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ブレス オブ ファイアII 使命の子 - (2023/03/31 (金) 16:50:58) のソース

*ブレス オブ ファイアII 使命の子
【ぶれすおぶふぁいあ つー さだめのこ】
|ジャンル|RPG|CENTER:&amazon(B000068HNB,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3583/1809/bof2a.jpg,height=160)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3583/1811/bof2f.jpg]]&br()[[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3583/1810/bof2b.jpg]]&br()&amazon(B00005RS5J)[[高解像度で見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/3/7/8/16378_front.jpg]]&br;[[裏を見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/3/7/8/16378_back.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン&br;ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|【SFC】16MbitROMカートリッジ&br;【GBA】32MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|【SFC】1994年12月2日&br;【GBA】2001年12月21日|~|
|定価|【SFC】9,980円&br;【GBA】4,800円|~|
|配信|バーチャルコンソール(SFC版)&br()【Wii】2007年6月26日/800Wiiポイント&br()【WiiU】2013年7月10日/800円&br()【New3DS】2017年8月23日/823円(税8%込)|~|
|書換|ニンテンドウパワー&br()1997年9月30日/1,000円/F×5・B×4|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ブレス オブ ファイアシリーズ]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
『ブレス オブ ファイア』シリーズ第2作。~
[[前作>ブレス オブ ファイア 竜の戦士]]の500年後を舞台としており、ウインディア、音楽の国など前作にあった町なども再登場する。~
主人公はリュウ、ヒロインはニーナと前作と同じ名前だが全くの別人(ブレスシリーズの主人公とヒロインは、代々リュウとニーナという名前)。~
前作であった合体システム、仲間ごとの固有スキルなどのシステムは洗練され、後の街システムに繋がる「共同体」といった要素が追加された。

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**ストーリー
白竜族の戦士が仲間たちとともに邪神ミリアを討ち、世界に平和を取り戻してから500年後。~
~
辺境のゲイト村で生まれ育った主人公リュウは、妹ユアと父ガナー神父の3人で穏やかな日々を過ごしていた。~
ユアは村の裏山に眠る大きなドラゴンの傍らを気に入っており、ある日「ここで眠れば死んだ母の夢が見られる」とユアに勧められ、リュウは目を閉じてみる。しかしそこに母の姿はなく…~
魔物のおぞましい眼がこちらを睨んでいた。~

リュウは胸騒ぎを感じ村へ走ると、父と妹の姿はなく、村の人々は誰一人としてリュウたち一家のことを覚えていなかった。~
途方に暮れたリュウだったが、孤児として教会に泊まっていた&ruby(のばせ){野馳}り族の少年ボッシュと共にゲイト村を去る決心を固める。~

しかし、村を出た後に向かった洞窟で長い尾を持つおぞましい魔物「バルバロイ」と邂逅。~
バルバロイはリュウが「&ruby(さだめ){使命}の子」であることを告げるが、リュウにその言葉の意味を理解することはできなかった。~

ゲイト村を出て10年後。逞しく成長したリュウとボッシュは、モトの街で「レンジャー」という何でも屋のような仕事をこなし生活していたある夜。~
とある窃盗の現場に居合わせたボッシュに泥棒の嫌疑がかけられ、お尋ね者になってしまう。~
ボッシュの濡れ衣をはらすためにリュウは真犯人を追う旅に出ることになるが、~
行く先々で様々な事件に巻き込まれ、世界に異変が起こっていることを感じ取る。~

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**特徴・評価点
-前作以上に多彩でアクの強い仲間・キャラクターたち。
--仲間数は前作と同じ8人だが共同体での待機時のセリフの変化の多さ、合体システムの進歩による性能変化、演出の強化による各キャラの見せ場の増大など、様々な面でパワーアップしており、ただでさえ個性的なキャラクター性がますます強まった。
--ブレスシリーズのキャラクターデザインは毎回吉川達哉氏が担当しているが、新作が出るたびに絵柄が変化することでも知られる。その中でも本作のキャラクターデザインはおそらくシリーズで最もファン人気が高い。
//---というより、本作の絵柄が最もエr(げふんげふん)
//↑こういう言い回しは不要です
---この作品のニーナとリンプーという2人のヒロインの人気はシリーズ屈指。
--各キャラに必ず1つ以上はメインの見せ場となるイベントが起きる期間があり、いずれも好感が持てるキャラクターづけがされているため、感情移入度が高い。
--また前述のバルバロイはその正々堂々とした性格やいかにも強敵らしいデザインなどから、シリーズでも人気の高い敵役。
---ラストダンジョンで一騎打ちになる熱い展開、セリフなどもあって登場シーンは少ないにもかかわらずインパクトは強い。そのせいでラスボスはあまり存在感がないが。

-呪文周りのシステム整備
--前作では呪文選択画面において効果解説は無く、敵味方ともに魔法発動時に、呪文名ではなく「ざっくりとした効果内容」が文字表示され((例えば雷魔法ならば、呪文のグレードに関わらずどれも「いかずち」という表記である。))、種類の膨大な呪文((ひとつの属性につき5種類の差分が存在し、発動エフェクトも似たり寄ったりである。))のうちどれが発動したのかが解りづらかった点が今作で改善された。
--具体的には、「同じ属性の攻撃呪文は多くても3種類まで」に統一され、「呪文選択画面に効果解説文が表示」となり、「魔法発動時に呪文名が文字表示」されるようになった。

-強化された合体システム
--前作の仲間同士が合体する仕様ではなく、本作は世界中のどこかにいる6人のシャーマンのうち1~2人と仲間が合体する仕様に。ただしリュウと隠しキャラのディースは合体不可能。
--シャーマンごとに属性や強化される能力が違い、キャラクターの欠点を補ったり長所を伸ばしたりすることができる。
--さらに究極合体という、キャラクターごとに特定のシャーマンを組み合わせた状態になるとグラフィックや性能が大幅に変化する。
---キャラクター性とかっこよさを両立させたキャラデザインは秀逸。また性能の変化によって多彩なパーティー編成ができるのも魅力。
---特に仲間の1人のタペタは素では弱くて能天気だが、究極合体するとデザインが精悍なものに変わり、ステータスも非常に強くなるというギャップが魅力のキャラである。
---ただし1人のシャーマンにつき1人しか合体できないため、全員を究極合体させようとするとメンバーがほとんど固定になってしまう(必要なシャーマンが被ってしまっているキャラもいるため)のが残念か。

-共同体システムの導入
--世界各地にいる移住希望者に話しかけて、主人公たちの創る集落「共同体」に誘致し、住民になってもらうというシステム。
--住民になった人間に応じて家屋内にお店や鍛冶屋、ウインドウ変更やサウンドテストといった機能施設が追加される。
--更に最初の共同体のレイアウトの選択によっても施設のデザイン、追加施設が変わる。ここでしか入手できないアイテムや利用できない施設も多い。
--建物の数が決まっているため全ての移住者を移住させることはできないものの、当時としては自由度が高く、プレイヤーの手で自分好みの共同体を作ることができる。
--更に隠しイベントを進めると共同体が浮遊し、空飛ぶ乗り物として使うことができる。

-豊富な隠し要素
--「せんぎり」等の追加習得の隠し技、前作に登場したディースが隠し仲間として登場、特定の条件を満たすと真のエンディングが見られる、非常に貴重なアイテムを持つモンスター「グミオウ」が生息する島など、前述の共同体を含め様々な種類がある。
---ちなみにグミオウが出現する小島では、他にもゲーム序盤に登場したモンスターが超巨大化した強化モンスターも出現する。発売当時双葉社から刊行された攻略本ではこの島のことに一切触れておらず、巨大モンスターのデータも載っていなかったため、初見で度肝を抜かれたプレイヤーは数多い(GBA版の攻略本には載っている)。
--またシャーマンを見つける合体システムや移住者を見つける共同体も、一部見つけにくい移住者やシャーマンがいるため一種の隠し要素といえる。

-個性は抑え目だが、正統派で盛り上がりのある音楽。
--シナリオのある山場を越えた後通常戦闘のBGMがよりシリアスなものに変更され、これがプレイを盛り上げる演出に一役買っている。

-前作に続いてファンタジーの基本を押さえてはいるものの、終盤になるにつれて暗くシリアスになっていくシナリオ。
--冒頭、なぜ村人はリュウたちのことを忘れてしまったのか、父や妹はどこへいってしまったのか、使命の子とはなんのことか それらの謎が解き明かされる終盤のシナリオはまさしく怒涛。
--特に敵の本拠地「大教会」へ突入するイベントはNPCの死亡の連続で、クライマックスへの勢いと同時に陰鬱な気分になってくること請け合い。
---彼らの死の一つ一つに意味があり、展開によっては救えるキャラもいるので話題に上ってもあまり批判はされない。
--陰鬱なイベントだけでなく、シリーズ伝統のセクハライベントやカエルの国でゴキブリやミミズ、ハエを使った料理を作るといったシュールでコミカルなイベントも多い。
--そのギャップのせいで余計に暗いシーンがますます暗く見えてしまう所もあるが…。

-94年時とは思えない秀逸なドット絵。戦闘画面の様子は前作Ⅰよりもさらに細かくなり、動きもすばらしく敵も味方もグネグネ動く。

-会話時に「ドラゴンズ・ティア」という宝石がウインドウに表示され、この色でその人物がリュウに対しどんな感情を持っているのかがわかる。想像を膨らませ補完するのにも、相手の善意や悪意を感じるのにも一役買っている。

-任天堂が優遇している数少ない他社RPG作品。
--本作の内容ではないものの、リメイクなどで早期に発売及び配信されている。プラットフォームもGBA、Wii、3DS、Switchなどと非常に幅広く同じ任天堂のRPGよりも早く配信されているほど。

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**賛否両論点
-HP回復方法がアイテム一辺倒になりがちである。
--今作の回復魔法の消費APは高めの方で、長旅になるとAP切れが起きることも珍しくない。
--一方でアイテムは他RPGと違い大量に持てば誰でも使用することが可能。
---今作におけるフィールドの狩り(草むら)及び釣り(魚釣り場)はHP回復アイテムを獲得でき一定確率で戦闘終了後に登場するが、後述のエンカウント率が高いこともあり繰り返せば&bold(){序盤で大量にHP全回復のアイテムを獲得可能}。そのため経済的に考えるならHP回復魔法を使用する機会がほとんどなくなり、難易度が下がってしまうことも。


#region(マルチエンディングについて)
-本作のエンディングも前作同様マルチエンディングになっている。ハッピーエンドの攻略方法が非常に難しく、SFC版では全くわからずに見れなかったプレイヤーも多い。
--物語終盤のある選択肢で誤った選択をするとバッドエンドとなる。その際の不気味なBGMと暗闇に魔物達が集結している一枚絵はトラウマもの。
--普通にプレイしていると死者こそ出ないものの、おおよそハッピーとはいいがたい結末になる。
--前述の隠しイベントを行うことでようやくハッピーエンドになる。
---しかし通常のエンディングのほうが、この物語にふさわしいとして支持するファンも多い。特に攻略方法が明確になったGBA版で見れたプレイヤーはがっかりしたという声も少なくない。

#endregion

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**問題点
-前作同様エンカウント率が高い。
--前作ではエンカウント封印効果があり頼りになった「まもりけむり」は、今作ではエンカウント「軽減」に変更となり効果がかなり薄くほとんど役に立たない。

-敵の強さとパーティー人数のバランスが明らかに悪い箇所があり、しかもその区間がそこそこ長い。
--特に序盤、リュウ一人旅が続く期間は突出して難度が高い。相当レベルを上げていても敵から受けるダメージが高いため、2匹以上のエンカウントでは、まともに闘うとまず全滅は免れない((今作の全滅時は、所持金半減で最後にセーブした竜の神像に戻される。ゲームオーバーとはならない。))。

-敵から入手できる経験値が少なく、レベルが全然上がらない。
--GBA版で入手経験値が2倍に調節されていることからも、少ないのは明らか。

-前作よりも仲間の育成の手間が増大した。
--今作のPT編成では、リュウの他の仲間は3人しか同行できず、同行していない仲間は経験値を得られない仕様である((前作では戦闘不参加の控えの仲間も経験値を得られた。))。~
この仕様変更のため、仲間の人数が増す程にメンバー内のレベル格差が顕著となり、バリエーション豊かな仲間達ではあるものの、効率を考えてしまうとずっと同じ顔ぶれで最後まで押し通すというプレイングになりがちである。

-ドラクエでいうルーラにあたる移動魔法「ヒュール」が一部のキャラしか使えない上に、そのキャラの加入が中盤。
--これも上記のPT編成の仕様変更により、快適さを損なってしまった事例である。
--今作ではリュウと同行している仲間しか移動中呪文が唱えられず、仲間の育成状況によっては…~
「スタメンにヒュールを扱える仲間が不在→ヒュールを覚えている仲間と入れ替え→ヒュールの後にまた元の編成へ戻す」という面倒な手間が大いに起こりうる。
-ゲーム序盤に2つの町を何往復もしなければならないイベントがある。
--この時点でヒュールは扱えず徒歩で往復せざるを得ないのだが、この町と町の距離はかなり遠い。ある仲間のフィールド特技を使えば、ほぼエンカウントなしで移動できるが、それでも時間が掛かる。

-ドラクエにおけるリレミトにあたるダンジョン脱出魔法「デルダン」は用意されているが、使用不可のダンジョンも多い。

-お使いイベントが非常に多い。
--最初から倒すべき巨悪、世界を脅かす大問題といったものが提示されておらず、「一見平和な世界だが、実は徐々に見えない悪に侵食されている」ことに気づくことからシナリオが始まり、更にその正体をつかむまでの期間がゲーム内の大半を占めるため、終盤になるまで大きな目的が示されないのがその理由。
--主人公たちは世界を回って各地で起きている問題を解決し、それが終盤になってその原因が一つの所に繋がっているということが初めてわかるという展開である。
--このためあっちに行ってはご当地の事件を解決し、こっちへ行っては同じように解決し、ということになるため、終盤になるまで単調になりがち。そのぶん終盤は勢いがあるのだが。

-仲間の合体が、最大HP4分の1まで減ると解けてしまう。一旦解けたら、共同体までいちいち戻らないといけない。

-終盤に利用可能になる空を飛ぶ乗り物が期間限定
--RPGによく見られる「空を飛ぶ乗り物」(前述の共同体とは別)が存在するが、なんと''シナリオ最終盤で使用不能''になる。
--この乗り物でないと入手できない宝箱などが存在するため、気づかないままシナリオを進めてしまうと取り返しがつかない。

-セーブしたデータをロードすると、設定した陣形が初期化されてしまう。

-終盤、因縁の中ボスとの決戦時、イベント中演出時に見せた強さとはほど遠い。
--運が悪いと大魔法攻撃を連発してくるが、補助魔法やAP吸収魔法(ドラクエにおけるマホトラ)を好み無駄行動が多いため、強さのムラが大きく人によっては拍子抜けする。
--強さに関しては、倒した直後の選択肢によってはバッドエンドになるので、間違って選ぶことを考慮してのことだろうか。
//--そもそもその惨殺される仲間達にしても、ほとんどポッと出で主人公達とそれほど絡みがあるわけでもない。敵と戦っている理由にしても「敵の振る舞いが善良すぎて不自然だから」という''なんじゃそれ''なもの。
//---しかも主人公達も、彼らが殺されるのをただボケーっと突っ立って見ているだけで、殺されてから「彼は立派だったよね?」などと言い出す支離滅裂ぶり。''どの口で言うのか''。
//調査理由としてはそこまで言うほどひどいとは思いにくくそもそもここで書くことなのか。

//-共同体の建築様式と招ける住人は、1度決めると交代が効かないため、味方キャラによっては最強装備が購入できないなど問題が生じる。あげくには、盗賊などを入れると金を持っていかれる。
//--建築様式は、条件次第で3パターンの中から1つを選択できるのだが、無条件で建築できる様式がドーピングアイテムを量産できるので1番お得である。
//--条件次第で作れる様式の1つは、ミニゲームをプレイする事で装備品を入手できるのだが、それらは最強装備でもなんでもなく、そのミニゲームをプレイするのに必要なアイテムが個数限定、あげくに拡張すると無駄に広くなりそこに移動するにはロープウェイを使うため時間が掛かるという有様。
//-上記の共同体も含めて全体的に取り返しのつかない要素が多い。しかもそれが入手方法が時期限定である最強装備や土のシャーマンなど戦力に影響するものがほとんどである。
//--特に土のシャーマンを仲間にする方法は、ゲーム中でノーヒントどころか''攻略本にすら載っていない''。後のGBA版の攻略本には記載されたが、よりによって''条件がSFC版から変更されてしまっている''。
//↑ロマサガ3、FF6と同じ理由でCO。

-主人公の妹の出番が中途半端に終了し、それっきり忘れ去られる。
--プロローグ以降に登場しない。と思わせて…実は本編序盤から登場しており、図らずもこの人物の最初の行動によって主人公と仲間たちとの出会いのきっかけが生じていた。~
…という役回りの重要人物ではあるのだが、主人公の妹という直接な描写は無い((イベントで幼少の時の口癖が戻り、実はという程度))上に終盤のイベントシーンで草むらに突き飛ばされ、その後''エンディングを含め全く登場しない''という謎の結末を迎えている。父親と違って主人公との再会を喜ぶシーンすら無い。~
せめてエンディングくらいには出番を与えてもよかったのではないか、という意見も少なくない。
//---GBA版の真エンディングのラストでは、SFC版には無かった新規のイラストに登場している。

-主人公リュウの必殺技である「竜変身」が、リュウが高レベルになるほどに使いづらくなる。
--竜変身はストーリーが進むごとに強力なものを会得できるが、消費APは全種類共通で''残AP全部''(いわゆるマダンテ)
--ダメージ量は「使用時の最大APに対しての現在値の''割合''」によってのみ決まる上に防御力を無視するため、リュウのレベルを問わず''AP全快で放てば最大ダメージ''となる。しかし裏を返すとこれは、''現在AP値以外のパラメータは竜変身のダメージに全く関わらない''ことと同義。極端に言えば''竜変身の最大威力は変わらないまま最大威力に要するAPのみが膨らみ続ける''という仕様である。
--そのため、「リュウのレベルが未熟なほど少ない補給で大ダメージを狙える」という低レベル時の経験値稼ぎ促進の救済措置と取れる反面、リュウの最大APが成長する程にどんどん使い勝手が悪化する。
--これらの仕様を理解すると、「リュウのレベルアップはデメリット」と感じるプレイヤーも少なくない。下記の補給手段の要素も相まって、最大APが20の倍数からはみ出した時に大きく使用感を損なう。
---APを大量に回復する手段が、宿や回復ポイント以外では少ないのもそれに拍車をかけている。手軽に調達できるAP回復アイテム「ちりょくのみ」「アブラメ」「なんこつ」は20ポイントしか回復できない上、HPに20ダメージを受けるというペナルティつき。~
戦闘中の場合はHPが0以下になれば気絶してしまうため、よく考えて使わなければならない。
--使用すると単発大ダメージを与えてそれで終わりなので、シリーズでも屈指のシンプルな竜変身となっている。

-竜変身「ドラゴン」に関する不親切設計
--竜変身中位「ドラゴン」は、中盤ボス戦の要と言える威力なのだが、これは寄り道で発見する隠しイベントで習得する技であるため、~
見つけられない場合、低位の「パピー」をずっと使い続けることになり、中盤の戦闘難度を大きく左右してしまう。
--また、この「ドラゴン」は炎氷雷の3属性のバリエーションが、設定ミスにより全て無属性技となってしまっている。
--この属性不備はGBA移植版では修正され、機能している。

-ボス敵のセリフにやたらと「殺す」という言葉が出る
--コミカルな描写が多い作中で度々差し込まれるシリアスの演出ではあるが、あまり良い要素とは言えない。
--GBA移植版ではテキストが修正されている。

-ラストダンジョンはエンカウント率を抜きにしても非常に長く、極めて過酷な道のり。
--途中に回復・セーブできる場所はあるが、仲間の合体が解けてしまった場合は共同体まで戻らなくてはならないうえにラストダンジョンの入り口から移動しなおしである。
--ラストダンジョン内でセーブした後でデルダンで脱出し、外の用事を済ませたところでわざと全滅すれば内部のセーブポイントから再開することが可能、という小技も一応ある。もちろん、誤って外でセーブしてしまったらご愁傷様だが。

-発売当時、他作品の影響が大きかったために知名度が低い。
--前週に『スーパードンキーコング』が発売されたことから本作の売上は良くなかった。
--また発売前のVフェス94でも本作が紹介されたものの、同時に発表された『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』、『クロノ・トリガー』の話題にしか目がなかったゲームプレイヤーも多く、知名度を下げてしまった一因となっている。

//-スタッフロールがない。
//--エンディングで流れるのはスタッフロールではなくキャストロールだったので開発者が不明のまま終ってしまう。
//--もっとも、これに関しては『[[レッドアリーマー 魔界村外伝]]』や『[[ロックマンワールド]]』や後に発売された『[[ロックマンX2]]』など、当時の家庭用ハードでリリースされていたカプコンのゲームの多くにも当てはまるのだが。
//問題視すべきことか?
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**総評
ブレス オブ ファイアの正統進化系で、細かい粗さはあるものの安定したゲームバランスと整えられたシステム、生き生きと描かれたキャラや印象に残るシナリオによってシリーズファンの中でも、特に人気のある一作である。

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**余談
-CMがネタバレ
--アニメ調の主要メンバーと実写キャストが扮するサブキャラによる寸劇である。初見では意味不明のCMだが…今作をクリアした後(重要)にもう一度見ると…本編中のとあるシーンを抜き出したものであることが判明する。

-副題は『ファミリーコンピュータMagazine』誌上で行われた読者公募によるもの。
--ちなみに結果発表時は「しめいのこ」とルビが振られていたが、製品版では「さだめのこ」が正式名称となった。

-ニンテンドウパワー((ローソンで1997年9月30日~2002年8月31日まで行われたゲームソフトの書換えサービス。空状態の専用メモリカセットを3,980円購入して別料金で書換て入れる必要がある。割高な上に端末の操作がわかりにくくスーパーファミコン自体が時代遅れ同然だったこともあって普及しなかった。しかもこういった既存タイトル専用タイトルに比べると書換え料が安かったが中古カセットを購入した方が安かったため尚の事利用されなかった。))には本作のみがラインナップされ前作『[[ブレス オブ ファイア 竜の戦士]]』は何故かハブられてしまった。

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**移植
-2001年12月21日にGBAへ移植されている。現在はプレミア化しており値段は高め。
--GBA版では取得経験値がSFC版から2倍に、獲得資金が3倍に増えた。またダッシュ、中断が追加された。
--前作に引き続き、前述通り「殺す」という台詞が(ある場面を除いて)ほぼ全てカットや差し替えとなっている。
--各イベントやエンディングなどに新規イラストが追加。
--さらに他プレイヤーとの通信で武具などアイテムの交換が可能にもなり遊びやすくなっている。
--ある救出イベントが戦闘画面の仕様により、SFCより難易度が大幅に上がっている。初見で救出することはまず不可能。
--エンカウント率も少し下がっている…のだが、初めて訪れた地のエンカウント率が跳ね上がる(イベント進行で下がっていく)というシステムが追加されたため、体感的なエンカウント回数そのものはSFC版よりも多くなってしまっている。

-2007年からはWiiで、2013年にはWiiUでもバーチャルコンソールでSFC版が配信されている。
--2020年からは『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』に収録された。
--いずれもSFC版の配信であるため、上記のGBA版追加要素はない。