ダーク・ザ・ダーリン


1984年のアメリカのLDゲーム『ドラゴンズレア』(Dragon's Lair:竜の住処。希少(Rare)なドラゴンではない)シリーズの主人公。
ダークの綴りは短剣の一種である「Dirk」であり、暗いなどを意味する「Dark」ではない。

本作の黒幕である悪の魔法使い「モードロック」にさらわれたヒロイン「ダフネ姫」を救出するべく、一本の剣を武器に城の中を進む鎧を着た騎士。
いわゆる「しゃべらない系の主人公」で、他のキャラクターは台詞があるのに対し、彼はゲーム中では基本的に叫び声などしか出さない。
また、ミスをすると身体が骨だけになってしまう。ちなみに兜を脱ぐと黒髪が顕になる。
PS4・Switch移植版PV

原典のLDゲームの時点で「既定のタイミングで正しいボタンを押さないと即ミス」という理不尽死に覚えゲーの類で*1
さらにNES(海外版ファミコン)などへの移植ではアクションゲームに変更されているのだが、同じく相当な難ゲー・死にゲーとして有名で、
二つのジャンルにかけての死にっぷりはスペランカーしんのゆうしゃウルトラマグナスの同類と言える。
殺される度に白骨になる様は鎧を着ていないアーサーと言うか……。
毎回一発で壊されるアーサーの鎧でさえ、一回も命を守ってくれないダークの鎧(鎖帷子)*2と比べたら十分高性能だったという事を教えてくれる。
AVGNによるファミコン版レビュー

上の動画で「閉じている扉に当たると白骨になって死ぬ」という惨状がネタにされているが、
実はアーサーも「ギロチンの刃が完全に降りきって地上で静止しているところに横から当たると白骨になって死ぬ」ので互角の白骨死ぶりである。
こいつらの肉体は一体どうなっているんだ……。

(以上、Wikipedia及びピクシブ百科事典より引用・改変)


MUGENにおけるダーク・ザ・ダーリン

kidthunder氏が製作したものが某所で公開されている。
ドットは1993年にリリースされたSFC用ソフト『ドラゴンズマジック』のものを用いている。
なお、Readmeの類が付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。

操作方法は6ボタン方式。
原作でも披露していた剣やブーメランの投擲の他、
剣から炎を放つといったオリジナルの技やドラゴンの「シンジ」(碇君では無い)を召喚する超必殺技も所持している。
また、最終ラウンド敗北時には身体が骨だけになる演出も再現されている。

出場大会

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*1
尤もLDゲームとはそういうものだが。今で言うQTE(クイックタイムイベント)のみで作られたゲームである。
なお「LD」とは「レーザーディスク」と言う映像記録メディアの事で、本編となるムービーを再生する途中途中の障害が現れるシーンで、
シーンに対応した正解のボタンを押せばそのままムービーが続くが、出来なかったら失敗ムービーに飛ばされるという仕様になっている。
一応動画中に正解ボタンのヒントは出るのだが、分かりづらかったりタイミングや受付時間がシビアだったりするので、
見てから押す反射神経というより死に覚えでコインを搾り取られる攻略していくゲームである
(なお初のLDゲームはセガの『アストロンベルト』(1983年)で、映像に合わせてドット絵の宇宙船を操作する3Dシューティング)。
ただしLDプレイヤーの耐久力が低かったため、実動品は殆ど残っていないとか。
純粋な映像記録メディアとしても「値段は高いのに録画は不可能」と言う事で旧来のビデオデッキに勝てず
(『炎の転校生』のLD専用アニメ化が決定した際、作者が「俺でさえ持ってないのに本当に売れるのかよ!」と突っ込んだほど)、
そうこうしているうちに、より高性能(録画も可能)なDVDの登場により廃れてしまった
(一説には、安価なゲーム機であるプレイステーション2でDVDの再生が可能(録画は不可)だった事も大きかったとか)。

一応『ドラゴンズレア』自体はディズニー出身のクリエイターが製作したムービーの出来が良かったのもありそれなりに人気があったのか、
日本でも『忍者ハヤテ』(1984年)や『宇宙戦艦ヤマト』(1985年)と言ったオマージュゲームが作られているのだが
(ヤマト?と思う人が居るかもしれないが、『完結編』において敵の要塞都市に生身で乗り込んだシーンをモチーフにしている。
 勿論、普通に艦隊戦のシーンもあるが、ミスする度に派手に轟沈するヤマトの姿は当時としてはシュールであり変な笑いが出る)、
特に有名なのが、『ダーティーペア』のユリSFコスチュームの美少女・レイカが、多彩なアクションエッチな失敗ムービーを披露する
『タイムギャル』(1985年)であるあたりが実に日本的である(余談だが『式神の城III』に登場した霧島零香の元ネタだったりする)。

なお『タイムギャル』と『忍者ハヤテ』は1992年にメガCD、1996年にPS1にカップリング移植されている他、
1986年にLDを操作する機能を持っていたMSXやX1に移植された事がある。
メガCD/PS1版は再現CG(ドット絵)なのに対し、MSX/X1版はLD(セル画アニメ)を使った完全移植である。
LD操作機能付きMSXと専用LDプレイヤーを揃えるとなると30万円以上(X1なら40万円以上)するけどな!

ともあれLDゲーム版はそもそものジャンルが死に覚えゲーである以上、その映像の出来から良作に分類される。
問題は死に覚えゲー感覚のまま移植されたNES版の難易度が理不尽なほど異常に高くなった点にあるのだ。
まあこの当時のゲームだとまともに遊べるだけ十分って話もあるけど
ただ当時のNES、つまり北米市場ではゲームソフトは購入するのではなくレンタルするというのが主流であり、
ゲームセンター同様、短期間でクリアされてしまうとリピーターが無くなってしまうという問題もあったので、
当時の需要と供給、バランス調整の名残……と考えられなくもない。

*2
実はNES版は体力制のゲームではあるのだが、あまりにも敵の攻撃力が高すぎて体力制だと気づかれない(極わずかな種類の敵の攻撃にだけ耐えられる)。
体力は敵との接触で減少する他、時間と共に減少したり、攻撃すると減少するので、
「HP」や「耐久力」という意味合いよりも、「行動力」や「スタミナ」というイメージの方が強い。
ここで「攻撃時にも体力が減少する」というルールが曲者で、ボスに辿り着いた時点で一定以上の体力が残っていなければ攻撃回数が足りなくて詰む。


最終更新:2023年06月24日 16:16