『ウルトラマン』第18話「遊星から来た兄弟」に登場した宇宙人。
身長は1.8から40メートル、体重は30から2万トン。
名前は「ブラザー」を逆さから読んだ事に由来。
劇中でも自身が“ザラブ”とは母星の言葉で“兄弟”を表すと語っている。
尤も、これは地球人を騙す為の方便かもしれないが。
ザラブ星人達は他の文明を滅ぼすことを目的として様々な星で暗躍している。
地球にくる以前にも、これまでにも多くの星を滅ぼしてきた。
武器は怪音波とそれを利用した催眠術、指先からのエネルギーバルカン、身体から放出する放射性ガス。
更に人間やウルトラマンなどほかの生命体に化けることもできる。
他に高い耐久性を持ち、逃れようともがけばより強力に締め上げる拘束用テープを持つ。
…しかしこのテープ、なぜか
人間の涙に弱い
という性質がある(単に塩水に弱いのかもしれないが)。
設定上この時系列から数千~数万年以上未来の『ウルトラギャラクシー』の時代では涙が一滴着いただけで切れるなど
改良されているどころか劣化していた。少しは バルタン星人などの科学力を見習うべきである。
あるいはザラブ星にも不良品を売りつける悪徳業者がいるのだろうか?
初登場回では地球上に広まった放射性ガスをいとも簡単に取り除き、
更に軌道を間違えたという地球側の土星ロケットを地球に誘導したりと、
あたかも地球人に対して友好的であるかのような行動をとっていたが、実はそれらは全て地球人を欺くための演技。
(お気づきの人もいるだろうが、先述の放射性ガスも自分が出したものである)
フジ隊員に化けて暗躍し、更にハヤタ隊員を拘束してウルトラマンそっくりに姿を変え、
その姿で破壊活動を行うことでより人間からの信頼を失わせようとした。
しかし、ホシノ少年の涙でテープがちぎれ、ハヤタの救出に成功した為、ついに本物のウルトラマンが登場。
逃げようとしたところにスペシウム光線を浴びて変身が解け、なおも戦おうとしたが最後は呆気なく倒された。
後に第33話「禁じられた言葉」でもケムール人、バルタン星人(三代目)らと共に
メフィラス星人の配下として顔見せ程度に登場している(怪獣図鑑などでは
二代目
扱いされていることも)。
平成作品では映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』に登場。
ガッツ星人、ナックル星人、テンペラー星人と宇宙人連合を組んで地球に襲来した。
こちらでもやはり変身能力を使っており、ヒビノ・ミライ(= ウルトラマンメビウス)と親交を深めた
ジングウジ・アヤに化けて、彼を欺き毒を飲ませた後、ニセメビウスに化けて神戸の街を破壊した。
(ニセメビウスは所々に黒いラインが入っているのを除けば結構本物に似ている)
歴代ザラブ星人で唯一にして初の光線技を披露するも、気力を振り絞って変身したメビウスと戦った末に、
怒りのメビュームシュートを受けて倒されたが、宇宙人連合の作戦である「メビウスの冷静さを失わせて
エネルギーを無駄遣いさせる」という目的自体は完遂した(自分が倒されることは想定外だったであろうが)。
神戸の人々やCREW GUYSの面々はメビウスと勘違いして動揺していたが、
サコミズ隊長にだけは前述の通り「目つきが悪い。真っ赤なニセモノだ」と見破られていた。
まぁ、初代の時とは違い、『メビウス』の時代はウルトラマンが来てから40年近く経ってるしね。
『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』に登場したザラブ星人は
レイオニクスバトラーではないものの、変身能力を駆使してレイオニクスを騙し討ちにしては
バトルナイザーを奪って自分の顔を模した形のケースに収納していた。
ZAP SPACYのハルナ副長に化けて潜入したものの、クルーの1人に正体を見抜かれ
(実際は正体を見抜かれたと
ザラブ星人が勘違いしてただけ
)
逃げ出そうとしたところで本物のハルナと遭遇し、その際本当に正体がばれた為、ニセウルトラマンに変身・巨大化した。
レイの ゴモラと戦ったが、この時は既にあの タイラントすらも倒せるほどパワーアップしていた為
殆ど歯が立たず、最後は超振動波を喰らい、 腰を痛めて退散した。
なお作中では変身ポーズや構えを間違える他、戦闘シーンでもゴモラの尻尾を頭上で受けとめようとして失敗する、
キックを浴びせて逆に自分が痛がる、スペシウム光線の構えをとったが出ないことに困惑する…などコミカルなキャラとして描かれている。
とはいえ、上述したケースの中にはかなりの数のバトルナイザーが入っており、変身能力を駆使しての騙し討ちとはいえ
相当の数のレイオニクスを倒したようであり、相手が悪かっただけで実力は決して低くなかった事が伺える。
もしくはギャグキャラ補正
また、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にも登場。
『ゴーストリバース』にて封印を解かれ宇宙を漂っていたギガバトルナイザーを回収し、ニセウルトラマンに化けて看守を騙し ……きれず、あっさり見破られるも、ギガバトルナイザーの力で看守を蹴散らして 光の国の 宇宙監獄からこの映画の ラスボスであるウルトラマンベリアルを解放。
ベリアルに共に宇宙を支配しようと呼び掛けるものの、この手の展開のお約束で解放したベリアルに肩慣らし兼
ギガバトルナイザーが本物かどうかの確認のために攻撃を受け、一撃で倒された。 なお、同じ世界ではあるものの、『NEVER ENDING ODYSSEY』とは別個体のようでコミカルな言動は一切なかった。
映像作品では、基本的に姿をまねただけで能力までは使用できないというパターンが多いが、
ゲーム作品では見栄え的な理由からか、何らかの光線技を使えるようになっていることもある。
ワンダースワンカラー専用ソフト『ウルトラマン 光の国の使者』ではウルトラマンのスラッシュ光線、スペシウム光線に似た技を放てる。
ただし後者は 本物と違って およそ2キャラ分の距離までしか届かない。
『大怪獣バトル』のゲーム版では「フェイクスペシウム光線」「フェイクウルトラ水流」などを使用する。
『ウルトラゾーン』では第2話・第6話で登場。前者はバカリズム氏、後者は関智一氏が声を担当している。
後者では番組丸々使ったドラマ『THE LOVE』で実質主役を果たしており、地球に不時着したザラブ星人が
未亡人の女性画家に助けられ、奇妙な共同生活をするというストーリーが展開されている。
なお、こちらでは声を担当した関智一氏が、ザラブ星人の人間体としても顔出し出演している。
(氏は以前にもOV『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』で星人の人間体役も務めている)
『 ウルトラマンX』では過去に多くの星を滅ぼした工作員の宇宙人として登場。声の担当は村上ヨウ。
化学工場を襲撃し、スパークドールズを実体化させたベムスターに漏れ出た有毒ガスを吸わせ、暴れさせていた。
一度はワタルとハヤトの追跡から逃れるも、再戦時はワタル、ハヤト、アスナの3人に格闘戦で追い詰められ巨大化。
踏みつぶそうとするがXioのマシンの攻撃を受け、ウルトライザーによる射撃でとどめを刺された。
ちなみに公式サイトでは口がどことなくベムスターの腹部に似ていると記述されている。
声は上に表記されたものとゲーム版『大怪獣バトル』を除けば『ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』まで全て『ドラゴンボール』の ピッコロ大魔王や、
『 ロックマン』シリーズのワイリー博士、また『 CVS2』の 藤堂竜白を演じたこともある 青野武氏が
2010年に闘病により降板するまで
初代から一貫して
演じている。
シリーズ休止期間や出番のない時期も長いとはいえ、ウルトラ戦士でさえしょっちゅう声が変わる中で延べ40年以上同じ声を保った宇宙人は非常に珍しい。
また、初代では
等身大の時のスーツアクター
も担当した。
何故声優である青野氏がスーツアクターを務めたかというと、
番組の撮影に当たり「キャラの特徴を上手くつかみたい」と言って、自らザラブ星人のスーツに入ったという逸話がある。
後年氏がナレーションを担当する、過去のウルトラ怪獣・宇宙人を紹介する短時間の番組があったのだが、
ザラブ星人の回だけはまるで星人本人が喋っているようなナレーションになっていた。
全くの余談だが、円谷プロ公式のエイプリルフールネタでは「地球に行くとありがちなこと」として
「ニセウルトラマン系の星人に騙されがち」などと言っている。
お前が言うな
。
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