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熱血! すとりーとバスケット がんばれ Dunk Heroes」を以下のとおり復元します。
*熱血! すとりーとバスケット がんばれ Dunk Heroes
【ねっけつ すとりーとばすけっと がんばれ だんく ひーろーず】
|ジャンル|スポーツ(バスケット)|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/174001086.jpg,height=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売・開発元|テクノスジャパン|~|
|発売日|1993年12月22日|~|
|定価|6,500円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|幻のシリーズ&br;FC版くにおくんシリーズ最終作&br;中古価格は凄まじく高騰|~|
|>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズリンク>くにおくんシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ファミコンにおける『くにおくんシリーズ』の最終作にあたる作品。~
「くにお」率いる「熱血ダンクヒーローズ」がアメリカを舞台とした2on2のストリートバスケットの大会で優勝を目指す。~
タイトルに「ダウンタウン」が冠されていないスポーツシリーズ作品では珍しく、設定や登場人物が[[ダウンタウンシリーズ>くにおくんシリーズ#id_287d6091]]寄りとなっている。

**ストーリー
ダウンタウンクイズというクイズ番組で逆転優勝を果たした「くにおくん」は賞品としてアメリカ旅行に行く事になった。~
『[[びっくり!熱血新記録>びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル]]』で知り合った「ジョニー」にでも会うかとつぶやくくにおの乗る飛行機のタイヤには~
くにおを追うためにやってきた「りき」と巻き添えを食わされた「ごだい」が縛り付けられており、さらにはりきの手には「すとりーとバスケット大会参加申込み書」が握られていた…。~
くにおと共にすとりーとバスケット大会で優勝し、帰りはファーストクラスでリッチに帰る事を提案するりきに
ごだいは反発するが、マッハパンチで気絶させられ、そのままアメリカに到着する。~
こうして「くにお」「りき」「ごだい」「ジョニー」で結成される「熱血ダンクヒーローズ」は全米を舞台にした「すとりーとバスケット大会」へと参加するのだった。~

**ルール
-「2on2」のバスケットゲームとなり、四人チームの中から二人を選択し、試合を行う。メンバーは前半と後半で交代することが可能。
-''ルール無用''、久しぶりに一切の反則無しのスポーツアクションとなり、ダブルドリブル等の反則やファウルをとられる事はない。
--つまり、場合によっては((「ごだい」や「ジョニー」といった、シュートのパラメーターが低い選手はシュートしても入らないことが多いので相手を潰す方に回ったほうがうまく試合を運べる。))相方にゴールを任せて''自分はひたすら相手選手をボコる''といったラフプレイが求められるということ。
--ボールを持っていない時は''パンチやキックといった暴力行為''で相手をひるませる事が出来る。ジャンプと組み合わせたり、着地時のタイミングで攻撃をすると「必殺技」になる。
---まとめると、「通常攻撃」「ジャンプ攻撃」「着地攻撃」にそれぞれ技が割り振られている形になっている。(便宜上、技と書いたがキャラによっては必殺技では無く普通のパンチ(キック)を行う事もある)
---攻撃を加える事でボールを奪う事は出来るが、攻撃を続けても相手が息切れするだけで完全に倒す事は出来ない。
--ボールを持って4歩~5歩目でシュート、ジャンプ時に一定時間溜めてから離す等の特定の動作をする事で「ナッツシュート」といった選手毎の「必殺シュート」を放てる。
--また、CPUが相棒の場合はボタンを長押しする事で予め決めておいた「アタックしろ!」「ボールとれ」といったボタンに合わせた指示を出す事が出来る。
-コートには各チームのゴールが高、中、低と最大六ヶ所あり、高が4点、中と低は3点入る。一度のシュートで高、中、低と連続で入れば最大10点加算((「ナリキンシューズ」を装備したキャラクターのゴールや「ラスベガス」でスロットが当たった時は更に加算される事もある))されるチャンスがある。
--しかし、同じ箇所に何度もゴールを決めていると''ゴールがはずれる''ことがあり、落ちたゴールを拾って自分のチーム側のゴールに投げることで得点源を増やす事が出来るが、逆に拾われてしまうと得点源を一つ失うことになる。((特に相棒のCPUは無くなったゴールにも平気でシュートを空振りするのでよく使う「低」のゴールを奪われると痛手になる))
--中や高位置のゴールは普通には届かないので「必殺シュート」や馬に蹴られるなどの「仕掛けアクション」「ダンクシュート」「2段ジャンプ」などを駆使してゴールする。
--前半でゴールを奪われてしまっても、後半では元通りに仕切り直される。引き分けはなく、後半終了時に同点だった場合はどちらかのチームが勝ち抜くまで延長となる。

-試合は「ビジター」と「ホーム」を交互に行う形になり、「ビジター」は相手のチームのコートで試合を行い、「ホーム」は「熱血ダンクヒーローズ」の拠点の「ナイアガラ」のコートで試合を行う。
--対戦相手は毎回自由に選べる((例えばビジターで勝った直後に続けて同じチームを選ばなくても良い))。「ビジター」で勝ったチームは「ビジター」では選べなくなるが、「ホーム」の時には選択することが可能でその逆もしかり、つまり同じチームとそれぞれのコートで1試合ずつ行う形になる。
---「ビジター」及び「ホーム」で全てのチームに勝つと優勝となるが、一度でも負けるとその時点でゲームオーバーになる。(コンティニューは可能)
--すとりーとバスケットの名の通り、マトモなコートはほぼ存在せず、スラム街やカジノ街、果ては軍事基地が舞台となり「石ころ」や「脚立」といった武器がそこかしこに落ちており、相手を妨害したり、ジャンプの補助にする事に使える。
--コート毎の仕掛けも満載、回転寿司のようにベルトコンベアーでアイテムが運ばれる「US NAVY」チームステージ、ゴール時にスロットが揃うとスコアが加点される「ラスベガス」ステージ、馬に蹴られてハイジャンプできる「テキサス」等、それぞれのコートでユニークな仕掛けがある。
---逆にホーム戦での「ナイアガラ」はそういった仕掛けがない為、ビジター戦とは違った立ち回りが求められる。
-試合に勝つ事で相手チームから一つ「アイテム」をもらう事が出来る。アイテムは開始時に数パターンのテーブルから選ばれており、どのチームから何がもらえるかは予め決定されている。
--「シャツ」「パンツ」「シューズ」の3つの部位があり、一人につきそれぞれの部位に一つの「アイテム」を装備できる。
---「アイテム」を装備することでステータスを底上げしたり、特定のアクションが使えるようになるといった利点がある。
---今作ではキャラのパラメーターをアップさせる手段は「アイテム」以外にないので殊更重要。

**評価点
-暴力行為とスポーツの高い融合
--くにおくんのスポーツと言えばハチャメチャなアクションのイメージが強いが、球技系スポーツシリーズで直接殴る蹴るといった「暴力行為」をはたらく事が出来るシリーズは意外と少ない。
---過去作の『[[いけいけ熱血ホッケー部>いけいけ! 熱血ホッケー部 すべってころんで大乱闘]]』も本作と同様に暴力色が強いが、必殺技アクションが存在しなかった。
---本作では「まっはぱんち」「じぶんぎょらい」といった『ダウンタウンシリーズ』でお馴染みの必殺技が多数登場しており、格闘アクションの質が高まった。
---また、相手となるアメリカの選手たちも一癖も二癖もあるキャラクターばかりであり、''火を吹いたり口からビームを出す''などかなりやりたい放題になっている。
---あくまで「暴力行為」は妨害手段の一つという位置づけであり、勝つためには積極的にゴールを決める必要がある為、[[バスケがしたいです…>超熱血高校くにおくん ドッジボール部]]といった事にはならない。

-バスケットとしての作りこみ
--バスケットとしても状況に応じて様々なアクションを出す事が可能。~
選手によって「バックダンクシュート」「フックダンクシュート」「スピンダンクシュート」といった様々なダンクアクションがあり、魅せるプレイもできる。
--ダッシュ中に素早く上上(下下)を入れる事で「ターンをして相手の攻撃をかわす」ことが出来るといった従来のスポーツシリーズのアクションも踏襲している。

-お馴染みのノリも健在
--OPイベントから''飛行機のタイヤに張り付いて密入国する「りき」と「ごだい」''といったぶっ飛んだデモが繰り広げられる、エンディングも同様。
---それまでのシリーズに比べてノリがよくセリフも多いので見た目に非常に楽しいデモになっている。
--「ビジター戦」の場合、相手チームの短いデモが流れ、スケボーに乗ってやってくる「ニューヨークキッズ」や帽子から鳩を出す「ラスベガスギャンブラーズ」などバリエーションも様々。
---キャラクター毎の固有のアクションが多い事も特徴。

**問題点
-フロリダチームが理不尽に強い
--対戦相手の一つである「フロリダエスパーズ」がやたらと強い。基礎能力も高く、攻撃アクションも強い上にエスパーということで試合中''お構いなしにテレポート''を繰り返してくる。
--こちらが放った通常シュート(一部の必殺シュート)を''テレポートで奪って即座にシュートで返される''といった事が頻繁に起こる。特に味方のCPUは通常シュートを多用するので厄介。
--さらには必殺シュートの「わーぷしゅーと」も高性能で三段抜きされる事が多い
---…といった理不尽ずくめの難敵になっている。このゲームで遊んだ人はたいていの場合、''突然テレポートしてくるハゲ達''に苛立ちを覚える事になる。

-自分の位置を把握しづらい
--基本的にボールがスクロールの主体になる為、シュート直後は全選手が画面外にはみ出ることになり自分がコートのどの位置にいるか把握がしづらく、リバウンドを取る事が難しい。
---『[[サッカー編>熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]』や『熱血サッカーリーグ』では「コート全体のミニレーダー」が、『いけいけ熱血ホッケー部』では「プレイアブルキャラクターがどの辺りにいるかのマーカー」が表示されていたが、そういったものがない。
---CPUはお構いなしにリバウンドをしたり、落ちたゴールを奪って的確に自分のゴールを増やすので理不尽さを感じる。
---1Pプレイの場合、相棒にCPUのマークを任せる事である程度は緩和することが可能。

-ゲームとしては大味
--「くにお」の必殺シュートである「ナッツシュート」は「妨害されずに簡単に三段抜きが可能」と非常に高性能であり、これを多用すれば勝ててしまう事が多い。
---あまりにも高性能な為、本作に登場する様々なギミックを食ってしまい、ストーリーモードではひたすら「ナッツシュート」を打つ作業になりがち。
---ナッツシュート自体は、地面に落ちているアイテムをぶつける事で止めることが出来るが、CPUがアイテムを全く使わないので、発動したが最後、そのまま三段抜きしてしまうのである。
---もっとも、これがなければ上述の「フロリダチーム」との試合が''更に苦行と化す''ので救済処置にもなっているが…。
--主人公の「熱血ダンクヒーローズ」も「くにお」と「りき」が能力とアクション共にバランスがよく、使いやすいので「ごだい」と「ジョニー」は玄人好みといった所。
---「ジョニー」と「ごだい」は極端に「シュート」が低く、点がが入りずらいので潰し屋としての面が強いが、りきでも十分に潰し屋としてのパワーがあるので、この二人を使う必要があまりない。
--アイテムの効果にも格差があり、''全能力がMAXになるという半ばチートアイテム''の「まぼろしのしゃつ(くつ)」やゴールした時の得点が増える「ナリキンシューズ」が手に入る楽なパターンもあれば~
イマイチぱっとしないアイテムばかりのパターンもあり、''ゲームが始まった時の運''で難易度にかなりの差がでてしまう((アイテムテーブルの情報はパスワードに入っており、開始直後のパスワードの下二桁で識別する事が可能))。

-その他、不親切な点
--相棒キャラへの指示と攻撃アクションのボタンが同じであるため、『サッカー編』等のシリーズに比べて指示を出せるタイミングがわかりづらく、ほとんど使えない。
--アイテムの効果がわからないことが多い。パラメーターが変化する場合はステータス画面から視覚的にわかるが、それ以外のアイテムには一切の説明がない。アイテムによって必殺シュートに変わってしまう事があるが、技表では変化が無い為、実際に使用するまでわからない。
--CPUはあまり落ちているアイテムを使ってこないのでプレイヤーが積極的に使わなければ空気になりがち

**総評
馴染みの薄い「ストリートバスケット」がモチーフとなっている為、若干プレイに抵抗を覚えることがあるかもしれないが~
プレイをしてみると、いつもの「くにおくんシリーズ」のノリがよく出ており、ハードルはそれほど高くない。~
「格闘アクションとしてのくにおくん」と「スポーツアクションとしてのくにおくん」をうまく掛けあわせた佳作だが、飛び抜けて傑出した部分もない。~
良くも悪くもシリーズの中では標準的な出来栄えである。~

**マイナーなFCシリーズ最終作
本作はFC版のくにおくんシリーズの最後の作品となり、中古価格では2017年現在、一万円を超えることも珍しくないプレミアソフトになってしまった((特に箱と説明書つきなると中古価格は三万円ほどになる))。~
有名シリーズの作品であり、かつ完成度が低いわけでもない本作がなぜ、こんなにマイナーな作品になってしまったかは発売時期によるものが多いと思われる。~
特にFCシリーズの直前の作品である『熱血サッカーリーグ』はかつて人気だった『[[サッカー編>熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]』の続編である他、Jリーグが設立した時期に発売され、空前のサッカーブームであった事も合わせて雑誌等で大々的に宣伝され、知名度が非常に高かった~
さらには本作の発売''5日前''には野球をモチーフにした『ダウンタウンべーすぼーる物語』がSFCで発売されており、こちらも馴染み深いスポーツである事から注目を浴びていた。~
その傍らで本作はほとんど宣伝されることもなく、発売後もシリーズのファンに「こんな作品があったのか?」と言われることが多くなってしまった。~
さらにはファミコンのハードや、「くにおくんシリーズ」自体の終末期でもあり、この時期にテクノスは「くにおくんシリーズ」をひたすら乱発していた((1992~1994年の間は移植なども含めて18作品ほどの「くにおくんシリーズ」がでている))事もあって注目されにくくなっていたのも原因の一つと考えられる。~
また、本作はバーチャルコンソールでも配信されておらず、直接的な移植といえば移植度に問題がある『[[くにおくん 熱血コレクションシリーズ1>くにおくん 熱血コレクション1/2/3]]』のみ((携帯アプリでダウンタウンキャラを加えたアレンジ移植もされている。))となっていた。しかし2016年発売の『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』と2018年発売の『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』にめでたく収録され、ようやく手軽にプレイできるようになった。

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