登録日:2010/07/27 Tue 20:02:32
更新日:2025/02/11 Tue 16:53:23
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人が敗北する原因は…「恥」のためだ
人は「恥」のために死ぬ
あのときああすれば良かったとか なぜ自分はあんな事をしてしまったのかと後悔する「恥」のために
人は弱りはて 敗北していく
◆概要
本名は
「エンリコ・プッチ」。
たまに「ロベルト・プッチ」という名前で表記されることがあるが、これは
荒木飛呂彦先生のミス本名ではなく洗礼名なのかもしれない。
名前の由来はそれぞれイタリアのファッションブランド「エミリオ・プッチ」「エンリコ・コベリ」「ロベルト・カバリ」と思われる。
1972年6月5日生まれで、外見は若々しい雰囲気だが年齢は39歳と結構いっている。まぁ、『
ジョジョ』では
実年齢に反して見た目が若いというのはよくある話だが。
人種は白人であるが、浅黒い肌と十字型のハイライトの入った黒い瞳の持ち主。
髪の色はホワイトで短く刈り込んだ上に奇妙な剃り込みを入れ、十字架とフルール・ド・リスを組み合わせたような装飾のある黒い長衣を身に着けている。
ズボンは日本円で8万円したらしく、アクシデントで汚れた時には気分をかなり害していた。
物語前半の舞台となるフロリダ州立グリーンドルフィン・ストリート刑務所・通称
「水族館」において看守や囚人の懺悔を聴いたり相談を受けたりする神父(刑務所内教戒師)の男性。
刑務所職員の中では一番の古株で、他の職員などからは一定の信頼や尊敬を得ており、刑務所内をほぼ顔パスで行動できる。
しかしてその正体はシリーズを通してのジョースター家の宿敵である邪悪な
吸血鬼・
DIOと親友関係にあった男。
生前のDIOに狂信的な忠誠を誓っていたスタンド使い・
ジョンガリ・Aと協力して
空条承太郎の記憶をDISCに変えて奪い取った謎のスタンド
ホワイトスネイクの本体。
そして
第6部のラスボスにして黒幕である。
第7部『
スティール・ボール・ラン』以降はそれまでの部とは世界観が一新されたため、第1部『
ファントムブラッド』から続いてきたジョースター家にとっては最後の敵であると言える。
また、彼は
DIOの遺志を継ぐ者であり、
ジョースター家とDIOの因縁に終止符を打つ存在でもある。
◆人物
聖職者らしく、物腰は礼儀正しく穏やか。
深みのある言葉で優しく相手を諭す一方で、口の中で「二連のさくらんぼの種を茎につけたまま食べて見せる」特技を披露しておどけて見せたりするなど、割と俗っぽく親しみやすいところもある。
職業柄か「神」や「運命」「生命」といった概念に強い関心があり、時たま余人には俄かにはわかりづらい深遠な考察を述べることもある。
最新の学説を引き合いに出すなど、単純な信仰の問題とはまた異質な角度からものを考えているようだが、一介の囚人には分かりづらいため、あまり興味を持って話に乗ってくる相手はいないようである。
そして、「生きる者にとって最も重要なのは『天国』へ行くことである」という強固な確信を物語序盤からしきりに口にしており、「天国へ行くのは全能の神が自分に与えた崇高な使命であり、それを遂行する過程で発生する、あらゆる犠牲をやむを得ない事として踏み越えていく」という漆黒の信念を胸に行動している。
それは言い換えると究極の独善・自分本位とも言え、再度対決したウェザーからは「自分が悪と気付いていない最もドス黒い悪」と糾弾されている。
「吐き気を催す邪悪」共々非常にインパクトのあるフレーズであるためか、ここのWikiなどでは同じような独善的な狂人だけでなく単なる外道の悪党にもタグ付けする輩がいたり…
『自分が正しいと信じきっている人間は、本質的に他者を二の次にして優しくできない』という宿命を背負っており、プッチも表向きはもっともらしい言葉で丁寧に相手に接するが、
実際は『DIOの計画の達成以外のことは悉く取るに足りない事』と軽んじ、見下している。
どうでもいい相手をぞんざいに扱ったり周囲に
「自分を押し上げるための役目」を振って冷淡に利用するなど、物語のあちこちで腹黒い振る舞いをする。
計画に差し障るような行為をした者には
凄まじい憤怒と殺意をぶつけるなど意志は固いが、精神的には不安定な面も徐々に露呈していった。
そしてパニックになると「
素数」を数えて落ち着こうとする奇妙なルーティンがある。
曰く
「孤独な数字であり勇気を与えてくれる」らしい。
ちなみに重度の貝アレルギー持ちらしく、
ヴェルサスに能力の検証ついでにヒラメのプティングを毒味させていた。
なお、生前のDIOからは「世俗の欲望に惑うことがない、人の法より神の法を重んじる人物」と評されているが、それもあながち間違ったものではない。
神の定めた大いなる運命に従う人間にとって『覚悟』こそが人間に幸福と救いを齎すと信じている。
一方で、その独自の理論を他者に強制することさえも神の意志でありこの世の真実のように振る舞い、それでいていざ自分が危機に陥ればプライドをかなぐり捨て
命乞いする姿はまごうことなきどす黒い悪であり、エゴイストである。
ちなみに、他者への自己中心的な厳しさと見下しに惑わされがちだが、『自分は覚悟ができている』とは実は一度も語っていない。
経歴
生まれは裕福な家庭で、左足の指が曲がって産まれた事以外は本当に何不自由もなく、両親とペルラという2歳下の妹がいた。
幼少時、「自分は本当は双子だったが、弟は生まれてすぐ亡くなってしまった」と両親から聞かされた事で「運命はなぜ自分ではなく弟を選んだのか?」「なぜ人に幸福と不幸があるのか?」「真の幸福とはなんなのか?」という疑問を持ち、その答えを探して神父への道を志した。
……しかし、ある日偶然にも教会に身を寄せていた
「DIO」と出会ってしまったこと、
懺悔にやってきた婦人から、双子の弟
ドメニコが
生まれて間もなく死んでしまった実の子とすり替える形で誘拐され、
ウェス・ブルーマリン、「ウェザー」として生きている事実を聞いてしまったこと、
そして妹のペルラが
実兄であることも知らずにウェザーに恋をしてしまったことから彼の人生は大きく狂いはじめる。
聖職者に携わる者の守秘義務、そして何より「妹を傷つける事だけは絶対に避けなくてはならないッ!」という想いから、近親相姦の罪を犯させる前にただの失恋として事態を片付けようと考えたプッチは
あろうことか「何でも屋」の私立探偵に大金を支払って2人を別れさせるように頼むという強硬手段にでてしまう。
というのも、この私立探偵は過激な「白人至上主義者」であり、ウェザーの身辺調査をし始めた段階で養父が黒人だったのを理由にウェザーを黒人の血を引いた子どもと誤認。
その結果、デート中のぺルラとウェザーに襲撃をかけ凄絶なリンチを行い、更に彼の生家に放火して養母まで殺害し、挙句の果てにこの依頼がペルラの兄(プッチ)からのものであると暴露した上で半殺しにして木に吊し上げ絞首刑に処すという10代の若者が受けるにはあまりにも酷な私刑をやってのけてしまった。
当のプッチからしても寝耳に水な話であり、八方塞がりだった彼なりに「迅速かつ誰も傷つかない方法」を選んだ筈が、
大切な妹を死なせてしまう
考えうる限りの最悪な事態を引き起こしてしまった。
なぜだ………
どうしてなんだ………?
なんでこんな事になってしまうんだ?
なぜ赤ん坊の時──あの婦人はわたしじゃあなく弟のほうを連れて行ったのだ?
なぜわたしじゃあないんだ?
なぜわたしは教会で──婦人の告白なんて聞いてしまったんだ
なんでわたしは神父になんてなろうとしたのだッ!?
なぜ人と人は出会うのだ!?
出会わなければこんな事にならなかったのに……
やめろ………
やめろと言っているんだッ!
妹に向かって十字を切る事なんかやめろッ!
くそっ!ペルラの命だけは奪わないでくれッ!
ペルラに罪はない………ペルラは恋をしただけなんだ
命を返してくれるならなんでもするぞ
呪われるべきはこのわたしだッ!
湖から引き上げられたペルラの亡骸を抱きしめて嘆いていた時、かつて出会ったDIOの言葉を唐突に思い出し、彼に会いたいと思った直後にDIOから貰った
「矢」に体を貫かれたプッチは、スタンド「ホワイトスネイク」を得る。
数日後に病院で目覚めたプッチは、人が
カタツムリになる怪現象を暴走したウェザーの仕業と直感。
カタツムリが自分にも害を及ぼした時には弟であろうと始末するという、目的のためになら殺人であろうが何でもするという決意を固め、DIOに会い「人と何故出会うのか」という問いの答えを知ろうとする。
そしてウェザーに「私はお前の兄だ」と明かした一瞬の隙を突く形で、ホワイトスネイクの能力でウェザーの記憶のDISCを抜き取って記憶を失わせた後、グリーンドルフィン・ストリート刑務所に投獄させる。
それからDIOと再会し、しばしそばで暮らして語り合う。彼の思想に賛同しつつ、最終的には彼の元を去った。DIOが承太郎に敗北し、死亡した後もかつてDIOが目指した「天国の時」を実現する為に暗躍を開始した。
劇中での活躍
DIOが天国へ行く方法を記したノートは発見した承太郎に焼却されてしまったが、その時内容を読んだ承太郎の記憶をDISCにして取り出すことで、自分がDIOの代行者として彼の残した計画を実行に移せると確信。
自分のテリトリーである「水族館」に承太郎をおびき寄せるため、彼の娘・
空条徐倫が重罪判決を下されて水族館に堕ちてくるよう仕向けた。
このように目的はあくまで承太郎の記憶であり、当初徐倫は承太郎を誘うエサとしか思っておらず軽く見ていたが、
逆境の中でジョースター家に代々伝わる爆発力を以て成長していく彼女には幾度も計画を狂わされていくこととなった。
しかし、同時にプッチが天国の時へ向かうという行為も運命に定められたものであり、幾度とないピンチを切り抜けて確実に計画を次のステップへと進めていく。
承太郎の記憶DISCから読み取った天国へ至る方法を基に、DIOの骨から生まれた緑色の赤ん坊と同化する。
これに伴い、剃り込みが従来以上に奇妙に変形した容姿となり(通称「ニュー神父」)体調に異変を来していきながら、天国のための進化を果たすべくケープ・カナベラルへ向かう。
途中でジョースター家への新たな刺客となるDIOの3人の息子との出会いや、記憶を取り戻したウェザー・リポートとの戦いを乗り切り、ケープ・カナベラルに到着したことで重力を操る新たなスタンド「C-MOON」を発現。
最後の進化を果たすべく新月を待つ間に起きた空条徐倫との激戦や復活した空条承太郎の参戦もあり追い詰められるが、彼らとの戦いの中で新月の必要なく天国に至る方法を見つけ出し、ついに
「天国」を作り出す能力を持ったスタンド
「メイド・イン・ヘブン」の発現に成功。
メイド・イン・ヘブンの「全宇宙の生物以外の時を加速させる」という能力とその超越的なスピードで、徐倫達を圧倒し確実に追い詰めていく。
完成してしまったプッチの出鱈目な能力を打ち破るべく
アナスイが承太郎に全てを託し命を懸けた囮作戦を敢行、アナスイの体が貫かれたのを見切った承太郎が唯一メイド・イン・ヘブンをも止められる
時間停止で動きを止めスタンドの腕を掴む。
しかし、プッチは時の加速による超スピードを利用してストーン・フリーの腕がアナスイに致命傷を負わせるように仕向けており、止まった時の中で承太郎が掴んだ腕はストーン・フリーの腕であり、プッチは徐倫の向こうにいた。
ストーン・フリーの手刀を跳ね除け、『一手』遅れながらも承太郎はプッチに向けて歩みを進めるが……
『二手』遅れたようだな…………
ジョースター家は血統ゆえに誇りと勇気から力を得 運命に勝利して来た
だが! 弱点も また血統ゆえに
空条承太郎…娘がお前の弱点なのだ
プッチは更なる保険として時間を止められる前に、徐倫へと無数の
ナイフを投げていた。
それは無敵とまで称されたスタンド使いの、家族という唯一の
弱点を突く事に他ならならず、限られた停止時間を娘を守るために割いた「
星の白金」の拳は、プッチの眼前にまで迫ったところで限界を迎える。
こうして停止時間にしてわずか5秒のギリギリの攻防を制したプッチは、反撃の手段を失った承太郎を殺害し、そのまま
エルメェスもあっさりと死に追いやった。
続いて
エンポリオをも始末しようとするが、
負傷した徐倫が殿として立ちはだかり片目を負傷。
激昂しつつも時の加速による圧倒的なスタンドパワーで徐倫すらも始末したが、イルカに括りつけられて逃げ行くエンポリオの追跡は断念せざるを得なくなった。
そうして
エンポリオを除くメインキャラ全員を始末したプッチはその後も時間を「加速」し続け、四人の死体は風化し、宇宙は滅び、新しい宇宙が生まれる……
「天国」とは「メイド・イン・ヘブン」の能力で無限大に時間を加速──
宇宙を「一巡」させて人類が生まれてから滅ぶまでの全ての出来事の記憶(書類を踏んづけて転ぶという些細な出来事まで)を人類全員が共有することで、
いつどこで何が起きても、人類全員がそれを「覚悟」出来るようになった世界のことだったのだ。
たとえば5年後の未来何が起こるか?人類全員がそれを知っている
「加速した時」の旅で自分がいつ事故にあいいつ病気になりいつ寿命が尽きるのか?
すでに体験してここに来た
人といつ出会い…そして別れるのか?戦争がいつ起こり、時代がいつ変わるのか?
誰に恋をし、誰を憎むのか?自分はいつこどもを産み、子はどんな成長をするのか?
誰が犯罪を犯し、誰が発明や芸術を生むのか?
まるで映画を見るように体感する そして その子供も さらに その子供も…
あのケープ・カナベラルから始まった 加速した時を生きた者は全員
頭脳や肉体ではなく精神が それを体験して覚えて知っているのだ!
そしてそれこそ「幸福」であるッ!
独りではなく全員が未来を「覚悟」できるからだッ!「覚悟した者」は「幸福」であるッ!
悪い出来事の未来も知る事は「絶望」と思うだろうが
逆だッ!
明日「死ぬ」とわかっていても「覚悟」があるから幸福なんだ!
「覚悟」は「絶望」を吹き飛ばすからだッ!
人類はこれで変わるッ!
「これがわたしと、そしてあのDIOが求めた天国へ行く方法!」
『メイド・イン・ヘブン』だッ!
だが見事「天国」への野望を果たしたかに見えたプッチは、唯一生き残っていたエンポリオを天国完成前に殺そうと
完成直前で時の加速を止めて刑務所内でエンポリオに襲いかかる……が、壁の隙間を利用したエンポリオの策にはまって「ウェザー・リポート」のDISCをエンポリオの頭に入れてしまう。
音楽室の幽霊の部屋の中でエンポリオの操る「ウェザー・リポート」と対峙したプッチは、「メイド・イン・ヘブン」で時を加速させてトドメを刺そうとするも、
- エンポリオが「ウェザー・リポート」の「純粋酸素だけを集める」という潜在能力を発現させた事
- エンポリオ自身が純粋酸素の危険性についての知識を持っていた事
- 戦った場所が空気の逃げ場がないほぼ完全な密室空間だった事
- 何よりそれら全てを踏まえて、エンポリオが自身も共倒れになるリスクも“覚悟”した上で能力を発動させた事
これらの要因が重なった結果、純粋酸素の満ちた部屋の中を加速した状態で動き続けていたプッチは重度の酸素中毒に陥ってしまい、エンポリオより先に動けなくなってしまう。
ウェザーに頭部をゆっくりと、しかし確実に押し潰される中で必死に自身の正しさをエンポリオに説き始めるが、
直前まで始末しようとしていた相手に覚悟もプライドも捨て、あまつさえ神父として尊ぶべき神すらも弁明に用いるその姿は、もはや神父の説法とは程遠い「独善」と「保身」に満ちた悪党の今さらすぎる無様な命乞いでしかなかった。
そして、エンポリオは徐倫達を通して黄金の精神を受け継ぐ程大きく成長しており、その決意はプッチが並べ立てた言葉程度で揺らぎなどしなかった。
わからないのか? おまえは『運命』に負けたんだ!
ほざくな小僧…!
ぼく一人じゃあない……ぼくをここに送り込んだ徐倫おねえちゃんの意志だ!
ウェザーも、F.F.、エルメェス、アナスイ、それに承太郎さんもだ!
みんな未来なんか知らなくても『覚悟』があった!
覚悟ができていなかったのはおまえだ、プッチ!
『正義の道』を歩む事こそ『運命』なんだ!!
それはかつて悲劇と運命に屈し、『これからはどんな犠牲も厭わない』とそれまでの正義を捨てたプッチのその後の歩みを打ち砕く言葉であった。
やめろォオオオオ 知った風な口をきいてんじゃあないぞオオオオオオ
このちっぽけな小僧がああああああああああ
逆上したプッチはエンポリオに襲い掛かかるも、その手が届くよりも先にウェザーの渾身の
ラッシュが炸裂。
かくして自分こそが正しいと信じて疑わず、他者に覚悟と犠牲を求め続けた聖職者の皮を被ったドス黒い悪は、醜い断末魔の悲鳴をあげながら頭を擦り潰されるという壮絶ながらも、この上なく相応しい末路を迎え、
生前の彼が語った通り一巡が未完成のままメイド・イン・ヘブンの能力が消えたことで「天国」となるはずの世界はなかったことになった(新世界がどのような世界になったかは作中で語られていないが、蟻が宇宙空間のような場所を通って新世界にたどり着いている描写があるため、宇宙の一巡と似て非なる現象が起きたと思われる)。
ちなみに第7部の世界は荒木先生曰く「
パラレルワールド」だという。
この話から第7部以降の世界は、メイド・イン・ヘブンが起こした時の加速によって派生した並行世界の時空ではないかと噂されている。
ゲーム『アイズ・オブ・ヘブン』では6部本編の時系列のプッチ……ではなく、DIOがジョースター一行を全滅させて世界を支配し、天国に到達した平行世界のプッチ神父が登場する。
天国に到達したDIOと共に基本世界を支配するべく暗躍、最終的に全ての始まりの場所・ジョースター邸で待ち構えるも敗北。
記憶を覗かれ、DIOの能力の秘密を暴かれる前に自ら慈愛の女神像へと飛び降り、串刺しになった。
原作と比べれば潔いが、自害しなくても後に待ち受けるのは死や粛清と考えれば友のために覚悟を決めたということだろうか。
このプッチはDIOが既に天国に到達したためか、6部本編の目的意識はなくなっている。
また言動から察するに、このプッチは3部の時に承太郎達と対峙した様子。承太郎達が敗北したのは、プッチが参戦していたのも原因の一つだったのかもしれない。
ちなみに、6部本編の時系列のプッチはどうなっているのか不明。
平行世界の同一人物は対面すると対消滅を起こすので、存在されたら問題ではあるが……
【名(迷)台詞】
- 「あ…ちょっと待って できた ほら…タネつけたまま…たべた やったことある?」
- 「落ちつくんだ…『素数』を数えて落ちつくんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…わたしに勇気を与えてくれる」
- 「かなり肝を冷やしたが 蛙に蛇が敗北するわけがない」
- 「人が敗北する原因は…『恥』のためだ 人は『恥』のために死ぬ
あのときああすれば良かったとかなぜ自分はあんな事をしてしまったのかと後悔する『恥』のために人は弱りはて敗北していく」
- 「神を愛するように君のことを愛している」
- 「完全なる死の忘却へ…おまえを送り込んでおかなくては…」
- 「崖に激突して死ぬツバメがいるそうだ…そのツバメは得てして他のツバメよりもとても上手にエサを捕獲したりするのだが…
宙返りの角度の危険の限界を親ツバメから教わっていないためつい無謀な角度で飛行してしまう
だがその親は教えないのではなくそのまた親から教わっていないので教えられないのだ
彼ら一族は短命な者が多く、なぜ事故にあいやすいのか気づいてさえもいない
承太郎は短命だったな」
- 「凄みだ…こ…こいつ凄みで!わたしの攻撃を探知したんだ…
刑務所に来た時はスタンド能力さえないと思っていたのに…男にだまされてメソメソしていたただの小娘だと思っていたのに…」
- 「『らせん階段』…!『カブト虫』!『廃墟の街』!『イチジクのタルト』!『カブト虫』! ………『ドロローサへの道』!
『カブト虫』!『特異点』!『ジョット』!『天使』!『紫陽花』!『カブト虫』!『特異点』!『秘密の皇帝』!!」
- 「これで君の世界へ共に旅立てるぞッ!DIOッ!」
- 「だが その前に君は『引力』を信じるか?人と人の間には『引力』があるということを……………わたしは今 それを信じた 君にはわたしは殺せないんだ」
- 「ヴェルサスッ!おまえごときうすっぺらな藁の家が深遠なる目的のわたしとDIOの砦に踏み込んで来るんじゃあないッ!」
- 「わたしの能力は・・・完成したようだ。そしてこれは・・・おまえたちを始末するための能力ではないし『最強』になるための力でもない・・・この世の人類が真の幸福に導かれるための力なのだ」
- 「安っぽい感情で動いてるんじゃあないッ!
『人』は天国に行かなくてはならないッ!目指したものは全ての人々をそこへ導ける!
おまえらはそれを邪魔しているんだ……少しばかりの人間が犠牲になったからといって……
『どこへ行かれるのですか?』おまえは磔刑だーッ!!」
- 「『自信を持て…』エンリコ・プッチよ 『運命』が味方してくれるのはこのわたしだ…ちっぽけな正義などを超えた目的がわたしとDIOにはあるッ!」
- 「君の質問に付き合わなきゃあいけないのか?」
- 「おまえはわたしにとって 釈迦の手のひらを飛び回る孫悟空ですらない」
- 「最初にキノコを食べた者を尊敬する…毒かもしれないのにな…ただの幸運なバカがたまたま食べたら大丈夫だったのか…?
それとも…飢えで追いつめられた必死さが切り開いた発見なのか?」
- 「このフレームに突っ込ませられて!意味がわかったッ!」
- 「最後にひとつ言っておく 『時は加速』する」
- 「撃って来い…その方が殉教者らしくこの世を去って行ける」
- 「神の御命においてしりぞけるッ!おまえの行動はエンポリオ…自分の悲鳴をさらに地獄のラッパにするだけの事だった!!」
- 「ここでわたしは死ぬわけにはいかないのだーッ」
◆余談
プッチはただひたすら自らの行いを「善」と信じて疑わないし、だからこそ他者を軽んじ、言葉に耳を傾けることすらしない。
記憶を取り戻したウェザーとの決戦の際も、自らの行いをひたすら「善」と言い切っており、ウェザーから「自分が悪だと気づいていない最もドス黒い悪」と評された。
なお、ジョジョの今までの
ラスボスははっきりと自身を「悪」と認めている。
(アレグザンダー・ホープ著“Imitations of Horace”より)
プッチの言う「天国」とは「人が自分の未来を知り『覚悟』をすることで幸福になれる」というものだが、
逆に足掻いた末に何か意味のあることを切り開くかもしれないといった発想はなく、運命を知った人間が覚悟できずに絶望に落ちた時のことも考慮されてない。
プッチの妹にまつわる過去は同情すべきものもあり、そう考える事自体は悪いことではないのだが、当たり前だが全ての人が同じ考えでは無い。
プッチの天国とはつまり人類全てが『
運命の奴隷』であるべきという押し付けであり、『覚悟』が実質「諦観」に成り下がるというジョジョシリーズが描く『人間讃歌』とは相反する思想である。
作者の荒木は後年のインタビューで
「悪党の正論」というか、人物を別の角度からも見せる手法は、第6部の「ストーンオーシャン」に登場したエンリコ・プッチ神父を描いていたときも意識していましたね。
と語っている。
落ちつけ…………
追記・修正するんだ…
こんな時どうするか……
落ちつくんだ…
『アニヲタWiki(仮)』を見て落ちつくんだ…
『アニヲタWiki(仮)』はWiki篭りと自分でしか理解することのできない孤独なWiki……わたしに勇気を与えてくれる
- 妹の死は全て運命のせいであり自分にはどうしようもなかったと自己正当化するために世界を巻き込んだ邪悪 -- (名無しさん) 2024-11-25 14:10:53
- 以前はプッチ以外にも「自分が悪だと気づいていない最もドス黒い悪」のタグが付いてたんだけど今はすっかりプッチ以外タグが付けられてるキャラはいなくなったな -- (名無しさん) 2024-11-28 00:44:57
- 「覚悟こそ幸福なら一巡した世界でエンポリオに復讐される未来になったとしても問題ないよね?」ってパラドックスなんだよな。プッチ神父は自分の理論の矛盾に敗北したと言える。 -- (名無しさん) 2024-12-02 13:46:37
- 関ボイスによる断末魔の叫びは解釈一致の演技で大満足だったわ。特に「やめろォオオオオ」の所は「やぁめぇろぉぉ!」って感じでそれまで取り繕ってきた神父のメッキが剥がれ落ちて覚悟ができない小心者の醜い足掻き感が出ていてとてもグット。 -- (名無しさん) 2024-12-04 13:30:14
- 覚悟が幸福と言いながら自分が覚悟できていないことを批判されてるけどそもそもプッチは自分で覚悟ができないので強制的に覚悟を決めさせてくれる世界を求めている人間なのでプッチが覚悟できていないのを批判するのはちょっとズレてる気がする -- (名無しさん) 2024-12-10 22:44:16
- ↑4プッチ以外に言われたキャラいないし、セリフ自体が暴言だし -- (名無しさん) 2024-12-10 22:50:46
- ↑2自分で実践出来てないことを他人に強制して幸せになれるって言い張るのはペテン師だからね。結局一巡しても自分は例外にするあたりホントは覚悟決めたくないんだよ -- (名無しさん) 2024-12-10 23:12:16
- メイドインヘブンもオーバーヘブンもどちらも自分だけが世界(運命)を変えられる力なのも含めて結局DIOと根っこは一緒だったんだろうなとは思う。 -- (名無しさん) 2024-12-11 00:40:45
- そもそも空条親子を自分のテリトリーに呼び込むために無関係の一般人を轢殺させてる時点で人として終わってるのにプッチ自身は悪いことをしたなんて欠片も考えずに神父として悲壮な決意の元大河を成すんだみたいな顔してるのがもうね… こんな奴を産み落としてしまったエンリコ婦人が不憫でならない -- (名無しさん) 2024-12-15 01:23:27
- ↑連投失礼、変な誤字をした大河を成す→大義を成すの間違い -- (名無しさん) 2024-12-15 01:24:55
- 神父は「確信犯」だからな。 -- (名無しさん) 2024-12-15 09:39:57
- ↑4上でも言われてるけど神父が運命に干渉出来るのは未だ能力が完成していないから。ケープカナベラを越えて世界が一周したら神父も運命に干渉できなくなる -- (名無しさん) 2024-12-15 15:48:47
- 天国に行く方法について「そもそも生きた人間を生け贄に捧げたり、黒魔術の儀式みたいな方法をキリスト教の聖職者が行うことを何かおかしいと思わなかったのか」という指摘が納得だった……。 -- (名無しさん) 2024-12-25 18:26:28
- よくもまあここまで歪んだ(独善的になった)もんだ -- (名無しさん) 2025-01-05 17:35:36
- 説法中に猫がミルクを飲んじゃったけど、「お友達がやってきたようです」って優しく撫でながらにこやかに話してる神父さんのニュースを見てほっこりしたことがあるけど、一緒にニュースを見てた知り合いが「プッチだったら絶対猫を蹴り飛ばすよね」って言われて猛烈に納得したし、改めてこいつは神父とか教師みたいな人前に立つ仕事をしていい人間じゃないなと痛感したわ -- (名無しさん) 2025-01-06 13:07:15
- ↑目的の邪魔だったり犠牲にしていいと認定したもの以外には真っ当な神父を装えてたから刑務所でも職員からも尊敬されてたし、ケープカナベラル向かう途中でも見ず知らずの親子を助けたりしてたのだが……(暴走してるスタンドの影響でやばいことになったが)。 -- (名無しさん) 2025-01-08 17:25:03
- 6部メンバーの虐殺も大概だけど、個人的に一番許せないのはこいつの計画によって3〜5部で生き残ったキャラクター達まで巻き添えを喰らって消滅したのが悔しすぎるわ… -- (名無しさん) 2025-01-10 13:24:38
- ↑時間加速中に事故死でもしてなけれメイド・イン・ヘブンの能力的に消滅するはずがないぞ。何もしなくても邪魔者が消えるならエンポリオも消えてるわ。エンポリオが天国完成前にプッチ殺して運命再編されたあとなら消滅してる可能性はあるが、まあ流石にそんな業をエンポリオに背負わせたりはしないだろうたぶん。 -- (名無しさん) 2025-01-10 17:17:53
- ↑「死者はこっちにこれない、因縁は全て一巡前の世界に置いてきた。」って言及してましたね。プッチ神父の視点ではショースター家の因縁を断ちきってる(死亡した承太郎と徐倫)けど知らないだけで血統を受け継ぐものは一巡後の世界にも来てる(ハンバーグとコロネは死んでない) -- (名無しさん) 2025-01-10 18:35:24
- 実のところジョセフも死んでないらしいな。 -- (名無しさん) 2025-01-10 23:29:00
- ↑第6部も存命って作者が語ってるからたぶん一巡後も来てますね。プッチ死亡後のパラレルワールドだとどうなったか不明だけど。 -- (名無しさん) 2025-01-17 19:03:30
- 後年の全く無関係の別作品(「仮面ライダーセイバー」)でもプッチ神父の思想が全否定されてるのが興味深い -- (名無しさん) 2025-01-20 07:19:12
- 千翼(仮面ライダーアマゾンズ)以外で「生い立ちや境遇については同情できるけど、それはそれとして◯んでくれ」って感想が似合うキャラがいるとは思いもしなかった。千翼とコイツでは善性に雲泥の差があるけども -- (名無しさん) 2025-01-25 09:48:31
- コメログ見て「DIOはプッチのこと手駒くらいにしか見てなかったと思う」ってのがあったけど、eoh見てると本当にそうだったんじゃないかって思うんだよね。 -- (名無しさん) 2025-01-25 10:03:09
- ネット民や知り合いからもボロクソに言われてるからウン十年振りに原作を読み返してみたけど、思い出補正を余裕でぶち壊す程度には低俗な人間だったわ。当時は所謂厨二病って奴でこいつがかっこよく見えてたんだろうな… -- (名無しさん) 2025-01-30 12:04:12
- ブルーマリン夫人の取替子が逆だったらよかったのに… -- (名無しさん) 2025-01-31 00:39:58
- ↑4わざわざ無関係な仮面ライダー出す必要あります?「生い立ちや境遇については~」なんて大抵の悪役キャラに当てはまりますし。 -- (名無しさん) 2025-02-01 15:46:09
- ↑プッチ神父の言う「幸福」に基づき、「未来を全て知ってしまった人間がどうなるか」の好例だったので -- (名無しさん) 2025-02-05 16:44:13
- ↑ごめんコレ消してください、 別のコメに反応してたから的外れなこと言ってしまった -- (名無しさん) 2025-02-05 16:45:25
- 結局の所、DIOが残していった物に縋りつかないと自分を保てなかった哀れで愚かな人でしか無いんだよな。本人に言ったら顔真っ赤にしてキレ散らかしてきそうだけど -- (名無しさん) 2025-02-13 13:28:39
最終更新:2025年02月11日 16:53