「グランツーリスモ5」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

グランツーリスモ5 - (2015/06/30 (火) 20:46:54) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*'''GRAN TURISMO 5''' 【ぐらんつーりすも ふぁいぶ】 |ジャンル|オンラインカーライフシミュレーター|CENTER:&amazon(B0032UX9I0)通常版|CENTER:&amazon(B006JHDV0O)SpecII| |対応機種|プレイステーション3|~|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|~| |開発元|ポリフォニー・デジタル|~|~| |発売日|2010年11月25日&br()2012年2月2日(SpecII)|~|~| |定価|通常版 / 初回限定版:7,980円&br()RACING PACK(PS3本体同梱版):35,980円&br()Spec II:4,980円|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[グランツーリスモシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1361.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 -ドライビングシミュレーターの金字塔、『グランツーリスモシリーズ(以下GT)』の最新作でありナンバリングとしてはPS3第一弾。 -NASCAR・WRC・SUPER GT等のイベント及び車両を本格収録。オンラインに完全対応。その他にも新たなシステム・要素を大量に搭載した。 -パッケージに使用された車両は、2009年11月16日に発売されたメルセデス・ベンツ『[[SLS AMG>http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c4/Gran_Turismo_Mercedes-Benz_SLS_AMG.jpg]]』である。 ---- *特徴 **基本的な仕様 -A-spec/B-spec --A-specは自分で走るモード、B-specは監督となってAIドライバーに指示を出し勝利に導くモード。 --GT4でも両specを任意に切り替えできていたが、本作では完全に独立する形となった。 -レベル制 --今まではライセンスを取得し、それによって参戦できるイベントを増やすといった形式だったが、本作ではRPGなどのような経験値レベル制に変更された。 --具体的には、レースで勝利すると賞金と共に経験値を獲得し、それによってレベルが上昇、購入できるクルマや参戦できるイベントが増えるという具合である。それぞれ、今のレベル=自分の腕前、レベルの上昇=上達、の目安となっている。 ---このためライセンスは完全に腕を磨く&トロフィー獲得でクルマを貰う専用の場所となり、『ライセンスが取れなくてレースに出られない』という問題点は解消された。 -イベント数はA/Bspecイベントだけを見れば少ないが、今作はスペシャルイベント+配信イベントが多く、それらを合わせれば凄まじい大ボリューム。 **時間変化・天候変化 -一部のコースのみだが、昼・夕・夜・霧・降雨・降雪等、時間の経過による自然の移り変わりを美しく、正確に再現。 -時間変化は視認性に、天候変化はレースコンディションにリアルタイムで影響を及ぼしていく。無論、天候変化・時間変化の有無は設定可能。またその変化速度も調整可能。 --このなかでも降雨時の『ニュルブルクリンク ノルドシュライフェ』は、場所によって路面のグリップ力が違うという部分まで徹底再現されている((ニュルブルクリンクは全体で300mもの高低差があり、結果ハイドロプレーニング現象が発生しやすい個所が複数存在する。))。そして夜間走行時の視界性の悪さも再現されているため、『ニュルブルクリンク 24時間レース』の過酷さを追体験できるだろう。 **ビジュアルエフェクト -PS3の高い演算性能を駆使する事により、ビジュアルエフェクトが大幅に向上。 -タイヤのシステム構造はシミュレーションレベルから見直され、表面温度にまでアプローチし、リアルに限りなく近いタイヤスモークを発生させる。夜間走行時にはスモークがテールランプに照らされ赤くなるという徹底ぶり。 -その他、車体で路面を擦った際に飛ぶ火花、風でなびく路傍の草花、発熱するブレーキディスク、グラベル走行時に巻き上げられる小石等、細かな物理現象もシミュレーションのもとに徹底再現し、小さな表現の積み重ねによりリアリティが大きく増している。 --トスカーナやサルト・サーキットで打ち上げられる『花火』の美しさには誰もが驚いただろう。この花火は予め用意されたエフェクトではなく、''専用に開発された「花火シミュレータ」によって毎回演算されている''というのだから驚きである。 **多数の自動車レース及びその車両の本格収録 -レーシングカート --本来はGT6に収録される予定だったが、情報のリークにより急遽収録される事となった。 --本作ではモーターレーシングの登竜門である、スプリントカートの入門クラスの車両が収録されている。カートならではのダイレクトな挙動を味わう事が可能。 -NASCAR(ナスカー) --アメリカで開催されているストックカーレース、及びそれに用いる車両の事。本作で初収録。 --ハイテクの塊のGTカーやF1と違い、マシンコントロールに関わる電子制御が禁止されているため、純粋なセッティングとアクセルコントロールがそのまま腕の差となる。((勿論本作はシミュレーターなのでTCSやABS等は使用可能で任意にオンオフができる。ただしイベントのNASCARシリーズの一部には、強制的にそれらがOFF設定されるレースももちろんある。)) --ドラフティング((NASCARにおけるスリップストリームの同義語))を駆使してオーバーテイクする快感を体験できる他、NASCAR特有の迫力あるピットワークシーンも再現されている。 --また、『Mr.NASCAR』の異名を持ち、現役最多となる87勝を獲得しているトップレーサー、ジェフ・ゴードンがゲーム内に登場。NASCARにおける様々なテクニックを解説・伝授してくれる。 --オーバルコースも、インディアナポリス・モーター・スピードウェイとデイトナ・インターナショナル・スピードウェイが登場した。もちろんロードコースも収録されている。 -WRC(世界ラリー選手権) --WRCの車両自体はGT2より登場しているが、本作では『各SS区間での合計タイムを競う』という、現実のWRCと同じルールで競うイベントが初収録されている。 --また、WRCの現チャンピオンであり、2004年シーズンから現在まで9連覇中のセバスチャン・ローブがゲーム内に登場。グラベル・スノー・ターマックで彼のゴーストにそれぞれタイムアタックを挑む事が可能。 -その他 --スーパーカーの象徴、フェラーリ&ランボルギーニの車両((ランボルギーニの車両自体は過去にGT3にてディアブロのJGTC(現SUPER GT)仕様が登場していたが、メーカー名のみ実名では登場していなかった。))が本格収録。マセラティも『グランツーリスモS』の1台だけだが初登場している((PSP版にも登場していたが、権利ロゴだけで車両は収録されていなかった。))。 --『458 イタリア』『ムルシエラゴ LP640』といった人気車種はもちろん、1967年にデイトナやモンツァで活躍した『330 P4』までも収録。ファンを歓喜させた。 --とりわけユーザーから注目を浴びたのが、スーパーカーの代表格の一つである『ランボルギーニ ミウラ P400』。 ---ミウラが収録されているレースゲームは他にも存在するが、本作に収録されたミウラは''最初期に僅か2台しか生産されなかったプロトタイプの内の1台''である。もう1台のプロトタイプはテスト中に全損事故を起こして廃棄されているため、これが世界にたった1台しか存在しないプロトタイプ、更にボルト一本に至るまで完全にオリジナルのものが使われているベストコンディションである。~ 存在する事自体が奇跡の車両、ましてやそれが本作に収録されているのだから、ファンとユーザーの感動は凄まじいものがあった。 **収録車種・収録コース -シリーズ最多となる1031台もの車を収録している。その内の約200台がプレミアムカー、約800台がスタンダードカーである。 --DLCでの追加車両やアップデートによる追加車両もあったため現在は更に増えている。 -プレミアムカーは、エクステリア・インパネ・内装・色・音・ブレーキキャリパー・リトラクタブルライト等を、PS3の性能で再現したモデル。通常走行では全く見えない後部座席やエンジンルーム等、更にはヘッドライトのハイ&ロー切り替え・ワイパーの稼働・可動部分の作動等も忠実に再現されている。ちゃんと一部の車両のモニター類も動作する。 --これらのプレミアムカーは、1台につき''1か月~3か月''もの製作期間が掛かったとの事。CGの綺麗さそのものよりも、実写に見せようとしている努力が伺える。 -スタンダードカーは、旧作に登場した膨大な数の車を手直しして再収録したモデル。一部機能が制限されている。 --なお、Pカー・Sカー共に問題点もある。詳しくは後述。 -コースは20ロケーション・70バリエーション以上となっている。 --従来と比べコース数が減っているものの、''専門の測量チームが現地に赴いて測量を行っている''だけあって、[[再現精度は従来のそれを遥かに凌駕している。>http://www.youtube.com/watch?v=ZNJGcFR3HT4&feature=player_embedded]]特に『ル・マン サルトサーキット』の路面の凹凸、『ニュルブルクリンク』の路面に書かれた落書き等まで、かなり正確に再現されている(しかもそれぞれの名称も収録表示される)。 ---国道246号線を舞台にした東京・R246では、『りそな銀行』や『郵便局』といった看板までもしっかり再現されている。ちなみに『龍が如く』の広告まである。 --リアルサーキットの再現精度はもはや常軌を逸したレベルにまで達しており、プロのレーシングドライバーには『グランツーリスモでコースを覚えた』とコメントする者まで出る程。 **マシンへのダメージ表現 -物理演算によって、ボディの傷・凹み・破損等をリアルに再現。特に『C4 WRC』を筆頭とするラリーカーは、ボンネットが外れてエンジンルームが露出するといった素晴らしいダメージ表現が施されている。 --スタンダードカーはボディの凹みと汚れのみに留まっている。問題点もある(後述)。 -また、A-specレベルが一定に達すると、衝突時に脚周りやエンジンに影響を及ぼすようになる。具体的には加速性能が低下したり、真っ直ぐ走らなくなったり、コーナリング時に挙動を乱しやすくなる等。 --これにより、如何に速く走りつつクラッシュを回避して完走するか、という現実のレースさながらの緊張感を味わう事が可能となった。 --ちなみにこのダメージ表現はレベルアップで徐々に強制的に適用されるようになっていくが、オンラインレースではレベルに左右されず、ホストの任意で制限を掛けられる。 **フォトトラベル -従来のフォトモードの事。UIとロケーションを一新し、更にロケーション内を自由に歩き回れるウォークモードを搭載。 -カメラの機能もデジタル一眼レフよろしく、手動でのフォーカスや絞り、シャッター速度の調整が可能。 -失敗しても同じシチュエーションで何度でも取り直す事ができるので、プロカメラマン顔負けの写真撮影が簡単にできる。 -このモードで撮られたプレミアムカーの写真は恐ろしいほどクオリティが高く、何も知らない人に見せるor撮影次第でほぼ間違いなく実写と思われるほど。 -これにより、クルマに乗ってレースに出る以外にも、綺麗な写真を撮ってコレクションするという楽しみ方が可能となっている。もちろんPS3から書き出して他機器での観賞や印刷も可能。 -このモードにも時間変化が実装されており、移り変わる景色やそのロケーションの現地の環境音等も相まって、実に素晴らしい雰囲気を醸し出している。 #region(一例) |#image(SLRマクラーレン.jpg ,title=メルセデス・ベンツ『SLR マクラーレン』)| |#image(787B.jpg ,title=マツダ『787B』)| |#image(8C.jpg ,title=アルファロメオ『8C コンペティツィオーネ』)| |#image(LFA.jpg ,title=レクサス『LFA』)| #endregion **地上最速のレーシングカー -2005年からF1に参戦しているレーシングコンストラクター『レッドブル・レーシング(RBR)』の全面協力のもと、''レギュレーションの枠に囚われない地上最速のレーシングカー''の構想を形にした『レッドブル X2010』が収録されている。 -あくまでゲーム中でのみ存在する架空のクルマではあるが、モックアップ(後に一般公開された)を使用した風洞実験など、実車さながらの手法で開発が行われた。設計にはRBRのチーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューイが携わり、シェイクダウンテストは2010年シーズンF1世界王者のセバスチャン・ベッテルが担当するという豪華ぶり。 -その性能はあらゆるクルマを過去のものにするほど凄まじく、ベッテルが鈴鹿サーキットを走った際には、1周目でF1マシンのコースレコードをいきなり20秒以上更新したほど。ここから先は是非自分の手で確かめてほしい。 -そして発表から一年。更なる進化を遂げた『レッドブル X2011 プロトタイプ』が登場。こちらもエイドリアン・ニューイがしっかりと監修を務めている。 **グランツーリスモから生まれたスーパーカー -本作には、フランスの自動車メーカー『シトロエン』とのコラボレーションによって生み出されたスーパーカー、『GT by シトロエン』が収録されている。((正確にはプロローグから。)) -シボレー製のスモールブロック(V8エンジン)を搭載し、その出力は500馬力以上。フルカーボンによって僅か1450kgにまで軽量化された車重、甲冑を模したデザインに戦闘機をイメージした内装、更にはバタフライドアの採用等、正にスーパーカーの名に相応しい1台である。 -なお、この車両は上記の『レッドブル X2010』と違い、''架空ではなく実在する車両である''。勿論モックアップでもない1台のクルマとして製造されている。 -過去に200万ドル・限定5台で販売する計画があったが、残念ながら中止となってしまった。しかし、それでも自動車メーカーとコラボしてスーパーカーを作ってしまったという事実は、グランツーリスモが自動車界に測り知れない影響力を持っている事を示したと言えよう。 **オンライン -オンラインレース --従来のレースに加え、集まった皆で自由に走行できるフリーレース・観戦モード・テキストチャット・ボイスチャットを搭載している。 --当然、コース・VCの有無・車重や車種、馬力、タイヤ等の制限は(ルームホストが)自由に設定可能。レース時には資金と経験値も得られる。 -My Home --プレイヤー1人につき1つ割り当てられる『家』のようなもの。オンラインモードにおけるプレイ記録やカーディーラー、A-specやライセンス等は全てここに集約されている。 --コミュニティ機能が用意されており、PSNのフレンド間でオンラインプレイができるマイラウンジ・掲示板・メール・写真・自作コースの共有等、多彩なコミュニケーションを利用可能。 -コースメーカー --トスカーナ・アラスカ・阿蘇等の基本景観を選び、全長やセクション、バンク等の簡単な設定をするだけでオリジナルのコースが作成できる。 作成したコースはフレンドとの間で共有したり、オンラインでレースをする事が可能。 --流石に『[[モッドネーション>ModNation 無限のカート王国]]』や『[[リトルビッグプラネット]]』程に作り込む事はできないが、それなりのロケーションが用意されている上に簡単にサクサク作れるので、面倒にならない。 -リモートレース --『自分のAIドライバー&クルマ』と『フレンドが公開しているAIドライバー&クルマ』を選択する事により、B-specによるオンラインレースを開催可能なモード。 ---後のアップデートで、PCやスマートフォン等の外部端末からの遠隔操作が可能となった。 **グランツーリスモTV -世界中のレース・クルマに関する様々な映像コンテンツを、GT5上で視聴できるサービス。無料のものもあれば有料のものもある。 -配信されている映像はスーパーGT・D1グランプリ・山内氏によるニュルブルクリンク24時間耐久レース密着映像・NSXconcept等の新車の公開映像・レーシングカーの祭典『Goodwood festival of speed』・ヒストリックカーイベント『Pebble Beach -Concours d'Elegance-』・日産『GT-R』や三菱『ランサーエボリューションX』の開発秘話等、実に豊富に揃っている。 -GCではない本物のスポーツカーやレースカー、プロレーサーを見る事のできる機会であり、モータースポーツファン垂涎ものの充実した内容となっている。有料コンテンツもあるが、お金を払うだけの価値は十分にあるだろう。 **配信イベント・ホットカーディーラー -先述の通り、本作はライセンス制からレベル制に変更されているのだが、同時に「後半になるほどレベルが上がりにくくなる」という問題点も生まれた。 -それへの対抗策として、発売日購入組の経験値稼ぎが辛くなってくるであろう発売から約3週間後に、この配信イベントが開始された。 --配信ペースは原則的に1週間に1回、2~5レース用意される。車両は自分で用意する必要があるが、獲得資金&経験値はspecレースよりも多いため、「資金と経験値が稼ぎ辛い」という本作の問題点が一挙に改善された。 --現実のイベントとリンクしたレースイベントも定期的に開催される他、「クリアするとプレゼントカーチケット入手」「パフォーマンスポイントを下げるほど獲得資金&経験値が増える」といった形でマンネリ化しないよう手が加えられている。特に後者はやり込み要素が高く、ユーザーからは非常に好評であった。 --この配信イベントは、発売3年目となる2013年現在でも未だに更新が続けられている。 -ホットカーディラーは、PDIによって選ばれた約20台が新車性能・新車価格((ただし慣らし運転済みの数値であり、正確な意味での新車ではない。))で購入できるというもの。配信イベントと同時に開始され、配信ペースは2週間に1回。 --以前は「Specレースに必要な車両が中古車ディーラーでしか買えないため、いつまで経ってもイベントを攻略できない」という問題があったが、ホットカーディーラーではその車両がほぼ確実に買えるため改善された。 --配信イベントに必要な車両も、同時更新されるホットカーディーラーに並ぶため、やはり車両が用意できず参戦できないという事はなくなった。 **DLC -当初はDLCをやらない意向だったが、ユーザーからの強い要望により、2011年10月18日より第1弾が開始された。 -DLC第1弾ではゲームオリジナルのツーリングカー11台((ドイツツーリングカー選手権(DTM)のツーリングカーとは別。GTにおけるツーリングカーはレギュレーションに縛られないレーシングカーの事。))とレーシングカート3台、そして先述した史上最速のレーシングカーの後継機である『レッドブル X2011プロトタイプ』が配信された。 --コースは『カートスペースI/II』と、スパ24時間耐久レースやF1ベルギーグランプリが開催される歴史深いコース『シルキュイ・ド・スパ=フランコルシャン』が追加されている。 -第2段はミニ『ミニ クーパーS』・日産『GT-R ブラックエディション』・フォルクスワーゲン『ゴルフVI R』及び『シロッコR』が配信された。 --また、同時に行われたアップデートによってトヨタ『86』が無料で追加・プレゼントされた。更にDLCを購入・重複購入した人への感謝の形として、トヨタ『FT-86 II コンセプト』及びグランツーリスモ『レーシングカート 125 SPL.』がプレゼントされるというサプライズが行われている。 -第3段はミニ『ミニ クーパーS カントリーマン』・アストンマーチン『V12 ヴァンテージ』・ランボルギーニ『アヴェンタドール LP700-4』・日産『リーフG』・ジャガー『XJR-9 LM』が配信された。 --また、最高速性能・加速性能・最大加速G等を計測できるスピードテスト機能が追加。それに伴いシリーズ最長の全長30kmという凄まじい超巨大コースの『スペシャルステージ・ルートX』が追加された。 -第4段はトヨタの北米ブランドであるサイオンから『FR-S』が追加された。もともとトヨタはGT5及びPDIに協力的((『FT-86 コンセプト』『FT-86 G スポーツ コンセプト』が完成した際、トヨタ側から「86のコンセプトカーが完成したのでGT5に収録してください」と言ってきたほど。))であり、86・FR-S共に無料提供となっている。 --コースはGT5で削除された『ツインリンクもてぎ』が有料DLCであるものの復活。従来同様ロードコース・西コース・東コース・スーパースピードウェイの計4バリエーションが揃っており、東日本大震災で破損・修正したスーパースピードウェイのピットとロードコースの接続部分が改めて再現されている等、精度は相変わらず高い。 -第5段では日産『GT-R N24』・ホンダ『HSV-010』・スバル『BRZ S』の3台が追加された。 -第6段は、正式発表前であるため外装・内装に偽装を施した次世代コルベットのシボレー『コルベット C7 テストプロトタイプ』が追加された。 --そして13年1月16日、事実上最後のDLCとして、''1月13日の正式発表から僅か3日後''に『コルベット スティングレイ ファイナルプロトタイプ』が追加。これは当初からシボレーとPDIのコラボレーションとして予定されていた事であり、改めてPDIが自動車業界に与える影響力の高さが伺える。 -これらDLCカーは一度購入してしまえば、ゲーム内資金を用いて入手できるようになる。レース用、保存兼観賞用として複数保管することも可能。 -以上のDLCは、他社・他ジャンルのそれと比較して値段も手頃(クルマ1台当たり100円など)で買いやすいため、好評を持って迎えられた。 **その他の特徴 -リアルな挙動 --GT4では過剰過ぎるオーバーステアが存在し、プロローグはオーバーステアのハンドルの返りが少なく、逆ハンドルのタイミングがやや掴みにくかったが、本作では共に大きく改善・改良されている。また、スピードを出した時に視線が適度にブレる・ハンドルの微妙な振動・スノー走行でのハンドルに伝わる感覚・アンダーステアの抜け感等は、本物に限りなく近づけられている。 --タイヤの接地感が如実に分かるというか、慣性の法則を意識しながら走るというか、言葉にはしにくいが非常にナチュラルな挙動になっている。 --クルマの作り込みについつい目を奪われがちだが、''実はこのリアルな挙動こそが本作における最大の評価点''である。ここまで現実の挙動に近付けたゲームは本作以外に存在しない。まして、ハードの性能面を考慮すれば尚更である。 -サウンド --サウンドもより進化。従来では空吹かしのエンジン音だけだったが、本作からトランスミッションの音まで再現するようになり、臨場感のある音作りとなっている。 //サウンドに関しては「音が軽い」を筆頭に不満が多く見られたが。 //↑サラウンドでやるかヘッドフォンでやるかTVスピーカーでやるかで大幅に変わるんだから何とも言えんやろ。視点変えるだけでも変わるんやし。 --BGMは189曲を収録。有名所のアーティストの曲を多数収録している他、OP曲『Moon Over The Castle GT5 Version』は過去最高のアレンジとして非常に評価が高い。カスタムサントラにも対応しており、HDDに入れたお気に入りのBGMでドライブも可能。((過去にカスタムサントラに関するバグがあったが、「バグが発生するタイミングでデフォルト曲に変える」という形で修正された。)) -グラフィック --言うまでもなくグラフィックはレースゲーム屈指のレベル。1280x1080のフルハイビジョン・60fpsでの最大16台走行が可能であり、この三つを同時に満たしているレースゲームは本作以外存在しない((フルハイビジョン・60fps・最大同時走行台数14台のリッジレーサー7超え。))。ただし可変60fpsであり、降雪・降雨時に16台走行をすると若干下がる場合がある(40fps程度に)。 ---車のグラフィックばかりが注目されるが、''背景のグラフィックも実写と殆ど変わらないレベル''である。特に新コース『アイガー北壁』の絶景には誰もが目を奪われた。これらは自分の目で見る方がよりわかりやすいだろう。それ位実写とも言えるグラフィックである。 -レーシングモディファイ --ほんの一部の車両のみだが、GT2以来久しぶりにレーシングモディファイが可能となった。外観・性能・挙動、更には内装に至るまで完全に別物へと変化する。更に一部車両のエンジン始動音も変わる。 --特に『インプレッサ セダン WRX STI』は、レーシングモディファイを施すと唯一レーシングカーではなくラリーカーへと変貌する。WRCから撤退してしまったスバルへのポリフォニーの愛が見て取れる。 -プレイヤーとB-Specドライバーのキャラクター化表現 --今回、アイテムとしてヘルメットとレーシングスーツが存在するようになり、それを組み合わせてプレイヤー自身の姿をゲーム内で表現する事が出来る。ゲーム内デモなどで、プレイヤーの分身たるレーシングドライバーの姿が描かれ、メカニックやエンジニアと対話する場面もある。 --リプレイにおいても、コクピットにはプレイヤー自身のドライビングする姿が描かれ、あたかもグランツーリスモの世界の中で自分がレーシングドライバーとして実際に活動しているかのような気分になれる。この姿はオンラインプレイにおけるアバターとしての役目も果たす。 --また、B-Specドライバーもプレイヤー同様にヘルメットとスーツの組み合わせで個性を表現でき、限定的ながら名前をつけることができるので、実在する(した)ドライバーの再現なりオリジナルのドライバーの設定を夢想するなりして楽しむことが可能。しかも今作では6人まで作成できる。 -その他の機能 --3D立体視に対応。特性上解像度が720pに下がるが、臨場感のあるレースを楽しむ事が可能。当然3DTVが必要で、何時間もやってると具合が悪くなるので注意。 --アーケードモードのみだがフェイストラッキング機能に対応。『PlayStation Eye』で顔を認識させ、レース中に顔を左右に動かしてドライビング中の視点を左右に動かす事ができる。これとハンドルコントローラとドライバー視点を組み合わせる事により、現実さながらの走行が可能。 --マルチモニターに対応。複数のモニターとPS3を組み合わせる事により、本物に限りなく近い走行が可能。ただそこまで出来るのはお金持ち限定。 ---- *短所 -ロード時間がかなり長く、特にコースの読み込みに時間が掛かる。インストールしなければもっと長い((ちなみにインストールに掛かる時間は20分位とされているが、本体の状態によって大幅に変わるので注意。))。 --本作にはゲームをプレイしつつインストールするバックインストール機能があり、ゲームを進めるにつれてちょっとずつ短くなってはくるのだが…。 ---ちなみにver2.00のアップデートによってクルマの読み込みがバックロードになったので、一般的なレースゲームより少し長い程度には落ち着いている。 --レスポンスも悪い。 ---一例として、頻繁にオートセーブがされ、その間は各画面にアクセス出来ない((これは前作もそうであったが、今作はオンライン接続が前提のためオートセーブをオフに出来ない))。 ---オンライン接続時は、常に情報(ニュース、プレイログ等)をサーバーとやりとりする形になるのか更に動作が遅くなる。 -''前作までと違い、ライセンス以外でもプレゼントカーが貰えるのは1度きり。間違って売却しないように''。 --その代わり一部を除くほぼ全てのクルマは、カーディーラー及び中古車ディーラーで購入できるようになっている。 -車ごとに購入可能レベルが設定されており、そのレベルに達しないと車を購入する事すら出来ない。''レベル制が批判されている最大の原因''。 --カーディーラーならそうでも無いが、中古車を購入する時に致命傷になりかねない。 -任意ではあるものの、トロフィーの価値・獲得条件が他のゲームと比較して凌駕している。 --よく言われているのが、''ブロンズトロフィー''の「カーコレクター」。 ---獲得条件が「ガレージのカーコレクションが1,000台になった」なので相当な手間・時間が掛かり、またブロンズトロフィーなので全く割に合わない。ただし馬鹿正直に全てのクルマを集めなければいけない訳ではなく、ただ単にクルマを1000台集めればいいだけなので、配信イベントで稼いで最安価のカートを買いまくれば面倒臭いだけで難しくはない。 --問題なのは、全イベントゴールド獲得で解除される「オールゴールド」、これの条件の1つである「セバスチャン・ベッテル Xチャレンジ」。 ---ベッテルはF1世界選手権で4連覇を記録している天才。X2010はPDIとRBRが共同開発した史上最速のレーシングカー。そしてあまり知られてはいないが、ベッテルは''重度のグランツーリスモ信者''である。 ---つまり、「重度のファンであり天才ドライバーでもあるベッテル」が、「史上最速のレーシングカー」に乗り、そして''ガチ''で走っているのである。その対抗難易度はもはや難しいなんてレベルではなく、''パッドでゴールドを獲得した人間は世界で50人もいない''とまで言われた。現在ではアップデートでパッド操作を向上させるアシストが組み込まれており、死ぬ気で頑張れば獲得できるレベルにはなったが、それでもPS3では屈指の難易度である。 --これがあまりにもきつかったせいか、次回作のGT6ではプラチナトロフィー獲得の難易度が大幅に楽になっており、またXチャレンジはアップデートでの追加(=プラチナトロフィー解除に影響しない)となった。 -スタンダードカー・ダメージ表現 --前述の通り、旧作に登場したもの(数台が初収録)を手直し(アップコンバート)して再収録している…のだが。 ---GT4やPSP版から収録したクルマはそれほど問題ではないのだが、GT3から再収録したと思われる車はびっくりするほど汚い(主にテクスチャ)。 ---早い話、クオリティのばらつきがとても激しい。アップデートで修正された程のものもあれば、プレミアムカーと見紛う程のものもある。 --いくつかのクルマはサウンドが使い回されている。本作は基本的に実車からサウンドを収録しているので、実車が存在しない等の理由でサウンドを収録できなかったクルマは、使い回す以外になかったものだと思われる。 ---クルマの解説にもコピーペーストがいくつかある(例・ロードカーとレースカーで解説が同じ等)。情報不足か開発期間が足りなかったかは不明((ただしロードカーとレースカー、どちらでも違和感ない文章にされている。))。 --前述の通りスタンダードカーのダメージ表現は『凹む』と『汚れる』のみなのだが、凹むというより『曲がる・歪む』であり、かなり見栄えが悪くなる。 --スタンダードカーはフォトトラベルでの撮影がに使用できない。リプレイでのフォトモードの撮影に限定されてしまう。 ---しかしゲーム立ち上げ時のデモにおいて、フォトトラベルの舞台に現在乗車中のクルマが表示されるものがあり、スタンダードカーに乗っていてもちゃんと表示されるため、スタンダードカーでのフォトトラベルの撮影は技術的には可能なものと思われる。 ---上記のクオリティのばらつきにより、アラが目立つのを開発側が嫌ったためだろうが、デモで見せつけられてしまうとユーザーとしては生殺しの気分を抱く向きもあるだろう。せめて、ズームアップ制限付きでもスタンダードカーでの撮影を実現出来なかったものだろうか。 ---次回作では、GTシリーズの常連車である4代目のカマロZ28やFTO、またポルシェのチューニングカーを手がけるRUFの車全てを始めとする'''セミ・プレミアム'''と呼ばれる高品質モデルのスタンダードカーが多数作られている。 -致命的ではないにせよ、細かな不具合が多い。 --例えば、「極一部の車両の内部機能(油圧計等)が動作していない」「日本車の海外ブランドの車両が日本正規未導入なのに日本車扱い」「特定の車両を特定ロケーションで写真撮影した際に影が写らない」「グラフィックミス」「誤字・脱字」「可動部分の筈の箇所が動かない」等。 //--例えば、「極一部のランエボにAYCが搭載されていない((AYC自体が極秘だと言われている為、それに関する事情かもしれない))」「日本車の海外ブランドの車両が日本正規未導入なのに日本車扱い」「特定の車両を特定ロケーションで写真撮影した際に影が写らない」「グラフィックミス」「誤字・脱字」「可動部分の筈の箇所が動かない」等。 //一部のランエボにAYCがないのは仕様。競技仕様のRSモデルは、AYCもACDもオプションで標準搭載はされていない。 ---プレイに悪影響を及ぼすものはほぼ全てアップデートで改善されたが、上記のような細かなものはスローペースであった。 ---現在はそうでもないが、過去には「アップデートで新たなバグが発生」という事もあった。 -カスタマイズ --車のボディーカラーとホイールカラーの変え方が、ペイントアイテムを消費するというもので、自分の思い通りに色を変えるのが難しい。 ---特にクロム系を使いたい人には大きな痛手となる(入手機会があまり無い為。特にシルバー)。 //--エアロパーツで交換出来る箇所があまり無く、それでいて多くて3つと少ない上、更にエアロパーツすら用意されていない車種がある。 //---エアロパーツのラインナップにもばらつきが(例:フロントバンパーが無いのにウィングが有る)。 //↑メーカー公式のエアロパーツが存在しないだけ。 --また、''ボンネットを交換すると、二度とノーマルに戻せなくなる''為、ボンネットピンが苦手な人は要注意。 --GT4ではあった中古ホイール(各クルマがデフォルトで装着しているホイールや、どこかで見たようなデザインのホイールが買える)が割愛され、旧車や軽自動車に似合うホイールが無くなってしまった。 ---どのホイールも現代的な5つ穴のホイールであり、特に80年代以前の旧車に装着すると違和感が拭えない。また、軽自動車も本来17~18インチ以上のサイズでデザインされたホイールが10~14インチに縮小されてしまうため、これも不自然になる。 -耐久レースの仕様 --耐久レースは基本的に3人前後のドライバーが交代して走るものなのだが、A-Specモードではプレイヤー1人で走りきる仕様になっている(B-Specでは複数ドライバーによる交代制)。 ---300kmレースや4時間耐久ならさほど苦でもないが、24時レースとなると話は別。流石に24時間も一人で走るのは辛い。 ---本作ではA-SpecとB-Specが完全に独立しているので、これはその弊害かと思われる。尚、現在では耐久レースの中断セーブ機能がアップデート実装されたので、この問題点は(時間が掛かるとはいえ)一応解消されている。ちなみに取得経験値やお金の倍率はレースを始めた時の倍率が適用される。 --B-SpecモードはB-Specモードで、前作で可能だった3倍速モードができなくなっている。 ---これは山内氏曰く「24時間レースを走り切る事で得られる経験を3倍速モードで安易に得てほしくないから」との事。 ---山内氏自身、現実のニュルブルクリンク24時間レースに出場しているので「簡単にクリアしてほしくない」という気持ちは判るのだが、それならそれで「一度クリアしたイベントで3倍速モードが解禁される」等の配慮がほしかったところ。 ---それよりも「24時間も連続で動かしたら本体の負荷が凄まじく掛かる」という理由で、GT4の頃に3倍速モードを使っていた人が多かったのも事実である。 --次回作にも耐久レースはあるのだが、20分程度のレースに抑えられている。 -一部コースの入れ替えと削除 --例えばシティコースは旧作に登場したコースが続投したのはモンテカルロ市街地コース・東京R246・スペシャルステージルート5とクラブマンステージルート5の4つだけ。他のコースは全て入れ替えられている。 ---これは「全コースが現実の市街地を基に測量を行って製作される」ということにこだわりきったため。現にローマ市街地コースは旧作にも登場しているが、コース形状は実際の街並みを使った別物である。 --他にもインフィニオン・レースウェイや改修前の富士スピードウェイ等、いくつかのコースが削除されている。もちろん、ニュルブルクリンク・GPコースやトップギア・テストトラック、モンツァ・サーキット等、多数の新コースも収録されているのだが…。 --ダートコース(未舗装路)はすべて一新されており、コースの風景や雰囲気も完全に変わってしまっている。 //---しかもせっかく新コースが収録されてあるのに、前作まであったスペシャルコンディションレースがなく、走る機会はかなり少ない。 //配信イベントで結構使われる。 ---シャモニー(スノーコース)も登場するが、これも同じ場所であるだけでレイアウトは別。 -オフラインのUIがオンラインに比べて使いにくい。 --オンラインでは部屋から直接ガレージにアクセスができるのだが、仕様の関係上オフラインではできず、プラクティスではわざわざホーム画面まで戻る必要がある。 --先述の通りロード時間が長めなので、オンライン基準で仕様を統一してほしいという声は多い。 -収録車種の水増しや偏りが多い --発売された地域によってグレード体系や車名が違うという問題があり、GT4ではデータを日本版、北米版、欧州版と分けて解決していた。GT5ではデータを分けずそれらをまとめたため(J)や(EU)という記号付きの車が増殖している。 --(J)は日本車の海外仕様という扱いだが、一部の国内と海外でスペックが違う車種はGT5では同一のスペックとして扱われている。 ---例として三菱GTOを挙げると、国内ではGTOという名前で販売され最高出力280psだが、北米では3000GTという名前で販売され最高出力は320psだった。GT5では北米仕様は3000GT(J)と表記され最高出力280psとなっておりスペックが間違ってしまっている。日本仕様のものを並行輸入したと言う見方もできなくはないが無理矢理感がある。 ---他にも海外仕様の車名なのにスペックが日本仕様と言ったものがたくさんある。 ---最大の問題点はこの記号付き車種が収録車種数に数えられていること。CGモデルやセッティングの数値、スペックなどは一部を除き同じであるため、水増しと言われても仕方がないだろう。 ---ゲーム内でこの記号について一切の説明が無いのも問題である。 ---- *総評 -ところどころ粗や不具合が目立つものの、サウンド・挙動・収録車数・グラフィック・それらのクオリティの高さ等、総合的な出来栄えは高く、次世代のグランツーリスモに相応しい品質であると言える。 --また、そのクオリティの高さを称えられ、''Game of the Year 2010''を獲得している。 --PS2とPS3では普及台数に大幅な差がありながら、プロローグ+本編の売上はGT4のそれを超えており、本編単体での売上もGT4に匹敵している。 -最後に、このゲームはあくまで''『ドライビングシミュレーション』''であり、派手さや爽快感等よりも、乗り物のリアルな挙動を第一義とした運転を楽しむゲームである。『マリオカート』や『モッドネーション』等のアクション性、『NFSシリーズ』等の派手さは皆無なので、そういうのを求めている人にはあまり向かない。 -要するに、''クルマ好きによるクルマ好きの為のクルマのゲーム''なのである。 ---- *余談 **『ゲームの枠を超え、ヴァーチャルをリアルに』 欧州日産とSCEE、そしてポリフォニー・デジタルによって、『GTアカデミー』と呼ばれる企画が立ち上げられた。~ その内容は、欧州12ヶ国のGT5Pトッププレイヤーに腕前を競わせ、勝ち抜いた者に''ドバイ24時間耐久レースの参戦権を与える''というものである。~ この企画の『グランツーリスモのシミュレーション環境下で培ったドライビングテクニックを実戦に結び付け、ヴァーチャルをリアルにする』というコンセプトは、プロデューサーである山内一典氏が10年以上思い描いた夢でもあった。~ 3万人近い参加者の中からファイナリスト22人を選出し、更にその中から厳選されたのはスペイン出身のルーカス・オルドネス氏。~ ルーカス氏の実力は確かなもので、ドバイ24時間耐久レースでは元F1ドライバーのジョニー・ハーバートをも超えるタイムを叩き出し、2009年の欧州選手権ではシリーズ2位を獲得するという好成績を残した。~ そして2011年。''世界3大レースイベントの1つである『ル・マン24時間耐久レース』に出場し、クラス2位として表彰台に立つという素晴らしい成績を残した''。更にインターコンチネンタル・ルマンカップ(ILMC)でもLMP2クラスタイトルを獲得するという大変な成績を残している。~ この企画は現在も続けられており、スパ24耐やル・マン24耐などで好成績を残し続けている。~ この素晴らしい結果は、グランツーリスモでトレーニングすれば大半のドライビングテクニックは習得する事ができ、安全で速いドライビングのセンスが自然と身に付く事の証明であり、またグランツーリスモのシミュレーション性が『''本物''』である事の証明でもあると言えよう。~ **『ヴァーチャルとリアルのコラボレーション』 [[トヨタ自動車株式会社とポリフォニー・デジタルによって、とあるコラボレーション企画が立ち上げられた。>http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=y9gWVGtQJl0]]~ それは、自動車の車両制御に用いられているController Area Network情報と、GPSによる位置情報を用いて、実車の走行をグランツーリスモ上でビジュアライズするというものであり、これによってプロの走りを分析して自分の走りにフィードバックできる。~ 簡単に言えば、''実車の走行データをゲーム上でそっくりそのまま再現し''、プロのゴーストと対戦する事も可能になる。~ この実車の走行を、リアルタイムでライブ再現する事も視野に入れているという。~ クルマやコースの再現精度が非常に高い本作だからこそ可能な画期的な試みと言えるだろう。~ この要素は現在開発中であり、次回作で実装される予定との事である。 ---- //アップデート内容や現在の状況を記事に反映(2013/04/22)
*'''GRAN TURISMO 5''' 【ぐらんつーりすも ふぁいぶ】 |ジャンル|オンラインカーライフシミュレーター|CENTER:&amazon(B0032UX9I0)通常版|CENTER:&amazon(B006JHDV0O)SpecII| |対応機種|プレイステーション3|~|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|~| |開発元|ポリフォニー・デジタル|~|~| |発売日|2010年11月25日&br()2012年2月2日(SpecII)|~|~| |定価|通常版 / 初回限定版:7,980円&br()RACING PACK(PS3本体同梱版):35,980円&br()Spec II:4,980円|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[グランツーリスモシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1361.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 -ドライビングシミュレーターの金字塔、『グランツーリスモシリーズ(以下GT)』の最新作でありナンバリングとしてはPS3第一弾。 -NASCAR・WRC・SUPER GT等のイベント及び車両を本格収録。オンラインに完全対応。その他にも新たなシステム・要素を大量に搭載した。 -パッケージに使用された車両は、2009年11月16日に発売されたメルセデス・ベンツ『[[SLS AMG>http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c4/Gran_Turismo_Mercedes-Benz_SLS_AMG.jpg]]』である。 ---- *特徴 **基本的な仕様 -A-spec/B-spec --A-specは自分で走るモード、B-specは監督となってAIドライバーに指示を出し勝利に導くモード。 --GT4でも両specを任意に切り替えできていたが、本作では完全に独立する形となった。 -レベル制 --今まではライセンスを取得し、それによって参戦できるイベントを増やすといった形式だったが、本作ではRPGなどのような経験値レベル制に変更された。 --具体的には、レースで勝利すると賞金と共に経験値を獲得し、それによってレベルが上昇、購入できるクルマや参戦できるイベントが増えるという具合である。それぞれ、今のレベル=自分の腕前、レベルの上昇=上達、の目安となっている。 ---このためライセンスは完全に腕を磨く&トロフィー獲得でクルマを貰う専用の場所となり、『ライセンスが取れなくてレースに出られない』という問題点は解消された。 -イベント数はA/Bspecイベントだけを見れば少ないが、今作はスペシャルイベント+配信イベントが多く、それらを合わせれば凄まじい大ボリューム。 **時間変化・天候変化 -一部のコースのみだが、昼・夕・夜・霧・降雨・降雪等、時間の経過による自然の移り変わりを美しく、正確に再現。 -時間変化は視認性に、天候変化はレースコンディションにリアルタイムで影響を及ぼしていく。無論、天候変化・時間変化の有無は設定可能。またその変化速度も調整可能。 --このなかでも降雨時の『ニュルブルクリンク ノルドシュライフェ』は、場所によって路面のグリップ力が違うという部分まで徹底再現されている((ニュルブルクリンクは全体で300mもの高低差があり、結果ハイドロプレーニング現象が発生しやすい個所が複数存在する。))。そして夜間走行時の視界性の悪さも再現されているため、『ニュルブルクリンク 24時間レース』の過酷さを追体験できるだろう。 **ビジュアルエフェクト -PS3の高い演算性能を駆使する事により、ビジュアルエフェクトが大幅に向上。 -タイヤのシステム構造はシミュレーションレベルから見直され、表面温度にまでアプローチし、リアルに限りなく近いタイヤスモークを発生させる。夜間走行時にはスモークがテールランプに照らされ赤くなるという徹底ぶり。 -その他、車体で路面を擦った際に飛ぶ火花、風でなびく路傍の草花、発熱するブレーキディスク、グラベル走行時に巻き上げられる小石等、細かな物理現象もシミュレーションのもとに徹底再現し、小さな表現の積み重ねによりリアリティが大きく増している。 --トスカーナやサルト・サーキットで打ち上げられる『花火』の美しさには誰もが驚いただろう。この花火は予め用意されたエフェクトではなく、''専用に開発された「花火シミュレータ」によって毎回演算されている''というのだから驚きである。 **多数の自動車レース及びその車両の本格収録 -レーシングカート --本来はGT6に収録される予定だったが、情報のリークにより急遽収録される事となった。 --本作ではモーターレーシングの登竜門である、スプリントカートの入門クラスの車両が収録されている。カートならではのダイレクトな挙動を味わう事が可能。 -NASCAR(ナスカー) --アメリカで開催されているストックカーレース、及びそれに用いる車両の事。本作で初収録。 --ハイテクの塊のGTカーやF1と違い、マシンコントロールに関わる電子制御が禁止されているため、純粋なセッティングとアクセルコントロールがそのまま腕の差となる。((勿論本作はシミュレーターなのでTCSやABS等は使用可能で任意にオンオフができる。ただしイベントのNASCARシリーズの一部には、強制的にそれらがOFF設定されるレースももちろんある。)) --ドラフティング((NASCARにおけるスリップストリームの同義語))を駆使してオーバーテイクする快感を体験できる他、NASCAR特有の迫力あるピットワークシーンも再現されている。 --また、『Mr.NASCAR』の異名を持ち、現役最多となる87勝を獲得しているトップレーサー、ジェフ・ゴードンがゲーム内に登場。NASCARにおける様々なテクニックを解説・伝授してくれる。 --オーバルコースも、インディアナポリス・モーター・スピードウェイとデイトナ・インターナショナル・スピードウェイが登場した。もちろんロードコースも収録されている。 -WRC(世界ラリー選手権) --WRCの車両自体はGT2より登場しているが、本作では『各SS区間での合計タイムを競う』という、現実のWRCと同じルールで競うイベントが初収録されている。 --また、WRCの現チャンピオンであり、2004年シーズンから現在まで9連覇中のセバスチャン・ローブがゲーム内に登場。グラベル・スノー・ターマックで彼のゴーストにそれぞれタイムアタックを挑む事が可能。 -その他 --スーパーカーの象徴、フェラーリ&ランボルギーニの車両((ランボルギーニの車両自体は過去にGT3にてディアブロのJGTC(現SUPER GT)仕様が登場していたが、メーカー名のみ実名では登場していなかった。))が本格収録。マセラティも『グランツーリスモS』の1台だけだが初登場している((PSP版にも登場していたが、権利ロゴだけで車両は収録されていなかった。))。 --『458 イタリア』『ムルシエラゴ LP640』といった人気車種はもちろん、1967年にデイトナやモンツァで活躍した『330 P4』までも収録。ファンを歓喜させた。 --とりわけユーザーから注目を浴びたのが、スーパーカーの代表格の一つである『ランボルギーニ ミウラ P400』。 ---ミウラが収録されているレースゲームは他にも存在するが、本作に収録されたミウラは''最初期に僅か2台しか生産されなかったプロトタイプの内の1台''である。もう1台のプロトタイプはテスト中に全損事故を起こして廃棄されているため、これが世界にたった1台しか存在しないプロトタイプ、更にボルト一本に至るまで完全にオリジナルのものが使われているベストコンディションである。~ 存在する事自体が奇跡の車両、ましてやそれが本作に収録されているのだから、ファンとユーザーの感動は凄まじいものがあった。 **収録車種・収録コース -シリーズ最多となる1031台もの車を収録している。その内の約200台がプレミアムカー、約800台がスタンダードカーである。 --DLCでの追加車両やアップデートによる追加車両もあったため現在は更に増えている。 -プレミアムカーは、エクステリア・インパネ・内装・色・音・ブレーキキャリパー・リトラクタブルライト等を、PS3の性能で再現したモデル。通常走行では全く見えない後部座席やエンジンルーム等、更にはヘッドライトのハイ&ロー切り替え・ワイパーの稼働・可動部分の作動等も忠実に再現されている。ちゃんと一部の車両のモニター類も動作する。 --これらのプレミアムカーは、1台につき''1か月~3か月''もの製作期間が掛かったとの事。CGの綺麗さそのものよりも、実写に見せようとしている努力が伺える。 -スタンダードカーは、旧作に登場した膨大な数の車を手直しして再収録したモデル。一部機能が制限されている。 --なお、Pカー・Sカー共に問題点もある。詳しくは後述。 -コースは20ロケーション・70バリエーション以上となっている。 --従来と比べコース数が減っているものの、''専門の測量チームが現地に赴いて測量を行っている''だけあって、[[再現精度は従来のそれを遥かに凌駕している。>http://www.youtube.com/watch?v=ZNJGcFR3HT4&feature=player_embedded]]特に『ル・マン サルトサーキット』の路面の凹凸、『ニュルブルクリンク』の路面に書かれた落書き等まで、かなり正確に再現されている(しかもそれぞれの名称も収録表示される)。 ---国道246号線を舞台にした東京・R246では、『りそな銀行』や『郵便局』といった看板までもしっかり再現されている。ちなみに『龍が如く』の広告まである。 --リアルサーキットの再現精度はもはや常軌を逸したレベルにまで達しており、プロのレーシングドライバーには『グランツーリスモでコースを覚えた』とコメントする者まで出る程。 **マシンへのダメージ表現 -物理演算によって、ボディの傷・凹み・破損等をリアルに再現。特に『C4 WRC』を筆頭とするラリーカーは、ボンネットが外れてエンジンルームが露出するといった素晴らしいダメージ表現が施されている。 --但し窓ガラスの破損やタイヤのバースト等といった描写の強いダメージ表現に関してはさすがにメーカーのライセンス許諾に支障をきたす恐れがある為再現されていないが・・・・。 --スタンダードカーはボディの凹みと汚れのみに留まっている。問題点もある(後述)。 -また、A-specレベルが一定に達すると、衝突時に脚周りやエンジンに影響を及ぼすようになる。具体的には加速性能が低下したり、真っ直ぐ走らなくなったり、コーナリング時に挙動を乱しやすくなる等。 --これにより、如何に速く走りつつクラッシュを回避して完走するか、という現実のレースさながらの緊張感を味わう事が可能となった。 --ちなみにこのダメージ表現はレベルアップで徐々に強制的に適用されるようになっていくが、オンラインレースではレベルに左右されず、ホストの任意で制限を掛けられる。 **フォトトラベル -従来のフォトモードの事。UIとロケーションを一新し、更にロケーション内を自由に歩き回れるウォークモードを搭載。 -カメラの機能もデジタル一眼レフよろしく、手動でのフォーカスや絞り、シャッター速度の調整が可能。 -失敗しても同じシチュエーションで何度でも取り直す事ができるので、プロカメラマン顔負けの写真撮影が簡単にできる。 -このモードで撮られたプレミアムカーの写真は恐ろしいほどクオリティが高く、何も知らない人に見せるor撮影次第でほぼ間違いなく実写と思われるほど。 -これにより、クルマに乗ってレースに出る以外にも、綺麗な写真を撮ってコレクションするという楽しみ方が可能となっている。もちろんPS3から書き出して他機器での観賞や印刷も可能。 -このモードにも時間変化が実装されており、移り変わる景色やそのロケーションの現地の環境音等も相まって、実に素晴らしい雰囲気を醸し出している。 #region(一例) |#image(SLRマクラーレン.jpg ,title=メルセデス・ベンツ『SLR マクラーレン』)| |#image(787B.jpg ,title=マツダ『787B』)| |#image(8C.jpg ,title=アルファロメオ『8C コンペティツィオーネ』)| |#image(LFA.jpg ,title=レクサス『LFA』)| #endregion **地上最速のレーシングカー -2005年からF1に参戦しているレーシングコンストラクター『レッドブル・レーシング(RBR)』の全面協力のもと、''レギュレーションの枠に囚われない地上最速のレーシングカー''の構想を形にした『レッドブル X2010』が収録されている。 -あくまでゲーム中でのみ存在する架空のクルマではあるが、モックアップ(後に一般公開された)を使用した風洞実験など、実車さながらの手法で開発が行われた。設計にはRBRのチーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューイが携わり、シェイクダウンテストは2010年シーズンF1世界王者のセバスチャン・ベッテルが担当するという豪華ぶり。 -その性能はあらゆるクルマを過去のものにするほど凄まじく、ベッテルが鈴鹿サーキットを走った際には、1周目でF1マシンのコースレコードをいきなり20秒以上更新したほど。ここから先は是非自分の手で確かめてほしい。 -そして発表から一年。更なる進化を遂げた『レッドブル X2011 プロトタイプ』が登場。こちらもエイドリアン・ニューイがしっかりと監修を務めている。 **グランツーリスモから生まれたスーパーカー -本作には、フランスの自動車メーカー『シトロエン』とのコラボレーションによって生み出されたスーパーカー、『GT by シトロエン』が収録されている。((正確にはプロローグから。)) -シボレー製のスモールブロック(V8エンジン)を搭載し、その出力は500馬力以上。フルカーボンによって僅か1450kgにまで軽量化された車重、甲冑を模したデザインに戦闘機をイメージした内装、更にはバタフライドアの採用等、正にスーパーカーの名に相応しい1台である。 -なお、この車両は上記の『レッドブル X2010』と違い、''架空ではなく実在する車両である''。勿論モックアップでもない1台のクルマとして製造されている。 -過去に200万ドル・限定5台で販売する計画があったが、残念ながら中止となってしまった。しかし、それでも自動車メーカーとコラボしてスーパーカーを作ってしまったという事実は、グランツーリスモが自動車界に測り知れない影響力を持っている事を示したと言えよう。 **オンライン -オンラインレース --従来のレースに加え、集まった皆で自由に走行できるフリーレース・観戦モード・テキストチャット・ボイスチャットを搭載している。 --当然、コース・VCの有無・車重や車種、馬力、タイヤ等の制限は(ルームホストが)自由に設定可能。レース時には資金と経験値も得られる。 -My Home --プレイヤー1人につき1つ割り当てられる『家』のようなもの。オンラインモードにおけるプレイ記録やカーディーラー、A-specやライセンス等は全てここに集約されている。 --コミュニティ機能が用意されており、PSNのフレンド間でオンラインプレイができるマイラウンジ・掲示板・メール・写真・自作コースの共有等、多彩なコミュニケーションを利用可能。 -コースメーカー --トスカーナ・アラスカ・阿蘇等の基本景観を選び、全長やセクション、バンク等の簡単な設定をするだけでオリジナルのコースが作成できる。 作成したコースはフレンドとの間で共有したり、オンラインでレースをする事が可能。 --流石に『[[モッドネーション>ModNation 無限のカート王国]]』や『[[リトルビッグプラネット]]』程に作り込む事はできないが、それなりのロケーションが用意されている上に簡単にサクサク作れるので、面倒にならない。 -リモートレース --『自分のAIドライバー&クルマ』と『フレンドが公開しているAIドライバー&クルマ』を選択する事により、B-specによるオンラインレースを開催可能なモード。 ---後のアップデートで、PCやスマートフォン等の外部端末からの遠隔操作が可能となった。 **グランツーリスモTV -世界中のレース・クルマに関する様々な映像コンテンツを、GT5上で視聴できるサービス。無料のものもあれば有料のものもある。 -配信されている映像はスーパーGT・D1グランプリ・山内氏によるニュルブルクリンク24時間耐久レース密着映像・NSXconcept等の新車の公開映像・レーシングカーの祭典『Goodwood festival of speed』・ヒストリックカーイベント『Pebble Beach -Concours d'Elegance-』・日産『GT-R』や三菱『ランサーエボリューションX』の開発秘話等、実に豊富に揃っている。 -GCではない本物のスポーツカーやレースカー、プロレーサーを見る事のできる機会であり、モータースポーツファン垂涎ものの充実した内容となっている。有料コンテンツもあるが、お金を払うだけの価値は十分にあるだろう。 **配信イベント・ホットカーディーラー -先述の通り、本作はライセンス制からレベル制に変更されているのだが、同時に「後半になるほどレベルが上がりにくくなる」という問題点も生まれた。 -それへの対抗策として、発売日購入組の経験値稼ぎが辛くなってくるであろう発売から約3週間後に、この配信イベントが開始された。 --配信ペースは原則的に1週間に1回、2~5レース用意される。車両は自分で用意する必要があるが、獲得資金&経験値はspecレースよりも多いため、「資金と経験値が稼ぎ辛い」という本作の問題点が一挙に改善された。 --現実のイベントとリンクしたレースイベントも定期的に開催される他、「クリアするとプレゼントカーチケット入手」「パフォーマンスポイントを下げるほど獲得資金&経験値が増える」といった形でマンネリ化しないよう手が加えられている。特に後者はやり込み要素が高く、ユーザーからは非常に好評であった。 --この配信イベントは、発売3年目となる2013年現在でも未だに更新が続けられている。 -ホットカーディラーは、PDIによって選ばれた約20台が新車性能・新車価格((ただし慣らし運転済みの数値であり、正確な意味での新車ではない。))で購入できるというもの。配信イベントと同時に開始され、配信ペースは2週間に1回。 --以前は「Specレースに必要な車両が中古車ディーラーでしか買えないため、いつまで経ってもイベントを攻略できない」という問題があったが、ホットカーディーラーではその車両がほぼ確実に買えるため改善された。 --配信イベントに必要な車両も、同時更新されるホットカーディーラーに並ぶため、やはり車両が用意できず参戦できないという事はなくなった。 **DLC -当初はDLCをやらない意向だったが、ユーザーからの強い要望により、2011年10月18日より第1弾が開始された。 -DLC第1弾ではゲームオリジナルのツーリングカー11台((ドイツツーリングカー選手権(DTM)のツーリングカーとは別。GTにおけるツーリングカーはレギュレーションに縛られないレーシングカーの事。))とレーシングカート3台、そして先述した史上最速のレーシングカーの後継機である『レッドブル X2011プロトタイプ』が配信された。 --コースは『カートスペースI/II』と、スパ24時間耐久レースやF1ベルギーグランプリが開催される歴史深いコース『シルキュイ・ド・スパ=フランコルシャン』が追加されている。 -第2段はミニ『ミニ クーパーS』・日産『GT-R ブラックエディション』・フォルクスワーゲン『ゴルフVI R』及び『シロッコR』が配信された。 --また、同時に行われたアップデートによってトヨタ『86』が無料で追加・プレゼントされた。更にDLCを購入・重複購入した人への感謝の形として、トヨタ『FT-86 II コンセプト』及びグランツーリスモ『レーシングカート 125 SPL.』がプレゼントされるというサプライズが行われている。 -第3段はミニ『ミニ クーパーS カントリーマン』・アストンマーチン『V12 ヴァンテージ』・ランボルギーニ『アヴェンタドール LP700-4』・日産『リーフG』・ジャガー『XJR-9 LM』が配信された。 --また、最高速性能・加速性能・最大加速G等を計測できるスピードテスト機能が追加。それに伴いシリーズ最長の全長30kmという凄まじい超巨大コースの『スペシャルステージ・ルートX』が追加された。 -第4段はトヨタの北米ブランドであるサイオンから『FR-S』が追加された。もともとトヨタはGT5及びPDIに協力的((『FT-86 コンセプト』『FT-86 G スポーツ コンセプト』が完成した際、トヨタ側から「86のコンセプトカーが完成したのでGT5に収録してください」と言ってきたほど。))であり、86・FR-S共に無料提供となっている。 --コースはGT5で削除された『ツインリンクもてぎ』が有料DLCであるものの復活。従来同様ロードコース・西コース・東コース・スーパースピードウェイの計4バリエーションが揃っており、東日本大震災で破損・修正したスーパースピードウェイのピットとロードコースの接続部分が改めて再現されている等、精度は相変わらず高い。 -第5段では日産『GT-R N24』・ホンダ『HSV-010』・スバル『BRZ S』の3台が追加された。 -第6段は、正式発表前であるため外装・内装に偽装を施した次世代コルベットのシボレー『コルベット C7 テストプロトタイプ』が追加された。 --そして13年1月16日、事実上最後のDLCとして、''1月13日の正式発表から僅か3日後''に『コルベット スティングレイ ファイナルプロトタイプ』が追加。これは当初からシボレーとPDIのコラボレーションとして予定されていた事であり、改めてPDIが自動車業界に与える影響力の高さが伺える。 -これらDLCカーは一度購入してしまえば、ゲーム内資金を用いて入手できるようになる。レース用、保存兼観賞用として複数保管することも可能。 -以上のDLCは、他社・他ジャンルのそれと比較して値段も手頃(クルマ1台当たり100円など)で買いやすいため、好評を持って迎えられた。 **その他の特徴 -リアルな挙動 --GT4では過剰過ぎるオーバーステアが存在し、プロローグはオーバーステアのハンドルの返りが少なく、逆ハンドルのタイミングがやや掴みにくかったが、本作では共に大きく改善・改良されている。また、スピードを出した時に視線が適度にブレる・ハンドルの微妙な振動・スノー走行でのハンドルに伝わる感覚・アンダーステアの抜け感等は、本物に限りなく近づけられている。 --タイヤの接地感が如実に分かるというか、慣性の法則を意識しながら走るというか、言葉にはしにくいが非常にナチュラルな挙動になっている。 --クルマの作り込みについつい目を奪われがちだが、''実はこのリアルな挙動こそが本作における最大の評価点''である。ここまで現実の挙動に近付けたゲームは本作以外に存在しない。まして、ハードの性能面を考慮すれば尚更である。 -サウンド --サウンドもより進化。従来では空吹かしのエンジン音だけだったが、本作からトランスミッションの音まで再現するようになり、臨場感のある音作りとなっている。 //サウンドに関しては「音が軽い」を筆頭に不満が多く見られたが。 //↑サラウンドでやるかヘッドフォンでやるかTVスピーカーでやるかで大幅に変わるんだから何とも言えんやろ。視点変えるだけでも変わるんやし。 --BGMは189曲を収録。有名所のアーティストの曲を多数収録している他、OP曲『Moon Over The Castle GT5 Version』は過去最高のアレンジとして非常に評価が高い。カスタムサントラにも対応しており、HDDに入れたお気に入りのBGMでドライブも可能。((過去にカスタムサントラに関するバグがあったが、「バグが発生するタイミングでデフォルト曲に変える」という形で修正された。)) -グラフィック --言うまでもなくグラフィックはレースゲーム屈指のレベル。1280x1080のフルハイビジョン・60fpsでの最大16台走行が可能であり、この三つを同時に満たしているレースゲームは本作以外存在しない((フルハイビジョン・60fps・最大同時走行台数14台のリッジレーサー7超え。))。ただし可変60fpsであり、降雪・降雨時に16台走行をすると若干下がる場合がある(40fps程度に)。 ---車のグラフィックばかりが注目されるが、''背景のグラフィックも実写と殆ど変わらないレベル''である。特に新コース『アイガー北壁』の絶景には誰もが目を奪われた。これらは自分の目で見る方がよりわかりやすいだろう。それ位実写とも言えるグラフィックである。 -レーシングモディファイ --ほんの一部の車両のみだが、GT2以来久しぶりにレーシングモディファイが可能となった。外観・性能・挙動、更には内装に至るまで完全に別物へと変化する。更に一部車両のエンジン始動音も変わる。 --特に『インプレッサ セダン WRX STI』は、レーシングモディファイを施すと唯一レーシングカーではなくラリーカーへと変貌する。WRCから撤退してしまったスバルへのポリフォニーの愛が見て取れる。 -プレイヤーとB-Specドライバーのキャラクター化表現 --今回、アイテムとしてヘルメットとレーシングスーツが存在するようになり、それを組み合わせてプレイヤー自身の姿をゲーム内で表現する事が出来る。ゲーム内デモなどで、プレイヤーの分身たるレーシングドライバーの姿が描かれ、メカニックやエンジニアと対話する場面もある。 --リプレイにおいても、コクピットにはプレイヤー自身のドライビングする姿が描かれ、あたかもグランツーリスモの世界の中で自分がレーシングドライバーとして実際に活動しているかのような気分になれる。この姿はオンラインプレイにおけるアバターとしての役目も果たす。 --また、B-Specドライバーもプレイヤー同様にヘルメットとスーツの組み合わせで個性を表現でき、限定的ながら名前をつけることができるので、実在する(した)ドライバーの再現なりオリジナルのドライバーの設定を夢想するなりして楽しむことが可能。しかも今作では6人まで作成できる。 -その他の機能 --3D立体視に対応。特性上解像度が720pに下がるが、臨場感のあるレースを楽しむ事が可能。当然3DTVが必要で、何時間もやってると具合が悪くなるので注意。 --アーケードモードのみだがフェイストラッキング機能に対応。『PlayStation Eye』で顔を認識させ、レース中に顔を左右に動かしてドライビング中の視点を左右に動かす事ができる。これとハンドルコントローラとドライバー視点を組み合わせる事により、現実さながらの走行が可能。 --マルチモニターに対応。複数のモニターとPS3を組み合わせる事により、本物に限りなく近い走行が可能。ただそこまで出来るのはお金持ち限定。 ---- *短所 -ロード時間がかなり長く、特にコースの読み込みに時間が掛かる。インストールしなければもっと長い((ちなみにインストールに掛かる時間は20分位とされているが、本体の状態によって大幅に変わるので注意。))。 --本作にはゲームをプレイしつつインストールするバックインストール機能があり、ゲームを進めるにつれてちょっとずつ短くなってはくるのだが…。 ---ちなみにver2.00のアップデートによってクルマの読み込みがバックロードになったので、一般的なレースゲームより少し長い程度には落ち着いている。 --レスポンスも悪い。 ---一例として、頻繁にオートセーブがされ、その間は各画面にアクセス出来ない((これは前作もそうであったが、今作はオンライン接続が前提のためオートセーブをオフに出来ない))。 ---オンライン接続時は、常に情報(ニュース、プレイログ等)をサーバーとやりとりする形になるのか更に動作が遅くなる。 -''前作までと違い、ライセンス以外でもプレゼントカーが貰えるのは1度きり。間違って売却しないように''。 --その代わり一部を除くほぼ全てのクルマは、カーディーラー及び中古車ディーラーで購入できるようになっている。 -車ごとに購入可能レベルが設定されており、そのレベルに達しないと車を購入する事すら出来ない。''レベル制が批判されている最大の原因''。 --カーディーラーならそうでも無いが、中古車を購入する時に致命傷になりかねない。 -任意ではあるものの、トロフィーの価値・獲得条件が他のゲームと比較して凌駕している。 --よく言われているのが、''ブロンズトロフィー''の「カーコレクター」。 ---獲得条件が「ガレージのカーコレクションが1,000台になった」なので相当な手間・時間が掛かり、またブロンズトロフィーなので全く割に合わない。ただし馬鹿正直に全てのクルマを集めなければいけない訳ではなく、ただ単にクルマを1000台集めればいいだけなので、配信イベントで稼いで最安価のカートを買いまくれば面倒臭いだけで難しくはない。 --問題なのは、全イベントゴールド獲得で解除される「オールゴールド」、これの条件の1つである「セバスチャン・ベッテル Xチャレンジ」。 ---ベッテルはF1世界選手権で4連覇を記録している天才。X2010はPDIとRBRが共同開発した史上最速のレーシングカー。そしてあまり知られてはいないが、ベッテルは''重度のグランツーリスモ信者''である。 ---つまり、「重度のファンであり天才ドライバーでもあるベッテル」が、「史上最速のレーシングカー」に乗り、そして''ガチ''で走っているのである。その対抗難易度はもはや難しいなんてレベルではなく、''パッドでゴールドを獲得した人間は世界で50人もいない''とまで言われた。現在ではアップデートでパッド操作を向上させるアシストが組み込まれており、死ぬ気で頑張れば獲得できるレベルにはなったが、それでもPS3では屈指の難易度である。 --これがあまりにもきつかったせいか、次回作のGT6ではプラチナトロフィー獲得の難易度が大幅に楽になっており、またXチャレンジはアップデートでの追加(=プラチナトロフィー解除に影響しない)となった。 -スタンダードカー・ダメージ表現 --前述の通り、旧作に登場したもの(数台が初収録)を手直し(アップコンバート)して再収録している…のだが。 ---GT4やPSP版から収録したクルマはそれほど問題ではないのだが、GT3から再収録したと思われる車はびっくりするほど汚い(主にテクスチャ)。 ---早い話、クオリティのばらつきがとても激しい。アップデートで修正された程のものもあれば、プレミアムカーと見紛う程のものもある。 --いくつかのクルマはサウンドが使い回されている。本作は基本的に実車からサウンドを収録しているので、実車が存在しない等の理由でサウンドを収録できなかったクルマは、使い回す以外になかったものだと思われる。 ---クルマの解説にもコピーペーストがいくつかある(例・ロードカーとレースカーで解説が同じ等)。情報不足か開発期間が足りなかったかは不明((ただしロードカーとレースカー、どちらでも違和感ない文章にされている。))。 --前述の通りスタンダードカーのダメージ表現は『凹む』と『汚れる』のみなのだが、凹むというより『曲がる・歪む』であり、かなり見栄えが悪くなる。 --スタンダードカーはフォトトラベルでの撮影がに使用できない。リプレイでのフォトモードの撮影に限定されてしまう。 ---しかしゲーム立ち上げ時のデモにおいて、フォトトラベルの舞台に現在乗車中のクルマが表示されるものがあり、スタンダードカーに乗っていてもちゃんと表示されるため、スタンダードカーでのフォトトラベルの撮影は技術的には可能なものと思われる。 ---上記のクオリティのばらつきにより、アラが目立つのを開発側が嫌ったためだろうが、デモで見せつけられてしまうとユーザーとしては生殺しの気分を抱く向きもあるだろう。せめて、ズームアップ制限付きでもスタンダードカーでの撮影を実現出来なかったものだろうか。 ---次回作では、GTシリーズの常連車である4代目のカマロZ28やFTO、またポルシェのチューニングカーを手がけるRUFの車全てを始めとする'''セミ・プレミアム'''と呼ばれる高品質モデルのスタンダードカーが多数作られている。 -致命的ではないにせよ、細かな不具合が多い。 --例えば、「極一部の車両の内部機能(油圧計等)が動作していない」「日本車の海外ブランドの車両が日本正規未導入なのに日本車扱い」「特定の車両を特定ロケーションで写真撮影した際に影が写らない」「グラフィックミス」「誤字・脱字」「可動部分の筈の箇所が動かない」等。 //--例えば、「極一部のランエボにAYCが搭載されていない((AYC自体が極秘だと言われている為、それに関する事情かもしれない))」「日本車の海外ブランドの車両が日本正規未導入なのに日本車扱い」「特定の車両を特定ロケーションで写真撮影した際に影が写らない」「グラフィックミス」「誤字・脱字」「可動部分の筈の箇所が動かない」等。 //一部のランエボにAYCがないのは仕様。競技仕様のRSモデルは、AYCもACDもオプションで標準搭載はされていない。 ---プレイに悪影響を及ぼすものはほぼ全てアップデートで改善されたが、上記のような細かなものはスローペースであった。 ---現在はそうでもないが、過去には「アップデートで新たなバグが発生」という事もあった。 -カスタマイズ --車のボディーカラーとホイールカラーの変え方が、ペイントアイテムを消費するというもので、自分の思い通りに色を変えるのが難しい。 ---特にクロム系を使いたい人には大きな痛手となる(入手機会があまり無い為。特にシルバー)。 //--エアロパーツで交換出来る箇所があまり無く、それでいて多くて3つと少ない上、更にエアロパーツすら用意されていない車種がある。 //---エアロパーツのラインナップにもばらつきが(例:フロントバンパーが無いのにウィングが有る)。 //↑メーカー公式のエアロパーツが存在しないだけ。 --また、''ボンネットを交換すると、二度とノーマルに戻せなくなる''為、ボンネットピンが苦手な人は要注意。 --GT4ではあった中古ホイール(各クルマがデフォルトで装着しているホイールや、どこかで見たようなデザインのホイールが買える)が割愛され、旧車や軽自動車に似合うホイールが無くなってしまった。 ---どのホイールも現代的な5つ穴のホイールであり、特に80年代以前の旧車に装着すると違和感が拭えない。また、軽自動車も本来17~18インチ以上のサイズでデザインされたホイールが10~14インチに縮小されてしまうため、これも不自然になる。 -耐久レースの仕様 --耐久レースは基本的に3人前後のドライバーが交代して走るものなのだが、A-Specモードではプレイヤー1人で走りきる仕様になっている(B-Specでは複数ドライバーによる交代制)。 ---300kmレースや4時間耐久ならさほど苦でもないが、24時レースとなると話は別。流石に24時間も一人で走るのは辛い。 ---本作ではA-SpecとB-Specが完全に独立しているので、これはその弊害かと思われる。尚、現在では耐久レースの中断セーブ機能がアップデート実装されたので、この問題点は(時間が掛かるとはいえ)一応解消されている。ちなみに取得経験値やお金の倍率はレースを始めた時の倍率が適用される。 --B-SpecモードはB-Specモードで、前作で可能だった3倍速モードができなくなっている。 ---これは山内氏曰く「24時間レースを走り切る事で得られる経験を3倍速モードで安易に得てほしくないから」との事。 ---山内氏自身、現実のニュルブルクリンク24時間レースに出場しているので「簡単にクリアしてほしくない」という気持ちは判るのだが、それならそれで「一度クリアしたイベントで3倍速モードが解禁される」等の配慮がほしかったところ。 ---それよりも「24時間も連続で動かしたら本体の負荷が凄まじく掛かる」という理由で、GT4の頃に3倍速モードを使っていた人が多かったのも事実である。 --次回作にも耐久レースはあるのだが、20分程度のレースに抑えられている。 -一部コースの入れ替えと削除 --例えばシティコースは旧作に登場したコースが続投したのはモンテカルロ市街地コース・東京R246・スペシャルステージルート5とクラブマンステージルート5の4つだけ。他のコースは全て入れ替えられている。 ---これは「全コースが現実の市街地を基に測量を行って製作される」ということにこだわりきったため。現にローマ市街地コースは旧作にも登場しているが、コース形状は実際の街並みを使った別物である。 --他にもインフィニオン・レースウェイや改修前の富士スピードウェイ等、いくつかのコースが削除されている。もちろん、ニュルブルクリンク・GPコースやトップギア・テストトラック、モンツァ・サーキット等、多数の新コースも収録されているのだが…。 --ダートコース(未舗装路)はすべて一新されており、コースの風景や雰囲気も完全に変わってしまっている。 //---しかもせっかく新コースが収録されてあるのに、前作まであったスペシャルコンディションレースがなく、走る機会はかなり少ない。 //配信イベントで結構使われる。 ---シャモニー(スノーコース)も登場するが、これも同じ場所であるだけでレイアウトは別。 -オフラインのUIがオンラインに比べて使いにくい。 --オンラインでは部屋から直接ガレージにアクセスができるのだが、仕様の関係上オフラインではできず、プラクティスではわざわざホーム画面まで戻る必要がある。 --先述の通りロード時間が長めなので、オンライン基準で仕様を統一してほしいという声は多い。 -収録車種の水増しや偏りが多い --発売された地域によってグレード体系や車名が違うという問題があり、GT4ではデータを日本版、北米版、欧州版と分けて解決していた。GT5ではデータを分けずそれらをまとめたため(J)や(EU)という記号付きの車が増殖している。 --(J)は日本車の海外仕様という扱いだが、一部の国内と海外でスペックが違う車種はGT5では同一のスペックとして扱われている。 ---例として三菱GTOを挙げると、国内ではGTOという名前で販売され最高出力280psだが、北米では3000GTという名前で販売され最高出力は320psだった。GT5では北米仕様は3000GT(J)と表記され最高出力280psとなっておりスペックが間違ってしまっている。日本仕様のものを並行輸入したと言う見方もできなくはないが無理矢理感がある。 ---他にも海外仕様の車名なのにスペックが日本仕様と言ったものがたくさんある。 ---最大の問題点はこの記号付き車種が収録車種数に数えられていること。CGモデルやセッティングの数値、スペックなどは一部を除き同じであるため、水増しと言われても仕方がないだろう。 ---ゲーム内でこの記号について一切の説明が無いのも問題である。 ---- *総評 -ところどころ粗や不具合が目立つものの、サウンド・挙動・収録車数・グラフィック・それらのクオリティの高さ等、総合的な出来栄えは高く、次世代のグランツーリスモに相応しい品質であると言える。 --また、そのクオリティの高さを称えられ、''Game of the Year 2010''を獲得している。 --PS2とPS3では普及台数に大幅な差がありながら、プロローグ+本編の売上はGT4のそれを超えており、本編単体での売上もGT4に匹敵している。 -最後に、このゲームはあくまで''『ドライビングシミュレーション』''であり、派手さや爽快感等よりも、乗り物のリアルな挙動を第一義とした運転を楽しむゲームである。『マリオカート』や『モッドネーション』等のアクション性、『NFSシリーズ』等の派手さは皆無なので、そういうのを求めている人にはあまり向かない。 -要するに、''クルマ好きによるクルマ好きの為のクルマのゲーム''なのである。 ---- *余談 **『ゲームの枠を超え、ヴァーチャルをリアルに』 欧州日産とSCEE、そしてポリフォニー・デジタルによって、『GTアカデミー』と呼ばれる企画が立ち上げられた。~ その内容は、欧州12ヶ国のGT5Pトッププレイヤーに腕前を競わせ、勝ち抜いた者に''ドバイ24時間耐久レースの参戦権を与える''というものである。~ この企画の『グランツーリスモのシミュレーション環境下で培ったドライビングテクニックを実戦に結び付け、ヴァーチャルをリアルにする』というコンセプトは、プロデューサーである山内一典氏が10年以上思い描いた夢でもあった。~ 3万人近い参加者の中からファイナリスト22人を選出し、更にその中から厳選されたのはスペイン出身のルーカス・オルドネス氏。~ ルーカス氏の実力は確かなもので、ドバイ24時間耐久レースでは元F1ドライバーのジョニー・ハーバートをも超えるタイムを叩き出し、2009年の欧州選手権ではシリーズ2位を獲得するという好成績を残した。~ そして2011年。''世界3大レースイベントの1つである『ル・マン24時間耐久レース』に出場し、クラス2位として表彰台に立つという素晴らしい成績を残した''。更にインターコンチネンタル・ルマンカップ(ILMC)でもLMP2クラスタイトルを獲得するという大変な成績を残している。~ この企画は現在も続けられており、スパ24耐やル・マン24耐などで好成績を残し続けている。~ この素晴らしい結果は、グランツーリスモでトレーニングすれば大半のドライビングテクニックは習得する事ができ、安全で速いドライビングのセンスが自然と身に付く事の証明であり、またグランツーリスモのシミュレーション性が『''本物''』である事の証明でもあると言えよう。~ **『ヴァーチャルとリアルのコラボレーション』 [[トヨタ自動車株式会社とポリフォニー・デジタルによって、とあるコラボレーション企画が立ち上げられた。>http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=y9gWVGtQJl0]]~ それは、自動車の車両制御に用いられているController Area Network情報と、GPSによる位置情報を用いて、実車の走行をグランツーリスモ上でビジュアライズするというものであり、これによってプロの走りを分析して自分の走りにフィードバックできる。~ 簡単に言えば、''実車の走行データをゲーム上でそっくりそのまま再現し''、プロのゴーストと対戦する事も可能になる。~ この実車の走行を、リアルタイムでライブ再現する事も視野に入れているという。~ クルマやコースの再現精度が非常に高い本作だからこそ可能な画期的な試みと言えるだろう。~ この要素は現在開発中であり、次回作で実装される予定との事である。 ---- //アップデート内容や現在の状況を記事に反映(2013/04/22)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: