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ロックマン8 メタルヒーローズ」を以下のとおり復元します。
*ロックマン8 メタルヒーローズ
【ろっくまんえいと めたるひーろーず】
|ジャンル|横スクロールアクション|CENTER:&amazon(B000069TCY)|CENTER:&amazon(B000069TCZ)|
|対応機種|プレイステーション&brセガサターン|~|~|
|発売・開発元|カプコン|~|~|
|発売日|【PS】1996年12月17日&br【SS】1997年1月17日|~|~|
|定価|6,090円(税込)|~|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※ゲームアーカイブスで付与|~|~|
|廉価版|PlayStation the Best for Family&br()1997年11月27日/2,940円(税込)|~|~|
|配信|ゲームアーカイブス&br()2014年12月17日~2019年12月13日/617円 (税込)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ロックマンシリーズの8作目。~
長年ファミコンでシリーズ展開していたものが前作でようやくスーパーファミコンに進出したが、今作はプレイステーションとセガサターンで発売された。~
SS版には追加変更要素がある。

**プロローグ
> 宇宙の彼方より飛来する二体の謎のロボット…~
地球外の文明の片鱗を見せる「彼ら」は、熾烈な戦い繰り広げながら太陽系まで到達を果たす。~
そして双方が渾身のオーラを込めた最後の一撃は、まるで紫色と青色の二つの流星の衝突だった。~
戦いの果てに謎のロボットは、双方共に完全に大破し地球へと落下していく。~
~
Dr.ライトはこの落下するロボットの残骸を、高エネルギー反応の隕石と判断しロックマンを調査へ向かせるのだった。~
しかし偶然にも、残骸の落下した島はDr.ワイリーの秘密基地であり、ワイリーは紫のロボットの残骸を回収し逃亡してしまう。~
ワイリーが手にした巨大な力を秘める「悪のエネルギー」を軸に、宇宙から来た謎の青いオーラのロボット「デューオ」とDr.ワイリーの野望をめぐる戦いが始まる。

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**特徴
-前作では他社委託のGB版『[[ロックマンワールド4]]』から一部のシステムを逆輸入していたが、本作でも『[[ロックマンワールド5]]』から武器エネルギーの消費を抑えるアイテムを逆輸入している。

-BGMは全体的に落ち着いたものとなり激しい曲調が多かった従来の作品とは違った雰囲気になっている。
--なお激しい曲調である主題歌は作曲者が異なっている。

-今作のボスキャラ公募は上位ハードの特性を活かすためかあらかじめボスの攻撃方法が決まっていたようで特殊な形式で公募された。
--まずテングマンとアストロマンの2体はあらかじめカプコン側がデザインしたもので、一般募集は残り6体。 
--うち3体は骨格のみ最初から用意された「未完成ロボット」に肉付けをして完成させる形で"分離胴体&片腕剣ロボ"(後のソードマン)、"腕長ロボ"(後のクラウンマン)、"双頭&片腕キャノンロボ"(後のサーチマン)という奇抜な形で募集された。
--残りの3体は従来通り自由デザイン形式である。結果として従来より個性的なデザインのボスが多くなり幅が広がったが、シリーズの一時中断により今作が最後のボスキャラ公募となった。

#region(本作のボスと特殊武器)
|>|前半4ステージ|
|テングマン|トルネードホールド: 敵に多段ヒットする竜巻を設置。自身が竜巻に入ると空高く上昇|
|クラウンマン|サンダークロー: 一定距離で戻る電撃ワイヤーを伸ばす。地形のフックに引っ掛けぶら下がれる|
|フロストマン|アイスウェーブ: 床を這う氷の刃を放つ。敵を貫通し、多段ヒットする|
|グレネードマン|フラッシュボム: 爆弾を真っ直ぐに撃つ。敵や地形に当たると多段ヒットする爆発を起こす|
|>|後半4ステージ|
|アストロマン|アストロクラッシュ: 隕石群を降らせ画面全体に攻撃。特定の地形を破壊できる|
|ソードマン|フレイムソード: 炎の剣を振るう|
|サーチマン|ホーミングスナイパー: 追尾ミサイルを撃つ。チャージにより同時発射数増加|
|アクアマン|ウォーターバルーン: 弧を描くように水球を投げる|
#endregion

***SS版の追加修正点
-最も顕著なのはカットマン(『1』のボス)とウッドマン(『2』のボス)が登場する事。カットマンは中間ステージの隠しボスとして、ウッドマンはサーチマンステージの中ボスとして登場する。
--なお、この2体のボイスは本職の声優ではなく、製作スタッフが担当している模様。

-SS版ではゲーム中のBGMや声の試聴、公式イラストやボスキャラ募集のために集まったイラストを閲覧できるモードがある。

-テングマンステージのBGMが異なる。さらにボス戦BGMの出だしも若干異なる。
--ちなみに忘れたころに発売されたサントラには未収録。2012年にイーカプコン専売で発売された『ロックカン サウンドE缶』には、テングマンなどSS版の曲も収録された((内蔵音源を使用しているためその他の曲もPS版と差異があるのだが、テングマン・カットマン・ウッドマンステージ以外は未収録。「全て収録して欲しかった」との声も多い。))。
--テングマンステージのSS版BGMは後に、ロックマン30周年記念ライブの楽曲に選ばれた。

-ネジの配置が一部違う(総数は同じ)。

-PS版よりも敵やトラップの数が多く、若干難易度が高い。

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**評価点
//一部、評価点なのか疑わしい要素も混じっていますが、大半が評価点であるため評価点にまとめてしまいます。判定が良作なのに評価点の項目がないという、歪な記事となっていたので。
-ハードの性能向上に伴い、演出が強化されている。
--美麗なグラフィックにより前作『[[7>ロックマン7 宿命の対決!]]』より確立されたポップでコミカルな世界観がさらに際立っている。
---後に発売された『[[9>ロックマン9 野望の復活!!]]』、『[[10>ロックマン10 宇宙からの脅威!!]]』はファミコン風ドットで製作されたため、2018年の『[[11>ロックマン11 運命の歯車!!]]』発売までロックマン本編シリーズの中では最もハイクオリティなグラフィックを誇っていた。
//↓発売が近いX3やX4と比較するならまだしも、イレハンを引き合いに出す意味がわからない。また、「当時絶賛放映中だったアニメ」は存在しない(Youtubeにフェイク動画があるのみ)のでコメント化しておきます。
//--オープニング、エンディング、中間イベントはアニメーションになっているが『イレギュラーハンターX』と異なり画質は当時絶賛放映中だったアニメと同じ。作画も綺麗。
--OP、ED、中間イベントはアニメーションムービーが挿入されている。作画クオリティが高く、後発の『X4』よりも明らかに綺麗。 
--OPとEDにテーマソングが存在する。特にOPの『ELECTRICAL COMMUNICATION』はファンの間で人気が高い。
---後に発売された『スーパーアドベンチャーロックマン』でもこのOP・EDテーマが採用された。
--ロックマン本編としては初めてボイスが追加された。ムービー中はもちろんのこと、台詞の一部やバスターショット、ジャンプ等、様々な場面でロックマンが発声する。~
また、8ボスも声がついたおかげで個性の強さはシリーズ屈指となった((ボイスがついたのは本作では無く、アーケード版が初である。『X』シリーズでも『X4』から採用されている。))。
---中でも強烈なのが二又一成氏が演じるグレネードマン。~
「相手が自分の爆弾でやられている姿を見るのも好きだが、自分がやられても喜ぶ変な奴」という変態SM野郎。''断末魔が「気持ちいいぜぇ~っ!」''。このゲームは全年齢対象です。
---ちなみにDr.ワイリーのCVは青野武氏。本作の『ロックマン8』以降、後のロックマンタイトル(ロックマン・ロックマンXシリーズ)でDr.ワイリーの声を担当した。
--武器入手画面のロックマンが3DCGで描かれている。

-システムもいくつか変更されている。
--これまではゲームの再開はパスワードを使っていたが、今作でついにセーブ方式になった。
--一つのステージが長くなり、中間地点で大きく前半と後半に分かれている。後半でゲームオーバーになったとしても後半の最初から始められる。
--おなじみの回復アイテム「E缶」等が廃止された。
--今作のみ水中エリアでロックマンは「泳ぐ」事ができる。
--細かい点では特殊武器を選択しながらでも標準装備のロックバスターが使用できるようになった(初期設定では△ボタンに設定)。
--前作同様ネジを集めてアイテムを開発できるが、ステージ中に隠されたネジを拾い集める探索形式に変更された。前作と違い、敵を倒して入手することはできない。
---ネジは全部で40個。全てのネジを回収しても開発しきれないアイテムが出てくるコスト設定のため、どのアイテムを開発するか取捨選択が重要となる。
---開発できるアイテムは、ロックマンの強化パーツがメイン。消耗品の補充がメインだった前作と違い、今作では攻略面にも大きくかかわってくる。
--ラッシュとの合体は廃止された。
---代わりに特定の中ボスを倒すと手に入るアイテムでラッシュに特殊な機能がつく。
--今作のみ体力や武器のエネルギーの残量表示に目盛りがない。なお、ライフは前作までより増えている。
--ボスの弱点が前半4人と後半4人で独立している。
---前半はテング→クラウン→グレネード→フロスト→テング。後半はソード→サーチ→アストロ→アクア→ソードで、前作とは違い1つの大きな円にはなっていない。~
リングが独立しているのは、後半ステージの攻略に、前半ステージで入手した武器を使用するための処置と思われる。~
今作の後半ステージでは特殊武器を使ったギミック利用が必須となるが、要求されるのは前半で入手している武器に限られる。必要な武器を入手していないために詰まるといった心配は無用。
//---一応グレネードマンのフラッシュボムが、アストロマンの準弱点に設定されている。アストロマンのアストロクラッシュ中にフラッシュボムを使うと、見えないアストロマンが見えるようになるというダメージ以外の有利になる要素もある。
--ボスに弱点武器を当てた際のリアクションが特定のタイミングのみに限定され、前作やXシリーズの様に露骨なハメパターンに陥ることが無くなった。~
これにより、ボスを弱点武器でお手軽に完封とはいかなくなっている。

#region(ただし……(''ネタバレ'':一部ボスの弱点武器へのリアクション))

-アストロマンとアクアマンは弱点武器を当てるだけでリアクションをするため、ハメ殺しが可能。
--アストロマンの弱点武器「ホーミングスナイパー」は発射時にロックオンし、その敵を狙うのだが、アストロマンはロックオンされた時点で動きを止めるため、ハメが成功しやすい。
--アクアマンは弱点武器「アストロクラッシュ」が画面全体攻撃のため狙う必要すらないが、エナジーセイバーなしだと全弾当てても倒し切れない。

-逆にグレネードマンは怯ませ方が他のボスより特殊であり、怯む時間も短い。そのためかは不明だが、通常よりも与えるダメージが大きい。

#endregion

-新たな試みとしてテングマンステージのシューティング、フロストマンステージのスノーボードがある。ワイリーステージでも登場する((シューティングは外注作品では既にロックマンワールド5で登場している。))。
--シューティングステージではラッシュジェットで足場が固定され、自由に移動が可能。また特定のアイテムを取ると、ビート・エディ・ライトットが援護してくれる。
---ちなみに、ワイリーステージのシューティングステージでは、ボス戦もシューティングで行われる。仲間たちと共にボスと戦うというシチュエーションは中々燃えるものがある。
--スノーボードステージは終点まで止まることなく走り続ける強制スクロール式。ジャンプやスライディングを使用する場面は警告サインが出て知らせてくれる。

-前作同様、特殊武器は攻撃するだけでなくルート進行にも使い道がある。
--特定のオブジェに引っかけワイヤーアクションができるサンダークローと地面に設置し空高く舞い上がることができるトルネードホールドは使い勝手もよくアクションに幅を持たせている。
//--サンダークローは同じくカプコン製の『[[ヒットラーの復活>ヒットラーの復活 TOP SECRET]]』や『ミッキーのマジカルアドベンチャー』と同じようなワイヤーアクションをする事が出来る。
//好きなところにいろんな角度で自由に引っかけられるその二つのゲームと特定のオブジェに前方からしか引っかけられないサンダークローを一緒にするのは変だろ。そもそもそんなに使うか?
--オープニングステージから使用できるロックボールは、踏むとハイジャンプができるという特性を持ち、使いこなせるようになると非常に便利。
---裏ワザに近いテクニックだが、空中でも出した瞬間にボールを踏んでのジャンプが可能。場合によっては空中ジャンプの繰り返しによりステージのギミックを無視して突破することもできる。
---武装としてのロックボールはとあるボスに対し必須に近いが、使用にコツのいるハイジャンプおよび空中ジャンプは、あくまで使いこなすと便利な機能にとどまっている。使いこなせなくとも問題はない。
--上に挙げた武器以外も威力や燃費などに恵まれており、全体的にシリーズでもかなり優秀な部類。ステージ攻略に「使わされる」ような不自由する感覚も少なく、後述する点もあって道中で気軽に使えるので爽快。

-ロールちゃんの服装が大幅に変わり、今までより気が強く大人びた印象になった。今作の衣装は後に『ロックマン&フォルテ』『[[ロックマン ロックマン]]』『ロックマン9』にも登場する。
--また『MARVEL VS. CAPCOM』及び『同2』の隠しキャラとしても本作の姿でロールちゃんが登場している。ちなみにこれが最弱キャラと名高い「ロールちゃん」である。

-前作の不満点だったメッセージ関連が改善された。
--全てのメッセージを早送りできるようになった。
--ボス戦でのイベント会話は、リトライ時はカットされるようになった。


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**賛否両論点
-今作も前作同様、前半4ステージ、後半4ステージの構成である。前作では隠しパスワードでいきなり8ステージ選べる様にすることも出来たが、今作はそれもない。~
結果、攻略の自由度がかなり制限されてしまっている。
--後半4ステージのうちソードマンとサーチマンステージには、前半4ステージのボスの特殊武器を使用して進んでいくギミックが搭載されている。該当武器を揃えてから挑む必要がある為、飛び選択を廃したのは仕方ないとも言えるが、一長一短である。

-今作ではゲームオーバーにならなくとも、リトライのたびに武器エネルギーが全快する。そのため昔からのファンにとってはヌルく感じる。
--さらに中間地点を越えて画面が切り替わっても全快し、ボス戦前には特大武器エネルギーが必ず置いてある。ワイリーステージでもステージクリアごとに全快する。
--この仕様によりボス攻略中に武器エネルギーが枯渇しにくくなった。ステージ中は後述の「アローショット」が高性能だが、道中で使い道の多い武器もあるため有り難味がないわけではない。

-ネジの総数が不足するため、強化パーツの一部は諦める必要がある。
--強化パーツの中にはイグジット((攻略済みのステージから任意のタイミングで脱出できる。))やエネルギーバランサー((エネルギーアイテム獲得時、現在の武器のエネルギーが満タンならば、別の武器のエネルギーへ自動的に変換してくれる。))等、無いと少々不便なアイテムも含まれている。~
これらは手間を省くためのアイテムであり、攻略に必須というわけでもないため後回しにされたり開発されなかったりされがちになる。
--スライディングやハシゴの昇降速度などは、強化パーツの開発前提で未装備状態の性能が落とされている。開発しないと従来よりもテンポが悪くなるわけで、ロックマンのもたもたとしたアクションに不満を覚えたプレイヤーも多いだろう。~
パーツを開発すれば改善されるとはいえ、ネジ回収が必要なため最初期は利用できないし、こちらを優先すると他の強化パーツの開発も遅れる。
--ネジをすべて回収しようと思ったら、必要な特殊武器の関係などで最低でも前半の4つのステージにはもう一度入り直さなければならない((後半のアクアマンステージはステージ後半別れた道それぞれにネジがあるが、ゲームオーバーからのコンティニューで一度で回収可能である。))。本作は1ステージの長さもシリーズ中最長であり面倒。~
ただこれは特殊武器やアイテムで強化されたロックマンでもう一度前半ステージを爽快にプレイするという意味合いもある。
---こういうときに活躍するのが前述のイグジットなのだが、少々時間をかけてゲームオーバーになればステージ脱出はできるため、他のパーツを優先されがちになる。せっかくあるのに使えないというのはもったいない。
--ただこのように従来当たり前にできたことが制限付きになった一方で、プラスオンで強化できるパーツにはかなり強力なものが含まれており、パーツ次第ではロックマンの性能は従来作をかなり上回ることもできる。あまり役に立たないパーツもけっこうあるので、パーツ選びでそれほど迷うこともない。
---あえて選ばれることの少ないロックバスター強化パーツを取り、周回プレイで違ったプレイを楽しむというようなこともできる。
---なおバスターパーツとイグジットはメニュー欄に専用のスペースがあるため、すべて集めなければ空白ができてしまうという問題点も…

-新しいシステムである「スノーボード」の評判があまり良くない。ミスれば即死な為、フロストマン、ワイリーステージ1で何人ものプレイヤーが奈落という名の地面を舐めさせられた((この問題に関しては『X4』以降のライドチェイサーに乗るステージでも同じ事が言える。))。本作は全体的に難易度が低めであるが、ここだけ突出して高くなっている。
--フロストマンステージには2ヵ所のスノーボードがあるが、慣れないうちは操作に戸惑うものの慣れれば十分攻略可能。
---ただし途中にネジが2つあり、道を誤れば回収できず再挑戦が必要になる。
--問題はワイリーステージの方で、タイミングがよりシビアになり少しのミスが命取りになりかねない。距離も長く、それだけ長い間集中力を持続させる必要もある。
---ただステージの最初にスノーボードがあるため、ミスしても再挑戦しやすい親切設計となっている。逆に言えばそれだけ何度も落ちることを想定して作られているとも言える。
---「アストロクラッシュ」を使って滞空時間を稼ぐこともできるが、使っている間は操作不能になるため、常に動いているスノーボードでは使いどころが難しい。
---なんとかスノーボードを突破しても、その後のワイヤーアクション地帯やボス戦でゲームオーバーになるとコンティニューしてもスノーボードからやり直しなのもきついところである。更にもっと酷い現象が立ちはだかる。理由は後述。

-強化パーツの一つ、チャージショットの強化版である「アローショット」が異常に強い。
--通常の威力は3だが、着弾時に6つに拡散し、広範囲に攻撃することができる。拡散した弾一つ一つが本体と同等の威力を持つ。
---拡散弾で一度に多数の敵を撃破できるし、直撃ならば''あらゆるザコ敵を一撃で撃破できる''。耐久力の高い大型敵でも全弾命中するので一発撃破が可能。
---直撃→拡散弾の二段構えの為、ジョー·クラシックやハンニャアタッカーように前面をガードした敵にもダメージを与えられテンポよく攻略できるようになる。
---要するに、''攻撃範囲と攻撃力の双方がぶっちぎりで高い''という、まるで隙のない凶悪性能。
--これだけの性能でありながら序盤の早い段階で入手可能であり、ゲーム性を一変させる効果がある。~
後半からはチャージの時間が短縮される「ハイスピードチャージ」も取り付けるとより素早く、多く撃てるようになりさらに猛威を振るう。
---下手すると「ハイスピードチャージ」以外のロックバスター強化パーツの立場も危うくしており、またアローショットさえ開発してしまえば、必然的にステージ中の特殊武器の出番も少なくなってしまう。
---ボス戦に関してはダメージ後の無敵時間の関係で、威力は通常のチャージショットと変わらない。~
この点では攻撃力は同等でバリア貫通性能を持つレーザーショットもアクアマン・ソードマン戦では若干有利となるが、道中での攻撃範囲の差は大きく、使い手は少数派のようだ。
//--アローの陰に隠れがちだが、レーザーショットも強力。こちらは攻撃範囲こそアローに劣るものの、一部ボス戦でバリアを貫通しつつ攻撃できるというメリットがある。当然前述の盾を持つ雑魚にも有効であり、火力面もアローに劣るものではない。
--本作は従来よりも一度に多数のザコ敵が登場する上、ステージも長くなっているためこの装備で多くの敵をなぎ倒しつつテンポよく進めることが爽快感にもつながっている。

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**問題点
-個々のステージが他のロックマンシリーズと比べ長く、前半と後半に分かれている。後半まで行くと一旦ロード画面になる。~
この点でSFCとPS(SS)を比べるのは少々酷だが、テンポが悪く感じられる。
--ゲームソフトの媒体が、待ち時間自体が無いロムカセットからロードの生じるディスク媒体への本格的な移行が行われていた当時、まだロードが長い作品が多い事も相俟って、似た不満点はどのPS(SS)ソフトでも噴出していた。本作のロードはPS(SS)ソフトの読み込み時間としては短い。

-メニューを出すのに時間がかかるようになってしまったため、特殊武器の切り替えがしにくい。
--LRでも切り替え可能だが、アクション画面でのとっさの切り替えには慣れが必要であるし、特殊武器が増えるほどにやりにくくなる。

-スライディングが終わったあと普通に走ろうとしても謎の滑らかな起き上がりモーションが発生してしばらく硬直してしまう。
--一応そのモーション中にもう一度スライディングかジャンプすることでキャンセルすることは可能。

-ラッシュの特殊機能が使いづらい。
--ラッシュバイク - エネルギーが切れるまで高速で移動できる。ジャンプ幅も倍増するが、制御に難があり、使いどころが難しい。敵に当たってもロックマンはダメージを受けないが残り時間が減る、
---特殊なギミックを利用して進むステージが多いため、高速でステージを突っ切ることを目的としたラッシュバイクは活用できる場面が少ない。 性能自体は悪くないだけに惜しい点である。
---一番の使いどころは実はボス戦である。~
乗ればダメージがないのでほんのわずかでもリスクなく相手の体力を削ることができる。相手の動きを見るのことにも役に立つだろう。
--ラッシュクエスチョン - 従来のエディーのようにアイテムを持ってきてくれるが、あちらと同様に内容はランダムなので、使うタイミングが計りづらい。
---おまけにそこそこ高確率で、まったく無意味な行動をする可能性まである。
--ラッシュボンバー - 一定時間上空から爆弾を落として攻撃する。それなりに強いが、狙って攻撃できないためアクションゲームとして難がある。
--ラッシュチャージャー - 一定時間上空から回復アイテムをたくさん落とす。~
E缶のない本作では有力な回復手段となるが、使いどころであるボス戦の最中に攻撃を避けながらアイテムを集め回らなくてはならなくなる。
---ラッシュは画面を往復する動きをするため、画面の半分を埋めるようなボスが相手だと、ボスの位置に落ちた分は拾えないこともある。~
ただ、回復アイテムを拾いながらのごり押しも可能なので、場合によってはE缶よりも強力に感じることも。
---また、ワイリーステージ1のボス「アテテミーノ」戦で呼び出すと地形の構造上アイテムが引っかかって落ちてこない事がある。
--なお、ラッシュの各機能は前半後半一回ずつ、さらにリトライの度にも使えるようになる。つまり武器エネルギーが全快するタイミングと同じである。

-終盤でフォルテが中ボスとして登場するが…
--ぶっちゃけ前作より格段に弱い。今作に登場する特殊なエネルギーを使っているというのに。
--ついでに出番自体も少なく、プロローグデモとこの終盤の登場だけで終わる。

-終盤ステージについて
--それぞれ8ボスを倒すとワイリーステージが現れるのはお約束だが、ワイリーステージ2~4の&bold(){セーブ不可能}。しかもゲームオーバーになってステージセレクトに再度入るとステージ1からまたやり直しとなる。本来であればこの項目は賛否両論点にあたるかもしれないが、前述のスノーボード地帯を毎回攻略することになるため、問題点として記述。
-- [[前作>ロックマン7 宿命の対決!]]は最終ステージのパスワードもあって(裏技扱いだが)コンテニューしても1からのやり直しにはならなかった。
--この点は全シリーズ含めるのであればこのゲームから翌年に発売された[[ロックマンX4]]、無印シリーズのみであれば数年後に発売された[[ロックマン&フォルテ]]で改善されている。
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**総評
前作『7』で新たな展開を見せたロックマンは、今作では上位ハードへの移行による演出の強化に加え、シリーズらしいアクションの根幹を維持しながらも思い切った改革を断行している。~
マンネリ打破のためシリーズの特徴であるE缶を廃止した代わりに全体的な難易度を下げ、ロックボールやアローショットによるスピーディーで爽快なアクションを売りにした意欲作となった。~
ハード性能の進化により、特殊武器も爽快感ある派手な演出になり、更には単なる攻撃のみならず移動手段としても使えるものが登場。アクションに幅を持たせることに成功している。

現在では他のシリーズ作品共々配信で手軽に入手可能なので、シリーズファンで未プレイの方は遊んでみると良いだろう。

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**移植・その後の展開
-ファミコンから続くシンプルさが売りの当シリーズは、ハードの進化に対応するのはやはり難しく、またXシリーズとの住み分けもあってか、本作でシリーズを一時休止することになった。
--しかし十数年後、意外な形で「[[復活!!>ロックマン9 野望の復活!!]]」を遂げることになり、以後は散発的に続編が出されている。

-2017年8月10日発売の『[[ロックマン クラシックス コレクション2]]』に本作のPS版が収録されている。

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**余談
-本作はナンバリングタイトル中、唯一サブタイトルに漢字が使われていない。~
また感嘆符(!や?)も使われていない。感嘆符のないサブタイトルは『2』以来である。

-PS、SSが普及しきっていない時期での発売であった為、プレイできない人も多かった。
--そのお詫びとしてSFCで制作されたのが『[[ロックマン&フォルテ]]』である。

-わずか一ヶ月しか間が開かずに発売されたSS版で限定のイベントを導入するのは、やはりPS版プレイヤーには不満点に成り得る。
//問題点から移動。内容の問題ではない。お得感のある限定イベントを間を置かずに入れたから問題点というのも酷。別に妙なものを追加したわけでもなく内容的に問題はない。

-本作以降のシリーズではボスキャラ公募は行われなかったが、2013年にロックマン25周年を記念して約17年ぶりにボスキャラ公募を再開した。
--シリーズ外ではあるがソーシャルゲーム『ロックマンクロスオーバー』において最優秀作「アーケードマン」が採用された。

-ワイリーステージ1のボス「アテテミーノ」は攻略本ではロックボールとアイスウェーブしか効かないとあるが、実際はロックバスターも有効である。
--ただし、通常の方法では当てられないため、縛りプレイでもなければバスターで戦う意味はない。

-本作のオープニングステージの舞台であるドクロ型の島はメカドラゴンや建物らしき残骸が背景にある事から『[[2>ロックマン2 Dr.ワイリーの謎]]』のワイリー城が建てられていた場所と推測できる。

-本作及び『ロックマン&フォルテ』のコミックボンボンでのコミカライズは池原しげと氏から出月こーじ氏に担当が変わっている。
--池原氏の原作準拠の作風から変わっているのが特徴である。
--デューオに関する結末がゲームのそれと異なる。「危機に陥ったロックマンを救う」という点では共通しているが。
--SS版の設定を取り込んでおり、わずかな出番であるがカットマンとウッドマンも登場する。
--終盤には『ロックマン&フォルテ』のボス達が登場し、最終回後はそのまま『ロックマン&フォルテ』編に移行した。しかし単行本には最終話まで収録されなかった。
--2011年5月30日に復刻版が発売された。こちらは最終話までキッチリ収録されているので今購入するならこちらがお勧め。

-テングマンから手に入る特殊武器「トルネードホールド」は、クロスオーバー作品でもロックマンの武器としてよく実装された。''テングマンは天狗になっていい''。
--『[[MARVEL VS. CAPCOM>MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』では一定の距離に竜巻を発生させる設置式飛び道具。
--『ガンスパイク』ではその場に多段ヒットする竜巻を出す範囲攻撃。
--『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』でも復帰用のカスタマイズ必殺技の一つとして採用。また同じく8で初登場の「フレイムソード」も空中前攻撃として登場。
--ちなみに本作『ロックマン8』内でのこの武器、敵にはダメージを与えるが、ロックマン自身は触れても一切ダメージを受けない。テングマンが使用してくる時ですら、ロックマンは動きが拘束されるというだけで、この武器からはノーダメージ((頑張れば追撃の前に脱出も可能。))。~
''これ、最初からロックマンのための武器なんじゃなかろうか……?''

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