ウミトリオ

登録日:2022/12/01 Thu 18:42:17
更新日:2025/07/07 Mon 20:24:30
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見かけによらず気性が荒い。長い体で獲物を締め上げ巣穴に 引きずりこむぞ。

魚ポケモンの一種。ダグトリオのリージョンフォームと考えられていたこともあった。


ウミトリオとは「ポケットモンスター」シリーズに登場するポケモンの1体である。


■データ

全国図鑑№:961
分類:あなごポケモン
英語名:Wugtrio
高さ:1.2m
重さ:5.4kg
タマゴグループ:水中3
性別比率:♂50%♀50%

タイプ:みず

特性:ぬめぬめ(直接攻撃を使用してきた相手のすばやさを1段階下げる。)
びびり(あくゴーストむしタイプの攻撃技を受けると、すばやさが1段階上がる。いかくを受けたときにもすばやさが1段階上がる。)
隠れ特性:すながくれ(天気がすなあらしのときに受ける技の命中率が0.8倍になる。タイプによらず、すなあらしのダメージを受けなくなる。)

種族値
HP:35
攻撃:100
防御:50
特攻:50
特防:70
素早さ:120

合計:425

努力値:素早さ+2

進化:ウミディグダ→ウミトリオ(Lv26)

■ウミディグダ

全国図鑑№:929
分類:あなごポケモン
英語名:Wiglett
高さ:1.2m
重さ:1.8kg

タイプ:みず

■概要

スカーレット・バイオレット」にて初登場したポケモン。
進化前のウミディグダは初代に登場したディグダと似た名前・姿・同じ能力値だが新たな進化やリージョンフォームとかではなく、似てるだけの全く別のポケモンである。
ウミディグダはあなごポケモンに分類される魚のようなポケモンであり体色は白で鼻は赤く体は細長い。
ゲームでは浅瀬に生息しており、図鑑によると海中のエサを食べて過ごしているらしい。ただディグダ同様地面に潜る習性があり、相変わらず全身像は不明。
その大きな鼻で20m先の臭いを嗅ぐことができ、臆病な性格で他のポケモンの臭いに気が付くとすぐに身を隠す。

ウミトリオに進化するとダグトリオ同様3体となり、体も大きくなる。ダグトリオと同じくレベル26で進化し、能力値も同じだしやっぱり何か関係あるのか?
こちらは岩に潜んでいてそこから体を伸ばしている。体色も赤くなり鼻が白くなる。
臆病だったウミディグダから一転して獰猛な性格で、獲物に細長い体を巻き付かせて締め上げる事がある。

なお進化するとなぜかデカく重くなるダグトリオとは違い、高さはウミディグダと変わらず重さも丁度ウミディグダの3倍である。これただ3匹集まっただけじゃないのか?

■ゲームでのウミトリオ

進化前のウミディグダ共々海岸に生息している。
ディグダとは違いその場からは動かないものの、こちらが近寄ると引っ込んでしまうため距離をとってボールを当てないと戦う事ができない。
最初にクワッスを選ばなかった場合は水枠として旅パに加えてもいいかもしれない。

トレーナーではジムリーダーハイダイがウミトリオを繰り出してくる。


■対戦でのウミトリオ

ディグダ→ダグトリオとは異なりタイプはみず単タイプ。じめん単タイプのディグダより弱点が少なくなっている。
種族値はダグトリオと完全に同じであり、素早さと攻撃は高いものの他は非常に低い。

特にHP35、防御50、特防70は一部の進化前に負けるレベルの耐久力であり、
具体的には同じみずタイプの ゼニガメ にすら負けている。

また長所となりうる筈の素早さの高さも大体こいつらのせいで今となってはそこまで抜けて高くなく、後述の技の問題であまり強みとして機能していない。

またダグトリオは貧弱すぎるステータスを補うように、浮いている相手やゴーストタイプ以外のポケモンの交代を封じる強力な特性「ありじごく」を持つ。
しかしウミトリオの持つ特性は通常特性は「ぬめぬめ」「びびり」のいずれか。隠れ特性は「すながくれ」である。

通常特性は二つとも攻撃を受けることが発動条件となっているため、低すぎる耐久力のせいで肝心の発動回数が少なくなりがち。
加えて仮に相手のすばやさダウン及びこちらのすばやさが上昇しても、元から速いウミトリオ自体に恩恵をもたらす場面があまりないと、散々なことになっている。

隠れ特性は「すながくれ」。これはダグトリオも持っている特性となっている。ダグトリオの場合は「ありじごく」が強力なため採用されることは一切無いが
天候を利用した回避戦術自体がそもそも強力でなく、被弾すればほぼ確実に即死してしまうウミトリオにとってあまりに心許ない。
砂嵐によるスリップダメージを受けなくなることくらいしか際立ったメリットがないものの、タスキを潰され辛くなるお陰で一番実用的か。

ウミトリオの持つ特性はこぞって微妙だが、これらを上手く活かして差別化を狙うことになるが正直な所きびしい。せめて「ありじごく」さえあれば……。

では専用技はどうだろうか?
ウミトリオが登場したSVでは強力な専用技が多く実装されており、キョジオーンタケルライコ等のように専用技が採用理由に直結していることもしばしばある。

そしてウミトリオも専用技として「トリプルダイブ」を習得する。
威力30の攻撃を3回連続で繰り出す水物理技であり、命中率は95%。
連続攻撃なので相手の「がんじょう」や「きあいのタスキ」に強いのが嬉しいポイント。ちなみに1回目さえ当たれば必ず3回攻撃する。

ウミトリオにとっては最大のセールスポイントとなりうる……と言いたいところなのだが実はこれも多くの問題があり、3回攻撃してしまう為ひたすら接触技に反応する特性やゴツゴツメットに過剰に引っかかる。
特にほぼタスキしか持てないウミトリオにとっては割と大問題である。
ウルガモスに殴り掛かったらいきなり燃えて返り討ちに遭ったり、ゴツメガブを殴ったら逆に死にかけるのはよくある事
威力自体も合計で90と表面上は汎用水技の「アクアブレイク」と殆ど変わらず、95というやや安定しない命中率のせいでたまに不発に終わってしまうこともある等、どこを取ってもなんとも言えない微妙な性能。

そしてなにより、れんげきウーラオスの専用技「すいりゅうれんだ」と性能が丸被りしており、実質的な威力と命中率で完全に負けている始末。
既存技の完全下位互換とはいくらなんでもあんまりすぎる…

他には「アクアブレイク」や先制技の「アクアジェット」も覚える。因みに「たきのぼり」は覚えない。岩がくっついているからだろうか?

サブウェポンは「ふいうち」「イカサマ」「じごくづき」といった技や、ディグダの名を持つからか「じだんだ」「じならし」といった地面技を覚える。
しかし相性補完になるこおり技は全て貧弱な特殊技、他はノーマル技ばかりとかなり攻撃範囲は狭い。
これ以上のサブウェポンが欲しいのならば必然的に「テラバースト」に頼る事になる。

また「じしん」をはじめとして、「じわれ」「がんせきふうじ」「いわなだれ」「きしかいせい」「がむしゃら」等、ダグトリオが覚える相手の妨害や一発逆転を狙える攻撃技をウミトリオは悉く覚えられない
「がんせきふうじ」に関しては同じ追加効果を持つ「じならし」で代用可能だが、タイプ相性で無効化されるため安定性が落ちている。

変化技に関してもダグトリオが覚える「つるぎのまい」「ステルスロック」をまたしても覚えない
ウミトリオが覚える変化技で抜けて有用なものは「おきみやげ」「いたみわけ」くらいで、他は殆どが凡庸または貧弱なものしかない。
因みにウミトリオがレベル技で習得できる補助技は「すなかけ」一つだけと異様にショボい。

このように、特性の「ありじごく」で有利な相手を逃さないようにしつつ狩ったり、「がんせきふうじ」「ステルスロック」「おきみやげ」による起点作成や、タスキで攻撃を耐えて「がむしゃら」や「きしかいせい」で反撃するなどといった、コピー元のダグトリオができる独自的かつ強力な戦い方の全てをウミトリオは一切できない

総評すると、貧弱な種族値を優秀な技と特性で補っていたダグトリオから優秀な技と特性だけをごっそりと取り払い、残ったものでなんとか水高速アタッカーに仕立て上げたような性能になっている。
だが、それだとカマスジョーと役割が被ってしまうのがなかなかに手痛い……と言うより攻撃範囲もステータスも劣化している

トータルするとステータスでも特性でも技でも総合的な強さであらゆるポケモンに劣っていることから、第9世代出身ポケモンの中ではぶっちぎりの最弱の烙印を押されてしまっている。
「ありじごく」が貰えなかったこと、層の厚いみずタイプで生まれてしまったこと、優秀な専用技を貰えなかったこと悪かった……。


一応、ダブルバトルならシロデスナを「トリプルダイブ」で3回攻撃し、特性のみずがためで防御を6段階上昇させるコンボは可能。
「くだけるよろい」持ちを攻撃し、素早さを6段階上げるといった手もある
……のだが、前者はそもそものシロデスナの足が遅い上に特殊耐久はそのまんまであるためそのまま叩きのめされる可能性があり(ウミトリオのせいでトリックルームにも頼れない)、後者もその代償で防御ランク-3なので先制技を受けると大惨事になると、どちらもまあ浪漫戦法で頼りにならない。
しかもDLCでドーブルが復帰したせいで完全にお役御免になってしまった


■余談

  • モチーフはアナゴ。その中でも特にウミディグダはチンアナゴ。

  • 現実でもウミヘビのように、「に住んでて他の生物に似ている」という意味でウミ○○と名付けられる生物はいる。
    • ちなみに現実のウミヘビにも魚類と爬虫類の両方がおり、奇しくもディグダと同じように「全く別種の生き物が同じ名前で呼ばれている」例となっている。

  • また、イルカやクジラのように哺乳類でも水中に適応するために魚っぽい外見に進化することもあるので、ウミディグダやウミトリオも同じような例なのではないかという推測もされている。
    • このような全く別の生物なのに似たような形態に変化することを収斂進化(しゅうれんしんか)と呼ぶ。イルカ・クジラの手と魚のヒレ、モグラとオケラの手の形など、同じ目的のために似通った形を手に入れた進化のこと。

  • ディグダ系とウミディグダ系の場合は、収斂進化なのであれば地中を掘り進めるため・水中を泳ぐためにそれぞれ抵抗を受けない体型に進化した結果、似た形態になったのだろう。

  • 今作ではドククラゲにそっくりな見た目をしているキクラゲポケモンのリククラゲという、ウミトリオと同じく既存ポケモンの近縁種を思わせるポケモンが登場しているが、こちらは似ているだけで特に収斂進化を思わせる要素はない。


追記・修正は砂に潜ってからお願いします。

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最終更新:2025年07月07日 20:24