ワンドを振る
- 狂戦士化しているときはワンドを振ることは出来ない。
- 充填数が空のワンドは再充填しない限り振っても何も起こらない。
- 当たり前かもしれないが、nethackやADOMでは、空の杖を振ると、1度だけ低確率で最後の力を絞り出すことが出来るという例があるので。
- 混乱しているときに振ると、的を選べない代わりに、自分を中心とした13×13マスからランダムに選ばれた的に向けて発射される。
- ワンドを振ったときに、もし発動スキルの値が 1d15 + 5 より大きければ、そのワンドの残り充填数を知ることが出来る。
- ワンドを振ると、発動スキルに未使用の経験値が入る。
- ワンドの威力は power という値を使って決める。
power = 30 + 2d(evok_skill)
で、evok_skillというのは、発動スキルのレベルである。
また、状態変化系のワンド(減速、加速、麻痺、混乱、透明化、隷属化、テレポート、採掘、変化)に関しては、さらに power の値が 1.5倍される。
ただし、ワンドによって、power の取る値には上限が設けられている。それは以下の通り。
ワンド |
上限値 |
火炎 |
50 |
冷気 |
50 |
減速 |
120 |
加速 |
120 |
魔法の矢 |
25 |
癒し |
100 |
麻痺 |
120 |
猛火 |
100 |
凍結 |
100 |
混乱 |
120 |
透明化 |
120 |
採掘 |
120 |
ファイアボール |
100 |
テレポート |
120 |
稲妻 |
100 |
変化 |
120 |
隷属 |
120 |
掠奪 |
100 |
でたらめ |
発揮された効果に依存 |
分解 |
250 |
魔法抵抗
先に挙げた状態変化系のワンド(減速、加速、麻痺、混乱、透明化、隷属化、テレポート、採掘、変化)については、モンスターに当たったときに魔法抵抗によって抵抗されることがある(効果が発揮されない)。
ちなみに、火炎や冷気などのワンドは火炎耐性や冷気耐性によって軽減されるもので、魔法抵抗とは関係ない。
魔法抵抗に関しては以下のようになっている。
1.モンスターが魔法に免疫を持っている場合、効果がない。
2.モンスターの魔法抵抗の値が6以下の場合(非常に弱いモンスター、巨大コウモリや、コボルドとか)、
50%の確率で効果がある。(普通に抵抗に失敗した場合も当然効果がある。)
3.上で決めたワンドの power の値( (30 + 2d(evok_skill)) の150%)を、40,70,100,120をしきい値とする減衰処理(step_down_function)を行う。
呪文威力を決めるときの50,100,150,200のやつと同様。
以下原文には書かれていないですが、
つまり0<=power<=40ならばpowerはそのまま。
40<power<=100ならば、(power-40)/2+40を新たなpowerに。
100<power<=220ならば、(power-100)/4+70を新たなpowerに。
220<power<=380ならば、(power-220)/8+100を新たなpowerに。
380>powerならば、120を新たなpowerにする。
4.1d100 + 1d101 の値が (102 + 魔法抵抗値) - power(3で決めたもの) の値より、
小さければ効果が無く、大きければ効果を発揮する。
(具体例)
・発動スキル0で、巨大ネズミ(魔法抵抗2)に減速のワンドを振る。 →83%で成功。
・発動スキル0で、オーク(魔法抵抗6)に減速のワンドを振る。 →63%で成功。
・発動スキル20で、オーク(魔法抵抗6)に減速のワンドを振る。 →88%で成功。
・発動スキル0で、オークの魔術師(魔法抵抗30)に減速のワンドを振る。 →40%で成功。
・発動スキル20で、オークの魔術師(魔法抵抗30)に減速のワンドを振る。 →74%で成功。
・発動スキル0で、インプ(魔法抵抗54)に減速のワンドを振る。 →20%で成功。
・発動スキル20で、インプ(魔法抵抗54)に減速のワンドを振る。 →56%で成功。
各ワンドの効果
火炎のワンド
射程 1d8 + 5 、ダメージ 2d(4 + power/10)、命中 5 + power/10 の火炎のビームを放つ。
火炎の投射と同じで射線上にいる最初の敵に当たる。
モンスターの火炎耐性が 1より大きい:無効
1:3分の1のダメージ
0:通常ダメージ
弱点:1.5倍ダメージ
振れば鑑定される。
冷気のワンド
射程 1d8 + 5 、ダメージ 2d(4 + power/10)、命中 5 + power/10 の冷気のビームを放つ。
冷気の投射と同じで射線上にいる最初の敵に当たる。
モンスターの冷気耐性が 1より大きい:無効
1:3分の1のダメージ
0:通常ダメージ
弱点:1.5倍ダメージ
振れば鑑定される。
減速のワンド
射程 1d5 + 7 の減速のビームを放つ。抵抗されなければスピードが半分になる。
射線上にいる最初の敵に当たる。
減速されたモンスターは、そのモンスターの行動毎に元の早さに戻る可能性がある。その確率は、
(10 + monster_hitdices) / (12.5*monster_speed) %
で求められる。モンスターの基本スピードは標準の値で10となっている。
(具体例)
・ゴブリン(ヒットダイス1、基本スピード10) :11%で復帰
・セントール(ヒットダイス4、基本スピード15):7.5%で復帰
・ナーガ(ヒットダイス5、基本スピード8) :15%で復帰
プレイヤーに当たった場合も減速される。全行動にかかる時間が倍になる。
その場合、10 + 1d(power)ターン 持続する。
減速の効果が発揮されれば鑑定される。
加速のワンド
射程 1d5 + 7 の加速のビームを放つ。スピードが2倍になる。
射線上にいる最初の敵に当たる。
加速されたモンスターは、そのモンスターの行動毎に元の早さに戻る可能性がある。その確率は、
1 / (monster_speed*8) %
で求められる。モンスターの基本スピードは標準の値で10となっている。
(具体例)
・ゴブリン(基本スピード10) :1.3%で復帰
・セントール(基本スピード15):0.8%で復帰
・ナーガ(基本スピード8) :1.6%で復帰
プレイヤーに当たった場合も加速される。全行動にかかる時間が半分になる。
その場合、40 + 1d(power)ターン 持続する。
また、魔法による汚染の値が1増える。
加速の効果が発揮されれば鑑定される。
魔法の矢のワンド
射程 1d8 + 5、ダメージ 1d(3 + power/5)、必中、抵抗不可の魔法の矢を放つ。
射線上にいる最初の敵に当たる。
振れば鑑定される。
癒しのワンド
射程 1d5 + 7 の癒しのビームを放つ。
射線上にいる最初の敵に当たる。
モンスターに当たると、1d7 + 5 + power/3 HPが回復する。
プレイヤーに当たると、9 + (3d27)/3 HPが回復する。
癒しの効果が発揮されれば鑑定される。
麻痺のワンド
射程 1d5 + 7 の麻痺のビームを放つ。
射線上にいる最初の敵に当たる。
モンスターに当たり、抵抗に失敗すると、7ターンほど麻痺する。
プレイヤーに当たり、抵抗に失敗すると、1d6 + 1 ターン麻痺する。
麻痺の効果が発揮されれば鑑定する。
猛火のワンド
射程 1d10 + 7 、ダメージ 6d(20 + (power * 3/4))、命中 10 + power/25 の猛火のビームを放つ。
猛火の矢と同じで、複数の敵を貫通することがある。
モンスターの火炎耐性が 1より大きい:無効
1:3分の1のダメージ
0:通常ダメージ
弱点:1.5倍ダメージ
振れば鑑定される。
凍結のワンド
射程 1d10 + 7 、ダメージ 6d(20 + (power * 3/4))、命中 10 + power/25 の凍結のビームを放つ。
凍結の矢と同じで、複数の敵を貫通することがある。
モンスターの冷気耐性が 1より大きい:無効
1:3分の1のダメージ
0:通常ダメージ
弱点:1.5倍ダメージ
振れば鑑定される。
混乱のワンド
射程 1d5 + 7 の混乱のビームを放つ。抵抗されなければ混乱する。
射線上にいる最初の敵に当たる。
混乱したモンスターは、そのモンスターの行動毎に元に戻る可能性がある。その確率は、
(5 + monster_hitdices)/(12 * monster_speed) %
で求められる。
(具体例)
・ゴブリン(ヒットダイス1、基本スピード10) :5%で復帰
・セントール(ヒットダイス4、基本スピード15):5%で復帰
・ナーガ(ヒットダイス5、基本スピード8) :10%で復帰
プレイヤーに当たり、抵抗に失敗すると、1d8 + 2 ターンの間混乱する。
混乱の効果が発揮されると鑑定される。
透明化のワンド
射程 1d5 + 7 の透明化のビームを放つ。
抵抗されなければ透明化する(但し、透明視認できない場合のみ)。
射線上にいる最初の敵に当たる。
透明化したモンスターは、そのモンスターの行動毎に元に戻る可能性がある。その確率は、
25/(100 * monster_speed) %
で求められる。
(具体例)
・ゴブリン(基本スピード10) :2.5%で復帰
・セントール(基本スピード15):1.7%で復帰
・ナーガ(基本スピード8) :3.1%で復帰
プレイヤーに当たった場合も透明化する。その場合、14 + 1d(power)ターン 持続する。
また、魔法による汚染の値が 1d2 増える。
透明化の効果が発揮されると鑑定される。
採掘のワンド
採掘のビームを放つ。
最大で 1d(power/5) + 1d5 + 1 の距離の岩の壁を掘る。
石、鉄、永久岩の壁を掘ることは出来ない。
壁を掘る効果が発揮されると鑑定される。
ファイアーボールのワンド
射程 1d5 + 8 に 範囲 3*3、ダメージ 3d(10 + (power / 2))、命中40の火の球を発生させる。
投射型のファイアボールなので、射線状にいる最初の敵の場所で炸裂する。隣接して使用すると巻き込まれる。
モンスターの火炎耐性が 1より大きい:無効
1:3分の1のダメージ
0:通常ダメージ
弱点:1.5倍ダメージ
振れば鑑定される。
テレポートのワンド
射程 1d5 + 6 のテレポートのビームを放つ。
射線上にいる最初の敵に当たる。
モンスターに命中し、抵抗されず、かつテレポート待ち状態でない場合、ランダムな同じ地面の質のところに 1d2 + 2 ターン以内にテレポートされる。
つまり、普通の地面にいたキャラは、溶岩や深い水溜まりに飛ばされたりしない。もし、テレポート待ち状態だった場合、テレポートはキャンセルされる。
プレイヤーに当たると、テレポートの巻物を読んだのと同じ効果になる。
テレポートの効果が発揮されると鑑定される。
稲妻のワンド
射程 1d10 + 7、ダメージ 1d(10 + power*3/5)、命中 7 + 1d(power) / 20 の電撃のビームを放つ。
電撃の矢などと同じで、ビームが通ったところ全ての敵が攻撃対象になる。また、壁に当たると反射する。
電撃耐性のあるモンスターには効かない。
振れば鑑定される。
変化のワンド
射程 1d5 + 8 の変化のビームを放つ。
射線上にいる最初の敵に当たる。
ビームが通ったところにあった雲(蒸気、煙、等)は、他の雲(火炎、悪臭、冷気、毒、煙、蒸気)に変化する。
自然界の(つまり、デーモンや、アンデッドでない)モンスターに当たり、抵抗されなければ、別のモンスターに変わる。
変化先のモンスターは、
- 元のヒットダイスと近い値のヒットダイスを持つモンスターにな
- 必ず自然界のモンスターである。
- 変異能力者、暴走した変異能力者、プレイヤーの亡霊、パンデモニウムデーモン、ユニークモンスターには変化しない。
- 飛べないモンスターが溶岩や深い水の上に現れたり、水棲モンスターが陸上に現れたり、溶岩に生息するモンスターがそれ以外に現れるという変化は起こらない。
- 変化元のモンスターが受けていた魔法効果はリセットされる。
- 変身先のモンスターのHPは、(変身時のHP)*(変身先の最大HP/変身元の最大HP)+(0~変身先の最大HP)となる。
プレイヤーに当たっても効果がない。
変化の効果が発揮されると鑑定される。
隷属のワンド
射程 1d5 + 6 の隷属のビームを放つ。
射線上にいる最初の敵に当たる。
モンスターに命中し、抵抗されないと、一時的に友好的になる(魅了される)。
魅了したモンスターを攻撃すると、再び敵対的になる。
魅了したモンスターは、そのモンスターの行動毎に元に戻る可能性がある。その確率は、
(10 + monster_hitdices) / (50*monster_speed) %
で求められる。
(具体例)
・ゴブリン(ヒットダイス1、基本スピード10) :2.2%で復帰
・セントール(ヒットダイス4、基本スピード15):1.9%で復帰
・ナーガ(ヒットダイス5、基本スピード8) :3.8%で復帰
プレイヤーに当たり、抵抗に失敗すると、1d8 + 2 ターンの間混乱する。
隷属の効果が発揮されると鑑定される。
掠奪のワンド
射程 1d10 + 6、ダメージ 4d(15 + power*3/5)、命中 8 + power/20 の負のエネルギーのビームを放つ。
衰弱の矢と同じで、複数の敵を貫通することがある。
負のエネルギーに耐性がないモンスターに当たると、モンスターはドレインされる。
デーモンの殆どとアンデッドには効かない。
ドレインされたモンスターは、
最大HPを 1d3 + 1 失い、HPを 1d3 + 1 失い、さらに20%でヒットダイスが1下がる。
最大HPを超えるHPを持っていた場合は、最大HPまで減らされる。
効果が現れれば鑑定される。
でたらめのワンド
分解以外の他のワンドの効果が現れる。それらの確率は以下の通り。
ワンド |
確率 |
火炎 |
5.6% |
冷気 |
5.6% |
減速 |
5.6% |
加速 |
5.6% |
魔法の矢 |
5.6% |
癒し |
5.6% |
麻痺 |
5.6% |
猛火 |
5.6% |
凍結 |
5.6% |
混乱 |
5.6% |
透明化 |
5.6% |
採掘 |
5.6% |
ファイアボール |
5.6% |
テレポート |
5.6% |
稲妻 |
5.6% |
変化 |
5.6% |
隷属 |
5.6% |
掠奪 |
4.7% |
分解 |
0% |
分解のワンド
射程 1d8 + 6、ダメージ 1d(3d15 + (power * 3/4)))、必中 の分解のビームを放つ。 射線上にいる最初の敵に当たる。
プレイヤーを含む全キャラに対し、命中した場合、ダメージを受ける前に、状態変化系のものと同様の抵抗を受け、無効化される。
岩やwaxの壁、オーク製の偶像や彫像は、分解のビームが当たると破壊される。
猛火のワンドとかって強すぎなんじゃないか?という人のために
原文に記載されている幾つかのワンドのダメージは、
ダイス形式に変換される一段階前の物を載せているようです。
この変換前の形式で6d(20 + (power * 3/4))のようになっているのは、
( 20 + (power * 3/4) )を6(6d)で割った結果を最大値とするダイスを作成し、
この作成されたダイスを6個(6d)振って実際のダメージを算出するということです。
(ダイスとは、1から最大値までの値が均等に出現する乱数だと考えてください)
この一連の手順は、ダメージの出目を期待値寄りにコントロールするための仕組みです。
これは魔法ダメージの計算でも同じようになっています。
実際のダメージは概ね以下の様になります。
猛火のワンド
凍結のワンド
6d ( (20 + (power * 3/4) ) / 6)
掠奪のワンド
4d ( (15 + power*3/5) / 4)
稲妻のワンド
1d (10 + power*3/5)、
ファイアーボールのワンド
3d ( (10 + (power / 2) ) / 3)
正確なところは、beam.ccのcalc_dice関数と、
calc_diceを呼んでいる場所を検索してソースを読んでいくのがわかりやすいと思われます。
最終更新:2022年11月28日 22:57