「Forest」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

Forest - (2015/01/04 (日) 21:56:34) の編集履歴(バックアップ)


現在この記事は、判定変更議論スレでスルメ/怪作への変更を依頼されています。 開始日:2015/1/4、初回〆日:1015/1/11


Forest

【ふぉれすと】

ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 Windows 98~
メディア CD-ROM 2枚組
発売・開発元 ライアーソフト
発売日 2004年2月13日
定価 8,800円(税別)
セーブデータ 100箇所
レーティング ソフ倫: 18歳未満禁止
配信 2010年9月28日/2,880円(税込)
判定 良作
怪作
ポイント 新宿を舞台にした奇怪なADV

WARNING!!!!!!!
18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。


概要

おバカな設定のゲームばかりを作っていた*1ライアーソフトによる、イギリス古典文学を題材にした珍しく割とシリアスなADVゲーム。
システム自体は特に目立った所のない選択肢式のADVだが、非常に特異なゲームに仕上がっている。
企画及びメインライターは星空めてお。

ストーリー

ビルの谷間に、路地裏に、地下道に……街並に焦点を重ね[森]は出現する

それは一切の常識が通用しない、禁断の領域。

誰にも理解されず、救われることもなく、孤独でも絶望的な闘いを彼らは続ける。

[森]が否応なく課す[リドル]に、獲得する超能力[ギフト]で対抗する。

失敗は、彼らが何より恐れる「新宿からの追放」を意味していた―――。

(公式サイトより引用)

評価点

  • 引き込まれるシナリオ
    • 舞台は現代の新宿ながらさながら異世界を冒険するような楽しさ、『不思議の国のアリス』や『ピーターパン』『ナルニア国物語』など、イギリス古典文学を題材にしたシナリオは少々人を選ぶものの、多くのファンをのめりこませた。
      • イギリス文学の知識の差で少々面白さに差が出てしまうのは残念だが、全く知らなくても『Forest』自体は十分楽しめる。
        むしろ本作をきっかけにイギリス文学に触れた人も。
  • シナリオを盛り上げる演出
    • テキストとは全く別の音声が入る
      • メインで話している人物への脇からの声が入ったり、場合によってはミュージカル的演出が入るシーンも。その為、BGMを消してプレイすると魅力は半減する。
    • バストアップで進むシーンもあるが、(サブキャラまで含め)様々なポーズを取った全身図が効果的に使われている。
    • 背景もシナリオに合わせて、現実の新宿の写真を加工したものが使われており、シナリオを盛り上げるのに一役買っている。
  • 良好なBGM
    • ケルト音楽等の民俗音楽風のBGMでまとめられており、BGMが安定して高評価のライアーソフトにおいても一際評価が高い。
      • 一部には『The Wimshurst's Machine』の曲も使用されている。
  • 重大なバグがない。
    • 初回特典はバグとまで言われていたライアーソフトだが、本作辺りから重大なバグはほぼなくなった。
      • とはいえ、ちょっとした誤字等完全にないわけではないが。

賛否両論点

  • 18禁シーンの少なさ
    • ソフ倫チェックの入ったソフトではあるが、それなりの長さのシナリオ内で18禁的なシーンは数えるほどしかない。
      • 加えて大石竜子の絵柄もはっきり言ってエロくはない。
    • ただそもそも本作をプレイしている際にそういうシーンは望まないし、シナリオにおける比重も低い。
      • シナリオを楽しむ上において、むしろ少ないのがあっている。

難点

  • 訳の分からなさが人を選ぶ。
    • ただ単にEDを目指すだけでも、選択肢の答えが分かりづらかったり、はっきり言って遊びづらい。
      • 途中で投げ出したり攻略サイトに頼った人も多い。

怪作要素

  • 混沌としたシナリオ
    • とにかくまずシナリオ自体が混沌としている。
      • そもそも、現実の新宿を舞台にアリスのマッドティーパーティで物語が始まる辺りからしてぶっ飛んだシナリオだが、色々と視点変更が入ったり、過去の話が入ったりといった群像劇にもなっている為、一回クリアしただけでは良く分からないシーンも多い。
      • それでいて最後までプレイすると話はしっかり一本に通っている。
        結果、訳が分からないゲームだけど面白いとよく言われる。
  • それ以外にも評価点にも書いた「テキストにない音声が入る」「イギリス文学を題材にした数々のパロディ」といった要素が余計に訳分からなくさせている。

総評

混沌としたシナリオながら人を引き込ませる魅力を持ったシナリオで、ある種の雰囲気を楽しむゲームとも言える作品。
演出やBGMもそういった「雰囲気」を後押ししている。
最後までプレイすれば物語の根幹にある部分は割とシンプルである事がわかるので、EDまでいっても訳が分からないまま終わるといった事にはなっていない。
その為、一つの読み物としてもしっかりと物語になっている。
ただやはり癖が強すぎて人を選ぶシナリオになっているので、誰にでもオススメできるゲームではないが、興味があれば是非一度手に取ってみてもらいたいゲームでもある。


余談

  • 本作に登場するネズミのリーピチープ(出典は『ナルニア国ものがたり』)は、作中の人気から公式でぬいぐるみ化された。
  • 一時期はプレミア価格が付いていたが、1,500円程度のエロゲ雑誌の付録に本作が付いたため、プレミア価格ではなくなった。
    • とはいえ、オリジナル版でしか警告トラックなどを聞けないということもあり、現在でも中古価格は7,000円程度である。
  • 発売当時、Type-moonの奈須きのこが公式の日記でべた褒めした事も一部で話題になった。