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サンダーインパルス(Vガンダム)

登録日:2024/12/17 Tue 20:01:09
更新日:2026/08/20 Thu 09:07:28NEW!
所要時間:約 5 分で読めます





ハハハハハ おどろかせて悪かったな!

サンダーインパルス見参!!

画像出典:『新装版 機動戦士Vガンダム』第1巻 第7章「白い彗星!!」岩村俊哉 矢立肇・富野由悠季 (原案)/KADOKAWA 



サンダーインパルスとは、機動戦士Vガンダム漫画版に登場した小隊である。
TVアニメ版には未登場である。
また「隊」はつかない
それとZGMF-X56Sの形態の1つでもないし、雷龍剣は無関係。

【概要】

ザンスカール帝国軍に所属する小隊で、ゼナ、ブラスト、シューバットの3人で構成されている。(フルネームや階級は不明)
元々はMSグランプリのトップドライバーであるが、高機動に重視しすぎて誰も操縦できなくなったリグ・シャッコーのパイロットとして招集された。18年くらい早いね
なおレーサー時代はゴッゾーラのようなMSに乗っており、どうやらその頃からザンスガール帝国と繋がりがあったと思われる。
「このリグ・シャッコーはごきげんなMSだぜ!」という程気に入っており、初登場時は戦艦のメインブリッジに猛スピードで近づきぶつかる寸前に急旋回するという操縦技術とヤンチャな一面を見せていた。

彼らはそのままウッソ・エヴィンVガンダムがいるリーンフォースを襲撃。
三位一体の攻撃とコンビネーション、更にウッソの操縦にVガンダムがついていけない事態も発生し、あっという間に彼を追い詰める。
更にアステロイドベルトでも苦なくMSを操りじわじわと追い詰め、いよいよコクピットだけになったところで、突如ブラストが背後からの不意打ちで爆散。
攻撃の正体は新たなるウッソの剣。機動戦士V2ガンダム
ミノフスキードライブによる高機動戦闘や射撃標準用デバイスを駆使した攻撃で、今までの優位は嘘のように覆され、サンダーインパルスは呆気なくやられてしまうのだった。

ある意味ではV2ガンダムの噛ませ犬のような存在であるが、それでも初代主人公機を追い詰めたのは事実。
扱いの難しい新型MSを手足のように操り、また連携も取れていた紛うこと無き強敵。
…ではあるが、軍隊ではない為か味方相手に危険な運転をするわ、敵の攻撃や不測の事態にいちいち狼狽したりするわと、戦場に出る心構えはできているとは言い難い。
彼らにとっては殺意の塊である戦争もレースの延長線くらいと思っていたのだろう。
そういう意味では清々しいまでの悪役とも言えるが、良く悪くも単なる小悪党な為に、ゴッドワルド・ハインギンザエフのようなインパクトは無い。これでインパクト薄いとかあの漫画どうなってんだ。


【構成員】


ゼナ

サンダーインパルスのリーダー格の男。決してミネバのお母さんではない。
他のキャラクターと違い劇画調の濃い顔が特徴的で、テンションが非常に高い。
しかし不測の事態に陥ると特に狼狽しやすく、ブラストがやられた時や敵が分身した時は絶望したかの表情を見せている
それでもリーダーである為か最後まで生き残るが、V2ガンダムの猛攻に「ひっ!や…やられる!」と狼狽するなど最初の威勢はどこへやら、岩陰に隠れるものの強力なビームライフルによって岩ごと撃ち抜かれ、敢え無く宇宙の塵となった。


シューバット

鋭い目つきが特徴的なパイロット。
満足に動けないウッソが動きを止めたとなった際に「スキあり!」と叫んで猛攻を加える等、果敢な攻めが特徴的。
だがV2ガンダムに乗り換えられてからは手玉に取られ、一瞬で撃墜された。
コイツもコイツで常に驚いているように見えるが、ゼナのように弱気な表情は見せなかったり、状況はしっかりと把握していた為、彼よりかは度胸は座っていると言える。


ブラスト

他の2人と違いもうチンピラ度が半端ない顔が特徴的なヤツ。
…だが顔を見せたのは最初のたった2コマだけであり、その後は不意打ちで後ろから攻撃されて昇天。
扱い的には黒い三連星のマッシュに近い。
目立ちはしなかったが彼がやられた際にはゼナが思いっきり狼狽していたので、大切な仲間ではあったのだろう。
部隊名と合わせてブラストインパルスとなるが、それを見てシンがどう思うかはおそらく永遠の謎。


【リグ・シャッコー】

MSグランプリのトップドライバーだったこともあってか、左肩の狼のようなエンブレム以外にも、右肩の星や英文でザンスカールと書かれたステッカーでデコられており、やや戦場では浮いた印象を与える。ちなみにサンダーインパルスのパイロットスーツにもいくつかステッカーが貼られている。
中には「MoaiCun*1」「BONBON」と書かれたものも。
他にはコクピット部分には海賊のようなドクロマークがペイントされているちょっと早いね*2



【余談】

というわけで漫画版におけるV2ガンダムという新しいガンダム登場の礎となったサンダーインパルス。
であるが、おそらく当時の読者なら思っただろう。
「ちょっと待て、キャラの名前が間違っていないか?」と…。

というのもこいつらが「ゼナ、シューバット、ブラスト」になったのは2024年に発売された新装版での話。
じゃあ元々の名前はというと…
ナ→
シューバットシューマッハ
ブラスト→プロスト

うん、当時の…いや、最初に挙げた人が翌年に事故死した『音速の貴公子』で知られるあの人であり、ほか2人も最初に挙げた人のライバルとしても今なおそれぞれが知られる、伝説として語られるF1ドライバーの方々である。普通にアウトだろこれ…。
ついでに言うとゼナの顔もアイルトン・セナ氏本人にクリソツである。

しかし、一体なぜ実在のF1ドライバーの名前を付け、さらにセナ本人の顔に似せるようなネタを盛り込んだのか?

だからこそ、こうした当時人気の有名人だったセナ氏らを用いたキャラクターを振ったのだが、そうした攻めすぎたネタには問題があった。肖像権の問題である


ちなみにTV版本編でV2ガンダムの初陣の相手となりリグ・シャッコーを操ったのは漫画で出番をオミットされたカテジナさん
要するにこいつらはカテジナの代役とも言える存在である、のかなぁ…。
またアニメ版では乗っていたアインラッドもコミックではカットされている。レーサーなのに。

また、2024年現在はF91やVガンダムといった作品の再評価が進み、あのギンザエフですらガンダムの正史に刻まれることとなった。
…が、サンダーインパルスはこの扱いかつ途中で改名したという経歴があるため、もし組み込むとしたらどうなるか注目されている。

ちなみに『F90FF』ではヴェロニカが「昔MSレースをしてた頃」という発言があり、『F90クラスター』では『機動戦士ガンダムF90』の主人公デフが「MSでレースをしているところをパイロットにスカウトされる」というシーンが有る。現実の草レースやアマチュアクラスのレース、D1GPの下位グレード*9、創作物で言えば『頭文字D』の多くのメンバーが『MFゴースト』でプロ入りしたことが語られているのと似たようなものか?
もっと言えばアナハイム・ジャーナルの時点でプチモビを使ったプチモビ・レーシングについての記述があったりする。
…とにかく、MSでレースすることもそこからパイロットに転身することもあの世界では当たり前、つまりサンダーインパルスも宇宙世紀では普遍的な存在だったことが判明した。そんなバカな。
しかしメタ的な公開順ではMSレーサーはサンダーインパルスが多分最初、次に現れるのは冒頭で語っている通り18年後の話であり、ある意味では先見の明を持っていたと言えるだろうか。
ただしデフの方は上述の通り「F1ブーム絶頂期」のキャラなので、もしかしたら当時から裏設定であったのかもしれないが。


【とか言ってたら】

2026年4月発売のガンダムエースに掲載された「月刊モビルマシーン」でサンダーインパルスも正史に存在するようになったまたかよどんだけ漫画版V好きなんだ小太刀さん。
設定も整理され、まずボンボン掲載時のヤバすぎる名前はサナリィ広報の誤植で片付けられた。「ちょっと待ってください!」と猛反応しているのが意味深。
他、ベスパのイエロージャケット所属であるが、元々はロナ家の私兵軍のほうのクロスボーン・バンガード出身であり、あの機体につけられたドクロマークはその時から愛用しているマークとなった偶然って恐ろしい…。
その事を語る人物曰く「彼らの活躍のお陰で人死にが出なかった」との事である。
しかしクロスボーン出身な上にそれほど凄腕なのだからレーサーの設定は流石に消えた…と思いきや「彼らは素晴らしいドライバーだ」ということでやっぱりレーサーもやってるらしいオチがつくのであった。
モビルスーツパイロットをドライバーと呼ぶのは非常に稀であり、一年戦争でMSが生まれた直後くらいに連邦兵が使うのみ、しかもその時点で「ドライバーって工具みたいだな」と撤回されていた*10程度なので故意犯である。
…現実の軍隊では敬称として「ドライバー」呼びを使用することもあるが*11、どうやら宇宙世紀までこの文化が残ることはなかったようだ。




ハハハハハハ!追記・修正して悪かったな!アニヲタインパルス見参!

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最終更新:2026年08月20日 09:07

*1 岩村氏が同時期に連載していた「電撃ドクターモアイくん」の事と思われる

*2 設定ではクロスボーンガンダムは過去の話なので、彼らが影響を受けていてもおかしくはない…とか言ってたら…

*3 ただ、Vガンダムが放映された1993年頃のF1は参戦していた日本の自動車メーカーのホンダが前年に参戦休止を発表しており、バブルの崩壊により各F1チームのスポンサーを務めていた日本企業がスポンサーを降りたり、マンセルや中嶋悟といったブームを支えたドライバーが引退。アラン・プロストもこの年に引退しているので下火に向かっていた時期なのであるが。

*4 その他にも「サイバーフォーミュラ」と同じく1991年にサンライズ制作で放送された『機甲警察メタルジャック』ではシルバージャックに変身するF1ドライバーのアグリ・亮(元ネタはもちろん鈴木亜久里氏)や、サンライズ制作の「勇者シリーズ」でも当時実在していたスーパーカーをモチーフにした自動車メカも登場していたりする。

*5 ただし、この年はエンジン供給していたヤマハ発動機がまだ初年度で経験も浅かった事もあってかマシンの競争力は無く、亜久里氏は鈴鹿での日本GPを含む全てで予備予選落ちで決勝は走れなかった程でザクスピードもこの年限りで撤退してしまう。

*6 チームのマクラーレンホンダ、当時~ちょい前のドライバーである鈴木亜久里、中島悟、ジャン・アレジ、アラン・プロスト、ナイジェル・マンセル、ゲルハルト・ベルガーがモチーフ。もちろん鈴木~ベルガーは全員が「スーパースター」と呼ばれるべきF1ブームの中では人気のあったドライバーであったのは言うまでもない

*7 さらにマニアックな箇所では、キャプラーレンが初登場したSDグランプリ第一戦の前号のコミックボンボンの改造作例にて、『キャプテンガンダムF1』なるものも紹介されており、フェラーリF1のプラモデルのパーツを流用して作成した作品となっている。

*8 1990年代〜2000年代頃まではコミックボンボンに限らず、コロコロコミックで連載されていた「かっとばせ!キヨハラくん」や続編の「ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくん」などといった児童向け作品に於いて実在の人物のパロディにした漫画や作品がよくあり、中にはモチーフ元の人物が見れば失礼になるような言動を取る作品もあったりしたが、外国人で無くても肖像権が厳しくなった2024年現在に於いては少なくなりつつある。昔と違って実在の人物のパロディーがおおらかに許されるような時代では無いのであるという事だろう(プロ野球については2005年の球界再編の際に「当人の許諾がなければ実名使用自体が不可」と決定ないし再確認されたのもある。逆にちゃんと許諾を取ったことで実現した企画がみずしな孝之の『ベイスタ座』で、第1話では「実在する人物や団体名が登場するがフィクション」とキャラクターたちが実在するDeNAナインであることを前提とした但し書きがついている)。

*9 性質上、いわゆる『走り屋』『ドリフト小僧』出身のドライバーは珍しくなく、『頭文字D』の監修を務めるプロドライバーの土屋圭市氏もこの辺出身。もちろんD1の規定上、ライセンス発効後にそういった行為を行ったら没収ではある

*10 その人物は新任の若い隊長が自らの泊付けの為に「連邦の規則なんでパイロットと名乗れ」というもんだからその反抗心も兼ねて「俺達はMSドライバー」と自称していたが、その隊長を認めたことでその命令を聞くこととなった。要するに連邦としては「パイロット」名称で統一したかった事である。工具みたいでイヤというのは照れ隠しなのは否定できないが。

*11 F-15Jの実戦操縦資格がおりている航空自衛隊の戦闘機パイロットを「イーグルドライバー」、など。ちなみに戦闘機の実戦操縦資格があるパイロットの総称は「Fパイ(ファイターパイロットの略)」なので一応はパイロット予備の方が優先といえる