きあいのタスキ

登録日:2012/06/06(水) 12:42:08
更新日:2024/02/22 Thu 09:53:44
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「きあいのタスキ」とは、ポケットモンスター第四世代から登場したアイテムの一つである。

※アイテム説明文
もたせると HPが まんたんのとき ひんしになりそうな わざを うけても HP1で いちどだけ たえる。


【概要】

HPが満タンの時、喰らうと瀕死になりそうな技を受けてもHP1で一度だけ耐える。

第二世代(金銀クリスタル)から登場していた、似た名称の「きあいのハチマキ」というアイテムの限定上位互換。
ハチマキはHPに関係なく10%の確率で体力1で耐えるというもので、運さえよければ連続で何度も発動し、
金・銀エキビションマッチのきしかいせいヘラクロスポケサンのゴルゴのオクタンのような胸熱逆転勝利への働きを見せる。

しかし確率発動で不確定なため、きあいのタスキが登場した第四世代(DPt)からは、こちらの方が用いられる場合が多くなった。

体力満タンならばどんな攻撃も一だけ残して耐えるという効果は、普通のRPGや対戦ゲームをやっている人からすると大したことないと捉えられがちだが、1ターンが重要なポケモンにおいては必ず一回は行動できるというのは非常に強力。

この道具の登場により、今までパワーはあっても耐久や速度に難があり、倒す前に倒される状態だったポケモンでもその役割を果たせるようになった。
第四世代以降のパワーインフレも、その需要に拍車をかける事となった。

影響力は非常に大きく、このアイテムのメタとなる技が重要な戦術として考えられるようになったほどである。

第四世代当初は乱数調整も確立前で「あかいいと」による理想個体調達は影も形もなかったため、妥協個体を運用することが対戦において当たり前であった。つまり、耐久個体値を妥協した個体を使いやすくするようにするための手段としても注目されていた。

また、第五世代(BW)からは「がんじょう」にもこのアイテムと同じ効果がついた。
あちらは特性なので、体力満タンにすれば再びその効果を発動できる。

ちなみにハチマキと違って消費アイテムなので、ストーリー中にうっかり持たせないように。
第七世代(SM)では比較的楽な条件で入手できるため、特に気を付けたい。
スカーレット・バイオレット』からは野生ポケモンなどとのバトル後でも戻ってくる仕様に変更されたためこの事故の心配はなくなり、旅パでの使い勝手が向上した。


【タスキの使い道】

  • とにかく耐える
一撃で消されかねない四倍弱点持ち、弱点多数、耐久の種族値が低めのポケモンなど、突破力が高いが潰されやすいポケモンの補強に。
130族のような耐久力が低くても素早さが高い、いわゆる速攻型アタッカーなら生き残った時のチャンスを活かしやすく相性が良い。
逆にヤドランカビゴンのように元から耐えるのが目的の鈍足高耐久タイプのポケモンではあまり活かせないだろう。

物理/特殊どちらも高いポケモンであれば、攻撃面に努力値をなるべく割き、耐久はタスキで補うという方法がある。
更に鈍足ポケモンであれば素早さ調整を一切考慮せずに済む。

「1ターン耐えてキャストオフできたら、次の一手で奴を倒せる!」なんて時に。上手くいけばそのまま倒し切れる事も。

  • 確実なコンボ遂行
例えばドーブルの「キノコのほうし」+「こころのめ」+一撃必殺技なら、タスキで耐えて眠らせれば相手が特性や持ち物で対策してない限りはそれなりに決まる。
また、先発の場作り要員、つまり「ステルスロック」「トリックルーム」などで後続をサポートする役割のポケモンに持たせるのもいいだろう。

  • 襷カウンター
一撃で倒されるほどのダメージを生かし、カウンターやミラーコート、メタルバーストで跳ね返す戦術。特に読みを必要とする。
「こらえる」+「がむしゃら(orじたばた、きしかいせい)」でも代用可能。

スピードが遅いが火力があるタイプのポケモンで、一撃目で大ダメージを与え、二撃目の先制技でとどめを刺す戦法。
しかし、2ターン目で相手も先制技を撃ってくると確実に落とされてしまう。

  • 自爆特攻
一撃で倒せなかった場合に、どうせ倒されるのだからと無理矢理突破を狙う。

元々の体力が1なので、対人戦なら延命のために高確率でタスキを所持している。
攻撃を喰らいさえすれば確実に発動するため相性が良い。
勿論、読まれやすいのを逆手に取って他の道具を持たせている場合も。


【リアル襷】

リアル襷とは、文字通りタスキを使わずに相手の攻撃にギリギリ耐える現象を指す。
HPが1にならずとも赤ラインギリギリならばこのリアル襷に該当する。

「いかりのまえば」など一部の技を除き、ポケモンが攻撃して敵に与えるダメージは一定ではない。
例えばHPが130のポケモンに126というダメージ判定が出れば残りHPは赤ラインギリギリの4となり、リアル襷として成立する。
なので、同じポケモンが同じポケモンに攻撃しても倒せたり、倒せなかったりもする。

運が絡む事からタワークオリティの一種ともされ、CPUはこのリアル襷でこちらの攻撃を赤ラインギリギリで耐える事が多い。
しかし対人戦にはタワークオリティの概念はないので中々レアなケースである。
それゆえに発動すると中々アツい。

「ああっと!皮一枚で繋がったあああ!」


【対策】


  • 連続攻撃技
「ロックブラスト」や「つららばり」など。
一撃の威力・命中率ともに低めで、総ダメージ量が不安定なのが難点だが、特に「スキルリンク」など特性でカバーできるポケモンにとっては非常に強力。
ちなみに第四世代までは何発攻撃されてもタスキが発動したが、
第五世代から最初の一撃に対してのみタスキが発動し、それ以降の攻撃はタスキを貫通される仕様になった。
「ダブルアタック」などなら当たればそこそこの威力は保障されている。
最近ではウーラオスが高火力かつ確定急所の優秀な連続攻撃技「すいりゅうれんだ」を覚えるため襷ケアをせずに戦え非常に優秀。

  • 先制技
「しんそく」や「でんこうせっか」など。タスキが発動した後、殺られる前に殺るタイプの対策。
基本的な威力は40と低いので、テクニシャンバレパンハッサムのように戦術自体に先制技を組み込むタイプでなければ、技スペースと相談。
また、戦闘に出た時限定だが、「ねこだまし」もタスキ潰しとして大きな働きを見せてくれる。

  • 状態異常
火傷混乱宿り木など。タスキを潰すだけが目的なら、大抵の状況では素直に殴った方がいいかもしれない。

毎ターン終了時に最大HPの1/16減らす優秀な天候。
場の状態に変化を与える技。しかしパーティーの構成を考えないと逆にこちらが不利になる。いわじめんはがねタイプのポケモンはダメージを受けないので優秀。
かつてはあられという無効化されにくい選択肢があったが、SVからは「ゆき」に代わりダメージを与えなくなってしまった…

  • 設置技
ステルスロック」「まきびし」など場に出たタイミングでダメージを与えるもの。
特にステルスロックは無効にする手段が少なく、デメリットもターンを消費することくらいなのでパーティにステロ役がいることも少なくない。

  • 接触ダメージ
「ゴツゴツメット」「さめはだ」「てつのトゲ」等。
接触技主体のポケモンならこれの反射ダメージで。

  • みちづれ
HP満タンでもタスキ無効。あくまでも最終手段感が強いが……。

  • マジックルーム
5ターンの間フィールドのどうぐ発動を阻止するルーム技
癖が強いものの相手は襷に頼ることができなくなるため計算を狂わされることもある。




多くの活躍させづらかったポケモンに活躍の場を与えたアイテムだが、強力な分対策されやすい。
読み合いと経験、運次第でこのアイテムが有効に決まるか無駄となるかは変わっていくだろう。


追記・修正はHP1で耐えてからお願いします。

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最終更新:2024年02月22日 09:53