バーソロミュー・くま

登録日:2015/08/31 Mon 01:06:34
更新日:2025/06/04 Wed 02:41:36
所要時間:約 22 分で読めます


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2月9日生まれ 2月生まれ 47歳 HERO ONE PIECE ONE PIECE登場人物項目 PX-0 くま みずがめ座 カナヅチ コメント欄ログ化項目 サイボーグ ソルベ王国 トラウマ持ち ニキュニキュの実 バッカニア族 バーソロミュー・くま パシフィスタ ヒーロー レーザー ワンピース 七武海 世界政府 人間兵器 作中無敗の七武海 元奴隷 元牧師 全世界人気投票98位 初登場がジャヤ編 加害者にして被害者←自覚あり 南の海 地獄絵図 堀秀行 壮絶な過去持ち 岡本信彦 巨漢 平和主義者 悪魔の実 懸賞金億越え 懸賞金過小評価 改造人間 暴君 本当はいい人 武装色の覇気 海賊 涙腺崩壊 父親 牧師 王下七武海 理想の父親 真面目 眼鏡 私掠船 結構重い過去持ち 絶滅種 聖書 肉球人間 能力者 自己犠牲の塊 菩薩メンタル 見聞色の覇気 誰よりも優しい男 賞金首 超人系 進むたびに失って尚も進む事を選んだ男 運命に翻弄された者 運命を受け入れた男 革命軍



さすがは…あんたの息子だな

…………ドラゴン


バーソロミュー・くまとは、漫画『ONE PIECE』の登場人物。

●目次

【プロフィール】

本名:バーソロミュー・くま
異名:暴君、無敵奴隷・PX-0(完全改造後)
年齢:45歳→47歳
身長:689cm
懸賞金:元2億9600万ベリー(七武海加入により免除)
肩書:元王下七武海、元ソルベ王国国王
所属:元革命軍幹部
悪魔の実:ニキュニキュの実(超人系(パラミシア))
種族:バッカニア族
覇気武装色見聞色
出身:南の海(サウスブルー) ソルベ王国
誕生日:2月9日
星座:水瓶座
血液型:X型(現実だとA型)
初登場:単行本25巻・第234話・『ご記憶下さいます様に』
趣味:空想・旅行・手紙を書く事
好物:はちみつ、サーモン
嫌いな食べ物:ロブスター
CV:堀秀行(ヴィンスモーク・ジャッジも担当)/岡本信彦(幼少期)


【概要】

世界政府公認の七人の海賊たち、王下七武海の一人。
超人系(パラミシア)悪魔の実「ニキュニキュの実」の能力者。
ゲッコー・モリアにも引けを取らない飛びぬけた巨体を誇り、常に聖書を携えている。
髪色は原作単行本の表紙やカラー巻頭などでは茶色だが、アニメなどでは黒髪。
頭にはの耳のようなものが付いているが、これは帽子のパーツなどではなく地毛で108巻のSBSによると「寝癖」とのこと。

かつては「暴君」の異名の通り残虐の限りを尽くした海賊であったが、現在は「七武海の中で唯一世界政府に従順に行動する海賊」として知られている。
ただその辺はやはり七武海。世界政府の意向通りに事を解決しないこともあり、腹に一物抱えている模様だったが、真相は王下七武海であると同時に革命軍の幹部も兼任していた。
革命軍の創立メンバーであり、少なくとも12年前には既にドラゴンイワンコフと共に行動していた。
また、「ルフィがドラゴンの息子である」というイワンコフにも伝えられていなかった事実を知っていた。

バッカニア族

原作1064話で曰く、くまは“特殊な種族”である事が明かされた。
そして、1095話でサターン聖の口から明らかにされたその種族の名は“バッカニア族”。
くまの母は人間であるが、バッカニア族はそもそも「魚巨人」や「手長足長」のような混血の種族で、同じくバッカニア族である父クラップも混血前提である。

サターン聖によるとバッカニア族は「世界に対して大罪を犯した一族」であり、既に絶滅種であるとの事。
バッカニア族の血筋の者は巨人族の血も引いている為、他の人間と比べて体が一回り大きく、10歳に満たない頃から並みの大人を超える体格だった。
また、解放の戦士ニカについて一族代々に伝承が伝わっている。
具体的に何があったかは不明だが、バッカニア族に対する世界政府の敵視ぶりは半端ではなく、バッカニア族の末裔だと政府に露見した途端奴隷にされてしまうほど。
ある意味この世界の闇を体現する存在。

この種族がビッグ・マムが語っていた万国(トットランド)にいない3つの種族の内の1つである「歴史の彼方に消えた種族」であると考えられる*1

【人物】

寡黙かつ無表情であり、何を考えているか今ひとつわからない人物。
口癖は「的を射ている」

特に麦わらの一味には思い入れがあるのか、スリラーバークでは麦わらの一味の抹殺を命じられているにもかかわらず、ゾロの嘆願を聞き届けて止めを刺さずに引き上げたり、シャボンディ諸島では黄猿とパシフィスタの力の前に絶体絶命の窮地に立たされていた彼らを、能力で遠くに弾き飛ばして命を救っている。
麦わらの一味を助けた理由は、普通に考えれば「ドラゴンの息子とその仲間だったから」だと思われていたが、エッグヘッド編の回想でこれらの真相が明かされた(後述参照)。

一見すると瞳が一切見えず、白目だけのような独特な目をしている。普段の寡黙な言動も合わせて、文字通りの冷徹さを表しているように見える。
初登場時もこの目つき故の異質さを漂わせ、後に彼が「肉体を機械化したサイボーグ」であるという事が判明してからは、機械的な雰囲気を感じさせるための表現と思われていた。

……が、実はこの独特の目つきの理由はメガネ。単に光の反射で瞳が見えないようになっており、実際は「暴君」の二つ名からは信じられないような優しい目をしている。メガネの大部分が帽子で隠れており、一見メガネをかけているとは思えないようになっている。
彼の本来の目が見えるシーンは、過去編と彼自身の回想(これらが描写されたのは連載開始から十数年後)であり、彼がどれだけ長い間自身の感情を隠して戦い続けていたかが伺える。

【戦闘能力】


旅行するなら どこに行きたい?

超人系(パラミシア)悪魔の実「ニキュニキュの実」の能力者で、掌にある肉球であらゆるものを弾き飛ばすことが出来る肉球人間である。

なんだか可愛らしい名前と能力だが、その性能は現在登場している悪魔の実の中でも極悪と言っていいほど高い。
「あらゆるものを弾き飛ばす」の“あらゆるもの”とは比喩ではなく、マジで何でも弾き飛ばす事ができる
巨大な瓦礫や人間なんて当たり前、「大気」「斬撃」「炎」といったものすら弾くことができ、挙句の果てには「痛み」「疲労」といったそもそも実体がないものすら弾くことが出来る
この場合、弾かれた非実体は肉球型のエネルギー体となって可視化する。
例えば、味方に蓄積されたダメージを相手に向かって弾けば回復と攻撃を同時に行うことができ、自分自身を弾くことで、その巨体からは想像できない超高速での移動すらやってのける。
なお人間を弾いた場合は瞬間移動させるかのように自他を遥か彼方まで弾き飛ばせる。彼の任意で世界中どこでも飛ばせるようで、(距離次第だが)数日間空中を彷徨った末に目的地に到着する模様。

強いて弱点を挙げるなら、あくまで能力は掌を介して行うので、両腕を封じられれば能力の殆どを無効化されてしまうこと。
まあこの巨漢の手を封じられるだけの力があればの話だが。
両手に現れている肉球は解除することができないらしく、能力を使わない時は無用にものを弾かないよう黒い手袋をはめている。扉絵では、川の鮭を獲ろうとするも能力で弾き飛ばしてしまい苦労する様子が描かれている*2

強いのは間違いないが、悪魔の実の能力の中でもトップクラスに訳の分からない能力でもある。
悪魔の実の名前が明かされる前に能力を発揮した場面はあるが、これで悪魔の実の正体を当てることはまず不可能だし、明かされたとしても「そうはならんだろ」と突っ込むのが普通である。

元懸賞金の2億9600万ベリーは新世界編では飛び抜けて高いという金額ではなく、懸賞金=強さではないということを証明してくださるお方である。

PX-0

政府との“ある取引”でDr.ベガパンクの手により人間兵器パシフィスタに改造されており、脳以外のほぼ全てが鋼鉄の肉体となっている。型番はPX-0。
その脳もとある取引(後述)の後に改造が施され、完全に人格が消失してしまった。

堅牢な鋼鉄の肉体を持つため生半可な攻撃ではビクともせず、口からレーザー砲を放つことも可能。そのため前述の両腕を封じたところで、攻撃オプション自体が無くなるわけではないので油断できない。
ニキュニキュの実と合わせて鉄壁に等しい防御力を誇るが、ぶっちゃけこいつの場合は能力使ったほうが強い。


武装

口から鉄をも溶かすレーザーを発射するくまの代表的な武装。連射も可能。
Dr.ベガパンクがボルサリーノの「ピカピカの実」の能力を解析し再現したもの。


  • 肉球カウンター(仮称)
掌の肉球を盾のように扱って攻撃を受け止め、そのまま肉球で受けたあらゆる攻撃を弾き返す。
弾かれた攻撃は威力やスピードはそのままに異なる方向へ飛ばされる。攻撃してきた相手にそのまま攻撃を返すことも可能。

  • 弾き飛ばし(仮称)
掌の肉球で相手に触れ、相手を消し去ったかのような超スピードで弾き飛ばす。
戦闘においては実質的な即死技で、弾かれた相手は強制的に戦場から離脱させられる。
飛ばした先はくまにしか分からず、弾かれた相手は三日三晩空を飛び続ける。
相手を飛ばす際には「旅行するならどこへ行きたい?」と尋ねる場合もある。
SBSによれば、飛ばせる先はくまが行ったことがあるところだという。
…いろいろな意味で謎すぎる技にしてファンタジーであることを感じさせる技。

  • 圧力砲(パッドほう)
大気を光の速度で弾いて衝撃波を発生させる技。
被弾した箇所に肉球の形の痕ができる。
威力もさることながら、障害物で防ぐことが出来ず、それらを貫通してダメージを与える。

  • つっぱり圧力砲(パッドほう)
四股を踏んで体勢を整えてから両手を使って圧力砲を連射する。

  • 熊の衝撃(ウルススショック)
周囲の大気を手に収まるサイズまで圧縮して相手に向けて解放、圧縮された大気が瞬間的に元に戻ることで超広範囲に衝撃波を起こし、相手を吹き飛ばす大技。
圧縮するまで少々時間が掛かるが、その威力は絶大。
巨大海賊船のスリラーバーク全体を覆うほどの衝撃波が発生し、ゼロ距離でぶつければ巨人族や大砲による攻撃でもビクともしなかったリトルオーズJr.が一撃で瀕死に追い込まれるほどの威力を誇る。

  • ダメージ弾き出し(仮称)
人間の体から疲労や負傷の痛みといったダメージを弾き、肉球型のエネルギー体を作り出す。
エネルギー体に触れると溜め込んできた痛みを一気に味わう。
味方からダメージを抜き、敵には壮絶な痛みを与えるというえげつない使用法も可能と思われる。
なお、エネルギー体はある程度の時間が経つと、元の人へ還ってしまうため、「誰かが弾き出した痛みを受け入れねばならない」。


【作中での活躍】

時系列は新世界編を現在とする。

◆過去

47年前、南の海のソルベ王国にある教会で生まれる。
心優しき両親と共に平穏に暮らしていたが、世界政府に自身がバッカニア族の血筋だとバレてしまい、家族共々聖地マリージョアに連れて行かれ、4歳にして奴隷となる。

それからは奴隷として地獄のような苦痛の日々を過ごし、久々に会った父クラップから「母さんが天国に行った」と母親の死を告げられてしまう。
息子を元気付けようとクラップは「解放の戦士ニカ」の伝承を語り聞かせたが、うるさいからと目の前で父が天竜人に銃殺されてしまう。

それから時が経ち、9歳の頃(38年前)にゴッドバレーへ人間狩りの脱兎として連れて行かれる。逃げ出そうとするも、他の奴隷に連帯責任である事が原因で捕まってしまう。
だが、連れ戻される途中に当時同じく奴隷の1人であったイワンコフと、その妹のジニーに出会う。

人間狩りから逃れる為に彼らが立てたゴッドバレー脱出計画に協力し、先住民一掃大会の賞品である悪魔の実を手に入れるべく、イワンコフと共に行動。
混乱の最中、2人は悪魔の実を手に入れるが、その場に突如現れたロックス海賊団船員のシャーロット・リンリンがイワンコフの手にした悪魔の実を奪ってしまう。しかしイワンコフがくまをその場から遠ざけた為、なんとか悪魔の実を口にする事ができ、ニキュニキュの能力を手に入れる。
だが、それを五老星のサターン聖に発見されてしまい衝撃波で吹き飛ばされてしまう。
サターン聖から「お前は奴隷になる事と死ぬ事しか許されていない…」と冷淡に告げられるが、怯む事なく啖呵を切った。

……おじさんえらいの?
生まれた時からえらいなんておかしいよ…
生まれた時から奴隷なんて生まれる意味がない

ぼくに今何かの力がついたのなら
──ぼくは“ニカ”のように…

こんな(●●●)かわいそうな人達を
一人でも多く救いたい!!


その後は紆余曲折があったと思われるが、くまは能力によって500人を超える命を救い、イワンコフとジニーと共に自身の母国のソルベ王国へ辿り着く。
自由を謳歌する為に海へ出るイワンコフと別れ、ジニーと実家の教会で暮らすこととなり、平穏な日々を過ごす事ができたのであった。また、この頃に出会ったギョギョ達とは幼馴染の友となる。
かつてSBSで描かれた『二宮金次郎みたいに薪を背負って歩きながら本を読む子供時代のくま』はこの時の生活を描いたものである。

ゴッドバレー事件の8年後(くま17歳、30年前)、教会の牧師として成長したくまは、能力による治療もあって人々に慕われていた。
共に暮らすジニーは「甘やかし」だと諫めつつも、副作用*3を心配して傍に寄り添い続ける。
また、男たちに思いを寄せられるジニーは何度もくまと一緒になりたいと言い続けていたが、出自ゆえに不幸を味わったくまが彼女の想いに応えることはなかった。

くまが25歳の22年前、ソルベ王国ベコリ王は天上金を減らすためにくまたちの暮らす南部を切り捨てにかかる。
人権を失い、圧政にあらがう民たちを救ったのはイワンコフとドラゴンが率いる自勇軍――後の革命軍だった。
革命軍に参加したくまはイワンコフと並ぶ幹部、ジニーは「東軍」軍隊長として活躍することになる。

しかし8年後(くま33歳、14年前)、ジニーが何者かに攫われる事件が発生。
天竜人に目をつけられていたらしく、天竜人の妻として誘拐されてしまった。
それから2年が経ち(くま35歳、12年前)、ジニーから革命軍本部の電伝虫に連絡が入り、病気に感染した事で聖地から地上に捨てられた連絡を受ける。
だがジニーから「これはお別れの通信なんだ」と言われてしまい困惑。
くまは彼女から行先を言われなかったものの、迷わずソルベ王国の実家の教会に飛んでいく。
そこには全身が青い結晶に覆われ息を引き取り横たわったジニーの遺体と、ボニーと呼ばれる赤ん坊がいた
ジニーは自然光を浴びると身体が固まってしまう病気に感染しており、病で命を削られつつもボニーと共に船で王国へ帰還し、教会で力尽きてしまったのだ。

くまは涙を流すが、残されたボニーを育てる事を決意した。

ジニー 安心してくれ…この子はおれが育てる

それからはボニーの子育てと革命軍としての活動を両立し、多忙ながらも幸せな日々を送っていた。
だがある日、ボニーの右頬にジニーと同じ青い結晶が発症してしまう。
ボニーの身を案じたくまは彼女の側にいるために、ソルベ王国にいたい事をドラゴンに話し、革命軍を離れる事とる。

ボニーが5歳になった頃(くま40歳、7年前)、医者からボニーは「青玉鱗」と呼ばれる難病を患っていること、治療法もなく10歳までしか生きる事できないことを告げられる。
しかし、ボニーがこの会話を聞いておりくまは咄嗟に、「この病気は10歳までは治らない」と嘘を言ってしまう事に。

それから1年後(くま41歳、6年前)、ベコリが天竜人の絶賛したゴア王国の政策を模倣した大量殺戮を引き起こす。
これにくまはとうとう堪忍袋の緒が切れ、ベコリのいる王宮まで攻め入り、彼を国から追い出した。
その後は国民からの支持により国王となるが、海外に追放したベコリがくまのことを「村を燃やし暴力で王位を奪った」と大々的に報道。
ベコリが再び国に戻り王位を奪いに来ることを危惧したくまは、ボニーを先々代国王のブルドッグ達に託し、1人海へと出た。
ベコリ率いる海軍艦隊を1人で壊滅させ、これをきっかけに彼は海賊として手配され、異名に“暴君”の名が付く。

海に出て海賊になった後は、「青玉鱗」の治療法を見つけるために世界各地を放浪するが*4、有益な情報が見つからずにいた。
そんな中、4年前*5にドラゴン達革命軍の船と遭遇。ドラゴンが青玉鱗を治せるかもしれない人物としてベガパンクの名を挙げ、ボニーと共に彼の研究所があるエッグヘッドへ向かう。

ベガパンクと出会い、彼から治療をする事が可能と聞かされる。手術を無償で行う条件として、バッカニア族をもとにしたクローン兵の製造許可を求められる。
くまは自分のクローン兵を造られる事に困惑したが、「自分のクローン達が誰かの人生を救えるのなら自分が生まれたことに意味があるのかもしれない」と考え、これを承諾した。
くまはボニーの病気を治せるならベガパンクが悪魔でも構わない事を話し、そんなくまにベガパンクは彼の人間性を絶賛した。

聖人じゃな お前は

聖人…?…おれはただの
気弱な“平和主義者”(パシフィスタ)


だがいくらクローンの素体としてはうってつけであったとしても、くまは現在海賊で、今や世界に名の知れた高額賞金首である。そんなくまの姿をした兵器が海軍の兵士として活動すると、海軍として面目が立たない事をサターン聖に電伝虫越しで指摘される。
サターン聖はボニーを治療させる条件として、

  • くまが海賊として王下七武海に加盟する事*6
  • くま自身が海軍の「人間兵器」になる事
  • 最終的に一切の「思考」と「自我」を捨ててもらう事

この3つを挙げた。
特に最後の条件は余りにも人道に外れているとベガパンクは憤慨し、サターン聖に猛反発するが…

ありがとう ボニーの病気が治るなら
おれはどんな運命でも受け入れる…!!!

なんとくまはこの条件を承諾してしまう。

ボニーの青玉鱗の手術には半年かかり、その後1年もすれば外に出られ完治するとベガパンクから告げられ、それにくまは安堵する。
しかしサターン聖は更に

  • 手術後にボニーの身柄は「世界政府」が預かる事
  • くまが自我を失った時にボニーに自由を与える事
  • 手術後はボニーとの接触・逃走の禁止

と過酷な条件を提示する。
これに対してくまは、ボニーの術後は政府の施設ではなく、育った地のソルベ王国の教会で養生させて欲しいと要求。
そうすれば、「おれは絶対に娘に会いに行かないしあんた達の言いなりに動く…!!!」と話した。
サターン聖は監視がいればどこでも同じと考え、この要求を承諾する。
半年程エッグヘッドでボニーの手術を行った後、くまはソルベ王国へボニーを帰し、彼女に「ありがとうボニー 生まれてきてくれて!!」と別れを告げて、教会から去っていった。

自我を失うまでの間は、何も言わずに各地で活動する革命軍の手助けなどを行っていた。
また、フーシャ村から出航する1年前のルフィの様子も見に行っている*7

◆空島編

本編初登場。
サー・クロコダイルの後任を決める会議で、暇潰しに来たドンキホーテ・ドフラミンゴと共に招集に応じて参上している*8
初登場時の懸賞金2億9600万ベリーはドフラミンゴより低いとは言え、この時点で登場していたキャラの中では中々インパクトのある額だった*9

◆スリラーバーク編

麦わらの一味と当時七武海だったモリアとの戦いが佳境に差し掛かった頃、突如スリラーバークに現れ、襲い掛かってきたペローナをニキュニキュの実の能力でクライガナ島のシッケアール王国跡地に飛ばしてしまった。 (何の偶然か、これが結果的にゾロの命を救う事に…。)
クロコダイルの後任の七武海に黒ひげが就任したことをモリアに伝え、その際「必要ならモリアに加勢する」と言ったため、モリアから激高されていた。 この後のくまの動向を考えれば、ルフィらを助けるためにモリアを煽ったのかもしれない。モリアはこのまま日の出まで逃げ続ければ勝ってたし。

モリア戦後、すでに限界まで疲弊していた麦わらの一味の前に登場。
世界政府からの抹殺司令を受けて麦わらの一味を攻撃し、気絶していたルフィを守ろうとした一味やその協力者達を1人で圧倒する。
世界政府からは全員抹殺の指令を受けていたが、「弱り切ったお前たちを消しても何の面白みもない」とルフィ一人を差し出せば他の人間は見逃してやると提案。
だが、全員がその提案を拒否したため、熊の衝撃でその場に居た全員を戦闘不能に追い込んだ。

麦わらの一味のほとんどが気絶した中、ゾロから「船長のルフィの代わりに自分の首を持っていくことで譲歩して欲しい」と請われる。
割って入ったサンジを力づくで制止してまで申し出たゾロの覚悟を見て、くまは「今ルフィに手を出せば恥をかくのは自分」とその提案を受け入れる。
その代わりに、自分の能力で弾き出したルフィの壮絶な疲労・痛みを受けるよう命令。
ゾロはそれをためらうことなく実行した*10
仲間のために命を捨てるゾロの覚悟を見たくまは「いい仲間を持ってる……流石はあんたの息子だ ドラゴン」と呟きながら、スリラーバークを去った。

この件について、政府には「逃げられた」と嘘の報告をしたため、センゴクから「もっとマシな言い訳をしろ」と咎められている。

◆シャボンディ諸島編

大将“黄猿”や戦桃丸、パシフィスタの圧倒的な力を前にして、壊滅の危機に瀕していた麦わらの一味の前に現れ、能力を使って麦わらの一味を世界各地へ飛ばした。
その際、レイリーには「ルフィ達をここから逃がす」「自分にはもう時間がない」と告げている。

そしてその言葉通り、これが自我を持つくまの最後の姿となっており、この後ベガパンクにより完全なサイボーグに改造された。

エッグヘッド編におけるくま視点での回想ではレストランで食事しているボニーを窓越しに覗いており、元気でいる彼女に安堵の表情を見せていた。
その後人間屋の騒動を聞きつけ、魚人族(はっちゃん)を守るために奮闘する麦わらの一味を見て驚愕。
何百年ものあいだ誰一人行うことの出来なかった「大逆事件」を目の当たりにした彼は、自らの生きた証をルフィの未来へ残す事を決めた。
前述のように窮地に陥るルフィ達の前に姿を見せ、任務を遂行するフリをして一味を黄猿たちから逃がす*11
この時「仲間一人も救えない」と絶望するルフィを内心で「そんな事はない……!」と期待をかけつつ、
彼らが新世界のレベルに挑むにはまだ早いとして、それぞれ彼らが特訓できるような場所に飛ばした。
なお上述の通り放浪していた時に行った場所へ飛ばしてるが、実はルフィとブルック以外は自分の知り合いや縁のある場所へ飛ばしている。ルフィに関してもレイリーの親しい人物の場所へ飛ばし、レイリーに飛ばした方角を伝えている。ブルックだけ多分適当 なんなら一味に加入したことを知らなかった可能性もある。

今はまだ早い 世界を知り強くなれ
お前は世界を救う男だ

◆マリンフォード頂上戦争前

最後の改造手術当日。
くまはベガパンクに「麦わらの一味の誰かが帰ってくるまで彼らの海賊船を守るようプログラムして欲しい」と要求。
また、ルフィの能力は自分の憧れであるニカのようだとベガパンクに話す。
この時、ルフィこそがこの海を救うヒーローだと信じている事を明かしている。

そして以前の約束通り、自らの記憶の結晶を弾き出して譲った後、彼は最期に娘への言葉を遺して自我を失った。

ありがとう───なァ ベガパンク
──ボニーを救ってくれて ありがとう──
──ボニーに会ったらこう伝えてくれないか──

10歳の 誕生日 おめでとう


この時サターン聖の命で万が一の為の自爆スイッチが取り付けられていたが…。

◆マリンフォード頂上戦争編

頂上戦争では世界政府からの徴収を受け、王下七武海の一人として白ひげ海賊団を相手に戦った。
この時、巨人族の海兵数人がかりでも刃が立たなかったリトルオーズJr.に熊の衝撃で重傷を負わせたり、自分と同じ革命軍の幹部イワンコフを足止めするなど活躍を見せている。
この時点でくまの自我は完全に失われているため、かつての仲間であるイワンコフにも容赦せず攻撃を仕掛けた。

◆二年間

頂上戦争後はプログラム通り、満身創痍になりながらも海軍や海賊、賞金稼ぎなどからサウザンドサニー号を無傷で守りきり、2年後に一味のメンバーであるフランキーが帰って来たと同時に「任務完了だ…」と呟きながら去っていった。


◆ドレスローザ導入前

海軍本部でブランニューの説明から、七武海の称号を保持したまま海軍の人間兵器となっていることが判明した。

◆世界会議編

しらほし姫を誘拐しようとしたが、ミョスガルド聖による攻撃で大怪我したチャルロス聖を迎えに来たチャルロスの父、ロズワード聖。
そんな彼が乗っていたのが背中にサーベルが数本刺さり、首輪と奴隷用の服をつけていた"くま本人"だった。
登場時の人物名の項目に「現王下七武海(元革命軍幹部)」の後に新たに「及び元ソルベ王国国王」という肩書が追加されている。

「無敵奴隷」と呼ばれており、「刃物で突き刺そうが、鈍器で殴ろうが一切悲鳴を言わない最上級の奴隷」と天竜人がレンタルで借りまわしていた。
革命軍幹部のモーリーは「くまちゃんの人生こそ世界政府の犠牲そのもの」、リンドバーグは「加盟国の国王だから見せしめに使った。神に逆らったらこうなると!」と語っている。そして、優しかったくまを政府から取り返すことを改めて誓い合った。

一方、ソルベ王国王太后「コニー」になりすましたジュエリー・ボニーがこの様子を見ていたが…?

(許さねェ……!!)

(絶対に!!!)

◆ワノ国後日談

世界会議(レヴェリー)に乗じて革命軍のサボ・モーリー・リンドバーグ・カラスの4人がマリージョアを襲撃した事件は既に語られていたが、なんとその結末は本物のくまの身柄を革命軍が奪還し、脱出に成功したというものだったことが判明。
ただし今までの人体改造と奴隷生活の影響によって、かつての人格は完全に消失、仲間のドラゴンを認知できず「オオセノ通リニ」と呟くなど廃人同然と化していた。

◆エッグヘッド編

ここでボニーの口からくまと親子関係にあること、くまが“特殊な種族”であることが判明。

また、CP-0がベガパンクの暗殺の為エッグヘッドにたどり着いた頃、カマバッカ王国で修理を受けていたくまが突如動き出し始めた。
能力で自身を赤い土の大陸まで飛ばし大陸に衝突、海軍に砲撃を受けながらも大陸を登ってマリージョアへ辿り着く。
その場にいた元帥赤犬から迎撃されるも、能力を使いその場を脱する。
そしてくまはボニーのいるエッグヘッドへと到着。サターン聖に殺されかけたボニーを間一髪で救い、サターン聖の顔面めがけて一撃を見舞う。
サターン聖は革命軍がくまを奪還した後に仕込んでいた自爆スイッチを起動しており、くまがこの場へ現れたことに驚く。実はベガパンクが取り付けていたのは「完全停止スイッチ」であり、本来なら動くことすらなかったはずだが、バッカニア族が持つ種族としての特性が起因したのではないかとベガパンクは推察している。
完全停止した後はベガパンク「暴」によってボニーと共に連れ出され、麦わらの一味と共にエッグヘッドから脱出することになる。
救援に駆けつけた巨兵海賊団の助けもあり、無事にエッグヘッドを出港。かつてボニーと交わした「一緒に水平線を見る」約束が、遂に果たされることとなった。

自我が消えた筈のくまは、わずかに笑みを浮かべていた…。

【余談】

名前の元ネタは、海賊黄金時代の最後にして最大の大海賊として名高いバーソロミュー・ロバーツだと思われる。
そこに「くま」を繋げるネーミングセンスはONEPIECE全体で見てもひときわ異質。

また海賊であるにも拘らず彼のグッズが存在しているようで、ドレスローザにて迷子になった子供が「くまの顔がプリントされたTシャツ」を着ているシーンがある。
はぐれた子を探している母親は「くまのシャツを着てます」と子供の特徴を言いながら探しているのだが、まさかそっちのくまの絵が描かれているとは普通は思わないだろう。
作者の遊び心が生んだギャグシーンと言える…が、後のエッグヘッド編で明らかになった彼の七武海加入の経緯と加入後の行動から政府の宣伝の一環である可能性も考えることができ、単なるギャグシーンとは言えなくなったかもしれない。



追記・修正はサイボーグ改造手術を受けた方がお願いします。

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最終更新:2025年06月04日 02:41

*1 他2つの種族は巨人族とルナーリア族の事

*2 ソルベ王国でジニーと平和に暮らしてた頃である模様。

*3 人々を返した後、痛みが元の人に戻る前にくま自身がダメージを肩代わりし続けていた。

*4 この時訪れていた土地は後に麦わらの一味を飛ばした国や島々となる。

*5 パンクハザードの事故の発生直後

*6 この時期に、当時ルーキーだったポートガス・D・エースが七武海の一角を落とした為、その後任としての加盟。

*7 過去に革命軍としてゴア王国に訪れていた時、ドラゴンが1人の少年を目で追っている事について聞くと、ドラゴンから「子は…親の弱点だ」と言われており、ここでルフィの存在を知ったと思われる。

*8 なお、この時点で作者は「くまがルフィ達をバラバラの場所へ飛ばす」という展開を決めていた

*9 直前の大ボスであるクロコダイルは元8100万ベリー。

*10 後にくまが(これはおれでも気を失うかもな)と独白していたことが分かった。

*11 会話から察するに、友人である黄猿もくまの真意に気づいていたのかもしれない。