ドクター・ゲロ


「ふははっ…エネルギーはもらったぞ!!」

漫画『ドラゴンボール』及び関連アニメシリーズに登場するキャラクター。人造人間編の敵役の一人。
名前の由来は「gerontology(老人学)」であるとの事。本人が老人だからだろうか。
野菜冷蔵庫などの食べ物系の名前が続いた後で「ゲロ」という流れじゃなくて本当によかった
後に後付けで「ゲボ」だとか「ヘド」なんて親族が登場してるけど
アニメでの担当声優は『聖闘士星矢』の童虎など老人役に定評のある 矢田耕司 氏。
同氏が逝去した後の3DS用ゲーム『ドラゴンボール フュージョンズ』以降は『ONE PIECE』の藤虎役等で知られる 沢木郁也 氏が務めている。

幼少期の孫悟空によって壊滅させられた世界最強の軍隊、レッドリボン軍の残党である科学者。
レッドリボン軍だったら色ネタのはずだが、ゲロ色ってあったかな・・・
組織を壊滅させた悟空への復讐と世界征服の野望のために、組織が壊滅した後もひたすら研究に明け暮れており、
悟空がフリーザを倒してから数年後、その復讐と野望の実現のために行動を開始する。
登場した当初は自らを「ドクター・ゲロが造り出した人造人間20号」と称しており、
ピッコロに怪しまれた時はドクター・ゲロの死まで断言していたが、
同じ科学者であり彼の顔を見た事があるブルマによってその正体が明るみに出る事になった。

レッドリボン軍には科学者として所属しており、当時の悟空以上の圧倒的なパワーを見せた人造人間8号も彼の作品
(ただし、アニメ版では8号はフラッペ博士が開発した事になっており、
 ドラゴンボール大全集においてはゲロとフラッペが同僚である可能性も示唆されている)。
軍が存続していた間こそ目立った発明はできなかったようだが、科学者としては非常に優秀で、
悟空達のような超人にも有効な高い破壊力の機械兵器を始め、「気」の概念を応用したパワーレーダーやエネルギー吸収装置、
それらを兼ね備え超サイヤ人をも上回る戦闘能力を持った人造人間を複数体開発・改造する技術を確立させるなど、
その才能は世界最高クラスの科学者を謳われているブリーフ博士をして「天才」と言わせたほど。

また永遠の命を得るため、自分に忠実な人造人間19号に自分自身の手術を行わせ、自身を「エネルギー吸収式」の人造人間に改造している。
(どの辺まで改造なのかははっきりしないが、最後の方で帽子が取れた後頭部に透明なケースに入った脳が確認できるのでここは生身。)
エネルギー吸収式は手の平にある赤いレンズ状のポッチから「気」を吸い取り自分の力に還元する事が可能で、
対象に直接触れる事でその生物の「気」を吸収できるだけでなく、気功波すらも吸収してしまう。
また、このタイプの人造人間は生物なら全ての者が持つ「気」や気配を発さないため奇襲能力に優れており、
不意打ちによりピッコロを死の間際にまで追い詰める事にも成功した。

欠点としては、「吸収できるのは、現在の状態の相手のエネルギーのみに留まる」点にある。
戦闘時に大幅に戦闘力を増加させる事ができるZ戦士達のような相手に対しては、奇襲で吸収できるエネルギー量はたかが知れており、
死にかけるまでエネルギーを吸収したピッコロと再び交戦した際にも、吸収した分が全く役に立たず、触る事もできず圧倒されてしまった。

他に新型の「エネルギー永久式」タイプや、セルのような機械要素の無い生物的な人造人間も設計しているが、
前者は高い戦闘能力を誇るがパワーが強すぎて16号17号18号のいずれもゲロに対して忠実ではなかったため、
試行錯誤を重ねていたが実用段階には達しておらず、19号や自分自身の改造も旧型のエネルギー吸収式に留めている。
後者は作るのに時間が掛かりすぎるため、自動的に作業を行うコンピューターに製造を任せていた。

性格は、科学者らしく理論派で知性的。
いきなり悟空達を襲撃するのではなく、まずは人口の多い都市部に出現してエネルギーの収集に努めたり、
戦闘場所の変更を承知しながらも、気配を持たない特性を活かすために身を隠しやすい入り組んだ地形を戦場に選んだりと、中々食えない。
また非常に執念深く、超小型のスパイロボットで逐一悟空達の戦闘をチェックしつつ細胞を収集させたり、
セル完成までの長期的なスパンを見越してコンピューターに研究を続行させていた所からもそれが分かる。

+ 原作ネタバレ
19号と共に機械的で無挙動な立ち振る舞いはターミネーターを彷彿とさせ、
人々を生々しく殺傷する姿はやるせないものがあり、ヤムチャをも瀕死の状態まで追い詰めた。
だが「年齢的に爆発的なパワーアップは見込めない」というドラゴンボールにあるまじき常識的な理論に従い、
ナメック星でのスパイ活動をさぼっていたのがケチの付き始め。
しかもトランクスの事も知らなかった事から、フリーザ親子の地球出現に際しても調べていなかったらしい。
……スパイロボットは働いていたのに何をしていたんだ。
と言いたいところだが、何故トランクスや超サイヤ人の情報が無かったかはセルがピッコロに語っており、
ベジータ襲来の際にサイヤ人の細胞を複数採取していたのでこれ以上サイヤ人の若者の情報も要らないだろうと見逃してしまっていた。
この点は一番肝心な場所を見逃していると悟空達から指摘されてしまっている。

当初は余裕を見せていたものの、超サイヤ人の存在によって計算が狂ってからはどんどん馬脚を現し、
17号、18号の力が必要と判断せざるを得なくなって研究所へ逃げ帰る事になる。
研究所では17号、18号の反抗的な性格の改善を自動で行っていたようだが結局性格改善は成功しておらず、
苦心しながら到着した研究所で自分を勝手に改造したゲロを恨んでいた17号によって首を切断された挙句、
頭部を踏み潰されるという呆気ない最期を迎えた。
ちなみに16号は圧倒的な戦闘力を持ちながら自然や動物を好む優しい性格だった事から、
「失敗作」としてゲロに眠らされていたが、17号と18号の手で再び起動させられた。
セルにしてもマイペースな性分で、孫悟空との戦いはともかく世界征服には興味が無く、当初の野望を実現するための完成品にはなり得なかった。
ただ、ゲーム『舞空闘劇』『RAGING BLAST』でゲロが完全体となったセルと対峙した際には、生みの親としてセルの強さに満足している描写もある。
『RAGING BLAST』ではブロリーを何らかの方法で一時的に支配下に置くが、結局はやっぱり反逆されている。

なお、劇中では言及されていないが既婚者だったようで、
16号はレッドリボン軍の上級兵士だった亡き息子・ゲボを再現するために作ったという裏設定がある他、
映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』では孫にあたるドクター・ヘドが登場している。
ちなみに、『ドラゴンボール』かつ鳥山氏発の博士キャラの名前は「博」→「はく」というもので統一されており*1
ブリーフ・ブルマ→「穿く」と、ゲロ・ゲボ・ヘド→「吐く」等の統一をされている。
そうなると名前の由来が「gerontology(老人学)」という話は忘れられて、完全にゲロ扱いされてる気がするんですが……
また、原作ラストも「穿くもの」のトランクスがカプセルコーポレーションを継ぎ、妹のブラは「穿くもの」から外れ跡取りにはなっていない。

13号・14号・15号は、原作では「全て問題はあったようだが、かなり完成度が高かったらしい」との説明のみで本編に登場せず、
劇場版『ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人』で初めて姿を現した。どのような欠陥があったのかは劇場版の本編でも明らかにされていないが、
彼らはセルと同じくゲロの死後もコンピューターによって開発が続けられていた事から、その間に欠陥が改善された可能性もある。
だがパワーが強すぎるためか、彼らもまたゲロの手に余る存在であったらしく、ゲーム『Sparking!』シリーズの特殊イントロでは、
ゲロと対立して「不良品」呼ばわりされている。 多くの強力な人造人間を完成させてきたゲロだが、結局命令に忠実なのは19号だけだったようである
(アニメ・ゲームでは、セルとは比較的良好な関係のようではあるが)。
彼自身が設計したナンバリングのある人造人間は20号である自分が最後の一体となっている。
だが、本人の死後も新たな人造人間が登場するエピソードでは必ずゲロの名が挙がるなど、物語への影響力は強い。
悟空に「自分がいない方が地球は平和」とまで思い詰めさせた原因は、
悟空への復讐のためにこれだけの事をしでかした彼(と未遂とはいえフリーザ親子)の執念にあるとも言え、ある意味で復讐は果たしたと言えるかもしれない。

『ドラゴンボールGT』では、悟空への復讐を果たすために地獄で科学者ドクター・ミューと協力しヘルファイター17号を製造、
あの世とこの世の2人の17号を合体させ超17号を完成させる。ゲロ曰く、
「本来17号はセルをも上回る凄まじい力を持っていた筈だが、人間としての感情を完全に消す事ができなかったために、
 その力は眠ったままになっていた」との事。
ミューのマシンミュータント理論を基に造られたヘルファイター17号と合体した事で、
不完全だった17号の体内のパーツが完全になり本来の力を発揮できるようになった。
しかし、ドクターミューは超17号が自分の命令以外には従わないようにプログラムを組んでいたため、
ゲロはまたしても17号に始末される事になった。ちと哀れ。

+ 余談
同作者の『銀河パトロール ジャコ』によく似た風貌の科学者が登場し、世界観もドラゴンボールを思わせるため、
あと仮に闇落ちして改名したとすれば「大盛→ゲロ」といういかにもありそうな名前を根拠に
連載中から話題になっていたが、終盤で本当にドラゴンボールの過去にあたる作品だと明かされた。
ただし、同時にブルマとその科学者に面識があり、友好関係にある事も明かされたため、ゲロ説は否定された。

ゲームに登場する場合の個性付けとしては、エネルギー吸収が特徴的な玄人向けの渋い仕様が目立つ。
『Sparking!』シリーズでは格闘性能は低いがアーマーを付加する「やせがまん」をかけて強引に吸収投げを迫るのが地味に恐ろしい。
GBAソフト『舞空闘劇』ではドクター・ゲロが主役のIFストーリーが存在し、他のIFとは趣向の違った姿を見せる。


MUGENにおけるドクターゲロ

MUGENでは、『ドラゴンボール』キャラでお馴染みの超神氏製作のものが存在する。
ゲロの代名詞「エネルギー吸収」は健在で、相手の飛び道具を吸って体力を回復するなどトリッキーな技が豊富。
傍らには19号が連れ添っており、特定の技で協力攻撃を見せてくれる。主人がダメージを受けた時の彼のリアクションは一見の価値あり。
爆発的な強さは持たないが、個性的な演出が光るキャラクターである。
ヅァギ氏によるAIがデフォルトで搭載されている。
プレイヤー操作

+ 大会ネタバレ注意
とあるトーナメント一回戦で、みちるがレベル3専用スーパーコンボを奥の手として放った所、
その瞬間を待っていた言わんとばかりに全弾吸収し、体力をほぼ満タンの状態にしてしまった。
「人造人間恐るべし」と言った所だろうか。

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み

出演ストーリー

プレイヤー操作

実況付きP操作 Tarie配信(427キャラ目操作キャラ)


*1
ただし、映画や『GT』などの鳥山氏発でないものはその法則から外れている(例:Dr.ウィロー、Dr.ミュー、コリー博士等)。
前述の通りゲロの由来には異説があるが、実はブルマにもブルーマウンテン説があり(初期レギュラー陣は飲み物で統一されているため)、
「穿くブルマーが由来」と明言されたのは87年のムック本における投稿コーナーにて、
読者からどちらなのか質問された際に改めて作者から回答されているので、意図して統一されていたのかは定かではない。


最終更新:2024年03月10日 18:27