タッコング


1971年の特撮『帰ってきたウルトラマン』の第1話、2話に登場した怪獣
身長45メートル、体重2万3000トン。別名「オイル怪獣」。
タッコングといっても別に タコ コングが混ざった訳ではなく、
タコの足のような吸盤の並んだ丸い独特の体型(要はゆでダコに手足と顔がくっついたような姿)が特徴。

海底に生息する野生の怪獣で石油を食糧としており、石油を狙って海底のパイプラインや海岸のコンビナートを襲う。
後に『ウルトラマンタイガ』に登場した個体は海の守り神のような存在で、外見は同じだが性質が大きく異なる。

『帰マン』劇中では口から吐く目つぶしオイルしか飛び道具が無く、後は肉弾戦しか使わなかった怪獣だった。
しかし多くの怪獣書籍や再編集番組などで飲んだオイルを燃やして火炎放射する能力が語られており、
絵物語やTVゲーム作品などでも火を吐く攻撃をよく使用していた。
そのせいか『ウルトラマンタイガ』に登場した際には口から火炎を吐き、
全身を炎で包んで回転突進する新技「タッコングファイヤーボール」を使用していた。
以降の『ウルトラマンZ』でのタッコングも口からの火炎放射攻撃を多用しており、技として定着しつつある。
ちなみに「タッコングファイヤーボール」の名前自体は『タイガ』以前の2014年に開催された公募企画「ウルトランスコンテスト」が初出で、
こちらはウルトラマンビクトリーがタッコングを模した……というか殆どタッコングそのものなボール状のグローブを装着、
火炎を纏ったパンチを放つ技という扱いだった。

そのインパクトのある姿は人気があり、商品化や怪獣書籍への掲載率も高く知名度は高め。

+ 原作におけるタッコング
1971年の『帰ってきたウルトラマン』の第1話では、
度重なる異常気象の影響で突如として各地で目覚め始めた怪獣達の1体として出現。
東京湾に出現し、同じく目覚めた怪獣ザザーンと対決、ザザーンを圧倒し倒してしまう。
そのまま上陸し市街地を破壊、逃げ遅れた犬と少年を守ろうとした青年・郷秀樹を瓦礫の下敷きにして命を奪った。
しかし突如として謎の怪光がタッコングの体にスパークし、タッコングは慌てて海へ逃走。
この怪光の正体は、まだ人間と合体する前なので実体化できないウルトラマンジャックの攻撃だった。
ウルトラマンジャックは命を捨ててまで幼い命を守り抜いた郷の勇気に感化され、合体することで彼を蘇生させる。
こうして郷とウルトラマンジャックの地球を守る戦いが始まった。

その次の2話では海中でオイルを食べるために海底のパイプラインを襲うが、
MATの攻撃を受けて石油コンビナートへ上陸、コンビナートを大炎上させて暴れ回った。
そこに出現したウルトラマンジャックとの戦いでは相手の顔に口からオイルを吐きつけて攻撃するが、
腕を引きちぎられ、さらにスペシウム光線を浴び、全身の吸盤から火花を吹き出した後粉々に大爆発した。

その後は長らく新規映像作品での出番は無かったが、
他の怪獣と違う特徴的な体型とシルエットのせいか、怪獣書籍での掲載や玩具などでの商品化、
ゲームや再編集番組やビデオでの出番にも恵まれて一定の知名度を持ち続けていた。

そして、2019年の『ウルトラマンタイガ』の第22話「タッコングは謎だ」に久々に登場。
海の化身で守り神のような存在という他作品と大きく違う設定になっており、
大地の怒りの化身とされる怪獣ギーストロンを封印していた。
しかしタッコングが老いた事で封印が弱まりギーストロンが復活、暴れ回るギーストロンにタイガ達とタッコングが立ち向かう。
本作のタッコングはサブタイトルに名前を挙げられるに留まらず、単なる怪獣というより客演ヒーローのような扱いを受けており
『帰ってきたウルトラマン』の劇伴「夕陽に立つウルトラマン」がBGMとして流れるなど、オマージュの演出に力が入っていた。
一方でこれまでは怪獣書籍などだけの設定だった口から火炎を吐くタッコングが映像化され、
他にもタコの特性を活かした透明化やウルトラマンでも引き剥がせない吸盤などの新能力を得た。
さらには全身から炎を吹き出したまま高速回転し敵に体当たりする、
「タッコングファイヤーボール」という強力な新必殺技まで見せる気合の入りようだった。
タイガとの協力でギーストロンを撃破した後には背中の吸盤から水を吹き出して虹を見せており、
最後は夕日の海に帰っていくなど、見せ場が多く非常に恵まれた扱いだった。

2020年の『ウルトラマンZ』では地球の野生怪獣の1体として海から出現。
人類が作ってしまったオーバースペックの異次元壊滅兵器:D4を止めるために出現し、
それを装備する特空機ウルトロイドゼロを目指して暴走状態で上陸して突き進む。
食い止めようとするウルトラマンゼットと戦い、本作でも口からの火炎放射などでゼットを攻撃する。
しかし最後はゼットの大技を食らった事で暴走状態が解け、海へと帰っていった。

ちなみに、ニュージェネレーションシリーズではこれら以前でも
ウルトラマンオーブ』にてタッコングを登場させる案があったが、
この時点では着ぐるみが大きすぎてかさばること、ソフビの売り上げなどが見込めないなどの理由でマガジャッパに変更されている。
マガジャッパのデザインにタコの吸盤のような意匠が見られるのはタッコングを出す予定だった名残だとか。

+ 映像作品以外でのタッコング

ゲーム作品でのタッコング

『ザ・グレイトバトル』を始めとするコンパチヒーローシリーズに度々登場しており、火炎攻撃を主な攻撃手段として描かれている。
特に『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』においては、火炎攻撃に加えて相手を毒状態にする噴霧や、閃光攻撃といった特殊攻撃を多用する。
その上、本作品においては特殊なアイテムを利用する事により敵を一体のみ味方に付ける事が出来るので、
前述の『タイガ』に先んじてウルトラ戦士との共闘が実現でき、そのままパーティに加えて最終ボス戦にまで挑む事が可能である。
『スーパー特撮大戦2001』では石油を体内に溜め込んでいるという設定から、
倒された際に誘爆して周囲のユニットにダメージを与えてくる厄介な特性持ちだった。

2004年に発売されたKAZe製作のPS2用ソフト『ウルトラマン』にも登場。
ある条件を満たすと解禁される「帰ってきたウルトラマンモード」の第1ステージにおいて戦う相手。
原作以上に動きは素早く、原作通り目つぶしオイルを口から吐く必殺技を持つが、リーチは短い。
丸い体を活かして転がるように大きく移動したり、起き上がるモーションになっているのが特徴的。
「怪獣天下モード」ではプレイヤー自身が操作する事も可能。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも登場。
属性は「力」でHPと防御力のステータスが高く、継承スキルも防御系が揃ったディフェンス向きの怪獣。
固有スキルの「タッコングはだ」は、付近の味方が攻撃対象になった際、防御力が40%上昇した状態で身代わりになる能力。
スキル覚醒によって、味方に隣接した際に防御力が60%上昇(先述の効果と重複)も追加されるので、タンク要員として頼りになる。
タイガ版でのタッコングファイヤーボールや、勝利時に背中から吹き出した水で虹ができる演出も再現されている。

漫画作品でのタッコング

2005年頃から掲載されていた漫画『ウルトラマンSTORY 0』にも登場。
海が大半を占める惑星に生息する怪獣として出現し、他の海の怪獣と共にジャックを襲ったが、
あっさりとスペシウム光線でまとめて倒された。
手足が無くなり代わりに触手が生えているなど、よりタコっぽさが増した姿をしていた。


MUGENにおけるタッコング

ギマイラトラウマガメラを製作したzektard氏が手描きで製作したものが2021年5月9日に公開された。
同年5月10日更新版は『MUGEN怪獣キャラ総合スレ3』の920のリンクにて公開中。
正確には単なるタッコングではなく、その亡骸をベースに造られたMSサイコ・タッコングという設定。
ただし、大ポートレイトと後述の2ゲージ技以外は本来のタッコングと変わりない外見・能力を持っている。

技構成は『タイガ』版寄りで蹴りや口からの火炎放射を使う。
同氏のキャラの中でもモーションは躍動感があって出来も特に良く、いい感じに動いてくれる。
ただし威力は高く無敵もあるので性能自体は高い。
ゲージ技は全身から炎を吹き出し回転して体当たりする「タッコングファイヤーボール」と、
MS形態に変形し、全身から放つ光線で周囲を攻撃する2ゲージ技「拡散メガ粒子砲」でどちらも無敵、射程共に強力。
MUGEN上での表示サイズも大きく、LIFE1350、DEF260とかなり高い耐久力を誇る。
攻撃中は無敵になる技も多いなど強力な性能を誇り、人操作なら凶キャラ撃破も可能だろう。

AIは未搭載だが、2022年7月にIX氏により外部AIが公開された。
キャラのステータスを低下させたものも同梱されており、相手によって使い分けるといいだろう。
紹介動画

出場大会

  • 「[大会] [タッコング]」をタグに含むページは1つもありません。


最終更新:2024年10月08日 14:48