戦艦棲姫

登録日:2016/08/09 (火) 00:04:24
更新日:2024/03/26 Tue 00:17:23
所要時間:約 17 分で読めます








ナンドデモ……シズメテ…アゲル……





艦隊これくしょん -艦これ-に登場する敵、深海棲艦のうちの一種。
艦種は「」。分類上は名前通り戦艦。

見た目は本体が黒い薄手のドレスをまとった色白で黒髪ロングの女性。頭には角が2本ある。
だが美しい本体と対照的に、背後の艤装は見るからに粗暴そうな巨大な怪物を従えている。
口から涎を垂らす巨人の顔と腕を女性体が撫でていて、艤装の両肩部分に三連装砲を装備。
本体と艤装は、女性体の首とチューブで接続されており、
立ち絵だけでは分からないが、フィギュアなどを見る限りチューブは背骨部分から伸びているようだ。
カードゲーム「ヴァイスシュヴァルツ」で書下ろしイラストでカード化したり、三越コラボで他の深海棲艦と一緒に選ばれたりとメディア進出が多いキャラクターでもある。

どういう訳か強くなるほど人型に近づく深海棲艦だが、
戦艦棲姫は非常に人型に近い本体を持っており、
全体的に怪物というより生物兵器といった印象の外見となっている。



概要


  • ステータス
耐久 火力 雷装 対空 装甲 射程
400 180 0 80 160

  • 装備
16inch三連装砲 主砲:火力+20、対空+5
16inch三連装砲 主砲
12.5inch連装副砲 副砲:火力+7、対空+3
電探(水上レーダー Mark.II) 電探:命中+15
装備命中合計:+15
装備込み火力:227


2013年秋イベントで初出、ラスボスとなる。

それまで戦艦っぽい鬼・姫は数種類いたが、ほとんどは航空戦艦もどきの多機能艦といった趣だった。
それに対し戦艦棲姫は、艦載機はないし、魚雷も撃てない代わりに、
登場当初は最強を誇った、火力装甲、陸上型の飛行場姫に次ぐ耐久の高さという、
単純な高ステータスでもってこちらの艦隊を蹂躙しようとしてくる。

昼戦ではこちらの攻撃は高火力戦艦の砲撃でないとまともに通らず、
振るわれる火力はこちらの戦艦を平気で中大破させてくる。
装備込みで火力は227。無傷なら昼戦キャップ余裕、中破でもまだ十分に大ダメージを負わせてくる。

夜戦ならまともにダメージが入るものの、元々の耐久の高さも相まって、一撃で撃沈とはなかなかいかない。
それでいて、戦艦ル級タ級のflagship程度なら雷装が乗らない分夜戦での脅威は相対的に落ちるものの、
元々の火力がべらぼうに高い戦艦棲姫の場合、雷装抜きでも十分な夜戦火力があり、攻撃要員を奪われることが多い。


装備は主砲2つ、副砲、電探が1つずつ。
弾着観測射撃導入後は、一部の敵艦は偵察機を装備するように変更されたが、戦艦棲姫の場合未だにこの装備のまま。
そのため仮に制空権が敵に取られたとしても連撃をしてこないものの、
そもそもこのクラスの敵を相手にする海域で制空権が取れないこと自体が致命的なので、そんな状況は一切ない。
逆にステータス底上げとしては死に装備の偵察機を使わず、装備を全て攻撃面に回しているとも考えられる。

ただ、主砲2に副砲という珍しい組み合わせの装備のために、夜戦では連撃ができず、
発動するのは主砲・副砲カットイン。
主副カットインは単発威力こそ1.75倍と高いが、連撃や魚雷系カットインと違い攻撃判定が1回のみ。
そのため命中率はあまり高いとはいえない。
おまけにカットインが発動したところで、元々高火力のところを強化しても結局夜戦火力キャップの300に引っかかるし、
こちら側の艦娘の戦闘能力を奪うなら中大破させるだけで十分なので、そこまでの威力は夜戦時の深海棲艦にはオーバーキル。

とはいえ、もし直撃してしまえば中大破は免れず、
未攻撃の夜戦火力要員を潰されると一手で状況をひっくり返されることがしばしば。
副砲カットインのエフェクトだけは派手であり、砲撃の嵐が終わると敵旗艦を仕留める役の艦が無慈悲に夜戦火力を喪失という光景も。



シズミナサイ!



さて、ここまで戦艦棲姫自身について述べてきたが……実のところ、昨今のインフレしつつある姫・水鬼級と比べると、
火力を除けばさほど脅威ではないと評されることが多い。

まず、登場時こそ最高だった装甲160だが、システム追加による相対的な火力大幅上昇により、貫徹する事は比較的容易になりつつある。
(逆に言えば此方はシステム面での恩恵で下駄をはいているだけであり、その恩恵が受けられない・受け難い場所での実力勝負は悲惨な事に)
戦艦の徹甲弾カットインや、熟練度実装以降の空母の砲撃戦クリティカルが直撃すれば、3桁ダメージもってかれることもしょっちょう。
そもそも、通常個体の場合は16年春イベント以降では基地航空隊の陸攻が弱点になっており、
当たり方によっては開幕で大破したり沈んでいることもザラ。
夜戦でもコモン駆逐艦の連撃程度ではほとんど抜けない高装甲の敵艦が増えた現在では、
高HPのため一撃で落とせるかどうかはともかく、夜戦なら十分痛打にはなる。

また航空戦や雷撃戦に参加できないため、できることは砲撃のみ。
砲火力だけは本当に怖いが、当たるかどうかは運次第。
中破程度ではまだ十分な火力があるが、大破すればさすがに危険はほとんどなくなるため、
攻撃前にそこまで追い込められれば無力化できる。
手数がどうしても少ない。





だが……戦艦棲姫の真の脅威は、こいつ自身がボス旗艦の時ではない。



ダイソン




ダイソン―――吸引力の変わらない、ただ1つの随伴艦



戦艦棲姫の真の恐ろしさは、他の鬼・姫級と同時に随伴艦として出現することにある。
特に、攻撃が戦艦棲姫に集中し、旗艦へのダメージを阻止されると、旗艦撃破を防がれてしまう。
その吸収っぷりから、吸引力に優れたあの掃除機に例えて、「ダイソン」が提督の間での通称となっている。



いくら戦艦クラスの昼戦火力ならダメージが通るといっても、それが数回は集中しないと戦艦棲姫は撃沈されず、
重巡以下程度では装甲が抜けずにカスダメしか与えられない。
カスダメでも集中すれば中破ぐらいまでなら削れるものの、旗艦にも高耐久艦がいると攻撃がバラけてしまい、
振るわれる高火力で中大破を量産され、こちらの火力も削られてジリ貧に追い込まれる。

また、随伴のザコを始末したいところなのにダイソンに攻撃が集中してしまうと、夜戦までに倒しきれず、
夜戦時に攻撃が旗艦に向かわず倒しきれない可能性が高くなる。

一方、夜戦では最終的に夜戦火力艦が旗艦に直撃させて倒しきれればいいのだが、
そこでも立ちふさがるのが戦艦棲姫。
小破未満では随伴艦が「かばう」ことがあるため、まず旗艦には攻撃が届かない。
損傷状態であっても、誰を攻撃するかはランダムのため、必殺の一撃をダイソンに吸いこまれてしまう恐れがある。
二の矢・三の矢が残っていればたたみかけられるが、ダイソンは多少のダメージではそうそう撃沈できないため、
後続の攻撃も全部戦艦棲姫に吸いこまれた挙句、ダイソンが大破ないし撃沈されるが、
肝心の旗艦は無事……という事態が頻発する。



これらのことは戦艦棲姫に限らず、ある程度火力と耐久のある艦が随伴にいれば、他の艦でも起こりうる。
が、戦艦棲姫の場合、その登場頻度が尋常ではなく多い
というか初登場以来、鬼・姫級が一切登場しなかったアルペジオイベントと、17年冬イベント、19秋イベント、20秋/冬イベントを除き、
ほとんどの期間限定海域において登場し続けている。
過労死しないのだろうか

性能面から考えるに、
  • 手数こそ少ないが一撃で持ってかれるインパクト
  • 装甲の低さから運良く攻撃が集中すれば撃沈できるが、そこそこ持ちこたえる耐久
  • 複数の鬼・姫を出す時に、とりあえず採用すれば難易度を調整しやすい
といった理由から使い勝手がいいのだろう。

……だからといってぽんぽん出されると、毛根がしんでしまいます


ところが最近のイベントではボス戦どころか道中にすら平気で出現するようになり、
運が悪いとワンパンで艦隊を文字通り門前払いにしてしまうため、
ボス到達を阻む壁として提督の資源と毛根を奪う役目を担っている。


バリエーション





艦これアーケードでは

イベント「決戦!鉄底海峡を抜けて!」で本格的に登場。
攻撃方法は艦載機を持たないので制空戦には参加せず攻撃も砲撃のみだが、広範囲+至近弾が発生する黄色サークル付きの照準が回避を困難にしている。
防御面では高装甲・耐久力に加え装甲ゲージでこちらの攻撃を耐え続けるなど、シンプルゆえに厄介な相手となっている。
道中の雑魚艦隊としてだけではなく、他プレイヤーとの共同戦では飛行場姫とダイソン×2の地獄の陣形を組んで襲い掛かって来る等ブラウザ版とは違ったダイソンぶりを見せてくる。
砲撃の度に海面に飛び降りる戦艦棲姫や、クリティカル時の艤装による主砲連打は見どころの一つ。

激闘の末、艤装は破壊され首のチューブとの接続が外れる。
海上に残された戦艦棲姫は未来での静かな再生を願うが……

イツカ…シズカナ…ソンナ…ウミデ…ワタシハ…
!!!!!!

沈んだはずの艤装に背後から押しつぶされ、そのまま画面上から消えてしまうのだった…
なお、一瞬の惨事でもう一度見直すにはイベントをもう一周する必要があった上に馬鹿デカい口を開いた相手だったために
艤装にパックンチョされたと誤解する声もあった。

当時やり遂げた穏やかな顔で爆発に消えていく鬼/姫級が多かった中、あまりにも悲惨な末路を迎えた戦艦棲姫の姿にはそのダイソンっぷりを嫌う提督達ですらショックを受け、
アーケード屈指のトラウマ演出としてその被害者となった彼女に同情の声が上がるのであった。
そしてこの後に実装された姫級が浄化されていく感動の演出が追加されていくのだからダイソンは本当に一人だけ割を食った形になっている




登場記録


2013年秋イベント





2013年冬イベント


正規イベントではない為か未出現。
このイベントでは重巡の癖に南方棲戦姫並の火力を持つ霧の重巡洋艦級マヤ、ル級flagshipは愚か戦艦棲姫すら上回る火力の霧の大戦艦級キリシマがボス随伴・道中を担い、提督達の毛根と精神を削り取っていた。
MAKOや内山夕実に笑われながら超重力砲をぶっ放されて戦艦達がまとめて大破させられ、たった1隻に鋼材が4ケタ吹き飛ばされるような顔が引きつる損害が出てしまうなんて事も。
当時は東急もない時代、鋼材の供給は今ほど容易ではなかったのである。

今思えば彼女らがダイソンの先駆者なのかもしれない。



2014年春イベント





2014年夏イベント





2014年秋イベント





2015年冬イベント





2015年春イベント





2015年夏イベント





2015年秋イベント





2016年冬イベント





2016年春イベント





2016年夏イベント





2016年秋イベント





2017年冬イベント


何と道中・ボス共に出現せず
亜種も出現しなかったため、名実共に正規イベントで初の欠席という初めての事態に。インフルエンザにでもかかったか?
あるいは「戦艦棲姫より硬く徹甲弾も無効で、雷撃・対潜攻撃も可能な旧型駆逐艦」なんかが出てしまった為、わざわざ出す必要が薄いと見られてしまったのだろうか。
なお、今までダイソンが担ってきた最終ボスの随伴の役目はダブル空母棲姫が引き継いでいる。

「今回ダイソンさんいないの?ヤッター!」…と喜びたいところだが、代わりにダイソン並に厄介なモノがイベント海域に初めて出現している。




2017年春イベント





2017年夏イベント





2017秋イベント





2018冬イベント





2018年初秋イベント





2019年冬イベント





2019年春イベント





2019年夏イベント





2019年秋イベント


道中・ボス共に出現せず
戦艦棲姫も戦艦棲姫改もそしてその亜種もどこにもいない。
2017年冬イベント以来の欠場だがまさか大規模イベントで休みを貰うとは誰が予想しただろうか。

しかしダイソンがいない代わりに更なる改装を施した相方の空母棲姫改や上位種の戦艦水鬼(改)が大暴れしているため地獄である事には変わらないのであった。



2020年桃の節句イベント





2020年梅雨/夏イベント





2020年秋/冬イベント


ちょうど1年前同様に道中・ボス共に出現せず
空母棲姫改と戦艦水鬼改が代わりに大暴れして地獄なのも1年前と一緒である。

通常のダイソンどころかダイソン改ですら力不足なのだろうか…。
だとすれば物凄いインフレに埋もれたダイソンに涙せざるを得ない…。
過労死レベルでイベント海域に出ていたあの頃が一周回って懐かしい…



2021年春イベント





2021年夏イベント





2021年秋刀魚/秋イベント





2022年冬イベント





2022年春/梅雨イベント





2022年夏/初秋イベント





2023年早春イベント





2023年夏イベント





2024年早春イベント





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最終更新:2024年03月26日 00:17

*1 いつ海最終話でも戦艦棲姫改が登場している

*2 いつ海最終話ではこの他にも制空権取りようがないのに空母棲姫が大暴れしていた。

*3 2020年夏にいたのは戦艦棲姫改