ナックル星人


「ウルトラマンは、我々ナックル星人の手で葬った!」

「ウルトラマンは、死んだ!!」

+ 担当声優
沢りつお
『帰ってきたウルトラマン』
中尾隆聖
『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』『大怪獣バトルULTRA MONSTERS』
中尾みち雄
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』
岸哲生
『R/B』『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』

  • ナックル星人グレイ(SD)
平野勲人
『ギンガ』

  • ナックル星人ジェイラ
多田野曜平
『大怪獣ラッシュ』

  • ナックル星人バンテロ
岸哲生
『X』

  • ナックル星人ナグス
岸哲生
『オーブ』

  • ナックル星人オデッサ
石橋保
『タイガ』

1971年放送の特撮『帰ってきたウルトラマン』に登場した宇宙人で、
劇中でウルトラマンジャックを最も追い詰めた敵の一角にして、同作最大の蛮行を働いた存在。
人間態は『ウルトラセブン』でロボット長官を演じた成瀬昌彦氏が演じた。

個体差はあるが、「暗殺宇宙人」の別名を持つ残忍な侵略種族で、10万tのタンカーを持ち上げる腕力や、
ナックルの名に恥じない黒部ダムを破壊するほどの威力を誇るパンチ力、目から放つ白い怪光線などの武器を持ち、高い戦闘力を持つ。
加えて知能も高く、力任せな戦略だけでなく狡猾な策謀や入念な下準備も辞さない。

地球侵略及びその障害となるウルトラマンジャックの抹殺とMATチームの壊滅を狙い、
宇宙科学研究所を隠れ蓑にシーゴラスやベムスターをけしかけてジャックの戦闘力を隅々まで分析し
シーゴラスは再生個体とされることもあるが元の個体が倒されていないため別個体かクローンと思われる)、
そのデータを元に対ジャック用の生物兵器として用意したブラックキングを鍛え上げた。
しかし、分析の結果ジャックの戦闘力が予想以上に高かった事で、
ウルトラマンジャック=郷秀樹の交際相手にして心の拠り所である坂田アキ、その兄である坂田健に目を付け、
MATが開発した液化火薬サターンZの強奪と並行して、アキを誘拐して郷の精神的な動揺を画策。
その場に居合わせ止めようとした健を躊躇なく轢き殺し、更にアキも自分を誘拐したのが宇宙人と知り、
パニックのまま高速で走る車から逃げ出そうとし、逃亡させまいと一度開いたドアを閉められた結果、
服を挟んで引き摺り回されて瀕死の重傷を負ってしまった後、病院で郷にプレゼントの時計を渡すも死亡。*1
ナックル星人としてはアキを人質にする方向で考えていたようで、健やアキの死は予定外だったようだが、
ともかく郷秀樹と同化していたウルトラマンジャックの精神はこれにより激しく憔悴したため作戦は成功した形になり、
夕方にブラックキングを東京A地区に出現させて計画を最終段階へ移行。
家族同然の存在との突然の死別で郷が心に大きな傷を負い同化していたジャックもまた平静さを欠いていた事、
ブラックキングがそこらの怪獣を遥かにしのぐ戦闘力を持つだけでなくジャック対策の特訓を入念に行っていた事、
ウルトラ戦士が光エネルギーを補給しにくい日没の時間に戦闘を行っていた事、
ジャックが弱った所でダメ押しにナックル星人も参戦しブラックキングと共に挟撃を仕掛けた事、
これらが重なり、ジャックはナックル星人とブラックキングに完封される形で敗北した。

勝利を確信したナックル星人は、別働隊を向かわせてジャックを拘束し、地球人にウルトラマンを倒した事実と処刑を宣言。
地球防衛のもう一つの要であるMATを無力化すべく、妨害電波でMATの戦闘機を無力化して宣戦布告し、12時間以内の無条件降伏を命じる。
当然、MATはそれを跳ね除けるが、ナックル船団は宇宙ステーションを十字砲火で撃滅。
MATも直ちに妨害電波の解除を目論むが、妨害電波の発信源である宇宙電波研究所に赴いた、伊吹隊長、南隊員、岸田隊員、上野隊員の4人が洗脳されてしまう。
もはや地球はナックル星人の手に堕ちるのを待つばかり……かと思われた。

「さあ、早くウルトラマンを八つ裂きにしろ!
 バラバラにしてしまえ!!」

そこに現れたのは、かつて地球を守っていた初代ウルトラマンウルトラセブンであった!
彼らはジャックを救出し、ナックル星からやって来た宇宙戦艦も悉く撃墜。
これに対してナックル星人は洗脳したMAT隊員を遠隔操作して帰還した郷を脱走兵として銃殺しようと目論むが、
唯一洗脳されずに逃げ延びていた丘隊員の機転によりこれも阻止され、洗脳用の針も解除されてしまう。
後がなくなったナックル星人はブラックキングとのタッグでジャックとの再戦に臨み、元よりどちらも強い事もあってジャックを圧倒するが、
電波研究所のアンテナをジャックに破壊されて妨害電波がなくなり、基地の機能が回復したMATに参戦されてしまう。
その状態でもジャックを追い詰め、倒れたジャックを熱線で炎上させるなどして圧倒するナックル星人とブラックキングであったが、
親しい者達を無くした傷を負いながらも、自分を救ってくれたマンやセブンとの友情を心の支えにして奮起するジャックを前に次第に戦局は逆転。
ブラックキングはスライスハンドで倒され、ナックル星人もウルトラ投げで高空から投げ落とされ、脳天から地上に叩き付けられて致命傷を負う。
死に瀕してなおナックル星人は強奪したサターンZによる東京壊滅計画を仄めかしてジャックを絶望に陥れようとするが、
余計な事を言ったせいで郷はサターンZの在り処を突き止め、計画は阻止されたのだった。*2
事件後、健とアキの弟である坂田次郎は郷に引き取られ、2人は坂田家の自動車修理工場兼住宅からアパートへ引っ越す事となる。
そして、この話の最後で次郎は引っ越し先の隣人と速攻仲良くなってクリスマスパーティに参加し、郷もこの隣人の女子大生との新たな恋の予感に燃えていた

レギュラーであった坂田兄妹の死というショッキングな出来事だけでなく、
ウルトラブレスレットを得る等して序盤より大きく成長したジャックが完敗しMATも敗色濃厚という、
まさしく絶望的な展開からの、過去作のウルトラ戦士の加勢により一気に逆転するというカタルシスにより同エピソードは非常に知名度が高く、
同時にナックル星人もまたその悪名を多くのウルトラシリーズのファンに知られている。

+ 他作品におけるナックル星人
ニュージェネ作品ではチョイ役も含めて宇宙人の中でも特に出番が多かった。

劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』に登場する、
ザラブ星人ガッツ星人1人だけ脳筋思考だったせいで捨て駒にされたテンペラー星人との宇宙人連合の一角として登場した個体。
初代より顔つきがよりシャープにアレンジされている他、腕から赤い破壊光線を放つ新技を披露した。
宇宙人連合の中では最後まで生き残り、封印されていたUキラーザウルス・ネオことヤプールの復活に成功するが、
当のヤプールからは用済みと見なされ、Uキラーザウルス・ネオの破壊光線で葬られた。

  • 『大怪獣バトルNVER ENDING ODYSSEY』
ガルベロスを使役するレイオニクスが登場。
ガルベロスの幻影能力を巧みに使い、レイオニクスバトルを優位に進める戦術を取った。

  • 『ウルトラ銀河伝説』
ウルトラマンベリアルによって甦らされた個体が登場。
ブラックキングも登場したが、使役する役はシャプレー星人に取られた。

ダークルギエルに仕える闇のエージェントの一人にナックル星人グレイが登場。
何故かオカマ口調である。

5話にバンデロという個体が登場し、ブラックキングと実に44年ぶりに共演。
ウルトラマンゼロもそこそこ手こずる強者であった。
こちらは『帰マン』に近い顔のスーツが使用されている。

また、第9話には『ギンガ』に登場したグレイにそっくりなナクリという別個体も登場。
こっちは『メビウス&ウルトラ兄弟』の方の顔をしている。

第6話「入らずの森」に惑星侵略連合の一員であるナグスという個体が登場。
また、ガイは『完全超全集』に収録されている「ウルトラマンオーブクロニクル」のエピソード2-4「風の星の用心棒」にて、
過去にラモン兄弟というナックル星人と戦った事が明かされている。

劇場版『つなぐぜ!願い!!』にて地球に不法滞在している宇宙人たちの街「サイドスペース第九地区」の住人として登場。

地球爆破宣言についてインタビューを受けていた個体が登場。

第10話にオデッサという個体が登場。
かつて銀河にその名を轟かせる程の暗殺者で初代同様相棒のブラックキングを「相棒」として戦いに明け暮れていたが、
本編より50年前にとある惑星でウルトラマンジャックと思われるウルトラ戦士と夕暮れの中で戦うが敗北し、
以降戦いに虚しさを感じる様になってしまった彼はブラックキングも卵に封印し戦場から離れ、
ナイトレイダーの隊長にそっくりな「小田」という地球人に化けて画家として地球に潜伏していたのだが……。

  • 『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』
過去に起きたウルトラ大戦争において、ババルウ星人、ダダゴドラ星人達と共に、
ウルトラマンケン(若き日のウルトラの父)及び闇落ちする前の頃のウルトラマンベリアルと戦う。
ケンの強さに戦意を喪失し命乞いするも、ベリアルに容赦なく葬られた。
なお、戦争に参加したのはエンペラ星人に脅されたためで不本意だったという旨の発言をしていたが、
歴代個体に卑劣な策を使用する者が多いのもあって、事実かどうかは不明(少なくともベリアルはハッタリと判断していた)。

+ 対戦ゲームにおけるナックル星人
2004年に発売したKAZe製作のPS2用ソフト『ウルトラマン』に登場。
帰ってきたウルトラマンモードの最終ステージにおいてブラックキングとタッグを組んで襲ってくる。
同じくタッグ戦だが、対峙していない相手からの攻撃が消極的だったバニラアボラスとは異なり、
こちらは両者とも積極的に攻めてくるので、どちらかを攻撃しようとしたら飛び道具で妨害されることもしばしば。
おまけに原作でも見せたツープラトン攻撃を再現した高威力の掴み技まで使用してくる。
帰ってきたウルトラマンモードはコンテニュー不能なので、為す術もなくタイトル画面送りにされたプレイヤーは少なくないだろう。
ただし、カラータイマー点灯時にナックル星人を背後から掴むとウルトラ投げになるという隠し要素があり、成功すると即死させることが可能。
必殺技は目からの光線。当たると原作通り炎上エフェクトが発生するほか、敵の足下に向けて撃つためダウン追い討ち性能が高い。
撃破後は怪獣大乱闘モードなどで使用可能になる。キャラクターセレクトの度に「ウルトラマンは、死んだ!」とのたまうのが印象的

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも実装されていた。デザインは『帰マン』準拠。
固有スキル「奮い立つ暗殺者」は行動完了時に味方と隣接していた時、フェイズ終了時まで隣接マスにいる味方の攻撃力を中アップさせ、
超必殺技「暗殺キック」は攻撃と同時に2ターンの間味方全体の防御力を中アップさせるなど、支援に優れた性能をしていた。
必殺技は怪光線でもよかったのでは?実際に暗殺キック使ったのは『メビウス』の方だったし……

+ 映像作品以外のナックル星人
  • 『ウルトラマン超闘士激伝』
強豪宇宙人連合の一員として登場したが、銀河最強武道会には出場せずブラックキングと共に観戦した。

  • 『ウルトラマンSTORY0』
「星間連合」幹部の一人として登場。
犬に似たリリパット族の住む惑星オズを征服し、生体兵器用、餌用、実験用となる怪獣を飼育する怪獣牧場を建築した。


MUGENにおけるナックル星人

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
画像はbakisimu氏製作のブラックキングの演出に登場したものが元となっている。
スプライトの動きは「OPTPiX SpriteStudio」で作られているが、
技や性能は同じくbakisimu氏製作のブラックキングをベースに改変して作られており、
スピリッツシステムや回り込みなどは改変元と共通しているものの、「ヘルマグマ」が「破壊光線」に差し替えられ、
移動技「ワープ」や「ドロップキック」「ハンマーナックル」などの新技が追加されるなど性能は差別化されている。
超必殺技は1ゲージ技が「必殺暗殺キック」「フルパワー破壊光線」、
2ゲージ技がブラックキングと同じ「マッドネスコンビネーション」となっている。
紹介動画

出場大会

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*2
なお、ナックル星人は序盤の分析場面で数人登場しているのだが、劇中でジャックに倒された1体以外の最後は確認できない。
ただ、これで一件落着といった趣旨を郷が述べているので、恐らく残りの人員は初代マンとセブンが撃墜した宇宙船に乗っていたか、
MATが駆け付ける前に郷によって倒されたようである。


最終更新:2025年01月16日 01:00