「Horizon Zero Dawn」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

Horizon Zero Dawn」(2023/01/21 (土) 16:00:05) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

//全体的に、その中でも問題点と賛否点の記述が、重箱の隅をつつくようでかなり細かい上に、回りくどい言い方が目立ち冗長で読みづらい。意味はそのままに言葉を組み替える・別の言葉を使う等で上手く文字数を削減し読みやすくできないものか。少し前からちょくちょく肉抜きしているが、ひとりじゃ到底手に負えない。 //↑削ぎ落し過ぎてなぜそれが問題点となっているのか、どれくらいゲームプレイに影響しているのかすら分かりにくくなっています。ちょっと気になる程度の問題点なのか、プレイに支障を与えるほど深刻な問題なのか、それが分からないとゲームの正当な評価にすら影響を与えてしまう。貴方一人しか削ぎ落し作業をしていないのであれば、他の読者はそれを必要としていないのでは? 私としては編集前に戻すことを提案したいです。 //↑それ以前の話だよ。誤字脱字が多い、1行目と2行目で内容が矛盾している、2行程度で済む事を5~6行で回りくどく説明する、同じ文字でも全角と半角でバラバラ、「資源」と「素材」で統一されていない等、そういった基礎的な文章力からしてお粗末な内容になっている。 *Horizon Zero Dawn 【ほらいぞん ぜろ どーん】 |ジャンル|オープンワールドアクションRPG|CENTER:&amazon(B06XC1WH2K)&amazon(B076V2Q6WZ)| |対応機種|プレイステーション4&br()Windows(Steam/Epic Games Store/GOG)|~| |発売元|Sony Interactive Entertainment((Win版のパブリッシャーが「PlayStation Mobile Inc.」と書かれていることもあるが、これはSIE社内の事業部門の名称なので実質SIEがパブリッシャーであることは変わらない。))((なお、2021年10月29日にはWin版におけるパブリッシャー名を「Playstation PC LLC」に変更している。))|~| |開発元|Guerilla Games&br()【Win】Virtuos|~| |発売日|【通常版】2017年3月2日&br()【Complete Edition】2017年12月7日&br()【廉価版】2019年6月27日&br()【Win】2020年8月7日|~| |定価|【通常版】6,980円&br()【Complete Edition】5,980円&br()【廉価版】1,990円(税別)&br()【Win】4,900円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|「大自然×機械獣×狩人」&br;優れたビジュアルと戦闘の面白さ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「大自然(オープンワールド)×機械獣(マシーン)×狩人(ハンター)」をキーワードにSIEワールドワイド・スタジオ傘下であるオランダのGuerilla Gamesが手掛けた新規IPのオープンワールドアクションRPG。~ 「アクションRPG」といっても経験値とスキルツリーの要素がある程度で、内容的にはアクション要素が高い「アドベンチャー」である。~ また、オンラインプレイの対人・協力要素はなく、純粋なシングルプレイ専用のゲームである。当初はPS4独占タイトルとして発売された。 ---- **特徴 ***ストーリー 科学文明が滅び、遥かな年月が流れた遠未来の地球。~ 機械の獣が跋扈する大自然の中で、テクノロジーを失った人類は文明を退行させ、狩猟採集を中心とする生活を営んでいた。~ 人類と機械獣は長らく共存していたが、10年前の「大厄災」を機に、機械獣は凶暴さを増していた。~ 「大いなる母」を信仰し「掟」を重んじる部族・ノラ族の異端者として生を受けた少女アーロイは、同じ異端者である育ての父・ロストに男手一つで育てられていた。~ 幼いアーロイはある日、部族の掟で禁忌とされる旧文明の遺跡へと迷い込んでしまう。~ そこで見つけたのは、装着すると周囲の生き物や機械に関するあらゆる情報を看破できる「フォーカス」という指先ほどの機械。~ 不可思議な遺跡の様子を目の当たりにし、フォーカスを手に入れたアーロイは、この世界の謎と自らの出自を自らの力で解き明かすべく、部族の義勇兵となって生き抜くことを決意した。~ その決意を汲んだ、父であり師であるロストとの二人三脚の訓練の日々を乗り越え一流の狩人となった16歳のアーロイは、部族の義勇兵となる「試練」を受けるのだが…。~ ***世界観 先述の通り、現実世界の現代~近未来水準の科学文明が滅亡した後の世界、いわゆるポストアポカリプスの世界が舞台である。 -旧文明の知識や技術は失われ、都市などは完全に崩壊し、自然の中に埋没している。 -人類はおもに部族単位で狩猟採集生活を営んでおり、文明や信仰も相応のレベル。温暖な地域には、神話に起源を持つ王朝のもとで都市を築き、農耕を営んでいる民族もいる。 --機械獣の存在が当然のものとなった世界であり、その装甲や部品が生活に利用されているが、技術の解明などには全く至っていない。 -本作における機械獣はさながら自然界の一員のような存在として描かれている。 --二足ないし四足の動物型を基本とし、群れたり、襲い掛かってきたり、逃げたり、ハイエナやハゲタカのように壊れた機械を処理したり…など、実在の野生動物に通じる多彩な行動を見せる。 ---大半はウマ、ダチョウ、ワニなど現存する動物をモデルとしているが、一部には恐竜を模した超大型の機械獣も登場する。 --機械獣が「穢れ」によって強く汚染されると、特に凶暴な「禍ツ機」という個体になる。 -敵の中心は機械獣となっている。山賊やカルトなどといった人間の敵対勢力も存在するものの、機械に比べ種類は少ない。 -イノシシやキツネといった野生動物も登場するが、こちらに危害を加えてくることはなく、純粋な狩猟の対象となっている。 --接近すると一目散に逃げるため、慣れるまでは矢を使わないと狩るのは難しい。 --登場する野生動物の種類は少ないが、世界設定上は大自然と共に多様な生態系が復活しており、様々な生物が機械獣と共存している。 -主人公は、手に入れた特殊な装置を用いて機械に対して「オーバーライド」というハッキングを行うことができる。 --この能力はシナリオ進行で活躍するほか、プレイ中も機械獣をオーバーライドすることで、味方にして戦闘や移動を手伝わせることができる。 --機械獣は「機械炉」という数カ所の拠点で製造されており、対象機種に対応した機械炉を制圧しデータを入手することで初めてオーバーライド可能になる。最終的には最強クラスの機械獣までもが対象となる。 ---ある場所では大型が2体登場するので、一方を乗っ取ってやることで迫力の怪獣バトルが拝める。ついでにいい素材もゲットできる。 ---機械炉での製造以外の手段で作られた機械は原則としてオーバーライド不可能。 ***システム 主人公アーロイとなって世界に蔓延る機械獣を狩り資源を収集し自身を強化し、世界の謎を解き自身の出自を追い求めるオープンワールドアクションRPGである。 -難易度はゲーム中いつでも変更可能。 --難易度は原則敵の戦闘パラメータのみに関係し、シナリオの変化はない。 ---ただし最上級の「ウルトラハード」に限り、素材の入手個数が減る、敵の体力ゲージが非表示…など独自の制約が多数課され、更に途中変更不可である。 -マップは一般的なオープンワールド型だが、探索範囲はメインシナリオの進行に応じて徐々に広がっていく。 --本作では「たき火」がセーブポイントとファストトラベル地点を兼ねている。 --先述の「オーバーライド」を用いると、一部の機械へ馬のように騎乗して駆け回ることも可能。 -作中の情報ツール「フォーカス」はそのままプレイヤーにとってのインフォメーションツールにもなっており、失われたデータの解析、捜索対象の痕跡の探知、遮蔽物越しの敵位置の把握、敵の弱点表示やハイライトなどが行える。 //--多くのゲームでは遮蔽物の透過や敵の弱点表示などはプレイヤー目線のご都合主義的な絵となりがちだが、それも本作では「主人公アーロイがフォーカスを通して見ている拡張現実」として演出することでゲームの世界観と違和感なく調和している。 //↑の記載を評価点へ移動しました --クエストではいわゆる「次のイベント地点まで行け」系の内容も多いが、このゲームでは対象の足跡など痕跡を表示させるフォーカスの機能がそれを担っている。そのためこのようなクエストも単調で退屈な移動とはならず、対象を追跡する行動によって自然とプレイヤーは次のイベント地点へ誘導される仕組みになっている。 -アクションのスタイルは「ステルス要素を伴うTPS」である。 --気づかれないうちに先制攻撃することで有利をとれる。 ---ステルス中は「サイレントキル」や「オーバーライド」など強力な攻撃を行える。また、もちろん弱点部位への狙撃も敵がまだ警戒していない時の方がやりやすい。 --逆に気付かれた場合は周囲にいる敵も含めて複数の敵が一斉に戦闘態勢に突入し、劇的に危険度が増す。 ---戦闘中の敵の動きはかなり素早く、弱点の狙撃はもちろん、カメラ速度の設定によっては敵をカメラアングルに入れ続けることすら難しい。&br() 「サイレントキル」や「オーバーライド」など状況を打開する技も使えなくなるため、いかに見つからないように行動するか、また見つかった場合はいかに敵の視界から逃れて再びステルス状態を得られるかが戦闘の重大な要素となっている。 --「すべての戦闘がステルスバトル」というわけではなく、狩場のクエストや一部のボス戦など身を隠すことができない戦闘も複数用意されており、状況に応じた様々な戦い方が求められる。 -敵の機械獣は様々な部位に分かれている。 --各パーツを狙って破壊することで敵を弱体化させたり、外れたパーツをアイテムとして収集したりできる。 ---燃料タンクなど特定の属性で攻撃すると大爆発を起こすパーツもあり、敵に大ダメージを与える重要な弱点部位となっている。 ---一部の敵は破壊して外れた武器を自分の物として使用できる。非常に強力であるが、重い上に弾の補充ができないのでその場限りでしか使えない。 --敵ごとに弱点部位が異なるほか、同じ敵でも部位ごとに弱点属性が異なる。また、装甲に覆われている場合もある。 -属性は一般的な「火炎」「氷結」「電撃」に加え、パーツをはがしやすい「破砕」と、一時的に敵を同士討ちさせる「穢れ」がある。 -状況に応じて様々な武器を使いこなせる。 --武器は弓やスリングなどの飛び道具が主力だが、ショットガン風武器、拘束ロープ、罠ロープ、置き型罠など多彩なカテゴリが用意されている。 ---武器種ごとに使用可能な矢弾の属性が決められている(1つの武器ごとに最大3種類の矢弾がある)。 ---飛び回る相手は拘束して地面に引きずりおろす、正面戦闘を避けたい相手は山盛りの罠で削る、致命的弱点がある相手は部位の破壊力が高い矢で撃ち抜く、倒れて隙を見せた相手には爆弾を投げまくる、など様々な戦い方が可能。 ---スキルの習得により、矢を3つまで同時装填できる。 --武器は4つまで装備でき、簡単な操作で切り替えることができる。 ---基本的に各武器1つずつしか入手・装備できないという訳ではなく、同種を複数装備可能。後述するコイルの構成を変えたものを用意しておき、状況に応じて付け替えたりできる。 --防具は、耐性やステルス性能など様々な特性を有する多彩な服が用意されている。 --武器や防具は収集したアイテムや金銭と引き換えに買い替えたり、戦利品の一種「改造アイテム」を用いて改造強化したりすることができる。 ---武器にはノラ製・カージャ製・シャドウカージャ製とランクがあり、ランクが高いと付けられるコイルと扱える矢弾が増える。 --近接武器として槍もあるが、性能はメインシナリオ、DLC内で部分的に強化される以外は固定。買い替えや改造はできない。 -レベルアップと「スキル」の習得により自身が強化される。 --主人公固有のステータスはレベルごとに固定の「最大HP」のみ。攻撃力と防御力は装備とスキルによって決まる。 --レベルアップや一部クエストのクリア時に獲得する「スキルポイント」を消費すると「スキル」を習得できる。 ---スキルは、戦闘用の攻撃技から探索を楽にするものまで多彩。 ---系統ごとに派生ルートが用意されており、上位スキルの習得には下位スキル習得が必須である。 ---最終的には全スキルのコンプリートが可能。 --上記のとおり、レベルは攻撃力に影響せず、スキルポイントもクエストクリアによってある程度は確保できる。そのためレベルが低くて敵を倒せないといった状態は起こらず、低レベルでもサクサク進めることができる。 ---しかしレベルを上げればHPやスキルが充実するので確実に攻略は楽になる。 ---レベル上げ必須ではなく、かといってレベル上げがムダにもならない「遊びやすいバランス設定」と言える。 -進行はクエスト制。 --他の一般的なオープンワールドRPGと同様。メインシナリオに関わるクエストはメインクエストとして進行し、それ以外のサイドクエスト、サブクエストなどはメインクエストと同時並行が可能。 -「過去の遺物」「鉄の花」といった収集要素も複数存在する。 ---- **評価点 ''機械獣を前面に押し出した独自の世界観と、それによって構築されるストーリー'' -ポストアポカリプス・主要な敵が機械・狩猟要素・オープンワールドARPG等の各要素は、他作と重なる部分もあり珍しくはない。~ しかし本作は、これらを極めてバランス良く、また高いレベルで上手くまとめ上げており、独自の作風・世界観の確立に成功している。 -世界観・ポストアポカリプス・機械等の要素だけでなく、ストーリーも非常に高く評価されている。~ 地球全体を襲った正に絶望としか言えない災禍と、その災禍を乗り越え未来への希望を紡ぐ一筋の糸、それと密接に絡み合うアーロイの出自の秘密、それら全てが明かされる終盤の衝撃と感動…壮大なスケールかつ緻密で整合性も計算された物語・世界描写となっており、極めてハイレベルにまとめられている。~ 後述するクエストもこの世界で生きる人達の営みが上手く表現できている他、世界観を掘り下げるテキストデータ・音声データも豊富に揃っている。メインストーリーのみならず様々な方向から独特の世界観にアプローチでき、プレイヤーが没入できる試みが行われている。 -プレイヤーとアーロイの観点がズレて、没入感を阻害するような要素を排除する工夫が随所に見られる。~ 例えば、ゲームで一般的に見られる「遮蔽物の透過」や「画面上の敵の弱点表示」等はプレイヤー目線のご都合主義的な絵となりがちだが、本作では「主人公アーロイが情報ツール『フォーカス』を通して見ている拡張現実」として演出する事でゲームの世界観と違和感なく調和している。 ''PS4 Proへの対応'' -本作はPS4 Proを前提に開発されており、オープンワールド作品としてはかつて類を見ないほどの美しい映像美を誇る。~ また、ここまで映像美を追求した割にはフレームレートやロード時間も比較的良好で、これら3つが高レベルでバランスが取れている。~ パフォーマンスをフレームレート優先にするか画質優先にするかや、ハイダイナミックレンジのオン/オフ等の細かい調整も行える。 -元よりPS4 Proが前提なので、通常のPS4でプレイするとロード時間が長くなる等のパフォーマンスの低下を招く。~ しかしオブジェクトの描画タイミングの調整やバックロード等、違和感なく瞬間的負荷を下げる工夫がされており、極端に大きな差はない。~ 30fpsとフレームレートこそ高くないが、その反面乱戦のような込み入った場面でも処理落ちは起こりにくい等、高レベルで最適化されている。 ''細部までこだわり抜かれた美しい表現'' -PS4の性能をフル活用し、丁寧に描写された映像表現・演出は圧巻。第8世代ハードでは間違いなく最上位に位置する品質である。~ 自然・街並み・人間・機械等、どれを取っても高クオリティであり、高度な技術力を存分に堪能できる作品に仕上がっている。~ その中でも風や光、天候等の自然関係の描写・表現は圧倒的の一言である。雲の隙間から指す光、極寒地帯のダイヤモンドダスト、~ 高温多湿地帯のスコール、荒野のサンドストーム、踏みしめる雪の動き、いずれも実写と見紛うほどに作り込まれている。~ 先述のDLCに至っては、''雪上を歩くとその下の芝生が顔を覗かせる''という、職人芸と言えるほどの作り込みが施されている。 -単純なグラフィックのみならず、キャラクターの各モーションや演出面も凄まじく丁寧に作られている。~ 一例としてアーロイの歩行モーションは、よくある「全く同じ動きで、速度に合わせて実移動距離だけ短くするだけ」ではない。~ 脚の動きと歩幅が歩行速度に応じて、何段階にも分かれたモーションが細かく用意されており、全く違和感のない自然な見た目になっている。~ 演出面も「NPCとの会話中、アーロイの瞳に会話相手の姿が映る」という、地味ながらも極めて細かい、妥協なき作り込みが窺える。~ 以上のような細かな作り込みの積み重ねにより、機械の蔓延るポストアポカリプスという荒涼な設定にも拘わらず、息使いが感じられ歩きたくなる世界に仕上がっており、「アーロイを動かすだけでも楽しい」「世界中を見て回るのが止まらない」と高く評価されている。 -機械獣も一種ずつ恐ろしいほど精巧に作られており、機械ながらまるで生き物を見ているかのようなリアリティを誇る。~ 特に最強の機械獣の1体である「サンダージョー」は、''3Dポリゴン数55万・271種類のアニメーション・67種類のビジュアルエフェクト・60種類のヒットリアクション・搭載武器数12種''という常軌を逸した作り込みとなっている。演出面も素晴らしく、ひとたび戦闘に入ると''大岩を吹き飛ばし木々をなぎ倒して暴れ狂う''という大迫力の暴れっぷりを見せてくれる。 -SIE関連タイトルではほぼ一般的となった「フォトモード」も搭載されており、ポーズやビジュアルエフェクト等の設定・調整も可能。~ 高品質なグラフィックに対する製作者の自信と気合が窺える他、美しい映像美を楽しむ要素の一つとして評価されている。 -BGMは派手さこそないものの、雪原・荒野・村等、それぞれのシチュに上手く最適化されており、魅力的な世界観を強調している。~ 一方で戦闘BGMは非常に派手で猛々しいものになっており、強大で荒々しい機械獣との戦闘にマッチした抜群のクオリティを誇る。~ また、どちらも民族音楽が取り入れられており、一旦文明が滅んで原始的な生活を…という世界観をより深く表現している。 ''機械獣との戦闘の面白さ'' -機械獣は行動・特性・弱点の種族差が非常に大きい他、一部を除きデザインや行動の使い回しが少ない。~ 同じ戦法で楽に勝てるような機械獣は少なく、安定した勝利には機械獣毎の特徴を正しく把握し、弱点を的確に突く必要がある。 -その一方で、機械獣への対処法や戦闘スタイルは極めて豊富に用意されており、プレイスタイル選択の柔軟さも兼ね備えている。~ 幾つか例を挙げるとすれば、「遠距離から短弓・長弓で狙い撃つ」「罠で複数を一網打尽にする」「ステルスで1体ずつ始末する」等。~ また、単に相手の弱点を狙撃するだけでも、地形や状況によって位置取りが変わる等、同じ機械獣と戦う場合でもアプローチの仕方は様々。~ つまりは良い意味で対処法に「最適解」が存在しない。同じ機械獣相手でも飽きがきにくく、奥深いゲームシステムとなっている。~ マップ上には野盗等の人間の敵も現れるが、これは機械獣にとっても敵であり、双方を戦わせるよう仕向けて消耗させたりもできるなど、戦略の自由度は非常に高く、かつリアリティに富む。 -ゲームバランスも良好で、難易度の上昇とそれを克服するプレイヤースキルの向上とを、リアルタイムで実感し強い達成感を味わえる。~ 初心者は弱い機械獣ですら思ったように倒せずやられやすいが、武器に慣れ、弱点を把握する事で安定して倒せるようになる。~ そしてその頃には新たな機械獣が登場してボコボコにされる。しかしそれも新たな武器に慣れ、対処法が分かれば弱く感じるようになる。 --先述したサンダージョー等も、初遭遇時は圧倒的威圧感からビビって退却する羽目になり、初戦闘では装備が十分でも大苦戦させられる。~ しかしこれも場数を踏めば上手く立ち回れるようになり、最終的には改造コイル欲しさに自分から果敢に挑むようになっていく。 --個々の機械獣に慣れたとしても、序盤の雑魚が強敵の随伴機として現れて苦戦したりと、どの機械獣も最後まで見せ場を失わない。 -罠や拘束等の搦め手は勿論、オーバーライドで味方に付ける、穢れを撒いて同士討ちを狙う等、狩り自体の自由度がべらぼうに高い。~ 巡回ルートも予め確認できるため、「何処でどう仕掛け、どう狩ろうか?」という組み立てや、トライアンドエラーが楽しい。~ 高台や遠距離から一方的に攻撃を繰り返したり、ヒットアンドアウエイや遮蔽物を使って発見された状態を何度も仕切り直す戦法も可能。~ 待っ正面からの勝負が苦手なプレイヤーでも、正面からぶつかる以外の手段が豊富に用意されている。 -これは機械との戦闘だけでなく、人間の敵との戦闘、山賊の拠点等を襲撃する際でも同様である。~ 敵拠点は正面・裏面入り口だけでなく複数の侵入ポイントがある他、高所と高所を繋ぐロープがある等、非常に立体的に設計されている。~ このため、入り口から乗り込むか、側面から侵入するか、真っ向勝負するか、ステルスで一人ずつ始末するか、高所に陣取り狙撃していくか等、機械と同様に自由度の高い戦闘を行えるようになっている。捕らえられた捕虜を解放し、味方につけて共に戦うというプレイすらも可能である。 -終盤における最終的な難易度は比較的優しい部類だが、いざゲーム難易度を上げると、一転して歯応えと緊迫感のあるゲーム性へと変貌する。~ 高難度では弓とステルスアタックだけでなく、多種多様な武器・耐性薬・設置型罠等を上手に使いこなさないと途端に窮地に陥ってしまう。~ 単純な攻撃力や耐久力のみならず、こちらへの感知範囲等も大幅に変化しており、状況に応じた柔軟な立ち回りを要求される。~ 従って通常難易度だけでなく、高難易度下におけるゲームバランスも非常に上手く調整されている。 ''痒い所に手が届く優れた操作性'' -地味ではあるが本作の優れた点として、子気味良く操作できるアクションの完成度の高さがある。~ 一般的なアクションゲームやオープンワールドでは何かとストレスになりがちな、「入力から動作までに若干のタイムラグがある」~ 「QTE」「レバガチャ」「地形に引っ掛かってハマる」「動作がモッサリしている」といった要素は、本作には殆ど見受けられない。 -入力の反応が早く、処理落ち等もなく、移動速度やゲームスピードも遅からず速からず丁度で、カメラアングルに困る事もない。~ 3Dのアクションゲームにありがちな、「地形の当たり判定や敵の攻撃の当たり判定が見た目と一致しない」といった事もなし。~ こういった作り込みが本当に丁寧であり、それが先述した「アーロイを動かすだけでも楽しい」という好評に繋がっているのである。 ''まるで生きているかのような敵AI'' -『KILLZONE』で培われた高度なAI技術は本作でも存分に活かされており、まるで生き物のように意思を感じられ興味深い。 --敵一体ずつに明確に視界が設定され細かく制御されており、予測射撃などの知的な行動を高い精度で行ってくる。 例えばこちらが目の前で物陰に隠れれば、「この辺に隠れているはず」とその周辺に大雑把に攻撃し、プレイヤーを炙り出そうとする。~ そのため単に隠れるだけでなく「隠れた瞬間を敵に見られたか」にまで注意する必要があり、隠れた場所から敵の目を盗んで別の場所へ移動する等、敵の目を騙すようなプレイングをも楽しめる。 ---敵が俯いた瞬間なら敵の正面に出ても見つからない、敵によっては目とは別のセンサーを備えているが、破壊すれば探知されなくなる…など、芸が細かい。 --「こちらを発見した」という情報は敵集団内で共有されるが、実際に発見した敵自身とそうでない敵とでは挙動が異なる。~ 例えばプレイヤーを発見した敵自身は上記の通り位置を特定しようと隠れた場所付近を捜索するが、それ以外のプレイヤーを目視していない敵はとりあえず周囲を警戒する動きだけを見せたりする。 --また、より高度な知能を持つ敵は''見え見えの罠には警戒して近寄らない''という挙動までもする。ここらの細かな作り込みも見事である。 ''収集要素の楽しさ'' -機械獣との戦闘によって収集できるアイテムは多彩だが、アイテム作成や商人との取引などで必要な、最後まで有用なものも多い。 --集めれば集めるほど冒険が楽になるため、収集を積極的に行う動機づけが強い。 --資源は金銭よりもアイテムの形で手に入れやすいバランスのため、どれを売って金を貯め、次にどれを買って、今度はこれが欲しいので材料になるあの機械や動物を狩って…と回転サイクルが早く、ダレにくい。 ''クエストの豊富さ'' -クエストのボリュームは非常に豊富。 --本筋から離れた多数のおつかいクエストに加え、「チュートリアル」「狩場」のような練習型のクエスト、「機械炉」という謎解き風ダンジョンなど種類も豊富で、報酬も充実している。気づけば本編そっちのけでいつまでもサブクエストを行っていたというプレイヤーは少なくない。 ''親切なチュートリアル'' -最序盤にステルス・資源の入手・矢弾の作製・小型敵の倒し方・中型機械獣の倒し方・オーバーライド…と、段階的な説明・実践の場がシナリオに則した自然な流れで用意されており、初心者がマニュアルなしでも必須技術をスムーズに習得していける親切設計。~ 一昔前のオープンワールド型洋ゲーでは考えられなかった仕様であり、突然野に放たれるような従来のオープンワールド作品を好まないプレイヤーにとっても非常に取っつきやすくなっている。 ---- **賛否両論点 ''行動可能範囲の広がりがゆっくり'' //-コンシューマーゲームとしては及第点であるものの、これまでの他オープンワールド作品に比べると世界はやや狭い。 //項目内で「コンシューマーゲームとしては及第点」と表記されているためコメントアウトしました。 -探索可能範囲が段階的に広がるため、「初めからどこへでも行ける」事も珍しくない同時期以降のオープンワールド作品としては珍しい。 また、フィールド上の素材は序盤から終盤まで同様で、収集要素も易しめ。中盤以降はクエストの発生地点も「集落」が大半と、世界を隅々まで歩く動機付けが乏しいとの意見がある。 --と言っても、行動範囲が限られるのは序盤のチュートリアル的なクエストをある程度進めるまで。そこを過ぎれば基本的にフィールド上のどこへでも行くことができ、強いて行けない場所があるとすれば、メインイベントに関わるような特殊な遺跡の内部のみである。 --また、メインイベントを進めていけば自然とワールド全域を歩けるようになっている。自ら何かを探してフィールドを歩きまわる主体性には乏しいが、逆にオープンワールドの遊び方に慣れていない初心者には「気が付いたらワールド全部歩き回ったなあ」と感じられるような遊びやすさを重視した設計。 --さらに、マップの端っこまでなんらかの拠点や集落が存在してるため、クエスト発生場所を巡るだけでも、マップのほぼ全域を巡ることができる。 -本作は行き先が明瞭で隅々まで歩く事を強要しないデザインであり、とっつきやすさを意図し敢えて…とも取れる。 --このため、オープンワールド初心者には「何をすべきか分からない」「強敵がいる場所へ迷い込んで酷い目にあった」等の事態に陥りにくいメリットもある。 ---本作は他オープンワールド作品とは比較にもならないほどアクション性が高く、「世界が狭いオープンワールド作品」というよりは「世界が非常に広いアクションゲーム」と解釈した方が自然と言える。実際、本作のジャンルはFoシリーズのような「RPG」ではなくあくまで「アクションRPG」である。 //''近接攻撃手段の少なさ'' ///-本作の近接攻撃は、ゲーム内の用途から「接近時の緊急手段、兼ステルスキル用」の限定武器として意図されていると思われる。~ //しかしそれを抜きにしても、せめてもう少し近接武器やそのモーションのバリエーションが欲しかったという声は少なくない。 //あくまで、自分の考え方ですが、「もう少し近接武器やそのモーションのバリエーションが欲しかった」と言うのは、“ゲームに対する批判”と言うよりは、“別に悪いわけでは無いけど、次回作では増えたりしたら良いな”と言う方向の方が圧倒的に多いと思います。 ''キャニスターについて'' -大半の機械獣にはキャニスター(液体が入った容器)というパーツがあり、対応した属性の攻撃を当てれば誘爆で大ダメージを与えられる。~ このキャニスターは、全く同じ種類の敵でも「装甲で守られている」事があり、その際は何らかの攻撃でまず装甲を外す必要がある。 -これ自体はワンパターンなゲーム性にならないための配慮だろうが、問題なのはこれについてのヒントがゲーム中で得られない事である。~ キャニスターを狙う事自体は序盤のチュートリアルで学べるが、それが装甲で守られている事についてはノーヒントで、自分で気付くしかない。~ よく観察すれば比較的簡単に気付ける事ではあるが、キャニスター狙撃は基本的な戦法なだけに、もう少し配慮が欲しかったところ。 //長々と書かなくてもこれくらいにまとめられるんじゃね?と思って書き直してみた。てゆーかぶっちゃけ、この程度は問題点でもないような気がするけど… //''丁寧すぎるとも言葉足らずとも言えるチュートリアル'' //-大半の機械獣にはキャニスター(液体が入った容器)というパーツがあり、対応した属性の攻撃を当てれば誘爆で大ダメージを与えられる。~ //また、それがどの機械獣のどこにあるかは、スキャンする事でデータファイルに登録され、プレイヤーが敵に挑む際の重要な情報源となる。 //-しかし、このキャニスターは全く同じ個体でも「装甲で守られている」事があり、それについてはデータファイルに記載されない。~ //そのためデータを頼りに戦う初見では、「ファイルを読んでその部位を狙撃したのに何故か誘爆しない」という状況が発生してしまう。 //-弱点であるキャニスターが装甲で守られる事自体は、様々なプレイをさせる調整として自然なものであり、そこまで大した問題点ではない。~ //問題なのは、キャニスター狙撃についての丁寧なチュートリアルが最序盤にあり、それが有効であると「錯覚させられる」事である。~ //実際には、装甲を外して誘爆させるか、別の武器で別の部位を狙うか等、常に取捨選択・試行錯誤をしながら戦っていかねばならない。 ///-本作の短弓・長弓は強力かつ使いやすい武器であり、序盤のチュートリアルも相まって、大半の初見プレイヤーは多用する事になる。~ //しかし弓を多用する余り、知らず知らずの内に戦法・戦略の幅を狭め、思わぬ苦戦を強いられるようになる…という流れに陥りやすい。~ //上記のキャニスターの問題はこの一環であり、「弓を使う」のではなく「弓に使われる」事によって発生する問題点なのである。~ //せめて序盤のチュートリアルで「決して万能ではない、過信はするな、自分で考えろ」的な一声でもあれば良かったのだが。 //これは完全にプレイヤー個人の問題だと思います。キャニスター問題との関係性も一切感じられません。 //-''稼ぎプレイは必要ないが、やろうと思うと不便'' //-基本的に本作では低レベルでも攻撃力に影響はなかったり、普通にクエスト進行していればアイテムも十分手に入ったりなど、特に稼ぎのための狩りをしなくてもスムーズに進められるシステムになっている。 //--稼ぎなど作業プレイに時間を費やすより、イベントやクエストへの挑戦などに注力してほしいという制作側の意図があるのだろう。それは初心者への遊びやすさにも繋がっている。 //-一方、敢えて稼ぎプレイをしようとすると簡単にはできず少々不便さがある。 //--倒した敵はそのエリアから一定距離以上離れるまで復活しない。そのため同じ場所で目当ての敵をずっと狩り続けるということはできず、敵を倒すたびにどこか遠くまで移動する必要がある。&br() //しかし遠いエリアへのファストトラベルはロードが長い(後述の「問題点」を参照)という問題もあるため、このような移動狩りで経験値やアイテムを稼ごうとすると、そのほとんどがロード時間に費やされてしまいやすい。 //ロードやエリア移動を挟まずに敵がリスポーンするオープンワールドアクションRPGなんてそうそうないと思うが… ''ローカライズの問題'' -スキルの名称・キャラクターの会話や台詞・各種説明文等に、如何にも英語の直訳らしい不自然な言い回しが散見される。~ 会話やオーパーツの説明等にも細かいネタが仕込まれているが、いわゆる「オランダジョーク」的なノリで日本人に理解し辛い部分も一部ある。 --もっとも、これは洋画や洋ゲー等、海外創作物のローカライズ全体が抱える宿命であり、本作固有の問題点ではない。~ また、その内容も時折違和感を覚えるという程度のものであり、作品の根幹に関わる理解不能な展開や誤訳はない。 //-フィールドにある案内標識の日本語文字が異常なまでに安っぽい。 //--ピンク~紫のゴシック体が看板の前に浮かんでいるというもので、フォントと演出からフォーカスで得た情報として演出されているものと思われるが、なぜかフォーカス非使用時も表示されている。 //---この仕様自体は英語版でも同様だが、「洋ゲー」な見た目のキャラが動き回る広大な自然世界に突如として現れるゴシック体の日本語文字は美麗な映像表現の中で激しく浮いており、世界観ぶち壊しだとして特に不評である。 //元よりそういう仕様であり、それをローカライズしただけである以上は問題点とは言えないのでは。 //↑海外の掲示板でも本作のビジュアルの汚点として批判されることが多いので、独立した項目としました。 //「また、その内容も時折違和感を覚えるという程度のものであり~」と言うフォローで締められているのもあり、項目の内容的に、「賛否両論点」の方が適切と判断して、丸ごと移動しました。 ---- **問題点 ''所持品の容量が少ない(特に資源用)'' -所持品の容量がかなり少なめ。 --「改造」による拡張は可能だが、改造完了後でも少なめで、ちょくちょく商人に売らなければ、「貴重なアイテムを見つけたのでやむなく手持ちのアイテムを捨てる」という事態に陥りやすい。 --他のアイテム作成や改造に必要な「資源」の容量はとりわけ厳しく、1時間以内程度のプレイでも簡単に一杯になる。 ---アイテム毎に1スロット内の個数上限が決まっており、それを超える分は別のスロットを消費する仕様((「矢柄の木」を250本集めたら、それを超える分は他のスロットに貯まり、それも250本になったらまた次のスロットで…という具合))のため、収集機会が多く汎用性も高い資源の「矢柄の木」「鉄の容器」「冷却水」や、同じ敵ごとに「~のレンズ」「~の心臓」など複数種設定された戦利品によって容量が逼迫しがち。 ///-容量は「武具」「資源」「回復薬」など系統別であり個別に拡張することになるが、拡張はそれぞれ何段階にも分かれており手間が大きく、特に「矢弾」は武器ごとに細分化されており必要な作業量が大変多い。 //つまり、「どれを拡張していくか」の選択性があり、これは“ゲーム性”と言う判断で良いと思います。 ///--容量拡張自体にも資源が必要で、その収集スペースのやりくり自体も大変なうえ、必要な資源は入手しにくい「野生動物の皮や骨」になっている。 ///---動物は小柄で見つけにくいうえすぐ逃げ、かつ同じ動物にレア度の高い複数の資源が設定されているため、機械獣と異なりかなり強く意識して狩らないと必要数集められず、本作唯一ともいえる「作業ゲー」要素となっている。 ///これはそれぞれの感じ方にもよるでしょうが、フォーカスでスキャンするだけで周囲の動物は簡単に発見することが可能で、すぐに逃げると言っても、ハイライトすれば簡単に仕留めることが可能です。 //更に、ほとんどの動物はそこら中にいるため、(機械獣と異なり~)と言うほどではないと判断しました。 -容量不足の対策として「無暗に『箱』の中身を取り出さない」「適宜売却する」「全て拾わず必要なものだけ入手する」などがあるが、いずれも初見では難しい。 --「箱」はクエストの報酬などでもらえる、複数のアイテムを収めたもの。報酬を受け取れない事態の予防策か「箱」は所持個数制限がなく、また中身を個別に取り出せるので、必要時だけ取り出すことでアイテム容量の節約になる。ただ、いつでも取り出し自由かつ個数無制限ならアイテム自体その仕様でもよかったのでは、という意見も多い。 --「売却」もスペース確保と金策を兼ねる手段だが、マップに配置された商人がアイテム入手量に比して多いとは言えず、拠点への戻っての売却が頻繁に必要となりがち。 ///---また、そもそもどれを手放してよいかの判断も難しい。一応アイテムの説明に「交換に必要」「換金用」等と書かれてはいるが、その用途外にクエスト・改造・交換で必要なケースも多く、初見では本当に不要になったのかどうかの判断は不可能。 ///完全に手放すのは確かに難しいですが、「何枠も埋めず、2、3個だけ所持し続けておく」などの対処は可能なので、言い方が少し強すぎると感じました。 --装備とプレイヤースキルが充実する中盤以降は、矢弾の消費量が減り、同じ資源からの作成矢弾数を増やすスキルも登場するため、資源の必要量自体が減ってくる。 ---この段階に至れば資源の所持数を抑え、必要時のみ狩猟で採集するスタイルも可能となるが、初見プレイヤーや不測の事態に備えたい慎重なプレイヤーにはなかなか難しい。 -なおこの点について、DLC「凍てついた大地」にて「不要なアイテムをその場で(買取価格の更に半値で)換金可能とする」「資源容量を(改造後の数値から更に)増やす」スキルが追加され改善が図られてはいるが、それでも不足だという声が根強い。 //↓冗長で、重複する内容も多かったため、上のようにまとめました。 //-所持品のストック容量が全体にかなり少ない。ポーチの改造で容量の拡張はできるが、それを全て終えたとしてもやや不足気味。 //--その容量拡張にも資源が必要で、容量が不足してから集めても間に合わない。予め何が要求されるか把握しておき、普段から意識的に採取する必要がある。 //---容量は「武具」「資源」「矢弾」「回復薬」等と系統別に設定されている。中でも矢弾の容量は武器毎に分かれており、それらを1種類ずつ、何段階にも分けて拡張しなければいけない。 //--容量の拡張には野生動物の皮や骨が必要で、倒した際のドロップ品としてはややレア度が高い。それでいて野生動物は小柄で見つけにくいものが多く、アーロイを視認すると逃げていく性質を持つため、機械獣と違って意識して探し倒す必要がある。手軽なプレイングが特徴・評価点の本作において、手間の掛かる稼ぎが必須となる唯一の要素と言っていい。 //-特に矢弾の作成に必要な「資源」の容量は非常に厳しく、普通にプレイするとすぐ一杯になる。拡張を終えても100スロット(DLCスキル適応前)と少なく、考えなしにあれこれ拾っていると容量オーバーになりがち。 //--敵を倒して貴重な戦利品をドロップしても、気付いたらら容量が一杯で、泣く泣く手持ちのアイテムを手放した…という事態に陥りやすい。 //---アイテムを売買できる商人自体は、村だけでなくマップ上にもチラホラ配置されており、決して少なくはないのだが、むしろそれを上回るペースでアイテム入手量が多いとも言える。 //--アイテム毎に1スロットの個数上限が決まっており、それを超える分は別のスロットを消費する((「矢柄の木」を250本集めたら、それを超える分は他のスロットに貯まり、それも250本になったらまた次のスロットで…という具合))ため、収集機会が多く必要性も高い「矢柄の木」「鉄の容器」「冷却水」等が1種で複数スロットを占有しがち。 //---また「~のレンズ」「~の心臓」等の敵毎の戦利品が多く、1スロットで5個しか所有できないため、これも容量を逼迫しがち。 //---適宜売却する事でスペースを確保でき金策にもなるが、一部の戦利品はクエスト・改造・交換等に必要なため、初見ではどれを売ってよいかの判断は難しい。 //---一応アイテムの説明画面に「交換に必要」「換金用」等と書かれているが、「交換に必要」なものだけでもアイテム容量を溢れさせるには十分過ぎる量があるし、一つ交換したからと言ってそれ以降もうそのアイテムを使った交換がない保証もなく、いつまでもインベントリ内でタンスの肥やしになりがち。 //-対策としては「無暗に箱の中身を取り出さない」「全てを拾わず必要なものだけ入手する」という手がある。 //--箱は依頼達成等で貰える様々なアイテムが詰まったアイテムで、報酬を受け取れない事態に対処するためか、所持制限に引っかからない。~ //中身は任意の物だけ取り出して他はそのままにできるので、確認だけしてどうしても足りなくなった場合に活用するという手段が取れる。 //--武器が増えてこちらの戦闘力が充実する中盤以降は、相対的に矢弾(=資源)の消費量が減る上、更に矢弾の作成量が増えるスキルもあるため、''そもそも大量の資源を持ち歩く必要性自体がなくなる''。これに気付かず思考停止して資源を拾いまくるプレイヤーほど容量制限に苦しみやすい。ポーチ拡張が進めば骨・皮を所持する必要もなくなるため、なおさら容量に余裕が生まれる。レンズ等も倒しやすい敵のものなら敢えて所持せず、必要になった時に改めて狩る程度で丁度良い。 //-なおこの点については、DLC「凍てついた大地」にて「不要なアイテムをその場で(買取価格のさらに半値で)換金可能とする」「資源容量を(改造後の数値からさらに)増やす」スキルが追加され改善が図られてはいるが、それでも不足だという声も根強い。 ''所持品の整理が殆どできない'' -資源はいくつかの条件別に整理できるが、装備品は入手順で固定されてしまい、自動でも手動でも整理できない。~ 各装備品はアイコン同士が似ており、特に弓やスリングは同じレアリティでも複数種が存在するため、整理ができないのはかなり不便。~ また、同じ武器でも改造で各用途に特化させ、複数をストックするプレイヤーが多い事も、この問題点をより強調している。 -もっとも方法がないわけではなく、装備品を一旦捨てる→拾い直すという手順を踏む事で疑似ソートは可能である。面倒ではあるが。 ''武器や道具の選択画面の操作性が悪い'' -武器と矢弾の選択はL1+右スティックで行うが、矢弾の並び順は武器種毎に固定で、不要な矢弾の非表示や整理はできない。~ 移動中はともかく忙しい戦闘中に、最大12方向にも分割される矢弾の中から、素早く正確に選択するのは難しいものがある。 //また、通常時は右スティックでカメラ操作を行うので、武器変更直後にカメラを動かそうとして、武器選択を誤ってしまう事もある。 //「武器ホイールを開いて、カメラ操作と同じ操作で武器を選択」と言うのは、(特にシューティングメインのゲームでは)非常に一般的な操作方法であり、個人的にはそこまでの話になると、“もはやその人の技量などの問題”だと思います。 --武器4種を装備できるが、敵に応じた使い分けが重要かつ魅力となっている本作では、実のところ4種でも全く足りない。~ だからこそ不要な矢弾を非表示にしてその分別の武器を装備する等、武器選択画面を細かくカスタマイズしたかったとの声がある。 -本作の道具は設置型罠・回復薬・耐性薬等が存在し、またそれぞれ3種類以上と豊富に用意されている。~ しかしここまで豊富にありながら、「十字キーの左右で1つずつ選択し、下で選択した道具を使用」という操作性になっている。~ そのため、戦闘中は目当ての道具の選択に気を取られる余り、誤認・誤爆等の操作ミスが発生しやすく、煩わしさを感じやすい。~ この操作のキーコンフィグやカスタマイズはできない上、使わない道具の非表示機能や、任意の道具へのショートカット機能もない。~ 対策は「不用品は所持しない」のほぼ一点のみで、こちらも武器選択の操作性と同じく問題視されやすい。 ''本来の用途と嚙み合っていない武器のチュートリアル'' -「ラトラー」という武器は、短射程・低精度・5点バーストという特性であり、一般的なTPSでのショットガンに近い性能を持つ。~ つまりは遠距離から狙撃する武器ではなく、接近戦かつ中~大型の機械獣相手に大きな効果を発揮するタイプの武器である。 -しかしチュートリアルの内容が、ラトラーには不向きな「人間の敵を倒せ」になっており、特性・性能と全く嚙み合っていない。~ 機械獣より遥かに小さな「人間の敵」は、集弾性が低く高連射のラトラーにとって、むしろ最も苦手・不向きな相手なのである。~ 用途・相手さえ間違わなければ強力な武器なのだが、このチュートリアルのせいで、多くのプレイヤーに苦手意識を持たれてしまった。 ''会話中のカメラアングルが単調で味気ない'' -美しいグラフィックが魅力である本作では、ただの会話シーンもキャラクターの表情をアップで楽しめる注目ポイントである。~ しかし会話中のカメラアングルは、アーロイと相手の顔を交互に映すだけで、アングルのパターンも一部のイベント以外は変化に乏しい。~ 一応キャラの表情は変化に富んでおり、多少のボディランゲージもあるが、極めて高品質な映像美に釣り合っているほどとは言い難い。 -ちなみに大型DLC「凍てついた大地」では大幅に改善されており、会話中の挙動が良く作り込まれている。 //賛の意見が見受けられなかったので問題点に移行。 //''遠い場所へファストトラベルする際のロードの遅さ'' ///-先述の通り本作はPS4 Proを前提に開発されているため、PS4でプレイするとパフォーマンスの低下を招く。~ //他の要素はともかく、ファストトラベルはこれの影響を最も受けており、目的地が遠い場合だと数十秒以上掛かる事も珍しくない。~ //一応、外付けSSDへ換装すれば大幅な短縮が可能で、オープンワールドとしては一般的な10秒程度に抑えられる。 //また、これは本作に限らず、全てのPS4 Pro対応作品に共通する事であり、仕方のないものではある。 //ファストトラベルで数十秒かかるのが、このようなハイグラフィックのOWとして異常に長いわけではないため、コメントアウトさせていただきました。 //''敵AIがこっそり理不尽'' //-先述の通り本作の敵AIは丁寧に作られているが、更にじっくり観察していると微妙に不自然で理不尽な点も存在する。~ //例えば横腹の弱点を狙撃するため敵の側面へ回り込んでも、何故か敵はさり気なく横腹以外をプレイヤーの方へ向け続ける事がある。~ //つまり完全に無警戒なのに、何故かこちらが不利になる挙動をするという、本作のステルス性を否定するかのような仕様になっている。~ //普通にプレイする分には殆ど気付かないが、時間を掛けてじっくりと狙撃しようとするとこのような挙動が現れる場合が多い。 //-とは言え、これはあくまで基本のAIがあまりにも良くできているからこそ、つい残念に思ってしまう程度の問題点である。~ //よほど時間を掛けて観察しないと気付かない程度の事であり、そもそもそれほど良く敵を観察してしまうのも敵AIが魅力的だからこそ。 //↑この文章自体が「大した問題ではない、むしろAI自体が優れている」という論旨になっているので、「問題点」内の記載としてはコメントアウトしておきます ''フィールドにある案内標識の文字の安っぽさ'' -フィールドの道先案内は、ピンク~紫の安っぽいゴシック体が看板の前に浮かんでいるというもの。 ///--フォントと表示のされ方から「フォーカスで得た情報」を意図した演出とも解釈できるが、なぜかフォーカス非使用時も表示されており、かつ字体も色調も美麗な世界描写の中で明らかに浮いている。 //扉のホロロックやPCのような物など、「フォーカス不使用時でも自動的に表示されるホログラム」は他にも多くあり、字体に関しても、序盤のムービーで同じような字体で「BOW」と表示されています。そのため、コメントアウトさせて頂きました。 //↑ホロロックやPCなどは文明滅亡前に作られたホログラムだとわかるので何ら問題ないですが、標識については人類新生後に生み出された地名が原始的文化の一環として書かれたはずで、そこにホログラムめいた文字が現れる(しかもホログラムであるとわかるデバイスや投射の演出が一切付随せず、本当に文字だけがぽっかり浮かんでいる)のが不自然だ、という話なのではないでしょうか。 --広大な自然世界に突如として現れる日本語文字は一見洋ゲーにありがちなローカライズの問題かと思えるものだが、実はこの仕様は言語を問わず同様。グラフィック全体が非常に優れているだけに、本作の景勝をぶち壊す汚点として際立ってしまっており、国内外を問わず不評である。 ---- **追加コンテンツ「凍てついた大地」 -発売から約8か月後の17年11月7日に配信された追加コンテンツで、更にその1か月後には本編とセットになった完全版も発売された。~ 内容は本編の1/4ほどの広さを持つ追加マップを舞台に、新たなストーリーとクエストとキャラ、機械獣が盛り込まれたものとなっている。~ ゲームプレイを便利にする新たなスキル・改造コイルも多数追加された他、本編では不可能だった槍の改造も可能となった。~ 難易度は本編の終盤到達、もしくはクリア後を前提に調整されており、登場する機械獣は非常に歯応えのある強さになっている。~ なお、追加マップへは本編の序盤(プロローグ)を過ぎるまでは行けないが、追加スキル自体は本編を開始した時点から習得可能である。 -価格は2000円とそれなりにするが、その分内容は物語もゲーム部分も非常に作り込まれており、プレイヤーからの評価は高い。~ 特に物語は本編や世界観の謎がいくつか明かされる他、サブクエストもバヌークという部族を掘り下げる深い内容となっている。~ 本編を進めているとDLC終盤での会話が追加・変化する事がある他、逆にDLCを進めていると本編の最終決戦に変化が発生する。~ 主人公のアーロイも、本編ではあまり見せなかった「年頃の若者」等の一面を見せており、キャラとしても魅力を高めている。~ また、先述した「単調で味気ない会話中のカメラアングル」が、このDLCでは改善されているのも地味ながら嬉しいポイントである。 ---- **総評 人気作品が有する様々な要素を盛り込みながら、単にそれらのフォロワーにとどまらず高次元でまとめ上げ、さらに独自のテイストを加味しオリジナリティある存在へと昇華させた意欲作である。~ 世界観およびストーリー、ビジュアル、戦闘の評価が特に高く、全編通してキャラクターを操作する楽しさを存分に味わえる「洋ゲー」の傑作ARPGである。~ 全世界での売上は2019年で1000万本を突破しており、新規IPにして世界市場での売上トップ5に入るPS4を代表するビッグタイトルとなっている。~ その完成度は、発売から数年が経過した今なおトップクラスであり、更に現在は価格もDLC込みで約2000円と大変お手頃になっているため、気になった人はぜひ遊んでみよう。 ---- **余談 -2018年1月に発売された『[[モンスターハンター:ワールド]]』とコラボしており、本作をモチーフとした武具が実装されている。 --実際は違ったゲーム性であるものの、「狩り」という共通した要素があるMHシリーズとは好対照として比較されがちであったため、このコラボは驚きを持って受け止められた。 --大型拡張コンテンツとなる『Horizon Zero Dawn: 凍てついた大地』と『[[モンスターハンターワールド:アイスボーン]]』もコラボが決定している。 ---奇しくも両作品ともに寒冷地が追加コンテンツの舞台となるが、『MHW:I』のスタッフによると偶然であるとのこと。 -本作が新規IPとして異例の大ヒットを記録した一方で、同じGuerilla Gamesが開発しているFPS『KILLZONE』シリーズが終焉を迎えた([[参照>https://www.gamespark.jp/article/2021/01/12/105176.html]])。 --なお、『KILLZONE』と同じPS独自のFPSシリーズだった『RESISTANCE』シリーズも、PSVの『[[アメリカ最後の抵抗>RESISTANCE アメリカ最後の抵抗]]』を最後に発売されていない((ただし、『RESISTANCE』シリーズはすでに3部作が完結しており、『アメリカ最後の抵抗』はスピンオフでしかない。))。 //-主人公アーロイは知的な人物で、未知の事象への理解力や順応性も高い。加えてややシニカルで口がよく回り、割と辛辣な皮肉も飛ばす。それが「自然の中で狩りに明け暮れて育った娘」という生い立ちには少々そぐわないレベルであり、緻密な世界設定が魅力の本作における、愛すべきツッコミ所となっている。 //--人類文明が狩猟採集レベルまで退行したという設定上、言葉に関しても生活から縁遠くなった語彙や表現は失われている筈なのだが、アーロイのセリフ回しが妙に現代的で、毛皮を着た狩人のオッサンに育てられた娘だとはとても思えない。 //--先天的に知能が高くとも不自然ではない背景はあるのだが、体も頭もキレるスーパーヒロインぶりに、海外のプレイヤーレビューでは「女エージェントかよ」などとも言われている。 //あらゆる知識を得られるフォーカスを幼少期の頃からずっと使ってるんだから知能高くて当然だろうに… ---- **その後の展開 -2020年3月に欧州圏の公式ブログ「PlayStation.Blog」にてGuerilla Gamesの共同創設者であるハーマン・ハルスト氏へのインタビュー記事の中で『Horizon Zero Dawn: Complete Edition』のPC版の発売を決定したことが報じられた。 --Steamの販売ページも同時に公開され、2020年8月7日に発売された。また、Epic Games Storeでも8月8日に発売され、GOG.comでも2020年11月25日から配信が開始された。尚、日本語対応については日本のSteamストアで購入した場合のみ日本語音声/字幕有り((それ以外のストア(外部サイト含む)で購入した場合は日本語字幕のみとなっている。))。 --Win版独自要素としてウルトラワイド画面(21:9)の対応やグラフィック設定のカスタマイズ、フレームレート無制限などが挙げられる。またベンチマークツールが付属しており、ゲームの動作環境に問題ないかの指標を確認することも(一応)可能。 --配信開始当初はクラッシュ頻発やセーブデータ破損、推奨環境を十分満たしているにもかかわらずフレームレートが低いなど不具合が多数あったが、発覚段階で順次アップデートが行われ、その後も月1回ペースのアップデートを経て、Ver.1.10の時点で大抵の不具合は解消されている模様。 //---なお、本作のWin版は''ソニーから発売された史上初のPCゲームである((別の言い方をすれば「PlayStationのお膝元である企業が初のPCゲームを出した」とも言える。))。'' //↑本作以前にもソニーから発売されたPCゲームは存在します。 -2022年2月18日に続編である『[[Horizon Forbidden West>https://www.playstation.com/ja-jp/games/horizon-forbidden-west/]]』がPS5/PS4で発売された。物語は本作の会話イベントやテキストメモで言及された「禁じられた西部」が主な舞台となる。 -2022年1月にPS5専用次世代VRシステム「PlayStation VR2」向けタイトル『[[Horizon Call of the Mountain]]』が発表された。 --その後、2023年2月22日にPSVR2のローンチタイトルとして発売された。 //--詳細は不明だが、『Horizon』シリーズの機械獣闊歩する世界観を舞台に、新たな登場人物の物語が描かれると明かされている。
//全体的に、その中でも問題点と賛否点の記述が、重箱の隅をつつくようでかなり細かい上に、回りくどい言い方が目立ち冗長で読みづらい。意味はそのままに言葉を組み替える・別の言葉を使う等で上手く文字数を削減し読みやすくできないものか。少し前からちょくちょく肉抜きしているが、ひとりじゃ到底手に負えない。 //↑削ぎ落し過ぎてなぜそれが問題点となっているのか、どれくらいゲームプレイに影響しているのかすら分かりにくくなっています。ちょっと気になる程度の問題点なのか、プレイに支障を与えるほど深刻な問題なのか、それが分からないとゲームの正当な評価にすら影響を与えてしまう。貴方一人しか削ぎ落し作業をしていないのであれば、他の読者はそれを必要としていないのでは? 私としては編集前に戻すことを提案したいです。 //↑それ以前の話だよ。誤字脱字が多い、1行目と2行目で内容が矛盾している、2行程度で済む事を5~6行で回りくどく説明する、同じ文字でも全角と半角でバラバラ、「資源」と「素材」で統一されていない等、そういった基礎的な文章力からしてお粗末な内容になっている。 *Horizon Zero Dawn 【ほらいぞん ぜろ どーん】 |ジャンル|オープンワールドアクションRPG|CENTER:&amazon(B06XC1WH2K)&amazon(B076V2Q6WZ)| |対応機種|プレイステーション4&br()Windows(Steam/Epic Games Store/GOG)|~| |発売元|Sony Interactive Entertainment((Win版のパブリッシャーが「PlayStation Mobile Inc.」と書かれていることもあるが、これはSIE社内の事業部門の名称なので実質SIEがパブリッシャーであることは変わらない。))((なお、2021年10月29日にはWin版におけるパブリッシャー名を「Playstation PC LLC」に変更している。))|~| |開発元|Guerilla Games&br()【Win】Virtuos|~| |発売日|【通常版】2017年3月2日&br()【Complete Edition】2017年12月7日&br()【廉価版】2019年6月27日&br()【Win】2020年8月7日|~| |定価|【通常版】6,980円&br()【Complete Edition】5,980円&br()【廉価版】1,990円(税別)&br()【Win】4,900円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|「大自然×機械獣×狩人」&br;優れたビジュアルと戦闘の面白さ|~| |>|>|CENTER:''Horizonシリーズ''&br;''Zero Dawn'' / Forbidden West / [[Call of the Mountain>Horizon Call of the Mountain]]| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「大自然(オープンワールド)×機械獣(マシーン)×狩人(ハンター)」をキーワードにSIEワールドワイド・スタジオ傘下であるオランダのGuerilla Gamesが手掛けた新規IPのオープンワールドアクションRPG。~ 「アクションRPG」といっても経験値とスキルツリーの要素がある程度で、内容的にはアクション要素が高い「アドベンチャー」である。~ また、オンラインプレイの対人・協力要素はなく、純粋なシングルプレイ専用のゲームである。当初はPS4独占タイトルとして発売された。 ---- **特徴 ***ストーリー 科学文明が滅び、遥かな年月が流れた遠未来の地球。~ 機械の獣が跋扈する大自然の中で、テクノロジーを失った人類は文明を退行させ、狩猟採集を中心とする生活を営んでいた。~ 人類と機械獣は長らく共存していたが、10年前の「大厄災」を機に、機械獣は凶暴さを増していた。~ 「大いなる母」を信仰し「掟」を重んじる部族・ノラ族の異端者として生を受けた少女アーロイは、同じ異端者である育ての父・ロストに男手一つで育てられていた。~ 幼いアーロイはある日、部族の掟で禁忌とされる旧文明の遺跡へと迷い込んでしまう。~ そこで見つけたのは、装着すると周囲の生き物や機械に関するあらゆる情報を看破できる「フォーカス」という指先ほどの機械。~ 不可思議な遺跡の様子を目の当たりにし、フォーカスを手に入れたアーロイは、この世界の謎と自らの出自を自らの力で解き明かすべく、部族の義勇兵となって生き抜くことを決意した。~ その決意を汲んだ、父であり師であるロストとの二人三脚の訓練の日々を乗り越え一流の狩人となった16歳のアーロイは、部族の義勇兵となる「試練」を受けるのだが…。~ ***世界観 先述の通り、現実世界の現代~近未来水準の科学文明が滅亡した後の世界、いわゆるポストアポカリプスの世界が舞台である。 -旧文明の知識や技術は失われ、都市などは完全に崩壊し、自然の中に埋没している。 -人類はおもに部族単位で狩猟採集生活を営んでおり、文明や信仰も相応のレベル。温暖な地域には、神話に起源を持つ王朝のもとで都市を築き、農耕を営んでいる民族もいる。 --機械獣の存在が当然のものとなった世界であり、その装甲や部品が生活に利用されているが、技術の解明などには全く至っていない。 -本作における機械獣はさながら自然界の一員のような存在として描かれている。 --二足ないし四足の動物型を基本とし、群れたり、襲い掛かってきたり、逃げたり、ハイエナやハゲタカのように壊れた機械を処理したり…など、実在の野生動物に通じる多彩な行動を見せる。 ---大半はウマ、ダチョウ、ワニなど現存する動物をモデルとしているが、一部には恐竜を模した超大型の機械獣も登場する。 --機械獣が「穢れ」によって強く汚染されると、特に凶暴な「禍ツ機」という個体になる。 -敵の中心は機械獣となっている。山賊やカルトなどといった人間の敵対勢力も存在するものの、機械に比べ種類は少ない。 -イノシシやキツネといった野生動物も登場するが、こちらに危害を加えてくることはなく、純粋な狩猟の対象となっている。 --接近すると一目散に逃げるため、慣れるまでは矢を使わないと狩るのは難しい。 --登場する野生動物の種類は少ないが、世界設定上は大自然と共に多様な生態系が復活しており、様々な生物が機械獣と共存している。 -主人公は、手に入れた特殊な装置を用いて機械に対して「オーバーライド」というハッキングを行うことができる。 --この能力はシナリオ進行で活躍するほか、プレイ中も機械獣をオーバーライドすることで、味方にして戦闘や移動を手伝わせることができる。 --機械獣は「機械炉」という数カ所の拠点で製造されており、対象機種に対応した機械炉を制圧しデータを入手することで初めてオーバーライド可能になる。最終的には最強クラスの機械獣までもが対象となる。 ---ある場所では大型が2体登場するので、一方を乗っ取ってやることで迫力の怪獣バトルが拝める。ついでにいい素材もゲットできる。 ---機械炉での製造以外の手段で作られた機械は原則としてオーバーライド不可能。 ***システム 主人公アーロイとなって世界に蔓延る機械獣を狩り資源を収集し自身を強化し、世界の謎を解き自身の出自を追い求めるオープンワールドアクションRPGである。 -難易度はゲーム中いつでも変更可能。 --難易度は原則敵の戦闘パラメータのみに関係し、シナリオの変化はない。 ---ただし最上級の「ウルトラハード」に限り、素材の入手個数が減る、敵の体力ゲージが非表示…など独自の制約が多数課され、更に途中変更不可である。 -マップは一般的なオープンワールド型だが、探索範囲はメインシナリオの進行に応じて徐々に広がっていく。 --本作では「たき火」がセーブポイントとファストトラベル地点を兼ねている。 --先述の「オーバーライド」を用いると、一部の機械へ馬のように騎乗して駆け回ることも可能。 -作中の情報ツール「フォーカス」はそのままプレイヤーにとってのインフォメーションツールにもなっており、失われたデータの解析、捜索対象の痕跡の探知、遮蔽物越しの敵位置の把握、敵の弱点表示やハイライトなどが行える。 //--多くのゲームでは遮蔽物の透過や敵の弱点表示などはプレイヤー目線のご都合主義的な絵となりがちだが、それも本作では「主人公アーロイがフォーカスを通して見ている拡張現実」として演出することでゲームの世界観と違和感なく調和している。 //↑の記載を評価点へ移動しました --クエストではいわゆる「次のイベント地点まで行け」系の内容も多いが、このゲームでは対象の足跡など痕跡を表示させるフォーカスの機能がそれを担っている。そのためこのようなクエストも単調で退屈な移動とはならず、対象を追跡する行動によって自然とプレイヤーは次のイベント地点へ誘導される仕組みになっている。 -アクションのスタイルは「ステルス要素を伴うTPS」である。 --気づかれないうちに先制攻撃することで有利をとれる。 ---ステルス中は「サイレントキル」や「オーバーライド」など強力な攻撃を行える。また、もちろん弱点部位への狙撃も敵がまだ警戒していない時の方がやりやすい。 --逆に気付かれた場合は周囲にいる敵も含めて複数の敵が一斉に戦闘態勢に突入し、劇的に危険度が増す。 ---戦闘中の敵の動きはかなり素早く、弱点の狙撃はもちろん、カメラ速度の設定によっては敵をカメラアングルに入れ続けることすら難しい。&br() 「サイレントキル」や「オーバーライド」など状況を打開する技も使えなくなるため、いかに見つからないように行動するか、また見つかった場合はいかに敵の視界から逃れて再びステルス状態を得られるかが戦闘の重大な要素となっている。 --「すべての戦闘がステルスバトル」というわけではなく、狩場のクエストや一部のボス戦など身を隠すことができない戦闘も複数用意されており、状況に応じた様々な戦い方が求められる。 -敵の機械獣は様々な部位に分かれている。 --各パーツを狙って破壊することで敵を弱体化させたり、外れたパーツをアイテムとして収集したりできる。 ---燃料タンクなど特定の属性で攻撃すると大爆発を起こすパーツもあり、敵に大ダメージを与える重要な弱点部位となっている。 ---一部の敵は破壊して外れた武器を自分の物として使用できる。非常に強力であるが、重い上に弾の補充ができないのでその場限りでしか使えない。 --敵ごとに弱点部位が異なるほか、同じ敵でも部位ごとに弱点属性が異なる。また、装甲に覆われている場合もある。 -属性は一般的な「火炎」「氷結」「電撃」に加え、パーツをはがしやすい「破砕」と、一時的に敵を同士討ちさせる「穢れ」がある。 -状況に応じて様々な武器を使いこなせる。 --武器は弓やスリングなどの飛び道具が主力だが、ショットガン風武器、拘束ロープ、罠ロープ、置き型罠など多彩なカテゴリが用意されている。 ---武器種ごとに使用可能な矢弾の属性が決められている(1つの武器ごとに最大3種類の矢弾がある)。 ---飛び回る相手は拘束して地面に引きずりおろす、正面戦闘を避けたい相手は山盛りの罠で削る、致命的弱点がある相手は部位の破壊力が高い矢で撃ち抜く、倒れて隙を見せた相手には爆弾を投げまくる、など様々な戦い方が可能。 ---スキルの習得により、矢を3つまで同時装填できる。 --武器は4つまで装備でき、簡単な操作で切り替えることができる。 ---基本的に各武器1つずつしか入手・装備できないという訳ではなく、同種を複数装備可能。後述するコイルの構成を変えたものを用意しておき、状況に応じて付け替えたりできる。 --防具は、耐性やステルス性能など様々な特性を有する多彩な服が用意されている。 --武器や防具は収集したアイテムや金銭と引き換えに買い替えたり、戦利品の一種「改造アイテム」を用いて改造強化したりすることができる。 ---武器にはノラ製・カージャ製・シャドウカージャ製とランクがあり、ランクが高いと付けられるコイルと扱える矢弾が増える。 --近接武器として槍もあるが、性能はメインシナリオ、DLC内で部分的に強化される以外は固定。買い替えや改造はできない。 -レベルアップと「スキル」の習得により自身が強化される。 --主人公固有のステータスはレベルごとに固定の「最大HP」のみ。攻撃力と防御力は装備とスキルによって決まる。 --レベルアップや一部クエストのクリア時に獲得する「スキルポイント」を消費すると「スキル」を習得できる。 ---スキルは、戦闘用の攻撃技から探索を楽にするものまで多彩。 ---系統ごとに派生ルートが用意されており、上位スキルの習得には下位スキル習得が必須である。 ---最終的には全スキルのコンプリートが可能。 --上記のとおり、レベルは攻撃力に影響せず、スキルポイントもクエストクリアによってある程度は確保できる。そのためレベルが低くて敵を倒せないといった状態は起こらず、低レベルでもサクサク進めることができる。 ---しかしレベルを上げればHPやスキルが充実するので確実に攻略は楽になる。 ---レベル上げ必須ではなく、かといってレベル上げがムダにもならない「遊びやすいバランス設定」と言える。 -進行はクエスト制。 --他の一般的なオープンワールドRPGと同様。メインシナリオに関わるクエストはメインクエストとして進行し、それ以外のサイドクエスト、サブクエストなどはメインクエストと同時並行が可能。 -「過去の遺物」「鉄の花」といった収集要素も複数存在する。 ---- **評価点 ''機械獣を前面に押し出した独自の世界観と、それによって構築されるストーリー'' -ポストアポカリプス・主要な敵が機械・狩猟要素・オープンワールドARPG等の各要素は、他作と重なる部分もあり珍しくはない。~ しかし本作は、これらを極めてバランス良く、また高いレベルで上手くまとめ上げており、独自の作風・世界観の確立に成功している。 -世界観・ポストアポカリプス・機械等の要素だけでなく、ストーリーも非常に高く評価されている。~ 地球全体を襲った正に絶望としか言えない災禍と、その災禍を乗り越え未来への希望を紡ぐ一筋の糸、それと密接に絡み合うアーロイの出自の秘密、それら全てが明かされる終盤の衝撃と感動…壮大なスケールかつ緻密で整合性も計算された物語・世界描写となっており、極めてハイレベルにまとめられている。~ 後述するクエストもこの世界で生きる人達の営みが上手く表現できている他、世界観を掘り下げるテキストデータ・音声データも豊富に揃っている。メインストーリーのみならず様々な方向から独特の世界観にアプローチでき、プレイヤーが没入できる試みが行われている。 -プレイヤーとアーロイの観点がズレて、没入感を阻害するような要素を排除する工夫が随所に見られる。~ 例えば、ゲームで一般的に見られる「遮蔽物の透過」や「画面上の敵の弱点表示」等はプレイヤー目線のご都合主義的な絵となりがちだが、本作では「主人公アーロイが情報ツール『フォーカス』を通して見ている拡張現実」として演出する事でゲームの世界観と違和感なく調和している。 ''PS4 Proへの対応'' -本作はPS4 Proを前提に開発されており、オープンワールド作品としてはかつて類を見ないほどの美しい映像美を誇る。~ また、ここまで映像美を追求した割にはフレームレートやロード時間も比較的良好で、これら3つが高レベルでバランスが取れている。~ パフォーマンスをフレームレート優先にするか画質優先にするかや、ハイダイナミックレンジのオン/オフ等の細かい調整も行える。 -元よりPS4 Proが前提なので、通常のPS4でプレイするとロード時間が長くなる等のパフォーマンスの低下を招く。~ しかしオブジェクトの描画タイミングの調整やバックロード等、違和感なく瞬間的負荷を下げる工夫がされており、極端に大きな差はない。~ 30fpsとフレームレートこそ高くないが、その反面乱戦のような込み入った場面でも処理落ちは起こりにくい等、高レベルで最適化されている。 ''細部までこだわり抜かれた美しい表現'' -PS4の性能をフル活用し、丁寧に描写された映像表現・演出は圧巻。第8世代ハードでは間違いなく最上位に位置する品質である。~ 自然・街並み・人間・機械等、どれを取っても高クオリティであり、高度な技術力を存分に堪能できる作品に仕上がっている。~ その中でも風や光、天候等の自然関係の描写・表現は圧倒的の一言である。雲の隙間から指す光、極寒地帯のダイヤモンドダスト、~ 高温多湿地帯のスコール、荒野のサンドストーム、踏みしめる雪の動き、いずれも実写と見紛うほどに作り込まれている。~ 先述のDLCに至っては、''雪上を歩くとその下の芝生が顔を覗かせる''という、職人芸と言えるほどの作り込みが施されている。 -単純なグラフィックのみならず、キャラクターの各モーションや演出面も凄まじく丁寧に作られている。~ 一例としてアーロイの歩行モーションは、よくある「全く同じ動きで、速度に合わせて実移動距離だけ短くするだけ」ではない。~ 脚の動きと歩幅が歩行速度に応じて、何段階にも分かれたモーションが細かく用意されており、全く違和感のない自然な見た目になっている。~ 演出面も「NPCとの会話中、アーロイの瞳に会話相手の姿が映る」という、地味ながらも極めて細かい、妥協なき作り込みが窺える。~ 以上のような細かな作り込みの積み重ねにより、機械の蔓延るポストアポカリプスという荒涼な設定にも拘わらず、息使いが感じられ歩きたくなる世界に仕上がっており、「アーロイを動かすだけでも楽しい」「世界中を見て回るのが止まらない」と高く評価されている。 -機械獣も一種ずつ恐ろしいほど精巧に作られており、機械ながらまるで生き物を見ているかのようなリアリティを誇る。~ 特に最強の機械獣の1体である「サンダージョー」は、''3Dポリゴン数55万・271種類のアニメーション・67種類のビジュアルエフェクト・60種類のヒットリアクション・搭載武器数12種''という常軌を逸した作り込みとなっている。演出面も素晴らしく、ひとたび戦闘に入ると''大岩を吹き飛ばし木々をなぎ倒して暴れ狂う''という大迫力の暴れっぷりを見せてくれる。 -SIE関連タイトルではほぼ一般的となった「フォトモード」も搭載されており、ポーズやビジュアルエフェクト等の設定・調整も可能。~ 高品質なグラフィックに対する製作者の自信と気合が窺える他、美しい映像美を楽しむ要素の一つとして評価されている。 -BGMは派手さこそないものの、雪原・荒野・村等、それぞれのシチュに上手く最適化されており、魅力的な世界観を強調している。~ 一方で戦闘BGMは非常に派手で猛々しいものになっており、強大で荒々しい機械獣との戦闘にマッチした抜群のクオリティを誇る。~ また、どちらも民族音楽が取り入れられており、一旦文明が滅んで原始的な生活を…という世界観をより深く表現している。 ''機械獣との戦闘の面白さ'' -機械獣は行動・特性・弱点の種族差が非常に大きい他、一部を除きデザインや行動の使い回しが少ない。~ 同じ戦法で楽に勝てるような機械獣は少なく、安定した勝利には機械獣毎の特徴を正しく把握し、弱点を的確に突く必要がある。 -その一方で、機械獣への対処法や戦闘スタイルは極めて豊富に用意されており、プレイスタイル選択の柔軟さも兼ね備えている。~ 幾つか例を挙げるとすれば、「遠距離から短弓・長弓で狙い撃つ」「罠で複数を一網打尽にする」「ステルスで1体ずつ始末する」等。~ また、単に相手の弱点を狙撃するだけでも、地形や状況によって位置取りが変わる等、同じ機械獣と戦う場合でもアプローチの仕方は様々。~ つまりは良い意味で対処法に「最適解」が存在しない。同じ機械獣相手でも飽きがきにくく、奥深いゲームシステムとなっている。~ マップ上には野盗等の人間の敵も現れるが、これは機械獣にとっても敵であり、双方を戦わせるよう仕向けて消耗させたりもできるなど、戦略の自由度は非常に高く、かつリアリティに富む。 -ゲームバランスも良好で、難易度の上昇とそれを克服するプレイヤースキルの向上とを、リアルタイムで実感し強い達成感を味わえる。~ 初心者は弱い機械獣ですら思ったように倒せずやられやすいが、武器に慣れ、弱点を把握する事で安定して倒せるようになる。~ そしてその頃には新たな機械獣が登場してボコボコにされる。しかしそれも新たな武器に慣れ、対処法が分かれば弱く感じるようになる。 --先述したサンダージョー等も、初遭遇時は圧倒的威圧感からビビって退却する羽目になり、初戦闘では装備が十分でも大苦戦させられる。~ しかしこれも場数を踏めば上手く立ち回れるようになり、最終的には改造コイル欲しさに自分から果敢に挑むようになっていく。 --個々の機械獣に慣れたとしても、序盤の雑魚が強敵の随伴機として現れて苦戦したりと、どの機械獣も最後まで見せ場を失わない。 -罠や拘束等の搦め手は勿論、オーバーライドで味方に付ける、穢れを撒いて同士討ちを狙う等、狩り自体の自由度がべらぼうに高い。~ 巡回ルートも予め確認できるため、「何処でどう仕掛け、どう狩ろうか?」という組み立てや、トライアンドエラーが楽しい。~ 高台や遠距離から一方的に攻撃を繰り返したり、ヒットアンドアウエイや遮蔽物を使って発見された状態を何度も仕切り直す戦法も可能。~ 待っ正面からの勝負が苦手なプレイヤーでも、正面からぶつかる以外の手段が豊富に用意されている。 -これは機械との戦闘だけでなく、人間の敵との戦闘、山賊の拠点等を襲撃する際でも同様である。~ 敵拠点は正面・裏面入り口だけでなく複数の侵入ポイントがある他、高所と高所を繋ぐロープがある等、非常に立体的に設計されている。~ このため、入り口から乗り込むか、側面から侵入するか、真っ向勝負するか、ステルスで一人ずつ始末するか、高所に陣取り狙撃していくか等、機械と同様に自由度の高い戦闘を行えるようになっている。捕らえられた捕虜を解放し、味方につけて共に戦うというプレイすらも可能である。 -終盤における最終的な難易度は比較的優しい部類だが、いざゲーム難易度を上げると、一転して歯応えと緊迫感のあるゲーム性へと変貌する。~ 高難度では弓とステルスアタックだけでなく、多種多様な武器・耐性薬・設置型罠等を上手に使いこなさないと途端に窮地に陥ってしまう。~ 単純な攻撃力や耐久力のみならず、こちらへの感知範囲等も大幅に変化しており、状況に応じた柔軟な立ち回りを要求される。~ 従って通常難易度だけでなく、高難易度下におけるゲームバランスも非常に上手く調整されている。 ''痒い所に手が届く優れた操作性'' -地味ではあるが本作の優れた点として、子気味良く操作できるアクションの完成度の高さがある。~ 一般的なアクションゲームやオープンワールドでは何かとストレスになりがちな、「入力から動作までに若干のタイムラグがある」~ 「QTE」「レバガチャ」「地形に引っ掛かってハマる」「動作がモッサリしている」といった要素は、本作には殆ど見受けられない。 -入力の反応が早く、処理落ち等もなく、移動速度やゲームスピードも遅からず速からず丁度で、カメラアングルに困る事もない。~ 3Dのアクションゲームにありがちな、「地形の当たり判定や敵の攻撃の当たり判定が見た目と一致しない」といった事もなし。~ こういった作り込みが本当に丁寧であり、それが先述した「アーロイを動かすだけでも楽しい」という好評に繋がっているのである。 ''まるで生きているかのような敵AI'' -『KILLZONE』で培われた高度なAI技術は本作でも存分に活かされており、まるで生き物のように意思を感じられ興味深い。 --敵一体ずつに明確に視界が設定され細かく制御されており、予測射撃などの知的な行動を高い精度で行ってくる。 例えばこちらが目の前で物陰に隠れれば、「この辺に隠れているはず」とその周辺に大雑把に攻撃し、プレイヤーを炙り出そうとする。~ そのため単に隠れるだけでなく「隠れた瞬間を敵に見られたか」にまで注意する必要があり、隠れた場所から敵の目を盗んで別の場所へ移動する等、敵の目を騙すようなプレイングをも楽しめる。 ---敵が俯いた瞬間なら敵の正面に出ても見つからない、敵によっては目とは別のセンサーを備えているが、破壊すれば探知されなくなる…など、芸が細かい。 --「こちらを発見した」という情報は敵集団内で共有されるが、実際に発見した敵自身とそうでない敵とでは挙動が異なる。~ 例えばプレイヤーを発見した敵自身は上記の通り位置を特定しようと隠れた場所付近を捜索するが、それ以外のプレイヤーを目視していない敵はとりあえず周囲を警戒する動きだけを見せたりする。 --また、より高度な知能を持つ敵は''見え見えの罠には警戒して近寄らない''という挙動までもする。ここらの細かな作り込みも見事である。 ''収集要素の楽しさ'' -機械獣との戦闘によって収集できるアイテムは多彩だが、アイテム作成や商人との取引などで必要な、最後まで有用なものも多い。 --集めれば集めるほど冒険が楽になるため、収集を積極的に行う動機づけが強い。 --資源は金銭よりもアイテムの形で手に入れやすいバランスのため、どれを売って金を貯め、次にどれを買って、今度はこれが欲しいので材料になるあの機械や動物を狩って…と回転サイクルが早く、ダレにくい。 ''クエストの豊富さ'' -クエストのボリュームは非常に豊富。 --本筋から離れた多数のおつかいクエストに加え、「チュートリアル」「狩場」のような練習型のクエスト、「機械炉」という謎解き風ダンジョンなど種類も豊富で、報酬も充実している。気づけば本編そっちのけでいつまでもサブクエストを行っていたというプレイヤーは少なくない。 ''親切なチュートリアル'' -最序盤にステルス・資源の入手・矢弾の作製・小型敵の倒し方・中型機械獣の倒し方・オーバーライド…と、段階的な説明・実践の場がシナリオに則した自然な流れで用意されており、初心者がマニュアルなしでも必須技術をスムーズに習得していける親切設計。~ 一昔前のオープンワールド型洋ゲーでは考えられなかった仕様であり、突然野に放たれるような従来のオープンワールド作品を好まないプレイヤーにとっても非常に取っつきやすくなっている。 ---- **賛否両論点 ''行動可能範囲の広がりがゆっくり'' //-コンシューマーゲームとしては及第点であるものの、これまでの他オープンワールド作品に比べると世界はやや狭い。 //項目内で「コンシューマーゲームとしては及第点」と表記されているためコメントアウトしました。 -探索可能範囲が段階的に広がるため、「初めからどこへでも行ける」事も珍しくない同時期以降のオープンワールド作品としては珍しい。 また、フィールド上の素材は序盤から終盤まで同様で、収集要素も易しめ。中盤以降はクエストの発生地点も「集落」が大半と、世界を隅々まで歩く動機付けが乏しいとの意見がある。 --と言っても、行動範囲が限られるのは序盤のチュートリアル的なクエストをある程度進めるまで。そこを過ぎれば基本的にフィールド上のどこへでも行くことができ、強いて行けない場所があるとすれば、メインイベントに関わるような特殊な遺跡の内部のみである。 --また、メインイベントを進めていけば自然とワールド全域を歩けるようになっている。自ら何かを探してフィールドを歩きまわる主体性には乏しいが、逆にオープンワールドの遊び方に慣れていない初心者には「気が付いたらワールド全部歩き回ったなあ」と感じられるような遊びやすさを重視した設計。 --さらに、マップの端っこまでなんらかの拠点や集落が存在してるため、クエスト発生場所を巡るだけでも、マップのほぼ全域を巡ることができる。 -本作は行き先が明瞭で隅々まで歩く事を強要しないデザインであり、とっつきやすさを意図し敢えて…とも取れる。 --このため、オープンワールド初心者には「何をすべきか分からない」「強敵がいる場所へ迷い込んで酷い目にあった」等の事態に陥りにくいメリットもある。 ---本作は他オープンワールド作品とは比較にもならないほどアクション性が高く、「世界が狭いオープンワールド作品」というよりは「世界が非常に広いアクションゲーム」と解釈した方が自然と言える。実際、本作のジャンルはFoシリーズのような「RPG」ではなくあくまで「アクションRPG」である。 //''近接攻撃手段の少なさ'' ///-本作の近接攻撃は、ゲーム内の用途から「接近時の緊急手段、兼ステルスキル用」の限定武器として意図されていると思われる。~ //しかしそれを抜きにしても、せめてもう少し近接武器やそのモーションのバリエーションが欲しかったという声は少なくない。 //あくまで、自分の考え方ですが、「もう少し近接武器やそのモーションのバリエーションが欲しかった」と言うのは、“ゲームに対する批判”と言うよりは、“別に悪いわけでは無いけど、次回作では増えたりしたら良いな”と言う方向の方が圧倒的に多いと思います。 ''キャニスターについて'' -大半の機械獣にはキャニスター(液体が入った容器)というパーツがあり、対応した属性の攻撃を当てれば誘爆で大ダメージを与えられる。~ このキャニスターは、全く同じ種類の敵でも「装甲で守られている」事があり、その際は何らかの攻撃でまず装甲を外す必要がある。 -これ自体はワンパターンなゲーム性にならないための配慮だろうが、問題なのはこれについてのヒントがゲーム中で得られない事である。~ キャニスターを狙う事自体は序盤のチュートリアルで学べるが、それが装甲で守られている事についてはノーヒントで、自分で気付くしかない。~ よく観察すれば比較的簡単に気付ける事ではあるが、キャニスター狙撃は基本的な戦法なだけに、もう少し配慮が欲しかったところ。 //長々と書かなくてもこれくらいにまとめられるんじゃね?と思って書き直してみた。てゆーかぶっちゃけ、この程度は問題点でもないような気がするけど… //''丁寧すぎるとも言葉足らずとも言えるチュートリアル'' //-大半の機械獣にはキャニスター(液体が入った容器)というパーツがあり、対応した属性の攻撃を当てれば誘爆で大ダメージを与えられる。~ //また、それがどの機械獣のどこにあるかは、スキャンする事でデータファイルに登録され、プレイヤーが敵に挑む際の重要な情報源となる。 //-しかし、このキャニスターは全く同じ個体でも「装甲で守られている」事があり、それについてはデータファイルに記載されない。~ //そのためデータを頼りに戦う初見では、「ファイルを読んでその部位を狙撃したのに何故か誘爆しない」という状況が発生してしまう。 //-弱点であるキャニスターが装甲で守られる事自体は、様々なプレイをさせる調整として自然なものであり、そこまで大した問題点ではない。~ //問題なのは、キャニスター狙撃についての丁寧なチュートリアルが最序盤にあり、それが有効であると「錯覚させられる」事である。~ //実際には、装甲を外して誘爆させるか、別の武器で別の部位を狙うか等、常に取捨選択・試行錯誤をしながら戦っていかねばならない。 ///-本作の短弓・長弓は強力かつ使いやすい武器であり、序盤のチュートリアルも相まって、大半の初見プレイヤーは多用する事になる。~ //しかし弓を多用する余り、知らず知らずの内に戦法・戦略の幅を狭め、思わぬ苦戦を強いられるようになる…という流れに陥りやすい。~ //上記のキャニスターの問題はこの一環であり、「弓を使う」のではなく「弓に使われる」事によって発生する問題点なのである。~ //せめて序盤のチュートリアルで「決して万能ではない、過信はするな、自分で考えろ」的な一声でもあれば良かったのだが。 //これは完全にプレイヤー個人の問題だと思います。キャニスター問題との関係性も一切感じられません。 //-''稼ぎプレイは必要ないが、やろうと思うと不便'' //-基本的に本作では低レベルでも攻撃力に影響はなかったり、普通にクエスト進行していればアイテムも十分手に入ったりなど、特に稼ぎのための狩りをしなくてもスムーズに進められるシステムになっている。 //--稼ぎなど作業プレイに時間を費やすより、イベントやクエストへの挑戦などに注力してほしいという制作側の意図があるのだろう。それは初心者への遊びやすさにも繋がっている。 //-一方、敢えて稼ぎプレイをしようとすると簡単にはできず少々不便さがある。 //--倒した敵はそのエリアから一定距離以上離れるまで復活しない。そのため同じ場所で目当ての敵をずっと狩り続けるということはできず、敵を倒すたびにどこか遠くまで移動する必要がある。&br() //しかし遠いエリアへのファストトラベルはロードが長い(後述の「問題点」を参照)という問題もあるため、このような移動狩りで経験値やアイテムを稼ごうとすると、そのほとんどがロード時間に費やされてしまいやすい。 //ロードやエリア移動を挟まずに敵がリスポーンするオープンワールドアクションRPGなんてそうそうないと思うが… ''ローカライズの問題'' -スキルの名称・キャラクターの会話や台詞・各種説明文等に、如何にも英語の直訳らしい不自然な言い回しが散見される。~ 会話やオーパーツの説明等にも細かいネタが仕込まれているが、いわゆる「オランダジョーク」的なノリで日本人に理解し辛い部分も一部ある。 --もっとも、これは洋画や洋ゲー等、海外創作物のローカライズ全体が抱える宿命であり、本作固有の問題点ではない。~ また、その内容も時折違和感を覚えるという程度のものであり、作品の根幹に関わる理解不能な展開や誤訳はない。 //-フィールドにある案内標識の日本語文字が異常なまでに安っぽい。 //--ピンク~紫のゴシック体が看板の前に浮かんでいるというもので、フォントと演出からフォーカスで得た情報として演出されているものと思われるが、なぜかフォーカス非使用時も表示されている。 //---この仕様自体は英語版でも同様だが、「洋ゲー」な見た目のキャラが動き回る広大な自然世界に突如として現れるゴシック体の日本語文字は美麗な映像表現の中で激しく浮いており、世界観ぶち壊しだとして特に不評である。 //元よりそういう仕様であり、それをローカライズしただけである以上は問題点とは言えないのでは。 //↑海外の掲示板でも本作のビジュアルの汚点として批判されることが多いので、独立した項目としました。 //「また、その内容も時折違和感を覚えるという程度のものであり~」と言うフォローで締められているのもあり、項目の内容的に、「賛否両論点」の方が適切と判断して、丸ごと移動しました。 ---- **問題点 ''所持品の容量が少ない(特に資源用)'' -所持品の容量がかなり少なめ。 --「改造」による拡張は可能だが、改造完了後でも少なめで、ちょくちょく商人に売らなければ、「貴重なアイテムを見つけたのでやむなく手持ちのアイテムを捨てる」という事態に陥りやすい。 --他のアイテム作成や改造に必要な「資源」の容量はとりわけ厳しく、1時間以内程度のプレイでも簡単に一杯になる。 ---アイテム毎に1スロット内の個数上限が決まっており、それを超える分は別のスロットを消費する仕様((「矢柄の木」を250本集めたら、それを超える分は他のスロットに貯まり、それも250本になったらまた次のスロットで…という具合))のため、収集機会が多く汎用性も高い資源の「矢柄の木」「鉄の容器」「冷却水」や、同じ敵ごとに「~のレンズ」「~の心臓」など複数種設定された戦利品によって容量が逼迫しがち。 ///-容量は「武具」「資源」「回復薬」など系統別であり個別に拡張することになるが、拡張はそれぞれ何段階にも分かれており手間が大きく、特に「矢弾」は武器ごとに細分化されており必要な作業量が大変多い。 //つまり、「どれを拡張していくか」の選択性があり、これは“ゲーム性”と言う判断で良いと思います。 ///--容量拡張自体にも資源が必要で、その収集スペースのやりくり自体も大変なうえ、必要な資源は入手しにくい「野生動物の皮や骨」になっている。 ///---動物は小柄で見つけにくいうえすぐ逃げ、かつ同じ動物にレア度の高い複数の資源が設定されているため、機械獣と異なりかなり強く意識して狩らないと必要数集められず、本作唯一ともいえる「作業ゲー」要素となっている。 ///これはそれぞれの感じ方にもよるでしょうが、フォーカスでスキャンするだけで周囲の動物は簡単に発見することが可能で、すぐに逃げると言っても、ハイライトすれば簡単に仕留めることが可能です。 //更に、ほとんどの動物はそこら中にいるため、(機械獣と異なり~)と言うほどではないと判断しました。 -容量不足の対策として「無暗に『箱』の中身を取り出さない」「適宜売却する」「全て拾わず必要なものだけ入手する」などがあるが、いずれも初見では難しい。 --「箱」はクエストの報酬などでもらえる、複数のアイテムを収めたもの。報酬を受け取れない事態の予防策か「箱」は所持個数制限がなく、また中身を個別に取り出せるので、必要時だけ取り出すことでアイテム容量の節約になる。ただ、いつでも取り出し自由かつ個数無制限ならアイテム自体その仕様でもよかったのでは、という意見も多い。 --「売却」もスペース確保と金策を兼ねる手段だが、マップに配置された商人がアイテム入手量に比して多いとは言えず、拠点への戻っての売却が頻繁に必要となりがち。 ///---また、そもそもどれを手放してよいかの判断も難しい。一応アイテムの説明に「交換に必要」「換金用」等と書かれてはいるが、その用途外にクエスト・改造・交換で必要なケースも多く、初見では本当に不要になったのかどうかの判断は不可能。 ///完全に手放すのは確かに難しいですが、「何枠も埋めず、2、3個だけ所持し続けておく」などの対処は可能なので、言い方が少し強すぎると感じました。 --装備とプレイヤースキルが充実する中盤以降は、矢弾の消費量が減り、同じ資源からの作成矢弾数を増やすスキルも登場するため、資源の必要量自体が減ってくる。 ---この段階に至れば資源の所持数を抑え、必要時のみ狩猟で採集するスタイルも可能となるが、初見プレイヤーや不測の事態に備えたい慎重なプレイヤーにはなかなか難しい。 -なおこの点について、DLC「凍てついた大地」にて「不要なアイテムをその場で(買取価格の更に半値で)換金可能とする」「資源容量を(改造後の数値から更に)増やす」スキルが追加され改善が図られてはいるが、それでも不足だという声が根強い。 //↓冗長で、重複する内容も多かったため、上のようにまとめました。 //-所持品のストック容量が全体にかなり少ない。ポーチの改造で容量の拡張はできるが、それを全て終えたとしてもやや不足気味。 //--その容量拡張にも資源が必要で、容量が不足してから集めても間に合わない。予め何が要求されるか把握しておき、普段から意識的に採取する必要がある。 //---容量は「武具」「資源」「矢弾」「回復薬」等と系統別に設定されている。中でも矢弾の容量は武器毎に分かれており、それらを1種類ずつ、何段階にも分けて拡張しなければいけない。 //--容量の拡張には野生動物の皮や骨が必要で、倒した際のドロップ品としてはややレア度が高い。それでいて野生動物は小柄で見つけにくいものが多く、アーロイを視認すると逃げていく性質を持つため、機械獣と違って意識して探し倒す必要がある。手軽なプレイングが特徴・評価点の本作において、手間の掛かる稼ぎが必須となる唯一の要素と言っていい。 //-特に矢弾の作成に必要な「資源」の容量は非常に厳しく、普通にプレイするとすぐ一杯になる。拡張を終えても100スロット(DLCスキル適応前)と少なく、考えなしにあれこれ拾っていると容量オーバーになりがち。 //--敵を倒して貴重な戦利品をドロップしても、気付いたらら容量が一杯で、泣く泣く手持ちのアイテムを手放した…という事態に陥りやすい。 //---アイテムを売買できる商人自体は、村だけでなくマップ上にもチラホラ配置されており、決して少なくはないのだが、むしろそれを上回るペースでアイテム入手量が多いとも言える。 //--アイテム毎に1スロットの個数上限が決まっており、それを超える分は別のスロットを消費する((「矢柄の木」を250本集めたら、それを超える分は他のスロットに貯まり、それも250本になったらまた次のスロットで…という具合))ため、収集機会が多く必要性も高い「矢柄の木」「鉄の容器」「冷却水」等が1種で複数スロットを占有しがち。 //---また「~のレンズ」「~の心臓」等の敵毎の戦利品が多く、1スロットで5個しか所有できないため、これも容量を逼迫しがち。 //---適宜売却する事でスペースを確保でき金策にもなるが、一部の戦利品はクエスト・改造・交換等に必要なため、初見ではどれを売ってよいかの判断は難しい。 //---一応アイテムの説明画面に「交換に必要」「換金用」等と書かれているが、「交換に必要」なものだけでもアイテム容量を溢れさせるには十分過ぎる量があるし、一つ交換したからと言ってそれ以降もうそのアイテムを使った交換がない保証もなく、いつまでもインベントリ内でタンスの肥やしになりがち。 //-対策としては「無暗に箱の中身を取り出さない」「全てを拾わず必要なものだけ入手する」という手がある。 //--箱は依頼達成等で貰える様々なアイテムが詰まったアイテムで、報酬を受け取れない事態に対処するためか、所持制限に引っかからない。~ //中身は任意の物だけ取り出して他はそのままにできるので、確認だけしてどうしても足りなくなった場合に活用するという手段が取れる。 //--武器が増えてこちらの戦闘力が充実する中盤以降は、相対的に矢弾(=資源)の消費量が減る上、更に矢弾の作成量が増えるスキルもあるため、''そもそも大量の資源を持ち歩く必要性自体がなくなる''。これに気付かず思考停止して資源を拾いまくるプレイヤーほど容量制限に苦しみやすい。ポーチ拡張が進めば骨・皮を所持する必要もなくなるため、なおさら容量に余裕が生まれる。レンズ等も倒しやすい敵のものなら敢えて所持せず、必要になった時に改めて狩る程度で丁度良い。 //-なおこの点については、DLC「凍てついた大地」にて「不要なアイテムをその場で(買取価格のさらに半値で)換金可能とする」「資源容量を(改造後の数値からさらに)増やす」スキルが追加され改善が図られてはいるが、それでも不足だという声も根強い。 ''所持品の整理が殆どできない'' -資源はいくつかの条件別に整理できるが、装備品は入手順で固定されてしまい、自動でも手動でも整理できない。~ 各装備品はアイコン同士が似ており、特に弓やスリングは同じレアリティでも複数種が存在するため、整理ができないのはかなり不便。~ また、同じ武器でも改造で各用途に特化させ、複数をストックするプレイヤーが多い事も、この問題点をより強調している。 -もっとも方法がないわけではなく、装備品を一旦捨てる→拾い直すという手順を踏む事で疑似ソートは可能である。面倒ではあるが。 ''武器や道具の選択画面の操作性が悪い'' -武器と矢弾の選択はL1+右スティックで行うが、矢弾の並び順は武器種毎に固定で、不要な矢弾の非表示や整理はできない。~ 移動中はともかく忙しい戦闘中に、最大12方向にも分割される矢弾の中から、素早く正確に選択するのは難しいものがある。 //また、通常時は右スティックでカメラ操作を行うので、武器変更直後にカメラを動かそうとして、武器選択を誤ってしまう事もある。 //「武器ホイールを開いて、カメラ操作と同じ操作で武器を選択」と言うのは、(特にシューティングメインのゲームでは)非常に一般的な操作方法であり、個人的にはそこまでの話になると、“もはやその人の技量などの問題”だと思います。 --武器4種を装備できるが、敵に応じた使い分けが重要かつ魅力となっている本作では、実のところ4種でも全く足りない。~ だからこそ不要な矢弾を非表示にしてその分別の武器を装備する等、武器選択画面を細かくカスタマイズしたかったとの声がある。 -本作の道具は設置型罠・回復薬・耐性薬等が存在し、またそれぞれ3種類以上と豊富に用意されている。~ しかしここまで豊富にありながら、「十字キーの左右で1つずつ選択し、下で選択した道具を使用」という操作性になっている。~ そのため、戦闘中は目当ての道具の選択に気を取られる余り、誤認・誤爆等の操作ミスが発生しやすく、煩わしさを感じやすい。~ この操作のキーコンフィグやカスタマイズはできない上、使わない道具の非表示機能や、任意の道具へのショートカット機能もない。~ 対策は「不用品は所持しない」のほぼ一点のみで、こちらも武器選択の操作性と同じく問題視されやすい。 ''本来の用途と嚙み合っていない武器のチュートリアル'' -「ラトラー」という武器は、短射程・低精度・5点バーストという特性であり、一般的なTPSでのショットガンに近い性能を持つ。~ つまりは遠距離から狙撃する武器ではなく、接近戦かつ中~大型の機械獣相手に大きな効果を発揮するタイプの武器である。 -しかしチュートリアルの内容が、ラトラーには不向きな「人間の敵を倒せ」になっており、特性・性能と全く嚙み合っていない。~ 機械獣より遥かに小さな「人間の敵」は、集弾性が低く高連射のラトラーにとって、むしろ最も苦手・不向きな相手なのである。~ 用途・相手さえ間違わなければ強力な武器なのだが、このチュートリアルのせいで、多くのプレイヤーに苦手意識を持たれてしまった。 ''会話中のカメラアングルが単調で味気ない'' -美しいグラフィックが魅力である本作では、ただの会話シーンもキャラクターの表情をアップで楽しめる注目ポイントである。~ しかし会話中のカメラアングルは、アーロイと相手の顔を交互に映すだけで、アングルのパターンも一部のイベント以外は変化に乏しい。~ 一応キャラの表情は変化に富んでおり、多少のボディランゲージもあるが、極めて高品質な映像美に釣り合っているほどとは言い難い。 -ちなみに大型DLC「凍てついた大地」では大幅に改善されており、会話中の挙動が良く作り込まれている。 //賛の意見が見受けられなかったので問題点に移行。 //''遠い場所へファストトラベルする際のロードの遅さ'' ///-先述の通り本作はPS4 Proを前提に開発されているため、PS4でプレイするとパフォーマンスの低下を招く。~ //他の要素はともかく、ファストトラベルはこれの影響を最も受けており、目的地が遠い場合だと数十秒以上掛かる事も珍しくない。~ //一応、外付けSSDへ換装すれば大幅な短縮が可能で、オープンワールドとしては一般的な10秒程度に抑えられる。 //また、これは本作に限らず、全てのPS4 Pro対応作品に共通する事であり、仕方のないものではある。 //ファストトラベルで数十秒かかるのが、このようなハイグラフィックのOWとして異常に長いわけではないため、コメントアウトさせていただきました。 //''敵AIがこっそり理不尽'' //-先述の通り本作の敵AIは丁寧に作られているが、更にじっくり観察していると微妙に不自然で理不尽な点も存在する。~ //例えば横腹の弱点を狙撃するため敵の側面へ回り込んでも、何故か敵はさり気なく横腹以外をプレイヤーの方へ向け続ける事がある。~ //つまり完全に無警戒なのに、何故かこちらが不利になる挙動をするという、本作のステルス性を否定するかのような仕様になっている。~ //普通にプレイする分には殆ど気付かないが、時間を掛けてじっくりと狙撃しようとするとこのような挙動が現れる場合が多い。 //-とは言え、これはあくまで基本のAIがあまりにも良くできているからこそ、つい残念に思ってしまう程度の問題点である。~ //よほど時間を掛けて観察しないと気付かない程度の事であり、そもそもそれほど良く敵を観察してしまうのも敵AIが魅力的だからこそ。 //↑この文章自体が「大した問題ではない、むしろAI自体が優れている」という論旨になっているので、「問題点」内の記載としてはコメントアウトしておきます ''フィールドにある案内標識の文字の安っぽさ'' -フィールドの道先案内は、ピンク~紫の安っぽいゴシック体が看板の前に浮かんでいるというもの。 ///--フォントと表示のされ方から「フォーカスで得た情報」を意図した演出とも解釈できるが、なぜかフォーカス非使用時も表示されており、かつ字体も色調も美麗な世界描写の中で明らかに浮いている。 //扉のホロロックやPCのような物など、「フォーカス不使用時でも自動的に表示されるホログラム」は他にも多くあり、字体に関しても、序盤のムービーで同じような字体で「BOW」と表示されています。そのため、コメントアウトさせて頂きました。 //↑ホロロックやPCなどは文明滅亡前に作られたホログラムだとわかるので何ら問題ないですが、標識については人類新生後に生み出された地名が原始的文化の一環として書かれたはずで、そこにホログラムめいた文字が現れる(しかもホログラムであるとわかるデバイスや投射の演出が一切付随せず、本当に文字だけがぽっかり浮かんでいる)のが不自然だ、という話なのではないでしょうか。 --広大な自然世界に突如として現れる日本語文字は一見洋ゲーにありがちなローカライズの問題かと思えるものだが、実はこの仕様は言語を問わず同様。グラフィック全体が非常に優れているだけに、本作の景勝をぶち壊す汚点として際立ってしまっており、国内外を問わず不評である。 ---- **追加コンテンツ「凍てついた大地」 -発売から約8か月後の17年11月7日に配信された追加コンテンツで、更にその1か月後には本編とセットになった完全版も発売された。~ 内容は本編の1/4ほどの広さを持つ追加マップを舞台に、新たなストーリーとクエストとキャラ、機械獣が盛り込まれたものとなっている。~ ゲームプレイを便利にする新たなスキル・改造コイルも多数追加された他、本編では不可能だった槍の改造も可能となった。~ 難易度は本編の終盤到達、もしくはクリア後を前提に調整されており、登場する機械獣は非常に歯応えのある強さになっている。~ なお、追加マップへは本編の序盤(プロローグ)を過ぎるまでは行けないが、追加スキル自体は本編を開始した時点から習得可能である。 -価格は2000円とそれなりにするが、その分内容は物語もゲーム部分も非常に作り込まれており、プレイヤーからの評価は高い。~ 特に物語は本編や世界観の謎がいくつか明かされる他、サブクエストもバヌークという部族を掘り下げる深い内容となっている。~ 本編を進めているとDLC終盤での会話が追加・変化する事がある他、逆にDLCを進めていると本編の最終決戦に変化が発生する。~ 主人公のアーロイも、本編ではあまり見せなかった「年頃の若者」等の一面を見せており、キャラとしても魅力を高めている。~ また、先述した「単調で味気ない会話中のカメラアングル」が、このDLCでは改善されているのも地味ながら嬉しいポイントである。 ---- **総評 人気作品が有する様々な要素を盛り込みながら、単にそれらのフォロワーにとどまらず高次元でまとめ上げ、さらに独自のテイストを加味しオリジナリティある存在へと昇華させた意欲作である。~ 世界観およびストーリー、ビジュアル、戦闘の評価が特に高く、全編通してキャラクターを操作する楽しさを存分に味わえる「洋ゲー」の傑作ARPGである。~ 全世界での売上は2019年で1000万本を突破しており、新規IPにして世界市場での売上トップ5に入るPS4を代表するビッグタイトルとなっている。~ その完成度は、発売から数年が経過した今なおトップクラスであり、更に現在は価格もDLC込みで約2000円と大変お手頃になっているため、気になった人はぜひ遊んでみよう。 ---- **余談 -2018年1月に発売された『[[モンスターハンター:ワールド]]』とコラボしており、本作をモチーフとした武具が実装されている。 --実際は違ったゲーム性であるものの、「狩り」という共通した要素があるMHシリーズとは好対照として比較されがちであったため、このコラボは驚きを持って受け止められた。 --大型拡張コンテンツとなる『Horizon Zero Dawn: 凍てついた大地』と『[[モンスターハンターワールド:アイスボーン]]』もコラボが決定している。 ---奇しくも両作品ともに寒冷地が追加コンテンツの舞台となるが、『MHW:I』のスタッフによると偶然であるとのこと。 -本作が新規IPとして異例の大ヒットを記録した一方で、同じGuerilla Gamesが開発しているFPS『KILLZONE』シリーズが終焉を迎えた([[参照>https://www.gamespark.jp/article/2021/01/12/105176.html]])。 --なお、『KILLZONE』と同じPS独自のFPSシリーズだった『RESISTANCE』シリーズも、PSVの『[[アメリカ最後の抵抗>RESISTANCE アメリカ最後の抵抗]]』を最後に発売されていない((ただし、『RESISTANCE』シリーズはすでに3部作が完結しており、『アメリカ最後の抵抗』はスピンオフでしかない。))。 //-主人公アーロイは知的な人物で、未知の事象への理解力や順応性も高い。加えてややシニカルで口がよく回り、割と辛辣な皮肉も飛ばす。それが「自然の中で狩りに明け暮れて育った娘」という生い立ちには少々そぐわないレベルであり、緻密な世界設定が魅力の本作における、愛すべきツッコミ所となっている。 //--人類文明が狩猟採集レベルまで退行したという設定上、言葉に関しても生活から縁遠くなった語彙や表現は失われている筈なのだが、アーロイのセリフ回しが妙に現代的で、毛皮を着た狩人のオッサンに育てられた娘だとはとても思えない。 //--先天的に知能が高くとも不自然ではない背景はあるのだが、体も頭もキレるスーパーヒロインぶりに、海外のプレイヤーレビューでは「女エージェントかよ」などとも言われている。 //あらゆる知識を得られるフォーカスを幼少期の頃からずっと使ってるんだから知能高くて当然だろうに… ---- **その後の展開 -2020年3月に欧州圏の公式ブログ「PlayStation.Blog」にてGuerilla Gamesの共同創設者であるハーマン・ハルスト氏へのインタビュー記事の中で『Horizon Zero Dawn: Complete Edition』のPC版の発売を決定したことが報じられた。 --Steamの販売ページも同時に公開され、2020年8月7日に発売された。また、Epic Games Storeでも8月8日に発売され、GOG.comでも2020年11月25日から配信が開始された。尚、日本語対応については日本のSteamストアで購入した場合のみ日本語音声/字幕有り((それ以外のストア(外部サイト含む)で購入した場合は日本語字幕のみとなっている。))。 --Win版独自要素としてウルトラワイド画面(21:9)の対応やグラフィック設定のカスタマイズ、フレームレート無制限などが挙げられる。またベンチマークツールが付属しており、ゲームの動作環境に問題ないかの指標を確認することも(一応)可能。 --配信開始当初はクラッシュ頻発やセーブデータ破損、推奨環境を十分満たしているにもかかわらずフレームレートが低いなど不具合が多数あったが、発覚段階で順次アップデートが行われ、その後も月1回ペースのアップデートを経て、Ver.1.10の時点で大抵の不具合は解消されている模様。 //---なお、本作のWin版は''ソニーから発売された史上初のPCゲームである((別の言い方をすれば「PlayStationのお膝元である企業が初のPCゲームを出した」とも言える。))。'' //↑本作以前にもソニーから発売されたPCゲームは存在します。 -2022年2月18日に続編である『[[Horizon Forbidden West>https://www.playstation.com/ja-jp/games/horizon-forbidden-west/]]』がPS5/PS4で発売された。物語は本作の会話イベントやテキストメモで言及された「禁じられた西部」が主な舞台となる。 -2022年1月にPS5専用次世代VRシステム「PlayStation VR2」向けタイトル『[[Horizon Call of the Mountain]]』が発表された。 --その後、2023年2月22日にPSVR2のローンチタイトルとして発売された。 //--詳細は不明だが、『Horizon』シリーズの機械獣闊歩する世界観を舞台に、新たな登場人物の物語が描かれると明かされている。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: