形態。
陣取りゲームである当作は性質上、キャラがダウンする頻度が高いのだが、ミクはダウン時に倒れずに座り込むという演出の違いがある。

THE IDOLM@STER2(PS3)

ニコニコ御三家同士のコラボレーション。
DLCで、衣装として登場。
だけでなく、アイマスのアイドルの代わりにミクを踊らせることもできる。
後にシャニマスともコラボした。

にゃんこ大戦争

大型コラボとして他のピアプロキャラクターたちと共に登場。
コラボステージのbgmに彼女が歌った曲が使われている特別仕様。
ミク本人も超激レアとして実装されており、複数の亜種(雪ミク、マジカルミライ、16thなど)が登場している。

また、ネコ基地のいつものbgmに混じってミクの歌声が聞こえる。
ちなみに元々ミクをパロったと思われるキャラクターが実装されていた。

消滅都市

イベント限定のコラボキャラとして登場。
イベント中はメニュー画面でミクの楽曲である「39みゅーじっく」が延々と流れていた。
なお、このタイミングで楽曲提供者のひとりであったsamfree氏が逝去しており、ゲーム中では彼の曲に追悼メッセージが添えられたうえでミュージック・ボックスに加えられるという特例措置がとられていた。

初音ミク and Future Stars Project mirai

3DS用リズムゲーム。
だが、有名なのは「東京ゲームショウ2011」にて登場した着ぐるみのほうだろう。
上記の「Project mirai」の販促役として初音ミクの着ぐるみが登場したのだが、この着ぐるみがミクというには微妙にふとましく、目に光もなく、違和感を感じさせる不気味かつあまり似てない造形だったことで悪い方向に話題に。
(実際、会場にいた子どもを意図せず泣かせてしまったらしい)
そうしてイジられるうち、この着ぐるみは初音ミクを騙る偽物キャラ「ミクダヨー」(※正式な表記は「ミクダヨー」)として扱われるようになった。
クリプトン側も悪ノリしたらしく、イベントに登場する着ぐるみがあえてこのミクダヨーにされていたり、初音ミクとは別にミクダヨーのねんどろいどフィギュアが販売されていたりする。



アニメ


らき⭐︎すた

ミク本人は登場しないが、登場人物の一人である柊かがみが初音ミクのコスプレをした姿「かがみっく」が登場。この「ミクコスをした柊かがみ」そのものがねんどろいどの1ラインナップとして存在していたり。
また、本wikiにもこのかがみっくを扱ったかがみっく痛車転落事故という記事が存在する。

ケムリクサ

本編にミクは登場しないが、エンディングテーマ「INDETERMINATE UNIVERSE」のボーカルをミクが務める。

邪神ちゃんドロップキック

劇中のサブキャラとして客演。声はもちろん初音ミク……ではなく、その声の提供元である声優・藤田咲が声をミクに寄せて演じている。
グロ描写&ナンセンスギャグの入り混じる作中世界においてもほとんどブレず、呑気にネギを振り回すあたりは流石大物アイドルと言うべきか。

新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION

「発音ミク」として登場。声優はやはり藤田咲氏。
本作では、北海道支部で「シンカリオン H5はやぶさ」の運転士を務める人間の少女としての登場。ちなみに小学5年生。
「電子の歌姫」としての登場ではなくあくまでそっくりさん的なポジションで、鏡音リン・レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITOも同じく「見た目がそっくりなモブ」としてちょい出演している。
ライブシーンもあり、そこでは本家ミクっぽい格好となって歌って踊る。


そのほか/分類しにくいもの


Project VOLTAGE

日本のコンテンツ産業の一翼を担う大看板「ポケットモンスターシリーズ」と、同じくコンテンツ界を牽引してきた初音ミクとの大型コラボ。
ポケットモンスターシリーズが25周年を迎えたことを記念し、「もしも初音ミクが18のタイプのポケモンを扱うポケモントレーナーだったら?」というテーマのもと、各タイプに合わせた「ポケモントレーナーの初音ミク」(通称:ポケミク)が合計18種類デザインされた。
また、初音ミクとピカチュウのコラボ楽曲「ボルテッカー」を皮切りに、ミクとポケモンを絡めたコラボ楽曲も次々と発表されている。
余談だが、このイベント以降、マジカルミライ等の一部イベントにピカチュウが告知無しで出現するようになったとの目撃情報が寄せられている。

北海道

クリプトン社のある北海道は実質的に「初音ミクの聖地」としても扱われている。
実際に札幌市とクリプトン社は提携しており、初音ミク……の冬verである「雪ミク」が市のPRキャラクターに抜擢されている。
現在の北海道(とくに札幌)では初音ミクの姿をいろいろなところで見られるだろう。
町中ではマンホール、路面電車といったよくあるものの他、毎年2月に行われる雪まつりではミクの雪像が出現し、札幌市のすすきのでは雪ミクがミクのあの声&アニメーションつきで時報のお知らせをしてくれる電光掲示板が存在する。
……と、ご当地アイドルもかくやという活躍っぷりである。

ちなみに、同じ北海道の新千歳空港には初音ミクミュージアムとも言える常設展「雪ミクスカイタウン」があり、簡潔ながらもミクの歴史と各時代ごとのグッズがまとめられている。
もちろんショップでここだけにしかないグッズも購入可能。

カラオケ

もう追加されて久しく経つが、カラオケにはJOYSOUND、LIVEDAMともに追加済で、現在も新曲が殿堂入りするたびに増え続けている。
JOYSOUNDのほうがニッチな曲を含めて手広くカバーしている傾向が強め。
LIVEDAMは曲数はやや少ない代わりに専用MVが設定されるなどひとつひとつの曲の扱いが手厚いので、どちらで歌うかはお好みで。

「レーシングミク」シリーズ

毎年、レーシング仕様の初音ミクの新デザインが書き下ろされる。
ツーリングカーレース*13の国内トップカテゴリであるスーパーGTのGT300クラスでは、
グッドスマイルレーシングからミクのペイントがされた痛車が走っていて、2011年と2014年にはGT300クラス年間チャンピオンになった。
なお参戦初年度は単に痛い車というだけで車自体もとてつもなく遅く、何度も予選落ちしては「フリー走行ではトップの1秒落ちくらいのタイムが出てたので危なくはないと思います、もし遅すぎて危ないのであれば容赦なく失格にしてくれていいです」といった感じの嘆願書を出してなんとか本戦に進出していたというお笑いチームであった。
現在のようにシリーズチャンピオンを争うようになったのは2011年にパートナーチームをStudie AGにし、車も実績のある*14Z4GT3に、ドライバーに谷口信輝氏*15が加入してからである。
特に現在採用しているメルセデスAMG GT3は世界のFIA-GT3規定のツーリングカーレースでトップシェアを占める正真正銘のトップクラスマシンである。既に市販車に搭載していないエンジン*16を使い続けているのにはFIAから苦情が出ていたりするが
ステアリングを握るのは2024年現在は谷口信輝氏(2011~)と片岡龍也氏(2012~)*17。どちらも他のカテゴリーでのチャンピオン経験も持つトップドライバーである*18

コンビニのCM

セブン・イレブンのCMに登場。お馴染みの「セブン・イレブン・いい気分」のフレーズもミクのあの声で歌った。
ただ、登場したのは明らかにミク&というよりミクダヨーであったあたり、ネタに走っている疑惑。ちなみにNGシーンでは首がもげる。
その他ファミリーマートとコラボしてはちゅねミク肉まんを始めとした様々な商品が作られたこともあった。こちらもNGシーンがある。

ねんどろいど

オタク文化の火付け役となった、むちっとした造形のフィギュアシリーズ。
……に、初音ミクは初期の頃からいる。見た目はミクダヨーを可愛くしたような感じ。あっちが「可愛くできなかったねんどろいど」とも言うべき存在なのだが
初音ミクの人気を爆発させた功労者であると同時に、この「ねんどろいど 初音ミク」がキラーヒットしたおかげでねんどろいど自体の人気も爆発し空前のフィギュアブームを起こした。あまりに「ねんどろいど 初音ミク」ばかりが売れまくるので逆にドン引かれ、ミクのねんどろいどは関係者から「緑の悪魔」とかいうあだ名までつけられたらしい。

「2024年12月時点で、初音ミク『だけ』で100種類以上のねんどろいどフィギュアが存在する」といえばその売れっぷりがいかに凄まじかったか理解いただけるだろうか。






◇余談   



初音ミクif



画像出典: piapro.net「ピアプロキャラクターズ」
©Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
もともとのデザインではツインテールではなくハーフアップだったのだが、途中で変更された経緯がある。
現在はそれを再利用した別バージョン「初音ミクif」として公開されており、公式サイトの片隅にこっそりその姿を見せている。


初音ミクの亜種

「床につくほど長いツインテール」「ネギ色の髪の毛」のどちらかがあれば「初音ミク」と認識してもらいやすい丈夫なデザインのため、公認のものだけに絞ってもバージョン違いは結構多い。

有名どころでは前述の「ミクダヨー」や「ポケミク」、
2011年にネットユーザーが考案したデザインから生まれ、弘前さくらまつりの公式応援キャラクターとなった「桜ミク」;、
北海道のコラボイベントを中心に活動する「雪ミク」等。
他には、ボツデザインを再利用して生まれた、ハーフアップミクこと「初音ミクif」、
前述した、レーシングクイーン風にデザインされ、毎年新デザインが書き下ろされている「レーシングミク」などがいる。

初音ミクの「中の人」

バーチャルアイドルとはいえ当時は声を無から創造できる技術はさすがになく*19、「初音ミク」(および、「鏡音リン&レン」等を含む後発のVOCALOID)には音声サンプリングのモデルとして声を提供した、所謂「中の人」がいる。
それが「藤田咲」という方なのだが、この人は本職の歌手ではなく声優。それも当時は無名。
実は元々歌手にサンプリングを依頼する予定だったのだが、依頼された歌手がこぞって「機械に自分の歌を真似られるのは仕事を奪われるようで嫌」と難色を示したため、声優にお鉢が回って来たらしい。

ただし2024年現在では、この声を完全にゼロから作り出したタイプの音声合成キャラクター「足立レイ」等も登場している。

外部利用規約


「仕事を選ばないミクさん」と何度か書いてきたし、わりと自由に使わせてくれそうなイメージのある初音ミク。
だが実際のところ、NGはきちんと設定されており、変な方向にイメージがねじ曲がらないよう、同人商業問わずクリプトンも目を光らせている。
例えば2chで自然発生した替え歌をミクさんに歌わせた楽曲が、何故か権利者削除されたことでプチ炎上したこともある。
その最中、ピアプロの規約に『楽曲管理者とは別にクリプトン側も削除権を持ちます』という条項が見つかり早々収束し、これ以降ブラックな曲に関してはNGというラインができあがった。

中でも代表的な禁止事項のひとつが、「ミクに戦闘行為や暴力行為をさせてはいけない」。
武器を持たせることさえNGであり、バトル系のゲームや作品への出演は基本ご法度。
なので、ミクさんが登場するバトルものでは「武器じゃなくてTシャツキャノンだから!」「ミク自身は戦わないから!」といった感じで、あの手この手で規約にひっかからないよう工夫したうえで出演していたりする…が、ロボはOKな模様。
しかし、「Fortnite」では何と初音ミクの姿で戦えてしまう。しかもそれだけではなく、期間限定で曲やエモートを購入可能。表向きはコスチューム扱いだが、どうみても普通に武器で戦っている。
コンパスとFortniteに出演できたのはぶっちゃけ奇跡と言っていい。

(公認以外の)派生キャラクター


派生キャラクターとして亞北ネル、弱音ハク、はちゅねみく等のキャラクターが生まれており、UTAUといったフリーソフトを作るきっかけとなったキャラクターでもある。

また、楽曲の著作権を巡る関係でJASRACと対立した事もあった。
理由としては歌詞を彼女に歌わせ、配信できるようにしたからだと思われる。
その為「みくみくにしてあげる」で有名なika氏はミクとニコニコ動画から去ってしまった。


派生(とされてるもの含む)キャラ
  • はちゅねみく
  • 亞北ネル
  • 弱音ハク
  • 雑音ミク
  • 隣音サイ
  • ちびミク
  • ぷちミク
  • 護法少女ソワカちゃん
  • 闇音アク
  • シテヤンヨ
  • ミクダヨー
  • 太目ニク
  • 呪音キク
  • 重音テト

アニバーサリーイヤー

2012年には5周年、2017年には10周年、そして2023年には遂に設定年齢と同じ16周年を迎えた。彼女は特にバーチャル界に大きな影響を与えた存在だからか、それぞれお祝いの歌を作ってもらっており、特に16周年は歌*20だけでなく彼女をお祝いする「-Dear Creators-」と言うプロジェクトを立ち上げ、様々なイベントを開催したり*21ライブを行ったりと大盛り上がりの年になった。



追記・修正はみっくみくにされてからお願いします。



この項目が面白かったなら……\ミクダヨー/

最終更新:2025年08月13日 21:29

*1 もっと言えば、小説、イラスト、そして楽曲など「初音ミクの創作」を制作するあらゆるクリエイター全般。

*2 『ワールドイズマイン』

*3 『*ハロー、プラネット。』

*4 『えれくとりっく・えんじぇぅ』

*5 『Bad ∞ End ∞ Night』

*6 初音ミクに限らず、多くのDTMソフトウェアにいえるが、リアルな歌唱・楽器の演奏に近づけるには、相応の知識・経験・センスが必要となる。近年は丁寧に解説しているWebサイトや書籍などもあるので、興味のある人は参考にしてみよう。

*7 歌曲を作るには歌手に歌唱を頼む必要があり、歌うことができないまたは歌手を雇えないアーティストにはハードルが高かった。また、初音ミク以前にも似たようなソフトは存在していたが、より親しみやすいキャラクター性を持ったソフトウェアであったことも多くの人々の目に触れる機会を作ったと言える。

*8 あのダンスホール→「ワールズエンド・ダンスホール」、少年少女謳う希望論→「チルドレンレコード」、など。

*9 このようなスタイルをとる楽曲自体は他にもあり、有名どころではmothy(悪ノP)の「悪ノ娘」シリーズなどがある

*10 2011~2016。逆算すると2000~2005生まれの、いわゆる「ゼロ年代」「ゼロ世代」を指す。

*11 卓越した調声テクニックに定評のあるボカロP

*12 ストリーミングハート、ゴーストルール等

*13 市販車を元に開発された競技用自動車によるレースカテゴリ。ただし安全面などの理由からスーパーGTを含む上位カテゴリでは市販車の改造ではなくガワやエンジンのベースだけでフレームからして市販車に由来しないものも多い(GTカーと呼び区別することもある)。スーパーGT以外ではスーパー耐久(S耐)、ドイツツーリングカー選手権(DTM)、ニュルブルクリンク24時間耐久レース、GTワールドチャレンジなどが有名。

*14 2011年1月に行われた「ドバイ24時間レース」で優勝した車両。

*15 参戦2年目となる2004年から毎年シーズン上位を争っていたトップドライバー、2010年末に所属チームが解散して無職だった。

*16 ベースのAMG GTではなく先代のSLS AMGのエンジン。

*17 トヨタのファクトリードライバーであり、TGR-DCの監督としてF4に帯同してたり、S耐では監督兼ドライバーを担当するベテラン。

*18 特に谷口氏は「S耐で勝ちすぎたので、特例でGT500やスーパーフォーミュラ参戦選手と同等のプラチナドライバー認定」されていた時期があった。後にS耐のルール変更でGT300優勝経験者も同等の資格になって解消、2023年からはプラチナ枠自体が消滅した。

*19 ただしお喋り音声合成の世界では、ゆっくりの声で有名な「AquesTalk」が無人音声合成として先に実用化されている。

*20 DECO*27氏の曲「ブループラネット」。

*21 この内の1つが前述したポケモンとのコラボ「project VOLTAGE」である。