しかし、彼をチートの塊然としているのは上記の戦闘能力だけでなく、何より、同じ吸血鬼をして化物と言わしめる程の不死性であろう。 そもそも『アーカード』とは、彼が今まで吸った『血液を媒介として取り込んだ命』全てを
彼自身の強靭なパーソナル他、何らかの手段を以って『拘束』『制御』し総体として活動する『運動する領地』そのもの。
その数百万に及ぶ命の全てを滅ぼさなければ死なない。
この出鱈目な耐久性からか、基本的に攻撃の回避・防御には無頓着…どころか、
敵に自分の体を木っ端微塵になるまで攻撃させるドM、好き放題攻撃させた後はアッサリ再生、
『それだけやったからにはやられる覚悟もあるよね?』とばかりに本気を出してワンちゃんのエサにしたり、
「豚のような悲鳴をあげろ」と言ってトランプおじさんをフルボッコにしたり、
果ては相手が女性だろうがお構いなしにマスケット銃で胸を貫いたりと、攻撃する時は真性のドSになる。
まあサディズムとマゾヒズムは表裏一体で両立するというしね。
ワラキア公国の公家(=国王家)に生まれ、幼少の頃に 色々されたらしい。
それが原因なのかそれとも元々からの主義だったのか、『“祈り”と称して神へただ嘆願をなすだけのような者は死ねば良い』、
『神への祈りと祈りと祈りの果てに神(及び楽園)は降りて来る』と、狂信的かつ盲目的な信仰心の元、
祈りのためだけの闘争を行うようになった。
当時は蓬髪に髭を生やしたダンディなお方であった(中の人にソックリという話も)。
しかし最後は結局弟に裏切られ、兵も領民も皆殺し。城も領土も燃えて落ち、自らもムスリムの皆様に捕まり
斬首される事となるが、首を落とされる直前に血液を舐め、近代吸血鬼の真祖となる。
吸血鬼となった後はドラキュラ伯爵としてトランシルヴァニアの山中にて暮らすようになる。
その後19世紀暮れに、一人の弁護士『ジョナサン・ハーカー』を騙しこんで城に連れ込み、帝都ロンドンに拠点を確保。
ジョナサンは何とか逃げ出すことに成功したものの、伯爵は貨物船の乗員を皆殺しにしながら大英帝国に上陸した。
そしてロンドンで散々暴れ周り、ジョナサンの妻『ミナ・ハーカー』の血を吸うも、
半吸血鬼と化した彼女と精神的に繋がってしまう。結果的にドラキュラの行動は筒抜けとなり、
最終的にヘルシング教授ら一行によって心臓に杭を打たれ、倒される。
(この辺りの顛末はほぼ原典であるブラム・ストーカー著作『ドラキュラ』準拠と言って良いだろう)
尚、ヘルシング教授は色々と誤解されがちだが、ただの大学教授でしかない。
様々な知識に精通しているが、専門は精神医学。
仲間は弁護士ジョナサン・ハーカーと妻ミナ、医師ジャック・セワード、貴族アーサー・ホルムウッド、
テキサス出身の地主キンシー・モリス。と、やっぱりただの人間に過ぎない。
それが知恵と勇気と根性でもってアーカードを倒したのだから、人間って素晴らしい。
その後如何なる紆余曲折があったものか、ヘルシング一族によって改良を受け、同じ吸血鬼を狩る為に使役される従僕となった。
第二次世界大戦時などにはワルシャワへ赴き、吸血鬼兵士開発研究所を大暴れした挙句にぶっ潰す。
(…という結末を迎える予定の 未完の外伝『THE DOWN』がある *1)。
だが、あまりに強大過ぎる力と闘争の為の流血を厭わない彼の性質を危険視した当時のヘルシング家当である、
アーサー・ヘルシング卿(劇中時間によれば1989年前後に病没)により、ヘルシング邸の地下牢獄に
カラッカラに干からびた状態で封印、放置される。
しかし、インテグラの血(先代の死を機に、当主簒奪の為動き出した叔父リチャードに彼女が銃撃された際の出血)を
浴びて復活。リチャード郎党を鏖殺しにした(リチャード自身はインテグラにより射殺)。
そして、インテグラに仕える様になった。
以後、それまでの吸血鬼狩り(ゴミ処理)を受け持ち、これまた常人を逸脱した戦闘能力を保有していたとは言え、
既に70歳前後の高齢にあったウォルターと入れ替わる形で吸血鬼狩りの任に就き、そして始まる闘争の嵐である。
(ウォルター自身は引き続きインテグラの護衛、新たにアーカードの武器製作などのサポートを含んだ執事業を続ける事に)
尚、こうして書くともう化け物以外の何者でもない(事実そうなのだが)のだが、一方で人間に憧れを抱いている節がある。
「化物を倒すのはいつだって人間だ」
という台詞そのままに、超人的な意思を持って戦おうとする人間には敬意を払っており、
作中のヒロイン?であるセラス・ヴィクトリア婦警を吸血する事で助けたのも、その辺りに理由があるようだ。
インテグラに仕えているのも彼女の鋼鉄の意志、そして初代ヘルシング教授の意思の強さを好ましく思っているからだろう。
更に好敵手であるアンデルセン神父が満身創痍でありながらも、
「腕が千切れ落ちただけだ。能書き垂れてないで早くかかってこい」と戦いを継続した際には、
「素敵だ。やはり人間は、素晴らしい」
と羨ましそうに称賛、初代ヘルシング教授を思い返して「あの男の様に、見事私の心の臓腑に突き立ててみせろ!!」と嬉しそうに戦っている。 その一方で、あくまで己の好敵手足りえるのは人間だけと考えているようで、
聖遺物によってアーカードと同質の存在(即ち化物)へと成り果てようとするアンデルセンには失望と嫌悪感、そして怒りを隠そうとしなかった。
また、早々に人間辞めちゃったような連中は唾棄すべき存在として、かつての仲間だったり同僚だったりしようとも、
容赦なく叩き潰しているあたり、その行動は独特の価値観と美学に基づいており、ある意味で一貫している。
圧倒的な戦力でミレニアムやイスカリオテの軍勢を圧倒したが、最終的にはミレニアムの策略によって
自分の存在を保てなくなってしまい、現世より消滅してしまう。
だが、30年の時をかけて自分の中に取り込んでいた命を、消滅の原因となった「1匹」以外を全て殺し尽くすことで復活。
主人であるインテグラの元へと帰還し、物語の終幕を飾った。
「私はもうおばあちゃんだぞ。 私は」
「それがいい」
(以上、ニコニコ大百科より転載、改変)
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なお、連載化以前の読み切りだと…… |
名前の読みは連載版と異なり「 アルカード」。
服装は連載版の初期とそれほど変わらないが、髪型などが微妙に違っている他、 連載版で使用していない武器の「カシの白木の十字架から削りだした杭の弾丸」を作中で吸血鬼に撃ち込んでいる。
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旦那を倒せそうな人間 |
『HELLSING』の単行本の後書きには、「山守義雄」と呼ばれる人物が登場している。
元々は小説・映画『仁義なき戦い』の登場人物(演:ベテラン俳優・金子信雄)であり、作者曰くその能力は以下の通りらしい。
- 暴力団・天政会の初代会長。
- 広島を統一した後、全世界を統一した凄いヤクザ。
- 身長50m以上、体重2兆t。
- パンチ一発でゼオライマーが死ぬ。
- ゲッターエンペラーが主食。
- イデオンで星を滅ぼしている流星は、実はコイツが口から吐いている。
- キラを逮捕したのはコイツ(撃ったのは松田さん)。
- スティールボールラン優勝。
- 「小学生が考えた絶対無敵ロボ」を小指でなぎ倒し、食べる。
- 口から吐くエネルギー弾でグレンラガンが超ヒモ状態にまで分解する。
- 山守組のヤクザはチンピラレベルですら、使う日本刀はストームブリンガー、銃はエンジェルアーム。
- この漫画の主人公。
以上の要素から、彼こそが アーカードを倒せる唯一の人間なんじゃないかと言う意見もある。
あと ゴルゴ13にも勝てないとか。
もちろんネタである。何がってーと後書きそのものが、全体的に。
ブッチャケーブッチャケー
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