ハロゲン化物消火設備

消火原理
  • 阻害剤(負触媒、逆触媒)として作用、化学(燃焼)反応を遅延に因り消火
  • 不活性ガスに対し消火効果が優位
  • 反応に際し少量の有毒、有害な分解性物質が生成

不活性ガス消火剤の種類
  • 消火剤名別成分、化学式
消火剤名 化学式 化学式
ハロン2402 ジブロモテトラフルオロエタン C2F4Br2
ハロン1211 ブロモクロロジフルオロメタン CF4ClBr
ハロン1301 ブロモトリフルオロメタン CF3Br
HFC-23 トリフルオロメタン CHF3
HFC-227ea ヘプタフルオロプロパン CF3CHFCF3

  • ハロン(正:halon)
    • 化合物中に臭素を含むフルオロカーボン(俗称フロン)
    • 数値は順に炭素、フッ素、塩素、臭素の数
    • 消火剤量の放出は30[s]以内に限定
    • オゾン層破壊防止に基き敬遠、利用は必要不可欠なクリティカルユース用途に限定

  • 参考
    クリティカルユース
    • 不特定多数の往来、有人の場所にて水系の消火設備の設置が
      不適切な場合にハロン1301消火剤を採用
    • 無人の場所にて水系、他のガス系消火設備の設置が
      不適切な場合にハロン1301消火剤を採用
用途
通信計器等 通信機室等
放送室等
制御室等
VTR室・フィルム保管庫
危険物施設の計器室等
歴史的遺産等 美術品展示室等
印刷 加工・作業室等
塗料等取扱 塗装室
駐車場 自動車等修理場
駐車場等
その他 研究室等
倉庫等
書庫等
貴重品等

  • HFC(正:hydrochlorofluorocarbon)
    • ハイドロフルオロカーボン(俗称代替フロン)
    • 数値は順に1桁:炭素の数-1(0の場合未記入)、2桁:水素炭素の数+1、
      3桁:フッ素の数、Enantiomer(鏡像異性体)、a~c分類
    • 消火剤量の放出は10[s]以内、全域放出式に限定

消火剤の選定
  • 選定に際する基準
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全域放出方式
使用消火剤
  • 全ハロン化物消火剤の採用が可能

消火剤量
  • 臭素を含むハロン化物消火剤
ボイラ室 ハロン1301 0.32 2.40
乾燥室
多量の火気利用場所
自動車の修理・整備・駐車部位
発電機・変圧器・他の電気設備
通信機室
指定可燃物の
貯蔵・取扱場所
可燃性
固体・液体
ハロン1301 0.32 2.40
ハロン1211 0.36 2.70
ハロン2402 0.40 3.00
木材加工品
木屑
ハロン1211 0.52 3.90
ハロン2402 0.60 4.50
規定の
合成樹脂
ハロン1301 0.32 2.40
ハロン1211 0.36 2.70

  • 臭素を含まないハロン化物消火剤
消火剤 消火剤量[m3/m3]
HFC-23 0.52以上、0.80以下
HFC-227ea 0.55以上、0.72以下

防護区画開口部への条件
  • 臭素を含むハロゲン化物消火剤
    • 自動閉鎖装置の設置条件
      放射消火剤の流出に因り効果の低減、又は保安上の危険性が懸念される
      床面からの高さが2/3以下の開口部に対しては
      防火戸、シャッター等の自動閉鎖装置を設置
    • 自動閉鎖装置の省略条件
      通信機器室、指定可燃物の取扱・貯蔵に際し防護区画空間の外殻面積を表す囲壁(いへき)面積の1[%]以下、
      その他の防火対象物の場合、防護区画体積、囲壁面積各数値を比較、
      低い数値に対し10[%]以下の場合自動閉鎖装置の設置対象外

  • 臭素を含まないハロゲン化物消火剤
    消火剤放射前に閉鎖可能な自動閉鎖装置の設置対象

付加条件
  • 設備の構成
    不活性消火剤の設備に準拠、閉止弁は不要

局所放出方式
使用消火剤
臭素を含まないハロン化物消火剤に限定

換算方式別の消火剤備蓄量
  • 面積方式
    臭素を含まないハロン化物消火剤局所放出・面積方式算出式:
    m=kCS
    • m[kg]:所要消火剤量
    • k:算出係数
    • C:液体係数
    • S[m2]:表面積防護対象物の1辺が0.6[m]未満の場合、0.6[m]として換算
消火剤 k C
ハロン1301 6.8 1.25
ハロン1211 7.6 1.1
ハロン2402 8.8

  • 体積方式
    臭素を含まないハロン化物消火剤局所放出・体積方式算出式:
    m=13C\left(X-Y\frac{S_{r}}{S_{m}}\right)V
    • m[kg]:所要消火剤量
    • C:液体係数、低圧式の場合1.1、高圧式の場合1.25
    • X、Y:臭素を含むハロン消火剤別の算出係数
    • Sr[m2]:防護対象物の周囲に対する実際の壁面積合計
    • Sm[m2]:パーティション・間仕切り等の利用時は仮想の空間を構成する仮想壁面積合計
    • V[m3]防護空間:防護対象物の各部位から0.6[m]の離れた空間
消火剤 X Y C
ハロン1301 4.00 3.00 1.25
ハロン1211 4.40 3.30 1.10
ハロン2402 5.20 3.90

付加条件
  • 設備構成
    • 全域放出方式に準拠
    • 不活性ガス設備局所放出方式に準拠

移動式
使用消火剤
臭素を含むハロン化物消火剤に限定

設置、設備に関する規格
  • 防護対象物に対する距離
    防護対象物各部位、ホース接続口迄の水平距離は20[m]以内に限定
  • 充填量
    • 充填量はハロン1301、1211の場合、単一ノズルに対し45[kg]以上
    • 充填量はハロン2402の場合、単一ノズルに対し50[kg]以上

点検・整備
  • 試験用ガスは窒素、空気に限定

  • 放射量は下記消火剤別に対象区画の貯蔵消火剤容量の10[%]相当を使用
    • 臭素を含むハロン化物消火剤:質量
    • その他:体積(最大値が対象、小数点2以下を4捨5入)
最終更新:2010年01月08日 13:15
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