Ζガンダムのバリエーション

登録日:2012/06/13(水) 02:14:33
更新日:2025/10/18 Sat 18:23:53
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本項では、「Ζガンダム」のバリエーション機について記述する。
以下の機体は各項目を参照。
Ζガンダム3号機
ΖⅡ
Ζプラス
リ・ガズィ
リゼル

■目次





■プロトΖガンダム

型式番号:MSZ-006-X1/X2/X3

アナハイム・エレクトロニクス社(AE)が「Ζプロジェクト」にて開発したΖのプロトタイプ。
ガンダムMk-Ⅱの強奪前に造られたのでムーバブルフレームは採用されていないが、リックディアスなどで採用されているブロックビルドアップ構造が採用されており生産性や整備性を高めている。
可変機なのでウェイブライダーへの変形はできないが、このままでも性能は十分高いという。

1〜3号機まで造られ、それぞれ百式リック・ディアスネモ型の頭部が取り付けられている。
Ζが驚異的な短期間で完成したのも、1号機を流用して造ったためである。

■ガンダムMk-IV B

Mk-IV Bは、Ζプロジェクト以前に試験的に開発された形状変更型モビルスーツであり、アナハイム社テストパイロット達にとっては“変形機構の限界”を体感させられた機体だった。
この機体は、白兵戦用の高機動形態から、大気圏突入を想定した重装甲形態へと自力で変形する設計だったが、変形に要する時間は10分近く、整備には450時間を要するなど、実戦投入には到底耐えられない代物だった。変形中は各ユニットがバラバラに分離し、それぞれのバーニアで再構成される様は、まるで宇宙空間でパズルを組み立てているようだったという。
Mk-IV Bの失敗があったからこそ、Ζガンダムでは変形機構の簡略化と高速化が最優先課題として明確になったと言える。

■ΖガンダムMk-I A

そんなテストパイロットの一人、ウィリアム・A・ブリッジマンが初めて「これは本物だ」と感じた可変モビルスーツ。
この機体は、Mk-IV Bで得られたデータをもとに、可変機構を本格的に搭載した初の実働機であり、ブリッジマンがテストパイロットとして初飛行に臨んだ。CR-1ステーションでの初テストでは、変形プロセスがわずか数秒で完了し、かつ一度もトラブルを起こさなかった。Mk-IV Bの悪夢を知る者としては、まさに驚愕の進化だった。
機体構造は3号機に近く、軽量化されたガンダリウム合金と高出力ジェネレーターの組み合わせにより、リック・ディアスを凌ぐ機動性能を発揮した。可変機構の信頼性、操作性、整備性――どれを取っても、ようやく「実戦で使えるTMS」が形になったと感じたと語っている。
Mk-I Aは、Ζガンダムの完成形に限りなく近い存在であり、数機製造されたうちの1機が1ヶ月のテストを経て改善策を施されたのが本編で実戦配備されたΖで、ブリッジマンにとっては「可変MSの理想が初めて現実になった機体」として、マイアニメ誌85年10月号に手記を残している。

■Zガンダム準備稿

大河原邦男氏による初稿。肩部と一体化したフライングアーマーを頭越しに前面へ回すという設計が検討されたが、立体化の際にジョイント部が長くなりすぎるという問題が発覚。
結果として、左右分割式のアーマーが胴体側面から展開する方式に変更された。
PGZガンダムのインストにて、「当初構想にあったエゥーゴのフラッグシップMS」としての設定が与えられた。
当初エゥーゴが目指していたフラッグシップMSは、単なる高性能機ではなく、空間戦闘と重力下の両方に対応し、さらに大気圏突入までを単体でこなす「究極の汎用可変MS」という構想だった。
この構想において鍵となったのが大気圏突入に使う「フライングアーマー」。
初期案では、MS形態時に背部に装着された大型アーマーを、大気圏突入時には肩部ヒンジを軸にスライドレールで頭部越しに前面に回り込ませてシールドと組み合わせるという上記の機構が検討されていた。
この機構は、フライングアーマーの移動に必要な可動部が多すぎ、推進剤の消費も激しく、重力下での変形は質量・慣性・空力抵抗によって機体に深刻な負荷を与えることが判明し問題が山積していた。
そこでフライングアーマーを左右分割し、胴体下部を経由させることで機構を簡素化し、重量バランスも改善するというカミーユ・ビダンの現場の直感が生んだアイデアにより、Ζガンダムは実現した。


■ヴァリアブルガンダム

ゲームブック『ヘルメス夢幻』に登場。
アナハイム・エレクトロニクス社が開発した後にゼータガンダムとして知られる可変型モビルスーツ。
当時の社内では「ヴァリアブルガンダム」あるいは「Vガンダム」と呼称されていた。これは一年戦争時の「V作戦」に由来する命名とされる。
ほぼゼータに近いダークグレーの機体ながら、頭部ユニットなどに若干の差異があった。変形シークエンスは手動操作で、オートプログラムは未完成。
ビームサーベルもマニュアル操作。
この機体は、エゥーゴによる正式採用前の段階で、開発の遅れに対してあらぬ疑いを表明したエゥーゴとの関係に亀裂を生じさせ、
連邦情報部特殊任務班F.I.S.T.による強奪作戦の標的となった。

■量産型Ζガンダム

型式番号:MSZ-007

その名の通り、Ζの量産型
可変機構をオミットして生産性を上げている。この内容からΖというよりもプロトΖの量産型といった方が正確かもしれない。
名称こそ「ガンダム」だが、頭はネモみたいなバイザー型である、なので前述のプロトΖの3号機(ネモヘッド)を基にしている可能性が高い。

量産型百式改と次期主力機の座を争ったが、採用はされなかった。

Gジェネにもやたらと登場するが武装も性能もシンプルすぎるので量産機縛りでも主力に据えるほどの性能ではない。
一応メガビームライフルの威力が高いので一般的なサーベルライフルしかない機体よりは使える。


■Ζガンダム(ウェイブシューター型)

通常とは別のフライングアーマーユニットを装備したタイプ。
大気圏内での低空飛行能力のアップと航続距離の延伸を図っており翼部は大型の可変後退翼になっている。
AMBACユニットとしても機能するが、単独での大気圏突入は出来ない。
また変形時にサイドスカートを挟んで変形する事も有ってビームサーベル格納部が塞がるので実は変形時に武装が減る。

運用テストはされており結果も良好だったが、結局採用されなかった。しかし、Ζプラスの開発(特に大気圏内仕様)にフィードバックされたらしい。
なお、フライングアーマーユニットは他にも何種類か存在しているという。

ガンプラの旧HGでΖを発売する際、設定通りの変形が当時の1/144HGスケールでは技術的に不可能だったためΖプラスの設定を基に新たに創作設定された物。



■Ζザク

イーノ・アッバーブがハンマ・ハンマの攻撃で頭をやられたΖを応急修理した姿。
ジュドー達が拾ってきたザクⅡから頭を外し、それを乗っけている。
第一世代機のザクの頭が全天周モニターに対応できる訳もなく、視界は死角だらけ。当然変形もできない。
しかも顔が顔なので、敵機と誤認されやすい(実際、ジュドーが間違えて攻撃している)。
イーノ自身が乗り込み、ジュドーを援護すべくグレミーのガザDと戦った。
それにしても不完全にせよよくモニターがついたものだと思う視聴者続出。ジャンク屋は伊達ではなかった。

Gジェネでは初期の作品で登場。
性能的には変形できなくなったZガンダムといった感じで見た目はイロモノだが普通に戦える。
最近ではザク系の機体に乗った時に強化されるアビリティがあるので復活が望まれる所である。

EXVSシリーズではザク頭Ζガンダムという名称で2作目EXVSFBの家庭用からDLCで参戦。
コストは最低の1000で、続編のEXVSMBからは最低コストの引上げの影響で1500コストに上昇。
基本性能は、Ζガンダム(2500)>Ζガンダム・ルー搭乗(2000)>Ζザク(1000)という二度に渡るダウンジングを受けた結果、同コスト帯でも屈指の弱さ。
まず可変機能は持たず、ブースト効率は大幅に劣化。各種武装も一律性能を落とされ、覚醒技はモーションだけ同じのビームサーベル斬りなので射程が著しく短くなった。特殊格闘は百式呼出だが、お世辞にも強いとは言えない。
ただ、曲りなりにもΖガンダムの基本性能は同じ。下格闘サブ射撃の落下ルートは健在で、3連射可能なメイン射撃や単発ダウンの特殊射撃は持っている。なので低コスト故の低性能を割り切ったうえで、低リスクかつ後衛射撃機という見方でいけば悪くない……かもしれない。
なお、EXVS2以降はエクストラ機体が一括削除されたので存在が消されている。

ガンダムバトルオペレーション2では期間限定任務の報酬として実装。550コストの汎用機
600コストにいるΖガンダムから変形とバイオセンサーとバルカンを抜いてコスト50下げましたという感じの機体。
バイオセンサーは兎も角変形は正直あまり活かせていない*1のでコストが下がった分得と言う見方もある。
体格の割に耐久が高く二種格闘での近接能力は同コスト帯でも随一だが、そもそも環境的に射撃機体が強くて格闘能力を活かす機会が少ないと言うのは原型機と同じ。
格闘戦が起きやすい狭いマップなら活躍の余地はある。


■Ζガンダム2号機

型式番号:MSZ-006-2

電子戦仕様のテストに使われた機体。3番目に製造された。
シールドにレドームが追加されている。



■ストライク・ゼータ

ホワイト・ゼータの改装型。
腰にビームカノンが追加されるなど、細部が変わっている。
最も違うのはシールドで、大型化してハイパーメガランチャーやミサイルなどを仕込んでいる。



■フルアーマーΖガンダム

型式番号:FA-006ZG

全身に追加装甲を取り付けたΖ。可変機構の採用による構造的な脆弱性を補うために用意された。当然、変形はできない。
防御力のみならず、武装を追加して接近戦での戦闘力も高めている。
この装備の運用は拠点や母艦などの防衛戦といった可変機構が不要な戦闘のみに限定されていて、背中はフライングアーマーから通常のバックパックに換装されている。

AEのパンフレットで本機が紹介されているが、マニアのフェイクではないかとも言われている。

ちなみに漫画「超戦士ガンダム野郎」ではパージした追加装甲を組み合わせることでSFSとしても運用できた。



■ハーフゼータ

機動戦士ゼータガンダム1/2』に登場した機体。
AEが造った可変機の失敗作をカラバが貰って改装したもの。
見た目がΖっぽくなっている。

デカくて分厚いシールドを持っていて、かなりの防御力を誇る。
また、これにスラスターや武装が集約され、可変機構が簡略化された。この辺はリ・ガズィのBWSと少し似ている。
しかし、その弊害でシールドに被弾しすぎるとイカレて飛べなくなってしまう。ダメじゃん…。

機体バランスはかなり悪く、総合的な性能はネモに劣るらしい。

ティターンズからカラバに転向したエドガー・エドモンド・スミスが乗り、アムロ・レイの影武者を救出したり、エゥーゴを自称する連中に襲われていたウモン達を守ったりしていた。
グリプス戦役末期には宇宙でアモン・ドッグと交戦。仲間達を失いながらも性能を限界まで引き出して勝利した。

なお、「ハーフゼータ」はエドガーが付けた愛称で、本来の名称は不明。



■ΖレイピアⅠ

型式番号:MSZ-007

Ζプロジェクトで開発された機体。コードネームは「η(エータ)ガンダム」。
本来の名称は「レイピア」。
リック・ディアスの開発チームによって造られた可変機で、Ζプラスをかなり意識しているという。

名称の「Ⅰ」は兵装のことを指し、第一種兵装では背中にかなりデカいフライングアーマーを装着している。
兵装はⅤまで存在し、任務に応じて換装される。

量産型Ζと同じ型式番号なので、プロトタイプ2号機と3号機の頭がディアス型とネモ型なことと結び付けて非公式に考察されることもあるが、理由は不明。



■ゼータ

型式番号:A/FMSZ-007II

「ジオンの再興」に登場する機体。「近藤版量産型Ζガンダム」といったところか。
可変機構はそのままに、パーツを地球連邦軍の規格品に換えて装甲を減らすことでコストを低減させている。そのせいで防御力が低いが、主にピンポイント攻撃で運用されていることもあって特に問題とはされていない。

ウェイブライダーでの運用に主眼が置かれ、フライングアーマーは大気圏内用と宇宙用に換装が可能。



■Ζグスタフ

型式番号:TMS-007X

「サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ」に登場する機体。
エゥーゴが造った可変機で、早い話が「ジオン版Ζガンダム」。なんで「ジオン版」かと言うと、この作品のエゥーゴはジオン残党が結成した組織だから

一年戦争ア・バオア・クー攻防戦でジオン側がガンダムの戦闘データを入手し、フラナガン機関のこれまでの研究成果を全て注ぎ込んで完成させた。
見た目はΖとあまり違いはないが、デコにはモノアイが備わっている。



■ΖガンダムMk-Ⅱ

型式番号:MSU-010

「機動戦士Oガンダム 光のニュータイプ」に登場する機体。
Ζの後継機として造られていて、量産を考慮して可変機構を省略している。
しかし信頼性や安定性はΖより高く、総合的な戦闘力はほとんど同じかそれ以上とされる。

実はこの作品、「Ζガンダム」放映終了後に発表された嘘企画である。なので当然、こんなMSは存在しない。



■クワトロ専用Ζガンダム

「サンライズ英雄譚2」に登場する機体。
エゥーゴクワトロ大尉専用機として用意した金ピカのΖガンダム。
オリジナルよりも攻撃力と防御力が向上しているが、燃費は若干悪くなっている。
文字通りの専用機でクワトロしか搭乗できず、ストーリー上でのクワトロがシャアに戻ることを決意するイベント後は使用不可能になる。



■シャア専用Ζガンダム

「サンライズ英雄譚2」に登場する機体。
アクシズがエゥーゴから奪ったデータを基に作り上げた赤いΖガンダム。
自軍入りしたハマーンの命令で主人公部隊に提供された。
性能はクワトロ専用機とほとんど同じ。
クワトロ専用機同様にこちらはシャアしか乗れないので、入手してもイベント発生までは使用できない。



■剣士ゼータ

アルガス騎士団騎馬隊隊長。

「SDガンダム外伝ジークジオン編」に登場する、アルガス騎士団所属の剣士。CVは辻谷耕史氏。
デザインは全体的にZガンダムの意匠を積極的に取り入れられており、盾はバックパックで愛馬はアーガマ、顔ももちろんZ顔。
兜には特徴的なアンテナがついておらず、その代わりにユニコーンをモチーフとしたドリルが付いている。
騎士アレックスがいないと同僚の闘士ダブルゼータや法術士ニューとの仲がすごく悪くなる。




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最終更新:2025年10月18日 18:23

*1 実装が早すぎたのが災いし後発機体が持つ変形サポート系のスキルが殆どない