ヤバソチャ

登録日:2023/09/23 Fri 12:35:11
更新日:2025/02/13 Thu 23:07:13
所要時間:約 6 分で読めます





お茶のふりをして間違えて飲んでしまった
相手の生気を吸い取ろうとするがばれがちだ。

頭の茶せんでかき混ぜるほどエネルギーが充填される。
戦いに挑む準備である。


ヤバソチャとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。

■データ


全国図鑑No.1013
分類:まっちゃポケモン
英語名: Sinistcha
高さ:0.2m
重さ:2.2㎏
タマゴグループ:こうぶつ/ふていけい
性別比率:ふめい

タイプ:くさ/ゴースト

特性:おもてなし(登場したとき味方をもてなしてHPを少しだけ回復してあげる。)
隠れ特性:たいねつ(耐熱の体によってほのおタイプの技のダメージを半減させる。)

種族値
HP:71
攻撃:60
防御:106
特攻:121
特防:80
素早さ:70
合計:508

チャデス (マガイモノのすがた)→ボンサクのちゃわんを使用してヤバソチャ (ボンサクのすがた)
チャデス (タカイモノのすがた)→ケッサクのちゃわんを使用してヤバソチャ (ケッサクのすがた)

■概要


スカーレット・バイオレット』のダウンロードコンテンツ『ゼロの秘宝』前編「碧の仮面」から追加されたポケモン。
「碧の仮面」が配信される三週間前の2023年8月22日に、ヤバソチャの進化前であるチャデスが初公開され、更に同エピソードの舞台となるキタカミの里に伝わるというチャデスにまつわる話の紹介PVが配信された。

その話によると、茶道を極めようとするあまり、客に対してあまりにも厳しく接しすぎたせいで客足が途絶えてしまい、道半ばで力尽きてしまったとある茶人の無念が残された茶入れに宿ったことで誕生した……と語られている。
性格もその茶人譲りで、マナーに非常に厳しく、食器や食べ物を粗末にすると怒って自身の抹茶の粉末をかけた相手の生気を奪ってしまう。
ちなみに、件の粉末は掛けた相手の肌をつやつやにしたり、欠けた茶碗などの金継ぎに使えたりするといったちょっと役に立ちそうな性質を持つ。また、住み着いている家の食器やデカヌチャンのハンマーなどを勝手に金継ぎしていることがよくあるという。
キタカミの里では子供に食べ物を粗末にしないように躾けるためにこの話が用いられており、更にこの地では抹茶フレーバーもご法度らしい。

姿は茶入れに粉で出来た腕と一本の茶杓を持っているというもの。
PVではこの茶杓でマナーの悪い人間を叩いているシーンがある。警策か?

進化してヤバソチャになると、液状化した体になり茶筅を帽子のように被った姿へ変化を遂げる。
またそこは穴が開いており、そこからお茶で構成された二本の短い脚が出ている。

民家の床下や棚の奥など冷暗所を好んでおり、夜になると獲物を求めて徘徊するという。その際にはお茶のふりをして間違えて飲んでしまった相手の生気を吸い取るという方法を取っているようだが、成功率は低いとのこと。進化前よりも劣化してない?
また頭の茶筅でかき混ぜることがあるが、こうすることでエネルギーを充填させて戦いの準備をしているためらしい。

似たポケモンであるポットデスと同じように、住み着く茶入れの質によって二つの姿が存在しているのも特徴。
チャデスでは「マガイモノのすがた」と「タカイモノのすがた」、進化すると「ボンサクのすがた」と「ケッサクのすがた」で分かれている。
タカイモノ、ケッサクはやはりポットデス系統の真作と同様に出現率が低い。
見分け方は進化前と同じく底に窯印があるかどうか。だが、窯印に個別の色が無い上、前作のようにダイマックスさせられたら底が見えやすくなっただろうが本作ではかなわないのもあり、見た目による判別がポットデスより更に困難になっている。進化に使う道具でどちらのすがたなのか判断することになるだろう。あるいはカメラをぐりぐりやってみるのも良いかもしれない。
★6のテラレイドバトルでは比較的ケッサク個体が出やすいため粘ってみるのも一興。それでも捕獲するまでどちらかわからないのは難点か。

色違い個体だと、茶器の黒色の部分がやや緑がかるといった違いがあるが、パッと見違いが判り辛い。

以上のようにポットデスと共通する点が多いことから、ポットデスのリージョンフォームのように思える……が、実は最近の研究によるとまったく関係のない別のポケモンであることが判明している。


■ゲームでのヤバソチャ


「碧の仮面」のシナリオ内では、新キャラクターのゼイユがボンサクのすがたを繰り出してくる。
一番最初の戦いでは進化前のチャデス(マガイモノの姿)だが、二回目以降はヤバソチャに進化させている。また、彼女のパートナーでもある。

野生では、スイリョクタウンの東側にある竹林に進化前のチャデスが生息しているのでそこで捕獲できる。

前述の特徴から、色違いかつ「ケッサクのすがた」のヤバソチャの入手はいろんな意味で面倒なことになっており、一種のやり混み要素に近い。
幸いにも、低確率とはいえタカイモノのすがたのチャデスだけが出現する大量発生も起こるので、根気よく粘れば不可能ではない。


■対戦でのヤバソチャ


通算6匹目となるくさ/ゴースト複合。
遂にくさ/ゴースト複合統一パが組めるようになってしまった。ナタネさん逆歓喜である。

と違い、そっくりさんのポットデスからガラリと種族値が変わり、防御・特攻に優れて特殊耐久は不安、という正反対のバランスに変わった。
ちなみに素早さは全く同じだが、攻撃力は少し削られている。また、合計種族値は全く一緒。

専用特性は「おもてなし」。
登場した際に味方の最大HPの1/4を回復するというもので、その性質上ダブルバトル専用の特性。
ただ、その性質上先発で出しづらくなると言う難点もある。もっとも、有利対面を作る事を考慮するのであれば無理して特性を活かそうとする必要は無い。
夢特性はお茶碗らしく「たいねつ」となっており、シングルバトルではこれ一択と考えていい。最終進化系で「たいねつ」を持つのはドータクン以来2種目(進化前ならタンドンがいる)。

加えて専用技として「シャカシャカほう」も持つ。
威力こそ並程度であるが、与えたダメージの半分を回復し更に2割の確率でやけど状態にするというとんでもない追加効果を持つ。
しかも範囲は敵全体であり、特性も相まってダブル適性も高い。味方も巻き込む「パラボラチャージ」とはどこで違いが出たのか
さすがにそんな技が当たりやすいのはまずいため、命中は90と不安定。こればかりは仕方ない。

ただ、タイプ一致の特殊技以外は「ねっとう」「イカサマ」程度しかないのが悩み。
完全な攻撃特化にするよりは、補助技も活かしつつ運用した方が無難か。

くさ/ゴースト複合なだけあって変化技は豊富だが、その習得はくさタイプらしい方向に寄っており、その上で個性的なバリエーション。
「ちからをすいとる」「しびれごな」「リフレクター」「おきみやげ」「トリックルーム」に加えてダブル用の「いかりのこな」など。
一方「おにび」「のろい」「あやしいひかり」と言ったゴーストらしさのある技は覚えられない。
同じく「のろい」を覚えないハカドッグ*1や陽キャな印象のサーフゴーなど、「パルデアの新規ゴーストは総じてゴーストらしくない」とも言えるが、ヤバソチャもまたそれに当てはまっていると言えるかもしれない。
「おにび」については、さすがに技の構成がやけどまみれになるのを避けた形なのだろう。
その他積み技では「めいそう」・「わるだくみ」・「てっぺき」と一通り揃う。

相性の良い持ち物は、高い物理耐久とやけどにする技を活かした「たべのこし」や「ゴツゴツメット」。
あるいは「シャカシャカほう」の回復量が上がる「おおきなねっこ」、特攻は低くなったものの依然高い数値なため「いのちのたま」等の火力アップアイテムが候補。

弱点は前述した技範囲の狭さと特殊耐久がやや低めなこと。
一致技とねっとうを半減にするサザンドラは天敵であり、逆に一致技で弱点を突かれる上にやけども効きにくい。

テラスタルは弱点の数を減らしつつ「ねっとう」をタイプ一致で撃てるようになるみずや、耐性が多く「たいねつ」を有効に活かせるはがね、元タイプと合わせ一撃・連撃両方のウーラオスに対抗できるようになるフェアリー辺り。

解禁以降は主にダブルバトルで活躍中。
テツノカイナガラルファイヤーといった優秀な積みアタッカーを「おもてなし」でサポートする構築が多い。


■余談


  • チャデスが初公開された紹介PVは実写パートとアニメパートの混合。まず語り部が子供たちに話をしている実写シーンから始まり、途中から紙芝居風のアニメが流れるというもの。
    そして最後に、いつの間にか子供たちと語り部に抹茶を振りかけており、最後は全員の生気を奪って姿を現すという、やはりゴーストタイプのポケモンであることを印象付けるかなりホラーな演出となっている。

  • 共通点の多いポットデスと比較すると、進化前と進化後でネーミングが逆になっており*2、進化の姿もカップからポットになるポットデスに対して、ヤバソチャは茶入れから茶碗になるとこれも対になっている。

  • 体表にある3つの点の元ネタは、地図記号の茶畑と思われる。

  • チャデスやヤバソチャの陶器部分にはヤバチャに似た顔のような模様が描かれている。
    偶然か必然か、こういったユニークな絵柄の染付茶碗というのは日本の歴史上でもちゃんと実在している
    元祖は千利休の高弟、利休七哲の一人であるゲヒ殿古田織部が生み出した「織部好み」と呼ばれる器がそれ。特に「黒織部茶碗」にはへんてこな渦巻き模様のようなものが描かれたものも残されており、ヤバソチャが入った器の趣にそっくりである。


追記・修正はチャデスの厳しい指導にも耐えられる人にお願いします。

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最終更新:2025年02月13日 23:07

*1 ハカドッグは誕生の経緯から生前「のろい」「うらみ」という感情を抱かずに済んだからと思われる。ヤバソチャは「来なくなったお客への怨念」を抱いているというより「道半ばで亡くなったという無念」の方が強いのかもしれない。

*2 他言語名においても全て逆というこだわりっぷりである。