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スーパーロボット大戦IMPACT - (2021/11/18 (木) 13:24:59) のソース

*スーパーロボット大戦IMPACT
【すーぱーろぼっとたいせん いんぱくと】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005V8XK)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|トーセ|~|
|発売日|2002年3月28日|~|
|定価|通常版:7,980円&br()限定版:9,980円|~|
|レーティング|CERO:全年齢対象 *Best版より記載|~|
|廉価版|PlayStation2 the Best:2003年7月3日/4,200円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|キョウスケ、エクセレンの出世作&br()とにかく''長く''テンポが悪い&br()初心者向けを公言しつつも、実際は高難易度|~|
|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
PS2初の『スーパーロボット大戦』で、内容はワンダースワンで発売された『[[スーパーロボット大戦COMPACT2>スーパーロボット大戦COMPACT2 第1部:地上激動篇/第2部:宇宙激震篇/第3部:銀河決戦篇]](以下C2)』三部作の登場作品・キャラクターを踏襲しており、事実上のリメイク作。

三部作の統合に加え、『機動武闘伝Gガンダム』や据え置き初参戦である『機動戦艦ナデシコ』を追加。その他にも様々な要素が追加・修正されている。~
統合・参戦作品追加にあたってストーリーを練り直し、『[[F/F完結編>スーパーロボット大戦F]]』同様、''ほぼ新作''と呼べる内容になっている。
また、システムは[[スーパーロボット大戦α外伝]]のものを主に継承している。

地上を舞台とした第1部「地上激動編」、同時間軸の宇宙の様子を描く第2部「宇宙激震編」、そして地上と宇宙の部隊が合流する第3部「銀河決戦編」といった流れになっている。~
1部と2部は時間軸的には同時進行しているので、地上での行動が宇宙に影響を及ぼす事もある。((分かりやすい例として、第2部でガトーのGP-02がソロモンに核を撃つイベントがあるのだが、''第1部で出現した時に痛めつけておくと、第2部で核を撃てなくなる''。))

「''初心者向けの''バランス調整」を売り文句としているが、実際にはかなりの歯応えある高難易度に仕上がっている。

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**参戦作品
#region(参戦作品一覧(バンプレストオリジナルは除く))
|BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(blue){''参戦済み''}|機動戦士ガンダム(劇場版・機体のみ)|
|~|MSV(機体のみ)|
|~|機動戦士ガンダム 第08MS小隊|
|~|機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争|
|~|機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|
|~|機動戦士Ζガンダム|
|~|Ζ-MSV(機体のみ)|
|~|M-MSV(機体のみ)|
|~|機動戦士ガンダムΖΖ|
|~|機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|
|~|CCA-MSV(機体のみ)|
|~|機動戦士ガンダムF91|
|~|機動武闘伝Gガンダム|
|~|機動戦艦ナデシコ|
|~|聖戦士ダンバイン|
|~|忍者戦士飛影|
|~|マジンガーZ|
|~|グレートマジンガー|
|~|UFOロボ グレンダイザー|
|~|ゲッターロボ|
|~|ゲッターロボG|
|~|真・ゲッターロボ(原作漫画版)|
|~|超電磁ロボ コン・バトラーV|
|~|無敵鋼人ダイターン3|
|~|無敵超人ザンボット3|
|~|勇者ライディーン|
|~|超獣機神ダンクーガ|
|~|超獣機神ダンクーガ GOD BLESS DANCOUGAR|
|~|超獣機神ダンクーガ ~白熱の終章~|
|~|破邪大星ダンガイオー|
|~|マシンロボ クロノスの大逆襲|
#endregion
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**ゲームシステム
-『C2』で特徴的だったシステムはほぼそのまま採用されている。
--本作では「シーン」という形で数話が一まとめになっており、シーンのうち任意で攻略する順番を選べる「フリーオーダーシナリオ」。攻略する順番によって展開が多少変化する事もある。
--マップをクリアしたときに、キャラに特殊技能を覚えさせられる「スキルコーディネイト」。クリアするターン数が早いほど強力な特殊技能が手に入る。
--唯一削除されたのはワンダースワンの本体機能を使っていた「パーソナルデータテーブル」。登録された生年月日や名前によって各キャラの精神コマンドのパターンや主人公の能力値が大きく変わるというものだった。

-『C2』で初登場し、『α外伝』や『A』でも導入され定番となってきた「援護」システム((反撃を受けた後隣接する仲間ユニットが攻撃できる特殊技能。「援護」というよりは「追撃」である。))。本作では「同時援護攻撃」「戦艦援護」など援護に関係する新システムが多い。
--援護攻撃する際に援護されるキャラが特殊技能「統率」を持っていると同時援護攻撃となり、相手からの反撃を受けるまでに2人分の攻撃を与える事が出来る上、必ずクリティカルが発生する。
--戦艦援護は、1つのマップで1艦につき5回まで、戦闘に出撃してないユニットに戦艦の援護をさせる事ができる。出撃していないものの中からランダムで選出され、呼び出された機体はそのマップ中は再び戦艦援護で呼び出される事はない。
---なお、ナデシコは戦艦援護を使用することができない。これはナデシコが高性能な武器とバリアを持っている事に加えて5人分の精神コマンドを使えることに因る他の戦艦とのバランス取りと思われる。

-この他、『α』『α外伝』の熟練度、『64』『A』の合体攻撃など、過去の作品で好評だったシステムを取り入れている。
--熟練度の数によって難易度はノーマル・ハードの二段階に変化し、最終話をクリアした時に難易度がハードの場合、2話ある隠しステージをプレイすることができる。

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**評価点
''高難度ながらも練られたバランス''
-本作は概要で述べた通り、初心者向けを謳いつつ実際には高難度に調整されている
--しかし理不尽な難しさはなく、難しいなりにゲームバランスは極めて良好。無理に撤退ボスを倒そうとしたり、熟練度を獲得しようとしなければ、難易度は元となるCOMPACT2とそこまで変わらない。
//ゲームの全容を俯瞰する意味で概要に「初心や向けを謳っているが実際は高難度」の旨を追記し、それに合わせてこちらも追記しました。

-位置取り・スーパー系の援護防御・リアル系の削り・支援機の修理や補給・援護攻撃を絡めてのトドメ・地形効果など、それらを活用したステージ攻略は実に面白い。
--適度に改造して敵陣に突っ込ますだけでクリアできてしまう事が多かった当時のスパロボ(主にαシリーズ)と違い、知恵と工夫を凝らして突破する戦略性の高いバランスに調整されており、当時のスパロボから無くなりつつあった''「シミュレーションRPGとしての戦略性」''は、古参のスパロボユーザーからは非常に評価が高い。
-バランスブレイカーと呼ばれるようなユニットも存在せず、マップ兵器の性能も全体的に抑え気味で、どの強力なユニットも「F91=高性能だが燃費が悪い」「飛影=回避力は高いが攻撃力が低い」「ライディーン=爆発力はないが援護に向く」等、何かしらの欠点・特色を持っており、作り込みの高さが窺える。
--バイカンフーやゴッドガンダムは攻略本で強すぎと評されているが実際はそれほどでもなく、本作は単機でクリアなどは殆ど不可能なくらいのバランスになっている。

-『C2』は『F/F完結編』程ではないにせよリアル偏重のバランスだったが、それも解消されている。
--NTや聖戦士などの命中・回避率補正が押さえ目になり、計算式自体も変わったので格差はかなり解消されている。
--過去作では、装甲に頼るようなユニットがあっさり撃墜されるという事も頻発していたが、本作ではかなり耐えることができる。

-1部と2部では敵のAIの思考が「最も近くにいる敵を優先して狙う」という単純なものなので、一応の初心者救済措置はとられている。

''ユニットの活用''
-『α外伝』同様、以前のスパロボでは使い物にならなかったユニットやパイロットも、運用次第では十分役に立つように調整されている。
--例えばザクとバーニィ。確かにザクは性能が低いが改造段階と強化パーツスロットが多く、改造とパーツ次第ではそれなりに戦えるようになっている。特に強化パーツ「V-UPユニット」との相性が良い。バーニィは初期能力値こそ低いが、獲得資金が増える特殊技能「強運」を持ち、強力な精神コマンドの「奇襲」を最初から覚えているので、ボスキラーとして大活躍する。
---バーニィに限らずシロー・バニング・ノリスといったガンダム系のオールドタイプ(=非ニュータイプキャラ)は「統率」「高レベルの援護攻撃」「精神コマンド『魂』」といった優秀な能力を持っており、ニュータイプ勢に勝るとも劣らないほどの好待遇を受けている。

-改造段階の調整が絶妙。
--テキサスマックやコアブースター等、フル改造するとその作品の主役機と同等、もしくはそれ以上に使い易くなるユニットも多数存在する。
---例えばボチューンは、フル改造するとビルバインより攻撃力が高くなる。かといってビルバインが弱い訳ではなく、機体性能や使い勝手はボチューンよりも遥かに高い。このようにしっかりとバランス調整がされている乗り換え区分もある。全体で見ると「遠距離攻撃の燃費の良い脇役ユニット」の使い勝手が非常に良い。
//ボチューンとビルバインは分かりやすいですが、元々遠距離攻撃ができるユニットとの対比も必要と感じたので追記しました。
--ただこれらの要素のおかげか、攻略サイトや特定攻略本の機体解説の殆どが「改造段階が高い=最強、改造段階が低い=最弱」「フル改造してボーナスで~」といった具合に、フル改造前提な書き方になっている。言うまでもないが、改造段階が高いという事はそれだけ資金が掛かるという事を忘れてはならない。((武器改造一つにしてもユニットにもよるがフル改造に使う資金はどの改造段階も大差がなかったりする。つまり相応の資金は必要なのである。))
---また、先述のビルバインとボチューンの例のように、攻撃力は上回っていても機体性能で勝てない場合が殆どである。いくら初代ガンダムに資金を注ぎ込んだところで、νガンダムやガンダムF91の圧倒的な機体性能には勝てないのである。
---更に言えば、本作は普通に進めると獲得資金増加の精神コマンドを持ってるパイロットが少なく簡単に資金が溜まらない。
---ただし、本作は全滅プレイのデメリット((作品によっては熟練度取得不能、全体ターン制限イベントに響くが、今作は無し))が無く、「V-UPユニット」という強化パーツスロットが多いユニットほど性能が向上する強化パーツが存在するので逆転現象を起こしやすい。

''豊富な隠し要素''
-序盤から終盤まで掛かるフラグも複数ある。自力で全部見つけるのは至難の業。

-『C2』では二者択一だったプルとプルツーは両方仲間に出来るよう変更された。

-Xエステバリス改との選択で手に入るZIIの性能が''MS最強レベル''。
--Xエステバリスも性能的に運用が難しく決して強力な機体とは言えないが、MAP兵器による削りや幸運持ちを乗せての稼ぎ役などの運用も可能。

''戦闘アニメ関連''
-戦闘アニメは新規に作られたアニメはぐりぐりと動き出来が良い。
--『α』に登場した作品も、F91やダンバインなど、一部のユニットはほぼ別物と言っていいほどに追加・修正されている。使い回されているアニメもエフェクトの強化などが一応図られている。
--特にバイカンフーの必殺技・ゴッドハンドスマッシュは一見の価値あり。パイロットであるロム役の井上和彦氏の演技も素晴らしく、台詞パターンもやたらと多い。
--『ダンクーガ』の場合、『α』からの流用と本作での新規描き下ろしが混在しているため、それぞれのグラフィックの見栄えが大きく異なってしまった。但しダンクーガにも鉄拳やアグレッシブビーストといった『α』になかった新技が追加されている。
--また、『EX』以来のMAP兵器の戦闘アニメが復活。百式シリーズやZZガンダムのMAP兵器アニメはなかなか見応えがある。ただしデモをOFFにすることはできない。
--新システムの同時援護攻撃では画面の上下で同時に戦闘アニメが展開され、組み合わせ次第では非常に壮観な演出となる。

-BGMはPS2初期という事もあって高音質とは言い難いが、『F91』の「君をみつめて」、『0080』の「いつか空に届いて」、『ダンクーガ』の「愛は奇跡(ミラクル)」等のコアな選曲、『飛影』の「LOVEサバイバー」などのアレンジ面のクオリティについても評価は高い。

-UCガンダム系の一部キャラは、リ・ガズィ+アムロ、Zガンダム+ジュドー、クィン・マンサ+プルツー等、特定の機体との組み合わせで専用台詞を言うようになった。特にZII+カミーユとの組み合わせで専用台詞が発生するのは誰もが意外に思った事だろう。

''その他''

-音声の収録
--『ナデシコ』に加え、『08小隊』『飛影』『マシンロボ』『ダンガイオー』『ザンボット3』も音声付きスパロボ初参戦である(『08小隊』はCMでネタにされた)。
--『ザンボット3』はシリーズで初めて一部キャラに音声が付いた『第4次S』にも参戦していたが、都合上ボイス無しだった。本作では神勝平と神江宇宙太に代役を当てている。
--『グレンダイザー』も『コンプリートボックス』以来の音声付作品参戦となったが、デューク・フリードの代役声優が本作以降は山寺宏一氏に変更されている。

-印象的なDVEが豊富。また、各作品それぞれにちゃんと見せ場がある。
--ロム兄さんのDVE「待てぇい!」「人それを、○○という!」「お前達に名乗る名前はないっ!((なお原作で多く使ったのは「お前達」ではなく「貴様ら」である。再参戦した『MX』では両方とも存在する。))」はブームを起こした。他作品キャラもお約束に則った反応を見せてくれるだけでなく、ごく一部はオリジナルのボイスまで付いているという気合の入れようである。
---東方不敗もびっくりな「ナデシコのディストーションフィールドの上にいる」等、登場の仕方も多くのプレイヤーの爆笑を誘った。

''シナリオ''
-長い話数だけの事はあり、シナリオは練られており評価は高い。追加参戦の『ナデシコ』『Gガンダム』のシナリオも違和感無く溶け込ませてある。テキスト量自体も『C2』から大幅に増えている。

-『Gガンダム』はシナリオの都合上、登場キャラクターが最小限に抑えられており、新シャッフル同盟の面々が未登場、敵キャラクターも『新スパ』や『F/F完結編』に比べて少ない等の点で批判はあったものの、飛影とシュバルツ・ブルーダーの忍者同士の絡みなど、スパロボのifを存分に発揮したシナリオは好評。
//本当の問題は夜間迷彩ビルバインと東方不敗の加入が二択になる事。
//隠し要素が他と二択なんてほとんどのスパロボでそうじゃね?

''オリジナル勢''
-後に『OGシリーズ』で主役を張り、有数の主軸キャラとなった主人公キョウスケ&エクセレンの出世作でもある((初登場は『C2』だが携帯機故に音声なし。というか『C2』自体知名度が低い。))。人気の高まりを受けて、『第2次α』では主人公として本作の主人公2人のセルフオマージュ的なキャラも登場した。
--また、キョウスケの一番の特徴として挙げられる”ギャンブル好き”の設定も実は今作で初めて追加されたものだったりする。『C2』ではこれといった特徴が無く、非常に地味な男であった。

-機体の能力は『C2』に比べて上方修正され、パイロット能力も味方内で上位に位置する。『C2』でもそうであったが、本作の主人公機は援護に向いた性能であり、エクセレンは1ターンに最大7回もの援護攻撃が可能。全体的な攻撃力の低さをカバーする鍵となる。

-本作で新規に追加された敵側の幹部格キャラクター「アルフィミィ」も人気が高い。
--美少女キャラクターでありながら乗機は鬼をモチーフにしておりMAP兵器をぶちかましたりドスで機体を突き刺してグリグリしてくるというそのギャップでユーザーに強烈な印象を与えた。
---その人気からOGシリーズでも出番が増え、その派生の無限のフロンティアにまで出るほどになった。

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**賛否両論点
''空前絶後の大ボリューム''
-本作は総ステージ数が105。そのうちエンディングを見るには''全99話''(隠しステージを通った場合は''全101話'')をクリアする必要がある。((他のシリーズでも「総ステージ数100以上」は決して珍しくないが、分岐などで1周あたりは50~60話程度である。))これはシミュレーションRPG全体からみても凄まじいボリュームといえる。
--『C2』とは異なり「第2部または第3部からプレイする」といった事ができず、エンディングを見るためには、第1部から通してプレイする必要がある。
--問題点にあるテンポの悪さも相俟って、スパロボ馴れしたプレイヤーでも''プレイ時間は1周150時間を超える''。これには「たっぷり楽しめる」「長くてダレる」と好みが分かれる。

''初心者向けとは思えぬシビアなゲームバランス''
-発売前は「初心者向け」と謳われていたが、その内容は''「初心者向け」とは到底言えない高難度''バランスである。プロデューサーの寺田貴信氏は本作に限らず、『スパロボ』の新作開発インタビューで毎回「初心者でも遊べる」と言ってはいるが…。
-実は''1話から難しい''
--ステージは殆どが“水”であるにも拘らずこちらには水中に適応した機体が1機も居らず、そのくせ敵の9機中4機が水中用MSのゴッグであり、その4機すべてが自軍に近い位置を挟むように配置されている。そのため後回しにすることは難しく、かといってまともにやりあうとそいつらにダメージは殆ど通らず逆に蹂躙されまず勝てない。
--獣戦機隊基地はダムでカモフラージュされているのでシチュエーション的には間違っていないのだが、ゲームとして適切かというと疑問符がつく。地形適応による補正がもっと低ければ難度も下がったのだが…。
-実際のところは、熟練度にさえこだわらなければ高難易度と言えるステージは限定されており、敵が硬いことや演出の遅さによるプレイ時間の長時間化が辛いという意見も多い。
--ただし、「ディラド突入編」の最終話である「白熱の終章」は、機体やパイロットの育成次第では、経験者でも詰む危険性がある。

-総じて全体的に攻撃力が低く、HPはその逆((改造するとほとんどのユニットのHPが1.5倍~2倍まで跳ね上がる。))というバランス取りであり、敵も味方もユニットが落ち難い。様々なシステムや戦略で打破していかないと、攻略は厳しい。
--このため、入念な改造を施さないと「雑魚敵を一撃で撃破」なんて事はできない。例えば原作のやられメカであるミニフォーさえ結構タフ((実はミニフォーは全長30mの巨大戦闘機であり、ある意味正しくもあるのだが。))。
---ボスとの戦闘も、本作は精神コマンド「熱血」の効果が従来より低い「ダメージ1.5倍」に変更((これは前後作の『A』『C3』も同様。))されており、ボスによってはHPが低くなるほど防御力が高くなる特殊技能「底力」の存在もあって、大ダメージで爽快に撃破ということはかなり難しい。そのこともあってか、本作は「熱血」「魂」とクリティカルの併用が可能になっている。
--シリーズを通しての傾向である「後半からようやく登場する機体が非常に強力」(今までで言う試作2号機、真・ゲッター、イデオン、ガンバスター、SRX。のちに登場するゼオライマーなど)といった傾向も前述のとおりそれほどでもない。バランスこそ保たれたものの、従来通りの「後半ならではの超破壊力」を期待したプレイヤーには若干物足りない点にもなっている。
---代用要素の一つが強化パーツ「V-UPユニット」なのだが、それで強くなり、熟練者に後半機体並みの評価をされている筆頭が''ブルーガーとコアブースター''((いずれも原作では脇役の飛行機で、最終的に良好な燃費でかなりの火力を叩き込め、回避も得意))なのは「様々なユニットに利点がある」というレベルを通り越しているのでは…という見方もある。
--MAP兵器でのごり押しも、今作は高範囲→火力が低い、高火力→範囲が狭いと、殆どが何かしらの欠点を抱えているため難しい。
---『C2』では主軸にもできたマイクロミサイルの火力が壊滅的になった試作3号機や、『α外伝』の''18マスから8マス''の異常な狭さに格下げされたZZはその最たるもの。そんな中でも空魔がいずれのバランスも良いが、終盤に2枠使うことでようやく自由に使えるようになるなど、ハードルは高めに設定されている。MAP兵器の連発を補助する精神コマンド『補給』の効果も気力-15((『C2』含め、デメリットがある他作品では気力-10))と、スパロボ全作品中デメリットが最多である。
---ただし、MAP兵器は一度に複数の敵を一切反撃させずに攻撃出来る上、熱血や幸運といった精神コマンドの効果も実質数倍になる破格の性能の武器である為、ある程度自重されるのも当然の武装ではある。他作品では強力であるがゆえにMAP兵器持ちが揃ってくると「いかにMAP兵器の射程内に敵を誘い込むか」に終始してしまうプレイにもなってしまいやすく((極端な例が第4次))、まとめて倒す爽快感がないという欠点もあるが、一概に以前のバランスがいいとも言い切れないところ。
--難易度の向上を見越して、本作は回復系・支援系精神コマンドの消費SPが少なめとなっている。
---他作品では消費SPが多く使い辛かった「愛」が、本作では比較的低い消費SP60になっており、そこそこ気軽に使えるようにされた((特に1話からいるシローがいきなり覚えているので、ガンガン使えと言わんばかりの扱い。))。よく使う「根性」も僅か15。~
また、「かく乱(1ターンの間、敵の命中率が半分)」も消費SPが40と非常に少なく、かく乱要員を用意しておけば終盤がかなり楽になる。
--攻撃力が低いのは敵も同様のため、HPを改造して上記の精神コマンドで回復し、敵のザコを少しずつ落として面で競り勝つ……という普段と異なるプレイングや位置取りが要求される。
---従来のシリーズにありがちな「敵ボスの攻撃を喰らうと即死するのでひらめきが必須」という事もなく、終盤でもある程度は耐えられる。ただし「逆恨み」((特定のパイロットが出撃していると1.5倍ダメージを与える。))持ちの敵だけは即死する危険性があるので注意。

''難易度上昇に一役買っている熟練度の存在''
-取得条件の殆どが「HP○○%または○○ターンで撤退するボスを撃破」というケースになっているが、同時援護攻撃があるためか、撤退HPも高い。改造、機体の選定、気合、脱力、クリティカルなどの緻密な計算を要求される。
--また、『α』『α外伝』同様に熟練度取得条件が表示されておらず、うっかり取得と関係無い敵に全力を出してしまい、増援が現れて虫の息になることは珍しくない。
--熟練度が高くなる事で一部の隠しユニットが弱くなる、クリア後にお金が貰えない、敵が強くなると難易度の高さに拍車が掛かる等、かなり歯ごたえがあるゲームバランスと言える。

-前述の通り、全体のゲームバランス自体は良いが、熟練度を出来る限り取ろうとすると、難易度は上がる。
--もちろん熟練度自体がそういう要素である為、当然ではあるのだが、隠しシナリオへ進むためには一定値以上の熟練度が必要な為、シナリオだけが目当てというプレイヤーでも熟練度を稼ぐ必要がある。
--獲得条件の多くが、「規定ターン以内に敵を全滅させる」か、「名有りボスを撤退させずに倒す」である為、熟練度を重視するとスーパー系偏重プレイになりがちなのも、キャラゲーとしては痛い。
---よほどの改造やV-UP等による攻撃力の底上げをしていないとリアル系では攻撃力不足からターン超過やボスの撤退が起こりやすい。

''C2からの隠し要素の変更''
-サーバインやフルアーマーガンダム等の『C2』から削られた隠し要素がある。
--その代わりキュベレイなどの敵ユニットやコアブースター・FA百式改などが追加されている。
---主に『α』『α外伝』に登場していないユニットが削られ、『α』『α外伝』に登場したユニットが追加されたので、恐らくはグラフィック流用の都合だろう。
-また、C2でも存在した隠し最終話は、熟練度を50以上取ることで到達可能という条件に変更された。ただし、究極の初見殺しと言うべき内容があり…(詳しくは後述)

''スキルコーディネイトシステムの仕様''
-他作品でもそうだが、通常獲得で選択肢を広げる、より高位の物を取得する方法がクリア時のターンが低いほど良い、つまり''マップの早解き一択''となっている。
--やり込む気を起させる要素である反面、プレイスタイルの強要という見方もどうしてもできてしまい、初心者には不利な仕様でもある。また、敵味方の初期配置、増援の事情を一切考慮せずに全てのマップで同条件なので、最上位のものがまず取れないステージや、隠し要素との同時達成が不可能なステージがある。
--ただ、下位の「底力」も意外と優秀な性能を持ち、高位の物を覚えていても有用な「精神力+5」もあるため、「高位が絶対に取れない場合の有用な選択肢」もちゃんと用意されている。
---なお、やり込み尽くせば文字通りの「無限精神」も可能なので、環境が整って以降は対応キャラの出撃ターン=クリアターンにもでき、高位の物を常に取得できる。しかし活用するには手順が非常にややこしい((復活と自爆と献身を配置を丁寧に行ったうえでループして使い続ける必要がある))上に、そこまでできるなら取得スキルが必要な場面がほぼ無い。
-他にも隠しキャラクターの加入、熟練度が低い場合に取得できるが、その時に手に入るものが「援護攻撃」や「統率」など、運用、戦略ごと変え得る代物がある。
--難易度以外にキャラゲーという観点でも「(デフォルトで援護を持っていないキャラにも)専用台詞がある」「同時に戦闘できる」のに、取得制限が厳しいのは非常に惜しい。
//隠しキャラクターの方はご褒美として納得できるが、高難易度でこそ欲しい特殊能力が熟練度が低いと入手できるのは、若干おかしいと感じるプレイヤーもいる。
//単純に熟練度を取れないような人への救済措置でしょ

''ある程度やりこみの反映される引き継ぎの実装''
-引継ぎ内容は最終話終了時点の所持資金
--据え置き前作に当たる『α外伝』ではどの難易度のルートをクリアしたかで引き継ぎ金額が変わったが、この仕様になった事でプレイヤーの獲得状況に応じた資金の引継ぎが可能になった。
--ただし問題もあり、「クリア時点で所持している資金」が対象である為、ある程度余裕をもって資金を残すプレイでもない限り、前知識がなければ実質最終話で稼いだ分だけしか引き継げない。引継ぎを意識したプレイをすれば、不要な改造を控える事で結構な資金を引き継ぎ可能。
--加えて資金引継ぎは第1部(及び1部を引き継ぐ3部)へしか引き継がれないため、周回を重ねたり引継ぎ用に使用を控えたプレイをして引継ぎ資金をどれだけ増やそうとも、第2部だけは1周目と同じ条件になってしまう。
---引継ぎプレイのおかげで1部をサクサク進めたが、2部に入って引継ぎなしになった為にそこで2周目を諦めた、といった声もそれなりに聞かれた。

''BGMのアレンジが独特''~
-本作のBGMは「原曲の本質を維持した上でいかに戦闘向きに作りこむか」という観点でアレンジが施されている。
--スタッフのそのコメントの通り、全体的にどの曲も原曲よりもアップテンポ気味に調整されている他、譜面構成やアレンジそのものの変化などもあって、観点通り原曲の根本を踏襲しつつ、原曲と聞き比べるとニュアンスがかなり異なって聞こえるものが多い。~
アレンジ自体の評価は高いものが多く、他作品のBGMと比して「こちらのアレンジの方が好み」という声も聴かれはするが、好みは若干分かれるところではある。
---極端な例をあげると『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のOP曲「いつか空に届いて」は元がバラード調のボーカル曲で戦闘曲向きではないこともあり、アッパー調のかなり大胆なアレンジが施されている。(移植元でもアップテンポだが、アレンジや雰囲気自体は原曲よりである)

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**問題点
''シナリオ関係''
-シナリオの長さから来る弊害。はっきりいって、長すぎてダレやすい。
--加えて、本作はスパロボにて度々存在する「部隊を分けての行動」の際に1部の1場面を除き「全ての分岐シナリオをプレイする必要がある」という仕様であり、他シリーズと比べて冗長さが著しく増す要因となっている。~
シリーズでは通常、どれか一つを選び、他のシナリオは既に解決済みになっているというパターンが多い。原作に当たる『C2』でもこの形式である。
--終盤は、どの分岐も各勢力との決戦のため難関マップでもあることも、心をくじく要因の一つ。
--1部終了後の状況のリセット。
---1部と2部は同時間軸の物語であるが、シナリオの都合上並行して行うことが出来ない。そのため1部終了後に2部が開始されるが、''各種フラグ、熟練度以外で2部に影響するものはごく一部のパイロット、ユニットの強化状況のみ''で、稼いだ資金、パーツは一切引き継がれず、''慣れた後半のバランスからいきなり最序盤のバランスに引き戻されて''しまい、モチベーションを削がれる要因となっている。
---この1部での稼ぎは3部開始''(2部開始から33話後)''までは一切影響しないが、3部はようやく1部、2部の合算となる。
--またこの長さでは、戦闘をサクサク進められないと非常にストレスにもなるのだが、雑魚が後半は必殺技一発で倒せなくなるなど、戦略性がある故の敵の硬さがマイナスに働いてくる。後述の戦闘カットなどの問題もある。

-シナリオ追加・変更のあおりを喰った部分がある。
--『C2』では第3部で決着がついたジェリドだが、本作では第3部の登場ステージに出てこないため決着が付かなくなった。恐らく、ライバル関係のカミーユが別のルートに行っている事が原因((『C2』では第3部のルート分岐が無かった。))。他にもギニアスが第3部で再登場しない。
---代わりに多くの追加キャラが登場するものの、追加キャラの1人のバグ(マシンロボ)は決着が付かずに生死不明のままフェードアウトする。

#region(ネタバレ注意)
--隠し最終話には、C2では存在しなかった要素として、&bold(){『敵機を一定以下まで減らす』または『ナナイのレウルーラを誤って撃墜してしまう』と、シャアに「これでは虐殺と変わらん!」と非難されてゲームオーバーになってしまうという敗北条件がある。}アクシズ落としでこちらとは比較にならないレベルで人類を虐殺しようとしているくせに何を言うのか…。おまけにこの敗北条件はシャアのマップ兵器で撃墜されて減った場合にも適用されるので、&bold(){「自分で仲間を殺しておきながら、アムロ達を虐殺者呼ばわりする」}という鳥頭なシャアを見る羽目になる事もある。さらに、マップコマンドの勝利条件ではこれらのことを確認できない。
#endregion

''フリーオーダーシナリオシステム''
-ステージをある程度自由に選べる「フリーオーダーシナリオシステム」が、今作ではあまり役に立っていない。
--ステージを選ぶ順番でシナリオの変化はあるものの、その数はあまり多くない。
--シナリオも多少煽りを食らっており、戦闘前後の会話シーンがかなり短くなり、敵のボスとの戦闘で発生する会話がかなり減った。
---また、前後の繋がりをプレイヤーが変更できるためか、任意選択ステージは「出てきた敵を倒して、その敵について会話して終わり」の単純なパターンが非常に多い。
---「一つ一つ潰していくしかない」という台詞がこの点を悪い意味で象徴する言葉になっている。
--中盤の大きな分岐にも関わっているのだが、分岐するという前触れがほぼない。
---その為、気づかない内に分岐が発生し、好きな作品のキャラクターが一定話数使えないといった事も起こる。
--シナリオの順番が隠しユニットの入手条件になっている事も多いが、前述の通り一周が長いゲームである為に、いつも以上に隠しユニットに触れづらくなっている。
//ヴァイス関係の話は長すぎて趣旨が分からなくなってるので削除しました。それに「ピンチな条件ほど何かがある」というのはむしろ初見殺しではなく王道では?
//システム的にこれも移動すべきかと思っていったん消去しましたが、内容から主にIMPACT関連の問題点と思い直し、復帰しました。失礼しました。

''熟練度に関する問題''
-本作の熟練度システムには細かな物も含め問題点も多い。
--熟練度はコンプリート不可能。
---バグか仕様かは不明だが、一部のマップの熟練度を取ると別マップの熟練度達成条件が消えてしまう場合があり、熟練度を全て取ることが出来ない。熟練度を全て取り切る必要がない作りになっているのは特に問題のある要素ではないが、やりこみ要素として全ての熟練度取得を目指すとわずかに取り切れないので、制覇を目指すプレイヤーからすればスッキリしない結果になってしまう。
--熟練度がクリアボーナスや隠し要素とバッティングしている物がある。
---特に隠し要素ではユニットの加入、追加必殺技の習得を目指すと撃破せずにイベント発生させることが必要で、イベントを起こすと敵が撤退(=その敵の撃破が条件の熟練度が達成できない)というものが複数存在し、熟練度か隠し要素かの二択になっている物がある。
--熟練度が低い場合にも追加要素が発生するが、いずれも「熟練度をとれないプレイヤーへの救済措置」的側面が強い。
---特定のマップで熟練度が低いとクリアボーナスに追加があったり、通常よりも強い強化型ユニットが手に入ったり、使い道のない追加ユニットではなく資金が手に入ったりするなど、むしろ熟練度を取らない方がうま味も大きいため、熟練度取得を目指しても達成感が湧きにくい
---熟練度重視のプレイで達成感が明確にあるといえるのは隠しシナリオ出現条件の「99話中51回以上熟練度を取る」という物くらいなので、約半分の熟練度さえ取っておけば良い。~
これ以上厳しくても余計プレイを縛るだけになってしまうので、隠しシナリオ条件としてはこの程度が妥当とは思われるが。((最後に隠しシナリオへ分岐する条件が厳しすぎるタイトルではむしろ問題視されている。))
--上記のように「熟練度はそれなりに取りこぼしが生じる」ことが前提の作りになっているため、熟練度重視のプレイイングに徹すると結果的に損に繋がってしまう上、前述の通りの難易度の上昇によってかなりキツくなってしまう。
--これらの点を総括すると、本作の熟練度は&bold(){積極的にとる必要がない}。事前情報なしで熟練度を重視した場合、難し過ぎて挫折の原因になり易い。~
特に、『α』シリーズでは熟練度重視でも積極的なプレイングが可能なほどの難しさに留まっていたため、『α』シリーズ経験者にとってはそちらと同等の感覚で熟練度を重視した結果、損や挫折に繋がり易かった。
---本作が難しい理由は高難易度のゲームバランスが最たる要因ではあるが、根本的ではないにせよ、積極的に熟練度を狙うことが難易度の更なる上昇に直結してしまい易い作りになっていたこと(に加えて『α』シリーズにおける熟練度のプレイ感覚の影響)もおおきいと言えよう。

''その他システム関係''
-全体的にロード時間が長い。
--コンティニューなど場合によっては30秒近く掛かる。
--戦闘アニメに入るまでのロードも長く、戦闘アニメをカットしても、その際に流れる簡易アニメが非常にトロい。
---これらは後の作品ではほぼ改善されており、『第2次α』(2003年発売)以降でロード時間が問題になる事は殆どなくなった。トーセ製スパロボの次作である『MX』(2004発売)でも『第2次α』程ではないがロードは短い。開発陣が日々進歩している事の証だろう。
-全体的に評価の高い戦闘アニメだが、『0080』などはエフェクト以外は手を加えられていない(ほぼ)完全な流用なため、それを残念がる声は多い。

-3D化したステージマップが見づらい。
--視点もある程度動かせるが、ユニットが''地形に隠れて見えない''、ユニットにカーソルを合わせたと思ったら''隣の何もない地形に合わせていた''等、見辛く操作し辛い事も多い。
--一応、本作独自の要素として、画面の右下に小さい2Dマップを同時表示させる措置で対応はされている。
--ただし、見辛いという問題点はあるものの、3Dマップそのものはかなり作り込まれており、その点では評価されている。
--宇宙編では地形に邪魔されることがなく快適…と思いきや、視点変更ができずマップの拡大縮小が行えるのみとなっている。そのため画面の見辛さは地上ステージと大差がない。
--この問題点は現在に至るまでスパロボシリーズの課題となっている。

-マップ上での移動も遅い。
--ユニットの移動速度自体はα外伝と同じくらいだが、ビル街のような高低差のある地形マップでは、いちいち地形に沿ってして移動する。
---たとえば、ビル、道路、ビルという3マスの地形を移動する場合、ビルの高さに沿って移動→道路の高さまで下降→再びビルの高さに上昇してから目的のスクエアへ移動……という具合。1ユニット分くらいの高さのビルならともかく、高層建築物を挟んだ時の移動は非常に面倒。移動箇所を間違えたり、操作ミスでキャンセルしたりすると、またとろとろと移動するハメになるためストレスになること必至である。

-『α』・『α外伝』にも参戦した作品の戦闘アニメは同作のものを流用しているため画質はPS2としては見劣りする。また、MS全般などの動きはお世辞にもいいとは言えない。
--また『α外伝』に出演したユニットは高出力ビームのエフェクトが全て新規に差し替えられたが、今作では『α』のみに出演したユニットは差し替えられなかったなど、統一性に若干の粗がある。
--ハードを跨いだ戦闘アニメの流用は後の作品でも例があるが、本作の場合は初代PSとPS2の性能差が大きい事も影響している。スタッフも問題視していたのか、次回作と言える『[[第2次スーパーロボット大戦α]]』では、ほぼ統一された。

-図鑑関連に少々粗がある。
--ロボット大図鑑・キャラクター辞典の新規参戦作分の解説文の大半に「原作では」の一文が入っているが、使うべきでないところに付いている(元来、大図鑑/辞典は主に原作での活躍等について記述するものである)。
--更に登場作品に『劇場版マジンガーシリーズ』が含まれていない所為か同作から登場した機械獣・戦闘獣等の登場作品が『マジンガーZ』『グレートマジンガー』にされている(前者は「機械獣トロスD7」のみ)。
---しかも''半分バンプレストオリジナルである「メカギルギルガン」''でさえ登場作品がグレートマジンガーになってしまっている。
--『マシンロボ』のケンリュウとバイカンフーの解説文は、メディアワークス(現:KADOKAWA)刊「スーパーロボット大鑑Ver'98」に掲載された文章をそのまま引用している。
---ちなみに次回作『MX』では大体修正された。

//スレの方を見たら原作由来の問題点なのでそちらに移動ということでしたので再度消します。早とちり申し訳ない。ただ、削除した理由ができちんと明記されてなかったので、そこはちゃんとしといてください。
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**総評
''初心者向けと謳いながら上級者向けのバランス調整''に加え、独特なアレンジのBGM・戦闘アニメの使い回し・長すぎるプレイ時間・あらゆる面でのテンポの悪さなどのネガティブなイメージが先行してしまい、評価はあまりよろしくない。~
しかし、スキルコーディネートなどの斬新なシステム・派手な新規戦闘アニメ・BGMのコアな選曲など、評価すべき点がかなり多いのもまた事実である。特に難しくも戦略性の高いゲームバランスは、古参スパロボユーザーやコアユーザーからはとても好評。難易度はそのままで、テンポの悪さと1周の話数を調整してリメイクしてほしい、という声も少なくない。

PS2初のスパロボであるという事もあり、よくも悪くもユーザーの心に強く残った作品である。~
最近の歯ごたえのないスパロボに辟易した人、たまには高難度のスパロボをプレイしてみたい人は、本作を手にしてみてはどうだろうか。~
ただし、''テンポの悪さに耐えられるなら''という条件付で。
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**余談
//宣伝手法や広報面における問題はゲーム自体の評価には結びつけられないのでこちらに移動しました。
''広報面のあれこれ''~
-「初心者向け」として売り出したが、実際はむしろ高難度バランスであったのは前述の通り。
--PSハードの前作である『α外伝』が『α』とはかけ離れた高難度だったため、サクサクプレイできる難易度を期待されていた事もあって、宣伝通りの初心者向け難易度を望んでいたプレイヤーにとって落胆の原因となった。

-軽いPV詐欺。
--PVはスピーディーな戦闘シーンに専用の歌も相俟ってかなり格好良く出来ているのだが、実は戦闘シーンが少し早送りになっている。
---その結果、PVを見た期待感でゲームをやると、非常にスピーディーで格好よかった飛影やEz-8、バイカンフーの攻撃がもっさりしているように感じてしまう。
---妙に早口なナデシコのアキトのカットイン等で何となく察せるといえばそうなのだが…。
--ただしPVやCMでの早送りデモは『スパロボ』の伝統で、本作だけではない。
#region(そのPV)
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=-Rv22aD2mMk)
#endregion


''その他''~
-名称について
--[[企画段階では『スーパーロボット大戦・''撃(インパクト)''』という名称だったが>http://blog.spalog.jp/?p=4656]]、「いくらなんでも漢字はないだろ」という意見が出たことで、「IMPACT」になった経緯がある。「インパクト」という言葉そのものは原作の「COMPACT」にもかけられていると思われる。

-PS2初のスパロボ、かつ、αやα外伝、Aの好評もあり、本作も63万本を売り上げた。

-本作は発表当初は「『COMPACT2』のリメイクではない」と語られていたが、後の公式生放送では普通に「リメイクである」と明言されている。

-『スーパーロボット大戦IMPACTコミック 衝撃騎士団(インパクトナイツ)』というコミカライズがスーパーロボットマガジンで連載されていた。作者は『α外伝』でメカデザインを担当した環望氏。

-当時のゲーム雑誌では何故か1部と2部の攻略情報を並行して掲載していた。1部と2部のシーン1を同一号に掲載、シーン2を同一号に…といった具合。
--時間軸のネタバレ防止とも取れるが1部をクリアしなければ2部に辿り着けない設計のため、プレイヤー側からすればあまり役に立たない掲載法である。

-​2004年5月27日に、本作のシステムを踏襲した『[[スーパーロボット大戦MX]]』が発売された。
--シナリオや世界観も無関係の単発作品だが、継続して参戦している作品においては本作で原作終了まで再現され、MXで原作終了後として登場しているものが多い。~
他にシステムやBGMの流用が多いことも含め、プレイヤーからは実質的な続編として扱われる事も多い。

-2016年の記念放送で「開発者達が本作を1話から実況プレイ」という企画があったが、プレイ中に''「『スパロボ』の1話としては難しい」と開発者達が口をそろえる程''で、予定時間内に1話が終わらずボスとも交戦できなかった。

-2017年の公式生放送において、当初は「WS版では不可能だった2部→1部のデータ引き継ぎが出来るようにする」「1部・2部のどちらかをクリアするだけでも3部に進めるようにする」などの構想もあったものの結局は実現しなかったとの制作秘話が語られた。
--この仕様が残っていればゲーム全体の冗長性や資金引継ぎの問題もある程度解決できたと思われるので、非常に残念な話である。

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