不活性ガス消火設備

消火原理
  • 酸素濃度の希釈、冷却作用に因り消火
  • 冷却作用の大きさ、消火剤の吸熱量に因り消火剤量が確定

不活性ガス消火剤の種類
  • 消火剤名別成分・混合比
消火剤名 化学式 混合比率
2酸化炭素 CO2 100%
窒素 N2 100%
IG-55 N2:Ar 50%:50%
IG-541 N2:Ar:CO2 52%:50%:8%

  • 参考
    • IG(正:inert gas):不活性ガス
    • 消火剤番号:混合比1桁を4捨5入し表記
      (例:IG-541)

消火剤の選定
  • 選定に際する基準
+ ...
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全域放出方式
使用消火剤
全ての不活性ガス消火設備が使用可能

消火剤量
  • 2酸化炭素消火剤
    対象別の所要、備蓄量、
    防護区画体積に付設した開口部の合計面積に応じ、消火剤は増量
    • 消火剤量:単位体積に対し必要となる規定の消火剤質量
    • 追加消火剤量:単位開口部面積に対し必要となる規定の追加消火剤質量
    • 備蓄最低限度:備蓄最低限度となる規定の消火剤質量
防火対象物
体積・用途
消火剤量
[kg/m3]
追加
消火剤量
[kg/m2]
備蓄
最低限度
[kg]
防護区画
体積別
消火剤量
50[m3]
未満
1.00 5 -
50[m3]以上
150[m3]未満
0.90 50
150[m3]以上
1500[m3]未満
0.80 135
1500[m3]
以上
0.75 1200
用途別
消火剤量
(体積に優先)
通信
機器室
1.20 10
可燃性固体、
液体を除く
指定可燃物の
貯蔵、取扱場所
指定可燃物の
貯蔵、取扱所
木毛、ぼろ紙屑
合成樹脂
2.70 20
木材
加工品
2.00 15
合成
樹脂
0.75 5

  • 窒素、IG-55・541
+ ...
  • 気体別の所要、備蓄量
  • 20[℃]、1気圧換算
  • 単位体積に対し必要となる規定の消火剤体積
  • 開口部の付設に対し消火剤量の追加対象外
消火剤 消火剤量[m3/m3]
窒素 0.516以上、0.740未満
IG-55 0.477以上、0.562未満
IG-541 0.472以上、0.562未満

防護区画への開口部の付設条件
  • 2酸化炭素消火設備
+ ...
  • 開口部の付設禁止条件
    階段室(通:踊り場)非常用エレベータの乗降区画への付設
    論理式:
    階段室(踊り場)∨非常用エレベータ乗降場所⇒付設禁止条件
  • 自動閉鎖装置の設置条件
    放射消火剤の流出に因る効果の低減、
    又は保安上の危険性が懸念される、階高(かいだか)に対し
    2/3以下の開口部に対しては防火戸、シャッター等を設置
    論理式:
    (効果の低減∨保安上の危険性)∧階高2/3以下の開口部
    ⇒自動閉鎖装置の設置対象
  • 自動閉鎖装置の省略条件
    • 通信機器室、指定可燃物の取扱・貯蔵防護区画
      空間の外殻面積を表す囲壁(いへき)面積の1[%]以下となる場合
    • その他の防火対象物
      防護区画体積、囲壁面積各数値を比較、
      低い数値に対し10[%]以下の場合、自動閉鎖装置の設置対象外

  • 窒素、IG-55、IG-541
    消火剤放射前に閉鎖可能な自動閉鎖装置の設置対象

付加条件
  • 消火設備の追加構成
    2酸化炭素消火設備の採用に際し、下記を付加
+ ...
  • 音響警報装置:警報効果が低い場合、回転灯を併設
  • 放出表示灯
  • ダンパ閉鎖装置(別:ピストンレリーザ)
  • 閉止弁

  • 隣接区画への安全対策
    • 追加措置
      2酸化炭素消火剤の採用に際し、防護区画に開口部が有る場合、下記の措置を追加
      • 消火剤を安全排出する措置
      • 防護区画出入口に対し、消火時、消火剤の放出を表示する視認が容易な表示灯の設置
      • 隣接部位への音響装置の設置
    • 追加措置例外
      • 防護区画隣接区域における直接外気開放時、外気流の流通時
      • 隣接部位の体積が防護区画体積の3倍以上の場合
      • 漏洩した2酸化炭素の滞留に因る人命への危険性が無い場合

局所放出方式
使用消火剤
2酸化炭素に限定

換算方式別の消火剤備蓄量
  • 面積方式
+ ...
  • 所要量
    2酸化炭素局所放出・面積方式算出式:
    m=13CS
+ ...
  • m[kg]:所要消火剤量
  • 13:算出係数
  • C:液体係数、低圧式の場合1.1、高圧式の場合1.4
  • S[m2]:防護対象物表面積の1辺が0.6[m]未満の場合、0.6[m]として換算

  • 体積方式
+ ...
  • 所要量
    2酸化炭素局所放出・体積方式算出式:
    m=13C\left(8-6\frac{S_{r}}{S_{m}}\right)V
    ※パーティション等が無い場合:Sr=Sm
+ ...
  • m[kg]:所要消火剤量
  • C:液体係数、低圧式の場合1.1、高圧式の場合1.4
  • 防護対象物の空間体積
    • V[m3]防護空間:防護対象物の各部位から0.6[m]の離れた空間
  • 実存の区画面積
    • Sr[m2]:防護対象物の周囲に対する実際の壁面積合計
  • 仮想の区画面積
    • Sm[m2]:パーティション・間仕切り等の利用時は仮想の空間を構成する仮想壁面積合計

設置対象
局所方式に限定、下記に適合時設置可能
+ ...
  • 鍛造場
  • ボイラ室
  • 乾燥室
  • 多量の火気を使用する場所
  • ガスタービン発電機の設置場所
  • 指定可燃物の貯蔵、取扱場所
  • 区画面積が1000[m2]以上
  • 区画体積が3000[m3]以上

移動式
使用消火剤
2酸化炭素に限定

設置、設備に関する規格
  • 防護対象物各部位、ホース接続口迄の水平距離は15[m]以内に限定
  • 充填量は単一ノズルに対し90[kg]以上
  • 設備は登録認定機関の認定品に限定

点検・整備
総合点検に際する各種規定
  • 試験用ガスは窒素、空気に限定

  • 放射量は下記消火剤別に対象区画の貯蔵消火剤容量の10[%]相当を使用
    • 2酸化炭素消火剤:質量
    • その他:体積(最大値が対象、小数点2以下を4捨5入)

  • 試験用ガスの充填貯蔵容器は実際の消火剤容器を使用、5本以下に限定
最終更新:2010年04月28日 13:54
ツールボックス

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