カプ・テテフ

登録日:2017/03/08 (水) 22:35:04
更新日:2023/05/14 Sun 19:20:00
所要時間:約 6 分で読めます













カプゥーフフ!










カプ・テテフとは『ポケットモンスター サン・ムーン』から登場したポケモンの一匹。



■データ



無邪気で 残酷な アーカラの 守り神。 花の 芳しい 香りが エネルギーの 源。

全国図鑑No.786
アローラ図鑑No.286
アーカラ図鑑No.130
分類:とちがみポケモン
英語名:Tapu LeLe
高さ:1.2m
重さ:18.6kg
タマゴグループ:未発見(性別不明)

タイプ:エスパー/フェアリー
特性:サイコメイカー(場に出ると5ターンの間、サイコフィールドを展開する)
隠れ特性:テレパシー(ダブル・トリプルバトル時、味方の全体攻撃を受けない)

HP:70
攻撃:85
防御:75
特攻:130
特防:115
素早さ:95
合計:570

努力値:特攻+3

2倍:どく/ゴースト/はがね
1/2:エスパー
1/4:かくとう
無効:ドラゴン


■概要


第七世代から登場したポケモンでアローラ地方の4つの島の一つ、アーカラ島の守り神として崇められている。
名前の由来はカプ(ハワイ語:禁忌、タブー)+てふてふ(「蝶々」や「喋々」などの旧仮名遣いによる表記)+プレレフア(ハワイ語:蝶)を合わせたものだろうか。
また他のカプ神たちと共に歴代で初めて名前に「・」が用いられているポケモンでもある。
外見は蓋付きの壺(外殻に相当する)の中に小人が入ったような姿をしている。その気質は無邪気にして残酷。
面白半分に自らの特殊な鱗粉を人間やポケモンに振りまくという。
この鱗粉は体を活性化させ、怪我や病気を治す効果を持つが、浴びすぎると体がその変化に耐えきれなくなり、逆に危険という二面性を持つ。
……ビジュアル的にグロいことになってる可能性もある設定である。

大昔に起こった島同士の争いを鎮めるために、鱗粉で治癒を行い和解させたという伝承が残されている。
しかし、その真相は鱗粉の力で暴走した人々が全員死んでしまったために争えなくなったとも言われている。
原始的な宗教信仰にありがちな邪気のない残酷さ、あるいは薬物を用いた神との交信あたりがモチーフとされているという事だろうか。

モデルはハワイ四大神の一柱、生命の神「カネ」であろう。
さらに「カネ」はハワイ四大神の中では一番偉い神とされている。
……その性能については後述するが、レートでトップメタに君臨したのも頷けるかもしれない。

■ゲームでのカプ・テテフ


蝶がモチーフだが虫タイプではなく、バリヤードサーナイトに続くエスパー・フェアリータイプのポケモン。
アーカラ島の守り神であり、シリーズでいう準伝説に当たる。アーカラ島はずれの奥にある命の遺跡で祀られている。
カプ神共通の専用技として「しぜんのいかり」を持つ。
効果は「いかりのまえば」と同じで相手のHPを半分にするというものだが、あちらと違って非接触かつ無効タイプがない。
エスパータイプらしく特攻と特防が高い。
また専用特性である「サイコメイカー」により「サイコフィールド」を張ることができる。
「サイコフィールド」は第七世代から登場した新しいフィールドでエスパータイプの技の威力が上がり、相手を対象にした先制技が無効になる。
技の使用者自身や使用者の味方を対象にした先制技である、「てだすけ」「まもる」、「いたずらごころ」持ちの壁張りや天候変化技などは使用可能。
いたずらごころ」で「ミストフィールド」を張られようものなら「サイコフィールド」の先制技無効の効果は発動せず、普通にフィールドの張り替えが効く。

殿堂入り後に命の遺跡で奥の石碑を調べるとバトルになる。
レベルは60。「じんつうりき」に「ムーンフォース」と強力な技を使ってくる。特に「じんつうりき」はサイコフィールドも合わさって非常に威力が高い。
また、確実に体力を半分削る「しぜんのいかり」と混乱状態にする「おだてる」にも注意。
他のカプと違って完封が不可能なのでマスターボールを投げてしまうのが手っ取り早い。

■対戦でのカプ・テテフ


「殻にためられるエネルギーが少なく、真っ向勝負をすると力負けしてしまう」「戦いになると勝つことよりも負けないことを重視して、相手を状態異常にする戦法を得意とする」という説明文もあり、サポート型のポケモンである。






























   *   *
 *   + うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *


実際は噛み合ったタイプと特性と種族値を持つ恐るべき脳筋ポケモンである
特攻がなんと設定に反してラティオスゲンガーと同等の130もある。「真っ向勝負をすると力負けしてしまう」とは何だったのか。「相手が」力負けするのだろうか。
他の能力も準伝説らしく平均以上あり、実は全ての種族値がサーナイト以上。アローラ地方では珍しく素早さが高めで95ある。
そして何より「サイコメイカー」が非常に強力である。これにより5ターン限定ではあるものの、エスパー技の威力を1.5倍にする。
特攻130から繰り出される「サイコキネシス」が1.5倍となり、素の状態で「こだわりメガネ」持ちラティオスと同等の火力となり、特防の低い相手なら半減でもゴリ押しが可能な威力になる。

エスパータイプの技は悪タイプのポケモンで無効にできるが、カプ・テテフはフェアリータイプでしかもムーンフォースを覚える。
そのため、悪タイプへの交換が行いにくくなっている
これが許されるならカプ・コケコやカプ・ブルルに「じゃれつく」を与えても良かったのでは?
さらに「サイコフィールド」のもう一つの効果である先制技封殺がかなり厄介。
先制技にはカプ・テテフの弱点をつける「バレットパンチ」と「かげうち」もあり、それを無効にできるため非常に高いシナジーがある。
先制技が効かないということは素早さで劣るポケモンに先手を取られる心配がなくなることを意味する。
持ち前の特攻もあって先手を取れればその制圧力は凄まじいものがある。
この効果はフェローチェなどの紙耐久速攻アタッカーとも非常に相性がいいため、よく一緒にパーティに組まれている。
なお、「サイコフィールド」の恩恵は相手も受けられるため、こちら側の先制技も無効になることに注意。
また、「ねごと」で先制技が発動したり、ダブルで相方が先制技を使った相手に「アンコール」をかけると優先度+が消えてしまうので留意しておこう。
予防の為にもコイツに先制技は覚えさせない方がいいだろう。

持ち物の候補としては上から高い制圧力を押し付けられる「こだわりスカーフ」がメジャー。
ただでさえ高い火力を伸ばすために「こだわりメガネ」「エスパーZ」等もある。
特に「エスパーZ」の「サイコキネシス」から繰り出される「マキシマムサイブレイカー」は威力175に一致補正と「サイコフィールド」の補正が加わり威力393に。
守っているバシャーモを貫通し、「めいそう」も絡めれば特防に振っていないメガハッサムすら倒せるほどに。カプZとはなんだったのか…

しかし、そんなカプ・テテフにも弱点はある。
物理耐久は中の下程度しかないため、先手で強力な物理攻撃を叩き込めれば勝機も十分ある。 スカーフのせいで有って無いようなものであるが
フェアリー複合も相まって鋼タイプ相手が辛い。
とは言えカプ・テテフ自体は鋼相手に何もできないという事はなく、「シャドーボール」に「10まんボルト」「きあいだま」等一応通る技も覚える。
めざめるパワー()」を粘るのも手。


対策としては/悪複合のアローラベトベトンが有名。というのもサイコショック無効でHPと特防が高く、カプ・テテフ側は積まない限りはどう考えても確1にならず(積んでもクリアスモッグで消されるため無意味)、アローラベトベトン側はダストシュートで確1が取れるためである。
まあ、そもそも逃げられると思うが
先制技が撃てないのは相手も同じなので、対面なら「きあいのタスキ」やポケモンで一発耐えて反撃してもいい。
具体的にはメタグロスギルガルドテッカグヤがんじょうボスゴドラあたり。
特にメタグロスは性格陽気でメガシンカした状態で先制されたらスカーフ持ちが確定するので非常に相性が良い。


その圧倒的な性能から対戦では多くのトレーナーに使用され、なんとあのガブリアスを抜いてシングルレート第1位の座を勝ち取ってしまった*1
さらにPGLで分かる通り、ほとんどのポケモンの『このポケモンを倒したポケモン』ランキングの1位や2位にこいつが入っている。
まさに全盛期のメガガルーラを彷彿させる事態となっている。
といってもこれはあくまでも使用率だけを見た限りであり、カプ・テテフ自身は当時のメガガルーラみたいにあらゆる相手を有無を言わせず否定するほどではなく、寧ろ当時のメガガルーラと比べれば遥かに良心的なほうである。フィールドの特徴もあり使用率こそ高く保っているが、あくまで汎用性による面が強く、ゲームバランス的にはまともとの認識も増えてきている。
また、ダブルバトルでは搭載率が非常に高い「ねこだまし」もシャットアウトできてしまう為環境に与える影響も大きい。
とは言え、やはり明確な弱点がある為か次第にはがねタイプで対策されるようになっていったため、現在は一時期よりは少し勢いを落としている。また、スカーフでもテテフ自身にワンキル力があるわけではないことから返し倒される場面が比較的多いこと、かといってスカーフ以外だとS95の予想以上の縛られやすさが露呈することが明らかになっていることにも起因する。
(使用率的には)トップメタに変わりはないが。
むしろテテフ増える⇒鋼増えるの二段パンチで一番被害を受けたのはドラゴンである


……ゼルネアスといい、生命力を司るポケモンはどうしてこうも見事な脳筋かつ壊れ性能になるのだろうか。


さすがにこれだけの攻撃性能を持つポケモンの技範囲を広げるのは不味いと懸念されたのか、USMでの強化はかなり控えめのものに。
じゅうりょく」やルーム系の技等、テテフの基本戦術とあまり相性が良くない技ばかりが追加された。攻撃技も「いびき」のみ。
トリック」はもちろん、物理とは言え「しねんのずつき」すら回されなかった辺り、相当警戒されているのだろう。

そして剣盾でもさも当然のように「ワイドフォース」習得不可*2
一応、「サイコカッター」や「じゃれつく」を新規習得できるようになっているが、相変わらずの警戒っぷりである。
本作ではめざめるパワーは廃止され、サーナイトなどが新たにほのお技のマジカルフレイムを習得した中でテテフは習得できず、ダイマックスで相手にフィールドを上書きされやすい上に、テテフ自身もダイマックスとの相性がそれほどよろしくない。
何せダイフェアリーやダイサンダーではフィールドが上書きされてしまうし、特殊型のテテフではダイナックルやダイホロウの効果も……。
また今作ではフィールドの火力補正が1.5倍から1.3倍に落とされてしまったため、火力が少し足りない場面が増えてしまった。

またイエッサンがテテフと同じサイコメイカー持ちなのもかなり悩ましい。
種族値やフェアリー技の火力ではテテフが大きく勝っているが、あちらは「ワイドフォース」「マジカルフレイム」「トリック」を使うことができる上にゴースト無効の複合タイプ、ダブルバトル向きの優秀な変化技を多数持つなどテテフを脅かす点が多数ある。
単純な火力勝負になりやすいシングルバトルではまだテテフ優位だが、「ワイドフォース」が複数対象攻撃になる上に豊富な変化技が活きるダブルバトルではイエッサンにどうしても見劣りしてしまう。
ゴリランダーに後れを取るカプ・ブルルよりはまだマシな状況だが、今作のカプ・テテフは少し不遇な気がしなくもない。


追記・修正はサイコフィールドを展開してからお願いします。
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最終更新:2023年05月14日 19:20

*1 …というより本作の環境の上位陣はコイツとミミッキュであり、ガブリアスにとって逆境である。

*2 補足しておくとカプ・テテフに限らず、他の守り神も教え技を何一つ覚えられない。