「ゴールデンアイ 007」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ゴールデンアイ 007 - (2014/08/17 (日) 23:42:51) の編集履歴(バックアップ)
このページでは、N64『ゴールデンアイ 007』と、同名の別作品であるWii『ゴールデンアイ 007』を、共に良作として紹介する。
ゴールデンアイ 007
【ごーるでんあい だぶるおーせぶん】
ジャンル
|
ファーストパーソンシューティング
|
|
対応機種
|
ニンテンドウ64
|
発売元
|
任天堂
|
開発元
|
レア
|
発売日
|
1997年8月23日
|
定価
|
6,800円(税別)
|
分類
|
良作
|
概要
ゴールデンアイ 007は、映画007シリーズ第17作『007 ゴールデンアイ』を題材に作られたニンテンドウ64のFPSゲーム。
評価点
原作映画を忠実に再現
-
映画シリーズではお馴染みの、ボンドが歩きながら画面に向かって銃を撃つオープニングもバッチリ再現されている。
-
主要なキャラクターも漏れなく登場する。MやQといったMI-6の上司たちは文章中のみの登場となるが、司令伝達だけでなくアドバイスも送ってくれる。
-
バンジージャンプでダクトに潜入し、トイレから進入する科学施設、St.ペテルブルグでの戦車で街中を縦断するシーンも再現されている。アーカンゲルのバンジーする「まで」や、サイロ、ポンプ施設などといった、ゲームオリジナルのストーリーも全く違和感無く溶け込んでいる。
-
戦車のシーンは流石に映画のように石像やらなんやらをボコボコ壊せるわけではないが、それでも十分すぎる。
-
操作性は今現在の家庭機向けFPSと比べても遜色ないレベルの良さ。
-
FPSではあるが単純に派手な銃撃戦ばかりというだけでなく、007という設定を生かし、スニークミッションの要素もふんだんに取り入れられている。
-
少数の敵を相手にするのが基本。敵が多いほど不利になるため、消音銃を使って存在を気づかれない様に敵を始末したり、監視カメラを破壊するなどのスパイアクションらしい行動を要求される要素も多い。
-
敵もボンドに向かって銃を撃って来るだけではなく、警報を作動させて増援を呼ぼうとする行動を見せたりする。
-
BGMは映画のものを再現した迫力のあるメインテーマのアレンジの数々。
多彩な武器
-
武器の種類も非常に多彩。ファンにはお馴染みの銃であるPP7を始め、ZMGやKF7 SOVIETといったマシンガン、ロケットランチャーなどの重火器、果てにはレーザー銃のような未来的な武器や、あの黄金銃までも登場する。
-
手投げナイフや、劇中にも登場した腕時計から発射できるレーザー銃といった特殊な武器も。
盛り上がる対戦モード
-
対戦モードが何より熱い。画面分割で最大4人までプレイ可能。様々なオプション設定ができて、ワイワイ楽しめる。
-
対戦ルールが豊富に用意されている。個人戦やチーム戦だけでなく、007シリーズのサブタイトルになぞらえた特殊ルールも搭載。
-
一2回死亡したらリタイアとなる「007は二度死ぬ」、一撃でも攻撃を受けたら死んでしまう「消されたライセンス」、フラッグを奪い合い、持ったまま他プレイヤーから逃げおおせた時間を競う「リビング・デイライツ」、一撃必殺の黄金銃を持って戦い抜いた時間を競う「黄金銃を持つ男」がある。
-
使用可能キャラクターは劇中に登場した人物達に加えて、「ゴールドフィンガー」からオッドジョップや、「美しき獲物」よりメイデーといった歴代作品のキャラクターがゲストとして加えられている。
やり込み要素の充実
-
レア社らしいやりこみ要素の充実ぶり。
-
各ステージに3種類の難易度が用意されている。難易度が上がるごとに、ミッション内で達成すべき項目が増え、敵も強化される。
更に、タイムアタックも設定されており、初期設定の時間より速くクリアすることで隠しモードが増えるようになっている。
-
これによって解禁される「お楽しみモード」は、いわゆるチートモードであり、無敵になる・透明化する・ボンドの足が速くなる、モブキャラが全員ドンキーコングのような体形になるなどといった様々な設定を加えることが可能。これにより一味違ったプレイを楽しむことができる。
ただしお楽しみモードをONにした状態でプレイしてもクリアには反映されない。
-
どのステージも設定タイム内にクリアするには効率よく任務をこなす必要があり、ただでさえ難しいハードモードでシビアな動きが要求されるような異常に難易度が高いものもあったりと、上級プレイヤーにも飽きさせない作りこみになっている。
-
隠しステージが存在し、これがかなりの高難易度。「ムーンレイカー」を原作としたアステカステージではレーザー銃の威力とジョーズの耐久力に苦しめられ、「死ぬのは奴らだ」を原作としたエジプトステージでは不死身の男サミディとの戦闘に何度も勝ち抜かなくてはならない。
-
隠しステージを含む全難易度クリアかつタイムアタックもコンプリートすると敵のパラメータを変更できるモードが解禁される。
設定できる項目は敵の体力/強さ(攻撃力)/命中率/速さ。
-
体力はチョップ1発で死んでしまうようなものからハチの巣にしても倒れない程度まで幅広く設定できる。一発食らったら死んでしまうレベルまで攻撃力を上げ、さらに命中率は100%という無理ゲーな設定も可能で、全クリ後も遊ばせようという気概にあふれている。
-
この中でも「速さ」の項目はギャグ要素としても機能する。ムービー演出に登場するボンドにもこの設定が適用され、バンジージャンプから重力を無視した超スピードでボンドが落下していったり、ヘリコプターに飛び移ろうするもジャンプが遅すぎて空中で置いて行かれるボンドが見られたりする。
問題点
-
銃撃で受けるダメージが大きく、道中(防弾チョッキをひろって耐久をあげるしか)回復はできないため難易度は結構高い。敵も頭を撃てばほぼ一撃で死ぬが、こちらも同様である。
-
ハードモードは本当に難しい。こちらが視認できない範囲だろうが敵はお構い無しに銃を撃ってくるので油断してるとあっという間に蜂の巣にされてしまう。
-
実はミッション中のポーズ画面に隠しコマンドを入力すると、お楽しみモードのチートを適用することが可能。このコマンドで実行したチートはクリアが無効にならないので、無理ゲーだと思ったら活用しよう。
-
ポーズメニューを開く時に腕時計を起動させる演出が入るため若干のタイムラグが生じてしまう。このため戦闘中やタイムアタック時はポーズ機能は使用できない。
-
腕時計をかざしてポーズ画面が出るまでの間は、銃撃によるダメージも受ける。
-
対戦プレイにおいて、武器の位置が固定されているため、強い武器や防弾チョッキの場所を占拠した側が一方的に有利になりやすい。
-
しかもそれらは袋小路など抑えやすい場所に設置されていることが多く、余計にハメゲー化してしまう面がある。
-
全体的に動きがもっさりしていて、いわゆる3D酔いをしやすいという声も。
-
プレイヤーが早い動きをしているときや爆弾の爆発時、二人プレイ時など描写が多い場面で特にそう感じやすい。64のスペックからするとかなり無理をしているのだと思われる。
総評
グラフィック・操作性・BGM・原作再現度、どれをとっても一級品で、FPSのゲームとしても007のゲームとしても非常に出来が良く、どちらのファンでも間違いなく楽しめる一品。
家庭ゲーム機ではあまり受け入れられないFPSを広めたということで海外から認識されており、レア社の技術力が遺憾なく発揮されている名作。
特に海外では絶大な人気を誇ったことで、売り上げは全世界で800万本以上という驚異のセールスを叩き出した。
国内でもこれを皮切りに、多数のFPSゲームや007を題材にしたゲームが発売されるようになったことからも、本作の功績は大きい。
現在はプレミアがついているため入手は容易ではない。そのためバーチャルコンソールでの配信が期待されているが、レア社は権利関係などから難しいと回答している。
余談
-
北米ではFPS全体に影響を与えた作品の一つとして受け止められている。
-
直接の関係はないが、製作チームがシステム面で本作を継承したパーフェクトダークを製作している。
-
モーションセンサー爆弾は、パーフェクトダークシリーズでもセンサー爆弾として登場。大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにも登場している。
-
チートモード(おまけモード)として、照準の形状を『ゴールデンアイ』と同じ物にする「クラシック照準」、『ゴールデンアイ』に登場した武器を使用できる「クラシックウェポン」がある。
-
他にもエレクトロニック・アーツから『ゴールデンアイ・ダークエージェント?』が出ているが、本作や映画とは関係ない。内容的には007スピンアウト作品という位置づけ。
-
ニコニコ動画で2008年度下半期にブームとなったMAD動画「ゲッダン」は、本作のカセット半差しのバグ映像を集めた動画に広瀬香美の楽曲「promise(プロミス)」のサビ部分を乗せたネタ動画を基にした八頭身モナーのMAD動画が元ネタ。当ブームの到来時に本作の存在が別の意味で有名になった。
-
これがあまりにも有名になりすぎたためか、海外でも特集され、広瀬香美本人にまでその存在が知られてしまったらしい。あな恐ろしやニコニコ動画……。
-
グラフィックをリファインし、オンラインマルチプレイに対応したリメイク版がXboxLiveアーケード向けに開発されているという噂が流れ、スクリーンショットや動画も公開されていたが、実現はされなかった。
Wii版
対応機種
|
Wii
|
|
発売元
|
任天堂
|
開発元
|
Eurocom
|
発売日
|
2011年6月30日
|
価格
|
5,800円
|
分類
|
良作
|
-
Wiiで任天堂から発売された同名作品。
-
Wiiリモコンのヌンチャク・スタイル、GCコントローラ、クラシックコントローラ、Wiiザッパーまで使用出来たりと、多彩な操作方法に対応している。
-
クラブニンテンドーでゴールデンクラシックコントローラPROの必要ポイントが減る優待キャンペーンも行われていた(現在はキャンペーンは終了している。)。
-
オリジナルである海外版の発売元はアクティビジョン。開発は『007 ナイトファイア』、『007 慰めの報酬(プレイステーション2版)』を手掛けたイギリスのデベロッパー、Eurocomが担当した。ボンドのモデルはダニエル・クレイグ、ストーリーの大筋は原作を踏襲しながらも、時代設定や使用される機器類なども、現在風に大幅アレンジされている。
-
ボンド以外のキャストもM役のジュディ・デンチを除いて、全て別人が担当している。
-
同じ映画を題材にしているが、ゲーム性は64版とは全くの別物であるため、64版のようなゲームを期待して購入したプレイヤーが戸惑いを見せた。
-
誤解が無いようにしておきたいが、Wii版はWii版で別のFPSとしての面白さはある。
-
また、一人プレイのストーリー面も「映画『ゴールデンアイ』の現代風リメイク」として決して悪い作品では無い。64版のようなオリジナルステージはない(もっとも、リメイクに当たってステージデザイン等もほぼオリジナルに変貌している)が、64版で省かれていたある重要な台詞がちゃんとあったり、演出面もなかなか良く映画を思わせる。OPも映画のそれと同じ主題歌で、映画を知っていると共通点と違いを見比べたりする楽しみがある。
オンラインプレイについて
-
このゲームはオンライン対戦に対応しているのだが、64版の様に武器を拾って戦うのではなく、予め武器を持ち込んで戦う。(殺した相手の武器は落ちてるので拾える)
-
開始当初で使える武器は非常に少なく、どれも弱い。
-
試合を重ねて経験値を溜めてレベルアップすると武器が開放される仕組みとなっている。
-
この時点で64版とは違いプレイヤーごとに格差が生まれてしまっている。
-
これだけならFPSではよくある仕様だし、徐々に強くなっていく楽しみもあるので、問題も無いように見えるがその仕様が中々の鬼畜。
-
対戦相手のレベルが一切考慮されないマッチング
-
ランダムマッチをやるとランダムで対戦相手が決まる。高レベルの相手は当然性能のいい武器やオプションを持っているので、始めたばかりの初心者は実力の差というよりも武器性能の差でなぶり殺しにされる。
-
特に熱探知型で薄い壁に隠れている相手も見つける事ができる「サーマルスコープ」、64版でも猛威を振るったモーションセンサー爆弾と同じ様な性能の「近接地雷」、移動速度が速くなる「ライトフット」等はどれもこれも高レベルで解禁されるオプションであり、レベルの低い初心者はキャラクターの基本性能的な部分で一方的な試合を強いられてしまう。
-
他にも防御力上がるリアクティブアーマーや体力の上がるバイオブースター等もある。これを装備した相手だと初心者は同時に同じ武器やチョップを同じだけ当てても一方的に負けてしまう。(幸いバイオブースターの開放レベルは若干低いが)
-
もちろん初期の銃でもヘッドショットしてやればどんなレベルの相手もほぼ死ぬので、FPS経験者なら高レベルの相手でも手も足も出ないという事は無いかもしれない。だが、初心者にそれを求めるのは酷である。
-
レベルアップが非常に遅い
-
上記した通りレベルが存在する(最高レベルは56)
-
強い武器を使うためにとっととレベルを上げたい所だが、それがとてつもなく大変なのである。
-
普通にプレイしてると1試合で手に入る経験値は200ほど手に入れば良い方なのに対して、レベルアップに求められる経験値は最大レベル折り返し地点のレベル28までで合計169200必要。最高レベルにするには合計1403800というとてつもない経験値が必要なのである。(もちろん最高レベルでも武器は開放され、最高品質のアサルトライフルが解禁される)
-
試合中にミッションをクリアすると経験値がボーナスで貰えるのだが、「30連続キル」という難しい条件を満たしても500しか増えない。強武器のひしめき合う戦場に突然送り込まれる初心者はそんな条件を満たせるはずも無く、ますます経験値が稼ぎにくくなっており、1試合で経験値が100も手に入らないこともザラである。
-
ちなみに経験値の世界ランキングを見るとレベル最大のプレーヤーがーゴロゴロしてるが、その多くがチートで1度に貰える経験値を増やしてレベル上げを行っている。(真面目にやってたらよっぽどやりこまない限り最高レベルに届かない)
-
上記の通りこのゲームの場合レベルが高いと良い武器が使え、その上経験値がさっぱり溜まらないので、「不正をしてでも経験値を手に入れたい」という欲望に捕らわれやすいのもチートが蔓延する一因だろう。
-
真面目にやっているプレーヤーは相手より劣る武器で戦うしかなく、とばっちりを受けてしまっている。
-
そのような上位プレーヤーに対して何もお咎め無しなのも、チートが蔓延するのに拍車をかけている。
余談(Wii版)
-
北米版は2010年11月2日に、欧州版は2010年11月5日に発売されている。
-
海外でのみ同日にn-Spaceが開発を担当した本作のDS版がリリースされている。
-
その後はPS3版とXb360版において「GoldenEye 007: Reloaded」とタイトルを改めつつも発売されている。