奴隷(ONE PIECE)

登録日:2023/05/28 Sun 18:52:00
更新日:2024/04/13 Sat 07:29:02
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本項目ではONE PIECE世界における奴隷について解説する。
現実世界での奴隷・奴隷制に関してはこちらの項目を参照。

※このページには『ONE PIECE』の一部エピソードのネタバレを含みます。


概要

文字通りの存在。
ただし、世界政府によって、世界中のどの国でも「人身売買」は重罪となっている
が、世はまさに大海賊時代、海賊や無法者達による襲撃で彼らによって奴隷として重労働を強いられたり、人身売買による莫大な利益が連中の収入源になっていたりと問題になっている。
現にカイドウはワノ国の国民を武器工場の労働力としてゴミクズのごとく使い、更に海外から奴隷の確保を目論んでいた。
ただし、海賊の中でもその非人道的な行いを毛嫌いしている者もおり、白ひげ海賊団は「自分の縄張りで人身売買に手を出したやつは殺す」と掟を課している。



しかし…



人の売り買いなんて世界中で『禁止(タブー)』よ!! 政府にいくら払ってんの?

人聞きの悪い事を!
そうですねぇ…政府や軍の関係者は我々と話をしても
『人身売買』という言葉が『聞き取りづらい』らしく、
この商売の存在など全く知らない様ですねェ


バカバカしい…完全にグルってわけか…


実態としては天竜人は多くの奴隷を所持しており、政府の海軍は人身売買を堂々と行っている店を「職業安定所」という隠語で黙認しているという矛盾を抱えている。
ONE PIECEの世界の闇の一つ。



ONE PIECE世界での奴隷の実態

主に奴隷として扱われているのは海賊などの犯罪者。
他にはシャボンディ諸島の賭場で破産した者も借金の肩代わりとして後述する人間屋行きにされている。
そして、政府非加盟国の民衆または一般人も奴隷として扱われる。

入手方法に関しては、後述する専門店が一般的なルートだが、天竜人はその神のごとき権力で市民をその場で奴隷にすることもある。
奴隷になった者は外すと爆発する首輪を付けられてしまい、仮に脱走しても自動的に首輪が爆発して死亡、よくても全身に大火傷を負うことになる。
その他、天竜人の奴隷には“天駆ける竜の蹄”と呼ばれる天竜人のシンボルを焼き印として入れられる。
奴隷は主に労働や愛玩目的で用いられるが、天竜人は乗馬の代わりの移動手段として四つん這いで移動させたり、見世物目的で後ろに繋げて行進させるなど、特に奴隷への扱いが劣悪。
単純な労働力として優秀な巨人族や、見目麗しい人魚などの亜人種は高値で取引され、これらの種族は政府加盟国の市民であっても人攫い屋に捕まって人間屋送りにされてる例もある。

奴隷になったものは人ではなく商品として扱われる。
事実上使い捨てにされているようで、シャボンディ諸島では医院での奴隷の治療は5割増しの割増価格。
医者も「奴隷だと割増金額で診るよりも別のに買い換えた方が安いからそっちがいいよ」と発言する有様である。

競売前の奴隷を奪還する事は「人間屋という法人が所有する物を強奪する行為」とみなされるため、奴隷を助けるために立ち向かった者は海軍に逆に逮捕されてしまう。*1
そのため、もし仲間などが奴隷として競売にかけられたら、救助するには基本的には競り落とすしかない…が、運悪く天竜人がいたら億単位を平然と出せる彼らに勝ち目などない。
海軍に捕まるリスクを冒してでも仲間の救助を試みる者は別だが…*2


永遠に残される傷

劇中で描写された限りでは、古代ローマの奴隷みたいに才能や主人に気に入られ一般人に戻ったような例はない。
希に所有者に捨てられる形で奴隷から解放される者やタイガーや革命軍等の奴隷解放運動を起こして助かる者がいる程度。
…が、それまでに心身ともに永久に「奴隷」という傷は癒えることなく残される。
特に天竜人の奴隷たちは凄惨極まるもので、「余興で目をつぶされた元奴隷の存在」「廃人となって故郷の北の海*3へと返された娘は誰とも口をきかず部屋に閉じこもった末に3日後に自殺した」という事実が言及されている。
ハンコックらゴルゴン三姉妹も天竜人の奴隷として尊厳を失う程の行為を受けていたようでルフィに自身の過去を話した時にはフラッシュバックで発狂。
コアラは些細な事で殺された同じ奴隷の死を何度も見てしまったことで、「殺されたくない」という恐怖心にとりつかれた挙句、何をされても常に笑顔でいるために感情を削除した状態になっていた。


相場


何だデュバル、この胸くそ悪いリストは

相場だよ

人類売買リストに記載された種族ごとの最低金額。
下記の様に種族ごとに異なっており、そのリストを見たサンジはタバコを多くくわえ、「イライラ」という擬音語が出るほどの凄まじい怒りをみせていた。

種族 相場
人間 50万ベリー
小人族/ミンク族/手長族/足長族/蛇首族 70万ベリー
魚人族 100万ベリー
巨人族(男) 5000万ベリー
 〃 (女) 1000万ベリー
人魚族(女) 7000万ベリー
 〃 (男) 100万ベリー
 〃 (女二股) 1000万ベリー
その他珍種や能力者 時価

なお、このリストに記載されている種族はあくまで現在公的に存在が確認されている種族であり、超希少種絶滅種などリストに載っていない種族も存在する。



奴隷に関わる職業

人攫い屋

人や亜人を誘拐して人間屋などの店に売り込んでおり、彼らから取引分の幾らかを貰うことで収入を得ている集団。
賞金首を海軍に引き渡して報酬金を得て生活している賞金稼ぎとは異なり、
非合法な事をしているので本来は彼らも海軍などから逮捕されるのだが黙認されている。

  • マクロ一味
シャボンディ諸島周辺で人さらい稼業をしているリーダー格のマクロ、剣士のギャロ、パワーファイターのタンスイの魚人海賊3人組。専用の船を所持してる。
魚人街名うての卑怯者として知られており、一時期はジンベエノコギリのアーロンらと共にフィッシャー・タイガー率いるタイヨウの海賊団に所属していたが、タイガーの死に伴う海賊団分裂後は再び人攫い稼業に戻っている。
実力は大したことなく扉絵やシャボンディ諸島前章で、はっちゃん一人*4に返り討ちにあっている。

  • トビウオライダーズ
鉄仮面のデュバル率いるマフィア。
元は片田舎でカツアゲ行為で生計を立てていたチンピラ集団だったが、デュバルがある理由で海軍や賞金稼ぎに追われて海に進出し、人攫いの稼業をしながら生計をたてていた。
復讐の対象者が麦わらの一味のメンバーだったのでマクロ一味と手を組んで倒そうとしたが、サニー号の秘密兵器でアジトは壊滅し、デュバルも敗北。
その後はそろって改心、チーム名も「人生バラ色ライダーズ」に改名して人攫いを廃業し、一味に協力するようになった。

  • ハウンドペッツ
ピーターマン率いるシャボンディ諸島を拠点してる集団。
メンバーの衣装が西洋ファンタジーの狩人をしている。
本編では賞金稼ぎの情報でルフィと一緒にいた人魚ケイミーを攫って人間屋に売り飛ばし、結果的に後の大事件を生んだ元凶。
その後はデュバルらによって完膚なきまで叩きのめされる因果応報ともいえる末路を辿った。

  • コーヒーモンキーズ
シャボンディ諸島の人攫い屋。
メンバーは西遊記の孫悟空を思わせる衣装*5をしており、武器は棒。
男の巨人族を苦労して人間屋に売り飛ばしたが、後からピーターマンがケイミーを売り飛ばしたことで目玉商品では無くなってリーダーはやけ酒を飲んでいた。
その後、麦わらの一味が離散後に残されたサニー号を守っていたバラ色ライダーズに「同業者のよしみだ。サニー号を海軍に売り渡せば儲けの半分をおまえらにやる」と持ち掛けるも、かえってデュバルの怒りをかってしまい撃退された。

人間屋(ヒューマンショップ)

人間、亜人の競売(オークション)会場。
競り落とされた者に奴隷の保有権が譲渡される。
会場内には天竜人の他、貴族や王族関係者と思しき高貴な服装の者が多く、人を物として取引を行う光景にナミ達は絶句していた。
もともと非合法な存在ゆえか「海賊でも競売に参加さえすれば客」という懐の深い(?)面があり、会場前でひと悶着を起こしたナミ達(当然ながらこの時すでに賞金首)さえも競売の参加者として入場した時はスタッフは丁重に会場内を案内している。
こういった闇商売ゆえにスタッフは緊急時には銃や剣などの武装をし、屈強な警護兵が駐在している。
本編では1番GRに大型の会場があったがルフィ達が天竜人に手を出した事で会場は大パニックになってしまい、すっかり信用が失墜したらしく、2年後では完全に自然の木々に飲み込まれた廃墟と化していた。

同会場なのか不明だが、過去に魚人が競売会場で自爆テロを起こして多数の死傷者を出した事件もあった。

22番GRにはルフィ達が訪れた小規模な店が存在し、こちらは競売ではなく店側が予め値段を表示しており、奴隷は狭いショーウィンドウに並べられていた。

関係者

  • ディスコ
CV:増谷康紀
シャボンディ諸島1番GRにある「人間屋(ヒューマンショップ)」(表向きは「職業安定所」)で行われていた人間オークションの司会者。
長い髪と星型のサングラスが特徴で「歩くスーパーバザール」の異名を持つ。
会場内でルフィが世界貴族のチャルロス聖を殴り飛ばすという前代未聞の失態があった時には騒動に紛れて出品された奴隷に逃げられてしまう。
騒動後にシャルリア宮の銃撃で腹部を負傷してしまい、天竜人からの報復を逃れるため、オーナーのドフラミンゴに助力を仰ぐも切り捨てられて完全に立場を失う。
2年後の扉絵では、すっかり地に落ちてボロボロの服で「人間屋」の跡地でヤケ酒をあおりながらルフィ、ロー、キッド達の手配書*6ナイフを突き立てている様子が描かれた。

王下七武海(当時)にして人間屋の元締め。
だが、ディスコが彼に助けを求めるが、「人身売買は時代遅れ。時代はスマイル(・・・・)さ」とバッサリと見捨てた。
「新ビジネス」への移行時期にあり人身売買がもはや不要だった事に加え、白ひげ海賊団との全面戦争による強制招集の最中だったのでそもそも助けに行く余力はなかったようである。

四皇黒ひげ率いる海賊団。
メインの拠点であるハチノスにて詳細は不明だが奴隷売買をしている様子がうかがえる。
現在の四皇では唯一奴隷売買を取り扱っている勢力。
というより、元々四皇だった勢力を含めても唯一の存在と思われる。*7
後に黒ひげ海賊団が確保していた奴隷は海軍や世界政府との取引のために捕らえたコビーとコビーを助けにきたガープ達によって救助された。

他では、オロチがおでんに捕らえた民衆を見せては、カイドウが「海外に売り飛ばす」と脅迫したり、クロコダイルから借りた金を返さないと言うバギーに「人身売買という方法もあるがな」と言及している。


劇中の奴隷、元奴隷、されかけた者

※以下原則50音順
名前 所属・肩書 備考など
アラディン 人魚族
魚人海賊団三代目船長
彼の反応やオトヒメ王妃のセリフから、ミョスガルド聖の奴隷として所有されていたと思われる。
魚人海賊団の船員 同上 魚人海賊団に所属し、ジンベエの七武海加入による恩赦で家族の元に帰れた。
船員の多くがミョスガルド聖の元奴隷
エンポリオ・イワンコフ 革命軍幹部
カマバッカ王国の女王
詳細は項目参照。
ギルド・テゾーロ グラン・テゾーロのオーナー 劇場版オリジナルキャラ。詳細は項目参照。
クラップ バッカニア族 ソルベ王国出身でくまの父親。最終的に死亡。
クラップの妻 一般人 ソルベ王国出身でくまの母親。最終的に死亡。
ケイミー 人魚族 魚人島出身。はっちゃんのたこ焼き店とマーメイドカフェの店員。
レイリーによって解放。
コアラ 革命軍の戦闘員 魚人海賊団のおかげで故郷に帰還。14歳の頃にハックに連れられて革命軍に入隊。
ジニー 革命軍幹部 イワンコフと共に行動していた少女。ゴッドバレーの時に一度は自由の身となるも、革命軍入隊後は再び天竜人に攫われ、最終的に死亡。
ジャンバール ハートの海賊団船員 元は名のある海賊団の船長。
ロズワード聖の奴隷だったが、トラファルガー・ローによって解放されて彼の部下になる。
10人隊 詳細は不明だが、共通してアンテナのような髪型をした10人の人間の男。
後に麦わらの一味によって解放された。
シルバーズ・レイリー ただのジイさん
元・ロジャー海賊団副船長
賭場で借金をしたため、返済するためにわざと人間屋に売られる。
その後は自力で首輪を外して店の売上金を盗んでルフィの騒動に乗して脱走。
スタンセン 巨人族
新巨兵海賊団船大工
昼寝していた所をモンキーズに人間屋に売り飛ばされる。
レイリーに解放され、麦わらの一味の活躍で他の奴隷を連れて脱走に成功。
名前などはSBSで判明。エルバフ出身でハイルディンビッグ・マムとは顔見知り。
ステラ 一般人 劇場版オリジナルキャラ。天竜人に買い取られて最終的に死亡。
デビル・ディアス アクメイト海賊団船長 懸賞金6000万ベリー。ロズワード聖が娘に貸していた奴隷。
脱走するも首輪の爆発とシャルリア宮からの暴行で瀕死になり、海軍に拿捕された。
バイロン 海賊 西の海のトロア出身。音楽家の家系の生まれで楽器が得意。落札額60万ベリー。
パシア 一般人 南の海出身の20歳の踊り子。
「奇跡のプロポーションをした絶世の美女」とディスコが高く評価する程の爆乳美女。
上記の面々と共に逃げ出し、ONE PIECE STAMPEDEにちょい役だが登場。元気に踊っていた。
落札額720万ベリー。
バーソロミュー・くま バッカニア族(ハーフ)
元王下七武海
革命軍幹部
ソルベ王国の元国王
幼少の頃に家族と共に奴隷になっていた。ゴッドバレーの時に一度は自由の身となるが、最終的に人格の消失したサイボーグとして『無敵奴隷』の名をつけられ天竜人内でのレンタル奴隷にされるも、サボたち革命軍幹部によって解放された。詳細は項目参照。
フィッシャー・タイガー 魚人海賊団初代船長 自力で脱走し、聖地マリージョアに単身乗り込み多くの奴隷を解放する大事件を起こした。
ボア・ハンコック 九蛇海賊団 船長
アマゾン・リリー 皇帝
王下七武海
三姉妹の長女。メロメロの実の能力者。詳細は項目参照。
ボア・サンダーソニア 九蛇海賊団の船員 三姉妹の次女。ヘビヘビの実モデル”アナコンダ”の能力者。
ボア・マリーゴールド 九蛇海賊団の船員 三姉妹の三女。ヘビヘビの実モデル”キングコブラ”の能力者。
マリン 人魚族? 22番GRにいた人魚…というよりは人魚の格好をしたおっさん
公式のキャラ紹介でも「人魚族?」*8といれられ、アニメではその店の店員が変装していた。
メイドの女 一般人 トランプやチェスが得意の美女。落札額300万ベリー。
ラキューバ 海賊 懸賞金1700万ベリー。
策略家で知られるらしい。競売にかけられたが舌を噛み切り自決をはかる。
しかし失敗したらしく、奴隷解放の鍵をフランキーからもらった際には大泣きしていた。

首輪こそかけられていなかったが、ロビンが飛ばされた東の海の「橋の国」テキーラウルフでの橋建造、マリージョアのトラベレーターの移動床の起動に強制労働を強いられていた非加盟国の民衆や犯罪者たちも消耗品扱いのように酷使されていた。
まだまだ政府に関する機関で彼らのような犠牲者が日々酷使されているかもしれない。
また、奴隷の対象とされる種族側にも新魚人海賊団のように人間を奴隷にして虐げる者も存在している。*9





追記・修正は奴隷の是非について思いを巡らせながらお願いします。


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最終更新:2024年04月13日 07:29

*1 逃亡した奴隷や奴隷を匿う者を罪人と見なすケースもあり、過去に元奴隷を仲間に加えたタイヨウの海賊団を襲撃していたが、クルー達に返り討ちにされ、その1人であったジンベエが「奴隷はまかり通るが、奴隷解放は罪」という人間の横暴に激怒して海軍を半殺しにしていた。

*2 海軍に相応の見返りを用意すれば、持ち主の元から離れた奴隷の存在を黙認してもらえるようであり、最もたる例がコアラであるが、その代償が皮肉にも彼女を救助したフィッシャー・タイガーであった(早い話が身代わり)。

*3 奇しくも元天竜人であるホーミング聖が家族を連れて移住した海

*4 しかもはっちゃんは剣を持ってない素手の状態

*5 尻尾も生えているが自前なのか装備の類なのか不明

*6 奥にある4枚目の手配書は誰なのか不明

*7 白ひげは自分のナワバリで人身売買を禁じ赤髪海賊団も同様と思われる。ビッグマム海賊団はアニオリではスムージーが補充用の奴隷がいるくらいで敵対した海賊をホーミーズに変える方が効率が良いため手を出す必要性があまりなく百獣海賊団は自分たちのナワバリで武器製造の労働力として酷使する方が効率が良く更に奴隷を欲しているため買うことはあっても売ることはしてないと思われる。

*8 よく見ると尻尾の部分に男もののパンツらしきものが見えている

*9 ジンベエ曰く「天竜人のマネごと」