記録指針(ONE PIECE)

登録日:2020/04/02 Thu 11:05:35
更新日:2023/10/29 Sun 22:17:34
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記録指針(ログポース)とは、漫画ONE PIECE』に登場するアイテムである。


●目次

【概要】

偉大なる航路(グランドライン)」を航海するにあたり必須レベルのアイテムで、その偉大なる航路専用とでもいうべき特殊なコンパス。

偉大なる航路の島々は特殊な磁気を含む鉱石を多量に含んでおり、磁場が狂ってしまう。
なので普通のコンパスではまったく使い物にならず、更に「なんとなくあっちが西」くらいの方角は晴天であれば見通しがつくが、一瞬にして海流の流れで船が逆向きになっていたり、予期せぬ嵐・雪・異常天候が頻発したり、船すら一呑みにできるような巨大生物・海王類が出現したりする、超過酷なこの海は指針なしでとても渡れようはずもない。

このような条件下ゆえ、偉大なる航路を渡る際に必要なのが「記録指針」という特殊なコンパスである。
見た目は球形のガラスで、中に針がぶら下がっており、腕時計のようにして持ち歩けるものが多い。
なんで球形なのかというと、その針が上下、つまり空の上や海の底深くの「魚人島」さえも指すからである。

滞在地の「記録(ログ)」=その島の磁気を貯めることで次の島を指し示す仕組みで、使用方法は以下の通り。

島に辿り着く→その島の記録が溜まるまで滞在する→出航
この繰り返しで先に進んでいく。

記録の溜まる速度は島によってまちまちであり、わずか数分や数時間で済む島もあれば、1年以上かかる場合もある。
そのため、その島に危険な生物が闊歩していたとしても、急ぎの用がある場合でも、ログが溜まりきるまではその島に滞在しなくてはならない。

ただし、ログが溜まり切っていない状態でも別の島に到達できれば、ログは到達した島のモノに上書きされる性質がある。
なので後述の別の指針のアテがあるのなら、ログの待ち時間の問題を回避することも可能。
アテが無い場合でも、ドリーが言ったように適当に海を進む=別の島が見つかるまで海を漂流するという手も無くはない。
だが、ただでさえ航海難易度の高い偉大なる海を補給などの問題を度外視して彷徨うことになるので、非常にハイリスク。
島を見つけられないまま、下手するとログが溜まる期間より長く漂流する本末転倒な事態に陥る可能性も十分あり得る*1
島に居ては即座に命の危険があるなど切迫した状況にでも陥らない限り、取るべき手段とは言いづらい。

なお磁気を貯める性質ゆえか近くに強い磁場があるとそちらを向いてしまったり、磁場があるなら島以外にも反応したりする模様。
作中では「島食い」という超巨大金魚が島を食い尽くした後の糞でできた「島」がその一例。

また、作中起きたことはないが、一度出航すると戻るのは困難なため、その島に忘れ物や乗り遅れた人がいた場合回収が困難になる。
これも後述の別の指針等があればどうにかなることもあるが。

必需品ではあるが、偉大なる航路の外では入手困難な模様。
尤も、海賊か冒険家、ジャーナリストでもない限り島から島へ渡り歩く生活などしないはずなので、それほど困ることでもないだろうが。

◆新世界

偉大なる航路後半の海「新世界」ではこれまでの記録指針が機能せず、しかも磁気が変動したりまったく無くなったりともうメチャクチャ。

というわけで新世界の記録指針には針が3つあり、航路をこの3つから選んで進むのだが、針の動きが激しい程その島の危険度は高い。
実際ルフィは海上に出た際に一番激しく反応する島(ライジン島)に向かおうとしていた。
海軍も魚人島のログで行ける島は把握しているようで、スモーカーはルフィの性格から「雷の降る島」ことライジン島に行くと踏んで待ち伏せしていたが、結果的にパンクハザードにたどり着いた。
ちなみにそのパンクハザード島は記録指針が反応しない。

なおあとの2つは「リスキーレッド島」、「ミストリア島」というが、名前のみの登場となっている。
名前の明かされていない新世界の島は、頂上戦争直後にオンエア海賊団が上陸した「とある春島」、ファイアタンク海賊団通りかかった「空中に浮かぶ巨大磁石のような島」、黒ひげ海賊団のいた「ある燃える島」、キッド海賊団がどこかの海賊団を血祭りに上げた「剣山のような外観の島」、及びドレーク海賊団が訪れた「カイドウのお気に入りの冬島」の5つあるが、これらの島々にリスキーレッド島やミストリア島が含まれているのかは不明。

◆到達点「水先星(ロードスター)島」

偉大なる航路の航海は入口にあたる「リヴァース・マウンテン」から7つの磁場を選び進んでいくが、途中シャボンディ諸島や魚人島で一旦集結しながら、最終的には最果ての地ではなく、水先星(ロードスター)へと辿り着く。
そこでわかる真実は、「4つの『ロード歴史の本文(ポーネグリフ)』に記されている4つの地点の中央に本当の終着地が現れる」ということ。
後の海賊王ゴールド・ロジャーは、そのために冒険を大きくやり直した。
次なる海賊王を目指して一度水先星(ロードスター)島にたどり着いた四皇らは、ポーネグリフの収集や、それを解読できる存在を獲得すべく躍起になっており、タマゴ男爵ら四皇幹部は所持済みのポーネグリフ警護に最高幹部をつけるほどの警戒態勢を取った。

かつてこの終着地に到達した歴史に残る唯一の存在であるロジャー海賊団は、その最果ての地のことを「ラフテル」と名付けた。

読者間で度々話題になる「ラフテルの1つ前の島の人達は何故ワンピースを目指さないのか」「4つの海の海賊は不利じゃん」という疑問への解答はこうなっていた。


麦わらの一味の記録指針】

偉大なる航路突入後、偶然知り合ったクロッカスから譲られ、以降は航海士のナミが腕につけている姿が印象的。
その後、ウイスキーピークを経由してリトルガーデンへと辿り着くも、ドリー&ブロギーによればそこは記録が貯まるのに1年かかるとのこと。
その時はアラバスタに王女ビビを送り届ける最中だったため困惑するが、直後にアラバスタへの永久指針を入手する。
この時点で最初に選んだルートからは外れることとなる。

アラバスタ出航後は、空島に磁場を引かれるも、紆余曲折会って空島へ到着、出航する。

その後はログに従い、次のログが示す魚人島へ向かうために魚人島の真上にあるシャボンディ諸島に立ち寄る*2。頂上戦争と2年の修業期間を経て魚人島にたどり着き、新たな記録指針を入手する。
それからは色々あって「海賊同盟」を結び、単なる航海では無くドンキホーテファミリー四皇を明確な標的としたため、特定の島へ永久指針やビブルカードを用いて行っているため、「ワノ国」で同盟を解除するまではログを辿っていなかった。

もし記録指針を使うならば、次の出航は「エッグヘッド」のログが貯まった先になると思われる。
ただ、ゾウにて「ロード歴史の本文」の1つを発見し、ラフテルへの行き方(前述)を知ったため、今後もログの先に行くのかは不明。

永久指針(エターナルポース)

磁気を永続的に記録させた特殊な記録指針。針は永久に特定の島を指し続け、砂時計のような入れ物に針が入っている。
常に新天地を目指す冒険者ならともかく、定期的に一定の島々を巡る客船や交易船には必須の指針と言える。
また海軍等の政府関連組織も事件などで早急にその島に行く必要があるため、これらを(恐らく世界政府加盟国の分は)いくつかストックしてある模様。*3

そこそこ人口密度が高く、他の島との交易もある島なら店売りもされている。
また、道具と技術さえあれば滞在している島の指針を即席で作る事も可能と思わしき描写もある。


【記録指針以外での移動方法】

・ビブルカード

別名「命の紙」。新世界で発明された、人の爪の切れ端を加工して作られる特殊な紙。
切ったり破いたりすると、破片同士が引き合う(「ローラの説明やレイリーの「自由に動けないからシャッキーに預けた」という発言より)性質を持つ。力は弱いのでポケット等から抜ける心配はない。
水中でも萎びないし火も点かないが、持ち主の生命に呼応して燃える様に面積が減っていき、絶命するとその瞬間完全に焼失する(回復するとまた面積も増えるらしい)。
基本的に一番大きい部分を元の持ち主が所持し、持ち主の追跡や生存確認に用いる。
ミンク族の住むゾウの国のような記録指針による航路が指示されない土地へ行く他、航行中の船と洋上で合流することも可能なので非常に重宝する。
ただし、前述の通りビブルカードは生きている人と連動しているため、特定の地域への指針として活用するには、当該人物が存命かつビブルカードが目的地にあることが必須となる。
なので、指針として安定して長期運用するには少々信頼度が低いのが難点である。


・サウスバード

偉大なる海前半のジャヤという島に生息する、オオハシ類のような大きなクチバシが特徴的な鳥。
何処に運んでいっても、常に首を南へ向け続ける特異な習性を持つ。というか、他の方向を向かせても、まるでハンガーを頭に嵌めたかの如く首が回って南を向く。
一度外海へ出てしまうと方角がまるっきりわからなくなる偉大なる海においても、首を向ける方向で即座に東西南北を知る事ができるので、指針としての活用が可能。
生物なので捕獲を含め指針としての使い勝手はお世辞にも良いモノではないが、島も人もいない特定の海域を目指すには、この鳥以外に頼りようが無いのが現状である。
作中では麦わらの一味が空島に向かう際、ジャヤから真っ直ぐ南にある海域を目指す必要があったため、苦労して捕獲するハメになった。
一味から解放された後は、アッパーヤードに居ついてノースバードと結婚しイーストバード・ウエストバードの子宝に恵まれる。

余談だが、現実の渡り鳥なども磁覚という感覚器官を用いて地磁気の方向を読み、自身の位置を把握できることが知られている。
ただし、人間の道具としての指針と比べるとかなり繊細な感覚であり、太陽フレアなどの影響で地磁気が乱されると自身の位置を把握し切れず迷い鳥になってしまう事例も報告されている。
通常のコンパスが狂う程の強力な磁気が飛び交う偉大なる海においても正確に地磁気を読み取れるサウスバードの能力は適応進化の賜物と言えよう。


・海列車

ウォーターセブンの船大工・トムが開発した、海上の線路を走る蒸気機関車。線路には列車が通過すると海王類が嫌がる不協和音を流すしくみがあるため、危険な「偉大なる航路」を安全に航行できる。
線路のある場所限定だが、記録指針を持たない人でも他の島へ行けるようになった。
非常に実用化・建造が難しい代物だったのだが、新世界編では、アイスバーグ率いるガレーラカンパニーが、パウリーら棟梁達が中心となって新たな海列車を完成させている。

映画オリジナルでは、『ONE PIECE FILM Z』『ONE PIECE STAMPEDE』と2回も別の場所で登場している。

【現実の記録指針】

ワンピースという作品の人気度から、当然この記録指針も商品化されている。
最初のグッズ化は2000年。「ログポース」の名称でバンダイから発売された。
これは当時流行ってた所謂電子ゲームであり、ゴーイングメリー号の航海を簡易化したようなミニゲームで遊べる他、腕時計やスケジュール帳にも使う事が出来た。
その後、何度か記録指針を模した腕時計などが頻繁に商品化されている。
しかし、大半の場合は腕時計という商品展開上、三つ針のある新世界仕様の記録指針は長らく商品化されず、
確認できるのは、TVアニメ版ワンピースの15周年記念として2014年に一度ムービックより発売された品だけである。
ただしコスプレイヤーの中には新世界仕様の記録指針を自作する強者もいるらしい。本当に新世界でも目指す気なのか?


【余談】

  • 冒険者の象徴
記録指針は偉大なる海を航海する上で必須のアイテムであるため、作中では冒険者の象徴としての意味合いを持たされることもある。
アニメ版の魚人島編のアバンで、海底に沈む朽ち果てた海賊船の船内を転がる記録指針*4が映るシーンは、志半ばで散っていった冒険者達の夢の跡を感じられる印象的なモノとなっている。


  • 偉大なる航路の逆走
ポートガス・D・エースはとある事情で、特定の人物を追って偉大なる航路を逆走*5していたが、その方法については明言されていない。
現在判明している方法ではビブルカードやエターナルポースを使った方法があるが、偉大なる航路の各地を移動する四皇海賊団を筆頭に、求婚のローラなど、明らかに一方通行では不自然な航海をしている海賊も多くいるため、他にも偉大なる航路を逆走する方法が存在するのかもしれない。


  • ゲーム
ゲーム「グランドバトル」シリーズでは必殺技ゲージを最大または0にする効果を持ったアイテムとなっている。記録指針ではなく永久指針。




羅針盤なんて渋滞の元〜
追記、修正はログが貯まるまで待ってからお願いします。

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最終更新:2023年10月29日 22:17

*1 実際、ブリキのワポルは何の指針も持たず海へ出た結果、かなりの長期間彷徨うハメに陥っていた

*2 シャボンディ諸島は超特大マングローブ林であるためログが存在しない。というか島ですらない

*3 作中ではスモーカーがアラバスタに行くために本部に連絡をとっている描写がある

*4 針が海底を指しているので、魚人島を目指す途上で沈んだことがわかる。ちなみに魚人島を目指す船の七割は到達前に沈むらしい。

*5 途中で海軍本部の機密情報を抜き取るなど探索に苦労していた。