概要
2024年7月23日に突如発表した構想段階にある小説シリーズの1つであり、あるフリーゲームのキャラクターたちとその世界観を現実世界に持ってきて、最終的に支配からの平和を迎えるという作品構想となっている。
元々はそのゲームに登場する「3人の姫に1つずつのエピソード」が割り当たった二次創作小説の構想から来ており、その1つを大きく拡張したものがこの作品であるとのこと。
2025年1月13日にこの項目がようやく開放されたものの、題材となっているゲームなどについては一切明かしていない。
同じく構想段階にある『
サキュバス・ランド』とは違って完全な二次創作ではあるが、その設定拡張ぶりはメアリー・スーの領域ではある。 ただしN121MTは「今回それにしたのにはちょっとした理由がある」としているらしい。
また世界観的には同じ二次創作キャラクターのピロー・ドールを登場させる案もあったが、作品の主体なども関係してカメオ的な登場もさせていない。(あんまりさせてしまうとN121MTのワールドになってしまい、メアリー・スーを引き起こす恐れもあるという観点もあるため)
ストーリー
ある日の夜、川沿いの道路を散歩していた青年が不思議なものを見つける。 逆流する波の上に立っている姫のような姿。
青年は思わずその姫に手を振ると、姫はそれに気づいて笑顔で振り返した。
それから数日後、月も空も赤くなった夜に、理由もなく海に訪れていた青年。 我に返り、家に戻ろうとすると、そこには先日見た姫の姿が目の前に居た。
「どうしたの?」何気なく、でもよく考えるとおかしい、しかしもう気づいた時には姫を頭を撫でていた青年。
「お兄ちゃん……一緒」撫でられた姫は青年を抱きしめ、そのまま海へと飛び込んだ。
この物語は、そんな二人が出会い、共に生き、やがてこの世界を平和へと導いた不思議なお話である……。
帝国の支配について
後発の
サキュバス・ランドと同様に、地球を完全に支配するというのが物語の裏で展開されているが、同作品と違ってアバウトにしか描写されておらず、しかも支配についても力でのゴリ押しが出来るぐらいなので、そこまで深い設定はないとのこと。
一応帝国はポイント・ネモあたりに配置されているため、人類の武器での直接攻撃などは不可能となっており、また仮に侵略中の人物に攻撃してもそれらが魔法などによって無力化されるなどのかなりご都合主義的な設定がなされている。
数が少ないので支配のスピードはちょっと遅いものの、少しずつ確実に支配領域を広げていき、最終的には全て支配するという状況となっている。
キャラクター
メインキャラクター
お兄ちゃん
本作の主人公。 人間界で生きていた頃は様々な知識を使っていろんな問題を解決してきた人物であり、帝国に来てからはみっちゃんとその仲間たちの良き参謀、軍師として動いている。
川で会い、そして海でお持ち帰りされたみっちゃんと共に過ごしていくうちに、お互いがお互いの気持ちに気づき、やがて二人は結ばれることになる。
なお名前については決めておらず、みっちゃんからはお兄ちゃん、さけさんや海の魔女などからはお兄さん、お兄さまなどと呼ばれている。(明らかに年上のオールドも兄ちゃんと呼んでいる)
みっちゃんが海の魔女から「さけさんが"早い"」ということについて聞かれた際、お兄ちゃんもかなり答えに苦心していたという。
しかもタイミング的にはそれをした後でもあるため、本当のことを言おうかそれとも隠し通そうか大真面目に考え、シプなどにも相談していたほどだったという。
みっちゃん
本作のヒロイン、およびこの作品における二次創作のきっかけとなったキャラクター。 時系列としてはノーマルエンド1を迎えた後の話で、一部のイラストに描かれているように狂気を持ちながらも心優しき一面も持った姫として描かれている。
このため原作から比べるとやや狂気度が抑えられているが、それでも完全に0にしたわけではなく、時よりその狂気を見せることも。
主人公のことをお兄ちゃんと慕っているが、これには別の理由もあったことが後に明らかとなる。
その理由に関係して、作中で二人が物理的にも結ばれた後は少しずつ体が元の姿に戻っていくという設定が追加されており、やがてこれが「呪い」を打ち勝つための手段になることをシプなどから言われるようになる。
みっちゃんと呼ばせているのは、姫として慕うのではなく一人の女の子として慕って欲しいという欲求からなるものであり、お兄ちゃん以外からは通常通り「姫様」や「姫」と呼んでいる。
サブキャラクター
じぃ
みっちゃんの上に乗っかっている骨魚。 本名は別にあるらしいが、みんなからは「じぃ」と呼ばれている。
呼ばれている通り、みっちゃんの良き執事とも言える存在で、お兄ちゃんに姫様の真意や国など様々なことを教えてくれる重要な存在でもある。 ただし、じぃにも教えにくいものがあったらしく、"早い"の意味についてもうまい具合にはぐらかしていたぐらいだった。
なお、作中におけるお兄ちゃんとみっちゃんの都合上、原作と違ってじぃは自由に行動することが可能となっており、お兄ちゃんとみっちゃんは物理的に二人っきりになることも可能となっている。(一部のエピソードでは影で見守る親的な存在にも……)
さけさん
帝国でみっちゃんの側近を務め、戦闘行動でも最初に切り込む白い鮫。 ノーマルエンド1をベースにした設定なので、海の魔女を奪いきった後を描いている。
狂気の度合としてはそこまで出さず、むしろ表向きのキャラクターをベースにしながらも、この海を破壊する人類への感情を露にしている。
侵略作戦では先頭に立って行動する切り込み隊長的な存在として活躍しており、原作におけるスパイ的な行動とは180度ポジション的に異なっている。 これについてN121MTは「感情が爆発して表立って行動しているものである」としている。
作中でも父親は知らないことになっているが、お兄ちゃんがしゃけさんが住んでいた家に偶然入ったことでその家を調べることになり、そこでさけさんなどが産まれた理由について知るというストーリーが組まれている。
このため一旦はオールドとの関係が劣悪になるのだが、後にこの理由についての調査結果を聞いて、ある程度は和解するようになっている。
海の魔女
ノーマルエンド1後の赤き海の魔女。 さけさんによって赤く染め上げられ、侵略作戦における海魔法で人類を圧倒する要でもある存在である。
人類に対しては「みんな海に染まれば平和に暮らすことが出来る」として様々な世界を圧倒するものであり、基本的に武器攻撃すら通用しない生命体にもなっている。
みっちゃんとは時より会話することがあり、お互いに「大切な人」との会話をすることが多いが、さけさんが「早い」ということを愚痴を漏らすことがある。(これは原作のおまけイラストにあったネタをそのまま使用している)
父親はさけさんやオールドを暴走させた原因に噛んでおり、その娘ということでシプなどからは冷ややかな目で見られているが、既にさけさんのモノとなっていることから「良い気味ね」と皮肉的に見ることもある。
お兄ちゃんは「彼女に真実を伝えるのは止すべきだろう」と配慮しているのだが、他のみんなは「いや伝えてもそのことを前向き(?)に捉えるだろうから意味はないだろう」としている。
シプ
原作とほぼ同じであり、侵略作戦でもサポート役として立ち回っている。 オールドとは一方的な夫婦の関係にあり、その経験をお兄ちゃんやしゃけさん、みっちゃんに伝える姉貴的な存在として描かれている。
裏設定になるかもしれない追加のものとして「青い海に居た頃に二人は(片方は悪友的に見ていたが)付き合っていた」というのがあり、その関係を一切見ずにオールドを使い魔にしたということを理由に恨んだとなっている。
(Reboot版のラブレターでそのような話が書かれていたのでN121MTなりの解釈としてそういうのがあったものと勝手に追加している。 ただし連れ去られたのではなく、海の魔法使いに選ばれたということで喜んでいたということにはなっている)
オールド
原作とほぼ同じではあるが、作中で「父親であることが判明する」、「根負けして仕方なく結婚する」、「同じ人間とはいえ考えを改める」などのいくつかの改変がなされている。
侵略作戦では別の方面で先行する部隊として活動しているが、シプ以外の戦力があんまり居ないというちょっと珍しい部隊を引き連れている。
なおこの作品ではシャチの存在が戦力をひっくり返るぐらいの能力を持ち合わせている関係上、その存在については設定から消す処置を取っている。
同様の理由で元々の世界を作り上げた魔王についても居ないものとし、世界観もこの世界を作った元凶である海の神を打ち倒すといったものに変更されている。(魔王が居るとあるカップリングを確実に否定するという観点もあるため)
更にグロテスクな要因を排除するため、既に因縁は決着がついているという設定にもなっている。
妻との出会いについては原作でも描かれていないため、N121MTは「時系列的には選ばれずに離反した直後に自暴自棄となっていた時に出会ったが、あの赤い海によって感情が爆発して別れてしまった」という悲恋としている。
案の中にはなんと「使い魔の実験として勝手に連れてきて作らせる」という無茶苦茶な設定すらあったのだが、流石にショッキングにしすぎということなので自重したとのことである。
ヒトデちゃん
原作とほぼ同じだが、流石に登場するからにはある程度しゃべらせないといけないのでエピソードのところどころでお兄ちゃんと会話するシーンがある。
なお当初の構想ではこの子ともつながってハーレムにするという内容もあったが、相手の存在もあるため一旦却下となっている。
侵略作戦には前線での参加ではなく、城にある書物などを整理したりなどのデータアナリストとして活躍している。 ただしいつも相手と一緒に本を読んでいるため、そうやって活躍しているというのは表にはあまり出さないようにしている。
はりくん
原作とほぼ同じで、城にある書物などを整理するため侵略作戦にもあまり参加せずずっと本を読んでいる。 幼馴染であるという設定を追加しており、いつも側にいることがうっとおしいけどでもほっとくことも出来ないという存在らしい。
お兄ちゃんの存在についても嫌いとしていたが、みっちゃんとの行動やお兄ちゃん自身の気持ちを読み取ってからは完全な嫌いでは無くなってはいる。(それでも完全に慕うというわけではない)
さめ
原作をベースにしており、海の魔女を奪われたことで心をおかしくして、後半にはさけさんが持っていた刀を奪って前線で大暴れする厄介な存在ということになっている。
ただ暴走の最後のトリガーがお兄ちゃんの存在でもあったらしく、実は最後に海の神を討伐する際には「幸せになれよ」とさけさんにもお兄ちゃんにも(オールドにもはりくんにも)向けたような言葉で共に消滅することになっている。
(消滅する結末についてはノーマルエンド2の話にも影響されており、また自らの命を懸けて双子の片割れを守るという義理もあったということでもあったらしい)
N121MT曰く「本来俺はそのカップリング派だったからもう1つを肯定するような内容にするこの作品でめちゃくちゃ苦心しながら描いていた」とのことである。
海の神
原作では生存していないのだが、今作では一連の事件を起こした首謀となるポジションとして無理やり復活させて再び消すという設定を加えている。
お兄ちゃんが休憩でさけさんの家に案内したじいにペナルティを与えようとしたが、その代わりとして「家にあるものを調査」と「この一連の事件に決着をつけるために元凶を完全に潰す」という2つの条件を提示したことで消すということになったという。
復活の手順としては「星のかけら」を集め、「特定のタイミングと特定の場所にそれらを配置」、「血縁関係を持つ生命体の魔力投入」で復活するというものであった。
星のかけらについては海の魔女などが集め、場所やタイミングはお兄ちゃんが調査したため、血縁関係の魔力投入のみが課題となっていた。
もちろん復活すれば即座に完膚なきまで討伐することが決まっているため、みっちゃんにさせることではないとしていたが、本人が「全ての因縁に終止符を打てるのなら、構わない」として、なんと親殺しを決断することになる。
なお実際の消すシーンはN121MTの配慮(?)として、無茶苦茶なギャグ的な展開で数秒で消し去ったものとしており、復讐もごくわずかに終了したものとしている。
エピソード
今のところエピソードについてはそこまで考慮していないのだが、以下のものを想定しているとのこと。
話 |
タイトル |
説明・備考 |
1 |
姫と出会い、連れられて |
夜、何気なく川沿いを歩いていると、逆流してくる波の上に乗る姫の姿を見つけるお兄ちゃん。姫を見つけて手を振ると、振り返す姫。 そんな出来事があった数日後、周りが赤くなった夜に海沿いを歩いていると、あの時の姫が目の前に居る。 姫と出会い、そして触れあい、やがてお兄ちゃんは姫様と共に海の底へと連れられてしまう。 |
2 |
海の底の国 |
目覚めると姫に膝枕されていたお兄ちゃん。海の底にある国「帝国」の長であるみっちゃんとじいは、環境を守るために地球の各エリアに侵攻を仕掛けていることを告げる。 だがそれこそが真の同志であると気づき、あっさりと人類の敵側につき、さけさんやオールドらと共に侵攻に協力することになる。 |
3 |
興味の本 |
まだお兄ちゃんはこの国の歴史などを知らない、そのために城にある書物が置いてある場所で情報を収集しようとする。 そこには全てのことを嫌う少年であるはりくんと全てから離れようとする少女のヒトデちゃんの二人が居た。 |
4 |
みっちゃんといっしょ! |
世界は帝国の手に落ちていく中、みっちゃんとお兄ちゃんは城でのんびりと二人で過ごしていた。いつもの頭撫で、いつもの甘える。 だが、次第に二人の距離は近づき始めていき、そしてついには……。 |
5 |
責任と"お父さん" |
あの日からの翌日、お兄ちゃんは突然オールドに呼び出される。父親になる覚悟はできているのかと問われるが、お兄ちゃんはみっちゃんと一緒に居るということ、そして子の責任を持つ覚悟を示す。 お兄ちゃんは何故オールドがそんなことを聞くのか、どうしてさけさんとは違うのに種族的にかなり似ているのか、そのことを気にするようになる。 |
6 |
元凶 |
世界がほぼ支配しかけていてもう時間の問題となっている頃、そもそもこの事件の首謀や元凶となるものを調査していた。 悲しき運命、選ばなければならない事実、そして呪いの事実……お兄ちゃんは全てを終止符を打つために、あることを計画する。 |
7 |
血塗られた過去 |
怒涛の出来事を過ごしてきて流石に疲弊したお兄ちゃんは、じいから一人で居れそうな家の場所を教えてもらう。しかしその場所はさけさんがかつて住んでいた場所でもあった。 ペナルティの代わりに、この家の調査、そして「元凶」の抹殺を要請することになる。 |
8 |
いっしょにいてほしい! |
実はあの日からタガが外れてしまった二人、しかもすればするほどみっちゃんの体は少しずつ回復していくという謎めいた現象が起きていた。 お兄ちゃんはシプにその話を言うと、この戦いの元凶である呪いを解除できるのではないかと希望を持ち始める。 |
9 |
親子 |
家にある本などをくまなく調査するお兄ちゃん、するとある一冊の小説からメモのようなものを見つける。「あなたの名前、教えて」と書かれた文字と、本棚のある位置を指し示す地図のようなもの。 唯一調査しきれていなかった本棚は、何故か本が取れない状況で、傾けることしかできなかった。メモと謎解き、その先にある部屋にあった一冊の日記、オールドとさけさんはその真実を知ることになる。 |
10 |
最後の一押し |
まだ支配されていない数国を残した地球で、ついに最後の闘いとも思える最終作戦が展開される。だが、圧倒的な魔力と残った力の差は歴然としていた。 全てを支配し、束の間の休息とパーティを過ごす帝国。 ……そう、まだ最後の「闘い」が残っていたことは分かっていた。 |
11 |
決着 |
最終目標である、あの人物を召喚すべく、全ての準備を整えた。これもまた、全てを終わらせるための一つのエンドなのだと考える。 すっごくシリアスなのに実際の決着はもはやギャグの何者でもない展開で幕を閉じることになる。 |
F |
穏やかな海と共に |
全ての因縁に決着がつき、そして全ての問題も解決した世界。お兄ちゃんとみっちゃんは、二人が生み出した力を最大に発揮し、地球を元の形へと戻し始める。 ……この物語は、破滅寸前に追いやられた地球が、如何にして元に戻ったかを描いた作品である。 |
最終更新:2025年01月13日 18:00