「オープン・サテライザー!」
「チェンジ・ダンガード・セット・オン!」
1977年に放送された松本零士氏原作・東映動画制作のロボットアニメ『惑星ロボ ダンガードA』の主人公機。
「A」は「エース」と読む。
ちなみにマサルさんの弁当箱に描いてあったのは「ダンバードβ(ベータ)」なのでお間違えなきよう。
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えっ、あの松本零士先生がロボットアニメを!? |
そう、本作は巨大ロボットアニメが大っ嫌いな事で知られる松本先生が唯一関わったロボットアニメなのである
とはいえ、実際はキャラデザ(なのでヒロインもメーテル顔)とコミカライズを担当しただけで、作品企画は東映動画の方で主導していたと思われる
( 当時は「メディアミックス」という言葉がなかったため。 単にネームバリューを利用されただけとも言えるが)。
その腹癒せか、コミカライズ版では、 最終回の最後のコマにしかダンガードAが登場しないというタイトル詐欺をかましている
(ただ、アニメでもサテライザー(飛行形態)の登場が第4話、ダンガードAに成ったのが第11話とかなり遅い。
後にタイトルにもある 合体ロボ形態が出るまで16話もかかった『 超獣機神ダンクーガ』のような例も存在するが、'70年代でこれは相当稀有な事例ではある)。
…そういった事情もあるのか、『スーパーロボット大戦』への参戦は現在も叶わずにいる状態である。
挙句にはロボットアニメではない『宇宙戦艦ヤマト2199』(キャラデザは別人だが)*1、 さらには純然たる松本作品であるキャプテンハーロック(正確には劇場用作品『わが青春のアルカディア』)にすら先を越される始末
まぁ『東映ロボットガールズ(チームT)』繋がりで言えば、『 マグネロボ ガ・キーン』『超人戦隊バラタック』も未参戦で、
『大空魔竜ガイキング』しかスパロボ参戦を果たしていないのだが(なお、ロボットガールズの方でもガイちゃん(ガイキング)しか参戦していない)。
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巨大戦闘空母「ジャスダム」の総指揮官・大江戸博士が開発した巨大ロボ。
元々はプロメテ計画(緑と資源に溢れた人類希望の星・太陽系第十惑星プロメテへの人類移住計画)のために開発された惑星移民用宇宙船だったが、
本作の敵組織である「ドップラー軍団」(
イレギュラーとは無関係)に対抗するための戦闘ロボットに改造された。
全長200m・重量5000tと、日本ロボットアニメ史上でも屈指のサイズを誇るが、
本編中での戦闘描写においてそのスケールを効果的に活かした場面や演出は特に無く、精々コックピットが無駄に広いぐらいである。
頭部に被さるヘルメット状に変形する小型航空機「ガードランチャー」と上半身、下半身の3つのパーツで構成されており、
飛行形態「サテライザー」から冒頭の掛け声と共に、3つに分離・変形・再合体する事で、2足歩行ロボットである「ダンガードA」へと形態を変える。
かなりリアルな造形の唇部分が特徴で、稀に演出によってその唇が開いて表情がつけられる場合もあった。
搭乗員は2名で、メインパイロットがガードランチャーに、
コ・パイロット(副操縦士)が下半身パーツ前部(ガードランチャーより上側にある)のコクピットに乗り込むが、
コ・パイロット側コクピットには予備でもう1名搭乗でき、
(原則として)事前にセッティングをしておけばコ・パイロット側で操縦を行う事も可能である。
本編では主にメインを一文字タクマ、コ・パイロットをマスクを被った鬼教官のキャプテン・ダン、
後にダンがスカウトしてきた大星秀人が務める。
乗降はジャスダムからの発進時は飛行形態でボーディング・ブリッジから野外の時はサテライザーの下部(上半身)パーツ右側に収納されているタラップで行う。
当初は非武装だったが、ドップラー軍団の超巨大ロボット兵器「メカサタン」と戦うために武装された。
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各パイロット詳細 |
一文字タクマ
本作の主人公。
「タクマ」という名前は「たくましい男になれ」との願いを込めて父が名付けた
(エンディング曲「その名もタクマ宇宙パイロット」の歌詞より)。
敬愛してやまない父・断鉄が謎の事故に遭遇し、行方不明となる。
「第一次プロメテ計画を水泡に帰させた裏切り者」の汚名を着せられ、
自身も「裏切り者の息子」「汚い奴の子」として世間から後ろ指を差され冷たい仕打ちを受けるが、
父の親友だった大江戸博士の温かい庇護を受けて健やかに成長した。
第3話よりダンガードAのテストパイロットの一人に選ばれ、キャプテン・ダンの限界を超えた凄まじく過酷な訓練でしごき抜かれ、
遂にダンガードAの正パイロットとなって父の遺志を継ぐべくプロメテに降り立つ。
共に特訓を受けるパートナーには幾人かの出入りの末、秀人がコ・パイロットを務めるようになる。
第33話で重傷を負いマスクの外れたダンが父・断鉄だったと知るが、親子の絆を確かめる間もなく第35話で死別してしまう。
ドップラー軍団との戦いの中で手強いライバルとして子飼いの青年将校トニー・ハーケンが現れ、互いに闘志を燃やす関係に。
プロメテを目前にした終盤ではドップラー側との共存を唱え、
ハーケンの要請に応えて航行不能となったドップラー軍団側の超巨大母艦「プラネスター」の乗員を救出。
キャプテン・ダン
本名は 一文字断鉄。
ドップラーの基地から脱走してジャスダムへ辿り着いたマスクマン。
当初はドップラー軍団によって自分の身元に関する記憶、手足の指紋を消されており、
第2話でジャスダムに現れた時は「Mr.X」( こっちではない)と名乗っていたが、
大江戸によりダンガードAにちなんで 「キャプテン・ダン」という仮名を与えられる。
卓越した操縦技術を持ち、
大江戸博士からプロメテ計画の要となるであろうダンガードAのパイロット養成を託されてタクマらをしごきまくる鬼教官に就任。
第3話以降、延々と繰り返される訓練はダンガードAの活躍を大幅に先送りする事となる。
第11話にて彼を狙った爆弾の爆発によりマスクが破損して外れた際に記憶が甦り、自分が一文字断鉄である事を思い出す。
しかしその後は大江戸のみに事情を明かし、タクマの前ではマスクを被り、あくまでダンとして厳しく接し続けた。
一方では発言や行動の端々に父親としての感情が表れるなどの変化も見られ(タクマは死後その事に気付く)、
登場終盤では息子の成長を陰で喜んでいた。
第26話で自分に代わるパートナー候補として新たに2人の候補生をスカウトして競い合わせようとするが、
間もなく天才的パイロットであったジェット・ジョーこと城哲治が死亡したため、
タクマと秀人の両名に絞ってメインパイロットの座を巡るライバル意識を激しく煽り立てた。
なお、スタッフによる当初の予定ではダンはそのままタクマと秀人を鍛えながらプロメテまで同行するはずだったが、
タクマをしごきまくるその鬼軍曹ぶりに対し、
一部の熱狂的な女性ファン達から「酷すぎる」「憎たらしい」「死んで欲しい」などのクレームを送り付けられるなど大いに不興を買い、
これに加えてメインターゲットである肝心の幼児層からは「仮面が怖い」というクレームの投書が毎週相次いだ事による、
余りの不人気ぶりから急遽死なせる事になったという。
大星秀人
第26話で初登場し、ジョーと共にダンガードAのパイロットとしてダンにスカウトされてきた好青年。
曲乗りのテクニックではジョーに一歩譲るものの、操縦センスは充分であり責任感が強い性格が幸いし、
ジョーの死後はタクマとダンガードAの正パイロットの座をめぐる良きライバルとなる。
ダンガードAのコ・パイロットを務めるが、重要な役割にもかかわらず、
シリーズ後半にOP・ED画面がリニューアルされた際にそのどちらにも登場しない。
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武装・必殺武器 |
胸部装甲が左右に観音開きとなり球状のエネルギー弾が発射される。
実質上の最強武器だが、メカサタンに素早く躱されて無駄撃ちとなる場面も多かった。
ジャスダムにも同名の「パルサーカノン砲」が装備されている。
両すねに装着されている赤い三角形の装甲板。
外して手持ち武器もしくは手裏剣のように飛ばして敵を攻撃する。
コズモアローを2つ繋ぎ合わせ、双槍状の手持ち武器とする。
後期OPでも敵を切り裂いていたり、本編中でも決め技として多用されていた。
前方に突き出た前腕全体が光り、パンチの形をしたエネルギー体を発射する。
作品内では両腕同時に発射している場面が多かった。
目から放つ光線。
ビーム状に伸びるのではなく、眼鏡の形をしたエネルギー弾が手裏剣のように回転しつつ飛んで着弾する。
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(以上、Wikipedia及びピクシブ百科事典より一部引用・改変)
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脳みそ鉄なんて、かわいそう…… |
東映公式の萌え擬人化コンテンツ『東映ロボットガールズ』及び続編の『ロボットガールズZ』では、
三人組だった東映ロボットガールズの追加キャラとして「ダンダン」が登場(「 チームZ」の誕生後は区別の為「チームT」を名乗る様になる)。
CVは
喜多丘千陽
女史。
おっとりした性格の少女で、宇宙飛行士になる事を夢見ている。
ちなみに本名は 「ダンダダンダダダンダンダ=ダンダダンダーダダンダダンダダダダンダンダ」(原作OPのイントロが元ネタ)なのだが、
誰も覚えられないので 愛称のダンダンで通している。
他のガールと同じく髪型は原典のヒロイン・桐野リサの髪型を模しているが、
キャプテン・ダンの要素も引き継いでおり、「鬼」という単語を聞くと普段の性格から一変し、厳しい鬼コーチと化してしまう一面がある
(後に『ONLINE』でバージョン違いの 「キャプテン・ダンダン」として実装された)。
『Z』にも第4話からチームTの一員として登場し、街の人気者の座を賭けてチームZにマラソン勝負を挑む。
優しい性格だが場違いな所があり、チームZに対する「脳みそ鉄(くろがね)」という悪口を真に受け、
本人の前で煽るように泣いては怒らせるという無自覚ながら失礼な一面を覗かせている。
アニメ第2期『プラス』では、リメイク作品『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』が元ネタの「チームLOD」としてガイちゃんが続投する一方、
ダンダンを含めた3人は原典がリメイクされていないからか客席で応援するだけのモブ扱いされていた
(『LOD』には ガイキング以外にもライキングとバルキングが居るので、LODだけでも チームが成立する。
なおリメイク作品と書いたが、主人公の姓が「ツワブキ」で、ガイキングと大空魔竜が登場する事以外は 全くの別物である)。
…ちなみに『ロボットガールズZ』はアプリゲームの『スパロボX-Ω』に期間限定参戦を果たしているのだが、
残念ながらダンダンは登場せず こうした間接的な形でも参戦は果たせずじまいであった。
まあチームTは全員出番が無いんで…(ガイちゃんは参戦したが、チームLOD名義)
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余談だが、『
サザエさん』のOPで『ダンガードA』の主題歌が誤って流れた事がある。
MUGENにおけるダンガードA
Gino Sodano氏による、3Dモデルを使用して作られたものが存在。
ボイスは外国語。
同氏製作のコンプゲー『THE WAR』用のキャラだが、
MUGEN1.1専用キャラとして単体での使用も可能。
Kon-El from Partinico氏の
グレンダイザーを素体としており、構成ファイル名が改変元のままだったり、
改変元から流用していると思しき技があるなどの面影が残っているが、性能自体は差別化されている。
パルサーカノンやダブルシャフト、アイブレスターライフルなど、原作の技や演出が一通り搭載されている他、
サテライザーに変形してミサイルをぶっ放したり、キャプテン・ダン専用機を
ストライカーとして召喚する事も出来る。
なお、元々巨体のロボット達が殴り合うコンプゲー用のキャラ故か、攻撃のリーチ・
判定共に強烈。
改変元と同様に、一般的なサイズのキャラよりも
巨大キャラと戦わせた方が良いだろう。
コンプゲー紹介動画(ダンガードAの出番は5:26から)
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出場大会
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余談。『宇宙戦艦ヤマト』の著作権について |
割と知られていないが、実は所謂「宇宙戦艦ヤマト著作権裁判」において、
「『宇宙戦艦ヤマト』の著作権者は(番組プロデューサーの)西崎義展氏であり、松本氏は制作スタッフの一人に過ぎない」という判決が下されている
(『機動戦士ガンダム』に例えるなら、富野由悠季氏と安彦良和氏の関係と言えよう)。
一応、共同著作権者という事で和解したものの、それでも西崎氏側が「 筆頭著作権者」であり、松本氏より上の立場である。
そのため、無印の時点から松本氏は原作者ではなく、『2199』に至っては松本氏の名前は一切登場しない。
松本氏が嫌がりそうな「森雪ヤマトアーマー」なんて玩具も発売されているぐらいだし、結局はダンガードAが未参戦なのは人気の問題か……
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最終更新:2024年09月10日 16:34