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*ガンバレット 【がんばれっと】 |ジャンル|バラエティーガンシューティング| |対応機種|アーケード(NB-1)| |発売・開発元|ナムコ| |稼動開始日|1994年10月| |プレイ人数|1~2人| |備考|家庭用移植 PS:1997年8月7日| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ナムコが1994年に発売した、ガンシューティングゲームでも対戦要素やパーティーゲーム的要素に特化した、バラエティーガンシューティングゲーム。~ 『スティールガンナー』『ラッキー&ワイルド』を手がけたスタッフが、「お祭りの射的のようにカジュアルに射撃を楽しめる作品」として開発した。~ 「大量の的を撃ちまくる」「的に素早く撃ち込む」「一発精密射撃」など、バラエティに富んだミニゲーム(以下ゲーム)を最大2人で同時プレイできる。 以下、これらの記述は続編である『ガンバァール』『ガンバリィーナ』『ガンバレットX』にもほぼ共通している要素である。 ---- **基本システム -「練習」(4ステージ)「初級」「上級」「激ムズ」(各16ステージ)の難易度を選択、「○○を制限時間以内に××体撃て」のようなお題付きのゲームをクリアしていく。~ 難易度を選ぶとランダムに4つのゲームが配置され、好きな順番でゲームを選ぶことができる。ゲームの成否にかかわらず、4つのゲームを全て選ぶと次の4ゲームが配置される。 --なお、弾数制限のあるゲームや、難易度設定が上級以上でなければ出現しないゲームもある(「暗闇の犯人を○○人撃て」「ヒレを狙い○○点獲得せよ」など)。 --全ステージをクリアすると、残ライフ数を含むスコアにより、各難易度ごとに異なる5つのランク付けがなされ、スコアがランクインした場合はネームエントリーとなる。 ---上級以上でノーコンティニュークリアであればスタッフクレジットが流れるおまけ付き。 -ライフ制で、クリア条件を達成出来なかったり、爆弾や民間人の的、相手の色の的といった撃ってはいけない的を撃つとその度に1つ減る。全て無くなるとゲームオーバー。 --ライフ回復は8ゲーム後に入る、「小さな宝箱4つのうち1つを1発で撃ちぬく」ボーナスステージで4/2の当たりを撃ち抜けた場合のみ、1つ回復可能。 ***ミニゲームの例 -戦車からオヤジを守れ --「オヤジを守れ」系ゲーム。画面奥から接近してくる戦車から画面手前で小銃を乱射するオヤジを守るゲーム。戦車は地形の都合上画面に出てくる時間が短いため、正確に撃ち抜く必要がある。 --シチュエーションは様々で、「松明」の場合縛られたオヤジ目掛けて投げられる松明を破壊、「ピラニア」であれば蔦に捕まるオヤジに襲いかかるピラニアを撃つなど。 -1発も外さずマトを○○個撃て --「グルーピング」系ゲーム。設置された射撃用の的を撃つゲームで、1発でも外すとその時点で終了となる。激ムズでは設置された的をすべて撃ち抜く必要がある。 -1から16まで全部撃て --「バラエティー」系ゲーム。1~16までの数字が描かれた的を順番に撃っていくゲーム。難易度によって弾数制限が異なり、上級、激ムズでは弾数が16発となる。 -リンゴを1個撃て --「1発で撃て」系ゲーム。オヤジの頭に乗ったリンゴを一発で撃ち抜く。難易度によってリンゴの大きさが異なる。 -マトを○○個以上撃て --「白黒マト」系ゲーム。白黒の的を一定数撃てばクリア。物によってステージ構成やノルマは大きく異なる。稀に爆弾の的が混ざることがある。 -自分の色のマトを〇〇個以上撃て --「赤青マト」系ゲーム。前述の白黒的と基本は同じだが、赤と青の的が混在して登場し、1Pは赤の的、2Pは青の的だけを撃たなければならない。瞬時の判断力と精密射撃が求められる。 -車に○○発ぶち込み破壊せよ --「連打」系ゲーム。タイトル通り制限時間内に車に一定数撃ち込めばクリア。 -犯人を○○人撃て --「犯人を撃て」系ゲーム。武装したギャングの的を一定数撃てばクリア。物によってステージ構成やノルマは大きく異なる。たまに人質の的が混じるため、乱射は出来ない。 ---- **評価点 -''全体的にコミカル・バカゲー的な雰囲気で表現された世界観。'' --撃つ対象がガラスのように砕ける鳥だったり、人間(ギャングや忍者など)を撃つゲームでも絵が描かれた標的板として表現されており、暴力規制が強い海外((特に、コンシューマー・アーケード問わずテレビゲームそのものの表現規制が世界的にも極めて厳格なドイツにおいてはガンシューティングゲーム作品自体が発売禁止となっており、そのような中で本作は同市場にて唯一発売許可が下りたガンシュー作品となっている。))でもそのまま輸出された。~ ガンシューティングゲームにありがちな殺伐感をほぼ感じず、かつ1ステージもほぼ必ず1分以内で終わるため、誰でも気軽にプレイできる点などハードルが非常に低い。 ---また、ゲーム中に撃つとヒット扱い=スコアになるものを撃つと、着弾音とともに画面下に「HIT!」と大きくド派手な点滅表示で教えてくれる点も分かりやすい。 --マスコットキャラの『Dr.ドン』『Dr.ダン』の2人は公式愛称が「オヤジ」、外見も「ハゲ頭+極太眉毛とチョビヒゲを生やした低頭身の冒険家」と、妙にクセが強くバカゲー的で印象に残る。~ しかも彼らを撃ってもミスにはならず、''「Ouch!」という吹きだしと共に変な叫び声をあげ、ヒット扱いになる。例えそれが彼らを危険から守らねばならない「オヤジを守れ」系ゲームでも。''~ クリア時に中間ランクを獲得した際には「どうやらオヤジなどを撃ってもスコアが入るらしいぞ???」と故意の撃ち込みを推奨する助言が出るなど、完全にギャグキャラとして扱われている。 ---因みに、当時発行されていたナムコのPR誌『ノワーズ』((ナムコ直営アミューズメント施設などで無料配布されていた。))によると、「当初、護衛対象のキャラはお姫様などを考えていたが、各所からのクレームを恐れボツとなった」、~ 「そんな中で代替キャラに悩んでいたところ、''『そうだ、オヤジだ!オヤジなら人権は無い!』''との思い付きでそうなった」という、嘘のような本当の開発秘話が載っていた。~ 結果的にその選択が、本シリーズにおけるマスコットキャラとして強く印象に残る事になったため、まさに英断だったとも言えよう。%%それにしたって理由はひどいが。%% ---彼らはプレイヤーからも好評だったのか、同社の他のACゲームでの客演((今作のPS版発売前に稼働したスキーゲーム『アルペンレーサー2』、PS版や続編発売後に稼働したフットサルゲーム『ワールドキックス』では隠しプレイヤーキャラとして登場している。))に始まり、移植版や続編では多数のゲームに登場するようになり、よりコミカルな世界観を築くこととなる。 --BGMやSEもパーティー要素の強いゲームらしくバラエティに富んでおり、曲調もガンシューティングゲームらしくノリの良いものが多い。 ---作曲者は相原隆行、佐々木宏人、石川隆之の3名。公式サウンドトラックもシリーズで唯一発売されたが、曲名の大半がふざけている((例えば、リザルトBGMは『ちゃらっちゃら』、ホラーをテーマとしたゲームのBGMは『13日の給料日のテーマ』、戦車からオヤジを守れのBGMは『おやじ大戦車軍団底辺作戦のテーマ(爆発オチ)』、など…。))のが特徴的。~ 各続編ではスタッフクレジットが無いために作曲者は不明だが、今作での各種SEやバラエティに富んだノリの良い曲調はほぼ受け継がれている。 -ブローバック機能が付いた銃型コントローラー、通称『ガンコン』を初採用。 --引き金を引くごとに銃のスライドがカチャカチャと動くため、銃の重さも合わせた照準のブレが発生し、カジュアルに本物っぽさやランダム性を感じられる。((電磁式動作のため、親指で押さえれば、反動もなく簡単にブローバックを止められる。))~ また、照準の精度もパンフレットで「誤差1ドット以内」と公称されたほどに非常に高い。正常に照準調整されている筐体であれば、ストレス無くプレイできる。~ 本作品のサントラCD((「ナムコ・ゲームサウンド・エクスプレス vol.22 ガンンバレット」))のライナーノートに、開発者の力の入ったコメントが掲載されている。 ---このガンコンは2003年の『[[タイムクライシス3]]』まで、同社がリリースしたガンシューティングゲームの殆どに搭載されることになる。 ---- **問題点 -難易度が微妙に高い。 --難易度は前述のように最初に選べるのだが、初級・上級では選んだ難易度の1つ上の難易度となる「激ムズ」がたまに混じり、プレイヤーのライフを減らしにかかってくる。~ 爆弾や民間人などの撃ってはいけない的は1つ撃ってしまうごとにライフが1減るため、そのような的が出てくるゲームでかつ難度が「激ムズ」だと、即ゲームオーバーも有り得る。~ 同社の『てんこもりシューティング』((タイトル名ではわかりにくいが、こちらはごく一般的な「縦画面シューティングゲーム」のシステムで数々のミニゲームを収録した作品となっている。))と異なり、失敗しても進行上は「クリア」として扱われるため、一応「一切撃たずにライフ減少を最小限に留める」という選択肢もある。 ---「初級でも激ムズがあるのはどうなのか」と言う意見もあったが、当時の『ノワーズ』によると意図的に入れた要素であるとの事。 --また、ボーナスステージでのライフ回復もある程度の規則性((「2番目に落下速度が速い宝箱にライフが入っている可能性が高い」とされるが、その速度はパッと見ではすぐ分からないレベル。))はあるが、それでも4/2でなおかつ1発のみの射撃となる為、初心者はほぼライフ回復が不可能。 --2人プレイのシステムは対戦としての用途が強いため、「1つの的を撃ち抜く」ゲームでは必ずどちらかのライフが減り、ボーナスステージではライフ回復の確率も減る。 ---更に、協力プレイとして遊ぼうとすると、ゲーム毎にそれぞれが的を撃つ数を計算しておかないと、片割れがノルマ失敗でライフ減…ということが有り得る。 -登場するゲームは完全ランダムで、アーケード版では好きなゲームを選んでプレイできない。 --単純な腕磨きという意味でも不便だし、後のシリーズ作品では他のナムコキャラの客演といった「見ているだけでも楽しい」といったステージも増えただけに残念なポイント。 ---一応、後の家庭用移植版ではどの作品でも「トレーニング」モードで好きなゲームを好きな難易度でいくらでもプレイ可能となっており、その点は改善されている。 ---- **総評 数多く存在するガンシューティングゲームの中でも非常にカジュアルな雰囲気と、協力よりも対戦に特化した内容で一般層にも人気を得た良作。~ 2019年現在でもこのようなガンシューは他には無いことから残存数も比較的多く、銃の照準さえ合っていれば独特の面白さを体感できるだろう。~ シリーズ作の何れも楽しく射撃の腕を磨ける作品となっているので、ガンシューティングゲームに興味のある方の入門作としても非常にお勧め。 ---- *家庭用移植 |対応機種|プレイステーション|&amazon(B000069S9O)|CENTER:&amazon(B00006L8ZP)| |発売元|ナムコ|~|~| |開発元|トーセ|~|~| |発売日|1997年8月7日|~|~| |価格|6,090円|~|~| |備考|ガンコン対応&br()PS2『ガンバリコレクション プラス タイムクライシス』&br()にもガンコン2のみ対応で収録|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要・評価点(PS) 『[[タイムクライシス]]』と共にプレイステーションに移植。専用開発のガンコントローラ「ガンコン」も同時発売され、同梱版も発売された。~ 業務用を完全移植した「アーケードモード」、家庭用ならではの様々なアレンジを施した「アレンジモード」の二つがある。 2002年12月12日に発売されたPS2専用ソフト『ガンバリコレクション プラス タイムクライシス』((「ガンコン2」同梱版は7,329円、ソフト単体は3,990円。))には、ガンバレットシリーズから本作+続編の計3作に加え、『タイムクライシス』が収録されている。~ 同作はガンコン2のみの対応となり、ロード時間の僅かな短縮・セーブ&ロードやボタン設定などのシステム関連の表示が変更された点以外はPS1版のベタ移植となっている。 ---- -「アーケードモード」 --業務用と全く同じ内容だが、クレジット数、ライフ数が設定できるようになっている。 -「アレンジモード」 --「トレーニング」 ---好きなゲームを選んで練習できるモード。難易度設定可能。 --「スペシャル」 ---業務用の「ガンバレット」に新ステージを追加したモード。基本はアーケードモードと変わらない。 --「パーティープレイ」 ---最大8人で遊べる対戦モード。ハンディキャップの設定も可能。 -「クエスト」 --詳細は下記参照。 ---- ***クエストモード RPG風の一人用ゲーム。しかしガンシューの1モードとしてはかなり作り込まれており、一つのゲームとしても十分遊べる。 ''ストーリー''~ 世界的にはちょっとマイナーだが、とても有名なオヤジ、Dr.ドンとDr.ダンの二人の探検家がいた。~ ある日二人が仲良く(?)食事をしていると、そこへある人物が現れた。現れたへんてこりんなオヤジは世界的に超メジャーなエクセレントカンパニー「ケチネケチ」のボス、カネモッチー、その人だった。~ 彼曰く、ガンバレッ島に古くから伝わる伝説の銃「ガンモドキ」を二人に探し出して欲しいとの事。報酬は何と100万ゴールド。胡散臭い話だが、面白そうだったため二人は即座に引き受けることに。~ そして二人は「ガンモドキが5つの欠片になって散らばっている」というガンバレッ島に乗り込んだ。はたして「ガンモドキ」は見つかるのか?そして、二人の運命やいかに? ''概要(クエストモード)''~ -銃の形をした島「ガンバレッ島」を舞台にDr.ドンとDr.ダンが冒険を繰り広げる。5つの欠片として散らばる「ガンモドキ」((実物はちゃんとした銃で、食べ物ではない。しかし作中でもNPCに尋ねると「おでんに入ってる」と返される事もしばしば。))を手に入れるのが目的。全5章。 --十字キーやスティックを使って操作するのではなく、画面を撃つとそのポイントに向かって主人公が歩くタイプである。メッセージ送りや選択肢も全て画面を撃って行うので、ガンコンでもプレイ可能。~ 村では民家で情報収集をしたり道具屋でアイテムを購入したりと、基本は一般的なRPGと同じ。 -世界観も相当におかしく、登場人物達が妙に個性的…というかカオスで、普通の美少女も居ればバケモノと見紛うようなブスもいたり、カエルが一軒家に暮らしていたり、あのバカ殿が登場したりと、見ていて飽きない。 --更には同社の『[[ワルキューレの伝説]]』の主人公たち、果てはアメリカの超有名SFミステリードラマ『X○ァイル』の捜査官達や、漫画『[[美味○んぼ>美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負]]』の○原雄三のパロディまで登場する始末。 --キャラのみならず、細かい所では「''ミスド''の村」「''マクド''の村」などとネタが仕込まれている事も…。 --上述したゲームの仕様上、割れる鳥を倒して''鴨肉''を手に入れる、敵から解放する人質が''標的板(しかも喋る)''など、ツッコミ所満載な設定も実に作風に合致している。 --ストーリーは見た目通りコミカル調だが、人体実験などと言ったシリアスな描写も一部あり、宝探しの冒険だったはずが徐々に雲行きが怪しくなっていく。コミカルなだけの軽い話では終わず、どんでん返しも用意されている。 ---各ステージの最後にはボスが待ち受けるが、ただのNPCだと思ったキャラが実はボスだったと言った驚きの演出もある。 -ランダムエンカウント方式で、戦闘は全てミニゲーム。一部シンボルエンカウント方式の敵も居る。 --遭遇した敵に応じたミッションが発生する。例えばピラニアに遭えば「ピラニアからオヤジを守れ!」のミニゲームをプレイする事になる。~ そのシステム上、生物のみならず自動車や射撃用の的まで襲って来るカオスっぷり。しかも全ての敵に遭遇時、勝利、敗北の台詞が個別で用意されている。いずれも敵の特徴に合っていて面白い。 ---遭遇した敵の数に応じて「へんな」「こわい」「凶暴な」「極悪な」と敵の肩書きが変わり、練習~激ムズまでの難易度が決定する。物語が進む毎に難易度が上昇するようになっている。 --遭遇時に「かまう」を選ぶと戦闘になり、勝利すれば経験値と金を入手できる。敗北すると攻撃されHPが減少し、無くなるとゲームオーバー。高難度ほど受けるダメージも大きくなる。 ---敵によってはダメージを受けるばかりかステータス異常を引き起こすものもいる。ステータスも「太る(腹が出過ぎて民家に入れない)」「汚れる(NPCに拒絶される)」、~ 「小さくなる(NPCに気付かれない)」「下痢(一般的なRPGで言う毒)」などユニークなものとなっており、ステータス異常を利用するギミックも存在する。 --使い捨ての武器アイテムも存在し、戦闘前に使用するか選択できる((使用する武器はミニゲームに応じて自動で判別される。))。マシンガンを使えば銃撃が連射仕様になり、ショットガンを使えば散弾仕様になる。 --エリアの最後に待ち受けるボスとの戦いでは今作オリジナルゲームが用意されている。 ---ここでは武器アイテムは使えない上、負けるとHPに関係無くゲームオーバー。クリアすればトレーニングモードで遊べるようになる。 ---最終エリアのオリジナルゲームはボスではなく任意イベントであり、負けてもペナルティは無い。逆にラスボスは通常のミニゲーム(連戦)なので負けても即死はしない。 -各エリアにはミッション的なイベントが存在する。敵シンボルを全滅させる他にも、逃げる女の子を捕まえる、人質を全員救出する、敵地から脱出すると言ったミッションが用意されており、プレイヤーを飽きさせない。 **問題点(PS) -クエストモードの仕様 --ランダムエンカウントでミニゲームを戦闘に落とし込んでいるが、エンカウント率が高めなので何度も何度もミニゲームをプレイする事になり、更にロードも挟むのでテンポが悪い。 ---あちこちを歩き回って情報を集めたり敵を撃破してフラグを立てる事で進行するので、フィールドを相当右往左往する中でこのエンカウントを乗り切らなければならない。~ フィールドの面積も広めで迷い易い。エリア毎に地図が用意されているが、隠されていたりストーリーを進めないと貰えなかったりと、なかなか手に入らない事も多い。 ---「ムシする」ことで逃走も可能だが、失敗すると転んでギックリ腰になり、逃走確率に影響する「素早さ」が半分になる。逆に成功すれば素早さが上がるが、失敗する度に半減するのでなかなか増えにくい。 --宿屋に泊まっても回復せずセーブしかされない。道具屋で簡単に全回復アイテムが買えるとは言え、少々面倒。 --ボスに負けると即ゲームオーバーで、特にエリア3のボスは宿屋からかなり離れた所に居る((ダンジョンを経由するので距離は勿論の事、途中でミッションやイベントを挟むので直行して敗北すると相当戻される羽目に。面倒でもボスに挑む前に戻ってセーブした方が良い。))のでやり直しが大変。 --前のエリアに戻れない仕様なのだが、そのエリアでしか手に入らないレアアイテムが存在し、取り逃がすとどうにもならない。しかもいずれも初見では入手し辛い。 ---エリア2ではあるキャラが同行している時のみ入手可能な「汚れない服」があり、エリア3の隠し村では通常プレイでは手の届かないほどの高価なアイテムが複数売られている。いずれも無くてもクリア可能なのでやり込みの域と捉えるべきか。 -クエストモードに意地悪なイベントがある。 --会員証が無ければ通れない箇所があり、何とか会員証を見つけても「他人のものだから」と通してくれない(ちなみに持ち主は承諾済み)。 --という訳で人々に案を求めると、誰も彼もが口を揃えて「受付のお姉さんは優しいから何度も頼めばきっと通してくれる」と言う。しかし実際は何十回訪れようと「ダメったらダメ!」の一点張りで取りつく島も無い。あの評判はどこから来るのか…。 #region(ではどうするのかと言うと…) --正解は村の知恵袋であるおばばの家と受付小屋を往復する事。受付「ダメ!」→おばば「何度も頼むのじゃ」→受付「ダメ!」→おばば「何度も何度も」というやり取りを経て受付小屋に行くと、''受付嬢が新人のオバハンに代わっており''、ドンとダンを気に入った事であっさり通してくれるという身も蓋もない展開となっている。 ---つまり村人総出で混乱させるだけの偽情報でプレイヤーを振り回し、結局それと全然違う意図しない形で通過するという事になる。意表を突くという点では成功しているだろうが、ゲームとしては意地が悪いと言わざるを得ない。%%あと心臓にも悪い。%%しかもこれは''エリア1''のイベントであり、いきなり出鼻を挫かれがち。 ---受付小屋は村から離れているので進行フラグに気付きにくい上に往復自体も少々手間である。 #endregion -人を選ぶ一部展開 --エリア2は強欲で嘘吐きな王が治める地域で、その娘である姫は父に嫌気が差して家出している。姫は性格、外見共に父に全く似ず心優しく、人々や''蟹''にすら慕われている。 ---このエリアの展開は、大王からガンモドキの情報と引き換えに「娘を連れ戻してほしい」という依頼を受けるものだが、ドンとダンがやるのは''逃げる姫を捕まえて強引に城に連れ帰る''というもの。演出はコミカルだがやっている事は過激。 ---その後は「大王は平然としらばっくれ、ブチ切れた姫が怒鳴りつけた事で萎縮し、あっさりドンとダンに神殿の鍵を渡す」という展開となる。コメディとしては悪くないのだが、当人の意思を無視して強引に連れ帰り、その姫になんとかしてもらう展開に一抹の後ろめたさが残る…かも。 ---また、大王の嘘吐きぶりを毛嫌いしていたとは言え、姫が自分を無理矢理連れ戻したドンとダンのために怒るのも少々違和感がある。ドン&ダンと姫との間にもう少しやり取りがあれば良かったかもしれない(捕まえた後は何のセリフも無く姫が同行者になる)。 --ストーリーで述べた通り、これは伝説の銃「ガンモドキ」を探す旅なのだが…。 #region(ネタバレ) --島の最奥部にはドラゴンが棲み、ガンモドキのみがドラゴンを倒せるという事が語られる。そしてガンモドキ入手後はすぐにドラゴン討伐の流れになり、そのドラゴンが本作のラスボスとなる。 --しかしラスボス戦は「ドラゴンの頭を撃て」の激ムズ難易度という至って普通のミニゲームで、やや拍子抜けするもの。ガンモドキを使う描写も無く、そもそも通常ミニゲームなのでマシンガンも使用可能である。旅の目的にしては扱いが軽い。 ---アイテム欄ではガンモドキは「ガンバレッ島に伝わる3つの宝の1つ」と解説されるが、それまでそんな話は全く出てこなかった上に、残りの2つに関しては最後まで謎。下記のドラゴン関連のアイテムがそうなのかもしれないが言及は無く、だとしても3つ目は不明のまま。 --そのドラゴンも決して悪ではない事がNPCから聞けるのだが、黒幕はドラゴンを倒す事で得られる「ある物」を狙っており、ドンとダンは黒幕に騙されてドラゴンを倒すことになる。 ---結局、黒幕はその悪辣さ故に自ら身を滅ぼすのだが、上記の大王の件と言い、ドンとダンが悪党に良いように利用される展開があり、いずれも丸く収まるのは「たまたま」であってドンとダンが何とかする訳ではない。ストーリーとしてはまとまってはいるが、やや好みが分かれるかもしれない。 #endregion **総評(PS) 家庭でもガンバレットのバラエティー豊かな対戦が楽しめるようになり、~ 文字通りパーティーゲームとして盛り上がれるのは勿論の事、クエストモードの導入によって一人プレイでも腰を据えてやり込める。~ このクエストモードは以降のシリーズには受け継がれず((『ガンバァール』の「テーマパークモード」などストーリー仕立てのモードは存在するが、本作ほど本格的なゲームモードでは無い。))、結果として本作のみの独自要素となった。 **余談(PS) -''ディスクのデザインが異様にドギつい。'' --''&color(red, blue){赤と青の斑模様}''の上に、タイトルロゴとオヤジ2人の顔が載っている…というもの。ずっと見ていると目がチカチカしそうな前衛的なデザインとなっている。 ---さらにディスクを外すと、''その下ではオヤジたちがなんとも言えない変顔をしており''、これまた笑いを誘う出来となっている。 ---- **その後の展開 その後、続編として1998年に『ガンバァール』、2000年に『ガンバリィーナ』がアーケード・PS1用に発売され、メダルゲーム『ガンバレット フィーバー』も稼動した。~ 更に本作のシステムをベースにグラフィックを3D化した姉妹作『オーバキューン』がライジングにより開発、1999年にアーケード・2000年にPS1用に発売された。 2006年には当時の脳トレブームに乗る形で、旧3部作の一部ゲーム・ナムコのエレメカ数機((『ワニワニパニック』『カニカニパニック』『シュータウェイII』『コズモギャングズ』の4つ。この内『シュータウェイII』はPS2版『タイムクライシス2』のオマケ、『コズモギャングズ』は『ガンバァール』の「オヤジギャング」として移植収録されていた。))を収録したDS用ソフト『右脳の達人 ガンバれっトレーナー』も発売された。~ ニンテンドーDS用ソフトということで、ガンコンによる射撃操作はタッチペンによるタッチ操作に差し替えられており、対戦プレイはソフト同士の通信が必須となる。 そして2016年、アーケード版としては何と約16年ぶりとなる、旧3作品のリメイク色の強い新作『ガンバレットX』が稼働した。~ 旧3作品と同システムの「ガチモード」に加え、低年齢層向けの「あんしんモード((1プレイにつき成功失敗誤射関係なく4ステージ保障、照準が大きくトリガー引きっぱなしで連射可、ただし全ステージ遊ぶには確実にコンティニュー3~4回必要))」が搭載。反動付きガンコンは『[[タイムクライシス4]]』の小型軽量品に変更された。~ しかし新作ゲームの目新しさが薄い、ゲームバランスが悪化((一部ゲームで必ず発生する処理落ち、旧3作品にあった命中率100%以上だった際のスコアボーナスの削除、初級・上級での基本難度上昇および挿入される「激ムズ」の難度が「最初に選択できる『激ムズ』と同じ最高難度」に統一された点は槍玉に挙げられた。))と、『[[タイムクライシス5]]』と同様に旧作からの改悪が目立ち気味で、ファンの評判もあまり芳しくない。~ **参考動画(ニコニコ動画) #region &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm4570496) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm4571073) #endregion
*ガンバレット 【がんばれっと】 |ジャンル|バラエティーガンシューティング| |対応機種|アーケード(NB-1)| |発売・開発元|ナムコ| |稼動開始日|1994年10月| |プレイ人数|1~2人| |備考|家庭用移植 PS:1997年8月7日| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ナムコが1994年に発売した、ガンシューティングゲームでも対戦要素やパーティーゲーム的要素に特化した、バラエティーガンシューティングゲーム。~ 『スティールガンナー』『ラッキー&ワイルド』を手がけたスタッフが、「お祭りの射的のようにカジュアルに射撃を楽しめる作品」として開発した。~ 「大量の的を撃ちまくる」「的に素早く撃ち込む」「一発精密射撃」など、バラエティに富んだミニゲーム(以下ゲーム)を最大2人で同時プレイできる。 以下、これらの記述は続編である『ガンバァール』『ガンバリィーナ』『ガンバレットX』にもほぼ共通している要素である。 ---- **基本システム -「練習」(4ステージ)「初級」「上級」「激ムズ」(各16ステージ)の難易度を選択、「○○を制限時間以内に××体撃て」のようなお題付きのゲームをクリアしていく。~ 難易度を選ぶとランダムに4つのゲームが配置され、好きな順番でゲームを選ぶことができる。ゲームの成否にかかわらず、4つのゲームを全て選ぶと次の4ゲームが配置される。 --なお、弾数制限のあるゲームや、難易度設定が上級以上でなければ出現しないゲームもある(「暗闇の犯人を○○人撃て」「ヒレを狙い○○点獲得せよ」など)。 --全ステージをクリアすると、残ライフ数を含むスコアにより、各難易度ごとに異なる5つのランク付けがなされ、スコアがランクインした場合はネームエントリーとなる。 ---上級以上でノーコンティニュークリアであればスタッフクレジットが流れるおまけ付き。 -ライフ制で、クリア条件を達成出来なかったり、爆弾や民間人の的、相手の色の的といった撃ってはいけない的を撃つとその度に1つ減る。全て無くなるとゲームオーバー。 --ライフ回復は8ゲーム後に入る、「小さな宝箱4つのうち1つを1発で撃ちぬく」ボーナスステージで4/2の当たりを撃ち抜けた場合のみ、1つ回復可能。 ***ミニゲームの例 -戦車からオヤジを守れ --「オヤジを守れ」系ゲーム。画面奥から接近してくる戦車から画面手前で小銃を乱射するオヤジを守るゲーム。戦車は地形の都合上画面に出てくる時間が短いため、正確に撃ち抜く必要がある。 --シチュエーションは様々で、「松明」の場合縛られたオヤジ目掛けて投げられる松明を破壊、「ピラニア」であれば蔦に捕まるオヤジに襲いかかるピラニアを撃つなど。 -1発も外さずマトを○○個撃て --「グルーピング」系ゲーム。設置された射撃用の的を撃つゲームで、1発でも外すとその時点で終了となる。激ムズでは設置された的をすべて撃ち抜く必要がある。 -1から16まで全部撃て --「バラエティー」系ゲーム。1~16までの数字が描かれた的を順番に撃っていくゲーム。難易度によって弾数制限が異なり、上級、激ムズでは弾数が16発となる。 -リンゴを1個撃て --「1発で撃て」系ゲーム。オヤジの頭に乗ったリンゴを一発で撃ち抜く。難易度によってリンゴの大きさが異なる。 -マトを○○個以上撃て --「白黒マト」系ゲーム。白黒の的を一定数撃てばクリア。物によってステージ構成やノルマは大きく異なる。稀に爆弾の的が混ざることがある。 -自分の色のマトを〇〇個以上撃て --「赤青マト」系ゲーム。前述の白黒的と基本は同じだが、赤と青の的が混在して登場し、1Pは赤の的、2Pは青の的だけを撃たなければならない。瞬時の判断力と精密射撃が求められる。 -車に○○発ぶち込み破壊せよ --「連打」系ゲーム。タイトル通り制限時間内に車に一定数撃ち込めばクリア。 -犯人を○○人撃て --「犯人を撃て」系ゲーム。武装したギャングの的を一定数撃てばクリア。物によってステージ構成やノルマは大きく異なる。たまに人質の的が混じるため、乱射は出来ない。 ---- **評価点 -''全体的にコミカル・バカゲー的な雰囲気で表現された世界観。'' --撃つ対象がガラスのように砕ける鳥だったり、人間(ギャングや忍者など)を撃つゲームでも絵が描かれた標的板として表現されており、暴力規制が強い海外((特に、コンシューマー・アーケード問わずテレビゲームそのものの表現規制が世界的にも極めて厳格なドイツにおいてはガンシューティングゲーム作品自体が発売禁止となっており、そのような中で本作は同市場にて唯一発売許可が下りたガンシュー作品となっている。))でもそのまま輸出された。~ ガンシューティングゲームにありがちな殺伐感をほぼ感じず、かつ1ステージもほぼ必ず1分以内で終わるため、誰でも気軽にプレイできる点などハードルが非常に低い。 ---また、ゲーム中に撃つとヒット扱い=スコアになるものを撃つと、着弾音とともに画面下に「HIT!」と大きくド派手な点滅表示で教えてくれる点も分かりやすい。 --マスコットキャラの『Dr.ドン』『Dr.ダン』の2人は公式愛称が「オヤジ」、外見も「ハゲ頭+極太眉毛とチョビヒゲを生やした低頭身の冒険家」と、妙にクセが強くバカゲー的で印象に残る。~ しかも彼らを撃ってもミスにはならず、''「Ouch!」という吹きだしと共に変な叫び声をあげ、ヒット扱いになる。例えそれが彼らを危険から守らねばならない「オヤジを守れ」系ゲームでも。''~ クリア時に中間ランクを獲得した際には「どうやらオヤジなどを撃ってもスコアが入るらしいぞ???」と故意の撃ち込みを推奨する助言が出るなど、完全にギャグキャラとして扱われている。 ---因みに、当時発行されていたナムコのPR誌『ノワーズ』((ナムコ直営アミューズメント施設などで無料配布されていた。))によると、「当初、護衛対象のキャラはお姫様などを考えていたが、各所からのクレームを恐れボツとなった」、~ 「そんな中で代替キャラに悩んでいたところ、''『そうだ、オヤジだ!オヤジなら人権は無い!』''との思い付きでそうなった」という、嘘のような本当の開発秘話が載っていた。~ 結果的にその選択が、本シリーズにおけるマスコットキャラとして強く印象に残る事になったため、まさに英断だったとも言えよう。%%それにしたって理由はひどいが。%% ---彼らはプレイヤーからも好評だったのか、同社の他のACゲームでの客演((今作のPS版発売前に稼働したスキーゲーム『アルペンレーサー2』、PS版や続編発売後に稼働したフットサルゲーム『ワールドキックス』では隠しプレイヤーキャラとして登場している。))に始まり、移植版や続編では多数のゲームに登場するようになり、よりコミカルな世界観を築くこととなる。 --BGMやSEもパーティー要素の強いゲームらしくバラエティに富んでおり、曲調もガンシューティングゲームらしくノリの良いものが多い。 ---作曲者は相原隆行、佐々木宏人、石川隆之の3名。公式サウンドトラックもシリーズで唯一発売されたが、曲名の大半がふざけている((例えば、リザルトBGMは『ちゃらっちゃら』、ホラーをテーマとしたゲームのBGMは『13日の給料日のテーマ』、戦車からオヤジを守れのBGMは『おやじ大戦車軍団底辺作戦のテーマ(爆発オチ)』、など…。))のが特徴的。~ 各続編ではスタッフクレジットが無いために作曲者は不明だが、今作での各種SEやバラエティに富んだノリの良い曲調はほぼ受け継がれている。 -ブローバック機能が付いた銃型コントローラー、通称『ガンコン』を初採用。 --引き金を引くごとに銃のスライドがカチャカチャと動くため、銃の重さも合わせた照準のブレが発生し、カジュアルに本物っぽさやランダム性を感じられる。((電磁式動作のため、親指で押さえれば、反動もなく簡単にブローバックを止められる。))~ また、照準の精度もパンフレットで「誤差1ドット以内」と公称されたほどに非常に高い。正常に照準調整されている筐体であれば、ストレス無くプレイできる。~ 本作品のサントラCD((「ナムコ・ゲームサウンド・エクスプレス vol.22 ガンンバレット」))のライナーノートに、開発者の力の入ったコメントが掲載されている。 ---このガンコンは2003年の『[[タイムクライシス3]]』まで、同社がリリースしたガンシューティングゲームの殆どに搭載されることになる。 ---- **問題点 -難易度が微妙に高い。 --難易度は前述のように最初に選べるのだが、初級・上級では選んだ難易度の1つ上の難易度となる「激ムズ」がたまに混じり、プレイヤーのライフを減らしにかかってくる。~ 爆弾や民間人などの撃ってはいけない的は1つ撃ってしまうごとにライフが1減るため、そのような的が出てくるゲームでかつ難度が「激ムズ」だと、即ゲームオーバーも有り得る。~ 同社の『てんこもりシューティング』((タイトル名ではわかりにくいが、こちらはごく一般的な「縦画面シューティングゲーム」のシステムで数々のミニゲームを収録した作品となっている。))と異なり、失敗しても進行上は「クリア」として扱われるため、一応「一切撃たずにライフ減少を最小限に留める」という選択肢もある。 ---「初級でも激ムズがあるのはどうなのか」と言う意見もあったが、当時の『ノワーズ』によると意図的に入れた要素であるとの事。 --また、ボーナスステージでのライフ回復もある程度の規則性((「2番目に落下速度が速い宝箱にライフが入っている可能性が高い」とされるが、その速度はパッと見ではすぐ分からないレベル。))はあるが、それでも4/2でなおかつ1発のみの射撃となる為、初心者はほぼライフ回復が不可能。 --2人プレイのシステムは対戦としての用途が強いため、「1つの的を撃ち抜く」ゲームでは必ずどちらかのライフが減り、ボーナスステージではライフ回復の確率も減る。 ---更に、協力プレイとして遊ぼうとすると、ゲーム毎にそれぞれが的を撃つ数を計算しておかないと、片割れがノルマ失敗でライフ減…ということが有り得る。 -登場するゲームは完全ランダムで、アーケード版では好きなゲームを選んでプレイできない。 --単純な腕磨きという意味でも不便だし、後のシリーズ作品では他のナムコキャラの客演といった「見ているだけでも楽しい」といったステージも増えただけに残念なポイント。 ---一応、後の家庭用移植版ではどの作品でも「トレーニング」モードで好きなゲームを好きな難易度でいくらでもプレイ可能となっており、その点は改善されている。 ---- **総評 数多く存在するガンシューティングゲームの中でも非常にカジュアルな雰囲気と、協力よりも対戦に特化した内容で一般層にも人気を得た良作。~ 2019年現在でもこのようなガンシューは他には無いことから残存数も比較的多く、銃の照準さえ合っていれば独特の面白さを体感できるだろう。~ シリーズ作の何れも楽しく射撃の腕を磨ける作品となっているので、ガンシューティングゲームに興味のある方の入門作としても非常にお勧め。 ---- *家庭用移植 |対応機種|プレイステーション|&amazon(B000069S9O)|CENTER:&amazon(B00006L8ZP)| |発売元|ナムコ|~|~| |開発元|トーセ|~|~| |発売日|1997年8月7日|~|~| |価格|6,090円|~|~| |備考|ガンコン対応&br()PS2『ガンバリコレクション プラス タイムクライシス』&br()にもガンコン2のみ対応で収録|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要・評価点(PS) 『[[タイムクライシス]]』と共にプレイステーションに移植。専用開発のガンコントローラ「ガンコン」も同時発売され、同梱版も発売された。~ 業務用を完全移植した「アーケードモード」、家庭用ならではの様々なアレンジを施した「アレンジモード」の二つがある。 2002年12月12日に発売されたPS2専用ソフト『ガンバリコレクション プラス タイムクライシス』((「ガンコン2」同梱版は7,329円、ソフト単体は3,990円。))には、ガンバレットシリーズから本作+続編の計3作に加え、『タイムクライシス』が収録されている。~ 同作はガンコン2のみの対応となり、ロード時間の僅かな短縮・セーブ&ロードやボタン設定などのシステム関連の表示が変更された点以外はPS1版のベタ移植となっている。 ---- -「アーケードモード」 --業務用と全く同じ内容だが、クレジット数、ライフ数が設定できるようになっている。 -「アレンジモード」 --「トレーニング」 ---好きなゲームを選んで練習できるモード。難易度設定可能。 --「スペシャル」 ---業務用の「ガンバレット」に新ステージを追加したモード。基本はアーケードモードと変わらない。 --「パーティープレイ」 ---最大8人で遊べる対戦モード。ハンディキャップの設定も可能。 -「クエスト」 --詳細は下記参照。 ---- ***クエストモード RPG風の一人用ゲーム。しかしガンシューの1モードとしてはかなり作り込まれており、一つのゲームとしても十分遊べる。 ''ストーリー''~ 世界的にはちょっとマイナーだが、とても有名なオヤジ、Dr.ドンとDr.ダンの二人の探検家がいた。~ ある日二人が仲良く(?)食事をしていると、そこへある人物が現れた。現れたへんてこりんなオヤジは世界的に超メジャーなエクセレントカンパニー「ケチネケチ」のボス、カネモッチー、その人だった。~ 彼曰く、ガンバレッ島に古くから伝わる伝説の銃「ガンモドキ」を二人に探し出して欲しいとの事。報酬は何と100万ゴールド。胡散臭い話だが、面白そうだったため二人は即座に引き受けることに。~ そして二人は「ガンモドキが5つの欠片になって散らばっている」というガンバレッ島に乗り込んだ。はたして「ガンモドキ」は見つかるのか?そして、二人の運命やいかに? ''概要(クエストモード)''~ -銃の形をした島「ガンバレッ島」を舞台にDr.ドンとDr.ダンが冒険を繰り広げる。5つの欠片として散らばる「ガンモドキ」((実物はちゃんとした銃で、食べ物ではない。しかし作中でもNPCに尋ねると「おでんに入ってる」と返される事もしばしば。))を手に入れるのが目的。全5章。 --十字キーやスティックを使って操作するのではなく、画面を撃つとそのポイントに向かって主人公が歩くタイプである。メッセージ送りや選択肢も全て画面を撃って行うので、ガンコンでもプレイ可能。~ 村では民家で情報収集をしたり道具屋でアイテムを購入したりと、基本は一般的なRPGと同じ。 -世界観も相当におかしく、登場人物達が妙に個性的…というかカオスで、普通の美少女も居ればバケモノと見紛うようなブスもいたり、カエルが一軒家に暮らしていたり、あのバカ殿が登場したりと、見ていて飽きない。 --更には同社の『[[ワルキューレの伝説]]』の主人公たち、果てはアメリカの超有名SFミステリードラマ『X○ァイル』の捜査官達や、漫画『[[美味○んぼ>美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負]]』の○原雄三のパロディまで登場する始末。 --キャラのみならず、細かい所では「''ミスド''の村」「''マクド''の村」などとネタが仕込まれている事も…。 --上述したゲームの仕様上、割れる鳥を倒して''鴨肉''を手に入れる、敵から解放する人質が''標的板(しかも喋る)''など、ツッコミ所満載な設定も実に作風に合致している。 --ストーリーは見た目通りコミカル調だが、人体実験などと言ったシリアスな描写も一部あり、宝探しの冒険だったはずが徐々に雲行きが怪しくなっていく。コミカルなだけの軽い話では終わず、どんでん返しも用意されている。 ---各ステージの最後にはボスが待ち受けるが、ただのNPCだと思ったキャラが実はボスだったと言った驚きの演出もある。 -ランダムエンカウント方式で、戦闘は全てミニゲーム。一部シンボルエンカウント方式の敵も居る。 --遭遇した敵に応じたミッションが発生する。例えばピラニアに遭えば「ピラニアからオヤジを守れ!」のミニゲームをプレイする事になる。~ そのシステム上、生物のみならず自動車や射撃用の的まで襲って来るカオスっぷり。しかも全ての敵に遭遇時、勝利、敗北の台詞が個別で用意されている。いずれも敵の特徴に合っていて面白い。 ---遭遇した敵の数に応じて「へんな」「こわい」「凶暴な」「極悪な」と敵の肩書きが変わり、練習~激ムズまでの難易度が決定する。物語が進む毎に難易度が上昇するようになっている。 --遭遇時に「かまう」を選ぶと戦闘になり、勝利すれば経験値と金を入手できる。敗北すると攻撃されHPが減少し、無くなるとゲームオーバー。高難度ほど受けるダメージも大きくなる。 ---敵によってはダメージを受けるばかりかステータス異常を引き起こすものもいる。ステータスも「太る(腹が出過ぎて民家に入れない)」「汚れる(NPCに拒絶される)」、~ 「小さくなる(NPCに気付かれない)」「下痢(一般的なRPGで言う毒)」などユニークなものとなっており、ステータス異常を利用するギミックも存在する。 --使い捨ての武器アイテムも存在し、戦闘前に使用するか選択できる((使用する武器はミニゲームに応じて自動で判別される。))。マシンガンを使えば銃撃が連射仕様になり、ショットガンを使えば散弾仕様になる。 --エリアの最後に待ち受けるボスとの戦いでは今作オリジナルゲームが用意されている。 ---ここでは武器アイテムは使えない上、負けるとHPに関係無くゲームオーバー。クリアすればトレーニングモードで遊べるようになる。 ---最終エリアのオリジナルゲームはボスではなく任意イベントであり、負けてもペナルティは無い。逆にラスボスは通常のミニゲーム(連戦)なので負けても即死はしない。 -各エリアにはミッション的なイベントが存在する。敵シンボルを全滅させる他にも、逃げる女の子を捕まえる、人質を全員救出する、敵地から脱出すると言ったミッションが用意されており、プレイヤーを飽きさせない。 **問題点(PS) -クエストモードの仕様 --ランダムエンカウントでミニゲームを戦闘に落とし込んでいるが、エンカウント率が高めなので何度も何度もミニゲームをプレイする事になり、更にロードも挟むのでテンポが悪い。 ---あちこちを歩き回って情報を集めたり敵を撃破してフラグを立てる事で進行するので、フィールドを相当右往左往する中でこのエンカウントを乗り切らなければならない。~ フィールドの面積も広めで迷い易い。エリア毎に地図が用意されているが、隠されていたりストーリーを進めないと貰えなかったりと、なかなか手に入らない事も多い。 ---「ムシする」ことで逃走も可能だが、失敗すると転んでギックリ腰になり、逃走確率に影響する「素早さ」が半分になる。逆に成功すれば素早さが上がるが、失敗する度に半減するのでなかなか増えにくい。 --宿屋に泊まっても回復せずセーブしかされない。道具屋で簡単に全回復アイテムが買えるとは言え、少々面倒。 --ボスに負けると即ゲームオーバーで、特にエリア3のボスは宿屋からかなり離れた所に居る((ダンジョンを経由するので距離は勿論の事、途中でミッションやイベントを挟むので直行して敗北すると相当戻される羽目に。面倒でもボスに挑む前に戻ってセーブした方が良い。))のでやり直しが大変。 --前のエリアに戻れない仕様なのだが、そのエリアでしか手に入らないレアアイテムが存在し、取り逃がすとどうにもならない。しかもいずれも初見では入手し辛い。 ---エリア2ではあるキャラが同行している時のみ入手可能な「汚れない服」があり、エリア3の隠し村では通常プレイでは手の届かないほどの高価なアイテムが複数売られている。いずれも無くてもクリア可能なのでやり込みの域と捉えるべきか。 -クエストモードに意地悪なイベントがある。 --会員証が無ければ通れない箇所があり、何とか会員証を見つけても「他人のものだから」と通してくれない(ちなみに持ち主は承諾済み)。 --という訳で人々に案を求めると、誰も彼もが口を揃えて「受付のお姉さんは優しいから何度も頼めばきっと通してくれる」と言う。しかし実際は何十回訪れようと「ダメったらダメ!」の一点張りで取りつく島も無い。あの評判はどこから来るのか…。 #region(ではどうするのかと言うと…) --正解は村の知恵袋であるおばばの家と受付小屋を往復する事。受付「ダメ!」→おばば「何度も頼むのじゃ」→受付「ダメ!」→おばば「何度も何度も」というやり取りを経て受付小屋に行くと、''受付嬢が新人のオバハンに代わっており''、ドンとダンを気に入った事であっさり通してくれるという身も蓋もない展開となっている。 ---つまり村人総出で混乱させるだけの偽情報でプレイヤーを振り回し、結局それと全然違う意図しない形で通過するという事になる。意表を突くという点では成功しているだろうが、ゲームとしては意地が悪いと言わざるを得ない。%%あと心臓にも悪い。%%しかもこれは''エリア1''のイベントであり、いきなり出鼻を挫かれがち。 ---受付小屋は村から離れているので進行フラグに気付きにくい上に往復自体も少々手間である。 #endregion -人を選ぶ一部のクエストモードの展開 --エリア2は強欲で嘘吐きな王が治める地域で、その娘である姫は父に嫌気が差して家出している。姫は性格、外見共に父に全く似ず心優しく、人々や''蟹''にすら慕われている。 ---このエリアの展開は、大王からガンモドキの情報と引き換えに「娘を連れ戻してほしい」という依頼を受けるものだが、ドンとダンがやるのは''逃げる姫を捕まえて強引に城に連れ帰る''というもの。演出はコミカルだがやっている事は過激。 ---その後は「大王は平然としらばっくれ、ブチ切れた姫が怒鳴りつけた事で萎縮し、あっさりドンとダンに神殿の鍵を渡す」という展開となる。コメディとしては悪くないのだが、当人の意思を無視して強引に連れ帰り、その姫になんとかしてもらう展開に一抹の後ろめたさが残る…かも。 ---また、大王の嘘吐きぶりを毛嫌いしていたとは言え、姫が自分を無理矢理連れ戻したドンとダンのために怒るのも少々違和感がある。ドン&ダンと姫との間にもう少しやり取りがあれば良かったかもしれない(捕まえた後は何のセリフも無く姫が同行者になる)。 --ストーリーで述べた通り、これは伝説の銃「ガンモドキ」を探す旅なのだが…。 #region(ネタバレ) --島の最奥部にはドラゴンが棲み、ガンモドキのみがドラゴンを倒せるという事が語られる。そしてガンモドキ入手後はすぐにドラゴン討伐の流れになり、そのドラゴンが本作のラスボスとなる。 --しかしラスボス戦は「ドラゴンの頭を撃て」の激ムズ難易度という至って普通のミニゲームで、やや拍子抜けするもの。ガンモドキを使う描写も無く、そもそも通常ミニゲームなのでマシンガンも使用可能である。旅の目的にしては扱いが軽い。 ---アイテム欄ではガンモドキは「ガンバレッ島に伝わる3つの宝の1つ」と解説されるが、それまでそんな話は全く出てこなかった上に、残りの2つに関しては最後まで謎。下記のドラゴン関連のアイテムがそうなのかもしれないが言及は無く、だとしても3つ目は不明のまま。 --そのドラゴンも決して悪ではない事がNPCから聞けるのだが、黒幕はドラゴンを倒す事で得られる「ある物」を狙っており、ドンとダンは黒幕に騙されてドラゴンを倒すことになる。 ---結局、黒幕はその悪辣さ故に自ら身を滅ぼすのだが、上記の大王の件と言い、ドンとダンが悪党に良いように利用される展開があり、いずれも丸く収まるのは「たまたま」であってドンとダンが何とかする訳ではない。ストーリーとしてはまとまってはいるが、やや好みが分かれるかもしれない。 #endregion **総評(PS) 家庭でもガンバレットのバラエティー豊かな対戦が楽しめるようになり、~ 文字通りパーティーゲームとして盛り上がれるのは勿論の事、クエストモードの導入によって一人プレイでも腰を据えてやり込める。~ このクエストモードは以降のシリーズには受け継がれず((『ガンバァール』の「テーマパークモード」などストーリー仕立てのモードは存在するが、本作ほど本格的なゲームモードでは無い。))、結果として本作のみの独自要素となった。 **余談(PS) -''ディスクのデザインが異様にドギつい。'' --''&color(red, blue){赤と青の斑模様}''の上に、タイトルロゴとオヤジ2人の顔が載っている…というもの。ずっと見ていると目がチカチカしそうな前衛的なデザインとなっている。 ---さらにディスクを外すと、''その下ではオヤジたちがなんとも言えない変顔をしており''、これまた笑いを誘う出来となっている。 ---- **その後の展開 その後、続編として1998年に『ガンバァール』、2000年に『ガンバリィーナ』がアーケード・PS1用に発売され、メダルゲーム『ガンバレット フィーバー』も稼動した。~ 更に本作のシステムをベースにグラフィックを3D化した姉妹作『オーバキューン』がライジングにより開発、1999年にアーケード・2000年にPS1用に発売された。 2006年には当時の脳トレブームに乗る形で、旧3部作の一部ゲーム・ナムコのエレメカ数機((『ワニワニパニック』『カニカニパニック』『シュータウェイII』『コズモギャングズ』の4つ。この内『シュータウェイII』はPS2版『タイムクライシス2』のオマケ、『コズモギャングズ』は『ガンバァール』の「オヤジギャング」として移植収録されていた。))を収録したDS用ソフト『右脳の達人 ガンバれっトレーナー』も発売された。~ ニンテンドーDS用ソフトということで、ガンコンによる射撃操作はタッチペンによるタッチ操作に差し替えられており、対戦プレイはソフト同士の通信が必須となる。 そして2016年、アーケード版としては何と約16年ぶりとなる、旧3作品のリメイク色の強い新作『ガンバレットX』が稼働した。~ 旧3作品と同システムの「ガチモード」に加え、低年齢層向けの「あんしんモード((1プレイにつき成功失敗誤射関係なく4ステージ保障、照準が大きくトリガー引きっぱなしで連射可、ただし全ステージ遊ぶには確実にコンティニュー3~4回必要))」が搭載。反動付きガンコンは『[[タイムクライシス4]]』の小型軽量品に変更された。~ しかし新作ゲームの目新しさが薄い、ゲームバランスが悪化((一部ゲームで必ず発生する処理落ち、旧3作品にあった命中率100%以上だった際のスコアボーナスの削除、初級・上級での基本難度上昇および挿入される「激ムズ」の難度が「最初に選択できる『激ムズ』と同じ最高難度」に統一された点は槍玉に挙げられた。))と、『[[タイムクライシス5]]』と同様に旧作からの改悪が目立ち気味で、ファンの評判もあまり芳しくない。~ **参考動画(ニコニコ動画) #region &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm4570496) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm4571073) #endregion

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