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ドンキーコング (GB) - (2023/03/14 (火) 05:12:12) のソース

*ドンキーコング
【どんきーこんぐ】
|ジャンル|アクションパズル|&image(donkey.jpg,height=160)|&image(20110420060137.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4268&file=20110420060137.jpg,width=160)&br;※スーパーゲームボーイ使用時|
|対応機種|ゲームボーイ|~|~|
|発売元|任天堂|~|~|
|開発元|パックス・ソフトニカ|~|~|
|発売日|1994年6月14日|~|~|
|定価|3,900円|~|~|
|プレイ人数|1人|~|~|
|セーブデータ|3個|~|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版|~|~|
|配信|【3DS】バーチャルコンソール&br()2011年6月15日/309円|~|~|
|書換|ニンテンドウパワー&br()2000年3月1日/1,000円/F×4・B×1|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|アーケード版を大胆アレンジ&br;アクロバティックなアクションを駆使して進むアクションパズル|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク>ドンキーコングシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
スーパーゲームボーイ対応ソフトとして同時発売されたアクションゲーム。同名のアーケードゲームを基に様々な要素が追加され、別物と言えるゲームになっている。~
マリオのアクションやステージギミックを多彩化することでアクションパズル的な要素が含まれるようになった。
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**特徴
-マリオのアクション性が大幅にアップし、アクションパズル的な要素が含まれるようになった。
--また、初代の続編であった『[[ドンキーコングJR.]]』の要素も含まれており。ツルを昇り降りするアクションが存在する。
--『ドンキーコングJR.』では敵であるマリオがジュニアに対してワニをけしかけてきたが、本作では逆に、ドンキーがマリオにワニを放ったりする。

-ストーリーや設定は初代『[[ドンキーコング]]』と大体同じだが、初代を再現したプロローグステージをクリアした後に、コングがヒロインを再び攫ってどんどん逃げていくという展開になり、話のスケールが大幅アップしている。
--本作には中盤から、初代ドンキーの息子のドンキーコングJr.も敵として登場する。
--初代『ドンキーコング』では名前がなかったヒロイン「レディ」は「ポリーン」に改名され、外見も大幅にイメチェンされている。
---なお、この「ポリーン」とは初代当時にアメリカ任天堂(NOA)のスタッフが名付けたもので、当時のスタッフの奥さんが名前の由来らしい。

-スーパーゲームボーイでプレイした場合、ピクチャーフレームがアーケード筐体をイメージしたデザインになり、画面も色鮮やかになる。この他、ステージスタート時に助けを求めるポリーンの「HELP!」と叫ぶボイスがスーパーファミコンの音源部を用いて再生されたり((GBでプレイした場合は声のような電子音が流れるのみ。))と、原作のアーケード版の雰囲気を味わえるようになる。

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**ゲーム内容
''ステージ構成''
-複数のレベル(ワールド)で区切られており、各レベルは「4つのステージ × 1~4セット」で構成されている。
--ステージの攻略順は固定であり、分岐やステージ選択などは存在しない。

-最初のレベルである「工事現場」は初代『ドンキーコング』の簡易リメイクになっている。
--マップが少し短縮されているが、ファミコン版ではカットされたアーケード版2面も収録されている。

-ステージの総数は100を越える。ステージの舞台も街やジャングル、果ては船や飛行機などバラエティに富んだエリアを進んでいく。

-各ステージの合間にはそのレベルの全体マップが表示される。大都会や砂漠などの一枚絵の上に、各ステージのルートとマスが表示されている。
--ステージの内容は、全体マップにおけるマスの位置に対応していることが多い。例えば湖の上にステージのマスがある場合、そのステージは水中面だったりする。

-ステージの内容は大体以下の3パターンに分けられる。
--各ステージセット(全4ステージで1セット)の内、1~3ステージ目は「通常ステージ」、4ステージ目は「ドンキーステージ」となっている。
---各レベルの最後のドンキーステージは、ドンキーと直接対決する内容になっている。
--通常ステージ
---ステージ内にあるカギを扉まで運べばゴールとなる((150カウント以上残してクリアすると、マリオが扉を通過した後に戸締まりを行う演出が入る。))、アクションパズル的要素が強いステージ。
---シンプルだがこれが一筋縄ではいかない。カギを持ち上げている間は多くのアクションが出来なくなり、ジャンプ力も若干低下する。~
さらにカギを一定時間放置するか画面外に投げ込んでしまうと、カギは最初の位置へと戻ってしまう。単純に進むだけでなく、カギを出来る限り手放さずに運ぶ方法を考えなければならないという、パズル要素を含んでいる。~
終盤のステージでは「''扉が複数ある(本物の扉以外は全てダミー)''」「''扉が透明で見えない''」といった要素も加えられる。いずれも開始時のポリーンの吹き出しの位置で場所は把握できるものの、その位置も覚えつつの攻略となるため難易度は高くなる。~
なお、カギを持った状態でダメージを受けると、カギを手放してしまう代わりに1度だけそのダメージを無効化することができる。((ただし無効化時に後ろにふっ飛ばされてしまう上、数秒間気絶して身動きが取れなくなってしまうので結局やられてしまうことは多い。))
---自分で床やハシゴを配置するアイテムも存在する。取るとゲームが停止、自由に位置を決めると、一直線に床またはハシゴが広がり、一定時間それらを利用できる。
---敵もただ触れればアウトというタイプだけでなく、ダメージは与えずマリオを押し出す動く障害物のような敵も存在する。時にはその敵を足場などに利用する事も、攻略のカギとなる。
--ドンキーステージ(通常)
---ドンキーの攻撃をかわしながらポリーンのもとまでたどり着けばゴールとなる、中ボス的なステージ。
---つまり初代『ドンキーコング』と同じルール。
---ドンキーの攻撃も多彩でステージごとに違う。ステージ内のトラップと合わさるとなかなか手ごわい。
--ドンキーステージ(対決)
---ドンキーと直接対決するボス戦。
---ドンキーの投げてくる樽などを投げ返してドンキーにぶつける。この辺はマリオUSAに近い。
---樽をぶつけてボスキャラにダメージを与えるという要素はスーパードンキーコングシリーズに受け継がれた。

-上記の3パターンに当てはまらない特殊なステージも一部存在する。
--レベル0「工事現場」や、最終レベルのステージは全てドンキーステージとなっている。
--最終レベルでは初代『ドンキーコング』を簡易版ではなく再現したステージや、『ドンキーコングJR.』の最終ステージをアレンジしたステージも登場する。

-各ステージセットやレベルの合間にはデモシーンが挿入される。
--デモの内容は、新登場する仕掛けの紹介や、マリオのアクションの紹介といった、ステージ攻略上のヒントになっているものが多い。
---3段ジャンプを決めたマリオが天井にぶつかって、着地後にフラフラするなど、なかなか出来が良い。

-ステージ別に最短クリアタイムのレコードが記録される。
--早くクリアするほど、ステージ間のデモシーンで残機が増えるというボーナスもある。(合計タイムが100カウントにつき1つ残機が増え、100未満の余りも加算される)

-このゲームのパワーアップアイテムはハンマーのみ。
--初代『ドンキーコング』同様、無敵になるわけではなく、ジャンプや梯子の上り下りなどのアクションが出来なくなるといった制限がある。
---ステージが進むと特定の壁を壊すことができるスーパーハンマーが登場する。特定の壁を壊して進むステージで出現する関係で効果時間が切れても元あった配置に戻るため、スーパーハンマーが足りなくなってクリアできなくなることはない。
--初代とは違い、この2種類のハンマーは上空に放り投げることも可能。これを利用して、放り投げた直後に梯子を上ってハンマーを再キャッチしたり、ジャンプしつつ空中でキャッチして穴を飛び越えたりなんてことも…

-アイテムの中にはキノコも登場し、ドンキーやJrがマリオに投げてきたりする。
--これは『スーパーマリオブラザーズ』のようなパワーアップアイテムではなく、一定時間マリオの体が縮んでしまうという、どちらかといえばマイナスアイテムである。
---ただし、ステージによっては狭い通路を通ってショートカットできるといった、体が縮むことを利用した仕掛けもある。
--敵が投げてくる妨害アイテムだが、''つい普段の癖で取ってしまう''という事にも……。
---更に最終決戦では、キノコで巨大化したドンキーコングと戦うことになる。
---しかしエンディングでは…。

**評価点
//評価点と特徴がごっちゃになってるんで整理。
''多彩なアクション''
-3段ジャンプ、バック宙返り、大車輪など、ジャンプするタイミングや十字ボタンとの組み合わせなどによって様々なアクションを繰り出せる。
--逆立ちによって落下物を受け止めて防いだり、武器として使えるといったギミックも。
--3段ジャンプや宙返りは操作方法が特殊だが、クリアに必須ではなく、覚えておけば便利という程度の物だが、後述の仕様もある為やはりタイム短縮の為に体得しておいた方がいいだろう。
--これらのアクションは『[[スーパーマリオ64]]』にも引き継がれており、現在の体操選手のようにアクロバティックな動きをするマリオの原点と言える。
--タイトル画面で放置していると、マリオが各アクションを披露する。

-アクションやステージだけでなく、やられ(死亡)描写も多彩。ゲームボーイの荒いドット絵にもかかわらず、やたらリアルに描写されており、当時の任天堂のゲームとしてはかなり異質である。ゆえに''「黒い任天堂」''の一例として挙げられることも多い。
--初代では現実で言う2階程度の段差から落ちると転落死となっていたが((これは宮本茂が「あの高さで落ちたら足がグキッ!ってなる」と変にこだわっていたせい。結局、転落死を設定するとゲーム性が制限されるので、その後開発されたマリオのアクションゲームでは採用されなくなっていた。))、今作のマリオは4階程度の高さから落ちると頭から地面に頭をめり込ませて死ぬようになった。落下時のモーションが、少しずつ頭が下になっていく様子がやけに細かい((全部で三段階あるが、それぞれの体制で着地するとそれぞれ違ったアクションが見られるというこだわり様。最後の段階で着地すると死ぬ。))((段階によって着地後の動作が異なり、一段階目では着地後に前転で受身を取る。二段階目は身体を強打しうつ伏せで3秒ほど痙攣(説明書では「ヒクヒク」と記載)する。前転と比べて落下や敵への激突のリスクは無いが、短くない時間硬直するため、仕掛けを作動させている時や敵に追われている時などには発生させたくない。))((小さくなった状態では転落死に至る高度が低くなるので、操作には注意が必要。))。
---ジャンプ台の上に着地すると転落死にならないという救済処置がある。他にも、物を持ち上げている途中の状態であれば、高所から落下しても転落死には至らないという仕様もある。
---ちなみに地面に頭をめり込ませている最中はまだミス判定となっておらず、この時にポーズ(一時中断)をかけることが可能。また、この状態で別の敵に触れるとそちらの死亡描写が優先される((例えば、接地直後に横から炎の敵がぶつかってくると焼死となる。))。
--圧死のやられ描写だけでも3パターンある。樽に横から轢かれたり臼型障害物に上から押し潰されたりすると、横に平たくなってしばらく空中を舞ったあとに着地して死ぬ。落下する樽に押し潰されると舞わずにすぐに横に平たくなって死ぬ。テッカメンの盾と壁に挟まれると縦に平たくなって揺れたあとに座り込んで死ぬ((ラストの巨大ドンキー戦では、横からの両拳攻撃に挟まれると、真上にある足場まで飛ばされながらこのやられモーションを行う。))。身体がペラペラに平たくなるというのはギャグ的表現であり、他の死亡描写に比べると柔らかい描写ではある。
---なお、逆立ちになった状態で、これらの敵に触れると圧死ではなくノーマルミスになる。
--他にも、普通の敵やトゲのある地形との接触、底なし穴や溶岩((溶岩に落ちた場合、マリオは溶けたりせずにノーマルミスとなる。流石に専用のやられを作るにはグロすぎるので自重した模様。なおデモシーンでは、溶岩に触れるとお尻に火が付いて飛び跳ねながらなんとか対岸まで辿り着くというギャグ要素の強い描写となっている。その後発売された『スーパーマリオ64』では、溶岩に落ちるとお尻に火が付いて高く飛び跳ねるというダメージ描写が採用された。))に落ちたり、タイムアップによるノーマルミス((その場で身体をグルグル回転したあとに仰向けに倒れるという初代と同じ死に方で、BGMも初代をアレンジしたものである。説明書では「アウト」と記載されている。))。水中でノーマルミスと同じ条件でミスになると水死((最初にグルグル回転する点はノーマルミスと同じだが、その後は大の字になって沈下し、着底後に泡を吐き出しながら仰向けになって死ぬという生々しい描写。))。炎の敵に触れての焼死((火だるまになって飛び跳ね、着地後にグロテスクな焼死体となる。))。球電に触れての感電死((骨が透けるまで感電したあと、白目を剥いて真っ黒焦げの状態で大の字に飛び跳ね、着地後に仰向けに倒れる(焼死体と同じグラフィック)。))((逆立ちジャンプ途中で球電に触れると、そのタイミングによって感電時の音が変わる。))。ドンキー触れると頭を掴まれて投げ飛ばされた挙句、地面に激突してのミス((転落死の時よりも頭を深く地面にめり込ませ、仰向けに倒れた時に頭の半分以上が帽子に覆われ、その後タンコブが出てくる。))((ドンキーステージでは、このやられを想定しているかのように、投げ飛ばされた着地点となる固定の足場が必ず用意されている。))((一部のドンキーステージでは細かなテクニックやバグを使えば、普通のプレイでは通れないドンキーのいる所まで辿り着くことが可能で、その際に画面外など思わぬ方向へ投げ飛ばされたりすることもある。))((基本的にマリオがやられるとマリオ以外の画面上のキャラや仕掛けの動きが停止するのだが、ドンキーの投げによるミスだけはマリオがやられても動き続ける仕様となっている。))。などがあり、やたら死亡描写のバリエーションが多い。
--条件が条件なので遭遇する機会は少ないが、キノコを取って小さくなった状態でのやられ描写も用意されている。基本的には通常時と同じ死亡描写であるが、ドンキーに投げ飛ばされるやられでは''身体がバラバラ''になり死亡する((地面に叩きつけられたあと、「マリオの肉片と思しき物体が散らばったグラフィックが表示されたのちに天使の輪が出る」というグロテスクなもの。))という差別化がされている。
--初代とは違い、死亡パターンによって、死亡時のBGMも変わったりする。
--また、死亡描写以外にも状態異常の描写もある。物を持った状態で敵や危険な足場に触れると、物を手放して後ろに吹っ飛び、白目を剥いて仰け反り続ける。3階程度の高さから落ちると身体を強打してしばらく動けなくなるヒクヒク。ドンキーのジャンプによる地震攻撃を地面にいる時に受けると、尻もちをついてしばらく動けなくなる。吸血コウモリ「ドラキュー」に触れると、血を吸われて一定時間仰向けの状態で気絶して動けなくなる((ツタに登った状態でドラキューに触れると、ツタを手放して落下してしまう。運が良ければ前転やヒクヒクで済んですぐに操作できる。しかし高所から落ちると転落死、トゲのある地形に落ちればノーマルミスとなる。))。水中でタコ型の敵「オットー」に触れると頭に覆いかぶさられ、一定時間泳ぐことが出来なくなるうえに歩行速度が遅くなる((ゲーム開発中のオットーは他のステージにも登場していたが、テストプレイした人達に嫌がられたため、1ステージのみの登場に留まった経緯がある。))。などがある。
--ミスし易いステージもあるが、死亡パターンの多彩さによりストレスを緩和している。残機は増やしやすい((タイトル画面からステージ選択が出来るため、ここで序盤のステージをクリア→セーブ&リセットを繰り返すことで容易に残機の補給が出来る。))(最大99機)ので、ゲームオーバーを恐れず挑戦できる。
--以上のことからリョナゲー要素が多く含まれているのは確かである。残機も増やしやすいことから、様々なシチュエーションでわざとやられてマリオの死亡描写を楽しむという、不健全な遊び方もできる。

''タイムアタック推奨のゲーム性''
-ステージクリア時の残り時間はゲームの進捗とともに保存されるので、記録の更新を競うプレイが行いやすい。
--また、残り時間に応じた1UPボーナスの存在により、クリアタイムの短縮が単なる自己満足で完結しない点も秀逸。

''演出面について''
-背景グラフィックもよく描き込まれている
--同じレベルでも、ステージによって様々な場所でアクションをしていることが分かる。
---レベル6「飛行機」では、背景に飛行機の外観が描かれていたりもする。レベル8「岩山」の終盤では、次のレベルの舞台が背景に描かれており、ステージを進むごとに背景が近付いていく。
-スーパーゲームボーイのローンチタイトルだけあって、スーパーゲームボーイの機能を有効に活用している。
--タイトルに加え、マップ画面やボーナス画面といった固定画面は綺麗に色分けされ使用色数はかなり多い。
--ゲームフィールドはさすがに4色ながら、ステージごとに色を変えて精一杯のカラフル感を出しており、また背景とキャラクターの色分けも明確で見やすい。
--ステータス表示やステージクリア時の点数表示はカラフルで、ステージクリアごとにボーナス画面やマップ画面を見ることも相まって、全体的にカラフルな印象を受ける。

-曲もなかなかの良作揃い。
--森・砂漠・ジャングル等、ドンキーを追う中で訪れる場所は様々だが、どの曲もステージの雰囲気にマッチしており臨場感を高めてくれる。
--残り時間が30秒を切ると専用BGMが流れ出す。時間が進むにつれて激しい曲調になっていき、焦燥感を煽られる。
--レベル9「塔」の5面以降は、既存ステージの流用ではない専用BGMが使われているが、いずれも本作らしからぬ緊迫感ある雰囲気でカッコいい。特にドンキーと直接対決する9-8は、早弾きのギターソロを思わせる複雑で激しいメロディが挿入される激アツなBGMとなっている。
--スタッフロールのBGMはゲームボーイ音源のものだけでなく、スーパーゲームボーイで起動した場合にSFC音源で再生される別バージョンも収録されている。~
SGB用にカラーリングを設定してあるGBタイトルはそれなりにあったが、専用楽曲まで用意されているのは流石に本作くらいのもの。
--余談だが、同時期に発売された「[[スーパードンキーコング]]」のジャングル面の音楽「DK Island Swing」((スーパードンキーコングシリーズを代表する曲として、ドンキーコングが出るゲームには良く使用されている。))に出だしのフレーズがそっくりな曲もある。

**賛否両論点
''残り人数ボーナスのバランス''
-本作では通常ステージのいくつかに1UPハートが落ちている他、ステージ中のポリーンの落とし物(帽子、傘、バッグ)を全て回収すると、ステージクリア後に残り人数が増えるボーナスステージが始まる。
-だが、その他に4面毎のステージセットをクリアするごとに残りタイムの合計が表示され、100秒毎に1UPされるという要素がある(100未満の端数は切り上げ(1UP)となる)。
--''この残りタイムによる残機アップの恩恵がかなり大きく''、普通に進めていてもゲーム中盤頃には99でカンストしてしまうことも多い。
-一方、ボーナスゲームによる残機アップは運要素が強く、あまり効率が良くない。スロットは最大5UPだがハズレがあり、ルーレットはハズレが無い代わりに最大3UPである。
--必ず1UPか2UPできるルーレットはともかく、スロットでハズレを引いてしまうとアイテム回収の手間が無駄になってしまう点もマイナス。
---このボーナスはステージクリア時のタイムカウントの1の位が偶数(ルーレット)か奇数(スロット)によって選択されるため、狙ったボーナスを任意に選ぶことは可能となっている。
--そのため、ポリーンの落とし物集めに関してはボーナスゲーム目当てというより、むしろゲームコンプリートのための要素と言った感じになっており、結果的にボーナスが形骸化してしまっている。

**問題点
''セーブ機能の不備''
-セーブは4ステージ単位(4の倍数のステージをクリアした時)でしかできない。
--携帯機の性質上、その時の状況や電池切れなどのトラブルに応じて、いつでも中断できる仕組みが欲しかったところ。
---ポーズ画面にもセーブする項目はあるが、この場合記録されるのは残り人数だけで、その他の進捗は一切保存されない。
--タイムアタックについても、4ステージ分のタイムがまとめて記録される仕組みである。

''ラストバトルでポーズができない''
-巨大ドンキーとの戦いでは、セーブはおろか''ポーズすることすらできなくなる''。

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**総評
当時はゲームボーイの衰退期だったためこのゲームの知名度は低い。~
しかしシンプルながら奥深いシステムのアクションゲームであり、ボリューム面を見ても今でも充分に楽しむことが出来る作品となっている。
**その後の展開
-本作のパズル要素を踏襲したリメイク作である『[[マリオvs.ドンキーコング]]』がGBAで発売された。
--こちらに登場するのは二代目ドンキーコングのほう。
--ステージの前半は本作と同じく鍵を扉に運ぶとクリアとなる。逆立ちや宙返りなどのアクションも引き継がれている。

-2011年には3DSバーチャルコンソールでも配信開始。
--十分なボリュームにもかかわらず''300円(増税前)''とかなりお手頃の値段。試しにプレイ、な感覚でも満足できるだろう。
--ただし、VCの仕様上、スーパーゲームボーイ関連の機能には対応していない。スーパーゲームボーイの機能を大いに活用したソフトだけにこの点は残念である。

**余談
-元のアーケード版とはゲーム内容が完全に別物にもかかわらず人気があるというちょっと珍しいケースである。
--スタッフも「リメイクを作るつもりは最初からなかった リメイクを元にして新しいゲームを作る」と語っていた。
--開発中は初代のリメイクパートにあたるステージ0の登場位置について一悶着あり、「ゲームの最初に入れると単なる過去作のリメイクと勘違いされてしまうのでは?」として当初はオマケパートに入れようという案もあったらしい。結局、製品版ではプロローグに相当する位置として最初に組み込まれることになった。
---予感的中と言おうか、3DSバーチャルコンソールの商品ページの紹介動画では見事にこのステージ0のみが出てくる。
--このゲームは元々エディットモードを導入する予定で、製作ツールとしてROMも出来ていたのだが、小学生がそれを理解し扱うのは難しいと考え、ゲーム中の一部で使おうという事で、床やハシゴを生成するアイテムとして導入される事となった。

-本作に登場するドンキーコングは初代『ドンキーコング』に登場したものと同一キャラであり、現在の二代目(初代ドンキーの孫)ではない。
--マリオと初代ドンキーが戦ったゲームは本作が最後である。
--『[[スーパードンキーコング]]』シリーズ以降に登場するクランキーコングは、この初代ドンキーコングの年老いた姿にあたる。

-原作シリーズでは、初代でレディをビルで救出後、マリオがドンキーをおしおきで監禁したところを息子のJr.が救い出した(『[[ドンキーコングJR.]]』)のだが、~
本作では最初にビルでポリーンを救出した後、再びポリーンをさらってドンキーが逃げ回るというパラレル展開になったため、原作シリーズにおける流れは無かったことになっている。
--今作では最終的にドンキーとマリオは決着後に仲直りし、後述のキノコ王国に繋がる展開となる。その後のシリーズでもGB版での和解設定の方が受け継がれている節がある。
//その後手を焼いたマリオがドンキーを売却(『[[ドンキーコング3]]』)という流れだったのだが、~
//『3』での「ドンキーが売却された」という設定は無かったことになっているようで、
//↑売却設定がソース不明なようなので一旦記述除去

-時系列上、本作は『[[スーパーマリオブラザーズ]]』よりも前の話として描かれており、ゲーム内でも本作のエンディングでマリオ一行がキノコ王国の周辺に辿り着くシーンが描かれている。
--この際、攻略本の開発スタッフのインタビューにて「その後マリオはピーチ姫と出会ったことで、当時の恋人だったポリーンからピーチに心変わりしてしまい、ポリーンがふられてしまったのでは」という話をプロデューサーの宮本茂とディレクターの亀山雅之が冗談交じりに語っているが、こちらは任天堂の公式設定として組み込まれているのかは不明。
--その後、『[[マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!]]』で久しぶりにポリーンが再登場した際には「マリオの友達」として扱われている。
--さらに、『[[スーパーマリオ オデッセイ]]』で再登場したポリーンは「市長」となっており、マリオに対して終始敬語で他人行儀な態度を貫いている。

-攻略本によれば、開発中は巨大リスのようなボスキャラクター「モモガー」が存在したものの、後が続かなかったり、ドンキーコングの存在感が薄れてしまうため没にされたということが語られている。

-スーパーゲームボーイ初ソフトとして『テトリスフラッシュ』も同日に発売されている。
--この作品は元々ファミコン版の翌月にあたる1993年10月21日の予定だった。

-コミックボンボンでは本山一城による本作のコミカライズ版が連載されており、ゲームには登場しないルイージ、ピーチ姫、キノピオ、クッパ、ラリー、ディディーコング等が登場しており、ラリーは第1巻の番外編、クッパは第1巻の番外編と第2巻の第03話、ディディーコングは第2巻の第03話でそれぞれ登場している。原作と違い2代目ドンキーコングは孫ではなく成長したドンキーコングJr.である。
--後日談となる第2巻第03話「ドンキー島での悲しい結末!!の巻」では上記の没キャラ「モモガー」が漫画のみながら復活登場を果たしている。

-ニンテンドーeショップ版「ゲームセンターCX」でも、有野課長が数本のバーチャルコンソールソフトを自由に遊んだ後に、本作の挑戦を行った。特別上手いわけではないのだが、純粋に楽しむ様子を観る事ができ、この動画を観れば本作の概要が大体理解できるはず。

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