「ポップンミュージック19 TUNE STREET」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ポップンミュージック19 TUNE STREET - (2016/05/01 (日) 20:28:45) のソース

*ポップンミュージック19 TUNE STREET
【ぽっぷんみゅーじっく19 ちゅーんすとりーと】

|ジャンル|音楽シミュレーション|#ref(http://www.konami.jp/products/am_popn19/images/pkg.jpg,,width=200)|#ref(http://www.konami.jp/bemani/popn/images/arcade/ac_19bannar_o.jpg)|
|対応機種|アーケード|~|~|
|発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント|~|~|
|稼動開始日|2010年12月9日|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|新筐体リリース&br()全曲保証のタウンモード&br()ポップンミュージックカード登場&br()シリーズ初の全解禁が行われなかった作品|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ポップンミュージックシリーズ]]''|
----
#contents
----
**概要
アーケード版『pop'n music(ポップンミュージック)』シリーズのナンバリング19作目。
テーマは「街」。

**特徴
-新筐体のリリース
--16:9の液晶モニターが初登場。これまでの4:3のモニターよりも画面が広がった。
--音ゲーの重要な点である音響もさらに強化された。高音域専用スピーカーのツィーターと低音域専用スピーカーのウーファーを搭載する形になった。
--また、e-AMUSEMENT PASSの非接触型認識機能、下記のポップンミュージックカードの排出機能をデフォルトで搭載している。
--さらに、画面が広がったことにより、新筐体限定で両端の余ったスペースにBAD数やCONBO数などの情報を表示することができるようになった。暗証番号入力用のテンキーで表示する情報を切り替えることができる。
---選曲画面では「選曲ランキング」と、選曲回数の「急上昇ランキング」がそれぞれ全国版と筐体内版で閲覧可能。((ただし、ランキングに自身が解禁していない楽曲が存在していた場合は、バナーとジャンル名が「???」と伏せて表示される))~
さらに「アンケート機能」が搭載され、特定のテーマに対して自分で楽曲を選び、プレーすることで投票することができる。アンケートの結果は集計期間終了後に、選曲画面の新カテゴリ「アンケートカテゴリ」で発表される形となる。
---プレー画面では、ポプとものスコアやノルマが点数とゲージで表示される「SCORE」、BADやコンボ数をゲージで表示する「BAD/COMBO」、 ポプとものスコアデータを元に擬似的な順位比較が出来る「ポプとも」の3種類のうち、最大2種類を表示可能。プレー画面の両端に表示される形となり、画面の右側と左側にどの情報を表示させるのかを自由に選択できる。

-PASELI対応
--KONAMIの電子マネー「PASELI」に対応。
--PASELIを使うことで金銭を持ち歩くことなくゲームを遊べるようになった。

-「ポップンミュージックカード」
--特定の料金設定(1曲+カード、3曲+カード)を選ぶことでプレイ前にカードが排出される、収集要素。
---ノーマルカードはハリアイ絵を使ったものが殆どだが、描き下ろし衣装違いの「チェンジカード」や過去のポスター・磁気カードのイラストを使った「レジェンド」等も存在。
---出現率の低い「レアカード」は全て描き下ろし。さらにそのうちのいくつかは「ラッキーコード」が書かれているものがあり、これを筐体で入力することで特定のキャラのスペシャルカラー(3Pカラー)を解禁することができる。

-楽曲解禁用のイベントモード「タウンモード」
--ポップンをプレイすることで手に入る「TP(タウンポイント)」というポイントを使い、「工務店」で施設を設置する。
---設置できる施設は100種類以上と非常に豊富。
--施設の中には「TPボーナスを増やす」「隠し楽曲の値段を下げる」などの効果があるものもある。
-「TP」は施設の設置の他、「CDショップ」での隠し曲の購入、「雑貨店」でのスキンやBGMの購入、「ホームセンター」での地面の変更にも使う。
--隠し曲は後述の対戦でその隠し曲を遊ぶことで入荷。価格は1曲1000TP程度と高値となっている。
--スキンやBGM、SEを変更することが可能。スキンはAC15以来の登場であり、種類も多い。
--地面の変更は施設の設置と同じように行う。施設同様地面を変更しないと出現しにくいキャラもいる。
-街には多数のポップンキャラが徘徊しており、自由に話しかけることができる。
--無条件で登場するキャラは少なく、特定の施設や地形を設置しないと出現しにくいキャラが多いため、多くのキャラに会うためには多数の施設を設置する必要がある。
---分かりやすい例では「DTO→学校」「みここ→神社」「テトラ→海」「ミシェル→図書館」など。それ以外には「サトウさん((AC8での初登場時、バス停でバスを待っている際にししゃもと出会っている))→バス停」「文彦さん((CS12にて「館の謎を探る探偵(を演じる俳優)」として登場していたことから。ちなみにセリフでは探偵扱いされていることに不満を漏らしている))→洋館」「ミサキ((アクションで常に携帯電話を所持している。本作のセリフでは携帯が充電切れのため公衆電話を使おうとしている))→公衆電話」「ビックバイパー((原作でステージ中の仕掛けとして登場))→モアイ像」「キリ((趣味がジュエリーデザイン))→ジュエリーショップ」といった、アクションやキャラ設定に関わる施設の設置で登場する例が多い。
---中には特に関係のないような施設で出現するキャラも(「ハジメ→コンビニ」「アメトリ→飛行場」など)。
-ある程度街が発展すると、自動的に他のプレイヤー8人の街を加えた大きな街が形成される。
--他の街にある施設で登場するキャラにも話しかけることが可能なため、運良く発展している街を引ければ解禁作業がスムーズになる。
--他のプレイヤーも街に出現し、勝負することができる。キャラはそのプレイヤーが最後に使ったマイキャラで、カテゴリはマイベストフォルダ。さらに通常のキャラよりも獲得TPが高くなる。
--また、この状態になると街の中央に巨大な建設スペースが用意され、街に作られた施設に応じて自動で施設が建設される。加えて街の中央に駅が出現し、他の大きな街へ移動することもできるようになる。
-一部のポップン勝負を挑んでくるキャラに話しかけ、勝負を受けると選曲画面に移る(時間切れになった場合はランダムで決定される)。
--対戦するキャラクター毎に一定数の課題曲が設定されており、その中から選ぶとTPが多く獲得できる。課題曲にはそのキャラが担当した楽曲が必ず入っており、その他にはキャラのイメージに合致する曲や、同じアーティスト繋がりの曲で数を合わせている。もちろん課題曲以外の曲も自由に選べる。
--ポップン勝負であるため、相手側のキャラクターは楽曲の担当キャラではなく、勝負するキャラクターとなる。
--特定のキャラはイベントで解禁される隠し曲を持っており、勝負を挑んでその曲を選ぶことで、CDショップから隠し曲の購入が可能になる。楽曲解禁に関わるキャラクターは、特定の施設を設置することによって出現するものが多い。

-その他の点
--キャラクター選択が「モード選択で黄色ボタン同時押し」から「モード選択後キャラクターセレクト画面に移行」となった。
---ただし、これまでのシリーズに比べ制限時間は短くなっている。
--AC17以降で削除されていた「BeForU」関連の4曲が全て復活。
---クリアメダルやハイスコアの記録もそのまま復活した。

**評価点
-楽曲・キャラはこれまで同様好評。
--DJ YOSHITAKAの「ハイスピード幻想チューン」、Dormirの「おしゃまスウィング」、jubeat knit主催の『APPEND FESTIVAL』からは現在のpop'n musicの第一線で活躍するアーティスト7人による豪華なコラボレーション楽曲「キルト」など、人気の高い曲が揃っている。
---長らく楽曲提供がなかった「Kiddy」こと木田俊介も参加。「ビートニク」を提供した。
---また、過去作の楽曲4曲にH・EX譜面がデフォルトで追加された((「マサラ/すてきなタブーラ(AC2) H/EX」「ケルト/水中家族のテーマ(AC3) H/EX」「ハート/Pink Rose(CS5) EX」「キャンディポップ/CANDY♥(AC8) EX」。うち、「キャンディポップ」は今作での復活曲。))。
--キャラクターも好評。
---新キャラでは「アリシア」「しおん」「ニット」が特に人気のキャラとなった。
---それ以外ではTЁЯRA曲初の男性キャラ「エージェント」、マジカル4から最初のソロ登場となった「クアトロ」が話題に。
---旧作キャラでは「つらら」「メル」「ロキ」「ジュン&シンゴ」などが再登場。

-楽曲解禁イベントの「タウンモード」が全体的に好評
--まず最大の魅力が、''設定曲数を必ずプレイできる、いわゆる全曲保証がある''ということ。
---通常のチャレンジモードのような2曲目以降の途中終了を気にすることなく特攻やRANDOMオプションを使ったノックを行えるため、初心者・上級者問わず非常に便利なモードだった。
---ただしエクストラステージは出ないため、設定曲数より多くは遊べない。
--街の景観を好みに変えていく楽しさや、それに合わせて色々なキャラが町を訪れる楽しみなどちょっとした箱庭ゲーとしても良い出来。
---ポップン勝負をできないキャラも多いが、''全てのキャラにセリフが設定されている''という点はキャラ好きなユーザーにとって非常に嬉しい要素。
--隠し曲を持っているキャラクターとそのキャラを出現させやすくする施設の組み合わせを事前に調べておけば、最後のボス曲以外は自分の好きな順番で楽曲の解禁を進めることが可能だった。
--スキンやBGM、SEを変更することが可能になるのも嬉しいポイント。
---BGMは過去作(AC8、AC10、AC14)の選曲BGMで、SEにはSanaやすわひでおが担当しているものもあり評価は高かった。
--他のプレイヤーとの交流という面でも楽しいイベント。
---ただ誰と繋がるかは指定できないため、隣接しているプレイヤーがプレイ頻度の低い発展していない町ばかりだと、少々さびしく、曲解禁の面でも少し不便になることも。
---一応、「電車」による別タウンへの移動が可能(ただし行き先はランダム)な為、寂れた隣接タウンばかりでも全然交流できないという事はない。

-「ポップンミュージックカード」の導入
--タウンモード同様、ポップンのキャラクター好きなプレイヤーからは好評。
---次回作以降も継続して新カードが作られており、新弾が出る度に店舗によってはカードの引き合いが始まるほど。
-PASELIの導入
--両替の手間や筐体によってはコインが入りにくいといった地味に面倒な事態を回避できる。

**賛否両論点
-新筐体への移行
--デジタル画面の導入によって表示が綺麗になる、ワイド画面になって情報が増えた、等の便利になった面もあるが、一方でアナログとデジタルの表示の差により「ポップ君がぶれて見づらくなった」という、音ゲーとしては致命的な問題を指摘する声も多い。
---やってる内に慣れたという声も多いが、プレイのしやすさから旧筐体を好んでいる古参ユーザーも多く、旧筐体から新筺体への移行はあまり進んでいないのが現状。3作後の『[[ラピストリア>ポップンミュージック ラピストリア]]』稼働時ですら、公式の登録台数は''今までのアナログ画面筐体の方が多い''という状態のため、行きつけの店舗と別の店でやろうとすると難儀するプレイヤーも多い。
---ディスプレイに加えてスピーカーも大きくグレードアップしたため、新品筐体の値段も前のものより上がっている。プレイヤー達からの微妙な反響を鑑みると、導入に乗り出せない店舗も多かったと考えられる。
--新筐体が登場したばかりの本作では、ボタンのバネやスイッチが工場出荷状態のままの筐体が多く、その結果ボタンが重い筐体が多かった。こういった筐体では高難度譜面をプレーする際の「指押し」や「スライド押し」を行う際に、手や指にかかる負担が大きく、嫌われる原因となった。

-隠し要素の演奏スキン変更について
--スキン変更の実装自体はAC15以来、二度目となったのだが、AC15での演奏スキンはゲームプレーに支障がない範囲で枠や演出を変えるなど実用性が高かったのに対し、AC19での演奏スキンは譜面部分の装飾やポップくんの形状を変えるものが多く、オジャマの「ラブリー」等に近い仕様となっていた。
---上記の要因により、AC19デフォルトのスキンよりもプレー上の視認性が劣るものが多く、AC15のものとは異なり実用性が低いため、それと同様のスキンを期待していたプレイヤーからは残念がられた。
--もっとも演奏スキンそのものはクオリティが低いわけではなく凝った物が多い。その他にも、今作からの追加として背景スキン(曲中のプレイ画面ではなく、選曲画面やリザルト画面などの背景を差し替えるもの)、SEスキン(リザルトなどのシステムボイスや効果音変更)、BGMスキン(システムBGMを過去作のものに変更)などが取り揃えられており、これらは概ね好評だった。

**問題点
-全解禁が行われないまま終了
--これまでのシリーズではイベントが終了すると最終的には全ての楽曲が解禁される「全解禁」が行われていた。
--しかし、本作では最後まで全解禁が行われず、オフライン筐体ではタウンモードと連動イベントの楽曲を遊ぶことができない。
---そのためか、過去のAC作品を稼働させている店舗で今作が稼働していることはほとんどない。

-「タウンモード」の難点
--タウンモード自体は「必ず設定曲数をプレイできる上に、マップ上でキャラを探す移動時間も含むため、一人あたりのプレー時間が長くなり回転率が低下する」という特徴があるため、プレイヤー側からは概ね歓迎された反面、店側の評判は芳しくなかった模様。
---PASELIプレイ時限定だが、設定曲数をプレイし終えた後も1曲ずつ随時追加でプレイできる「コンティニュー」((初期設定ではAC12以来の復活だが、必要な消費PASELIポイントが過去作のように1プレイ分丸々でなく、「1プレイ分のポイント÷設定曲数」で済み、過去作に比べて非常に割安でプレイが継続できてしまう))の存在もこの問題を後押しした感がある。
--一部のなかなか出てこないキャラが新曲をもっている場合があり、登場条件を満たしても基本的に運任せとなるため、いくら金をかけても該当キャラが出現せず新曲が解禁できないという事態がたびたび見られた(特に、初期は「鉄男」の出現率が低く、苦労したプレイヤーは多かった)。
---但し、解禁イベントが進む毎にそれまでの解禁に必要なキャラの登場頻度が上がる等、緩和はされていたが。
--多数のポップンキャラが登場するモードであったが、「洋次郎(AC15)」と「ニット(AC19)」は最後まで未登場のまま終わった((この他、色違いキャラ扱いになっている「ロッテ(CS13)」や「シモン・ベルモンド(AC15)」なども登場しない。一方で2Pキャラでも「ミカエラ(AC13)」や「マタン(AC16)」は登場している。))。
---ニットは連動イベントで急遽制作されたキャラであり、アイコン数も余っていなかった為、元から登場予定は無かったと思われる。
---一方、洋次郎の場合は彼の分のアイコン欄が空いており、最後まで登場しなかったのはスタッフのミスによるものとされている((基本的にキャラは対応した施設1種類のみで出現するはずなのだが、タローのみ船orビーチの2種類が設定されており、本来はどちらかが洋次郎のものだったと思われる。))。セリフ自体は設定されており、AC18&19キャラブックのセリフ集にはちゃんと収録されている。
---なお、お詫びなのかどうかは不明だが、次回作であるAC20の「ポップンミュージックパスポート」では洋次郎とニットのシールが用意された。
---ただ、洋次郎に関しては当時知名度も人気もあまり無かったマイナーキャラであったため「公式に存在を忘れられたという、ある意味(弄られキャラとして)美味しい役回り」として好意的に見る意見もある。
--細かな点であるが、例として「ドナ(AC4)」の一人称が「僕」ではなく「私」となっているなど、過去の設定と食い違っている台詞もある。

-難易度詐称・逆詐称が多い
--特に詐称曲が多い。例としては「プログレタンゴEX(Lv41)」「ハイパードラマティックEX(Lv40)」「モダンパンクEX(Lv41)」「ルイナススピリチュアルEX(Lv42)」「トワイライトチャイムEX(Lv28)」など。

-カードについての問題点
--新たな収集要素としてファンからは歓迎されたが、同時にカード目当てのプレイヤーが連コインや回しプレイを行う、店側がレア抜きを行うなどの問題も起きた。
--加えてポップンでは効率の良い捨てゲーの手段がないためカード掘りの効率が非常に悪い。カードを収集するユーザーはハイエナの存在もあったため、早く回してレアを引くために短い曲((「レイヴ」が特に有名。))をひたすら選び続けたり、開幕から完全放置でリタイアを待つといった作業を強いられたため、「カードだけ買う機能が欲しい」「捨てゲー機能(またはそれに準ずるオプション)が欲しい」という意見が挙がっていた。

**総評
従来同様のゲーム性に加え、新筐体、PASELI対応、ポップンミュージックカードと後のシリーズに続く要素を加えた作品。~
そして、作りこまれた解禁イベント「タウンモード」により高い評価を得た。~
タウンモードは今でも「シリーズ最高のイベント」と評されることもあり、シリーズ作品の中でも特に良い作品だったと言えるだろう。

**余談
-本作で「ヴェルヴェットバレットヒット」の担当キャラとして登場した「ジャミロ熊井」というキャラクターは、次回作であるAC20で名前が「熊井さん」に変更された。
--名前変更の理由については公式に明言されていないが、元ネタと思われる「ジャミロクワイ」に配慮してのものと思われる。